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令和4年12月静岡県議会定例会
鈴木 節子 【 討論 】 発言日: 12/21/2022 会派名: 日本共産党静岡県議会議員団 |
○議長(藪田宏行君) これから討論を行います。
通告により、一番 鈴木節子君。
(一番 鈴木節子君登壇)
○一番(鈴木節子君) 日本共産党の鈴木節子です。
知事提出議案四十四件のうち、第百五十号議案に反対し、外四十三件に賛成するとともに、請願第二号「国民健康保険料(税)の引き下げを求める請願」、請願第三号(その一)から(その三)「すべての子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願」の不採択に反対し、紹介議員として請願に賛成の立場で討論を行います。
まず初めに、第百五十号議案「個人情報の保護に関する法律施行条例」について反対の理由を述べさせていただきます。
本議案は、二〇二一年五月に成立したデジタル関連法の一環である個人情報の保護に関する法律が改定されたことに伴い現行の静岡県個人情報保護条例を廃止し新たに保有個人情報の開示の手続等について必要な事項を定めるため、個人情報の保護に関する法律施行条例を制定し国基準で統一しようとするものです。
国の個人情報保護法の中心部分は、国や地方自治体が持つ膨大な個人情報のデータを匿名加工情報としてその活用を国の成長戦略に位置づけ民間企業に提供することにあります。行政が個人情報を集積し、そのデータを企業等に開放して利活用しやすい仕組みにすることを優先し個人情報保護はないがしろになります。行政が保有する個人情報を本人同意もなく目的外利用し外部提供し成長戦略に企業の利益につなげようというものです。
データ利活用を進めるために保護の仕組みを切り捨て、個人情報保護を求める住民に応えた自治体独自の取組を取り崩すものでしかありません。プライバシー保護の後退であり、自治の根幹である条例の制定が否定されかねない地方自治への国家統制というべきものです。
今回の施行条例は、これまでの個人情報保護条例を廃止し国の個人情報保護法に基づき全国一律にさせるものです。地方分権、地方自治に逆行するものであり反対します。
続いて、請願第二号、第三号の不採択に反対し、請願に賛成の立場で述べさせていただきます。
まず、請願第二号「国民健康保険料(税)の引き下げを求める請願」について述べさせていただきます。
請願は全県から一万人を超える署名が提出され、コロナ禍、物価高騰で家計を直撃する中、高すぎる国民健康保険料の引下げを求め、とりわけ子供の均等割を県が財政支援することで子育て世帯の経済的負担軽減を求めるものです。国保の加入世帯は年金生活者、自営業者に加えフリーランスや非正規雇用者も加わり高齢化、低所得化が進み国保料の負担が高いという構造的問題を抱えています。国保の都道府県単位化から五年目となり一般会計からの繰入れ削減解消、収納率引上げへの誘導により目標に達しなければ交付金の大幅減額というペナルティーも強化されました。県から市町に対し給付費抑制、収納率向上、一般会計からの繰入れ解消を誘導させるのが狙いです。
しかし、今県に問われているのは給付費抑制の先兵となるのか、それとも住民福祉のとりでとなるのかです。県独自の財政支出を行い住民負担の軽減で社会保障制度としての国保に立ち返らせることが求められています。とりわけ子育て世帯にとって世帯全員に課せられる均等割は重い負担となっています。国が踏み出した子供の均等割の軽減に沿って本県も同様に子育て支援策を打ち出すことは極めて重要と考えます。
あわせて、国保運営協議会委員に国保加入者代表を市町推薦でなく公募することでより活発な議論が展開されることは有意義なことです。かたくなに公募を拒む理由はありません。
続いて、請願第三号「すべての子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願」について述べます。
請願は続々と寄せられ、本県と両政令市に提出された請願は総合計で一万七千人を超えています。本請願はコロナ禍、子供の健康と命を守ることを第一とし教育費の保護者負担軽減、三十人学級の早期実現、特別支援学校の過大・過密の解決、学校へのエアコンの早期設置など十一項目の要求が込められています。教育現場では不登校、いじめ、格差と貧困、学力格差、教師の長時間・過密労働など深刻な事態が進んでいます。そこにコロナ禍と物価高騰による保護者の経済的負担増が加わり深刻な事態はますます複雑化しています。
教師の産休・育休でも代替教員が確保できず教師不足も解決してはいません。特別支援学校と特別支援学級の設置、学級編成基準の緩和は待ったなしの課題です。
これらどの要求も切実で喫緊の課題であり早急に実現すべきものです。どなたも反対する理由はない項目です。
以上、二つの請願について賛成の理由を述べさせていただきました。この議場におられる全ての議員が請願に賛同されますよう心から訴えます。
以上、議案第百五十号に対する反対理由を述べ、二つの請願を不採択とすることに反対し討論といたします。
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