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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

勝俣 昇 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/09/2022

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 富士山世界遺産登録10周年の取組について
2 富士山噴火に伴う避難対策について
3 未就園児に関する取組について
4 県産米粉の普及に向けた取組について
5 県道ふじあざみラインの緊急避難所の整備について
6 多様な児童生徒への支援の充実について


○副議長(和田篤夫君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百三十五号から第百七十六号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、十番 勝俣 昇君。
       (十番 勝俣 昇君登壇 拍手)
○十番(勝俣 昇君) おはようございます。
 私は、自民改革会議の所属議員として通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に一括質問方式にて質問をいたします。
 初めに、富士山世界遺産登録十周年の取組について伺います。
 二〇二三年は、静岡県民の悲願であった富士山の世界遺産登録から十年という節目の年を迎えます。県民の誇りでもある富士山のすばらしさが世界に認められたあの日の感動は今でも忘れられません。
 また、世界遺産としての価値を伝えるために設置されました世界遺産センター、今月でオープンから五周年を迎えます。静岡県民はもとより国内外から多くの人々に富士山信仰の対象と芸術の源泉を後世に守り伝えていくための拠点施設として認知がされ親しまれてきました。
 富士山及び富士山と関わりを持つ富士山本宮浅間大社など周辺の神社や登山道、また三保の松原などの構成資産については、今後とも人と自然の共生を象徴する世界の宝として自然環境を守り文化的な価値を引き継ぐために将来に向けて絶え間ない努力を続けていかなければならないことは言うまでもありません。その意味において世界遺産登録十周年という記念すべき節目の年を迎え、いま一度自然環境の保護の必要性や富士山の有する歴史・文化的な価値を広く県民に浸透させる契機の年とし、またアフターコロナにおける本県の観光産業の回復につなげていくために取組を周辺市町と一体となって盛り上げていく、そんな年とするべきであると考えます。
 そこで、県としてどのように富士山世界遺産登録十周年の節目を捉え、また十周年をアピールする取組を進めていくのかを伺います。
 次に、富士山噴火に伴う避難対策についてです。
 平成十六年六月に策定された富士山噴火に伴うハザードマップは、新たな科学的知見が蓄積されたことにより昨年三月第十一回富士山火山防災対策協議会において改定がされ、想定火口範囲が市街地方面に大きく広がりました。この改定により噴火前に避難行動を開始する必要があるエリアの推計人口が、改定前の一万六千二百七十四人から約七倍の十一万六千九十三人となりました。
 同協議会の富士山火山広域避難計画検討委員会では、より短い時間でより多くの人を避難させるため火山現象ごとに効果的な避難対策が検討され、本年三月にその中間報告が行われました。この中で現行の避難計画は富士山火山広域避難計画という名称から富士山噴火時には遠方へ避難しなければならないと誤認されることがありましたが、改定後はまずは市町内で安全が確保できる避難先を検討する、次に近隣の市町、次に離れた市町を検討すると段階的に避難先を拡大することが明記されております。また自動車での避難が深刻な渋滞を引き起こし避難が遅れる懸念があるため、避難行動要支援者の自動車避難を優先させ一般住民は噴火後徒歩での避難を原則とするなどの方向性が示されております。
 この中間報告を受け関係自治体では示された方針に沿って検討を始めたものの、噴火後の徒歩避難に関しては都市部とそれ以外の地域で車両台数の違いもあり渋滞の度合いも違うことから地域に即した避難方法があってもよいのではないかといった意見や離れた市町への避難に関し避難先の確保に課題があるとの意見も伺っております。いつ起こるか分からない自然災害、特に富士山噴火に対し同協議会は本年度中を目途に避難計画の見直しを進めております。並行して避難者受入れに伴う自治体間調整など実践的な事項についても関係市町と連携して進めていく必要があると考えております。
 また、富士山噴火に伴う降灰時の避難方法について同報告書によれば、降灰シミュレーションの結果三十センチ以上の降灰の可能性が高い地域では大量の降灰時に備えて屋内避難先となる鉄筋コンクリート造りのような堅牢な建物の確保を検討するとなっております。
 一七〇七年富士山宝永噴火のときには私の地元である小山町須走地区で約三メートル九十センチの火山灰が積もったとされ、同町の教育委員会が行いました二〇一九年と二〇二二年の試掘調査によれば降灰で押しつぶされた家屋の柱や当時の生活用品などが発見されております。学術的には降灰が十センチ以上で一般的な車両は走行不能となり、送電線に積もった灰が水を含めば停電を引き起こし、上水道の水源に灰が流れ込めば断水の発生も懸念されると指摘がされております。
 例えば、宝永噴火と同規模の降灰があった場合、報告書どおりに示された避難方法では小山町民を含め富士山周辺に住む県民の安全を保障できるのか疑問を抱かざるを得ません。宝永の噴火も含め過去の富士山噴火の降灰データに基づき、山梨県などの隣接県をも含め避難シミュレーションを再検討する必要があると考えます。
 そこで質問ですが、仮称富士山火山避難基本計画の策定に当たり市町が課題として捉えている避難先の確保、避難方法、降灰時の避難などについて市町と連携し具体的な対策を検討していく必要があると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、未就園児の取組について伺います。
 小学校就学前、ゼロ歳児から五歳児までの幼稚園や保育園に入園していない未就園児、いわゆる無園児について厚生労働省は本年二月、二〇一九年度時点で全国で約百八十二万人に上るとの推計を公表しております。この数字には認可外施設や事業所内施設を利用する子供は含まれていないので正確な未就園児の人数は不明とのことであります。
 未就園児の多くは保護者が育児休業を取得するなどして施設を利用していないケースが一般的ではありますが、一部で就園が望ましいにもかかわらず経済的な理由やネグレクト  育児放棄でのケース、外国籍で入園手続が分からないケース、また障害や病気で受入れを拒否されているケースなどが考えられるとされております。
 実際に、私の地元で子育て支援に携わっている方からお聞きした話によれば、外国籍で入園手続が分からない方や車がなく幼稚園や保育園が遠くて通園できないなど身近においても未就園児の存在が確認をされております。またそうした保護者の方は子育てにおいて孤立しているとの意見も伺っております。
 認定NPO法人フローレンスが未就園児の保護者を対象に実施し本年八月に公表したアンケート調査結果によれば、子育てで孤独を感じると答えた人が四三・八%に上り、定期的に施設を利用する保護者よりも孤独感が強く、特に十代から二十代の若い保護者で高い傾向にあるとされております。孤独感が高まると虐待などのリスクが高まるとの指摘もあり、早い段階からこうした保護者を支援していく必要があると感じております。
 児童虐待による死亡事例については、二〇〇八年度から自治体による検証を行うことが法律で定められております。二〇二二年度までの過去十五年間で小学校入学前のゼロ歳児から五歳児が死亡するなどした二百三十一件の虐待事案のうち六割超が未就園児と見られ、親子の孤立が背景の一つと指摘されたケースは約二割の四十三件であったことが明らかにされております。
 国は、来年四月に創設されるこども家庭庁において、保育施設を利用していない未就園児を定員に空きがある保育園で定期的に預かるといった新たな支援事業や外国籍で入園手続が分からない保護者などに訪問型の支援を行う検討を進めております。県においても支援を必要とする未就園児の実態把握に努め国の支援制度の動向を踏まえ対応していく必要があると考えますが、どのように取り組んでいくのかを伺います。
 次に、県産米粉の普及に向けた取組についてです。
 ウクライナ情勢、またアメリカやカナダ産小麦の不作の影響から輸入小麦の価格が上昇し政府による価格抑制策にもかかわらず、既にパンや麺類などの販売価格も値上がり家計を圧迫している状況にあります。海外から日本への農産物の輸入が社会情勢の変化や凶作などによって滞った場合においても国内需要に応えられるよう、食料安全保障の観点から国内の農業生産の維持拡大を図る必要があると昨今の状況から強く感じております。
 そのような中、注目が高まっているのが国産米粉の活用であります。米粉については主食用米の米余り対策として二〇〇九年に米穀の新用途への利用の促進に関する法律の施行により本格的な導入が進められましたが、米粉用米の品種開発や加工技術が未発達であったため需要は伸びず一時的なブームとして終わった経緯があります。
 しかしながら、その後米粉用米の品種改良と加工技術などの向上により米粉用米の作付面積は昨年九月十五日時点の見込みで過去最高となるなど年々増加傾向にあります。また本年六月には自民党の米の需要拡大・創出検討プロジェクトチームが、政府に対する第一次提言において小麦粉の代替えとして米粉需要が二〇二一年の四万トンから二〇三〇年には七倍の二十八万トンへ拡大するとの試算を示しております。加えて食物アレルギーに対する関心の高まりから、米粉はグルテンフリー食品として注目を浴びており需要の高いヨーロッパやアメリカに向け国は輸出を促進しております。
 こうした状況の中、米どころ新潟県では食料自給率の向上に向け輸入小麦の一〇%以上を国産米粉に置き換える運動  R10プロジェクトを展開しており、製粉事業者、パン・麺製造業者、流通業者、生産者が参加し全国的な米粉の利用促進に向け取り組んでいます。私の地元でも販売事業者と米の生産農家が連携し米粉で作ったバームクーヘンやパンを地元の道の駅で販売したり、また町民に対しては特産品への関心を促すために有名シェフを招いて御殿場コシヒカリの米粉を使用したスイーツづくりの料理セミナーを開催するなど米粉の消費拡大に積極的に取り組んでおります。また県内においてほかにも、大学と共同で一〇〇%米粉のグルテンフリーパンの商品化に取り組む民間事業者もあり、米粉の利用に関し生産から製粉、加工、販売分野の連携が行われております。
 一方で、米粉の消費拡大を図る上で大きな課題があります。私の地元で米粉商品を販売している事業者の方からは、米粉は小麦に比べて単価が高く商品の販売価格を押し上げているとのことで理由を尋ねたところ、製粉会社が近くにないために輸送費用が高く近くで製粉ができればコストが抑えられ安く販売でき今以上に消費が拡大するというお話をお聞きしました。また県内の製粉事業者の方によれば、需要が限られている中で米粉の製粉を拡大する計画はなく新たな投資をする場合においても製粉機だけではなく製造ラインや保管庫など総合的な設備投資が必要になるためコストの回収が難しいとのことで、県内製粉事業者のインセンティブを促す環境づくりとして米粉用米の作付とともに米粉の消費拡大を並行して推進することが重要だと考えます。そのためにも例えば学校給食でパンや麺類など米粉製品の利用を促進するなどが中長期的には米粉の消費拡大につながる有効な手段だと思います。
 こうした県産米粉の普及に向けた取組が県内水田農業の新たな活性化にもつながっていくと思いますが、県の所見を伺います。
 次に、県道ふじあざみラインの緊急避難所の整備についてです。
 今夏の富士登山シーズン終了に伴い富士山須走口登山道が閉鎖しマイカー規制も解除された十月十三日、静岡県駿東郡小山町の県道、通称ふじあざみラインで大型観光バスが制限速度の三倍近い時速約九十キロで道路脇ののり面に乗り上げ横転し乗客一人が死亡、二十七人が重軽傷を負うという大変痛ましい事故が発生しております。県警による事故後のバスの検証によれば二十六歳の運転士の操作ミスでフットブレーキを多用したため摩擦材が高温になりブレーキの利きが悪くなるフェード現象が起きたと見られ、事故の原因にもなった可能性があるということで現在も調査が進められている状況です。
 私もふじあざみラインを走行したことが何度かありますが、下り勾配が急であるためエンジンブレーキを多用しながらゆっくり走行します。しかしながら注意していても直線ではどうしてもスピードが出てしまうため怖いと感じることが多々あります。
 事故後も、先月十六日正午にふじあざみラインが冬季閉鎖となるまでの間、富士山観光を楽しむ多くの人たちを乗せた他県ナンバーで大型バスが走っておりました。地元のバス事業者からは事故の再発防止のためにも注意喚起を徹底すべきとの意見も伺っております。今回の事故は人的なミスの可能性が高いとはいえ、慣れた人でも注意を必要とする道路であることから走行上の安全対策を講じる必要があると考えます。
 ふじあざみラインのすぐ近くを通る山梨県と静岡県をつなぐ東富士五湖道路では、きつい下り勾配が長く続きまたカーブが緩やかなためスピードが出やすいことからスピードの出し過ぎを注意しエンジンブレーキの利用を促す看板が設置されており、あわせて緊急時のために一か所ではありますが緊急避難所が整備をされております。しかしながらふじあざみラインについてはこうした緊急避難所が整備されていないのが現状であります。
 先月二十五日には事故現場において警察当局、県、地域の関係者が立ち会い検証作業が行われ、その際緊急避難所の新設や注意喚起の看板設置、観光客への啓発チラシの配付などの意見が出たと伺っております。
 そこで、ふじあざみラインでの事故再発防止に向け万が一の時に備え緊急避難所の整備が必要と考えますが、注意喚起等の安全対策を含め県の所見を伺います。
 最後に、多様な児童生徒への支援の充実について伺います。
 先日、ハイリー・センシティブ・チャイルド、略してHSCのお子さんに関する相談を地元御殿場市の保護者の方から受けました。そのお子さんは現在不登校の状態にあるとのことです。
 HSCとは、生まれつき非常に感受性が強く敏感な気質を持った子ということで、アメリカのある研究においては統計的に人口の一五%から二〇%がHSCであるという推計も示されております。特徴としましては外部からの刺激に敏感なため人混みや物音、光、食べ物の味や臭いなど五感で受ける刺激に対し過度に反応する傾向があり、学校においては周りの子供たちには普通の環境でもHSCの子供にとっては耐え難い刺激に感じるとのことであります。HSC以外にも知的障害や自閉スペクトラム症の人の一部に感覚過敏や特定のこだわりを持っている場合があるなど、近年多様化、複雑化する子供たちの状況が明らかになってきております。
 今回相談を頂いた保護者の方が強く訴えていたのは、こうした特性を持った子供たちが周囲から十分な理解と支援が得られないために学校生活で苦しんでいるとのことで、身近に接する教育関係者には十分に理解を深めていただき慣れ親しんだ学校で安心して過ごすことができる環境整備に取り組んでいただきたいとのことでありました。私もこの話をお聞きして教育関係者がこれまで以上に個々の特性に対する理解を深めることの必要性を強く感じた次第であります。
 二〇一六年に制定された教育機会確保法の趣旨を踏まえ、一部の自治体ではこのような多様な児童生徒を支援するため校内での支援体制を整えています。例えば広島県では、不登校をはじめ学校に行きづらいと感じている児童生徒のために、空き教室にじゅうたんをひいてソファーを置くなどし学校の中にリラックスできる場所を設ける取組を進めております。これは二〇一九年度から広島県教育委員会の主導で始まったスペシャルサポートルームであり、二〇二二年度現在推進校として指定された七つの小学校と二十五の中学校などに設置がされております。このスペシャルサポートルームは、単なる児童生徒の居場所ではなく個々の状況に応じた支援が受けられる学びの場でもあり子供たちが成長できる場所とされております。広島県以外においても、愛知県の岡崎市や名古屋市、また横浜市などで同様の取組が行われております。
 学校に来ることはできても教室にいられない子供や一時的に個別の支援を必要とする子供を対象とした校内に安心・安全な居場所を確保することも重要であり、それにより子供の多様な状況に応じたきめ細やかな支援を行うことが可能になると考えます。
 そこで、こうした様々な特性のある児童生徒に対する教職員の理解向上に向けた取組と学校での支援体制の構築について、県教育委員会の所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(和田篤夫君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 勝俣議員にお答えいたします。
 富士山世界遺産登録十周年の取組についてであります。
 来年は富士山が世界遺産に登録されて十年という節目の年を迎えます。この間自然環境の保全、登山者の安全対策、学術調査の充実など関係者が一丸となって富士山の顕著な普遍的価値の継承に取り組んでまいりました。二〇一九年のユネスコ世界遺産委員会ではこうした取組が高く評価されたところであります。
 来年は本県が東アジア文化都市として我が国が誇る魅力ある文化を国内外に本県から発信する大きなチャンスの年でもあります。二月二十三日に静岡・山梨両県で共催する富士山の日フェスタを皮切りに、日本の宝また世界の宝でもある富士山の価値を多くの方々に知っていただけるよう取り組んでまいります。
 六月には東京において富士山世界文化遺産協議会による記念式典、七月には本県の富士山世界遺産センターで蓄積した研究成果を生かし海外の世界遺産関係者をお招きした国際シンポジウムを開催するとともに、関係市町と連携してパネル展や写真コンテストなど多彩な記念事業を一年を通じて展開することとしております。これらを通じて富士山の豊かな自然環境や歴史・文化の保存と活用に取り組んでこられた皆様への感謝を込めて登録からの歩みを振り返るとともに、富士山を将来に守り伝えていく決意を新たにしてまいります。
 また、アフターコロナを見据え登山者や山麓に多くの来訪者が訪れていただけるように観光誘客にも積極的に取り組んでまいります。インスタグラム写真投稿キャンペーンなどSNS等を活用した誘客事業を展開するとともに、地元市町や関係団体の協力の下、各地で開催される記念事業等を連携させ構成資産をはじめとする山麓地域の多様な魅力を効果的に発信してまいります。
 来年本県が東アジア文化都市に選ばれ、富士山の世界遺産登録十周年に花を添える形になりました。その喜びを多くの皆様と分かち合いながら、古来から霊峰として畏敬され信仰の対象と芸術の源泉として世界に認められた我らが富士山の普遍的価値を国内外に発信し、後世に継承していく道筋を揺るぎないものとしたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(和田篤夫君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) 富士山噴火に伴う避難対策についてお答えいたします。
 富士山噴火では、大きな噴石、火砕流、火砕サージ、溶岩流、降灰等様々な火山現象が想定されております。県及び市町の避難計画策定に当たっては、これらの火山現象のうち市街地など広範囲に影響を及ぼす溶岩流や降灰について避難方法や避難先の確保などの課題があります。
 溶岩流からの避難については、現在市町ごとに溶岩流の影響を受ける避難対象地区や避難者数、利用可能な避難所などの確認作業を進めております。避難元の市町だけでは避難者全員の受入れが難しいケースがありますことから、今後県では県内の他市町に対し避難者の受入れについて協力を求め避難先の確保に努めるとともに、避難元の市町と連携して移動手段についても検討してまいります。
 一方、降灰からの避難につきましては被災地域が想定できる溶岩流の場合とは異なり風向きや噴出する火山灰の量によって必要な対応が大きく変わります。富士山火山防災対策協議会において策定を進めている、仮称ではありますが、富士山火山避難基本計画では堅牢な建物への屋内避難を原則とする方向で取りまとめが行われています。
 しかしながら、宝永噴火の歴史的経緯を踏まえると火山灰の影響を大きく受けることが想定される小山町等の富士山東麓の市町では噴火前に避難が必要との認識を持っていることから、そうした意向を反映し県の避難計画を策定してまいります。さらに市町の避難計画では、他の市町への避難や避難のための車両確保など具体的な対応を定めることができるよう県としても積極的に支援をしてまいります。
 県といたしましては、今後とも市町と連携しながら住民の皆様が安全かつ円滑に避難できるよう火山現象の周知啓発と併せ避難の実効性向上に努めてまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 八木健康福祉部長。
○健康福祉部長(八木敏裕君) 未就園児に関する取組についてお答えいたします。
 本県における未就園児数につきましては、認可外保育施設などを利用する子供の数が不明なため正確な数を把握しておりませんが、国の推計方法に準じて算出するとおおむね四万三千人程度と見込まれます。このうちゼロ歳児から二歳児につきましては多くの保護者が育児休業を取得するなどして在宅で育児をしており未就園児が多い傾向にありますが、市町では乳児家庭全戸訪問や幼児健康診査、育児相談等の機会を通じて家庭の状況を把握し必要な支援を行っております。また三歳児から五歳児につきましては保育所等に就園している場合が多いものの、様々な理由により未就園で福祉サービス等を利用していない子供に対しましては毎年度市町が調査を行い全ての子供の状況を確認しております。
 しかしながら、議員御指摘のとおり未就園児につきましては保護者の孤立や児童虐待のリスクも想定されることから、今後はより一層のニーズ把握や支援の必要があると認識しております。
 このため県といたしましては、国による支援制度の検討状況を注視するとともに市町に対しては、未就園児のいる家庭を訪問し困り事等の実態把握や各種申請手続のサポートなど伴走型の支援を行う未就園児等全戸訪問・アウトリーチ支援事業を積極的に活用するよう働きかけてまいります。さらに保育所の空き定員等を活用して未就園児を定期的に預かる仕組みづくりについて、国の新たなモデル事業による取組を参考にしながら市町と共に検討を進めてまいります。
 今後も、市町と連携して未就園児のいる家庭の支援ニーズを把握し適切な支援につなげることで全ての子供が大切にされる社会の実現を目指してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) 県産米粉の普及に向けた取組についてお答えいたします。
 食のライフスタイルが多様化し主食用米の国内需要が減少する中、水田農業の経営を安定化するためには、多様な用途や機能性が注目され農業者の所得向上につながる米粉の消費を喚起し需要に即応した生産拡大を図ることが重要と考えております。
 このため県では、米粉の製造や加工販売を行う生産者に対して米粉の商品開発や販路開拓をサポートする専門家派遣のほか、米粉用米の病害虫対策や新たな品種導入への技術支援を行っております。また県が策定した水田収益力強化ビジョンにおいて米粉用米を産地交付金の助成対象に位置づけ、米粉用米を作付する農業者の生産拡大を支援しているところであります。今後は米粉の消費を一層喚起するため、高校生による学校給食コンテストで入賞した米粉レシピや米粉の地元生産者の情報を各学校の栄養教諭に紹介し学校給食での活用を促進してまいります。
 加えて、食の都づくり仕事人と連携した料理教室での米粉の活用のほかSNSを活用して若者をターゲットにした米粉のアレンジ商品や手軽なメニューなどの情報発信にも取り組んでまいります。
 県といたしましては、こうした取組により県産米粉の活用を促進し水田農業の活性化を目指してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 県道ふじあざみラインの緊急避難所の整備についてお答えいたします。
 県道ふじあざみラインは、富士山須走口五合目から山麓までの標高差約千二百メートルを一〇%以上の急勾配でつなぐ延長一一・五キロメートルの典型的な山岳道路であります。今回のような事故の発生を防ぐためには、まずはドライバーへの注意喚起を強化し適切なブレーキ操作により速度を抑制させることが重要であります。このため富士山を訪れる方々にフェード現象の事故の危険性をホームページ等で広く周知するとともに、現地では注意喚起をする看板をエンジンブレーキの使用を促す内容に改善してまいります。
 緊急避難所につきましては、県はこれまできつい下り勾配が連続し見通しがよく速度が出やすい等の特に事故が多発するなどの危険性が高い三路線で整備しております。ふじあざみラインにおきましては、今後特定される事故原因を踏まえ警察、地域、交通事業者等関係者と共に緊急避難所の必要性について検討してまいります。
 県といたしましては、登山や散策等で須走口五合目を訪れる方々に世界遺産富士山を安全に楽しんでいただくため、引き続き関係者と連携しながら道路交通の安全確保に努めてまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 多様な児童生徒への支援の充実についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、児童生徒の表れは多様化、複雑化しております。各学校では、教職員が授業や生活場面での様子や態度から児童生徒の特性を把握し共有することで、声かけや関わり方を工夫し日常的な支援に努めております。また県教育委員会や各市町教育委員会では、特別支援学級や通級指導教室を担当する職員に対して、こだわりが強い児童生徒への適切な接し方に関する研修などを行っております。
 しかしながら、HSCのように比較的新しく認識されるようになった特性に対する理解はまだ深まっていないと感じております。今後はこれまで以上に個々の特性やその対応についての理解を深める研修内容を充実させ、専門的な知見を生かしたよりきめ細かな支援を行えるよう努めてまいります。
 また、広島県のスペシャルサポートルームのような校内での児童生徒の居場所づくりは県内の複数の学校でも進められております。そこでは教職員やスクールカウンセラー、支援員等が配置されている教室以外の別室をにぎやかさや集団生活等の息苦しさを感じた児童生徒が一時的に利用したり、不登校の児童生徒が学校復帰を目指す第一段階として利用するなどしております。学校によってはこうした居場所を保健室などが担っていたり、設置されていても運営方法等は異なることから、生徒指導担当者が集まる会議等を通じて県内の好事例や他県の先進事例等の共有を図りHSCなどの特性を持つ児童生徒が利用できるよりよい環境づくりを働きかけてまいります。
 県教育委員会といたしましては、各市町教育委員会と連携して様々な特性を持った児童生徒がより安心して夢や目標に向かって前向きに学校生活を送ることができるよう支援してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 勝俣 昇君。
       (十番 勝俣 昇君登壇)
○十番(勝俣 昇君) 御答弁ありがとうございました。
 意見、要望、再質問を行います。
 まず、世界遺産登録十周年、知事から御答弁頂きました。私はですね、これから十年たってこれから先、この世界遺産を後世に守り伝えるためには先ほどの知事の答弁の中にちょっと加えていただきたいのはですね、やっぱり子供たちがこれからその富士山の価値を守り伝えていく、こういう教育的な観点が必要ではないかなと思いました。そういう取組も進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 米粉について、これも要望でありますが、具体的に米粉の普及を図っていくという答弁でありますが私はですね、ややもすれば現在ももう作付がされております。聞いたところによれば大した面積ではなく四千平米ですか。その面積をこれから確実にどのように増やしていくのか。要望としてはその増えた面積が確実にどのようになっているのか把握をしていただきながら促進を図っていただきたい。よろしくお願いします。
 あと意見ですが、先ほどのふじあざみラインの問題であります。
 エンジンブレーキを喚起するような看板に置き換えるという答弁でありましたが、走行中でありますので注意喚起を促すような、現在は白い看板なんですね、何か所かあるんですけれども、そういう危機感をもうちょっと強く促すような色遣いですとか、具体的に例えば今何をするべきかというふうな、具体的に分かりやすい表現を検討していただきたい。端的に言えば低速ギアを使えとかですね、そういうふうな分かりやすい表現で、より分かりやすい注意喚起の看板を検討されたい、これ意見であります。
 再質問をお願いいたします。富士山噴火に伴う避難について。
 市町間の自治体間連携を進めて調整を受入れ者について進めていくというような答弁を頂きました。地元でもですね、この避難先が分からない。例えば浜岡原発においては災害時避難者が具体的に何名、どこで受け入れるというような調整が既に行われております。富士山噴火についてもですね、そういうレベルまで落とし込んで山梨、神奈川含めて具体的な調整を行っていただきたい。これについて、どのようなスケジュール感で取り組むのか伺います。お願いします。答弁求めます。
○副議長(和田篤夫君) 石野危機管理部長。
○危機管理部長(石野好彦君) 富士山噴火に伴う避難対策についての再質問についてお答えいたします。
 今年の三月に仮称基本計画の中間報告が行われました。これを基に今各市町において避難する人たちの、答弁でもありましたが、人数の把握をしているというところになります。来年の三月には基本計画まとまりますので、これを受けまして来年度にはその辺のマッチングといいますか、その辺の調整を図っていきたいと考えております。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 勝俣 昇君。
       (十番 勝俣 昇君登壇)
○十番(勝俣 昇君) スピード感を持って、いつ起こるか分かりません、対策を。それと要望ですが、静岡県の防災アプリに富士山の避難行動の計画を載せてください。以上、質問を終わります。(拍手)
○副議長(和田篤夫君) これで勝俣昇君の質問は終わりました。

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