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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成23年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

戸塚 久美子 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/22/2011

会派名:

民主党・ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 源流域の水環境保全について                   
   新東名高速道路に係る道路排水対策               
2 浄化槽事業について                       
   浄化槽法第十一条                       
3 動物愛護活動の支援について                   
4 六次産業化の課題について                    
5 地域医療再生計画について                    
6 ワーク・ライフ・バランスの実現について



    ○副議長(岩瀬 護君) ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、八番 戸塚久美子君。
           (八番 戸塚久美子君登壇 拍手)
    ○八番(戸塚久美子君) 今回の私の質問は、単体の基礎自治体だけでは課題解決が困難な、専門性が高く広域で考えなければならない案件の六項目です。通告に従い順に質問をいたします。
     最初の質問は、源流域の水環境保全についてであります。
     平成二十四年度の新東名開通は、平成元年の基本計画策定から二十三年の超大型国家プロジェクトであり、本県にとって大きな影響を与えるものと考えています。当局でも高速道路利活用推進会議を設置し、利活用方策の検討が始まっています。メリットも数々、経済効果もはかり知れないと推測していますがデメリットも存在することは否めません。私たちはデメリットをすべて克服することはできませんが、影響を小さくすることは英知の中でできるはずです。新東名高速道路開通を間近にして源流域の水源枯渇と道路排水対策について質問をいたします。
     掛川市の二級河川倉真川は地域の大切な農業用水資源でありますが、金谷トンネル工事の影響により源流の滝の水が枯渇し現在も完全復水に至っておりません。また源流域で水量が減少する中、交通量の激しい高速道路からの道路排水が及ぼす環境への影響が懸念されております。
     水源枯渇問題で道路管理者NEXCOは、上水の補償対応はされているものの農業用水や河川維持水量での地元との協議は進展していません。また道路排水の水質の問題でも、大きな浄化槽のような油水分離装置の設置が排水対策としています。日本では河川環境基準や農業用水基準はあるものの道路排水基準がないため、国土交通省でも指導の対象にはなっていないのが実態です。
     現東名は河口周辺の下流域を東西に通過し、農業用水と道路排水が分離されていて道路排水の影響は心配される状況ではありませんが、新東名では河川の上流域を通過するため、特に源流域の河川の水を農業資源として利用しているエリアでの環境の影響が心配されています。ちなみに藤枝市から森町まで、新東名から半径三キロの下流では届け出のある利水堰だけでも二十五堰あります。
     環境先進国のドイツではアウトバーンに道路排水を浄化する機能を持たせています。昨年の常任委員会にて資料提供しておりますが、環境ホルモン類、重金属類まで処理する土壌フィルターとしての沈砂池を建設しているドイツはさすがです。
     数年前の私の水質調査では、現東名においてタイヤの摩耗かすやガードレール等からの剥脱物質の亜鉛や銅の流出が気になるところでございました。また汚濁は、ファーストフラッシュ――降雨時に集中しています。特に亜鉛は水生生物に、銅は稲の生育に影響があるとされています。環境アセスメント法にはPA、SAの排水基準が盛り込まれていますが、あわせて路面を流れる道路排水においても県は道路管理者のNEXCOと協力して、源流域の保全や農業用水への影響がないよう注意深く対応すべきものと考えますが、いかがでしょうか。
     また、高速道路とのかかわりの中で源流を保全することは各市町単独では取り組みにくいものであることから、県の責務としてもう一度県内の新東名沿線の水環境に不都合がないか調査するとともに、研究機関と連携し道路に係る今後の環境負荷に対応する観察体制を整えるべきものと考えますが、県の御所見をお伺いします。
     次に、浄化槽事業についてお伺いします。
     皆様御存じのように、浄化槽は、茶、花火、津波などと同じ世界語で日本が生んだ下水処理設備です。私は浄化槽事業の推進派です。浄化槽の優位性を挙げれば、まず短期間で水質浄化や河川環境の向上、また他の下水処理より整備経費が安価であり市町の財政負担を軽減しています。さらに何よりも地震に強いということがございます。一方、デメリットは維持管理するのは各自であり適正な管理が行われない場合があることや、公共下水道よりも本県では管理にかかる経費が平均で月額約千円ほど高くなっており、さらに電気料やポンプなどは個人負担であることなどでございます。
     私は、前年度の建設委員会の質疑を通して、浄化槽法第十一条の問題についてくらし・環境部へ対応強化を求める要請をいたしました。その後一年がたちましたが、県は十一条に係る対応をどのようにされたのかをまずお伺いいたします。
     問題は十一条検査の四・四%という検査率の低さであり、他県では検査機関が複数設置されている状況にもある中、本県では一つの財団法人静岡県生活科学検査センターのみとなっていることです。
     掛川市では昨年、浄化槽法第十条その一、汚泥引き抜きの清掃に係る特区を申請いたしましたが不採択。過去に四国の上勝町や昨年は大阪の富田林市も挑戦していましたが、すべて却下という結果でございます。理由は、一年に一度引き抜かなければ浄化槽内部の不備がわからないというもので、私の主張と異なっております。引き抜かずとも年に一度の十一条の定期検査で浄化槽内の水質浄化の能力の適正さを調べ、年三回の十条その二の保守点検業務で浄化槽内の適正水位などを見ることができるからです。しかし国は、市町村設置型事業で設置したエリアは十一条検査が一〇〇%の検査率であるにもかかわらず、静岡県初め多くの県の検査率が低いこともあり、特区を認めるに至らなかったのではと私流に解釈しております。
     掛川市の特区申請の考え方は、浄化槽が建築基準法によりサイズ、人槽が決まりますので、例えば大きな住宅に家族二人で暮らす家庭において、一年に一回の汚泥の引き抜きが必要であるかといえば、浄化槽内の微生物環境から見ても、しないほうが適切であり、十一条検査でのBOD等の値をもって引き抜きを判断するほうが、汚泥引き抜き経費が浄化槽のメンテナンスの五〇%以上を占めるだけに経費縮減となり、より市民の自己負担と管理者の市の経費が軽減されると思うのです。十条の引き抜きは水質と汚泥量で管理されるものとなるよう、早急に十一条検査体制の再構築を提言するものです。
     そこで、以下の二点について御所見をお伺いします。
     まず、十一条検査体制の強化と神奈川県から滋賀県までのエリアで一番高額な検査料の是正、もう一点は十一条検査において清掃事業者等にも採水する補助業務を担っていただけないか。財団法人が水質検査の数を扱うには何らかの工夫が必要であり、諸条件の設定をして清掃事業者らが十一条への参入ができるよう仕組みを整えるべきと考えますが、いかがか御所見をお伺いいたします。
     次に、動物愛護活動の支援についてお伺いします。
     一万世帯当たりの犬猫の処分頭数が全国最小なのは東京都、他に比べペットに優しい適正な飼育がされているのでしょう。本県では、人口一万人当たりの引き取り状況の低い順は清水町、森町、伊東市がベストスリーであり、県内でも動物を家族のように慈しんでいるまちがあります。
     すべてのまちがそうならばよいのですが、日本のペット文化はEUからの留学生らを驚かせています。特に猫について言えば各市町とも野良猫の問題は深刻で、一向に良好な生活環境の改善が図れない場合や、動物の命を人間の都合によって粗末にしてしまうこともあります。遣唐使と一緒に日本に渡り貴族に愛された猫の末裔は、現在このような状況下にあります。さまざまな理由はあるものの、ペットとして飼われた犬や猫を保健所にゆだねることや野良猫にすることは回避すべきことです。終生飼養は厳守すべきことであり、適正なペット文化を地域社会に根づかせなければなりません。
     県内のモデルとなったトラップ・ニューター・リターン――TNRを基本とし、地域猫の取り組みをした掛川市のKCSC掛川猫サポーター倶楽部は十八年の設立であり、平成十五年に比べ同市の猫の引き取り数は二十一年度には三分の一になっています。県内にも波及してボランティアが進めるTNRは効果をあらわし、県でも統計上その優位性を認めています。しかしボランティアの限界もあり、抜本的解決に向けて私たちの注目は動物取扱業の適正化や虐待防止等を含む動物愛護管理法改正の国の動向です。
     そこで質問です。国の法改正を受けて、県は静岡県動物の愛護及び管理に関する条例の改正や動物愛護管理推進計画の見直しなどを準備されると推測いたしますが、県独自の政策が盛り込まれることを期待し、特に飼い主のいない猫の扱い、獣医師会とペット産業関連企業とボランティアとの連携及びボランティア育成や支援の具体として基金の創設などを提案し、これからの動物愛護活動の支援の強化について御所見をお伺いするものです。
     次に、六次産業化の課題についてであります。
     掛川市ではクリ畑の有害鳥獣対策に乗り出したNPOが、その畑のクリを利用してクリしょうちゅうを発売しました。しかし酒税法による販売許可は簡単には取得できるものではありません。このクリしょうちゅうは、クリしょうちゅうになる過程を支援する会費会員にのみ譲る商品です。ストーリー性から究極の六次産業かと思いましたが小規模なマーケットになりました。法律もようやく制定され六次産業化の推進が国を挙げて行われますが、推進するには規制緩和が必要なようです。
     例えばエコファーマーの認定マークは、生産者が使えるもので製造者は基本的には使えません。フレーバーティーにおいて本県では条例に係る申請手続が必要です。六次産業化を進めるための現場での課題を県はどう把握しておられるのか、具体的事例を挙げていただき今後の支援に向けて取り組みを伺うものです。
     次に、地域医療再生計画について質問をいたします。
     昨年策定された静岡県地域医療再生計画中東遠医療圏は今後の地域医療再生を図る上でモデルとなる県の計画であり、その中に位置づけられた掛川・袋井新病院は磐田市立病院とともに急性期医療のツートップ体制を担うものです。その新病院は全国初の二つの自治体病院の統合であり県内外の注目を集めているものの、このプロジェクトの難しさを私たちは痛感しているところです。
     そもそも中東遠圏域は民間の急性期病院では経営的に成り立ちにくい地域性があり、自治体病院を有することで地域医療を守ってきた歴史がありますし、現在も医師が集まりにくく、県下一医師数の少ない地域であることなどを考えると新病院経営は大変厳しいものと感じております。
     しかも新病院は県の定めた地域医療再生計画のリーディング的役割を担うことから、計画の円滑な推進のため及び事業成果を導くためには、初期投資に係る財政支援や開院後の経営支援の必要性を強く感じているところでございます。国の支援の再生基金は中東遠圏域で二十五億円、その中で新病院に係る支援は九億円、ちなみに新病院建設事業費として二百二十五億円のほか、現病院の清算に係る四十二億円の費用が見込まれております。本来国が推進する病院の統廃合であり最も手厚い支援があってしかるべきと考えますが、起債対応ほどのものになっています。県としても無利子貸付制度の創設、その他あらゆる財政支援を考えていただく状況にあるものと考えます。
     さらに不採算部門を扱う自治体病院への支援として、医師や指導医の確保、医療機器等の物的支援、休職中の看護師の再就職支援及び病院経営マネジメントに係る人材派遣などが期待されます。医療圏における地域間格差の是正や県民の公平性の確保などを勘案した総合的支援策が必要です。そこで中東遠圏域の地域医療再生計画を策定された県は計画の現状をどのように認識されているのか、さらに計画の実現に向けてどのような役割を持たれるのかをお伺いするものです。
     最後に今議会でも意見書案が提出されておりますが、ワーク・ライフ・バランスの実現について質問をいたします。
     女性の社会進出は目覚ましく、ワーク・ライフ・バランスの実現は私たち女性の強い願いです。特に結婚、育児で職場を離れた年代の母親たちは、娘や息子たちがみずから育児をして離職せず両立ができるバランスのとれた家庭生活が、地域社会の文化であってほしいと願っているはずです。
     一方、労働人口の減少によって女性の役割は大きくなる一方ですし、さらに景気低迷を受けて共働き家庭は増加しています。その影響は待機児童数の増加にあらわれているところです。国の保育に係る子ども・子育て新システムの構想が導入されると聞こえてきますが、待機児童解消に保育園整備をするという単一の施策だけではなく、ゼロ歳児保育のない北欧諸国などの考え方も参考に、育児の生活スタイルが幾通りにも選択肢があって、育児で母性の能力が開花し人間として大切にすべきことに気づき合い、社会全体で共助すべきものと考えます。
     ゼロ歳児保育には月額十四万円余の公費負担があり、ゼロ歳児から二歳児には県全体で四十八億円の保育支援に係る公的負担がされております。市町と協力して、この税の使い方の視点を変えて新たなふじのくにの育児文化を創造することも一考ではないでしょうか。
     さて、改正育児・介護休業法の施行により、育児・介護休業制度が拡充され大きく支援体制が整いましたので、子育て支援政策において複数の政策がパッケージになってきていることを実感しています。
     そこで、法改正を受けて、主な内容である父母ともに育児休業を取得できる期間が、子が一歳二カ月に達するまで延長された制度――パパ・ママ育休プラスなどが新たに導入されましたが、その動向をどのように注視しているのかをお伺いします。
     また、育児給付金等に上乗せ支援した公的助成や、企業における職場復帰のための職業訓練及び能力開発支援など県独自の施策も必要であると考えます。一方で仕事と育児生活が両立できる生活文化が根づくよう広く社会の各層に啓発することにより、ワーク・ライフ・バランスの県民意識が形成されるよう施策展開を進める必要があると思いますが、それをいかに取り組まれるのかをお伺いいたします。
     ワーク・ライフ・バランスが実現され、子供と親が向き合える時間の創出こそ豊かな生活でしょう。離職せず育児支援が充実している生活文化を持つ静岡県となれば、千人以上を雇用する大企業集中から脱して優秀な人材がふじのくにで就職を希望し、地方の時代を牽引する担い手を呼び戻すことにつながります。父性、母性に響くこれからの育児支援策が真に子供たちとその親たちを幸せにできるよう願っております。
     これでひとまず質問を終えます。(拍手)
    ○副議長(岩瀬 護君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 戸塚議員にお答えいたします。
     初めに、地域医療再生計画についてであります。
     中東遠医療圏は人口当たりの医師数が県内で最も少なく、この地域の住民が入院する場合、約三〇%は圏域外の病院に依存せざるを得ない状況となっているのは御案内のとおりでございます。県内八医療圏の中でも医療提供体制に支障が生じている圏域の一つでもあります。
     このため県では、昨年度中東遠圏域を対象に、地域の関係者の合意のもとに限りある医療資源を適切に配置するため地域医療再生計画を策定いたしました。この計画に基づきまして機能分担と連携強化を図るために、磐田及び掛川・袋井新病院の施設整備への助成や、医師確保のための家庭医養成事業などを今年度から開始したところでございます。
     この家庭医養成事業というのはどこででもできるものではなくて、むしろホームドクターが少ないところでかえってこの効果が高まるということでございまして、研修医も平成二十二年、四名、今、平成二十三年、六名とふえておりまして、国際的な連携も期待できるところでございますので、この家庭医養成事業には強い期待を持っております。中でも掛川、袋井両市立病院の統合再編につきましては全国でも先駆的なケースです。循環器、脳卒中や糖尿病の診療拠点として整備を行うものでございます。掛川、袋井両市におきまして計画検討を行い、平成二十五年の春の開院に向けまして建築準備や用地造成など順調に進んでおります。一日でも早く診療が開始されることを期待しています。
     県といたしましては、今後も中東遠圏域の地域医療再生計画に定めた事業が確実に実施されますように、地域医療再生基金により財政的な支援を行ってまいります。あわせて、ふじのくに地域医療支援センターによります指導医等の医師の確保や、ナースバンク事業による潜在看護師の就業支援に努めるなど、人材の確保についても御支援申し上げます。さらに計画全体の推進に当たりましても、各市町の首長さんや医療関係者で組織する地域の協議の場に参画いたしまして、地域医療再生の実現に向けて可能な限りの支援を行ってまいります。
     次に、ワーク・ライフ・バランスの実現についてであります。
     女性の社会参加が進みまして、現在勤労者世帯の過半数が共働き世帯であります。こうした状況下で子育て期における男女がともに仕事と子育てを両立することは、ワーク・ライフ・バランスのとれた暮らしや社会を実現するために不可欠です。
     このため、県では今年度から五年間を計画期間とするしずおか次世代育成プラン後期計画に基づきまして、地域の人や資源を生かした子育て環境の整備を進めています。そして働きたい人が安心して働き、仕事と家庭に充実感がみなぎる「働いてよし」の就業環境の実現を図ることとしております。
     具体的には、次世代育成支援対策推進法に基づきまして育児休業の目標値などを盛り込む一般事業主行動計画の策定義務の適用範囲が、この四月に三百一人以上の企業から百一人以上の企業に拡大されます。これを踏まえまして県といたしましては、百人以下の地域企業におきましても計画の策定が進むようアドバイザーを派遣するなどいたしまして、仕事と子育ての両立に向けて積極的に取り組んでまいります。
     他方、本県の育児休業取得の状況につきましては平成四年に育児・介護休業法が施行されて以来、女性の育児休業取得率は年々増加して平成二十年には約八割の方が取得していますけれども、男性は一%台と低い状況にございます。昨年六月に施行された改正法では、男女ともに育児休業の取得の促進を図るために取得可能期間を二カ月延長いたしました。県では、施行後一年を迎える来年度早々にも従業員十人以上の県内企業約三千社を対象に実態調査を行いまして、状況を把握することに努めます。
     また、県民意識の形成につきましては、今年度男性の育児休業取得の先進事例などを掲載した啓発リーフレットを百万部作成し戸別配布いたしました。働き方の見直しをテーマとしたシンポジウムなども開催したところでございます。来年度はこれらに加えまして、企業を直接訪問して育児休業を取得しやすい環境づくりを働きかけてまいります。今後とも静岡労働局や労使団体と連携してワーク・ライフ・バランスの取り組みを進めまして、「生んでよし 育ててよし」の日本の理想郷ふじのくにづくりを進めてまいります。
     その他の御質問につきましては部局長から御答弁申し上げますが、倉真川に関しまして農業用水への影響あるいは流域水源の確保という御心配があるのを知りまして、今月中に現場を見に行きます。新東名の開通は久しく待ち望まれたところでございますが、それが水資源あるいは農業にマイナスの影響があってはいけませんで、問題があるということであれば、それを解決するために今月中に参りまして実態の把握に努めたいと思っております。
     もう一つ、浄化槽の検査率が四・四%と議員の御指摘で知りまして驚愕しております。これは本当に恥ずべき検査率の低さでございまして、私も合併処理浄化槽に関しましてはこれは日本が世界に誇るべきもので、大切なことは下水道か合併処理浄化槽かという二者択一ではなくて、大事なことは汚水をそのまま川とか海に流さないことなんですね。そして汚れた水をきれいにする最良の手段は土なので、それを活用するという合併処理浄化槽というのは日本人が誇るべきものです。
     特に下水道というのは完成しましても維持管理費が大変で、しかもつくるのに大変時間が、またお金もかかります。私はしたがって中山間地域などは合併処理浄化槽を使うのがいいという考えを持っておりますが、これは検査と保守、これをしっかりしないことには意味がありません。ですから私はこれは、きょうこの御指摘を受けましたので、直ちにこれを一〇〇%に近く上げるべく、関係部局とそして全国浄化槽の団体のトップとも親しゅうございますので、そうしたところと連携をいたしまして、検査率あるいはその保守点検も本来するべき義務を果たすようにしてまいることを申し上げたく存じます。
     その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁を申し上げます。
    ○副議長(岩瀬 護君) 森山交通基盤部長。
           (交通基盤部長 森山誠二君登壇)
    ○交通基盤部長(森山誠二君) 源流域の水環境保全についてお答えいたします。
     新東名高速道路に係る道路排水対策につきましては、現在我が国においては道路排水そのものに対する水質基準は定められていないため、一般的には道路排水が流れ込む河川の水質につきましては、水質汚濁防止法等に基づく環境基準が適用されております。
     一方、昨年五月に取りまとめられました国土交通省の路面排水の水質に関する報告によれば、首都圏の交通量の多い道路における調査にもかかわらず道路排水の亜鉛や鉛などにつきましても、環境や健康等への影響は環境基準に照らしまして問題のないレベルであるとされております。
     新東名高速道路は県の環境影響評価を経て建設されており、さらにNEXCO中日本では事故等により流出した油脂類が道路外に流れ出さないようにするため、全線にわたり油水――油と水の分離槽の設置や、道路排水の環境負荷をより一層低減するための高性能路面清掃車の導入など、可能な限りの対策を実施していくと聞いております。
     県といたしましては、道路排水に関する国等の動向を注視するとともに新東名開通後の具体的な影響も見つつ、必要に応じてNEXCO中日本に対応を働きかけてまいります。以上であります。
    ○副議長(岩瀬 護君) 松浦くらし・環境部長。
           (くらし・環境部長 松浦敏明君登壇)
    ○くらし・環境部長(松浦敏明君) 浄化槽事業についてお答えいたします。
     浄化槽法第十一条についてでありますが、まず法定検査の受検率向上につきましては、浄化槽管理者に対して罰則規定も示して法令遵守を呼びかけてまいりましたが、本年度からは新規設置者を対象に、指定検査機関による設置後の検査時に十一条検査の長期契約の締結を促しております。また補助金受給者からは受検誓約書を徴することといたしました。既存の設置者に対する働きかけが重要でありますので、今後は保守点検業者からも十一条検査の実施を浄化槽管理者へ働きかけていただけるよう、関係団体への要請とともに個々の業者の登録更新時にも強く要請してまいります。
     また、議員御指摘の掛川市における市町村設置型の浄化槽整備や、富士市における保守点検、清掃及び法定検査をセットで行う場合の補助金制度の創設など市町による受検率向上につながる動きもありますので、こうした取り組みの拡大に努めてまいります。
     次に、検査体制の強化につきましては、原則一県一検査機関とする国の通知に基づき指定しているところでありますが、今後の検査件数の増加の状況を見て指定検査機関に対して体制強化を要請するとともに、必要に応じて複数の検査機関の指定に向けた国との協議についても検討してまいります。
     また、検査手数料につきましては三年ごとの指定検査機関の更新時に金額の妥当性を審査しておりますが、引き続き検査機関に対し、検査件数の増加に対応する中で経費節減を徹底し適正な料金が維持されるよう指導してまいります。さらに清掃業者等による採水の補助業務につきましては、検査の効率化につながることもありますので、適正な検査を担保できる民間参入の方法について新たに検討会を設けて、指定検査機関や関係団体などと協議を進めてまいります。
     県といたしましては、浄化槽は下水道と同等の能力を持ち地域の水環境の保全に重要な役割を果たすものでありますことから、今後とも市町と連携して浄化槽法の適正な運用に努めてまいります。以上であります。
    ○副議長(岩瀬 護君) 石川健康福祉部長。
           (健康福祉部長 石川俊一君登壇)
    ○健康福祉部長(石川俊一君) 動物愛護活動の支援についてお答えをいたします。
     県では人と動物とが共生する社会の実現を目指しまして、平成十九年度に静岡県動物愛護管理推進計画を策定し、取り組み方針の一つとして地域活動の充実を掲げ、この担い手であるボランティアの育成や活動支援に取り組んでおります。特に猫対策につきましては、飼い主のいない猫をふやさないためのマニュアルを作成するとともに、市町に対しては不妊・去勢手術助成制度の創設を助言するなどしてボランティア活動への支援を行ってまいりました。
     こうした中でボランティアが負担されている手術費用の軽減要望も寄せられておりますことから、社団法人静岡県獣医師会に対してボランティアへの支援を依頼し、保健所が中心となって具体的な実施方法について協議を進めてまいります。今後はボランティア活動に対する資金面からの支援方策につきましても早期に動物愛護関係団体等と検討してまいります。
     また、法改正につきましては、現在国におきまして平成二十三年度をめどに動物愛護管理制度の見直しを検討し、その後必要に応じて、平成二十四年の通常国会において動物の愛護及び管理に関する法律の改正を行う予定と聞いております。県といたしましては、こうした国の動向を注視するとともに、ボランティアや関係団体の御意見も踏まえまして今後必要な対応を図ってまいります。以上であります。
    ○副議長(岩瀬 護君) 堀川経済産業部長。
           (経済産業部長 堀川知廣君登壇)
    ○経済産業部長(堀川知廣君) 六次産業化の課題についてお答えをいたします。
     県では地域の一次産業と、これに関連する二次、三次産業との結合による六次産業化を推進するため、すべての農林事務所と水産技術研究所に六次産業化相談窓口を置きまして、生産者からの商品化や販路開拓それに関連する法令手続など毎月十件程度の相談に応じているほか、セミナーの開催や専門家を交えた個別相談、連携先の紹介など積極的に支援を行っているところであります。
     こうした中で、例えばウナギのエキスを配合した飼料を使って生産した鶏の卵につきまして、既存の商品と差別化して販売したいとそういう相談を受けました事例では、薬事法とかあるいは景品表示法とかなどを踏まえまして、誇大な広告とか表示にならないよう助言を行い、販路開拓、販路拡大の支援をしているほかに、加工食品を開発したものの独自で販路開拓には限界があるという相談を多く受けていますことから、新商品のコンクールや商談会などを開催しマッチングの支援を行っているところであります。
     今後とも法令による規制や手続の相談等にきめ細かく応じていくとともに、全国から量販店やレストランチェーンなどを招いた大規模な商談会などにも加え、売れる商品づくりに向けてバイヤーや消費者などによる試作品の評価会を新しく開催するなど、六次産業化推進のための総合的な支援に取り組んでまいります。以上でございます。
    ○副議長(岩瀬 護君) 八番。
           (八番 戸塚久美子君登壇)
    ○八番(戸塚久美子君) 一つの答弁以外はすべて踏み込んだ答弁をいただきましてとてもありがたく存じます。さて一つの答弁は何でしょう。
     順に再質問をさせていただきますが、知事からは新病院建設におきまして特段の踏み込んだ支援を約束いただきましたこと、大変ありがたく存じます。さらに私がお願いしたいことは、病院建設におきまして企業債や第三セクター債が、二つのまちの将来負担比率にどう反映するか影響するか、そういうようなことが大変危惧される中で、やっぱりこのモデルとなる新病院の建設において、病院建設に係る一部事務組合と両市と県とばらばらで協議してるのではなくて、連絡会議の設置を求めますがいかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。
     それから浄化槽政策は、掛川市の特区申請という踏み込んだ地域の特色を持つ政策にも足かせとなったような浄化槽政策の遅滞を猛省されて、今後は県の所管の体制の強化に努められると思いますけれども体制強化についての御所見をお伺いするものです。
     それから、動物愛護についてお伺いします。
     引き取り処分に悲しいかな一億五千万の税金が投入されております。そういう税の投入ではなくて、県民の御協力の中で適正なるペット文化の創造へ施策展開を求めますがいかがでしょうか、お伺いいたします。
     それから、行政改革大綱の中で「手段の適正化」という言葉がありましたが、施策の適正化という中において、保育に係る支援において、限りある税の中において労働政策と保育政策がもっともっと連携をしていかなければならない、政策のパッケージ化をしなきゃいけないという中において何ができるか。さまざまなポジションが連絡会を開かなければならない、そういうことをしてワーク・ライフ・バランスが実現していくのではないかと思いますので、その労働政策において保育政策との連携をどのように求めるのかをお伺いいたします。
     最後に、私が答弁がよくわからなかった道路排水のことについてでございます。
     新東名上、最長の路線を有する本県の責務として、大学や国総研などと協力してモデルとなるような一地区を実証実験をされたらどうかと思います。先ほど森山部長からの御答弁の中に排水基準は満たしていますという御答弁がございましたが、その排水基準は排水基準であって、工場の排水基準でして環境基準とは異なります。環境基準に照らし合わせて私たちは考えていかなければならないと、そんなふうに思っております。そのことにつきましての御所見をお伺いいたします。
    ○副議長(岩瀬 護君) 石川健康福祉部長。
           (健康福祉部長 石川俊一君登壇)
    ○健康福祉部長(石川俊一君) 最初に、掛川市・袋井市新病院建設準備組合、また県とが同じテーブルで話し合いをし、今後進めていったらいいんではないかという御提言でございます。
     これまでにも、この掛川・袋井新病院につきましては、県は建設協議会の段階から協議に加わってまいりました。また医療機能懇話会というものもございまして、そうしたものにも参加をしてまいりまして、基本構想また基本計画の策定には深くかかわりを持ってきたつもりでございます。今後とも掛川、袋井両市また事務組合等からお話があれば積極的に話し合いに応じて、新病院の事業が円滑に進むよう最大限の努力をしてまいります。
     次に、動物愛護活動の関係で、ボランティア等県民の協力がもっともっと進めば、公費はそうしたものについて負担が減ってくるのではないかと御提言でございます。おっしゃるとおりでございまして、今後、「新公共」という言葉もございますけれども、ますます県民の皆様方がこうした意識をお持ちになって、いろんなことごとに対して自分たちの力も公共と一緒になって進めていって、いろいろな負担をお互いに減らしていって助け合うという気概が大変大切だと思っております。特に掛川市におかれましては、前々から生涯学習のまちということで市民の意識も非常に高いというふうに思っております。新しい公共の一番先走りというふうに言っても過言ではないと思います。
     そうした中で確かにボランティア、これまで殺処分をしてきた頭数というのがボランティアの数がふえるに従ってやっぱり減ってきておりまして、平成十七年度からの五年間におきましても四割ほど減少しております。この間ボランティアの数を見ますと、十九年に全体では二十団体であったものが二十一年には六十一ということで三倍になっておりまして、確かにボランティアの方々がこうした活動に協力をしていただいているおかげで殺処分頭数も減っておりますし、犬猫もそれぞれ余生を家族のもとで過ごしていただける、よりよい関係につながってくると思います。今後もこうしたボランティアの方々が県内でも多く活躍できるような環境整備に、県としても精いっぱい努めてまいります。以上であります。
    ○副議長(岩瀬 護君) 松浦くらし・環境部長。
           (くらし・環境部長 松浦敏明君登壇)
    ○くらし・環境部長(松浦敏明君) 浄化槽事業についての再質問にお答えいたします。
     体制強化につきましてでありますが、浄化槽の関係につきましては指定検査機関だけでなく浄化槽に関係する団体、それから設置の段階で窓口となります市町こういったさまざまな関係するところがございますので、この検査体制の強化をするに当たっては、この横の連携をしっかりしながら進めていかなければいけないと思います。ですからそういった関係する方々の御意見をいろいろな場面を通じて調整しながら体制の強化に努めてまいります。以上であります。
    ○副議長(岩瀬 護君) 堀川経済産業部長。
           (経済産業部長 堀川知廣君登壇)
    ○経済産業部長(堀川知廣君) ワーク・ライフ・バランスの施策の実現、あるいは実施についての連携について再質問にお答えします。
     県では、いろいろな部署がワーク・ライフ・バランス、子育て支援あるいは男女共同参画、働き方の見直しに関係してまして、全体として全庁が一丸となってワーク・ライフ・バランスの実現に取り組んでいくことが必要だというふうに考えています。
     特に保育サービスの充実支援、提供充実を図っている健康福祉部、それから一般事業主行動計画の策定の支援とか、あるいはそれに関する労働環境の整備あるいは職業訓練、そういうものを担当してます経済産業部ではそれぞれの役割を持って取り組んではおりますが、こうした取り組みが一体となって効果が生じるように進めていくことが重要だというふうに考えています。
     現在も少子化対策推進委員会やその幹事会などで――これは関係の部長で構成する委員会でございますけれども――ワーク・ライフ・バランスの進め方も含めて連絡調整をとり合いながら進めていますけれども、今後も全庁を挙げて、次世代の育成支援につながるようなワーク・ライフ・バランスの施策が実効あるものとなるよう連携して取り組んでいきたいというふうに思ってますし、またこれを実現していくためには、労使の団体あるいは経済界あるいは市町との連携も大切ですので、これを含めて取り組んでいくこととしています。以上でございます。
    ○副議長(岩瀬 護君) 森山交通基盤部長。
           (交通基盤部長 森山誠二君登壇)
    ○交通基盤部長(森山誠二君) 道路排水の再質問についてお答えいたします。
     県内では、高速道路の道路排水が河川や農業配水に対して現実に問題になっているという情報は現在はございませんし、また国のいわゆる国土技術政策総合研究所のレポートによりますと、問題ないレベルというふうにはなっておるということでございますが、ただ一方では議員御指摘のようにドイツのような例もあるんじゃないかっていうことがございます。そういうこともございますので議員御指摘の実証実験をしたらどうかということでございますので、国の国土技術政策総合研究所ですとか大学のほうでもあるかと思いますけども、そういったことを実際に御提言を踏まえまして行うかどうかにつきましても、そういった国のほうの現在の動向がどうなのか、また意向がどうなのか、また現実の大学でどういったような研究が進んでいるのか、そういったような技術の動向、また環境分野のやはり政策の動向もございますから、そういったことを踏まえながら今後の検討課題というふうにさせていただきたいと考えてございます。以上でございます。
    ○副議長(岩瀬 護君) 八番。
           (八番 戸塚久美子君登壇)
    ○八番(戸塚久美子君) 終わりに、知事にお伺いいたします。
     私が市町と接して思うことは、市町は悩んでいる、そんなふうに思います。新しい価値を創造したり新しい文化を創造する時代をつくる今、そして基礎自治体が自治力を高めなければならない今、専門性が高く広域で考えなければならない諸問題において県の役割はどうあるべきか、知事の御所見をお伺いいたします。
    ○副議長(岩瀬 護君) 八番、ただいまの件については通告の範囲を超えています。答弁は求めませんので御承知おき願います。
  これで戸塚久美子君の質問は終わりました。傍聴の皆様が退席をされます。少々お待ちください。

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