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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

中田 次城 議員

質問分類

代表質問

質問日:

02/17/2023

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
 o 知事の言動への懸念
2 静岡県盛土等の規制に関する条例の課題への対応について
(1)条例の運用見直し
(2)建設発生土の処理に対する方針
3 静岡市の大規模盛土への対応について
4 (仮称)函南太陽光発電事業計画に係る林地開発許可について

5 令和5年度当初予算編成について
6 水産業の振興について
(1)豊かな海づくりに向けた取組
(2)海業の振興
7 今後の県立高校の再編について
8 脱炭素社会の実現に向けた取組について
9 遠州灘海浜公園(篠原地区)基本計画の策定について
10 今後の観光振興の方針について
11 社会インフラの防災・減災、県土強靱化の取組について
12 市町と連携した新たな地震・津波対策アクションプログラムの推進について
13 子どもを安心して預けられる体制の構築について
14 令和5年の本県警察の取組について


○議長(藪田宏行君) 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、四十六番 中田次城君。
       (四十六番 中田次城君登壇 拍手)
○四十六番(中田次城君) おはようございます。
 私は、自民改革会議を代表し通告に従い当面する県政の諸課題について知事、副知事、関係部局長、教育長並びに警察本部長に一括質問方式で質問いたします。
 まず初めに、知事の政治姿勢として、知事の言動への懸念について伺います。
 四期十四年にわたる長期政権から生まれる傲慢について議会としてその言動の問題点をしっかりと指摘していかなければなりません。知事の発言について我が会派は繰り返し静岡県知事としての責任を持った品位ある言動を忠言してきたところですが、その言葉もむなしく残念ながら現在でも無責任かつ身勝手な発言が際立っています。このような状況は我々議員だけでなく多くの県民も知事の発言に対して違和感を抱き、最近では知事の辞任を求める署名活動が始まるなど反発の声が上がっています。それはなぜか。知事は御自分にとって都合の悪い事項については徹底して論点をずらし責任を他人に押しつけ正面から答えない一方、他人を攻撃する際は事実か否かに関係なく一方的に自分の意見を主張し徹底的に相手をおとしめるというやり方であるからであります。
 この手法はこれまで多くの人々の不信感を買い、また関係する人々の心を傷つけているように感じます。県政における最高権力者である知事には、真実や事実を直視し相手の立場を尊重した上での交渉や議論をすることが求められます。そういう意味において現状は大きくかけ離れていると言わざるを得ません。
 静岡市葵区藁科川上流である杉尾・日向両地区に造成された盛土に対する県の責任について知事は、先月二十四日の記者会見において業者に対する撤去命令の発出には消極的な認識を示し県の責任についても答えようとしませんでした。知事はこの問題の本質を正しく認識しているのでしょうか。熱海土石流災害での教訓が全く生かされていないのではないかと失望すら覚えます。他人事のような緊張感のない回答に終始し、あたかも県に責任がないかのようなその発言には最高責任者としての矜持は全く感じられませんでした。
 また、リニア中央新幹線整備に対する言動はさらにこの無責任な傾向が如実に表れます。例えばJR東海の提案する田代ダムの取水抑制案について知事は全量戻しにはならないとの認識を示した一方、リニア中央新幹線対策本部長である森副知事は以前から田代ダム取水抑制案はJR東海の工事中の全量戻しに有効であると発言しており、県庁内においても知事と事務局との考えの違いが表面化しております。それぞれが勝手な発言をしており、行政としての一体性はみじんも感じられません。また高速長尺先進ボーリングに対しては、トンネル工事の一環であるとしてかたくなに反対される知事と科学的、工学的な根拠が得られるのならばやる価値があるとする流域市町の首長の認識のずれも明らかになってきています。
 先月二十四日には、岸田首相に対してリニア開業後の東海道新幹線の需要動向に関する書簡を送付しましたが、一国の首相に対して国の政策に係る知事の意見を公に申し入れる内容にもかかわらず衆議院会館の議員事務室に置いてくるという事務方の対応自体、本県を代表する知事の意見表明の在り方として問題があると言わざるを得ません。またその書簡の内容についてもリニア中央新幹線の品川 名古屋間の部分開業のメリットに真っ向から疑問を呈する内容となっており、昨年七月にリニア中央新幹線建設促進期成同盟会への参加の際に書面で確認した品川―名古屋間の二〇二七年度開業を目指す立場の共有という約束を全くほごにしたものであります。知事がそこまでこの調査にこだわる理由は、リニア開業時の本県へのメリットを国が示すことで県民の間でリニア開業に向けた機運が高まり静岡工区の着工を認めていない本県の対応に対して批判が集まることを懸念しているからこそここまで強く申し入れたのでありましょう。
 今回の対応を見ると、リニア中央新幹線の整備について賛成の立場であり推進すべきとの認識を示してきた川勝知事のこれまでの主張が本心であったのかすら疑わしくなります。
 このように、これまでも知事は前言を翻し御都合主義で他人の言動を解釈するなど感情のままの言動を繰り返しており、この結果行政機関としての静岡県に対する信頼は地に落ちていると言えます。本来知事を補佐し怒りを諫言することが求められる県庁組織も、知事自身が回りから意見の異なる職員を遠ざけ知事の意向を忖度し知事に忠実に従う職員のみを重用することにより機能低下が著しく、結果として知事の言いたい放題の現状を招いているのだと思います。
 現在の知事はまさに裸の王様の状態でありますが、御自身ではそのこと自体を気づくことができないところにまで来ているのではないでしょうか。知事の無責任かつ独りよがりな言動は静岡県民にとって大変な損失であります。県庁組織にはできないのであれば我々県議会がその誤りをただすほかありません。本県が全国からの信頼を取り戻すことができるよう御自身の言動を直ちに改めていただくよう忠告いたします。この忠告に対しまして知事はどのように受け止め、今後どのように言動を改めるおつもりなのかお伺いしたいと思います。
 次に、静岡県盛土等の規制に関する条例の課題への対応について、条例の運用見直しについてお伺いいたします。
 昨年七月に施行された静岡県盛土等の規制に関する条例(盛土条例)については、その運用に当たって多くの県民の皆様から様々な御意見を頂いており、我が会派では盛土条例の見直しに関するプロジェクトチームを設置し、関係する団体からのヒアリングを踏まえて盛土条例における規制やその運用に関する二十二項目に及ぶ課題を確認したところであります。
 そこで、十二月定例会の我が会派の代表質問におきましてそれらの課題を指摘したところ県当局からは、土壌分析調査における環境上の基準への適合を確認する手続を見直す、出先機関も含めた許可事務に対する組織体制の拡充などを検討するなどの運用の見直し方針が示されました。これらの見直しについては着実に実行することが重要となります。
 また、本年五月には一部の規制が盛土条例を上回るような厳しい盛土規制法が施行されますが、盛土規制法と盛土条例は規制内容が異なることから法の適用までに課題を踏まえてしっかりと盛土条例の見直しの検討を行いより効果的な盛土規制につなげる必要があると考えます。
 そこで、盛土規制法による規制も見据え盛土条例の課題に対して具体的にどのように見直しを行っていくのか、県の所見を改めてお伺いしたいと思います。
 次に、建設発生土の処理に対する方針について伺います。
 我が会派のプロジェクトチームで実施した関係団体へのヒアリングにおいて浮き彫りとなった課題の一つに残土処理施設不足の問題がありました。建設発生土処理への影響を把握することを目的に県が実施した建設発生土処理業者に対する調査において、地域的な偏在はあるものの七月時点で全県下に六十八か所の受入れ可能な施設があり、受入れ可能量は約三百二十万立米であることが判明をしております。一方で条例施行後管理費用の増加に伴い受入れ単価の値上げを行う施設や条例への対応が困難で受入れを停止する施設も出てきているほか、地域からは新たに施設を設置することがこれまでよりも難しくなったという声もあり、今後の円滑な建設発生土処理への影響が懸念されております。
 これを受け、我が会派では令和五年度当初予算に対する要望の中で盛土対策の充実として残土処理施設の整備促進について県に強く適正処理を要望したところであります。県ではこのような状況を踏まえて建設発生土の適正処理のための方策を取りまとめた基本方針を令和四年度末に策定する予定であると聞いております。
 そこで、策定作業の進状況や基本方針の概要及びこれに基づく今後の施策の展開についてお伺いをいたします。
 次に、静岡市の大規模盛土への対応について伺います。
 冒頭の質問でも申し上げましたが、先月、静岡市葵区の藁科川上流域の杉尾・日向地区において静岡県砂防指定地管理条例等に違反した大規模な不法盛土を行った疑いがあるとして県警察が盛土の事業者への捜査に着手し、今月逮捕したとする報道がありました。これによると不法盛土は砂防法の規制区域である砂防指定地域内にあり盛土された土砂量は杉尾地区が約五万立米、日向地区が約三十七万立米と熱海市伊豆山の盛土の五倍を超えるとされており、全国的に見ても最大級の規模になる可能性が高いとされています。
 県がこれらの不法盛土を認識したのは杉尾地区が平成三十一年、日向地区が平成十七年とされております。日向地区からすれば十七年の歳月が経過しているにもかかわらず、これまでの間強制力のある土砂の撤去命令を事業者に行っていなかったとのことであります。昨今の異常気象による豪雨災害が頻発していることや一昨年七月の熱海市伊豆山地区の土石流災害を踏まえれば、今後盛土の崩落による大規模な被害が起こるのではないかと非常に危惧をしております。
 加えて、今回の逮捕によって事業者の不法盛土の対応が滞ってしまうのではないかとも不安視しております。長期にわたって危険な盛土が放置をされ、いつ盛土が崩れるかも分からず毎日不安を抱えて生活する地域の住民の皆様に対して県は速やかに安全確保を含めた対策を講じる責務があると考えております。
 そこで、これまでの不法盛土に対する対応について伺うとともに、今後の方針についてお伺いをいたします。
 次に、(仮称)函南太陽光発電事業計画に係る林地開発許可についてお伺いをいたします。
 我が会派は、函南町の住民団体から提出されました仮称函南太陽光発電事業計画に係る林地開発許可の検証を求める請願を受け、県議会本会議における質疑や産業委員会の集中調査等により問題点を明らかにしてまいりました。その結果本事業の林地開発の許可申請時点においても現時点においても県が定めた審査基準を満たしていることが確認できないという審査上の瑕疵があるとの結論に至り、林地開発許可の取消しを求める請願が本会議において全会一致で採択されたところであります。
 また、先月二十四日には発電事業者から、本事業計画からの撤退を決議した、現在関係事業者とも撤退に向けた交渉を行っているとのプレスリリースが行われるなど新たな動きも出ていますが、昨年十二月定例会における我が会派の代表質問に対して、許可後事業者から集水区域の誤り等の報告があったことから事業者に対しては計画内容が審査基準に適合することが確認されるまで工事に着手しないよう指導を徹底している、事業者が訂正の意向を示しており事業計画を見直すものと考えているとの答弁がされております。
 県がかたくなに林地開発許可の取消しは行わず変更手続で対応する方針を示したことには誠に残念ではありますが、仮に取消しを行わないとすれば、林地開発許可の取消しを求める請願の趣旨や県森林審議会後に申請内容の修正が生じていることを踏まえ変更計画について県森林審議会で審議するなど新規許可と同様に慎重に審査する必要があると考えております。
 このような状況を踏まえて、林地開発許可申請書類の修正に係る県の審査状況と変更計画に対する審査方針について、県の見解をお伺いいたします。
 次に、令和五年度当初予算編成について伺います。
 ロシアによるウクライナ侵略に起因した世界的な物価高騰を背景に我が国の国内企業物価は上昇が続いており、価格が上昇している品目が拡大しています。エネルギーや食料品、生活必需品への価格転嫁の動きが拡大し消費者物価についても上昇基調が続いています。先行きの見えない今回の物価高騰は県民生活を直撃し大きな影響を及ぼしています。日常生活においても様々な品目において値上げが続き家計の負担が高まっています。
 これまで、県では様々な物価高騰対策を講じてきましたが物価高騰の収束はいまだに見通せない状況にあることから、令和五年においても県内における実情を十分に把握し状況に応じた対策を速やかに講じていただきたいと思います。また昨年の台風十五号による災害など頻発化、激甚化する災害に対応するための風水害対策の強化や人口減少対策など、本県が直面する課題を解決するための施策についても引き続きしっかりと取り組んでいくことが必要であります。
 我が会派では、令和五年度当初予算編成に先立ち県内をくまなく回り県民の皆様の様々な声を丁寧に聞き、これを令和五年度当初予算に対する要望という形で取りまとめ昨年十二月十九日に当局に対し提出し実現に向けて働きかけてまいりました。
 そこで、我が会派の要望を踏まえ今回の予算編成に関しどのような事業に重点を置きどのように対応したのかをお伺いいたします。
 次に、水産業の振興についてのうち、豊かな海づくりに向けた取組についてお伺いいたします。
 農林水産省が発表する漁業・養殖業生産統計によると本県の令和三年漁業生産量は二十四万三千八百トンであり、前年に比べて三〇%増加し全国順位も一つ上昇して第四位になったとのことです。しかしながら駿河湾や浜名湖など本県沿岸の漁業に目を向けてみますと、アサリの漁獲高が昨年史上最低の百トンとなったほかサクラエビについても回復傾向は見られるもののかつての勢いは取り戻していません。令和四年にはシラスも不漁に陥っています。
 漁獲量以外の面でもコロナ禍による売上げの低迷や物価高騰による経費の増大が重くのしかかり漁業者の生活は困窮を極めています。このままでは近い将来本県の沿岸漁業は消失しかねず、県民への豊かな食の提供が断たれるだけでなく地域資源を失うことで観光業にも計り知れない影響が出るおそれもあります。
 また、海藻などの作用によって海洋に取り込まれる炭素すなわちブルーカーボンに注目が集まっており、海の持つ二酸化炭素の吸収源としての機能が重要性を増しています。しかしかつては広く見られた藻場も県内各地で減少が続いており、その機能が十分に発揮されているとは言えない状況であります。
 漁業には水産物の供給、観光、炭素固定など様々な機能がありその恩恵を県民が広く享受するものであることから本県漁業の復活は県民一人一人にとっても重要であり、県民と一体となって海洋環境の保全や水産資源の回復に向けた取組を行っていくことが望ましいと考えます。
 そのような観点から、令和二年二月に発足した美しく豊かな静岡の海を未来につなぐ会や昨年三月に創設された静岡県美しく豊かな海保全基金が県民と海とをつなぐ仕組みとして重要な役割を果たすことを大いに期待しております。
 そこで、豊かな海づくりに向けてつなぐ会や海保全基金を活用した取組の状況と今後の海保全基金の活用方針について、県の考えを伺います。
 次に、海業の振興について伺います。
 本県の漁業及び水産加工業は全国有数の規模を誇っておりますが、近年はさきの質問でも述べましたように厳しい状況に直面しており、気候変動や黒潮大蛇行などの自然環境の変動により水産物の漁獲量は不安定な状況が続くことが予想されます。そのような中で本県の水産業が持続的に発展していくためには従来の施策の継続にとどまらず新たな取組に果敢に挑戦していく必要があると考えます。
 国は、昨年三月に新たな水産基本計画を策定し海、漁村の資源の価値、魅力を最大限活用する、いわゆる海業を振興していくことで水産業と相まって地域の活性化を目指すとの方針を示しました。また水産物の販売・物流等の機能を担う施設の漁港への設置規制や漁業協同組合等が漁港で行う事業の利用制限を緩和すること等を含む法律案を今国会に提出予定と聞いております。
 こうした改正を契機として民間事業者と連携して斬新な発想を取り入れられるならば現在の閉塞感の打破につながる可能性が高いと考えます。
 私の地元である伊東では最近、定置網漁業を観光コンテンツとして活用し漁の様子を間近で見学できるツアーが企画されています。このような取組はまさに水産業と他の産業の協業による新たな産業展開と見ることができ、地域の活性化につながるものと大いに期待をしております。このような海業の振興に向けた国や社会の動きを的確に捉え水産業関係者と他の分野の民間事業者の協業による創意工夫を凝らした取組を推進していくべきではないでしょうか。
 そこで、海業の振興に向けた環境づくりや支援体制の整備に対して県の考えをお伺いいたします。
 次に、今後の県立高校の再編について伺います。
 現在、生徒数の減少が進展し令和五年には約三万三千人であった中学卒業見込み者数が令和十七年には約二万四千人にまで減少すると予想されています。こうした中で持続可能な教育基盤を整備し質の高い学びを将来にわたって提供していくことは重要な課題であります。
 県教育委員会では、平成三十年三月ふじのくに魅力ある学校づくり推進計画を策定し高校の魅力化、特色化や新構想高校への改編に取り組み、令和五年度に開校する伊豆伊東高校もこの計画に基づいて改編が進められております。一方人口減少の中で地域の核としての高校の役割への期待が高まっており、小笠地区、沼津地区では地元との合意形成が難航し計画どおりの改編が困難になっていると認識しております。
 今年度、県教育委員会は新たに就任した池上教育長の下、首長や関係者等による地域協議会を小笠・沼津地区を含む各地で開催しその意見も踏まえて今後の県立高校の在り方を検討していくと伺っております。個々の高校の改編がどうあるべきかここで議論するつもりはありませんが、地域の理解や協力がないと物事は進まないという点は重要です。
 伊豆伊東高校では開校に向けた説明会を各地で開催しておりますが、参加者が少ない回があったり内容が物足らなかったといった感想も届いております。学校改編を行う際に地元の合意を得ることが必要なのは言うまでもありませんが、開校が決まったから終わりではなくその後も学校の魅力や特色について誠意を持って伝え地域と共に学校づくりを進めていくことが求められます。
 一方、改編をしない選択をした場合には生徒数減少の中で教育の内容の質を維持していくことには相当の困難が伴います。学校運営に地域の協力が不可欠であることをきちんとお伝えし支援や参画を得ていくことが必要です。こうした地域の理解や協力を得られるための前提として、まずは県教育委員会の高校の在り方に関する基本的なスタンスを広く県民に改めて示すべきだと考えます。
 今後の県立高校の再編についてお伺いをいたします。
 次に、脱炭素社会の実現に向けた取組について伺います。
 将来にわたり持続可能な社会を構築するために脱炭素社会の実現に向けた取組が世界的な潮流となる中、県では令和四年三月に第四次静岡県地球温暖化対策実行計画を策定し、二〇三〇年度に温室効果ガスの排出量を二〇一三年度比四六・六%削減する目標を掲げ脱炭素社会の実現に向けて様々な取組を進めております。
 本県の温室効果ガス排出量の状況を見てみますと産業部門及び業務部門の二部門で全体の約五割を占めております。また計画で掲げる二〇三〇年度の削減目標達成に必要となる削減量の約六割を両部門で担うこととされております。このことから産業部門及び業務部門における対策の成否がまさに削減目標達成の鍵となっていると言えます。産業部門と業務部門の温室効果ガスは製品の製造過程や商業施設の運営など主に企業等の事業活動により消費するエネルギー起源のものであり、ものづくり県である本県の産業構造等を踏まえると中小企業等の脱炭素化の推進が大変重要となってまいります。
 県では、既に新たな計画に基づき中小企業等の温室効果ガス削減に向けた取組を実施していることと思いますが、現場の中小企業の方からは、物価高騰の影響もあり温室効果ガス削減対策までは手が回らない、そもそも脱炭素化に向けて何に取り組めばよいのかなかなか分からないといった声も聞かれるなどまだまだ課題も多く、中小企業等の脱炭素化を推進していくためには一段ギアを上げて積極的に取り組んでいく必要があろうかと思います。
 そこで、計画初年度の課題を踏まえ産業・業務部門の温室効果ガスの排出削減に向け今後中小企業等の脱炭素化の推進にどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
 次に、遠州灘海浜公園(篠原地区)基本計画の策定について伺います。
 遠州灘海浜公園基本計画の策定については、今年度懸案であった照明施設によるアカウミガメへの影響について県当局による調査結果に加え専門家の御協力を頂いて集中調査を実施し子ガメの生態に影響を与えるという結論を得ることができたほか、公園及び野球場のプランについても十二月定例会までに事業費、維持管理費、経済波及効果が具体的に示されるなど着実な進展が見られましたが、多くの県民に御理解頂ける計画とするためには引き続きしっかりと議論を進めていく必要があると考えております。
 十二月定例会におきまして、我が会派の伊丹雅治議員の代表質問に対し施設の利用者となる関係団体等に対し改めて検討状況を説明し意見を伺った上で評価に反映する、評価案の公表は先送りし二月定例会にお示しするとの答弁があったように公園及び野球場の各プランの評価結果は本定例会で示されるものと考えておりますがいかがでしょうか。また建設委員会でも指摘されているようにいずれのプランを選択するにしても野球場を含む公園全体で二百十から五百二十億円と膨大な費用を必要とする事業であることは間違いなく、県の財政状況を鑑みてもこの計画を実現するためには大きな恩恵を受けることになる地元に何らかの負担を求めることについて議論すべきではないかと考えます。
 そこで、各プランの評価及び選定の結果と地元の負担に対する県の考え方について、現段階でのお考えをお聞きしたいと思います。
 次に、今後の観光振興の方針について伺います。
 新型コロナウイルス感染拡大によって観光客が激減するなど県内の観光産業は深刻な影響を受けました。ダメージから早期回復を目的に全国旅行支援が行われ宿泊客が徐々に戻りつつあるなど回復の兆しは見えておりますが、まだまだ完全回復には至っておりません。
 ちょうどNHK大河ドラマで昨年及び今年と二年続けて本県が物語の舞台となり、大河ドラマをきっかけとして本県への観光誘客を図るまたとない機会に恵まれております。今年の大河ドラマで描かれる徳川家康については、居城があった県中部や西部地域はもとより家康が愛した富士山や金山の開発を進めた伊豆など東部地域にも家康の足跡をたどることができます。さらに家康の外交顧問となった伊東市ゆかりの三浦按針など家康と関係の深い人物などもおり、歴史や文化に関心が高い旅行者にも高い満足感を与える観光資源が県内各地にあります。
 ロケツーリズムのさらなる推進を含めメディアを使った情報発信で現地の魅力を最大限に生かして実績を上げていくことも重要です。こうした事例を参考に本県が誇る観光資源を活用して新たな観光振興に取り組むべき時期にあると考えます。
 宿泊支援等を継続してソフトランディングを図っていく必要性は感じるものの、割引支援にも限界はあり、観光地としての実力をつけていかなければ他地域との観光客獲得競争に後れを取ってしまいます。
 さらに、昨年十月には政府による水際対策が緩和されインバウンド需要の本格的な回復も見込まれております。今こそ魅力的な観光地づくりや旅行商品づくりに取り組み効果的な情報発信を国内外に向けて行うべきであると考えます。
 そこで、本県における今後の観光振興の方針についてお伺いをいたします。
 次に、社会インフラの防災・減災、県土強靱化の取組について伺います。
 激甚化、頻発化する台風や豪雨により近年全国で大きな被害が発生しています。このため国では風水害や大規模地震への対策、インフラの老朽化対策等を進めるため防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策により令和七年まで集中的な支援を行っているところであります。また県においてもこの五か年加速化対策に呼応し防潮堤整備などの地震・津波対策や災害時にもつながる道路整備を県内各地で行うとともに、激甚化する風水害に対し地域の実情に応じた対策を講じる流域治水に取り組み始めるなど防災・減災対策を進めてきていると承知をしております。
 しかし、県内では昨年の台風十五号による記録的な豪雨により磐田市の敷地川の決壊をはじめ多くの河川の越水等が発生し県西部や中部を中心に九千六百戸を超える広域的な浸水被害が発生をいたしました。また百六十七件の土砂災害の発生に加え道路上への土砂流出などにより県管理道路において最大で九十三か所の交通規制が発生し集落が一時的に孤立するなど、県民生活に大きな影響を及ぼしました。
 これに加え、高度経済成長期に建設をされました社会インフラの多くは老朽化が進み災害時においても必要な機能を確保できるかどうかも懸念されております。
 こうしたことから、本県で発生した台風などの豪雨による被害状況や社会インフラの老朽化の進行を考えるとさらなる社会インフラの防災・減災、県土強靱化の取組が必要ではないかと痛感しております。県民の皆様の生命と財産を守り安心して暮らせる社会を構築することは県政の最重要施策であります。
 そこで、県として社会インフラの防災・減災、県土強靱化にどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
 次に、市町と連携した新たな地震・津波対策アクションプログラムの推進についてお伺いをいたします。
 南海トラフ巨大地震に対しましては、平成二十五年に県が策定した地震・津波対策アクションプログラム二〇一三に基づき目標に掲げる想定最大犠牲者十万五千人の八割減少の達成に向け県や市町において取組を進めてきた結果、遠州灘をはじめとする防潮堤の整備が着実に進していることに加え県内沿岸市町で多くの津波避難施設が設置されるなど施設整備はかなり進んできたと感じております。一方で県が令和元年に実施した調査によると住民の早期避難意識は約六八%にとどまっており、住民の早期避難意識の向上等ソフト対策にはまだまだ課題が見受けられます。
 静岡県が策定作業を進めている新たな地震・津波対策アクションプログラムにおいて、総合計画の最終年度に当たる令和七年度末までの三か年で想定犠牲者の九割減災の達成を目標として掲げています。九割減災を達成するためにはハード対策だけでなく住民の早期避難意識の向上を促していくようなソフト対策をより強化していく必要があります。新たな地震・津波対策アクションプログラムが絵に描いた餅とならないようその推進に当たっては市町と減災目標を共有し連携して取り組んでいくことが不可欠と考えますが、県は市町とどのように連携し目標達成に向けて取り組んでいくのかお伺いをいたします。
 次に、子供を安心して預けられる体制の構築について伺います。
 少子化の進行が全国的に止まりません。二〇二一年の国内の出生数が約八十一万人と前年に比べ減少傾向が大きくなり危機感を抱いていたところでありますが、今年度の数字を見ると昨年十月の国の人口動態統計では一月から十月の出生数が約六十六万九千八百人と前年同月比でさらに少なくなっております。この傾向が続けば、二〇二二年は統計開始以来初めて八十万人を割り込む公算が大きくなりました。
 この動きを受けて、岸田首相は今年に入って危機感を表し従来とは異次元の、異なる少子化対策の実現に取り組む考えを示したところであります。その内容は児童手当を中心とした経済的支援の強化と幼児教育・保育サービスの強化及び全ての子育て家庭を対象としたサービスの拡充、男性育児休業取得の促進といった働き方改革の推進とそれを支える制度の充実の三本柱ですが、私は特に保育を提供する現場への対策が必要と考えています。
 本県では昨年保育施設での事件が相次ぎました。子供を預ける保育施設等に課題があっては子育てへの不安が増大してしまいます。実際に保育現場を見れば、本当に多くの従事者が真面目に子供に向き合い保育という手のかかる仕事に一生懸命取り組んでいただいています。このような事件は氷山の一角であるとはいえ、事件によって働く人の負担がまた増えれば保育の体制づくりは遠のいてしまいます。
 県は、再発防止対策として保育施設等の指導監査体制の強化や不適切保育の防止対策を進めるとしていますが、子供を安心して預けられる体制の構築に向けて保育士の資質の向上のための取組や処遇改善策など保育現場の改善に積極的に取り組むべきであります。
 そこで、子供を安心して預けられる体制の構築に向けてどのような取組を行っていくのか、県の所見をお伺いいたします。
 次に、令和五年の本県警察の取組について伺います。
 昨年七月、奈良県内で選挙応援演説中の安倍元首相が凶弾に倒れるという我が国の民主主義や治安を根本から揺るがしかねない事件が発生をいたしました。政治に関わる我々にとりまして衝撃的な事件であったとともに、警察当局にとっても大きな課題と教訓をもらしたものと思います。また本県でも県中西部を中心に記録的な大雨となった台風十五号による災害被害、牧之原市の認定こども園で発生した女児の送迎バス置き去りによる死亡事件、裾野市の保育園で発生した保育士による園児への虐待事件など全国的にも大きな話題となるような事件が発生をいたしました。
 大原警察本部長にあっては、昨年九月の着任以来こうした重大事件の指揮を執り続け激務の日々を過ごしてこられたのではないかと拝察いたしております。
 さて、昨年の治安指標を振り返りますと刑法犯認知件数は前年度マイナス百七十一件との一万四千二百六十九件で平成十五年以降二十年連続での減少となりました。交通事故も件数、死者数、負傷者数のいずれも減少し、特に死傷者数は八十三人と統計を取り始めた昭和二十八年以降過去最少を記録しました。
 このように、主要な治安指標からは本県の治安情勢は堅調に推移しているように見えますが、高齢者が狙われ反社会勢力の資金源にもなっている特殊詐欺の被害額は約九億円に上り前年よりも約一億四千万円も増加するなど深刻な状況にあります。またサイバー空間は今や社会・経済活動上の重要な公共空間となっていますが、昨年は本県の医療機関がランサムウエアとみられるサイバー攻撃によって被害を受けるなどサイバー犯罪の脅威は県民生活の間近に迫ってきています。このほか年々頻発、激甚化する風水害や発生が懸念される南海トラフ地震などの災害対策、実用化に向けてその動きが加速化している自動運転の対応や警察組織のDX化など県警察が取り組むべき課題は多岐にわたっています。
 そこで、このように山積する課題を踏まえ令和五年の本県警察をどのように運営していくのか警察本部長にお伺いをいたします。以上、答弁を求めます。
○議長(藪田宏行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 中田議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてであります。
 私の言動への御懸念についてでありますが、私は知事就任以来現場主義を県政運営の基本としてまいりました。白隠禅師が「動中の工夫は静中に勝ること百千億倍」と言われておりますが、私は常に現場に赴き実際に見て県民の皆様のお声を直接お聞きし必要な政策を立てるという現場主義を貫いております。
 そしてまた、宮沢賢治さんの詩の一節にありますように、自らに言い聞かせている言葉ですけれども「欲はなく決して怒らず」、「あらゆることを自分を勘定に入れずによく見聞きし分かりそして忘れず」ということを言い聞かせて仕事をしております。
 知事広聴や移動知事室をはじめ県内各地に赴いた回数は約三千三百回、県外等を含めますと三千九百回を超えております。現場に赴き地域の実情を知ることでおのずと事態の改善策や提案を導き出すことができます。課題を看過せず行動を起こすことが地域のリーダーに託された役割であり、県政をあずかる私の使命であると心得ております。
 これまでも、地元住民の理解を十分に得ないまま強引に進められようとする事態とか県民の命、財産に及ぶ問題についても決して見過ごすことなく公明正大に住民の方々を守るための主張をしてまいりました。今後も人の艱難はこれを見捨てずということを原則に現場主義を貫き公平無私の立場を堅持してまいりますが、その際中田議員をはじめ県議会の皆様の御意見をしっかりと承ることが重要であると認識しております。
 あわせて、常に万機公論を旨とし開かれた議論を徹底するとともに、県民の皆様や関係の方々に私の意図や考え方が正確に伝わるよう留意しながら全力で県政運営に取り組んでまいります。
 次に、令和五年度当初予算編成についてであります。
 令和五年度当初予算につきましては、物価高騰の長期化や自然災害の激甚化などの喫緊の諸課題を克服し新しい時代を切り開いていくために真に必要な取組に重点化し編成いたしました。大変厳しい財政状況の中ではありますが、自民改革会議の皆様から頂いた御要望や御意見を真摯に受け止め可能な限り当初予算に盛り込んだところであります。
 まず、喫緊の課題への対応として御要望がございました物価高騰対策につきましては、国による広く県民生活を支える政策に合わせて、県は中長期的な視点に立ち中小企業等の脱炭素化や新事業展開の支援のほか高校の授業料減免の拡充など社会経済環境の変化に対応できる強靱な社会を構築する施策を展開してまいります。引き続き国や物価の動向などを注視しながら必要な対策を機動的に実施してまいります。
 激甚化する風水害対策の強化につきましては、昨年の台風十五号による被害の早期復旧や被災者支援を着実に進めてまいります。また国の五か年加速化対策と連携した道路、河川、砂防等の防災インフラ整備を進めるほか台風十五号で大きな被害が生じた河川災害を踏まえ河川の拡幅や堆積土砂のしゅんせつ経費を増額するなど県土のさらなる強靱化を図ってまいります。
 盛土対策の充実につきましては、熱海市逢初川源頭部の土砂を着実に処理するとともに不適切な盛土の調査、応急対策を十分に強化いたします。また盛土許可申請の利便性を向上させるために職員八名増員し、全土木事務所に申請受付窓口を設置いたします。そのほか官民連携ストックヤードを整備いたしまして建設発生土の有効な利活用も進めてまいります。
 新型コロナウイルス感染症対策につきましては、感染拡大抑制や医療提供体制の確保に万全を期するとともに、国の方針や感染状況等を踏まえて随時対策を見直してまいります。コロナ対策が新たなステージに移りつつある中で、力強い経済の再生や観光需要の本格的回復、富士山静岡空港の完全復活などを目指すべくウイズコロナに向けた施策を展開いたします。
 政府の政策に呼応した取組につきましては、国のデジタル田園都市国家構想交付金も活用しデジタル技術の社会実装や脱炭素社会の実現に向けた取組を進めてまいります。また子供の安全対策の予算を倍増するほか、結婚から妊娠、出産、子育てまでの一貫した支援など市町と連携し子供・子育て対策を充実いたします。さらにクラウドワークやテレワーク等の多様な働き方の導入を推進するなど本県への移住の流れを加速し人口減少対策を強化いたします。
 このほか、農林水産業の競争力強化のため農業施設の省エネ化、生産効率化や県産材の搬出に必要な路網等の整備、漁業者の新事業展開等を支援いたします。それとともに、医師の偏在解消に向けた配置調整機能の強化や看護師養成所の整備も含めた医療人材確保の経費も盛り込んだところでございます。
 県といたしましては、大変厳しい財政状況の中ではありますが見直すべきものは見直し必要な施策に思い切って財源を投入するめり張りの利いた予算を編成いたしました。計上した予算を的確に執行し、新しい幕開けを迎える富国有徳の美しいふじのくにづくりに全力で取り組んでまいります。
 次に、脱炭素社会の実現に向けた取組についてであります。
 静岡県地球温暖化対策実行計画に掲げました温室効果ガスの削減目標を達成し二〇五〇年までに脱炭素社会を実現するためには、大企業ばかりでなく事業所数の多い中小企業の取組が不可欠です。
 そのため、県では中小企業等の脱炭素化を脱炭素社会実現のための重点施策の一つに位置づけ今年度新たに企業脱炭素化支援センターを設置いたしまして相談体制の充実を図るとともに、省エネ設備の導入に対する助成制度を創設するなど中小企業支援の取組を強化いたしました。
 しかし、物価高騰など厳しい経営環境の中、新たな設備投資は資金面で負担が大きいことや脱炭素経営への転換は経営上のメリットが分かりにくく対応できる人材、体制を十分に確保できないなど中小企業にとって積極的に取り組むことが難しい状況も分かってまいりました。
 このため、省エネ設備に対する助成について温室効果ガス削減効果が大きい設備投資に対する補助率・限度額の引上げや助成対象の拡大など現場のニーズを踏まえ支援を拡充してまいります。また金融機関や関係団体と連携し事業者に対し個別具体的な働きかけを行い、温室効果ガス排出削減計画の作成などを支援し脱炭素経営の実践を後押しする取組を展開いたします。さらには静岡大学と連携いたしまして事業者の温室効果ガス削減の取組内容や成果を分析し、優良な事例を広く情報提供することで中小企業の積極的な取組につなげてまいります。
 きめ細かい実効性のある支援策によって中小企業等の脱炭素化を促進し温室効果ガス排出量の削減を図り脱炭素社会の実現を目指してまいります。
 次に、今後の観光振興の方針についてであります。
 本県の観光産業は全国旅行支援の実施などにより回復傾向にあります。来年度をコロナ禍前の水準に戻す移行期と位置づけ、令和六年度の平常化を目指し機動的な需要喚起策を進めてまいります。一方アフターコロナにおける発展に向けましては、厳しい地域間競争に打ち勝つ魅力ある観光づくりを進め効果的な情報発信を展開していくことが重要であります。
 本年は、東アジア文化都市開催に加え富士山世界遺産登録十周年、大河ドラマ「どうする家康」の放送という絶好の機会でありますので伊豆半島や駿河湾などの美しい自然景観、温泉、豊かな食材、自転車等のスポーツ資源、歴史・文化資源等々本県が有する多彩な魅力を最大限活用した観光振興に積極的に取り組んでまいります。
 今後、本県ならではの資源を生かした旅行商品をしずおか感動体験ツーリズムとして造成から販売まで一貫して支援する新たな制度を創設し、食文化を生かしたガストロノミーツーリズムやサイクルツーリズム、歴史・文化ツーリズム、さらにロケツーリズムなどテーマ性を持った体験型の旅行商品の開発に地域と連携して取り組み誘客につなげてまいります。
 また、増加しつつあるインバウンド需要を確実に取り込むため早期の需要回復が見込まれ富士山静岡空港の就航先である東アジア地域からの誘客を強化いたします。県域DMOであるTSJ――静岡ツーリズムビューローや海外駐在員事務所と連携し中国、韓国、台湾のインフルエンサー招聘モニターツアーをはじめ訪日旅行者にとって主要な情報源であるSNSを活用し関心の高いスポット情報を発信するとともに、海外からの旅行商品の造成、販売を行うランドオペレーターへの営業を積極的に行ってまいります。
 さらに、多様化する旅行ニーズに的確に対応したサービス創出に向け本県の公式アプリTIPSを通じて今だけ、ここだけ、あなただけの観光情報を旅行者に提供してまいります。アプリ利用者のデータは傾向等を分析することにより観光事業者のマーケティングに生かし、旅マエ、旅ナカにおきまして効果的な情報発信につなげるなど観光DXを推進してまいります。
 観光産業は本県の将来の発展に欠くことのできない重要な産業であります。本県の魅力を世界に強力に発信する本年をアフターコロナに向けた観光産業の新たなスタートの年と位置づけ、地域の皆様との連携の下で本県ならではの多彩な感動体験ツーリズムを開発、発信し、東アジア文化都市の開催を着実に観光交流人口の拡大に結びつけることで国内外の皆様から選ばれる魅力ある観光地づくりを目指してまいります。
 次に、市町と連携した新たな地震・津波対策アクションプログラムの推進についてであります。
 県ではこれまで、想定される南海トラフ地震の被害から県民の皆様の命、また生活を守るため地震・津波対策アクションプログラム二〇一三を策定し全庁を挙げて防災対策に取り組むとともに、市町の取組については地震・津波対策等減災交付金により財政的に支援をいたし一体となって取り組んでまいりました。その結果防潮堤や津波避難施設などの施設整備は順調に進し令和元年度末時点でおおむね七割減災と試算したところでありますが、新たなアクションプログラムの目標に掲げた九割減災を達成するためには住民の早期避難意識の維持向上が必要です。
 このため、令和七年度までを重点取組期間として県民お一人お一人の避難計画であるわたしの避難計画につきまして自主防災組織を中心に御家族あるいは学域、職域など多様なチャンネルを通じて普及を図ってまいります。
 また、減災目標や取組の課題等を共有するため危機管理監を中心に市町長などを直接訪問して顔の見える関係を構築して連携を深めるとともに、市町ごとにわたしの避難計画の継続的普及や体制づくり等について定めた持続化計画の策定を促してまいります。この持続化計画に基づく取組が円滑に進するよう減災交付金の補助率を三分の一から三分の二にかさ上げする新たな制度を開始いたします。
 さらに、避難後の新しい環境による被災者の健康被害等の課題を踏まえ市町が取り組む津波避難施設、避難所の量的確保、滞在環境の改善等々地震・津波対策を総合的に促進するため減災交付金のメニューを拡充するとともに、今後の市町の要望額を踏まえまして当面三年間で七十五億円を見込み積極的に支援してまいります。
 こうした市町との連携の強化により新たな地震・津波対策アクションプログラムに全県を挙げて取り組むことで犠牲者の最小化、減災効果の持続化とともに、被災後も命と健康を守り健全に生活できる安全で安心なふじのくにの実現を目指してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(藪田宏行君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) 静岡県盛土等の規制に関する条例の課題への対応についてのうち、条例の運用見直しについてお答えいたします。
 盛土条例につきましては、自民改革会議の皆様や関係団体の皆様などから頂いた御意見、御指摘を踏まえ条例の目的を損なうことなくより円滑に施行できるよう運用の見直しを進めております。
 初めに、組織体制につきましては、先月から東部、中部、西部三地区の県出先機関において許可申請の相談等を行う出張窓口を開設し対応しております。来年度からは県内八土木事務所に受付窓口を設置するとともに、盛土対策課の体制を強化し盛土許可申請に係る利便性の向上と審査等の効率化を進めてまいります。
 次に、盛土条例への対応につきましては、盛土施工中の定期検査における土壌分析調査のサンプル数を減らせるよう見直したほか許可申請時に必要な盛土実施箇所の土壌分析調査を土地の利用履歴による調査で代替できるよう規則改正手続を行っております。
 今年五月に施行される盛土規制法については、法の求める基礎調査を踏まえ規制区域の指定を行った上で適用していくことになります。今後示されます法の詳細を確認しながら効果的な盛土対策につながるよう条例の運用のさらなる見直しや条例改正の検討を行ってまいります。
 県といたしましては、市町とも連携して盛土条例と盛土規制法の整合を図り適切に運用することにより県民の皆様の生命及び財産の保護に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 静岡県盛土等の規制に関する条例の課題への対応についてのうち、建設発生土の処理に対する方針についてお答えいたします。
 県では、市町へのアンケート調査、県内各地区の建設業団体への意見聴取等建設発生土の処理に関する現状把握に努めてまいりました。その結果処理施設の減少や受入れ単価の上昇、受入れ量の制限などの事態が生じておりインフラ整備やまちづくりの停滞を招くおそれがあり、建設発生土の適正な処理は喫緊の課題となっております。
 建設発生土の適正処理のための基本方針につきましては、現在関係団体の意見を反映させながら原案を取りまとめている段階であり、今後関係団体、学識経験者及び国、県、市で構成するみらいの県土研究会での意見を踏まえて本年度末に策定する予定であります。
 基本方針では建設発生土の発生抑制、利活用、適正処分を三本柱としております。具体的には発生抑制として設計・計画段階から土量を抑制する工法の選定や工事段階での現場内利用の徹底を、利活用では時期や量など工事間の調整を可能とするストックヤードの整備やそのままでは利用できない土砂の改良を、適正処分では処理施設の情報提供や民間事業者等への支援などを進めることとしております。
 今後は、基本方針に基づきまずは今年度開発した静岡県建設発生土マッチングシステムの利用率を向上させ利活用を促進いたします。加えて県内地域バランスを考慮した三か所にストックヤードを設置しさらなる利活用促進を図るとともに、民間事業を含めた受入れ土量の規模、効果、管理運営方法を検証いたします。あわせて民間の処理施設設置への技術支援を行ってまいります。その後これらの検証結果を踏まえ各地域の発生土量に応じたストックヤードの整備を進めるとともに、公共処分場の設置の必要性を検討してまいります。
 県といたしましては、策定した基本方針を県内市町、関係事業者・団体等に周知徹底するとともに、地域の実情に応じた対策の実施や持続可能な建設発生土の適正処理の実現に向けて取り組んでまいります。
 次に、静岡市の大規模盛土への対応についてであります。
 静岡市の不法盛土につきましては、違法行為を認識して以降これまでに原状回復を求める指導を杉尾地区では文書で四回、口頭で四回、日向地区では文書で六回、口頭で十一回行ってきたところであります。こうした行政指導を事業者は聞き入れず土砂の搬入を続け現在に至っております。
 熱海市伊豆山地区での土石流災害を踏まえた現在の対応としては、事業者に対して指導した沈砂池の設置や排水路の整備などの応急対策につきましては既に完了し、現在盛土の監視や点検を継続させるなど一定の安全性を確保しているところであります。あわせて昨年五月には大雨時に関係住民に避難行動を促す緊急連絡体制を静岡市と共に整備しております。また恒久的な安全対策に向けて県では昨年三月以降現地の詳細な測量や地質調査を実施し、現状の把握、盛土の安定性の評価及び対策の実施手法等につきまして検討を進めております。
 今後は、事業者が安全確保のための対策を履行しない場合に備え調査結果に基づき行政代執行に向けた準備を進めてまいります。また当該盛土の恒久対策が完了するまでの間は県が盛土の観測機器を設置して関係住民の皆様に情報提供するとともに、地元自治会などに今後取り組む安全対策の進につきまして丁寧な説明を続けてまいります。
 県といたしましては、不法な盛土が決して事業地外に支障を及ぼすことがないよう森林法を所管する静岡市と連携しながら事態を改善し、一日も早い地域の皆様の不安解消に向け全力で取り組んでまいります。
 次に、遠州灘海浜公園(篠原地区)基本計画の策定についてであります。
 十二月定例会以降、費用対効果の分析や施設の利用者となる関係団体等へのヒアリング調査を進めるとともに、コンセプトの異なる公園整備プランと規模、構造の異なる複数の野球場タイプについて評価を行ってまいりました。
 公園整備プランにつきましては、野球利用を主体とする案、公園中央に池を設置する案、緑地広場を多く配置する案の三つのプランの比較を行いました。その結果整備や維持管理にかかるコストが最小で費用便益比が最大であり、加えて多目的かつ自由に利用できる範囲が広く民間からの事業参画が得られる可能性が高いことなどを評価し緑地広場を多く配置する案を選定いたしました。
 また、野球場タイプにつきましては、アカウミガメへの影響を考慮し照明のある屋外タイプは除外することといたしました。残る野球場タイプのうち照明のない屋外タイプは利用時間が限られますがコストは低くなります。一方でドームタイプは天候に左右されず幅広くイベント等での利用が可能でありますがコストに加え利用料金が高くなります。それぞれにメリット、デメリットがあることから適切な評価を行うためにはさらなる調査が必要だと考えております。
 このため、来年度官民連携導入可能性調査を実施し野球場の利活用についてさらに詳細な需要調査を行った上でコスト縮減などについて検討してまいります。また近接する浜松市西部清掃工場からのエネルギーの活用などについて浜松市と調整を進めるとともに、地元負担や役割分担について協議を行ってまいります。
 県といたしましては、引き続き県議会や関係団体の皆様からの御意見を伺いながら、遠州灘海浜公園篠原地区が県西部のスポーツの拠点として地元に愛され利用される公園となるよう基本計画の策定に向けた取組を進めてまいります。
 次に、社会インフラの防災・減災、県土強靱化の取組についてであります。
 記録的な豪雨となった昨年の台風十五号では、広域的かつ同時多発的な浸水被害や土砂災害の発生に加え道路の寸断により集落が孤立するなど県民生活に多大な影響を及ぼしたことから激甚化、頻発化する自然災害に備えた防災対策のさらなる強化は喫緊の課題であります。
 このため、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策として昨年十二月前年度を上回る補正予算を確保するとともに、これに呼応した県単独事業を来年度以降も継続し道路のり面の補強や護岸整備などの事前防災対策を計画的に進めてまいります。これに加えて台風十五号による被災箇所周辺の河道拡幅やしゅんせつ、砂防堰堤の整備などの緊急防災対策を新たに来年度から二か年で集中的に実施してまいります。さらに流域のあらゆる関係者が協働して洪水氾濫に備える流域治水の取組を台風で浸水被害が発生した流域を含め県内全域で総力を挙げて進めてまいります。
 また、老朽化が進む施設の機能確保に向けては予防保全型管理を各施設で着実に進めるとともに、三次元点群データ等の新たな技術を活用した点検、補修の実施や県市一体型の道路等包括的管理など地域の実情を考慮した先進的な官民連携手法の導入等により効率的で持続可能なインフラメンテナンスに取り組んでまいります。
 県といたしましては、流域と一体となった防災・減災、県土強靱化を着実に進めることで県民の皆様の生命と財産を守り安全・安心な地域づくりを強力に推進してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) 仮称函南太陽光発電事業計画に係る林地開発許可について、お答えいたします。
 本事業計画につきまして、県は地域住民の皆様の災害に対する不安や懸念を真摯に受け止め土砂流出の防止対策に万全を期すことなどの条件を付して許可を行っており、事業者に対してはこの遵守を厳正に指導しております。
 申請書類の修正に係る審査につきましては、まずは事業者が集水区域や河川流下能力の調査を行い開発行為による影響を最も強く受ける河川の狭窄部の選定等について河川管理者の同意を得る必要があります。その上で事業者が修正した計画内容等について県が森林法の審査基準に適合するかを審査することとなります。
 現在、事業者は狭窄部の選定作業を行っておりますが、現時点では県による計画内容等の審査には至っていない状況にあります。引き続き事業者に対して計画内容が審査基準に適合することが確認されるまで開発行為に着手しないよう指導を徹底してまいります。
 事業計画に対する審査方針につきましては、地域住民の皆様から林地開発許可の取消しを求める請願が提出され本会議において採択されている状況を踏まえますと、本事業計画の変更については森林法第六十八条第二項に規定する森林法の施行に関する重要事項に該当するものと考えております。このため今後は法令等に基づき変更計画の内容について森林審議会に諮問を行った上で審査基準への適合を判断する方針として審査を進めてまいります。
 県といたしましては、地域住民の皆様の不安や懸念、請願を重く受け止め引き続き法令等に基づき厳正かつ慎重に対応してまいります。
 次に、水産業の振興についてのうち、豊かな海づくりに向けた取組についてであります。
 水産業や漁村は、水産物の安定供給という本来の役割に加えて藻場等の生態系保全や水産イベント等を通じた交流機会の提供、魚食等の伝統的文化の継承、さらには海難救助や災害時の支援といった豊かな県民生活を支える様々な役割を果たしております。県ではこうした役割が持続的に発揮されるよう海洋環境の保全や水産資源の回復に向けた取組を県民の皆様と連携しながら推進をしております。
 美しく豊かな静岡の海を未来につなぐ会につきましては、企業や団体等の会員数を二百四十九にまで拡大し啓発冊子の配布や交流イベントを定期的に実施するとともに、海の森づくり体験教室を開催し未来を担う子供たちに藻場の回復活動に取り組んでいただいております。
 また、静岡県美しく豊かな海保全基金につきましては県の拠出金のほか企業や個人の御賛同も募っており、自動販売機の売上げの一部を寄附していただく取組も始まっております。こうした基金を活用し地域の団体による海岸清掃活動への助成や駿河湾や浜名湖の栄養塩の分布や藻場の増殖など水産資源の回復に向けた研究を進めております。これらの研究成果につきましては、海の森づくり体験教室や公開フォーラムの場で紹介するなど引き続き海洋環境や水産資源の保全に関する意識醸成に取り組んでまいります。
 県といたしましては、水産業や漁村の果たす多様な役割を広く情報発信し県民の皆様の御理解を得ながら基金を活用した研究の充実強化などにより豊かな海づくりを全力で推進してまいります。
 次に、海業の振興についてであります。
 漁村の人口減少や不漁による水揚量の低迷が続く中、浜のにぎわいの創出や所得の向上を図り地域の活力を高めるためには豊かな自然や漁村ならではの伝統、文化など地域資源を活用し新たな価値を創造する海業の振興が重要であります。
 このため、県では漁業者自らによる観光定置網など水産業の枠組みを超えた意欲的な取組に対して集客用のホームページの作成や装備の導入等のスタートアップ経費の助成のほか水産・海洋技術研究所の普及指導員による関係法令やサービス内容に関する情報提供、助言などの支援を行っております。
 今後は、こうした支援に加え水産業だけでなく観光や流通、ヘルスケア等の異分野におけるネットワークやノウハウが必要となることからマッチング機会の提供やマーケティングの専門家の派遣等により伴走支援を充実してまいります。
 県といたしましては、国の各種計画の策定や制度改正の動きも注視しながら地域の活性化や経済発展につながる海業の振興を推進してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 今後の県立高校の再編についてお答えいたします。
 県教育委員会では、社会の急激な変化を踏まえ県立高校の在り方検討委員会を設置し県立高校の在り方の見直しに関する協議を進めております。基本方針として学びの変革、地域との連携、教育基盤の確立の三つの理念を掲げ今後議論を深めてまいります。
 具体的には、学びの変革として主体的な学びや多様な学びを展開し、これを支える要素として地域との連携を掲げ地域と一体となった教育を進めることとしております。加えて教育基盤の確立として効率的かつ重点的な教育資源の投入を図るとともに、公教育に求められる学びの機会を提供するための教育基盤を確保してまいります。今後はこうした理念に基づき高校再編に係る長期計画の策定に向けた基本方針を年度内にお示しできるよう議論を進めてまいります。
 加えて、改編や存続を含めた各地区の高校の在り方については地元の皆様の御意見を伺う地域協議会を開催しているところであり、私が直接首長や市町教育委員会、学校関係者と対話し協議を行っております。今後基本方針を踏まえ、地域の皆様との意見調整を丁寧に行いながら関係部局と調整した上で方向性を決定してまいります。
 また、議員御指摘のとおり、各校の方向性が決まった後も生徒に選んでいただける学びの提供ができるよう地域の協力や支援を得ながら高校の魅力化や情報発信に取り組むことは非常に重要であります。今年四月に開校する伊豆伊東高校においても開校までの間、地域の皆様の御意見を伺ったり情報を共有する機会を数多く設けてまいりましたが、伊豆伊東高校を含め新構想高校の開校などに当たっては地域のニーズを十分に踏まえながら開校後も継続的にさらなる魅力化、特色化に注力してまいります。
 県教育委員会といたしましては、今後も地域と連携して魅力ある高校づくりを進め質の高い学びを提供することにより力強く生きる力を備えた人材を育成してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 八木健康福祉部長。
○健康福祉部長(八木敏裕君) 子供を安心して預けられる体制の構築についてお答えいたします。
 昨年、県内の保育施設において子供の安全・安心が脅かされる事案が相次いで発生したことを受け、県では市町や保育関係団体と共に安全で質の高い保育の体制づくりに全力で取り組んでまいります。
 まずは、不適切保育の通報などに対応する相談窓口を健康福祉部内に三月中に新設いたします。窓口では保護者や保育士の声を迅速に受け止め、相談内容を市町とも共有し必要に応じて立入調査などを実施してまいります。あわせて保育施設に対する事前通告なしの指導監査を導入し監査体制の強化を図ってまいります。
 また、不適切保育を防止するためには保育現場の多忙さを解消し職場環境の改善を進めることも重要であります。令和五年度から国の施策と連動し大規模な保育所において四、五歳児における児童と保育士の三十対一の配置基準について二十五対一の配置となるよう人件費の加算を拡充することといたしました。
 さらに、業務改善の専門家が施設を巡回しICT機器の導入や保育支援者の活用などを助言することにより保育業務の見直しを支援してまいります。また保育の質の向上を目指す保育士が広く参加し優良事例などの情報交換を行うワークショップを新たに開催をいたします。
 今後も、国による従来とは次元の異なる少子化対策の動向を注視しつつ子供たちの成長を支える保育施設において安全で質の高い保育が行われるよう実効性のある体制を構築し、安心して子供を預け子育てができる社会づくりに向け積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 大原警察本部長。
○警察本部長(大原光博君) 令和五年の本県警察の取組についてお答えいたします。
 議員御指摘の安倍元首相に対する銃撃事件を通じて得られた教訓は、安易な前例踏襲により、また社会情勢の変化に我々警察が追いついていけないことにより警戒の空白が生じ得るという点であります。
 こうした点を基本認識に置きながら、県警察では「県民の期待と信頼に応える警察〜正・強・仁〜」を運営指針として人の生命、身体の安全を脅かす事案への迅速的確な対応と特殊詐欺被害防止対策の強化・推進、地域住民の身近な不安を解消する街頭活動の推進、高齢者と子供の交通事故防止対策の推進、凶悪な犯罪や暴力団などによる組織的な犯罪の徹底検挙、テロ、大規模災害などの緊急事態対策の推進、警察力を最大限に発揮するための警察運営に向けた取組の推進を重点目標に取り組んでまいります。
 具体的には、児童虐待等子供の安全を脅かす事案、依然として深刻な情勢にある特殊詐欺、高齢者や子供を巻き込む悲惨な交通事故、ランサムウエアなどのサイバー犯罪に対して関係機関・団体との協働による取組も併せながら抑止対策を強力に進めるとともに、これらを効率的に行うための組織のDX化など業務執行環境の効率化に取り組みます。
 また、今後発生が予想される南海トラフ巨大地震、富士山噴火や激甚化した風水害などの大規模災害に対しては関係機関とも連携しながら実践的な訓練を積み重ねるなど緊急事態対処能力のさらなる向上に努めてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 中田次城君。
       (四十六番 中田次城君登壇)
○四十六番(中田次城君) それでは、何点か再質問をさせていただきたいと思いますが、まずは知事の政治姿勢についてです。
 私が第一質問でこの質問を取り上げたのは、自民改革会議としてはこれまでにもたくさんの議員からこういう御意見が出ています。それは川勝平太さん個人の発言や行動ではなくて静岡県知事として求められるべき発言が、そのときにそれがふさわしいんだろうかと思う場面が度々見受けられるからであります。
 今回、私は質問でも申し上げましたが特にここで改めてお伺いしたいのは岸田総理への書簡をお送りされました。私はその岸田総理へ送られた知事の書簡の内容がですね、リニア中央新幹線の今後の開業をいろんな様々な角度から検討していく中で必要な内容を知事が総理に求めたんだと思っております。であるならば、それはやはり書簡という形で岸田事務所に置くというものではなくて知事自身が知事として一国の総理に対し窓口である国交省や首相官邸に対してですね、きちんと要請書もしくは要望書として出されるべきものであったと私は思っています。
 そういうふうに考えたときに、そのやり方は私は非常に稚拙だったなと思っております。受け取ったほうの印象、それを聞いた県民の印象、それはいかがなもんなんでしょうか。そういう意味ではここでお伺いしたいのはですね、私はそういう意味でまたさらに加えれば流域市町や期成同盟会との調整もあったかと思います。その内容が重要なものであればあるこそきちんとした手続を踏んで国に申し入れる、総理に申し入れるべきと私はそう思っております。
 そういう意味でお伺いいたします。要はなぜ書簡という形で岸田事務所の、個人事務所に持っていったのかが一点。
 もう一点は、その判断をするときに副知事以下事務方はどういう判断をしたのか、これについてまずお伺いしたいと思います。
○議長(藪田宏行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 中田議員の再質問にお答えいたします。
 まず、首相の個人事務所に書簡を置いたのはどうしてかということでございますが、事前に岸田事務所のほうに連絡を差し上げまして確実に首相のお手元に届く手段として目的と内容を御説明申し上げ、先方の御了承を得た上でお届けをしたということでございます。ほかに良い手段があるならば今後も検討していきたいと思っております。
 それからまた相談をしたかということでございますが、もちろんです。副知事、あるいは関係部局長と常に意見を交換して、そして実行に移すという姿勢は今回も変わりありません。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 中田次城君。
○四十六番(中田次城君) 私がお聞きしているのは、流域市町や期成同盟会とこの文書、書簡を出すに当たって御相談をされたのかということが一つと、それと知事が今確実に総理の下に届くようにということで事務所に送ったと、そういう御判断をされたことについて事務方はどういう判断をされたのかということをお聞きします。
○議長(藪田宏行君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) 中田議員の再質問にお答えいたします。
 岸田首相のですね、書簡を提出したことについて申し上げますけれども、一月四日に年頭の記者会見で岸田首相が自ら静岡県の名前をお出しになってリニア中央新幹線開業後の東海道新幹線の停車頻度について言及をされました。そこで、リニア中央新幹線に関することは本県民にとってとても重要なことであります。県民を代表して県知事として直接総理に書簡を送付する、そういったことの観点から我々も同意したところでございます。
 書簡でありますけれども、冒頭御礼と感謝から始まっておりまして、本県の努力をお約束して結んでおりまして文体もですます調で礼を逸したものではないというふうに思っています。
 また、その内容につきましても、最も関心のある本県のトンネル掘削に係る二〇二七年度の品川―名古屋間の話でございますので、その内容につきましても知事、職員が議論を重ねた上であるということをつけ加えさせていただきたいというふうに思います。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) 引き続き申し上げます。
 書簡はですね、公文といたしまして本県選出の国会議員の先生方、国土交通省鉄道局、リニア中央新幹線建設促進期成同盟会の構成員の皆さん、また本県の専門部会の委員、流域市町村の皆様方にその写しを配付して情報を提供したところでございまして、以上をもって情報の共有ができたかというふうに考えております。以上でございます。
○議長(藪田宏行君) 流域の市町についての答えをお願いします。
 森副知事。
○副知事(森 貴志君) 通知は事前にですね、この内容につきましてといいますか文書を送るということについてはお伝えいたしました。以上でございます。
     (発言する者あり)
○議長(藪田宏行君) 中田君、質問は三回までということになってますので。
     (発言する者あり)
 森副知事。
○副知事(森 貴志君) 流域市町には事前にはお話をしておりませんけれども、事後におきまして内容につきまして御報告したところでございます。以上であります。
○議長(藪田宏行君) もう一度、最終の質問をしてください。
 中田次城君。
       (四十六番 中田次城君登壇)
○四十六番(中田次城君) 私はね、この問題、知事の書簡のもろもろ話をさせてもらってるのは、非常にやっぱりこの話を聞いたときに不自然だと思いまして違和感を感じました。これだけやはり大きな問題になっているこのリニアの問題について岸田首相の年頭の会見をとらまえて知事が、であるならばこれはどうなんだという思いを込めて恐らくお聞きしたかったんだと思います。であるならばその手段をですね、やはりより公に、そしてより情報を関係者が共有した上で期成同盟会の皆さんももちろん流域市町の皆さんももちろん、静岡県としては首相の発言を受けてこういったことに非常に関心を持たなければならない。ついてはこういう手段できちんと意思を伝えていきたいと思うけれどもいかがなものかと、こういう姿勢がやはり必要ではなかったのかなと思っております。
 そういう意味で特に事務方、今の話を聞いていると非常に残念だなと思ったのは、事務方としてもその考えを尊重したというふうに私は答弁で聞いたわけですね。ということをね、本来これだけ大切なものも一国の総理にきちんと送ってその調査がしかるべき形で行われるようにするには本来ならばね、国交省や首相官邸、本当に事務レベルできちんと手続を踏んで、個人事務所に送ったから確実に読んでもらえて、国交省や首相官邸に上げればこれが届かないかもしれないと思うこと自体がまず間違った認識だと私は思いますね。
○議長(藪田宏行君) 中田次城君、答弁漏れとか、そういうことについて整理をしてお話しください。
○四十六番(中田次城君) 分かりました。
 私の思いを今述べておりますが、答弁漏れとして改めて整理していただきたいのは、知事がおっしゃるように、これを個人事務所に届けることが事務方としてもそれが正しいやり方だったんだという御判断があったのかなかったのか。それと流域市町と期成同盟会に対し、期成同盟会に加入させていただいたわけですから、そこで名古屋―品川間の部分開業、これについてもしっかりと歩調を合わせてやっていきたいというこういう思いで入っているわけですからね。こういう大切な調査を求める文書がきちんとやはり相談を得てですね、私は出されるべきだと思っていますが、それは期成同盟会についても流域市町についても相談なく、そして事後、要は相談をしたというよりは文書を作った後に配付をしたのか、それとも完全に書簡を出した後に配付をしたのか、事前に相談をきちんとしたのかしなかったのか、ここをきっちり御答弁を頂きたいと思います。
○議長(藪田宏行君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) 御答弁申し上げます。
 リニア中央新幹線建設期成同盟会の構成員の方々、それから国交省につきましては、また流域市町につきましては、この文書の内容につきまして事後でございますけれどもしっかりお伝えしたというところでございます。
 また、岸田首相にこの書簡を出したことについて正しい判断かどうかということでございますけれども、冒頭申し上げましたとおり本県の県民にとっても重要なことでありましたので、県民を代表して県知事から直接総理に書簡を送付したことにつきましては正しい判断というふうに考えております。以上でございます。
○議長(藪田宏行君) これで中田次城君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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