• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成26年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

橋本 一実 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/27/2014

会派名:

ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 地域の実情に応じた雇用対策について               
2 首都直下地震の被害想定公表後における伊豆東海岸の津波対策について                           
3 伊豆半島ジオパークの世界認定を見据えた公衆無線LANの整備促進について                        
4 動物の殺処分頭数を減らす取り組みの推進について         
5 伊豆縦貫自動車道の大場・函南インターチェンジから仮称函南インターチェンジ間の整備について               
6 熱海高校の魅力向上の取り組みについて              
7 振り込め詐欺等の特殊詐欺対策について


○副議長(伊藤育子君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、三十一番 橋本一実君。
       (三十一番 橋本一実君登壇 拍手)
○三十一番(橋本一実君) ふじのくに県議団の橋本一実でございます。
 当面する県政の諸課題につきまして、知事並びに関係部局長、教育長、警察本部長に一括質問方式にて伺います。
 初めに、地域の実情に応じた雇用対策について伺います。
 先般公表された、民間の有識者でつくる日本創成会議の推計では、地方から大都市への人口流出により二〇一〇年から三十年間で二十代から三十代の女性が半分以下になる自治体が示されました。本県においては、三十五市町中十一市町において二〇四〇年の人口推計で子供を産む中心的世代である二十代から三十代の女性が半分以下になり、将来消滅する可能性があるという大変ショッキングなものでした。
 十一市町は、私の出身地である熱海市を含め伊豆地域が大半を占めておりましたが、特に二〇四〇年に人口一万人未満になると推定されている東伊豆、南伊豆、松崎、西伊豆、川根本町の五町は、地域崩壊や自治体運営が行き詰まり消滅の可能性が高いといった信じがたい分析がされております。
 私たち県議会では、五月臨時議会で設置された人口減少対策特別委員会において今後人口減少についての調査や分析、また具体的な人口減少防止策の議論が交わされようとしていますが、その矢先にこの公表がなされたことに人口減少時代の危機的認識をしっかりと自覚しなくてはいけないと思うとともに、そのことに立ち向かい推計どおりには決してさせてはならないということを改めて強く肝に銘じなくてはと感じております。
 そこで、まず私の出身地である熱海市における人口変動を調べてみたところ、二〇〇六年三月三十一日から二〇一四年三月三十一日の八年間でゼロ歳から十四歳までの増減率はマイナス二五・〇三%、十五歳から十九歳までの男性がマイナス九・七七%、女性がマイナス一四・三七%であり、二十から三十九歳の子供を産む中心的世代の男性でマイナス二八・六〇%、女性はマイナス二八・二二%となり、この数値からしてもいかに二十から三十九歳の子供を産む中心的世代が減少し地域崩壊や自治体運営に響きつつあることがうかがえます。また六十五歳以上についてはプラス二〇・八四%で、人口減少はこの七年を見てもマイナス六・九七%といった状況となっておりました。
 人口減少に歯どめをかけるには、まちづくりや子育て支援など暮らしの環境を整える施策の充実に加え、従前から働く場の確保等の雇用対策、雇用の安定が強く求められております。働く場所がなければ子育てもそして親である高齢者も養い続けることはできず、その地域で豊かに暮らすことはできません。雇用の確保、雇用の安定は地域を守る最も重要な生活においての基礎的条件と言えます。
 本年五月の県内有効求人倍率は一・〇七倍と五カ月連続で一倍台となり、本県全体の雇用情勢は改善に向かっていると言われております。しかしながら本県の失業率につきましては市町別の完全失業率が国勢調査でしかわからないため、直近である平成二十二年の国勢調査から判断をせざるを得ませんが、静岡県全体の完全失業率は五・八一%で完全失業者数は約十二万人、労働力人口は約二百一万人、市町別の完全失業率の最上位は川根本町二・八八%から最下位の熱海市が八・七一%を比較いたしますと、その差は五・八三ポイントの開きがございます。地域間の雇用状況に格差が生じております。
 このような地域間格差を是正するためには、雇用対策も県内一律で行うのではなく地域の実情に応じたきめ細やかな対策を進めていくことが必要と考えておりますが、県はどのように取り組んでいくのか見解を伺いたいと思います。
 次に、首都直下地震の被害想定公表後における伊豆東海岸の津波対策についてお聞きします。
 県は、東日本大震災を契機に見直した静岡県第四次地震被害想定を踏まえ地震・津波から人命を守るため、昨年十一月に公表した静岡県地震・津波対策アクションプログラム二〇一三に基づき今後十年間においてハードとソフトの両面から地震・津波対策を総合的に進めると承知しております。
 県ではこれまで静岡県第三次地震被害想定に対して地震・津波対策を進めてきたところで、伊豆半島の東海岸では港湾、漁港などの背後地に市街地や集落が発展している海岸を重点的に対策が進められ、護岸や胸壁などの海岸保全施設の整備がおおむね完了しております。
 その一方で、第四次地震被害想定を受けた伊豆半島沿岸の海岸保全基本計画の計画変更のためのパブリックコメントが先ごろ実施され、これによりますと津波の高さはこれまで整備を進めてきた防潮堤の高さを上回る計画内容となっております。
 伊豆東海岸は風光明媚な海岸や温泉等を有することから観光産業が発達しており、また沿岸域には良好な漁場を背景に古くから水産業を生業として発展してまいりました。このような海岸利用を考えると、伊豆東海岸においても今後必要となる津波対策施設の整備高が既存施設よりも大幅に高くなることが想定され、景観の悪化や眺望阻害、海岸へのアクセスの低下を招き観光産業や水産業に与える影響が懸念されるところであります。さらに新聞報道によりますと、国の中央防災会議が昨年十二月十九日に公表した首都直下地震モデルによる津波の高さは静岡県第四次地震被害想定で公表されている高さを一部地域で上回る報道内容となっております。
 そこで、伊豆東海岸における津波対策施設の整備について今後どのように進めていくのかを伺います。
 次に、伊豆半島ジオパークの世界認定を見据えた公衆無線LANの整備促進について伺います。
 本県は、世界遺産富士山を初め国の指定文化財であり日本の近代化産業遺産群の一つとして世界遺産国内暫定リストに掲載された韮山反射炉、良質の温泉、豊かな山海の食材など多くのすばらしい観光資源を有しており国内有数の観光立県でありますが、海外での知名度はまだ低く東京オリンピック・パラリンピックはふじのくに静岡県の名を高める絶好の機会であり、誘客の大きなチャンスであります。
 特に、伊豆半島についてはジオパーク構想が一昨年九月、日本ジオパークに認定されて以降、来年度の世界ジオパーク認定に向けてジオガイドの養成やジオツアーの実施など実績づくりを進めておりますが、世界認定効果により外国人観光客の来訪が期待をされます。また二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定され、首都圏に近い伊豆半島には世界各国から多くのお客様が訪れることとなります。
 こうした中、昨年十二月、県は山梨県とともに両県にまたがる富士山周辺に公衆無線LANを推進する産官民協働プロジェクトとしてFujisan Free Wi―Fiプロジェクトの発足を発表し、本年度から取り組みが本格的にスタートいたしました。外国人観光客から要望が多い公衆無線LANの環境の整備は、外国人観光客の利便性を向上させ大きなおもてなしの効果が見込めるものと考えます。
 そこで、静岡県が進めるふじのくにの観光躍進のため、世界ジオパークの認定を目指す伊豆半島においても富士山周辺同様に速やかな公衆無線LAN環境の整備が求められますが、当局の見解について伺います。
 次に、動物の殺処分頭数を減らす取り組みの推進について伺います。
 二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて日本は世界から大きく注目され、それはスポーツだけではなく日本の文化や歴史、生活環境なども同様に注目されるのではないかと思っております。
 そんな機運が高まる中、私たちの日常生活で気になることは動物の愛護、つまり犬や猫の殺処分の問題であります。御存じの方も多いと思いますが、ドイツでは捨てられた犬や猫、飼い主が飼えなくなった動物を殺処分せず、そのかわりに里親探しのための民間の動物の家というシェルターが対応しております。この動物の家には犬猫に限らず馬や鳥、豚、ウサギや蛇などたくさんの種類の動物がおり、動物の家に保護され暮らしている動物たちに滞在の期限もないといいます。現在ドイツ動物保護団体は約七百団体で八十万人の会員がおり、ヨーロッパの中では最大規模となっております。五百余の動物の家も全て民間のもので遺産贈与や寄附とボランティアで成り立っております。その中心的役割を果たしているのはドイツ動物保護同盟ということです。さらにドイツでは犬の法律があり、例えば犬の大きさや種類によっておりの大きさが決められておりますし、鎖でつなぐ場合の長さや散歩のときのリードの長さは何メートル以上と定められてもおります。外の気温が二十一度を超えるとき車の中に犬を置き去りにしてはいけないことなども定められ、公共のバス、地下鉄も子供料金を払えば犬も同乗できますし、レストランも半分くらいの数は犬同伴が許されているといいます。
 一方、我が国に目を転じますと、犬猫の殺処分は環境省が調査している一九九九年度以降減少を続けておりますが、平成二十四年度で約十六万頭もある状況です。そのような中、先般環境省が犬猫の殺処分ゼロを目指す行動計画を発表いたしました。飼い主やペットショップに責任ある行動を求め、殺処分の原因になっている保健所などへの持ち込みや放棄を減らすことを訴え、各地でモデル事業なども進めるといいます。
 地方自治体においてもさまざまな事業が実施されております。例えば神奈川県では、県庁の本庁公開日に合わせて民間ボランティアによる犬の譲渡会が実施されたそうです。県庁で行われることによって身近な問題と知っていただくことができるとともに、県動物保護センターなど譲渡会はどうも県民からすると少々敷居が高いようで、その解消にも効果があったということです。また栃木県では迷子になった犬や猫の情報交換のための民間のインターネット掲示板が開設されました。行政の施設で殺処分される前に、迷い犬や猫を自宅で保護している人といなくなったペットを探している飼い主を結びつけるのが目的で、実際に飼い主が見つかったケースも出ているということです。
 静岡県では犬猫の殺処分頭数は平成二十四年度実績で四千九百六頭であり、この内訳は犬が六百三十八頭、猫が四千二百六十八頭となっており、県総合計画後期アクションプランでの平成二十九年度目標値は三千二百頭以下、目標を再設定した動物愛護推進計画の第二次の計画策定では平成三十五年度までに目標値の二千五百頭以下を目指すこととしております。この達成のためには処分の多くを占める飼い主不明な猫を減らす取り組みの強化が必要であり、全国的にはその対応としてTNR、すなわち猫を殺処分することなく繁殖を抑えることにより数をふやさないことが目的で、保護し不妊去勢手術を施した後テリトリーに戻すといったトラップ・ニューター・リターンの活動が普及し始めていると伺っております。私はこのような動物愛護活動は行政とボランティアが協働して推進していく必要があると考えます。
 そこで、本県の殺処分の減少に向けて、現在の取り組みや今後の見通しと今回の環境省の行動計画への対応について伺いたいと思います。
 次に、伊豆縦貫自動車道大場・函南インターチェンジから仮称函南インターチェンジ間の整備についてお聞きします。
 伊豆縦貫自動車道の一部を形成する東駿河湾環状道路は、平成二十一年七月の沼津岡宮インターチェンジから三島塚原インターチェンジ間十キロメートルの開通に続き、本年二月、そこから先の函南塚本インターチェンジまでの間六・八キロメートルが開通いたしました。これにより東名、新東名から修善寺まで走行性の高い道路でつながり、移動の定時性が確保されるなど伊豆地域の観光振興に大きく寄与しております。一方、この開通により伊豆東海岸と伊豆半島中心部を行き来する交通量が大幅に増加し、函南町市街地においては混雑の激しくなった路線もあり道路ネットワークのさらなる強化が望まれます。
 本来、伊豆縦貫自動車道は大場・函南インターチェンジから東方向に向きを変え、函南町平井地内の仮称函南インターチェンジにおいて県道熱海函南線に接続する計画となっておりますが、この間一・六キロメートルは依然として未着工の状況となっております。この区間が整備されれば、伊豆東海岸から函南町市街地を迂回して東名、新東名、あるいは伊豆半島中心部にアクセスすることが可能になり、新たな交流の拡大と沿線地域の交通環境の改善につながります。そのためには本区間の一刻も早い整備が必要であると考えますが、その着工の見通しについて、県の所見を伺います。
 次に、熱海高校の魅力向上の取り組みについて伺います。
 熱海市は、県立熱海高校の通学路の利便性を高めることにつながる、さくらの名所散策路の整備を平成十四年から進めてまいりました。しかしながら、この道路整備の半分近くを占める用地の取得交渉に困難をきわめ工事の中断を長年余儀なくされておりました。
 ところが、これまでにこの用地の取得がかない、また熱海市に対して多くの市民や学校関係者から工事再開の要望があり、今般熱海市はこの中断されていたさくらの名所散策路の工事再開について熱海市議会六月定例会に諮り、補正予算の可決に至り工事再開が決定をいたしました。このさくらの名所散策路は桜を中心とした観光名所として、また防災の避難路、さらに熱海高校の通学路としての機能が期待され、熱海市唯一の高校である熱海高校の活性化にも大いに役立つ道路となります。県もこのさくらの名所散策路には、観光施設整備としてこれまで補助支援をしております。完成予定とされる平成二十八年に向けて、完成すれば新たな通学路として現在の急峻で危険な坂道と言われてきた通学路問題が解消されるわけであります。ただ、この散策路は熱海高校と直接接合する工事計画ではないため生徒が住宅地内を通行することが想定され、地域住民の生活環境への影響が危惧されております。
 そこで、県、市、地域と高校が一丸となって熱海高校の魅力向上のための取り組みを行っている中、このさくらの名所散策路の工事再開に当たり地域住民への配慮とともにより利便性の高い通学路とするため、熱海高校と散策路を直接結ぶ通路を整備する必要を感じていますが、教育長の見解を伺います。
 最後に、振り込め詐欺等の特殊詐欺対策についてお尋ねいたします。
 以前、私は平成二十三年十二月本会議の一般質問において、一度、振り込め詐欺についての質問をさせていただきました。当時の質問は本県の取り組みについて伺うとともに、高齢者の良心を狙ったこのような犯罪は厳罰化が妥当であり、国における法改正の必要性について県警本部長の見解を伺いました。県民を守るために国政や司法へ働きかけることも私たち議員の仕事ではありますが、増加する被害に遅々として国の対応が進まないもどかしさを感じております。
 さて、報道によりますと全国の警察が平成二十五年中に把握した振り込め詐欺など特殊詐欺の被害総額は約四百八十七億円で過去最悪であったとのことです。一昨年が約三百六十四億円の被害であったことを考えると、実に百二十三億円も増加をしている状況です。一方、全国警察の懸命な捜査により摘発人員も約一千八百人と過去最高に及んでおります。最近の摘発事例では暴力団員や少年も増加しているほか、詐欺の手口も銀行口座への振り込み型から直接現金を受け取りに来るものや宅配便を悪用したものが横行し、受け子と呼ばれる受け取り役はアルバイト感覚で犯行に加担する少年も多いと聞き及んでおります。被害者に目を向けてみますと、その約八五%が六十歳以上の高齢者であります。こうした方々の被害を食いとめることは、家族や地域で高齢者を見守り被害を発生させない環境づくりが大切であると思います。
 私の出身地である熱海地区は、首都圏からも近い上に高齢化率も高いことから、犯人側からすれば格好の場所として標的になるおそれは十分にあります。熱海だけでなく交通網が発達している静岡県全域が危険地域と考えるべきでしょう。高齢者が被害に遭うことを食いとめるためには、積極かつタイムリーな広報や防犯教室などによる警察からの情報提供は不可欠であることに加えて万一だまされてしまい現金を払う段階になった場合における、いわば水際での被害阻止の徹底が極めて重要であると考えます。
 そこで、静岡県は預手プランと称する全国初の対策を金融機関の協力を得て展開中であると聞き及んでおりますが、その取り組みを伺うとともに、先般私の地元の熱海市において市と警察署が協力して実施した、同報無線を活用した被害防止放送についても、旧来の手法ではありますが効果はあると感じております。例えば年金支給日の前日など定期的な放送ができないものか、最新の取り組みと旧来の取り組みとの併用をいま一度見直す必要があるのではと感じておりますが、警察本部長に所見を伺います。
 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(伊藤育子君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 橋本議員にお答えいたします。
 地域の実情に応じた雇用対策についてであります。
 リーマンショックによりまして急速に失業者が増大いたしました。これに対処するための緊急的な雇用対策といたしまして、国、市町、行政機関のみならず産業界、労働界、教育界など関係するあらゆる分野の方々と連携協力いたしまして、全県を挙げて雇用創造アクションプランを策定いたしまして三年間かけて集中的に推進してきたところであります。特に現場に近いお立場の方々から意見を伺って施策に反映をしようということで、推進体制の柱の一つとして四つの地域会議を設けプランを推進してきたところであります。
 先ほど平成二十二年の国勢調査、これは五年に一回なされるものですけれども、十二万という数字はちょっと驚きまして、私どもは総務省の統計局並びに静岡県労働局の数字をもとにして全体の失業者数を割り出してきておりますけれども、私どもの知っている最大の失業者数は平成二十一年七月から九月期で八万九千人でございました。リーマンショック以前の完全失業者数は五万五千人ということで三万四千人の差があったわけでございますけれども、三万人雇用創出計画というのを立てまして、現在我々の持っている統計によりますれば一月から三月期の完全失業者数は五万六千人ということで差し引き八万九千マイナス五万六千で三万三千人の雇用を創造したというふうにみなしておりまして、三万人の雇用創造という目標はおおむね達成したというふうに総括しております。
 しかし、御案内のように地域によって雇用情勢に差が見られます。特に例に挙げられました川根本町。ここはお茶を中心にした農業やあるいは林業といったところで長期の従事者が多いわけですが、熱海の場合ですと短期の就業者が多いということで旅館とかサービス業というのは人が足りないと。一方、求職される方は事務職につきたいと。これは人が余っているということでこういうミスマッチがございます。こうしたミスマッチをいかにしてなくすかということが抱えている課題の一つであります。
 そこで、私どもは静岡労働局と県とで協力して、市の設置したふるさとハローワークというところで求人・求職状況を踏まえたマッチングを行うなど地域の実情へのきめ細かな対応をしているところでございます。ちなみにハローワーク三島におきましては、紹介件数が二万五千六百五十余りと就職件数は五千幾らでしたけれども、そのうち熱海では紹介件数二千九百九十八に対して就職件数が七百三十八ということで、ハローワーク三島全体で見ますれば五人に一人が就職したと。しかし熱海では四人に一人が御就職をなさっているということで、紹介件数のうち就職された方たちの割合は高いということなんでございますけれども、そうした効果があらわれていると存じます。
 今後とも、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用いたしまして人材の育成をしようということで、ジオサイトであるとか温泉熱発電など、これからはこうした、何て言いましょうか、従来の遊びだけではなくて一種の知識を得たり何か役に立つような、そうしたことを含めた観光と。それをするためのガイドというものはそれなりのレベルを持たないといけないということで、そうした人材の育成、地域の創意工夫による多様な人づくり、産業人材の確保などに取り組みまして、地域の実情を熟知した市町の方々と一体となって雇用対策を進めねばならないと考えております。
 さらに、静岡県の経済を本格的な回復軌道に乗せ持続的な発展を図るために、官民一体となって産業成長戦略の検討を進めているところであります。産業成長戦略で検討を進めているところでありますが、ここでもやはり地域の実情に即さねばならないということでアンケートなどをいたしまして、それぞれの地域に応じた環境整備、次世代の産業の創出を加速してまいりたいということでございます。この成長戦略会議におきましては産業界とプラスアルファ金融界に入っていただいて、これらと連携をしてお金回りがよくなるような戦略を練り推進することで、新しい雇用の創造につなげていこうと狙っているところであります。
 次に、首都直下型の被害想定公表後における伊豆東海岸の津波対策についてです。
 伊豆半島の東海岸は今、伊豆半島全体が世界ジオパークの認定に向けて鋭意取り組みを進めているところでございますけれども、極めて美しい海岸景観を持っていると。加えて豊かな漁場があり温泉にも恵まれているということでございます。残念ながら海岸沿いの限られた平坦地に市街地が形成されているので、津波ということになりますと甚大な被害が想定されるということで、その対策が喫緊の課題でございます。こうした中で私どもは第四次地震被害想定を公表いたしましたが、このたび国のほうで新しい科学的知見に基づく地震モデルを公表されましたので、伊豆東海岸における津波を防ぐ施設の整備高について今見直しを進めています。
 伊豆東海岸の施設整備につきましては、観光や水産業などを生業とする住民の方々の安定した生活基盤を確保するとともに、景観や海浜利用等に配慮した地域のまちづくりの方針と整合性を図るために私どもの設置した静岡モデル推進検討会において市町とともに、それぞれの地域の実情に沿った最適となる整備のあり方を検討しているところでございます。今般、難波氏が副知事に就任いたしましたけれども、旧来の防護を中心にした旧運輸省の対策を親水とあわせて海岸整備を図るということの推進役をしてきたのが難波さんです。ですから、これからまた全国各地を経めぐってそれぞれの地域の実情に応じたモデルといいますか、整備の仕方について東海岸においてもその知見を生かしていただきたいと思っておりますので、ぜひそうした出会いの場を設定してくださるように議員のほうでもよろしくお願い申し上げたいと存じます。
 施設整備につきましてはレベルワン津波の高さに対応することを基本とはしていますけれども、景観や眺望に配慮してそれより低い施設整備を行う場合には住民の確実な避難体制を構築せねばなりません。安全を確保するにはどういうふうにしていくかということを考えねばならないということでございます。
 私どもとしましては地域住民の安全・安心を確保するということを大前提に、検討会におきましてはそれぞれの地域の実情に沿った具体的な整備案を決定する。すなわちこれが静岡方式でありますが、そうした形で一律ではない納得づくめの津波対策を早期に進めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(伊藤育子君) 伊藤文化・観光部長。
       (文化・観光部長 伊藤秀治君登壇)
○文化・観光部長(伊藤秀治君) 伊豆半島ジオパークの世界認定を見据えた公衆無線LANの整備促進についてお答えいたします。
 訪日外国人が旅行中最も困ったこととしては、日本の公衆無線LAN、いわゆるWiFiの多くが会員限定で高額な通信料がかかるため、インターネットを利用できないことが挙げられております。県内のWiFiスポットはコンビニエンスストアなど二万カ所以上ありますが、無料で誰でもその場で即座に利用できるものは非常に少なく、外国人のおもてなしという点で改善すべき状況にあります。無料のWiFi環境の提供により、滞在先でブログ、フェイスブックなどを使って本県の魅力を紹介するといった効果も期待されます。このため本県では山梨県、神奈川県と共同でFujisan Free Wi‐Fiプロジェクトを立ち上げ、WiFiスポットの設置者に機器の設定変更等を要請した結果、県内約百カ所で外国人旅行者が利用できる環境となりました。
 今後、外国人旅行者の大幅な増加が見込まれる中、伊豆半島を含む全県を対象に目標の五百カ所に向けて先進事例やその効果を紹介しつつ、市町や観光団体、民間事業者等に設置を働きかけてまいります。特に外国人観光客が立ち寄る旅館・ホテル、観光案内所、観光施設等で優先的に公衆無線LANが使える環境整備を促し、外国人に優しい観光地づくりに努めてまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 宮城島健康福祉部長。
       (健康福祉部長 宮城島好史君登壇)
○健康福祉部長(宮城島好史君) 動物の殺処分頭数を減らす取り組みの推進についてお答えいたします。
 本県では動物愛護管理推進計画を策定し、動物愛護団体と連携して犬猫の譲渡会の開催や県ホームページにおける迷い犬情報の提供による飼い主探しなどにより、犬猫の殺処分頭数を減らすことに努めております。現在、平成三十五年度までに殺処分頭数を二千五百頭以下にする目標を前倒しで達成するため、犬猫の動物愛護ボランティアの育成や市町における飼い主のいない猫の不妊去勢手術費のボランティアへの助成の働きかけを行うなど計画を着実に推進しているところです。
 また、環境省から発表されました人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクトアクションプランにつきましては、既にTNR活動や動物愛護教室などでかなりの取り組みを本県の推進計画において実施中ですが、自治体をまたぐ広域的な犬猫の譲渡の推進などについては今後詳細が示され次第、国やボランティアと連携して取り組んでまいります。
 今後とも、関係団体やボランティアと連携して動物愛護活動を推進し広く動物愛護思想を根づかせることにより、動物の命が尊重され人と動物が共生できる社会を築いてまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 伊豆縦貫自動車道の大場・函南インターチェンジから仮称函南インターチェンジ間の整備についてお答えいたします。
 伊豆縦貫自動車道は、伊豆半島の南北軸として広域救急医療を支え、災害発生時には緊急輸送路としての役割を担うとともに、観光産業の振興等伊豆地域の発展にも大きく寄与する重要な路線であります。現在、河津下田道路や平成三十年度の開通が公表された天城北道路の整備が国により進められており、東駿河湾環状道路や伊豆中央道、修善寺道路等と接続する信頼性の高い南北軸の早期構築に向け、より一層の整備促進が必要であります。
 一方、大場・函南インターチェンジから仮称函南インターチェンジまでの区間の整備につきましては、熱海市、伊東市など伊豆東海岸から半島中央部へのアクセス性を向上させ、函南町市街地における交通円滑化にも効果を発揮するものと考えられます。県といたしましては、当区間の着工につきまして東駿河湾環状道路開通後の交通状況の推移や、河津下田道路や天城北道路の進捗状況を踏まえながら国と調整を図ってまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 熱海高校の魅力向上の取り組みについてお答えいたします。
 本年度熱海高校では、熱海市や地元の要請に基づき県教育委員会、熱海市、学校及び後援会などで構成いたします懇話会を立ち上げ、魅力的な学校づくりについて関係者と連携し協議することとしております。
 このような状況の中、議員から御紹介がありましたように、さきの熱海市議会六月定例会におきまして、中断していたさくらの名所散策路の整備事業の残り区間についての工事再開が決定されました。県教育委員会といたしましては、このさくらの名所散策路が完成すれば新たな通学路として活用することができ、急峻な坂道を上りおりする負担の軽減や通学時間の短縮、また防災、交通安全面から生徒の通学環境の向上に大きく寄与するものと期待しているところであります。
 議員御提案の散策路から熱海高校に直接つなげるための通路につきましては、民有地内の整備が必要なことや地形的な問題なども踏まえ検討していく必要があると考えております。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 島根警察本部長。
       (警察本部長 島根 悟君登壇)
○警察本部長(島根 悟君) 振り込め詐欺等の特殊詐欺対策についてお答えいたします。
 初めに、預金小切手を活用した特殊詐欺対策、通称預手プランの取り組みについてでありますが、この対策は金融機関の窓口において七十五歳以上の方が三百万円以上の出金を希望された際に預金小切手を勧奨し、応じていただけない場合には警察に通報していただき臨場した警察官が出金目的の確認をして特殊詐欺被害の未然防止を図ろうとするものであります。
 昨年十二月に開始いたしました本制度も、その直接の対象に該当する場合はもとより、今では窓口の方が少しでも不審と感じた段階で警察に通報をいただくほど金融機関職員の意識が向上いたしまして、結果、半年間で五十六件、約一億五千万円の被害を防止できたところであります。
 また、その他の特殊詐欺の予防対策についてでありますが、議員御指摘の同報無線による広報につきましては、同報無線は即時かつ多数の住民に情報伝達ができますことから特定地域に集中してかけられる不審電話に対する注意喚起として極めて有効であり、現在県内ほとんどの警察署で、設置主体である各市町の御協力をいただきまして警戒の広報に努めております。今後も引き続き各市町の一層の御協力を得られるよう連携の強化に努めてまいりたいと考えております。
 このほかにも、高齢者が参加するさまざまな会合において防犯ボランティアの方々と連携した防犯講習や、外出の機会が少ない高齢者の方には巡回連絡や交通指導員と連携した個別訪問指導など高齢者と接触できる機会を利用して直接の面接をしたり、あるいはレターパックで現金送れは詐欺と、こういったわかりやすい情報発信を心がけているところであります。
 しかしながら、いまだ多くの方が被害に遭っている実態でありますので、今後ともあらゆる機会を利用し預手プランの周知を図るとともに、さまざまな防止対策を講じることによりまして一件でも多くの被害を食いとめ県民の皆様の財産を守っていきたいとこのように考えております。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 三十一番 橋本一実君。
       (三十一番 橋本一実君登壇)
○三十一番(橋本一実君) 御答弁ありがとうございました。
 それでは、一点要望と一点再質問をさせていただきます。
 知事から御答弁いただきました地域の実情に応じた雇用対策について要望させていただきたいと思いますが、多分知事は何でそんな古い数字を用いて十二万もという話でですね、この国勢調査をなぜここの今回の本会議の質問で持ち上げたかと言いますと、市町別のデータがこの国勢調査の数字じゃないとないんですね。ということで、この労働力調査の完全失業率については本会議の代表質問等でも知事から何度も御説明がありました。私もそれは重々存じ上げております。
 しかしながら私、昨年一年間産業委員会で勉強させていただいて、この市町の状況をしっかりと分析、認識をしないと雇用の問題点の改善につながらない。こういう認識を強く持ちました。それですので、あえて国がきめ細かな形でやっている国勢調査の数年前の、これはもう五年に一回ですから、国勢調査は。ということで市町別のデータがせっかくあるにもかかわらずそれを活用してないということが、この質問の裏側にあるといいますか、そういう部分での質問をさせていただきました。土屋部長はもうよく御存じだと思っておりますので、ぜひこの市町別の調査、国が多額の税金をかけて国勢調査をするわけですので、ぜひこの活用をしていただいて地域情勢に応じた雇用問題、ぜひ対策を取り組んでいただきたいと思います。
 再質問を一点、教育委員会の関係、教育長に。
 熱海高校の接続道路、現地を見に行っていただいたというふうにお聞きしておりますので、見て、その感想といいますか、接続路が必要か必要でないか、どう感じたかをお答えいただきたいと思います。再質問、答えをよろしくお願いします。
○副議長(伊藤育子君) 安倍教育長。
○教育長(安倍 徹君) 六月の上旬、雨が降っている日にちょっと熱海高校を訪問させていただきましたけれども、必要か必要でないかといいますと私が熱海高校の高校生であれば必要だというふうにも思いますし、やはりあそこでショートカットしていただければ非常にありがたいなという思いはしました。
 ただ、先ほど答弁でも申し上げましたように非常にあそこの道路、急峻な丘陵地になっておりますので、どういう形でショートカット、接続路を設けたらいいのか。さらに民有地でもあるということでどういう形で予算面で担保をしていったらいいのかというようなこともありますので、今後その辺の課題を踏まえて検討していく必要があるのかなというふうに思っているところであります。以上であります。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp