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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成20年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

小野 登志子 議員

質問分類

代表質問

質問日:

09/29/2008

会派名:

自由民主党県議団


質疑・質問事項:

1 県民暮らし満足度日本一の実現に向けた取り組みについて       
 (1) 今後の政策展開                         
 (2) 魅力ある伊豆半島地域への取り組み                
2 行財政問題について                        
 (1) 本県経済の動向                         
 (2) 今後の財政運営                         
 (3) 健全化判断比率                         
 (4) 法人事業税の超過課税                      
 (5) ひとり一改革運動                        
3 原油等の価格高騰に対する県の取り組みについて           
4 富士山静岡空港の開港に向けた取り組みについて           
5 富士山静岡空港を生かした観光対策について             
 (1) 外国人観光客の誘致に関する取り組み               
 (2) 観光地の食の安全確保対策                    
6 静岡県地震防災センターの活用について               
7  「はばたく静岡国文祭」 について                  
 (1) 国民文化祭開催に向けての取り組み                
 (2) 国民文化祭を契機とした文化活動の充実              
8 消費者行政の推進について                     
9 富士山世界文化遺産登録に向けた今後の取り組みについて       
10 水資源の安定確保について                     
11 静岡新産業集積クラスターの推進について              
12 一社一村しずおか運動を契機とした農山村の振興について       
13 高等学校の再編整備計画の進状況と今後の予定について       
14 新東名高速道路の警察体制について



    ○議長 (天野 一君)  質疑及び一般質問を行います。
     通告により、 十八番 小野登志子君。
            (十八番 小野登志子君登壇 拍手)
    ○十八番 (小野登志子君)  おはようございます。 伊豆の国市の小野登志子でございます。
     私は自由民主党を代表して当面する県政の諸課題について、 知事並びに関係部局長、 教育長、 警察本部長にお伺いします。
     質問に先立ち一言ごあいさつを申し上げます。
     ことしは狩野川台風五十年となりました。 犠牲となられた八百五十三名のみたまに謹んで哀悼の誠をささげるとともに、 日ごろ治山治水事業、 防災体制の向上、 災害対策に御尽力いただいている知事初め県職員の皆様、 県議会議員の皆々様に心から感謝の意を表します。
     では、 質問に入ります。
     初めに、 県民暮らし満足度日本一の実現に向けた取り組みについてのうち、 まず今後の政策展開について伺います。
     県政運営の基本指針となる総合計画  二〇一〇年戦略プラン後期五年計画は、 一昨年三月の策定から約二年半が経過し、 現在、 計画期間の中間点にあります。 この計画の策定からこれまで本県は、 少子・高齢化の進行、 国内外との競争の激化、 さらには行政構造の改革が進むなど、 取り巻く環境が大きく変化し、 引き続き厳しい状況の中にありますが、 一方では県内経済の伸張の恩恵を受けながら、 本県発展の基盤づくりを戦略的に進めることができてきたものと考えております。
     先ごろ、 アメリカにおいてサブプライムローンに関連する大手証券会社のリーマン・ブラザーズの経営破綻は、 まさにアメリカの落日を見る思いがいたしますが、 日本の金融機関も支援に入るというもののアメリカの景気は冷え込んでおり、 外需に依存してきた我が国経済も景気の後退が懸念されるなど、 本県や我が国をめぐる経済状況は転換の様相を呈しております。 本県の総合計画に掲げる県民暮らし満足度日本一の実現のためには、 社会経済状況の変化を的確にとらえながら効果的な取り組みを一層進める必要があると考えております。
     知事は先ごろ、 来年度に向けた政策の取り組み方針として、 社会経済全体の生産性向上策と空港活用策の二つの戦略展開テーマを示されたところでありますが、 総合計画の達成に向け今後どのように政策を展開していくのか知事の所見を伺います。
     次に、 魅力ある伊豆半島地域への取り組みについてであります。
     総合計画  後期五年計画の地域計画では、 市町村合併や二つの政令指定市の誕生を踏まえて、 県内を新たに伊豆半島、 東部、 中部、 志太榛原・中東遠、 西部の五つの地域に区分し、 地域ごとの目標像を示して、 県と地域内の連携による地域づくりを推進することとしております。
     伊豆半島地域は過疎化と高齢化が進行し主たる産業の観光は宿泊客等が減少しており、 一人当たり県民所得は他の四地域に比べかなり低くなっております。 県内における地域間格差が生じていると言っても過言ではありません。
     地域計画における伊豆半島地域の目標像は、 「日本を代表する宿泊観光地として、 伝統の中に新しさが光る国際観光地伊豆づくりを進めるとともに、 地域資源を磨き、 生活基盤を整備することにより、 住む人も訪れる人にも快適で魅力ある地域を目指す」 であります。 この目標像に到達するためには、 地域みずからが努力することは当然ですが、 県においても、 観光を初めとする産業づくりへの支援や広域的な交流連携を促す交通情報ネットワークの形成などの施策を展開することが必要と考えます。
     富士山静岡空港の開港は、 伊豆が国際観光地を目指す大きな契機でありますことから、 空港からの誘客促進策や外国人観光客の受け入れ態勢の整備などの観光施策に積極的に取り組まねばなりません。 これ以外にも光ファイバー等の整備や道路網の整備、 将来的には空の交通アクセスとなるコミューター空港の開港など、 今後取り組むべき課題はたくさんあります。 私は、 県内すべての地域においても県民暮らし満足度日本一が実現できるよう、 快適で魅力ある地域づくりにしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。
     そこで、 今後、 地域計画に掲げる魅力ある伊豆半島地域の実現に向けてどのように取り組んでいくのか、 知事の所見を伺います。
     次に、 行財政問題についてのうち、 まず本県経済の動向について伺います。
     政府がこのほど発表した四月から六月期のGDP  国内総生産では、 日本経済を牽引する個人消費や輸出、 さらに民間設備投資、 住宅投資なども前期と比べマイナスとなり、 実質で〇・七%、 年率換算では三・〇%の減少となりました。
     我が国の景気は、 平成十四年一月から七十カ月を超える景気拡大期にありましたが、 景気拡大と言っても、 中央と地方、 大企業と中小企業、 そして正規雇用者と非正規雇用者の間の格差は広がり、 内容は実感の乏しいものでありました。 既に政府の月例経済報告の基調判断も下方修正されており、 景気はいよいよ下降局面に入ったものと見られます。
     そこで、 県としては本県経済の動向をどのように認識しているのか、 また今後の見通しについてどのように考えているのか伺います。
     次に、 今後の財政運営についてであります。
     国、 地方を通ずる財政構造改革の中で、 平成十六年度以降、 地方の一般財源総額は同額に抑制されており、 さらに社会保障関係経費等の義務的経費が増加していることから、 政策的経費に回せる財源は減少し、 県の台所は厳しさを増すばかりであります。
     石川知事が委員長を務めた全国知事会の地方財政の展望と地方消費税特別委員会の中間報告書  通称石川レポートにおいて、 こうした地方財政の厳しい実態をつまびらかにしているところでありますが、 今後も一般財源総額が同額に抑制され続けた場合、 平成二十三年度には財源不足は全国で七・八兆円まで拡大し、 基金残高は枯渇、 地方自治体の財政運営は破綻するというシナリオになっております。
     一方、 開会日の知事提案説明では、 本年度の税収について当初予算額を年間百三十九億円程度下回るとの報告がありました。 普通交付税等の確定に伴い増加した財源や税収の落ち込みを補う減収補てん債の活用により、 本年度の財政運営に大きな支障はないとのことですが、 本県が公表している財政の中期見通しにおいても、 今後約三百億円を超える財源不足が見込まれておりますことから、 景気拡大が後退局面に入ったことに伴い、 来年度以降の税収見通しもさらに厳しくなることが予想される中、 県財政がどうなっていくのか大変憂慮するものであります。
     そこで、 今後の本県財政を展望するに当たり、 どのように財政運営をしていくお考えなのか伺います。
     次に、 健全化判断比率についてであります。
     いわゆる財政健全化法が昨年成立し、 平成十九年度決算から新たに四つの健全化判断比率、 すなわち実質赤字比率、 連結実質赤字比率、 実質公債費比率、 将来負担比率の公表がすべての自治体に義務づけられました。 これは地方自治体の財政破綻を未然に防ぐための策と思われますが、 半世紀ぶりの財政再建制度の大改正であり、 今後は、 この四つの客観的な指標に基づき自治体が自己管理する体制に移ること、 また公営企業、 公社、 第三セクターを含めた連結ベース、 すなわち全会計をトータルで見るということ、 赤字事業をすべてオープンにすることが導入され、 財政の透明性が飛躍的に高まるという点において大いに注目されているところであります。
     そこで、 先ごろ本県も四つの指標を公表いたしましたが、 この数値をどのように受けとめ認識されているのか伺います。
     また、 本県では、 平成十二年度以降、 経常収支比率、 起債制限比率及び県債残高について数値目標を設定して財政健全化に取り組んできたところでありますが、 今回の新たな数値の公表を踏まえ、 本県の三つの数値目標の見直しについてどのようにお考えなのかあわせてお伺いします。
     次に、 法人事業税の超過課税についてであります。
     本県においては、 常々法人二税の好調により財源が安定していると言われてきており、 財政においてはある程度の安心感を持っておりました。 これまで本県では、 資本金等の額が一億円を超える法人や所得が年三千万円を超える法人等に対して、 標準税率の一・〇五倍の法人事業税の超過課税を実施しています。 この法人事業税の超過課税により実施されてきた地震対策事業や高規格幹線道路網の整備は、 県民生活の安全と本県の社会資本の整備に大きな役割を果たしてきたところであります。
     この超過課税も来年三月末をもって期限切れとなりますが、 その後の取り扱いにつきましては、 六月県議会において我が党の代表質問に対し、 引き続き超過課税をお願いする方向で検討しているとお伺いしております。 また知事は記者会見で、 これまで進めてきた高規格幹線道路網の整備には目鼻がつきつつあることから、 超過課税の使い道として道路以外の分野も追加したい旨の発言をされております。
     確かに、 今後の県勢の一層の発展を図るためには超過課税は大変貴重な財源でありますが、 経済情勢が厳しさを増す中、 超過課税の継続に当たっては、 企業を初め関係の皆様方の御理解、 御協力が欠かせませんし、 その使い道についても十分に検討していく必要があると考えます。 知事は、 期限切れが近づいている法人事業税の超過課税をどのように取り扱われるのか、 お考えを伺います。
     次に、 ひとり一改革運動についてであります。
     地方自治体を取り巻く状況は年々厳しさを増す一方で、 住民からはさまざまなサービスの提供を期待され、 これらに的確に対応していかなければなりません。 本県では、 民間企業の手法などを他の地方団体に先駆け、 県独自の工夫を加えて取り入れ、 実効性のある新公共経営として確立し成果を上げています。
     その中でも、 職員一人一人が身近な業務を見直すひとり一改革運動はこれまでに九万件以上の取り組みが行われ、 全国レベルでも高く評価されるような優秀な取り組みも行われているようです。
     例えば、 環境局廃棄物リサイクル室では、 目標の明確化と進管理を徹底し、 ダイオキシン対策のための県所有の使用停止小型焼却炉の撤去事業において、 期間を二年間、 工事費を二億八千七百万円削減することができたということです。 八月には運動自体も先進的な優秀政策として全国知事会から表彰されるなど、 全国からも注目を集める静岡県の行政運営の仕組みとなっていると聞いております。
     このように評価されているひとり一改革運動が本県の行政運営にどのような影響を与え、 効果をもたらしているのかを伺います。 また今後は、 このような運動を継続していただきたいと思いますが、 どのように進めていくのかあわせて伺います。
     次に、 原油等の価格高騰に対する県の取り組みについて伺います。
     原油等の価格の高騰は、 ガソリンを初め食料品や日用品の値上げなど、 一般県民の生活を直撃するとともに、 農林漁業や運輸業などさまざまな業種に大きな影響を与えております。 こうした状況の中で、 国は六月二十六日に原油等高騰に関する緊急対策関係閣僚会議を開催して緊急対策を講じ、 七月二十九日には水産業に対する新規追加支援措置などを含む進捗状況のフォローアップ結果を公表いたしました。
     また、 県におきましても六月三十日と八月六日の二回にわたり経済対策連絡会議を開催し、 中小企業や農林漁業者への金融支援などを盛り込んだ原油等価格の高騰に対する本県の取り組みを取りまとめ、 影響の軽減に努めていると伺っています。
     現在、 国は八月二十九日に取りまとめた安心実現のための緊急総合対策に伴う補正予算の編成に取り組んでいるところであります。
     そこで、 県は原油等の価格高騰による県内経済、 社会への影響に対してどのように取り組んでいるのか伺います。
     次に、 富士山静岡空港の開港に向けた取り組みについて伺います。
     半年後に開港を迎える富士山静岡空港は、 滑走路を初めとする空港基本施設もほぼ完成、 さらに去る十九日には空港の公共交通アクセスも表明されるなど、 開港に向けて着々と準備が整いつつあります。
     六月には、 富士山静岡空港を拠点としたリージョナル航空事業の展開を目指すフジドリームエアラインズが設立され、 来年七月の開業時から小松、 熊本、 鹿児島の計三路線、 一日四往復の就航が表明されました。 さらに開業の次年度以降も近距離国際線も視野に入れ事業を拡大していく考えとのことであります。 原油高の影響などにより航空業界全体が厳しい経営環境に直面する中にありながらも、 「地元静岡の翼として地域社会に貢献したい」 との鈴木與平社長の意気込みに敬服するとともに、 大変ありがたいことであり、 ぜひとも成功していただきたいと思います。 県としても、 この事業展開の促進に積極的にかかわる必要があると考えております。
     さて、 これにより国内、 海外合わせて七都市を結ぶ一日十一往復の路線が決定し、 さらにJALから去る八月二十八日に運航ダイヤを含む運航計画が発表され、 現時点で開港時から定期便の運航が決定しているANA、 アシアナ航空とともに、 すべての運航ダイヤがそろったことになります。 これらの路線において安定した旅客が確保され、 それを弾みとしてさらに開港後の路線の充実拡大につなげていくためには、 これまで以上のPR活動も必要ですが、 県内市町村、 関係団体など一丸となり、 空港を利用しようという機運を高めていく時期に来ていると考えています。
     また、 中国路線については、 定期便の就航に向けて中国政府、 航空会社等に対して就航要請を行っているとお聞きしますが、 開港時から就航するためには開港の三カ月前くらいまでには路線及びダイヤが決定しなければならないと伺っており、 早い段階での路線の具体化が必要ではないでしょうか。
     県は開港を半年後に控えて、 今後の利用促進、 路線確保などどのように取り組んでいく考えか伺います。
     また、 このような中、 一部では空港の制限表面に立ち木が存在するとの報道もあり、 開港への影響は気になるところであります。 そこで今後の見通しをどのように考えているのかあわせて伺います。
     次に、 富士山静岡空港を生かした観光対策についてのうち、 まず外国人観光客の誘致に関する取り組みについて伺います。
     近年、 国のビジット・ジャパン・キャンペーンを初めとする海外誘客事業が功を奏し、 訪日外国人観光客数が増加しておりますが、 本県においても、 富士山静岡空港の開港により定期便で結ばれる韓国を初め、 東アジアからの外国人観光客がこれまで以上に増加することが期待されております。
     ある著名な経済誌に、 「富士山、 ゴルフ、 温泉を武器として開港する富士山静岡空港」 と紹介されておりましたが、 本県にはそればかりでなく、 お茶を初め豊かな海の幸、 山の幸に恵まれ自然を生かしたグリーンツーリズムあり、 伝統工芸や最先端技術などの産業観光、 ファルマバレーを拠点とする健康といやしの観光など、 多様なニーズに対応できる環境にも恵まれています。 それらを生かすためにも、 外国人観光客を受け入れる地域において、 これまで以上におもてなし向上を初めとした受け入れ態勢を整備することを急がねばなりません。
     観光振興の観点だけでなく、 空港の利用促進を図るためにも、 より一層外国人観光客の誘致促進に取り組んでいく必要があると考えておりますが、 県の取り組みについて伺います。
     次に、 観光地の食の安全確保対策についてであります。
     富士山静岡空港の開港により、 外国だけでなく国内からの観光客の増加も期待されます。 県内の観光地において、 宿泊者に快適かつ安心して過ごしていただくには、 何よりも旅館・ホテルで提供される料理や土産物などの食の安全・安心を確保することが行政の取り組みとして重要であると思います。 一方、 本県の平成十九年の食中毒統計資料によりますと、 食中毒が発生した旅館の損害額は、 休業に伴う損害や被害者への見舞金など一施設平均三百六十万円余であったとのことですが、 食中毒発生に伴うイメージダウンなどを考慮しますと、 地域経済へも大きな影響を与えることになると思います。
     そこで県は、 現在、 しずおか食の安全推進のためのアクションプランの目標 「人口十万人当たりの食品を原因とする健康被害の発生者数十人以下」 の達成に向けて各施策に取り組んでいるとのことですが、 富士山静岡空港の開港を踏まえ、 今後、 観光地における食の安全確保対策をどのように強化されるのか伺います。
     次に、 静岡県地震防災センターの活用について伺います。
     私の住んでいる狩野川流域では、 東海地震発生時には震度七で液状化が予測されておりますが、 住民の認識は甚だ低いと言わざるを得ません。 伊豆地方では、 昭和五年、 三島市や伊豆の国市で震度六の烈震を観測し、 死者・行方不明者二百七十二名を出した北伊豆地震が記録にあり、 それを教訓としなければならないのですが、 既に風化しております。 防災訓練は毎年行われているものの、 近年の少子・高齢化の影響もあって参加者数も減少、 防災力の低下も考えられ、 これでいいのかなあと思うこともございます。
     静岡県地震防災センターは、 東海地震に立ち向かうため県民の防災啓発の拠点として平成元年に開館し、 これまで多くの県民、 自主防災組織や事業所の方々などが来館し、 地域や家庭における防災の実践的活動につながってきていると聞いております。 東海地震での犠牲者を少しでも減らすためには、 各家庭や地域、 事業所などでそれぞれが対策に一層真剣に取り組む必要があります。 耐震補強や家具等の固定は犠牲者を減らす最優先の対策ですが、 地域や職場の防災リーダーの養成や情報発信への取り組みこそ充実しなければならぬ課題であると考えます。  
     そこで、 防災の啓発拠点である静岡県地震防災センターを今後どのように活用し、 東海地震に立ち向かっていくお考えであるのか伺います。
     次に、 「はばたく静岡国文祭」 についてのうち、 まず国民文化祭開催に向けての取り組みについて伺います。
      「はばたく静岡国文祭」 では、 県内各地においてはぐくまれてきた伝統や市民のさまざまな創作活動、 文化活動を発表し、 多くの来場者に地域に根差した文化に直接触れ、 芸術の持つ異空間を体験していただきたいと思うと同時に、 それらを支える活動に携わっていただく絶好の機会であると考えます。 にぎわいあふれる大会とするためには、 多くの県民が県内各地で行われる事業にいかに積極的にかかわっていくかにかかっております。 富士山静岡空港が開港されることから、 国内のみならずアジア諸国を中心とした外国人との文化交流も期待されます。
      「はばたく静岡国文祭」 では、 さまざまな人や文化との出会いや交流、 あるいは文化を基盤とする産業、 教育などの分野と連携しながら、 静岡県の魅力を大いに発信しようではありませんか。 開催まで残すところ一年余りとなった現在、 準備はどのような状況なのでしょうか。 県民の関心を高め、 多くの方々に参加いただくために、 県としてどのように取り組んでいかれるのか伺います。
     次に、 国民文化祭を契機とした文化活動の充実についてであります。
      「はばたく静岡国文祭」 は、 二週間余りの開催期間に、 音楽、 絵画や演劇などの芸術分野から能楽、 神楽、 歌舞伎などの伝統芸能、 さらに短歌や川柳などの文芸分野まで非常に幅広い分野にわたる発表会が県内全域で華やかに開催されます。
     計画されている事業内容を見ますと、 例えば富士山をテーマとする演劇 「ビューティフル・フジマヤ」、 我が伊豆の国市では、 幕末の代官江川太郎左衛門をテーマに演劇や創作オペラ、 合唱がその完成度を競い合います。 沼津市から伊豆地域にかけての北条早雲をしのぶイベントは、 伊豆市土肥で水軍料理のおもてなしがあります。 音楽の町浜松のジャズフェスティバル、 お茶をテーマとした大茶会の開催、 サツマイモ伝来の地である御前崎市のさつまいもフェスティバルなど、 県内の市や町が中心となって、 それぞれの特色を生かし趣向を凝らした文化の祭典が予定されております。 文化活動が地域に根づくことによって、 人々がその地域に誇りを持ち、 真の豊かさがはぐくまれていきます。 しかしそれには長い時間が必要です。 したがって国民文化祭を一過性のイベントに終わらせてはならないと思います。
     そこで、 国民文化祭の開催を契機として、 本県の文化活動の一層の充実を図るため、 どのように取り組んでいかれるのか所見を伺います。
     次に、 消費者行政の推進について伺います。
     近年、 消費者が巻き込まれる被害や事故が相次いで発生しております。 ガス湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故、 外国語会話教室の中途解約を求めるトラブル、 最近ではウナギやブランド牛の偽装表示、 そしてお米  農薬やカビで汚染された米が食品として出回っていたとは、 さらにはメラミン入り水増しミルクなどが相次いで発覚、 消費者の安全・安心な暮らしが脅かされております。 中国製冷凍ギョーザ事件では、 被害の発生から厚生労働省が事態を把握するまでに約一カ月を要したことや、 カラーコンタクトレンズによる眼球への被害など法整備が進んでいない事案などで、 消費者行政の体制や対応に問題があると考えられる事例が数多く起こっております。
     そこで本県では、 消費者行政の強化を図るため、 今議会において消費生活条例に消費者基本計画を規定する改正案が上程されております。
     国の消費者行政推進基本計画においては、 市町村の消費生活センターは消費者に最も身近な最前線の一元的な消費者相談窓口として機能させるとなっておりますが、 住民にとって最も身近な行政機関である市役所や町役場において、 消費生活相談や消費者トラブル解決の体制に大きな差があるのではないかと危惧しております。
     そこで、 策定を予定している本県の基本計画の目的や内容はどのようなものか、 また相談体制が整備されていない市や町に対し、 県としても働きかけていくべきと考えますが、 所見を伺います。
     次に、 富士山世界文化遺産登録に向けた今後の取り組みについて伺います。
     私は、 この七月に世界文化遺産である奈良、 三重、 和歌山の三県にまたがる 「紀伊山地の霊場と参詣道」 を視察しました。 大峰本宮天河大辨財天社の柿坂神酒之祐宮司  この方はNGO活動で世界じゅうを飛び回っておられる方ですが  この宮司さんと富士山について語り合う機会を得ました。 宮司さんからは、 「大峰の弥山に登ると富士山が見えるんですよ。 富士山は霊場として日本人の信仰の中心をなすもの、 富士山の世界文化遺産登録は静岡県民の願いだけでなく、 日本人共通の願い、 全日本レベルで取り組まなければならない」 と、 世界遺産への登録に向け、 叱咤ともとれる強い励ましの言葉をいただきました。 私は、 改めて日本人の精神のよりどころともなっている富士山の世界文化遺産登録を早期に実現しなければならないと意を強くしたところであります。
     しかし、 七月にカナダのケベックシティーで開催された第三十二回世界遺産委員会において、 日本政府が推薦していた 「平泉―浄土思想を基調とする文化的景観」 の審議が行われ、 記載延期との決議がなされるなど、 最近ユネスコでは、 世界遺産を適切に管理可能な規模とするため、 新規の登録遺産数を抑制する施策がとられており、 世界遺産委員会での審議が年々厳しくなっていると聞いております。
     こうしたことから、 富士山が世界文化遺産として登録されるためには、 世界遺産委員会のメンバーや国際記念物遺跡会議  イコモス関係者らに、 実際、 富士山本体や構成資産候補を見てもらい、 富士山のすばらしい自然や文化遺産としての価値を知ってもらう必要があると考えます。  
     そこで、 今回の平泉の記載延期を受け、 富士山の世界文化遺産への早期登録を目指しどのように進めていかれるのか、 また世界遺産登録への幅広い機運の盛り上げを図るために、 どのように取り組んでいかれるのか伺います。
     次に、 水資源の安定確保について伺います。
     私の所属する県議会新エネルギー利活用促進特別委員会では、 このたび沖縄に視察に行ってまいりました。 国との連携事業である廃棄サトウキビを利用した宮古島バイオエタノールプロジェクトの実態調査に行ったわけですが、 島一面のサトウキビ畑を目の当たりにし、 このサトウキビ畑を潤す水は一体どうなっているのか疑問に思ったところ、 宮古島は島全体が隆起サンゴ礁で、 透水性の高い琉球石灰岩の地下に止水壁で貯水ダムを建設し水源開発を実施しているとのこと。 自然を生かした対策と技術に 「エコはこれでなくては」 と思うと同時に、 改めて水の問題を考えさせられました。
     現在、 地球上に存在する水の約九七・五%が海水、 淡水は約二・五%しかなく、 そのうち人間が使いやすい水として存在している河川や湖、 沼等の水はわずか〇・〇一%にすぎないとのこと、 さらにその七割は農業かんがいの水であると推計されており、 世界の水問題は食料問題に直結しています。 日本の食料自給率が現在約四割であることを考え合わせると、 水問題に取り組む必要があるのではないかと思いました。
     輸入農産物を国内だけで生産したと仮定したときに、 本来必要となる水の量を仮想水  バーチャルウオーターと言いますが、 この仮想水として日本は世界の水を年間で六百四十億トン、 毎日一人当たりとして千四百六十リットルも輸入している状況にあるそうです。 最近、 本県でも天竜川水系や大井川水系において取水制限を実施したことは記憶に新しいところであります。
     このような状況の中にあって、 今後ますます水資源の安定確保が重要な課題であると考えますが、 県はこの問題にどのように取り組んでいくのか伺います。
     次に、 静岡新産業集積クラスターの推進について伺います。
     本県経済を取り巻く状況は、 企業における競争の激化や労働力不足、 あるいは消費の減少への対応などといった新たな社会的、 経済的課題が生じており、 これらに対応する企業を県は支援していくことが必要であると考えます。 その解決策としては、 産学官が連携協働して技術革新を行い、 競争力のある新製品の開発や新たな産業の創出などに結びつけていくことが重要であると考えます。
     県東部地域においては、 県立静岡がんセンターの開設を契機として、 医療健康関連産業の振興を図るファルマバレープロジェクトを進めており、 本年度、 我が国でもトップクラスの香料会社高砂香料工業や世界的な製薬会社であるアストラゼネカとも共同研究に取り組んでいくことが報じられています。
     また、 中部地域のフーズ・サイエンスヒルズプロジェクトでは、 七月に県立大や静岡大学と地域の食品関連企業が連携するためのセミナーが開かれたと聞いております。 さらに西部地域のフォトンバレープロジェクトでは、 ドイツとの交流が予定されているなど、 三つのプロジェクトは力強く進展していると感じていますが、 県は、 今後、 静岡新産業集積クラスターをどのように推進していくのか伺います。
     次に、 一社一村しずおか運動を契機とした農山村の振興について伺います。
     先日、 私は韓国を訪問し、 静岡県が推進している一社一村しずおか運動のモデルとなった農村愛一社一村運動の実施状況を見てまいりました。
     韓国で二〇〇四年から展開されているこの運動は、 企業が農業、 農村のパートナーとなり、 一方的な支援でない相互に発展する継続的な関係を構築するもので、 都市と農村の格差を少しでも是正し、 新たな地域の価値を生み出す農山村振興の先駆的な取り組みであると感じたところであります。
     訪問先は、 かつて夜逃げの村、 若者のいない村、 韓国一貧しい村と言われたブレミ村。 農村愛一社一村運動・ブレミ村理事長の高京必女史の案内で、 ソウルから車で二時間半、 着いたところは稲穂の垂れる豊かな水田が広がり、 その周りをナシ、 桃、 リンゴ、 そして広いブドウ畑が取り囲んでいる、 それはそれは立派な農村でありました。
     今では戸数三十戸、 人口七十人の村に年間三万人以上の農業体験観光客が訪れるようになったということですが、 この取り組みの成功した理由としては、 都会出身の女性教師がリーダーとなって住民の意識改革を図り、 女性の視点を持って指導に当たったこと、 大手の企業と組んだこと、 光ファイバーなどを積極的に取り入れ情報伝達の徹底を図ったことなどが挙げられますが、 根底に農業を大切に思う農村愛あってのものと深く感じ入りました。
     県内の農山村でも過疎化や高齢化が進み、 住民だけでは立ち行かない地域が存在しつつあり、 こうした地域には行政を初め多様な人々の協働の力が必要であると感じています。 本県一社一村しずおか運動の取り組みは、 リーダーの養成とともに農山村地域の道路が整備されれば、 すばらしい効果が上げられるものと期待します。
     そこで、 取り組み開始から既に三年目を迎え、 七集落において十の企業等と協働活動が行われているという一社一村しずおか運動の成果がどのように農山村振興に生かされてきたか、 また今後どのように農山村振興全体に生かしていくか伺います。
     次に、 高等学校の再編整備計画の進捗状況と今後の予定について伺います。
     本県の中学校卒業者数は、 平成元年三月の約六万三千人をピークに、 平成二十年三月には約三万六千人と、 ピーク時の六割以下に減少、 県立高校の規模は次第に小さくなり一年生の平均学級数は六以下と聞いています。 このような状況の中、 将来の静岡県を支える人材を育てるために、 高校で学ぶ生徒の教育環境の一層の改善、 充実を図ることは大変重要なことと思います。
     県教育委員会では、 平成十二年二月に示した静岡県立高等学校長期計画に基づいて、 平成十八年度の浜松大平台高校に続き、 本年度下田高校、 科学技術高校、 三島長陵高校の三校を開校、 それぞれの学校が新しい歴史をスタートさせました。 さらに来年度は遠江総合高校、 その翌年には大仁高校と修善寺工業高校の再編整備によって設置される中伊豆地区新構想高校と、 それぞれの開校に向けた準備も順調に進められていると聞いております。
     今後は、 県教育委員会が平成十七年三月に策定した静岡県立高等学校第二次長期計画に基づき、 志太榛原地区、 天竜地区及び引佐地区、 さらには昨年度末に県と静岡市が策定した共同具体構想に基づいた清水庵原地区と静岡地区について、 新構想高校の開校に向けた準備が進められていくと思います。
     そこで、 それぞれの地域において説明会の状況や現在の再編整備の進捗状況について伺います。 またこれらの再編整備計画を具体的に推進するに当たって、 今後のスケジュールや進め方について教育長の所見を伺います。
     最後に、 新東名高速道路の警察体制について伺います。
     去る七月二十三日、 私が所属する文教警察委員会では、 県警高速道路交通警察隊と新東名高速道路の建設現場を視察しました。 東名高速道路は半分以上の約百八十五キロが静岡県内を走っており、 高速道路交通警察隊  通称高速隊がこの長大なエリアを管轄し、 隊長以下百八人の体制で静岡に直轄隊、 沼津と浜松に分駐隊を配置し、 年間約四万件の交通指導取り締まり、 約二千四百件の人身交通事故処理、 さらにはパトロールや刑事事件などの初動対応などを担当し、 一部は広域緊急援助隊員にも指定されて大規模災害の際には全国に派遣されているとの説明をいただきました。
     引き続いて視察した新東名高速道路は、 平成二十四年の県内開通を目指し、 急ピッチで建設が進んでおりました。 県内には約百六十四キロが通じることとなり、 設計速度は時速百四十キロのこの道路の安全を担う警察にとっては、 いろいろと課題が多いのではないかと思いました。
     単純に考えても業務量が二倍となり、 距離的にも現場に到着するのに時間がかかり過ぎます。 例えば、 新たに新東名の高速隊を設置するということとなると、 その必要人員及び活動拠点、 パトカー等をどのように確保するのか、 県警の大きな課題を見せつけられた意義ある視察でございました。
     日本の大動脈を守る高速隊のその活動に対して心から敬意と謝意をあらわすと同時に、 この新東名高速道路をめぐる課題について検討段階に入るべきと思われますが、 現時点で新東名高速道路の警察体制についてどのようなお考えなのか警察本部長にお伺いしまして、 私の代表質問を終わりにいたします。
     御清聴まことにありがとうございました。 (拍手)
    ○議長 (天野 一君)  石川知事。
    (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  小野議員にお答えをいたします。
     初めに、 県民暮らし満足度日本一の実現に向けた取り組みについてのうち、 今後の施策展開についてであります。
     人口が減少し、 国内外との競争の激化や世界経済からの影響が強まっていく中で、 県民暮らし満足度日本一を実現していくためには、 社会経済情勢の変化に適時的確に対処を図りながら、 静岡県の社会経済全体の生産性向上に取り組んで本県経済の足腰を強め、 活力を向上させながら、 豊かさや安心を実感できる社会を構築していくことが何より重要であると考えておるわけであります。
     このために、 来年度に向けた戦略的政策展開の取り組みとして、 社会経済全体の生産性向上策と富士山静岡空港の開港効果の最大化を目指す空港活用策を私の方針として各部局に提示し、 その具体的な施策、 取り組み等を検討するよう指示しているところであります。
     今日、 世界的な資源の高騰、 あるいは地球全体の環境の保全というテーマを考えますと、 これまで我が国が実現をしてまいりました省資源・省エネルギーの技術、 これは大変すばらしいものがあると思いますけれども、 さらにこの実現は今日的な課題にもなっているわけであります。
     そういう意味で、 生産性の向上の中の一つの要素である効率性の追求、 これも大変今日的な意味を持ってもおりますし、 これを徹底して一層追求する必要があると。 加えて、 それのみならず生産性向上のもう一つの要素である、 より高い価値を生み出す、 より高い価値を付加するという意味での生産性向上、 これも本県の社会経済全般にわたって展開していかなければなりません。 これはこれからの時代の先をいろいろ見通した場合に、 効率性の追求にあわせて追求すべき大きな課題であると思います。 こういう観点から、 来年度の予算編成や組織定数に反映できるようないろんな施策が組み立てられたらと考えて、 各部局に指示をしたところでございます。
     一方、 現在、 総合計画審議会では専門部会を設置していただきまして、 社会経済環境の現状や展望に関する分析と課題を洗い出していただいております。 これらの作業結果をまた踏まえて、 今後五年間ぐらいの期間にわたってどういう取り組みをすべきか、 これらもまたまとめていければと願っておるところでございます。 それらを土台にして着実な政策展開をしていきたいと、 こう考えているところであります。
     次に、 魅力ある伊豆半島地域への取り組みであります。
     伊豆半島地域は、 首都圏に近接し、 富士箱根伊豆国立公園の自然環境や卓越した景観、 温泉など世界に通用する観光資源に恵まれていると、 私はずっと感じておりましたが、 先ごろこれを裏づけるような感覚を持っている人の話を伺って、 意を強くした次第であります。 要するにひとりよがりで思っているんではなくて、 そういう感覚を持って、 今後、 伊豆半島全体の観光に取り組むべきではないかと、 そういう考えを持っている有力な観光関係の業界の方が言っておられると。
     その方の視点は、 これまで伊豆半島はとかくそれぞれの個別の旅館・ホテルとか、 あるいは個別の地域、 このところへお客をいかに取り込んで閉じ込めちゃうかと言わんばかりの要するにサービス展開が主流だったように見えるけども、 これからは伊豆半島全体で、 世界じゅうにはいろんな希望とか期待を持っている人たちがいると、 そうするとそれぞれの期待、 希望に応じた、 そのような魅力ある場所とか資源をそれぞれ連携して提供すると。 伊豆を一巡してもらうような一種のネットワーク化ですね、 それぞれの需要  ニーズに応じた資源がいっぱいあるので、 それらをネットワーク化する。 そのことによって、 例えば熱海に泊まった人が、 次はこちらへ行ったら、 その人の望むような非常に特殊な希望、 ニーズにこたえられるものがありますよということを情報提供していくと。 そのまた逆もあると、 こういうネットワーク化が非常に重要であるということを言っておられる。 それさえ確立すれば、 伊豆半島は世界に通用するワールドクラスのすばらしい資源がある。 それを生かしていくかがこれからの課題だということを言っておられた。 これは、 かねて私が感じておったことと全く軌を一にする考えで、 意を強くした次第であります。 いかにこれからそのような方向へ持っていくかが決め手ではないかと。 ましてや来年三月以降、 富士山静岡空港の開港によって、 海外からのお客を静岡県に引き入れる可能性がますます拡大してるわけでありますので、 そういう視点を持って、 潜在能力を生かすということに努力をしていく必要があると思います。
     その中で、 県としては何をするかということが問題になると思うんですけども、 これまでにも取り組んでまいりました伊豆半島のインフラの整備、 伊豆縦貫自動車道を筆頭にする交通基盤の整備、 これは急がれてるわけであります。 またそれを基盤にしながら、 富士山静岡空港と伊豆地域を結ぶ多様な交通アクセスの実現、 これも関係者と調整、 連携しながら実現をしていく考えでありますし、 また地域産業の発展や新たな産業に必要な基盤である光ファイバー網の整備、 これへも力を注いでいく考えであります。
     そういう社会基盤の上に立って、 伊豆半島地域の市町村と連携を図って、 その魅力の顕在化、 これに積極的に取り組んでいく考えであります。 そういう意味では、 伊豆半島六市六町の首長会議  伊豆サミットというのが設けられておりますので、 そういう場の活用もしながら市町村と連携し、 そして観光関係者と連携して、 この伊豆半島の魅力を活用した地域振興に取り組んでいく考えであります。
     次に、 行財政問題についてのうち、 まず本県経済の動向についてであります。
     我が国経済は、 政府の九月の月例経済報告によりますと、 個人消費はおおむね横ばいで、 輸出や雇用情勢は弱含み、 企業収益は減少していることなどから、 景気はこのところ弱含んでいるとされております。
     先行きについてでありますが、 当面弱い動きが続くと見られますが、 アメリカにおける金融不安の高まりや株式・為替市場の変動などから、 景気がさらに下振れするリスクが存在することに留意する必要があるとされております。
     本県経済でありますけれども、 雇用情勢を見ますと、 有効求人倍率が一倍台でありますけれども、 この一倍台が徐々にずっと一に近づいてると、 そういう意味で楽観を許さない傾向をたどっておりますし、 個人消費は弱めであるとか、 あるいは設備投資も横ばい、 輸出は減少しているということなどから、 景気は弱めの動きとなっているものと認識をしております。
     今後の見通しでありますけれども、 原油価格は一時の高騰の勢いはおさまってきておりますけれども、 依然高どまり状態でありますし、 さらに政府の月例経済報告においても、 本県の主な輸出先であるアメリカやユーロ圏等での景気は弱含んでいるとされておりますことから、 本県経済にとって厳しい状況にあると認識しております。 今後とも本県経済の動向について十分注視をし、 判断を間違えないようにしていきたいと考えております。
     次に、 今後の財政運営についてであります。
     平成十六年度以降、 地方の一般財源総額は同水準に抑制されまして、 こうした前提による財政の中期見通しでは、 来年度の財源不足額が三百五十九億円に上るなど、 厳しい財政運営を余儀なくされております。
     また、 来年度の県税収入は、 景気減速等を背景とした企業収益の急激な悪化に伴って、 今年度以上に厳しい水準となることが予想されます。 したがって財源不足額がさらに拡大するという心配もあります。 今後もより一層の歳出のスリム化や歳入の確保等の行財政改革に積極的に取り組んで、 引き続き健全財政の枠組みを堅持をしていく考えでありますけれども、 一方で、 こうした努力が限界に近づきつつあるということも率直に感ずるわけであります。
     そのため、 国において安定した経済成長を達成するための施策の実施を強く求めるとともに、 地方自治体が住民にとって必要な行政サービス水準を維持するための財源を確保できるように、 年末の税制改正大綱や地方財政対策の策定に向けて、 全国知事会を初めとする地方六団体と連携し国等に対し積極的に働きかけてまいります。
     次に、 財政の健全化判断比率についてであります。
     本県の平成十九年度決算に基づく総務省が示します四つの健全化判断比率指標のうち、 実質赤字比率及び連結実質赤字比率については、 収支が黒字でありますので、 当然のことながら該当する数値は立ちません。 要するに赤字ではありませんので、 その心配は全然今はないと。
     一方、 実質公債費比率は一一・六%、 将来負担比率は二四七・三%であります。 これをどういうふうに受けとめたらいいかということでありますが、 今月二十三日現在で公表されている全国の三十八の都道府県の中では、 この実質公債費比率は低いほうから八番目にあります。 また将来負担比率は同じく低いほうから二十五番目となっております。 こういうことから見ても、 本県の数値はいずれも早期健全化基準内で財政の健全性は確保されていると認識をしております。
     今後、 全国数値との比較分析を行いながら、 引き続き財政の健全性を維持するように努めてまいります。
     また、 本県独自に財政健全化の指標としてこれまで用いてまいりました三つの指標でありますが、 すなわち経常収支比率は九〇%以下、 起債制限比率は一五%台に抑制、 県債残高は二兆円程度を上限と、 こういう健全化指針につきましては、 これまで本県の健全財政の維持に有効に機能してきたものと考えます。
     今回、 国から新たに全会計ベースでの視点を取り入れた健全化判断基準四指標が提示されたわけでありますので、 今後はこれらの国の四指標も考慮し、 本県がこれまで取り組んでまいりました三基準も捨てがたいものもありますので、 これらをいろいろ比較検討しながら、 例年二月に公表しております財政の中期見通し、 この中でどういうふうにこの指標を活用するか、 しっかりお示しをしたいと考えております。
     次に、 法人事業税の超過課税についてであります。
     法人事業税の超過課税は、 昭和五十四年度から今日まで大変貴重な財源として活用し、 県勢の発展に大きく寄与してきたというふうに思います。 御負担いただいております企業を初め関係の皆様の御理解、 御協力に改めて感謝を申し上げる次第であります。
     来年四月以降の超過課税の取り扱いでありますが、 これまで県議会や企業、 経済団体の皆さんに対し、 引き続き実施したいという方向でお願いをしてまいりました。 何とか御理解をいただけるんじゃないかという感触をつかんでおりますが、 これからさらにこれを詰めていく必要があります。
     今までの接触の過程でいただいた御意見を踏まえますと、 過去五年間その論拠としてまいりました高規格幹線道路網の整備、 これについてはまだ事業も残っておりますので、 これに充てることについての抵抗といいますか反対はないように感じられますが、 加えてこれらの事業については少しずつ事業が完了してまいりますので、 その代替というかその隙間として、 今後、 産業競争力の強化に資するような事業も強力に展開すべきだと。
     例えばどういうことかというと、 高等学校段階の産業教育について、 もっともっと力を入れるべきところがあるじゃないかと、 実は産業教育審議会からもそのような答申もいただいておりますし、 そういう分野は、 今まで以上に力を入れるとなると、 先ほど来申し上げました財政の現状を考えますと、 超過課税財源を充てるという方向で考えてもいいじゃないかとか、 あるいはさらにもっとその根底に、 本県を初め我が国の今日の教育の現状の中で理工系の人材の輩出というのが非常に今、 心配される状態になっております。
     それを克服するためにも、 理数系の教育、 特に小学校段階で理科にもっと興味を持たせる、 そういうことの必要性が指摘をされておりますので、 例えばそういう部分の教育の充実なども回り回って産業競争力の強化にもつながると、 こういう考え方も出ておりますので、 そういう意味も含めた広い意味の人づくりも含めた産業競争力の強化として機能の充実、 もう一つの本県の大きなテーマであります都市的機能の充実など、 こういう面も視野に入れて、 この超過課税を考えてもいいじゃないかというような方向性も見えてまいりましたので、 それらを整理して、 きっちり関係方面の理解、 納得を獲得した上で、 できますれば次の議会  十二月の県議会に条例改正をお諮りしてまいりたいと考えております。
     次に、 ひとり一改革運動についてであります。
    ひとり一改革運動は、 過去三年続けてその件数が一万二千件を超えまして、 同期間の事務経費の節減額だけでも累計で百四億円に上るなど、 県の職場に定着してきております。 百四億円節減したといっても全然感じられないじゃないかと、 こういう声も出ないわけじゃないんですけれども、 実はこういう節減をしたおかげで一般財源総額が固定的な状態になって、 その中で社会保障関係費がどんどんどんどん累増してくと、 これを財政の健全性を損なわないでしのいできたその背景、 根底にこういうことがあるということでありますので、 これも御理解をいただきたいと思うのであります。
     小野議員の御紹介をいただきましたように、 本県のこのような取り組みは全国的にも高い評価をいただきつつあるところであります。
     また一方で、 私自身これをずっと推進していて実感いたしますのは、 改革改善がもたらす経費と時間の節減とか県民サービスの向上、 こういう成果も、 これは県民の皆様に還元されるものでありますけれども、 さらに、 何というか心強く感ずるのは、 県の職員の仕事に対する達成感にこれがつながって、 この改革の継続推進の動機づけになっていると、 達成感を味わえると。 それがまたさらに次の改革に取り組もうという動機づけにもなりつつあるという、 私はそういう感じを強くするわけであります。
     そうでなければ、 三年も続けてこんな一万二千件も上がってくるはずがないわけであります。 私もそれほど暴君的な強圧的なのがないのが  ちょっと自分自身ももっとあってもいいかなと思うぐらいでありますことを考えると、 自然発生的にこういうものが出てくるということが、 これは非常に私はすごい強みだというふうに思うわけです。
     したがって、 いま少しこういう面で職員の意識の浸透を図って組織の体質化をすると、 こういうとこまで行きたいなと思っているわけで、 実はこういう改革改善運動を組織の体質化したところ、 そういう民間企業において体質化したんじゃないかと思われるところほど、 ずっと好業績を上げているわけですね。 一時的に何か社長とか役員の強烈な個性で何かをワーッと命じてある方向へ行った場合、 一時的にその成果は上がっても、 その役員が交代したらもとのもくあみとか途端に悪くなるというケースは一方でよく見受けられます。 他方、 コンスタントにずっと業績を上げている会社も日本の社会を見るとたくさんあるわけです。 そういうところはなぜそうなっているかというと、 結局、 常に改革改善の視点を従業員全員が忘れないで取り組んでいると、 体質化していると、 そういうことを感ずるわけであります。
     今まで行政の分野でそのようなことを達成したところは皆無と、 実は私はいろんなところを見ていて感ずるわけでありますけれども、 そのような中でぜひ静岡県は一番最初にそういう体質化できたというところになりたいと、 こう考えておるわけでありまして、 それが一言で言うと、 行政の生産性向上を目指した本県の新公共経営のねらいでもあるわけであります。
     また一方で、 社会経済全体の生産性の向上の大きなテーマとして取り組む際に、 実は、 本県で達成しつつあるようなこういうやり方の導入と成果、 これを県内の市町村や、 できたらまだあまりそういうことが徹底していないような県内の中小零細の企業の分野にもお知らせをして、 ぜひ導入してもらったらいいんじゃないかと考えて、 そのような活動も始めたところでございます。 そういう意味での役立ちもあれば幸いだと思う次第であります。
     次に、 原油等の価格高騰に対する県の取り組みについてであります。
     原油価格の高騰は、 食料、 飼料、 原材料等の価格高騰と相まって、 本県の社会、 経済にさまざまな影響を及ぼしております。 このため静岡県では、 六月二十六日の国の緊急対策発表後、 直ちに経済対策連絡会議を開催して、 ガソリンや日常生活物資の価格調査、 金融機関に対する中小企業向け資金供給の円滑化の要請、 下請適正取引ガイドラインの周知などに取り組むことを決定し行動に移してきております。
    また、 七月二十九日に国が緊急対策の進捗状況を公表したことを踏まえて、 八月六日に本年度第二回目の経済対策連絡会議を開催し、 中小企業の相談体制の充実、 農業分野におけるコスト削減策の推進、 国の燃油高騰水産業緊急対策による対応など追加の取り組みを決定するとともに、 このうち新たな予算措置を必要とする経済変動対策貸し付けの融資枠や融資限度額の拡大などについて、 本議会に補正予算案をお諮りしているところであります。
     県といたしましては、 引き続き原油価格等の状況や県内経済や県民生活への影響を注意深く見守るとともに、 国の補正予算の動向について詳細な情報収集に努めて、 全庁連携のもとに適時適切な対応が図られるよう努めてまいります。
     次に、 富士山静岡空港の開港に向けた取り組みについてであります。
     これまで運航計画が公表された七路線十一便の安定的な旅客の確保はもとより、 さらに路線・便数を拡充して利便性の高い空港を実現するためには、 県内の各界各層が一体となって航空需要を喚起していくことが重要であると考えます。 このため就航先との間にビジネス往来がある県内企業約六百五十社に対する訪問活動等を行って利用を働きかけるとともに、 富士山静岡空港就航促進協議会に県内の市町等で構成される研究会を設けて、 県民一丸となった利活用促進への具体的な取り組みに努めております。
     路線の確保でありますが、 株式会社フジドリームエアラインズがより一層の路線・便数の拡充を目指しており、 県といたしましても、 富士山静岡空港を拠点とするリージョナル航空事業の展開を支援してまいりたいと考えております。
     中国路線ですが、 現在、 中国東方航空、 中国南方航空などと具体的な路線・便数について協議を続けております。 早期の定期便就航表明の実現を目指しておるところであります。 感触は悪くありません。
     台湾路線についてでありますが、 七月末に私みずから台湾の航空会社等を訪問して就航要請を行ってまいりました。 また先日、 マンダリン航空の王会長が来静して再度私と会談をした際には、 開港時からのチャーター便就航の意思を示していただきました。 今後とも航空会社への就航支援策も効果的に活用し、 路線誘致に全力で取り組んでまいります。
     次に、 今後の開港の見通しでありますが、 空港の整備工事については、 滑走路、 誘導路及び航空灯火などの基本施設に係る工事は完成いたしましたが、 整地工事に若干のおくれが生じております。
     また、 空港西側周囲部の一部地域に制限表面を超える物件が存在しております。 現在、 その所有者に対し当該物件の除去をお願いしているところであります。 さらに並行して、 仮に当該物件の除去をしていただけない場合においてはどうなるかということでありますが、 さまざまな角度から航空機運航上の安全性を確保するための対応策についていろいろ検討しておるところであります。 今後、 速やかに対応策を決定した上で、 必要に応じて所要の措置を講ずるとともに、 完成検査申請等の手続を進めていって、 開港に支障が生じないよう全力で取り組んでまいります。
     次に、 「はばたく静岡国文祭」 についてのうち、 国民文化祭を契機とした文化活動の充実についてであります。
     個性ある文化が育ち、 地域の誇りとなっていくためには、 そこに住む人々が文化を愛し支えていくことにより、 長い時間をかけて文化活動を継続、 充実させていくことが重要であります。 このため 「はばたく静岡国文祭」 では、 多くの県民の皆様が地域の文化に触れ、 そのすばらしさを再発見するとともに、 ボランティアとして積極的に参加することによって、 文化を 「みる」、 「つくる」 だけでなく、 「ささえる」 人を育てる機会としていくこととしております。
     また、 国民文化祭開催の翌年の平成二十二年には県芸術祭が第五十回の節目を迎えることになります。 これまでの実績に加えて国民文化祭で活発化した活動の成果を最大限に生かすことによって、 より多くの県民の皆様が参加する魅力あふれる芸術祭としてまいりたいと考えております。 またさらに、 この二十二年には、 生涯スポーツや生涯学習の振興とレクリエーション運動の活性化を目的に、 全国からの参加者と交流を図る場である第六十四回全国レクリエーション大会の開催も予定されております。
     県といたしましては、 これらの機会を通じて文化活動のすそ野を広げ交流を活発化することによって、 県民の文化活動の一層の充実を図ってまいる考えであります。
     経済が調子悪くなってくると、 とかくこの種の文化に向けるいろんな支出についてはまず真っ先に節約の対象になるとか、 あるいはそんなことは無駄ではないかという意見が出がちでありますけれども、 実は文化を通じて培われる美的な感性とか美意識が、 これは文化を一層洗練させて、 我々の生活内容を豊かにしてくれるばかりか、 今日ではこれが産業力になると、 産業の要するにインフラであるという認識も一方で出てきております。
     認識を裏づけるような現象も出てきておるわけでありまして、 県がなぜ文化行政に取り組むかというと、 文化そのものが人々の生活を豊かにする、 この面では成熟化した今日の日本の社会では、 それぞれの県民、 国民が自分のかい性でやるべきことでありますから、 県がそこに何らかの支援をするということは、 逆にある一定の方向づけをしかねないということで、 私は抑制的にすべきだと思うのでありますが、 文化の持つ今の産業との結びつき、 そういうことを考えると、 これはある意味では戦略的に取り組む価値のある分野ではないかと思いますし、 またそういう力を高める上で広く県民の文化活動が盛んになるようないろんな条件整備、 環境整備、 これは県行政として大いにやるべきことだと。 したがって芸術祭とか国民文化祭とか、 そういう意味では大変意義あることだというふうに思って取り組むこととしたわけでございます。 御支援、 御理解をいただきたいと思います。
     その他の御質問につきましては関係部局長、 教育長から御答弁を申し上げます。
    ○議長 (天野 一君)  杉山産業部長。
    (産業部長 杉山栄一君登壇)
    ○産業部長 (杉山栄一君)  富士山静岡空港を生かした観光対策についてのうち、 外国人観光客の誘致に関する取り組みについてお答えいたします。
     富士山静岡空港の開港により、 東アジアを中心に海外からの観光客が大幅に増加することが見込まれますが、 こうした海外からの観光客に十分満足していただくためには、 地域での受け入れ態勢の整備が大変重要であると考えております。
     このため、 本年七月、 観光局に東アジアの観光事情に精通した方を観光顧問として配置し、 県内各地域での講演活動や研修会などを通じ、 外国人観光客の誘致や受け入れ態勢の整備等について具体的な指導、 助言をいただいているところであります。
     さらに、 外国人観光客に快適に滞在していただくためには、 観光施設や宿泊施設がおもてなしの心を持って接することが何よりも肝要でありますことから、 現在、 お客様への対応の手助けとなる館内表示の様式例や対応事例を盛り込んだDVDとさまざまな接客場面で活用できる指さし会話ブックをセットにした静岡おもてなしツールを作成中であり、 十月中旬には県内の関係者に配布するとともに、 その活用を働きかけてまいります。
     また、 外国人観光客の誘致を促進するため、 東アジアを中心に海外でのプロモーション活動や招聘事業を通じた静岡県への旅行商品造成の働きかけを初め、 国際コンベンションや訪日教育旅行の誘致を積極的に行っております。 本年七月に台湾で開催した本県への訪日教育旅行セミナーにおいて、 青少年の相互交流の促進を一層進めるための協力について話し合いがなされたところであり、 また来年三月には、 日本と台湾の観光関係のトップが一堂に会する二〇〇九日台観光サミットが本県で開催されることが決定いたしました。
     今後とも市町村や観光関係者と連携しておもてなし満足度日本一の観光地づくりを進めるとともに、 外国人観光客の誘致に積極的に取り組んでまいります。
     次に、 静岡新産業集積クラスターの推進についてであります。
     県内の三つの産業集積プロジェクトにおいては、 都市エリア産学官連携促進事業など国の大型研究開発助成金などを活用しながら、 産学官が連携し研究開発を進めているところであります。 その結果、 本年三月末現在では、 全体で特許出願件数三百九十四件、 製品化等に結びついたものが二十一件など多くの成果を上げてきておりますが、 今後は、 これまで以上にこれらの成果を活用して新商品の開発や新たな事業展開に結びつけていくことが重要であると考えております。
     このため県では、 研究成果発表会などにより研究成果の地元企業への普及に取り組むとともに、 新商品の開発を行う企業に対し資金面から支援するため、 本年度、 しずおか産業創造機構と共同で新たな助成制度を設け、 去る八月、 三件の採択事業を決定したところであります。 また新商品の開発や新たな産業集積を進めるためには、 県内はもとより国内外のクラスターとの連携を強化することも重要でありますことから、 首都圏での国際イベントに三つのクラスターが共同して出展するのを初め、 海外との交流にも積極的に取り組んでおります。
     今後とも、 企業、 関係市町村、 大学等研究機関、 しずおか産業創造機構やテクノポリス推進機構などのクラスター推進機関との連携を強化し、 健康・医療、 食品、 光・電子技術産業等の集積を目指す静岡新産業集積クラスターの一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
    ○議長 (天野 一君)  大須賀厚生部長。
            (厚生部長 大須賀淑郎君登壇)
    ○厚生部長 (大須賀淑郎君)  富士山静岡空港を生かした観光対策についてのうち、 観光地の食の安全確保対策についてお答えいたします。
     来年三月の富士山静岡空港の開港により国内外からの観光客がさらに増加することが見込まれるため、 伊豆半島を初めとした観光地のホテル・旅館の食中毒防止対策をより一層充実させる必要があると認識しております。
     現在は、 地域ごとの計画的な監視指導や衛生講習会を実施しておりますが、 来年度からは、 政令市とも協働し、 夏の観光シーズン前の六月を観光地食品衛生推進月間と定め、 全県の食品衛生監視専門班を観光地に投入し集中的な監視指導を行うこととしております。
     今後とも、 アクションプランの目標達成に向け、 食品関係団体と連携して食中毒防止を初めとした食の安全確保対策を強化してまいります。
    ○議長 (天野 一君)  藤原総務部長。
            (総務部長 藤原通孝君登壇)
    ○総務部長 (藤原通孝君)  静岡県地震防災センターの活用についてお答えいたします。
     静岡県地震防災センターは、 平成元年の開設以来八十万人余の方に御利用いただくなど、 県民への防災啓発の拠点として重要な役割を果たしてまいりました。 本年度末には二十年を経過することから、 現在、 同センターの今後のあり方について改めて検討を進めているところであります。
     検討に当たりましては、 少子・高齢社会の到来やいわゆる限界集落の出現などにより、 地域の防災力の低下や地域間格差が拡大する傾向にあることから、 この地震防災センターの今後の役割につきましても、 これまでの展示、 体験を中心とした啓発に加えて、 県内各地域において防災の担い手となる人材育成機関としての機能を強化すべきであるという基本方向に立っております。 こうしたことから団塊の世代や女性、 外国人など幅広い方々を対象にした研修プログラムの設置や、 地震防災センターを拠点とした県内の各大学等と防災に関する連携を図る仕組みづくりなどについて検討を進めておりまして、 こうした人材育成や防災関係者と研究者の交流、 防災情報の発信力の強化などに取り組むことにより、 この地震防災センターの拠点性を一層高めてまいりたいと考えているところであります。
    ○議長 (天野 一君)  稲津県民部長。
            (県民部長 稲津成孝君登壇)
    ○県民部長 (稲津成孝君)   「はばたく静岡国文祭」 についてのうち、 国民文化祭開催に向けての取り組みについてお答えいたします。
     大会開催に向けた準備の状況についてでありますが、 国の国民文化祭実行委員会との協議が整いましたことから、 現在、 開会式、 閉会式を初め、 九十五の県や市町村の主催事業につきまして具体的な運営計画を策定するとともに、 県内外に向けての出演団体の募集や応募作品の審査員の人選、 大会周知のためのPRなどを市町村や関係団体と連携しながら進めているところであります。
     また、 大会をより身近に感じ多くの県民の方々に参加していただくため、 公式ポスターを初めテーマソングの歌詞や歌唱者を公募するとともに、 静岡ならではの事業として、 県民が主体的に企画実施する創造支援工房しずおかの募集を行っているところであります。
     さらに、 国民文化祭の円滑な運営にはボランティアの積極的な参画が不可欠でありますことから、 これまでの大規模イベント等で活躍したボランティアの方々を初め、 県民の幅広い世代に参加を呼びかけてまいりたいと考えております。
     今後とも、 本番開催までの準備過程も広い意味での文化活動ととらえ、 さまざまな分野の関係団体や企業、 個人との連携を図り、 多くの県民が文化を創造し享受できる国民文化祭の実現に取り組んでまいります。
     次に、 消費者行政の推進についてであります。
     今議会にお諮りしております改正静岡県消費生活条例に基づく消費者基本計画は、 県民が安全・安心な消費生活を実現できるよう、 本県の消費者施策を総合的かつ計画的に推進するために策定しようとするものであります。
     計画の内容につきましては、 体制の整備や消費者被害の未然防止、 安全で安心な商品・サービスの確保、 自立した消費者の育成など、 県の消費者施策の展開の方向や具体的な施策について、 今後、 消費者団体を初め、 広く県民の皆様の御意見を伺いながら定めてまいりたいと考えております。
     市町村の相談体制についてでありますが、 現在、 消費生活センターが設置されている市が十五市ある一方、 専門の消費生活相談員が配置されていない市町村は十五市町となっております。 市町村は住民にとって最も身近な相談窓口として極めて重要でありますことから、 今後は、 国における消費者庁等の制度改正の動きを注視しながら、 県と市町村の役割分担を明確にし、 未設置市町村に対しまして、 消費生活センターの単独または共同での設置を働きかけてまいりたいと考えております。
     次に、 富士山世界文化遺産登録に向けた今後の取り組みについてであります。
     今回、 カナダで開催された第三十二回世界遺産委員会で記載延期となった平泉は、 ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議  イコモスの事前審査の段階で、 顕著な普遍的価値の証明や類似資産との比較研究が不十分であるとの指摘を受けておりました。 このため富士山につきましては、 構成資産候補と富士山の普遍的価値との整合性等をより掘り下げて研究するとともに、 中国や韓国における信仰の山とされる武夷山、 南山などの現地調査をもとに、 富士山が唯一無二の存在であることの比較研究を行うなど、 顕著な普遍的価値の証明に万全を期し、 早期登録を目指してまいります。
     あわせて、 本年十一月に開催する国際シンポジウムにユネスコ関係者等の海外専門家を招聘し、 構成資産候補の視察や意見交換などを通じて、 富士山についての理解を深めていただくこととしております。
     また、 早期登録に向けて、 従来から実施しております地元説明会やニュースレターの発行等に加え、 首都圏での出前講座の開催や来年三月に開港する富士山静岡空港を活用した広報など、 富士山の魅力を広く伝えるさまざなま取り組みを通じて、 県民を初め国内外の多くの皆様の理解の醸成と機運の盛り上げを図ってまいります。
     次に、 水資源の安定確保についてであります。
     本県は年間降水量が全国平均の約一・四倍であることに加え、 広大な森林や豊富な地下水にも恵まれ水資源は比較的豊かではありますが、 大井川水系や天竜川水系を初めとした県内の一部地域では、 渇水や塩水化現象などが発生しております。 このため、 これらの水系ごとに県を事務局として利水者などで組織する水利調整協議会を設置し、 早目早目の適切な水利調整を図るとともに、 地下水の利用につきましても、 静岡県地下水の採取に関する条例に基づき採取量の適正化などに努めているところであります。
     また、 地球温暖化に起因する水資源への影響が懸念されていることから、 今年度、 その影響予測調査の実施と水資源の保全の方向性を検討するとともに、 富士山地域においては、 地下水の涵養対策のための調査に着手したところであります。
     今後、 これらの調査検討を踏まえ、 水資源の持続可能な利用体系を総合的にマネジメントする静岡県水利用総合指針の改定を進めるとともに、 引き続き節水や水の有効利用などを啓発し、 一層の水資源の安定確保を図ってまいります。
    ○議長 (天野 一君)  衛門建設部長。
            (建設部長 衛門久明君登壇)
    ○建設部長 (衛門久明君)  一社一村しずおか運動を契機とした農山村振興についてお答えいたします。
     これまで本運動に認定した活動は、 農山村集落と企業、 大学との協働により、 棚田や里山の保全活動、 遊休農地の解消のほか棚田米を使用したしょうちゅうなど農産物を利用した新商品の開発や販売等を行うものであります。 これらの活動の結果、 若い人との交流により集落ににぎわいと活気が戻ったほか、 参加企業の社員の中には訪れた集落を個人的に訪問するなど、 新たな交流の動きが生まれております。
     これまでの取り組みにおいては、 企業や都市住民等が農山村に対し労働を提供するものが多い中、 これに加え、 創知協働の理念に基づき、 農山村固有の景観や農作物などを生かした多彩で魅力ある農山村振興の取り組みに発展させていく必要があると考えております。
     このため県といたしましては、 都市との交流を促進する農道等の整備とあわせて地域リーダーの育成や農山村の資源を生かした企画開発などの提案を行うアドバイザーの確保、 さらには多様な人々の参画による継続性のある取り組みへの支援などにより、 新たな価値を生み出す視点を持つ自立した農山村の振興に努めてまいります。
    ○議長 (天野 一君)  遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長 (遠藤亮平君)  答弁に先立ちまして、 おわびの言葉を申し述べさせていただきます。
     このたび、 調査書の改ざんにかかわって虚偽有印公文書作成の罪で起訴されていた前天竜林業高等学校長が加重収賄の容疑で再逮捕されました。 本来、 公正公平な立場で行われるべき学校の教育活動において、 このような事態を起こしたことは、 生徒、 保護者及び県民の皆様の公教育に対する信頼を著しく損なうものであり改めて心よりおわび申し上げます。 申しわけありませんでした。
     今後、 県教育委員会といたしましては、 学校に対して調査書の作成、 管理方法などについて厳正に指導するとともに、 綱紀の粛正に努め、 公教育の信頼の回復に向け全力を尽くしてまいります。
     高等学校の再編整備計画の進捗状況と今後の予定についてお答えいたします。
     再編整備計画のうち、 遠江総合高校につきましては、 人文、 農業、 工業などのほか福祉に関する学習ができる系列を置く総合学科高校として、 来年度の開校に向け校舎を建築中であり、 また中伊豆地区新構想高校につきましては、 現在校名の募集を行うとともに、 本県では初めて総合学科と工業科を併置し、 地域の特色を生かした新しいタイプの高校として、 平成二十二年度の開校を目途に準備を進めております。 清水庵原地区及び静岡地区につきましては、 静岡市との連携協働のもと準備検討組織を地区ごとに設置し、 学科やその教育内容の検討を進めているところであります。
     また、 平成二十七年度までを目途に策定した第二次長期計画において、 新たにお示しした三地区につきましては、 関係者の御理解と御協力をいただくため、 各地区においてPTA、 同窓会、 後援会などの代表者に対する説明会を開催し御意見を伺っているところであります。
     出席者からは、 「子供たちが切磋琢磨して成長するためには一定の学校規模が必要である」 とか、 「将来の子供たちのために魅力ある学校をつくってほしい」 という御意見がある一方、 再編整備の必要性や設置場所等についてさまざまな要望も出されております。 関係者の学校を思う気持ちにつきましては大変ありがたく感謝しておりますが、 再編整備は次代を担う若者が学ぶ高校をよりよい教育環境に整えていくという視点に立っての計画でありますので、 今後とも御理解が得られるよう進めてまいります。
     なお、 再編整備計画の今後の進め方につきましては、 学校の施設整備に要する期間や生徒数の推移等を踏まえたとき、 できるだけ早い時期に開校年度及び設置場所等を決定する必要があると考えております。
    ○議長 (天野 一君)  原田警察本部長。
           (警察本部長 原田宗宏君登壇)
    ○警察本部長 (原田宗宏君)  新東名高速道路の警察体制についてお答えいたします。
     新東名高速道路は、 平成二十四年度中には県内全線が供用される予定で、 その県内延長距離は約百六十四キロメートル、 現在の東名高速道路の延長距離と合わせますと総延長約三百五十キロメートルになると認識しております。
     高速道路に関しましては、 国家公安委員会規則等により高速道路交通警察隊の設置基準などが定められているほか、 おおむね五十キロメートルごとに分駐隊を置くこと、 おおむね三十分間隔の密度でパトロールできる体制であること、 事故、 事件発生の際には速やかに現場へ到達して、 必要な初動措置や捜査及び処理活動を行うことができる体制を整備することなどが求められております。
     現在、 東名高速道路を管轄する高速道路交通警察隊は、 警察官百六人、 一般職員二人の合計百八人体制となっております。 新東名高速道路が供用された場合、 今後、 新たな分駐隊を拠点に、 二十四時間体制でパトロール、 交通指導取り締まり、 事故処理といった警察活動を行う必要があり、 そのための警察官の配置を初め、 車両や装備資機材の整備もまた必要となります。
     その場合、 延長距離が長いため、 新たに配置させるべき警察官は相当数に及ぶものと考えられます。 警察といたしましては、 ここに配置させるべき警察官の措置を含めた人的基盤の整備を、 新東名高速道路供用に伴う治安対策の最重要課題として位置づけ、 国などに対して継続的に要望しているところでありますが、 国から要員が示されない場合、 これらすべての対策につきまして、 現在条例で定められている警察官を再配置して措置していかざるを得ないのであります。 しかしながら再配置というのは現下の治安情勢上非常に厳しいものと考えております。
     いずれにしても県警では、 新東名高速道路の供用に伴う治安対策等、 警察運営上の諸問題に対応するため、 総合的な対策検討委員会を設置し、 新東名供用時に的確な警察活動が行えるよう準備を進めている段階にあります。 治安に間隙が生じないよう努めてまいりますので、 よろしく御指導、 御支援をお願いいたします。
    ○議長 (天野 一君)  これで小野登志子君の質問は終わりました。
     議事の都合により休憩します。

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