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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

沢田 智文 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/20/2022

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 しずおか遺産による歴史資源の価値向上に向けた取組について
2 県内産業の成長を担う人材の確保について
3 人・農地プランの法定化について
4 県立ふじのくに中学校の教育提供体制について
5 研修管理システムの活用による人材育成について
6 新たな手法を活用した子供の安全確保に向けた取組について


○議長(藪田宏行君) 次に、二十六番 沢田智文君。
       (二十六番 沢田智文君登壇 拍手)
○二十六番(沢田智文君) 私は、ふじのくに県民クラブ所属議員として通告に従い県政の諸課題につきまして知事、副知事及び関係部局長並びに教育長、教育部長、警察本部長に一括質問方式にて質問いたします。
 最初に、しずおか遺産による歴史資源の価値向上に向けた取組について伺います。
 本県には歴史的に価値のある遺産が数多く存在しています。全国的に見てもその遺産の数は多く現在八百件を超える国・県指定文化財があります。また本県には世界に誇る富士山、韮山反射炉の二つの世界遺産があり日本遺産にも二つ登録されています。一つは三島市と函南町、神奈川県小田原市、箱根町にまたがるストーリーとして「旅人たちの足跡残る悠久の石畳道―箱根八里で辿る遥かな江戸の旅路」、もう一つは「日本初「旅ブーム」を起こした弥次さん喜多さん、駿州の旅〜滑稽本と浮世絵が描く東海道旅のガイドブック(道中記)〜」です。
 この日本遺産は、地域に点在する有形無形の文化財をパッケージ化し認定する仕組みとして創設され、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックまでに百件程度にまで増やすとしていたものです。現在百四件の文化財群が認定されています。
 文化財を活用することで地域活性化が図られ、さらには次世代を担う子供たちが地域の文化財に誇りを持ち後世へとつなげていくことができるようになれば日本遺産の価値もさらに向上すると思われます。県内の日本遺産に登録された文化財群が紹介されたパンフレット等を見ると、子供たちが地域に愛着を持ち自分が住んでいる地域に誇りを持つことができる学習に生かせるものばかりでした。自分が住んでいる地域の文化財や歴史について、他市町、他県、他国で一つでもよいので自慢してもらいたいと願っております。
 そのような中、県では静岡県の歴史・文化を物語るものをしずおか遺産として認定する制度を立ち上げ令和七年度までに十件程度の認定を目指すとしています。歴史的に価値の高い遺産が多い本県にとってしずおか遺産に興味関心を示す市町が多いのではないでしょうか。しかしこのしずおか遺産への登録を目指す市町にとっては、どのような効果が期待されるのか将来への展望がどのようなものになるのかという点を示すべきであると考えます。
 そこで、しずおか遺産による歴史資源の価値向上に向けた取組について、県の見解を伺います。
 次に、県内産業の成長を担う人材の確保について伺います。
 本県の有効求人倍率は平成三十年度に一・六八倍に達した後減少に転じ直近では一・二倍前後で推移していますが、生産年齢人口の減少下において人材確保は中長期的な課題となっています。昨年度の新卒採用計画は五五・四%の企業で達成し五年ぶりに五割を超えました。また企業の人材不足感は平成二十八年度の七五・〇%から令和三年度六一・〇%と減少しました。
 こうした中、県では平成三十年度から令和三年度までを計画期間とする静岡県産業人材確保・育成プランについて数値目標に対しての評価を実施しました。県内産業の成長を担う人材の確保の柱においては、静岡U・Iターン就職サポートセンターへの新規登録者数やプロフェッショナル人材戦略拠点を通じて県内企業に就職したプロ人材数では目標値を超え成果を収めています。
 また、高度な知識と技術を持つ人づくりの柱では成長産業分野に係る訓練受講企業が高い満足度を示す結果となりました。この産業人材確保・育成プランの評価は平成二十九年に設定された目標値に対してのものとなっていますが、目標値を設定したのはコロナウイルス感染拡大以前のものであるということを考慮すると、県が行ってきた人材確保・育成については一定の効果があったと評価いたします。
 このように、静岡県産業人材確保・育成プランにおいて成果が出ている取組がある一方、県内出身大学生のUターン就職率など一層の取組が必要とされたものも見られました。
 そこで県では、産業人材確保・育成プランの評価や社会情勢の変化を踏まえて県内産業の成長を担う人材の確保における課題をどのように分析し今後の人材確保につなげていくのか伺います。
 次に、人・農地プランの法定化について伺います。
 我が国において高齢化、人口減少が本格化する中で、農業者の減少や耕作放棄地の拡大がさらに加速し地域の農地が適切に利用されなくなるという懸念があります。令和四年五月二十日参議院本会議において農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案が可決成立しました。この法律は、生産の効率化やスマート農業の展開等を通じた農業の成長産業化に向け、地域において農地が利用されやすくなるよう目指すべき将来の具体的な利用の姿などを描き、分散錯圃の状況を解消して農地の集約化等を進めるとともに人の確保・育成を図る措置を講じることが必要であるという考えを背景としています。
 市町においては、地域における農業の将来の在り方等について協議の場を設け協議の結果を踏まえ農用地の効率的かつ総合的な利用を図るため地域計画を策定するとしています。地域計画では農業を担う者ごとに利用する農用地等を定め地図に表示するとしています。確かに農地の分散錯圃の状況を解消して集約化が進めば、生産の効率化や機械化の導入等が進み農業者にとっては利点があることは分かります。しかしながら自分の耕作地に愛着を持ち農地集約化という問題に直面していない農業者にとっては今まで耕作していた農地を手放すことに抵抗がある方もいます。また市町によっても状況が違いますし市町の中でも地区によって課題意識の違いがあります。そのような状況の中で一律的な計画策定では今後に大きな課題が生じるものではないでしょうか。
 地図の素案は農業委員会が市町の求めを受けて作成するとしていますが、農業者の意向等の情報を勘案して農地バンク、JA、土地改良区等の関係者の協力を得ながら市町の地域事情を踏まえた計画を策定していただきたいというふうに思います。地域計画は施行期日から二年を経過する日までの間に策定しなければならず、市町に残されている時間は厳しいものとなっています。
 そこで、人・農地プランの法定化に向け県の今後の取組について伺います。
 次に、県立ふじのくに中学校の教育提供体制について伺います。
 県教育委員会は、令和五年四月に開校予定の県立ふじのくに中学校の募集要項を公表し磐田市、三島市においてそれぞれ一回目の入学希望者説明会を実施しました。二回目の説明会が今月末に予定されています。
 ふじのくに中学校は県内初の夜間中学であり、様々な理由により義務教育を修了できなかった方、不登校等の理由により実質的に十分な教育を受けられないまま学校の配慮等により中学校を形式的に卒業した方、日本や母国等で九年間の普通教育を修了せずに学齢を超過してしまった外国籍の方を対象とする学校です。
 平成二十九年に義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律いわゆる教育機会確保法に基づく基本方針が策定され、全都道府県に少なくとも一つの夜間中学が設置されるよう推進すると定められ、県教育委員会はこれまで慎重な議論を重ね平成三十年度と令和二年度にニーズ調査も行い夜間中学開校に向け準備を進めてきました。
 令和二年度に行ったニーズ調査では、県内在住の義務教育未修了者または中学校の形式的卒業者という入学資格を満たす希望者は九十人でした。出身国を見ると日本のほか、ブラジル、フィリピン、ペルー、中国、ベトナム、ボリビア、アルゼンチン、コロンビアと多国籍化しており、入学希望理由においては「日本語を勉強するため」が一位、続いて「働くため」「中学校の勉強をするため」「日本の高校に入学するため」という結果でした。
 ここで懸念されるのは入学希望者のニーズに合った教育を提供する体制が整うのかということです。ニーズ調査の結果から見ると入学希望者が多国籍化することや、日常生活や就職のための日本語習得を希望する方が大半を占めることが予想されます。静岡式三十五人学級で実施するとしていますが、全ての方のニーズに合う教育を提供することはかなり難しいのではないかと考えます。面接の際にニーズやレベルに応じた適切な学びの場を紹介することも必要ではないでしょうか。また入学希望者が県内の広域に在住しているとの理由により県立の夜間中学を設置するとしていますが磐田市と三島市のみでは事情を抱える入学希望者にとって通学に負担を感じ、一歩を踏み出そうとしている気持ちに応える教育環境とは言えないのかもしれません。
 そこで、県立ふじのくに中学校に入学を希望される方のニーズに合った教育の場をどのように提供するのか、また県内広域にわたる入学希望者へ今後どのように対応していくのか、県教育委員会の見解を伺います。
 次に、研修管理システムの活用による人材育成について伺います。
 令和四年五月十一日参議院本会議において提出していた教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案が可決、成立しました。法律案は、校長及び教員の資質向上のための施策をより合理的かつ効果的に実施するため、公立の小学校等の校長及び教員の任命権者等による研修等に関する記録の作成並びに資質の向上に関する指導及び助言等に関する規定を整備し普通免許状及び特別免許状の更新制を発展的に解消するものです。
 グローバル化や情報化の進展により教育をめぐる状況の変化も速度を増しています。このような中で教員も高度な専門職として、新たな知識、技能の修得に継続的に取り組んでいく必要が高まっています。またオンライン研修の拡大や研修の体系化の進展など教員の研修を取り巻く環境も大きく変化してきています。今後本改正を踏まえ文部科学省は、個々の学校現場や教師のニーズに即した新たな研修システムを整備するとともに、教員の資質向上に関する指針の改定やそれに基づくガイドラインを新たに策定する予定となっています。
 県教育委員会は、教員一人一人が自己の研修履歴を確認し教員育成指標等を参照しながら自律的、主体的に研修を受講したり、管理職が所管する教員の研修履歴状況を把握して研修選択の助言を行ったりすることなどを通して教員の資質向上や人材育成を図るため研修履歴システムの活用を進めていると伺っています。
 県教育委員会が作成した令和四年度静岡県教員研修計画には実施予定の研修が一覧で示され研修対象やキャリアステージ、研修を通して向上が期待される資質能力、開催時期や会場などがまとめられていて教員本人が研修計画を立てる上で大変分かりやすいものとなっています。現在この教員研修計画と研修管理システムが連動されており、教員の研修に係る事務作業の時間削減につながっています。しかし教員は自発的な研修も行っていますし県教育委員会が作成した研修計画に記載されていない研修にも参加しています。それらの研修も研修管理システムに記録されたほうが人材育成を図るための活用につながるのではないかと考えます。
 そこで、本県における研修管理システムを活用してどのように人材育成を進めていくのかについて伺います。
 最後に、新たな手法を活用した子供の安全確保に向けた取組について伺います。
 先月末、掛川市のホームページの問合せフォームに下校中の女子児童に危害を加えると予告するメールが届きました。掛川市は迅速に掛川署に通報したほか小学生の保護者にメールの一斉送信、登下校の見守り強化を行いました。事件は起こりませんでしたが同様なメールが他県でも届き子供の登下校の安全・安心を確保する取組の強化を改めて感じました。
 このような中、浜松市中区にある萩丘小学校児童の登下校の安全・安心確保のため地元警察と小学校、常葉大学が連携し、スマートフォンアプリを活用して通学路を点検し防犯マップを作成するプロジェクトに県内で初めて取り組むとの報道がありました。これまでも防犯マップの作成は行われてきましたが、完成後のアップデートや幅広い情報共有という点に多少課題がありました。この課題が、アプリ上で作成されることで不審者情報等を随時更新するなどの柔軟で迅速な対応が期待されます。
 声掛け事案等の子供を対象とした不審者事案等は毎年県全体で約千五百件前後認知され、小学生だけでなく中高生もその対象となっています。現在自治体等が行っている不審者情報に関する情報発信は登録者へのメール配信による文章のみでの発信となっているケースが大半で、例えば地名を知らないと発生した場所がイメージしにくい等の難点があります。
 また、市町単位での情報に限定されている配信もあり、こうした場合には市町をまたいで通学している高校生やその御家族にとっては使い勝手の悪いものとなっています。こうした現状を踏まえ不審者情報の発信などについても、浜松市の小学校の例のように新たな手法を取り入れて子供たちの安全確保に向けた取組をより効果的にしていくことが必要と考えます。
 そこで、新たな手法を活用した子供の安全確保に向けた取組について伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(藪田宏行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 沢田議員にお答えいたします。
 しずおか遺産による歴史資源の価値向上に向けた取組についてであります。
 本県には、議員の地元磐田市の遠江国分寺跡あるいは旧見付学校をはじめ貴重な文化財が多数存在しておりますが、近年過疎化や少子高齢化による担い手不足の影響から将来への保存、継承が課題となっておりまして、地域の皆様が地元の文化財の存在や価値を正しく認識し郷土愛を持って守っていこうという機運を高めることが重要となっております。
 しずおか遺産認定制度は多くの皆様に地元の文化財や歴史を知っていただくため、地域に点在する文化財を相互の関係や歴史の流れを踏まえて地域全体のストーリーとしてつなぐことにより分かりやすく見える化するものでございます。市町と連携して地域に眠る貴重な歴史資源を発掘し内容を充実することで、今後国の日本遺産の登録が拡大される際には有力な候補として提案できると考えております。また郷土の歴史・文化を物語化することで小学生、中学生など地域の将来を担う子供たちにとって身近な文化財の価値を知り郷土愛を育むきっかけになるものと考えております。さらに言いますれば観光資源として活用することで多くの皆様がサポーターとして文化財の保存、継承に参画していただく契機にもなることが期待されます。
 今後、市町に応募を呼びかけてまいります。重要なのは認定審査委員であります。認定審査委員には日本遺産の審査に関わった文化資源の専門家などしずおか遺産認定にふさわしい有識者にお願いいたしまして、審査に加え内容の充実への御助言も賜れるような方を選んでまいりたいと考えております。
 認定後は、しずおか遺産を解説する親しみやすい動画を作成し共通ロゴマークをつくりましてそのロゴマークの下で一体的に紹介するとともに、地域の観光施設などと連携し県内外にも情報発信するなど様々な機会や媒体を通じて周知を図る考えであります。
 また、静岡県文化財保存活用サポートセンターにおきまして複数市町が一体となったストーリーづくりや文化財に関する研修会等の開催、観光事業者との連携など様々な面から市町の保存、活用に向けた取組を支援してまいります。
 県といたしましては、しずおか遺産認定制度を通じ誰もが文化財に親しむ機運を醸成し、地域の文化財が貴重な地域資源として確実に未来に守り伝えられていくよう市町と連携して取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○議長(藪田宏行君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) 県内産業の成長を担う人材の確保についてお答えいたします。
 コロナ禍以前に県内企業で深刻化した人手不足に対応するため平成三十年度から取り組んだ静岡県産業人材確保・育成プランにつきましては、数値目標と掲げた十八項目のうち約七割の項目で目標を達成し一定の成果を上げることができたものと考えております。特にプロフェッショナル人材戦略拠点を活用し首都圏等に居住する経験豊かで即戦力となるような高度人材と県内中小企業をつなぐ取組につきましては全国トップクラスの実績を上げており、こうした積み重ねが県内への移住者の増加、特に二十代から四十代の世代の増加にもつながっていることから引き続き推進してまいります。
 一方で、県内出身大学生のUターン就職率に対する課題に加え、プランの取組期間中に新型コロナの影響で我が国の社会情勢が大きく変化し人々のライフスタイルの多様化やデジタル化の急速な進展への対応などが新たな課題として顕在化してまいりました。
 このような状況の中、県では経済団体や業界団体など関係の皆様から御意見を伺いこれらの課題を踏まえた対策を静岡県雇用・人材対策として本年三月に取りまとめたところであります。
 具体的には、近年事実上早期化している就職活動に対応するため大学生低学年を対象とした県内企業への興味や関心を喚起する取組を新たに開始するなどUターン就職率の向上を図ってまいります。また人々のライフスタイルの多様化に対応した職場環境づくりに向けてテレワークや副業、兼業など企業における新しい働き方の導入を促進するとともに、デジタル化の進展に対応するため県立工科短期大学校におけるデジタル化関連分野の在職者訓練の強化などに取り組むこととしております。
 県といたしましては、中長期的な視点から高度な技術・技能や加速度的に変化する社会への適応力を持った人材を確保していくため産業界、労働界、教育界など幅広い分野の関係者とも連携を図りながら、新たに取りまとめた静岡県雇用・人材対策を着実に実施してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) 人・農地プランの法定化についてお答えいたします。
 農業者の高齢化や減少が深刻化する中、地域農業の担い手を確保し農地の集積を加速するため農業経営基盤強化促進法が改正され、地域が目指す農地利用の将来像を描いた地域計画を市町が策定することとなりました。この計画は本県農業が持続的に発展していく上で大変重要な役割を担っておりますが、担い手の不足や土地への権利意識など個々の農業者は様々な考えをお持ちで地域によっても異なります。この点に十分留意しながら関係者間で将来に向けた課題を共有し意見を集約化した上で計画づくりを進めていく必要があります。
 このため、県では全ての市町、農業委員会と現場の実情を把握するための意見交換を行ったところであります。引き続き計画の意義や必要性、具体的な策定方法などについて丁寧に説明し、計画への理解が県内の隅々まで浸透するよう取り組んでまいります。また市町ごとに設定するモデル地区をケーススタディーとして農業振興公社やJAなど関係機関と連携しながら地域の課題解決に向けた英知を結集し今後の手本となる計画づくりを支援してまいります。さらにモデル地区の計画や策定過程での地域の様々な工夫等を全県で共有し、横展開することにより各地域の実情に応じた計画づくりが速やかに進むよう取り組んでまいります。
 県といたしましては、こうした取組により期限である令和六年度末までに県内各市町が着実に計画を策定できるよう支援してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 県立ふじのくに中学校の教育提供体制についてお答えいたします。
 夜間中学の設置は、私が重要視するダイバーシティー  多様性とインクルージョン  社会的包摂を象徴する取組であります。また人口規模が大きく東西に長い本県が県立で設置することは大変挑戦的な取組で全国から大いに注目されております。
 県教育委員会では、教育機会確保法の理念や昨年度私が委員長を務めた設置検討のための有識者会議での議論等を踏まえ、県立夜間中学校の設置目的を学齢期を超えた方が義務教育を学ぶ場としております。夜間中学の入学者は小中学校の学習内容の習得状況や日本語能力などの個人差が大きいと予測されますことから、それぞれの状況に応じた最適な学びを提供してまいります。
 現在、生徒の学習状況や日本語能力に応じた授業コースの設定、チームティーチングによる授業実施、一人一台端末を用いた個別学習や翻訳ソフトの活用などについて検討しております。入学者決定後においては、個々のニーズや状況をしっかりと確認した上でより具体的な体制を整えてまいります。
 一方、議員御指摘のとおり日本語習得のみを目的に入学を希望する方なども想定されることから、一人一人丁寧に状況を確認し自治体や民間団体が行う日本語教室等希望に合った学びの場につないでまいります。さらに日本語教室やひきこもりの方を支援する団体等に夜間中学の目的を伝えて入学希望者の紹介を依頼するなど互いの役割を踏まえて連携を深めてまいります。また県立ふじのくに中学校は来年四月に磐田本校と三島教室の二教場で開校いたしますが、開校後も入学希望者や入学者の状況等を基に政令市も交えて新たな場所への設置の要否や設置形態などの検討を継続してまいります。
 県教育委員会といたしましては、関係機関と連携し学びたいと思う誰もが十分に学べる場を得られるよう努めるとともに、一人一人が学ぶ喜びを実感できる学校づくりを進めて本人の未来を切り開き地域の発展に寄与する多様な人材を育成してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 水口教育部長。
○教育部長(水口秀樹君) 研修管理システムの活用による人材育成についてお答えいたします。
 本県における教員の研修は、キャリアステージに応じた教員の目指すべき姿を示した静岡県教員育成指標及びそれを踏まえた研修計画に基づき実施されており、申込みや受講の承認、受講した履歴の記録、管理を研修管理システムで一体的に運用しております。
 五月に教員公務員特例法が改正され来年四月には研修履歴の記録等が義務化されることを契機とし、教員のキャリア形成を後押しし研修履歴を効果的、効率的に管理、活用できるよう既存システムの見直しを行い研修の実効性を高めてまいります。
 今後、市町教育長や校種ごとの校長の代表、教員養成課程を有する大学の代表者等で組織される静岡県教員育成協議会において、議員から御指摘頂いた現在の研修管理システムの外にあり多くの教員が意欲的に参加している様々な研修の取扱いについて記録する対象範囲や内容等の検討を行ってまいります。また今後国が示すガイドラインを参考に県内教職大学院との連携研修の拡大や多様なeラーニングを受講できる環境整備など研修管理システムの機能強化を進めてまいります。
 県教育委員会といたしましては、研修管理システムを活用し教員自身がキャリア形成を積極的に行うとともに、校長等が研修記録に基づきながら適切に指導助言を行うことで高度な専門職として新たな知識・技能の習得に取り組む意欲ある人材の育成に努めてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 山本警察本部長。
○警察本部長(山本和毅君) 新たな手法を活用した子供の安全確保に向けた取組についてお答えをいたします。
 子供の安全確保を図る上では県民に対し必要な情報をタイムリーに分かりやすく提供することが不可欠でありまして、そのためには議員御指摘のとおりデジタル技術を活用した新たな手法を取り入れていくことが極めて重要であると考えております。
 このうち議員御指摘の防犯アプリを活用した防犯マップ作成プロジェクトにつきましては常葉大学が萩丘小学校や浜松中央警察署と協力して推進しているものであります。これは地域を歩きながら危険箇所や安全な箇所を登録し防犯マップにしていくという取組でありまして、多人数での情報共有が可能となるほか子供が参画し楽しみながら危険察知力を養うことができるものであります。来年一月のプロジェクト結果報告を踏まえまして県警察としても積極的な活用を検討してまいりたいと考えております。
 また、県警察におきましても、現在スマートフォン用の防犯アプリについて本年度中の公開に向け開発を進めているところであります。これは県のふじのくにのデジタル化事業の一つとして取り組んでいるものでありまして、開発中の機能の中には利用者が指定したエリアにおける不審者情報を通知するとともに発生場所を地図上に表示するものが含まれております。また県警察で把握しております子供一一〇番の家の位置情報をアプリの地図上に表示できるよう準備を進めているところであります。
 県警察では、こうした新たな手法を活用しつつ必要な情報をタイムリーに提供することによりまして子供の安全確保に向けた取組をさらに推進してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 沢田智文君。
       (二十六番 沢田智文君登壇)
○二十六番(沢田智文君) それぞれ答弁ありがとうございました。
 要望を三点、再質問を一点行います。
 要望の一点目、しずおか遺産による歴史資源の価値向上に向けた取組についてです。
 私、学校現場で教育文化、こういったものをつくって継承していきたいというふうに思っていましたが赴任期間の三年、四年の間では非常に難しいということを肌で実感しました。やはり文化・歴史、こういったものを継承するにはその地域に住んでいらっしゃる子供たちからシルバー世代、全ての世代の方たちが継承していくものであるなということを改めて強く感じたものです。ですからこのしずおか遺産についてはですね、子供たちからシルバー世代、全ての皆さんの魅力あるものとしていただくということと地域活性化、そして産業の発展、観光産業の発展、こういったものにつながるということを市町のほうに支援をしていただくことを要望いたします。
 要望の二点目ですが、県立ふじのくに中学校の教育提供体制についてです。
 先週金曜日に磐田市で、土曜日に三島市で説明会が行われました。私も興味があって参加させていただきましたが、そこで様々な意見が出されたかなというふうに思います。意見、要望については静岡県そしてふじのくに中学校に期待するものだというふうに感じています。
 その中で、入学願書の申込み、これについて少し早いのではないかという意見が多かったのかなというふうに思いますが、開校初年度の準備体制を整えていくに当たってはやはりこの時期、七月の上旬に申込みをしないとですね、申込み期限を設定しないと、その後の教育体制、教育環境整備こういったものをしていくには時間がないかなというふうには感じてはおりますが、ぜひ皆さんの声をですね、県民の声を前向きに検討していただければということを要望いたします。
 要望の三点目ですが、新たな手法を活用した子供の安全確保に向けた取組についてです。
 先ほど警察本部長から、スマートフォンアプリ、今年度中にという答弁がありました。この新たな取組が完成すればですね、中高生にとっては非常に分かりやすい大変効果のあるものだなというふうに思います。また土曜日、日曜日の週休日や長期休業に習い事や大会、練習試合に参加をしている中高生、こういった子供たちにも非常に効果があるものだというふうに思っています。静岡県警察の情報収集力、情報発信力、行動力を生かしたシステムの構築を早期にしていただくよう要望いたします。
 では、再質問を一点、研修管理システムの活用による人材育成についてです。
 先ほどの答弁の中にもですね、ガイドラインの作成を国が示した後作成をしていくということを答弁を頂きました。国では校長が認める研修も研修履歴に残すというような指針が出ておりますが、今現在もしガイドラインがこういったものである、校長の認めるものはこういう研修であるというようなことが分かっていたらですね、教えていただきたいなというふうに思います。以上、答弁を求めます。
○議長(藪田宏行君) 水口教育部長。
○教育部長(水口秀樹君) 研修管理システムを活用した人材育成の再質問についてお答えいたします。
 今、国のほうでガイドラインを作成しているという形になります。その具体的なものについてはまだまだ示されていないという形になりますけれども、当然議員御指摘のとおり市町がやられているような研修、そうしたものについてはより取り組んでいったほうがいいという形になるんではないのかなというふうには感じております。そうしたものをいかに積極的に取り入れていくのか、そうしたものを含めて今後検討してまいりたいと思っております。以上でございます。
○議長(藪田宏行君) 沢田智文君。
       (二十六番 沢田智文君登壇)
○二十六番(沢田智文君) 答弁ありがとうございます。
 研修管理システムについては私が今までの経験上ですね、市町の研修、ほかにもですね、静岡県の教育研究会とか市町の教育研究会の研修も積極的に参加しておりますし、また小学校三年生では地域の教材を使いますのでその副教材の作成とか道徳の副教材の作成とか今まで関わってきました。そういったことで非常に力がついてきたかなというふうに私は感じております。それが人材育成の一つの指標である管理システムが機能するには、やはりそれも記載されるべきかなというふうにも思っています。ただその記載される方法がなかなか検討が必要かなというふうに思いますので、そちらのほうを前向きに検討していただくということと昨年今年度と旅費が削減をされております。現場では県外出張は無理だなとか、県外出張に行く旅費が出せないとかですね、修学旅行の下見、宿泊体験活動の下見にもなかなか旅費が出せないというような声を聞きました。研修が子供たちにとっての安全・安心を守るもの、それから教員の資質と能力を向上するものに使われるのであればですね、ぜひ前向きに旅費の確保も取り組んでいただきたいということを要望いたしまして私の質問を終わります。(拍手)
○議長(藪田宏行君) これで沢田智文君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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