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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成24年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

良知 淳行 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/26/2012

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 基幹的広域防災拠点の構想について
2 未来を担う人づくりについて
 (1) 高等教育機関の魅力の向上
 (2) 高校生の学力の向上
3 子育て世代への就業支援について
 (1) 若年世代の正規雇用の促進
 (2) 子育て女性の働く環境整備
4 社会資本の管理運営について
5 特別支援学級の教育環境の向上について
6 繁華街対策への取り組みについて



    ○副議長(大石哲司君) ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、知事提出議案第百十二号から第百三十三号まで及び平成二十三年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題といたします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、十四番 良知淳行君。
           (十四番 良知淳行君登壇 拍手)
    ○十四番(良知淳行君) 私は自民改革会議所属議員として、通告に従い県政の諸課題について、知事及び関係部局長並びに警察本部長、教育長にお伺いいたします。
     初めに、基幹的広域防災拠点の構想についてであります。
     富士山静岡空港は、開港四年目を迎え、ことしの八月の搭乗率は開港後初めて八〇%を超えるなど順調に本来の役割を果たしつつあり、臨空都市としての構想の実現など今後も本県発展の基盤的施設として期待してやみません。一方で八月末に出された国の南海トラフ巨大地震の被害想定において甚大な被害が予想される本県にとって、空の玄関となる富士山静岡空港は防災拠点としても期待するところ大であります。
     こうした中、今月の二日、磐田市、富士山静岡空港、浜岡原子力発電所をメーン会場として東海・東南海・南海地震が同時に起こる南海トラフ巨大地震が予知なく発生したことを想定した静岡県総合防災訓練が行われました。中でも富士山静岡空港においては、基幹的広域防災拠点として機能するかどうかの検証に重点が置かれたと伺っております。実際の予定地に比べれば相当規模が小さいものの、空港西側の敷地に自衛隊や米軍など県外から応援部隊が集中するテントが設営され、さらに浜岡原発事故の同時発生を想定し、福島第一原発におけるJビレッジに相当する原子力災害支援センターを設置する訓練も行われたと聞いております。
     県では、現在中部地方に置かれていない基幹的広域防災拠点の誘致を国に働きかけを行っているということですが、首尾よく富士山静岡空港の西側に隣接する二十ヘクタールの土地が国の基幹的広域防災拠点となった場合、この拠点が県民の救出・救助、復旧・復興にどのような役割を果たされてくるのか、またその規模についてどのように考えているのかお伺いいたします。さらに富士山静岡空港は航空自衛隊静浜基地にも近く、どう役割分担をすることにしているのかをあわせてお伺いさせていただきます。
     次に、未来を担う人づくりについてのうち、高等教育機関の魅力の向上についてであります。
     最近では、東京の有名大学で地元の国立大学志向を強める地方出身者への奨学金を充実させる動きが出てくるなど、大学の生き残りをかけた例外なき競争が始まっています。国においても、一つの国立大学法人の下に複数大学を集約する広域再編の検討をし始めたと言われております。旧帝大を中心とした新たな支配構造が構築されるのではないか、地方都市としては大変危惧されるところでもあります。また企業の立地の動機づけの一つに、地域の教育環境があると言われています。子供の教育を心配する従業員のことを思えば、また優秀な人材の確保を考えれば、学びのポテンシャルが高い地域に立地しようとすることは当然の選択であり、本県がこうした理由で企業誘致に負けた事例も聞いております。知事は、若者は一度県を出て構わない、外へ出て見聞きを広めたほうがよい、本県が外の世界の一つとなり若者が戻ってこられたときの魅力ある学術教育機関があることが大切だと言われたと伺っています。しかし県内の高校を卒業した大学進学者のうち県外の大学へ進学した者の割合は七〇%を超え、その多くは就職も県外となっています。また本県では大学など高等教育機関の学生数が人口比一%強で全国で下位に位置し、この点は豊かな未来の創造に向けた本県のウイークポイントの一つになっています。私は、本県の高等教育機関の魅力を高め県内外の優秀な人材を集めるようにし、そこで地域に相応した人材を育てその人たちが未来の本県の発展を担っていけるようにするべきだと思いますが、県の考えをお伺いいたします。
     次に、高校生の学力向上についてお伺いいたします。
     教育委員会への要望や注文が多数寄せられる昨今でありますが、私は、ゆとり教育の実施以来失われた日本のすぐれた学力が取り戻せるよう教員が本来の教育に心血を注ぐこと、あるいはそのような体制をつくることが何よりも重要であると考えております。先ごろある雑誌に大学合格力全国高校ランキングなるものが掲載されました。それによりますと入試難易度の高い国公立大学百校の合格力は、富士高が全国で八十五位で本県の最高位、以下藤枝東高が百十八位、静高が百五十三位などとなっております。また旧七帝大や有名私立大学の難関大学合格力順位では、浜松北高が百二十五位で本県の最高位、以下沼津東高の百五十二位、静高の百七十九位などとなっております。近隣他県の状況を見ますと愛知県では、本県のトップの富士高より順位の高い公立高校が七校に上り、その他岐阜県でも二校、三重県でも二校、石川県でも二校、富山県でも二校、福井県でも二校といった状況であります。もちろんこのデータはある一定条件の分析にすぎず、学力到達度の全てを推しはかるものではありません。
     本県では、県立高校における主たる教育方針は学校長が自主的に決定し、学力の順位や偏差値、大学合格実績が教育の全てでなく、心身ともに成長していくような全人教育を念頭に置いているというものが教育委員会のこれまでの答弁であったと理解しておりますが、これは教育論としては正論であると思います。しかし厳しい雇用情勢の中、子供たちに将来立派な職業についてほしい、金で苦労してほしくないと思うのが親心であり、まずはきちんと学力を育む教育こそ重要であると考えます。 
     そこで、他県に競り勝つことのできる確かな学力の育成に向けた今後の高等教育の改革にどう取り組んでいくのか、教育長の所見をお伺いいたします。またさきの全国高校ランキングに登場する高校のうち静高や藤枝東高校、浜松北高には理数科がないこと、国際科は浜松北高しかないことなど、全県を挙げた取り組みのはずが旧学区ごとのアンバランスな体制のままとなっております。このような高校に理数科や国際科を設け、競争原理をより明確化すれば、生徒一人一人の気持ちも随分変わってくると考えます。この際こうした体制の見直し、全県で理数科、英語などの国際系に秀でた人材育成を進めるよういわゆる旧学区ごとに適正な体制整備を行うことが考えられますが、あわせて所見をお伺いいたします。
     次に、子育て世代の就業支援についてお伺いします。
     まず、若年世代の正規雇用の促進についてであります。
     昨今の子育て関連のデータを見ますと、本県の二〇一一年の合計特殊出生率は一・四九であります。これは前年の一・五四を〇・〇五ポイント下回るものであり、二〇〇三年ごろから続く改善傾向にブレーキがかかった形となり、生まれた子供たちの数も三万一千百七十二人、戦後最少の更新となりました。また婚姻数も減って、二万組を割り込み戦後最少となり、晩婚化が進んで平均初婚年齢も男性が三十・五歳、女性が二十八・六歳となりました。さらに全国で第一子を生んだときの母親の年齢も初めて三十歳を超え、専門家の分析によればここ数年出産を引っ張ってきた団塊ジュニア世代が四十歳代に差しかかり、これより若い世代の出生率が大幅に上がらないと日本の人口減少に拍車がかかる可能性があるということでありました。
     県では、これまでの保育体制の充実など子育て支援や出会いの機会の創出、働き方の見直しや仕事と子育て等の両立を図るための職場環境づくりなどに対する企業の意識醸成を促す次世代育成支援企業認証制度を推進するなど少子化対策に取り組んできたのは承知しておりますが、しかしこのようなさまざまなサービスを充実しても、若年世代が出産を考えるための根本的な課題として雇用安定が存在しているのではないでしょうか。国においてはさきに若者雇用の戦略を取りまとめはしましたが、バブル崩壊に伴う就職氷河期と言われた一九九三年以降に大学を卒業し、職につけずフリーターを続けてきた若者も四十歳前後になっておりますし、現在の新卒者の就職環境ではさらに正規雇用になれない若者が増加することも予想されます。
     そこで、こうした状況を踏まえ、今後若年世代の正規雇用の促進に向け県としてどのような取り組みをしていくのかお伺いいたします。
     次に、子育て女性の働く環境の整備についてであります。
     少子高齢化の進展に伴い、人口減少社会が現実のものとなりつつある今、今後の労働力となる人材の確保が重要な課題となります。そのため改正高年齢者雇用安定法による定年後の再就職等の推進による高齢者世代の労働力に加え、子育て中の女性の就労や子育てのために退職した女性の再就職など子育て女性を労働人材として確保することが重要だと考えます。平成二十三年度の男女共同参画に関する県民意識調査によりますと、女性が職業を持つことについて、「ずっと職業を続けるほうがよい」ことを理想とする方々が三二・一%いる一方、現実はさまざまな理由により、「ずっと職業を続ける」割合は二六・三%に減り、理想と現実に差がある結果が出ております。
     子育て中は、子供のリズムに合わせた生活スタイルにならざるを得ず、働く意欲があってもさまざまな要因を一気に解決することは難しく、いざ就職しようとしてもその実現に相当のハードルがあり、またそれを乗り越えるエネルギーが必要であります。
     県では、これまでも保育所の整備などに努めていることは承知しておりますが、このように働く意欲があるのにさまざまな事情を抱える子育て女性を労働人材として確保するには、就労に向けてきめ細かに支援する体制を整備することが必要であります。
     また、子育て女性がさまざまなハードルを乗り越えて働くことができるよう労働力として受け入れるための就労条件の子育てへの十分な配慮など、企業サイドのワーク・ライフ・バランスの推進に向けた機運の醸成も必要だと考えます。
     そこで、就業支援の観点から、子育て女性の働く環境整備に向けて県としてどのように取り組みをしていくのかお伺いいたします。
     次に、社会資本の管理運営についてであります。
     全国の橋や道路などの社会資本で、戦後の高度成長期にいわゆる一九五五年から七三年ごろに建設したものは老朽化の目安とされる六十年前後を迎えつつあります。しかしこれは標準的目安であり、その材料や建設方法、維持管理の程度により早いものは橋梁のワイヤ毀損や鉄、コンクリート部分の亀裂など不測の事態の発生で通行どめとなった箇所も多くあります。建設のピークは八〇年代から九〇年代であるため今後本格的な更新を迎え、総務省の試算では市町村の今後四十年間の社会資本の更新費は現在の二・六倍になると試算されております。
     本県では、こうした事態を想定し社会資本の長寿命化に取り組んでいると伺っておりますが、本県の予算における投資的経費の割合は平成十年度ごろをピークに既に半分以下となっており、今後も財政状況は厳しい状況が続くものと予想される中、維持管理コストの低減を図りつつ間近に迫る社会資本の大量更新を円滑に進めていく必要がさらに高まってくると考えます。
     一方、社会資本の大量な施設を管理していくには、全て行政のみでやるのではなく県民やNPO等が建設から点検や日常的な維持管理に参画することなど民間の力を活用することも考えられます。
     そこで、社会資本のうち県民の生活を支える道路や河川、海岸など土木施設の長寿命化の取り組み進捗状況、今後の管理運営をどのような進め方をしていくのかをお伺いいたします。
     次に、特別支援学級の教育環境の向上についてであります。
     近年、特別支援教育への理解が進み、静岡県内の特別支援学級に在籍する児童生徒は平成十五年度二千百四十八人だったのが、本年度は三千八百九十三人とこの十年間で一・八倍と急激に増加しております。またインクルーシブ教育の考え方が広まる中、在籍する児童生徒の障害については重度化、複雑化する傾向にあるようであります。特に自閉症・情緒障害の特別支援学級に在籍する児童生徒の増加は著しく、その障害の種類及び障害の程度はさまざまであり、生活指導や学習指導の困難性が増加していると聞いております。特別支援学級は障害種別ごとに置かれる少人数学級であり、知的障害、肢体不自由児、自閉症・情緒障害等の学級があります。そして特別支援学級の一学級の人数はどの障害種の学級であっても八人となっております。そのため多動性や衝動性が強い児童生徒が多数いる自閉症・情緒障害の学級では、自分の席を離れたり教室を飛び出したりする子供たちを落ち着かせ自分の席に着かせるまでの間授業がストップし、その都度他の児童生徒は自習することを余儀なくされます。また情緒の安定を図ることが難しい児童生徒であるため、一人が不安定になるとその周りにいる子供たちも同様に不安定になることもあります。そのような場合は他の学級の先生が支援に入るなど学校体制の中で対処しているようですが、それにも限界が生じてきています。大人数の自閉症・情緒障害学級では、児童生徒を落ち着かせるだけで精いっぱいであり、じっくりと授業に取り組むことができないとの声も聞かれます。保護者は、障害を有する児童生徒一人一人に応じたきめ細かな指導を受けることができる場であると期待して子供たちを特別支援学級に入級させています。しかしこのような状況では、特別支援学級の児童生徒の落ち着いた教育環境や個々に応じた学習が保証されているとは言いがたいものと思われます。
     そこで、教育委員会として、指導が困難である自閉症・情緒障害の特別支援学級について保護者からの期待や学校現場の声にどのように応えていくのかを教育長にお伺いいたします。
     最後に、繁華街対策の取り組みについてお伺いいたします。
     静岡の玄関口ともいえるJR静岡駅の周辺地域は、週末ともなれば県内外からの観光客、子供連れで買い物を楽しむ多くの人たちであふれる状況であるわけであります。その光景は活気に満ちあふれており、夜になるとその光景は一変するわけであります。特に風俗店が建ち並ぶ両替町かいわいの歩道や静岡駅北口に通ずる地下道にかけて、通称キャッチと言われるホステスを勧誘する男たちがうろつき若い女性にしつこく声をかける姿が目につくほか、深夜の歓楽街では黒服を羽織った客引きたちが行き交う人たちにかわるがわる入店を勧めるなど一種異様とも思える街の姿に変わっています。実はこうした光景は、静岡市のみならず沼津市、浜松市等の県内各地の繁華街で見受けられます。
     県警は、これまで悪質な客引き等に対しては取り締まりを強化するなど厳しい姿勢で臨んでいると承知しておりますが、その一方で客引き等を規制するいわゆる迷惑防止条例の網の目を縫うように巧みに警察官の取り締まりを逃れ、客に対する声かけやホステスを勧誘する勧誘活動を平然と続けているやからが多くいます。私はこういったスカウト行為等は一般の善良な人たちにとって非常に迷惑性の高い行為であると思います。これをこのまま放置しておけば必ずや治安が悪化し、その影響は周辺地域に飛び火し、安全・安心を提唱している静岡県全体のイメージダウンにつながるということを懸念しています。
     そこで、県警の繁華街対策の現状と今後の取り組みについて本部長より所見をお伺いし、一般質問とさせていただきます。(拍手)
    ○副議長(大石哲司君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 良知議員にお答えいたします。
     初めに、基幹的広域防災拠点の構想についてでございます。
     基幹的広域防災拠点といいますのは、大規模災害が発生した際の応急復旧活動の核となる拠点でございまして、国が整備するべきものでございます。その機能は五つほどございますけれども、支援物資の中継・分配機能、広域支援部隊のベースキャンプ機能、海外からの支援物資・人員受け入れ機能、災害医療支援機能、物資等の備蓄機能でございます。したがってかなり広い場所がいるということが想像できると存じます。首都圏には有明の丘と東扇島の二カ所、そして京阪神都市圏には堺泉北港にございます。有明の丘の場合は約十三ヘクタール、東扇島では十六ヘクタール、そして堺泉北港では約二十八ヘクタールでございます。私どもが東日本大震災の救援に遠野を拠点にして立ち向かいましたときに遠野市には総合運動場がございまして、そこがそのような広域的拠点として実際自衛隊その他の方々がそこにキャンプを張って支援活動をされていたわけでございます。
     そのことを知りまして、私は静岡県あるいはこの東海地域における広域的防災拠点がどこかということを聞きましたところ、それがないということを聞かされまして驚愕をした次第でございます。そこで、すぐに県下そうした広域防災拠点になり得るところを探したわけでございますが、偶々富士山静岡空港の内陸側に隣接する形で二十ヘクタールの土地があることに気づきました。これは当時島田市長さんですらその存在に気づかれていないようなことで、いわば放置されていた土地でございます。この土地というのはまずはそれが空港に隣接しているということでございますが、空港の重要性は昨年の東日本大震災で改めて認識されたところです。それから県土のほぼ中央に位置しているという土地柄でございます。それから海側には東名があり、そして内陸側には一号線とこのたび開通いたしました新東名が走っております。さらにこの空港の真下には新幹線が通っているということでございます。したがってそこに新幹線駅をつくることも可能であると。これは既に国交省の交通政策審議会の中央新幹線小委員会におきまして、ここを念頭に置いて新駅をつくってよろしいと。これはもちろんリニア新幹線ができた後の既存の新幹線の活用法として公式に提言されているものでございますが、そういう可能性もございます。そういう意味でここは基幹的広域防災拠点を整備する絶好の場所であるとすぐ確信をいたしまして、そして関係各所――自衛隊、消防、国の出先機関、本県におきましては中部地方整備局ですが――そうしたところの関係各所、さらに国交省、防衛省、そうしたところと協議を重ね、また御照会を申し上げてきた次第でございます。
     そして、すべての方々にその絶好の場所であるということの御理解とまた御協力をお約束した上で、先ほど県議が言われました九月二日にそこで防災訓練を行い検証をしたということでございます。この場所を拠点といたしまして、大規模災害が発生した直後には自衛隊を初め海兵隊あるいはアメリカ陸軍等、被災地に迅速に展開することができます。それはもちろん被害の拡大防止を図ることができるということです。さらに復旧・復興というのが発災直後から続くわけでございますけれども、復旧のための要員や資機材などを戦略的に被災地にここを拠点にして投入することができるということで、そうした可能性もここで検証をされました。
     さらに言いますれば、本県には浜岡原子力発電所がございます。この候補地としての空港はちょうど内陸側に直線距離で二十キロ入ったところにございます。そして私は福島第一原子力発電所の事故処理に当たっているJビレッジにことしの三月に参りまして、知事としては初めてであったそうですが、そこでの災害拠点は五十ヘクタールの土地のうち十七ヘクタールを使ってされていたわけでございます。そして放射能の飛散方向というのは御案内のように北側に行っております。南側にはほとんど来ません。我々は、もう既に県民の方々に御披露申し上げましたごとくSPEEDIによる風の向きですね。内陸側にほとんど参りません。東西に動く、すなわち伊豆半島の方向と名古屋の方向に行くということがわかっておりまして、こちらはJビレッジにおけるそうした原子力発電所がもし事故を起こした場合には、そこが拠点として事故処理に当たれるというそういう好位置にもあるということがわかっているわけでございます。
     そうしたことから、今回の総合防災訓練におきましては、浜岡原子力発電所の事故の際に復旧作業の支援拠点を空港に置くということを前提にして検証を行いました。極めて有力な候補地であることが確認されたわけでございます。
     なお、航空自衛隊静浜基地、議員も既に訪れられたと存じますけれども格納庫がございました。そこに二十機ばかりの練習機が入っております。所狭しと整然と並べられているんですが、そこをあけてそして重要物資を運び込むという段取りになっているんですが、これは非現実的です。そして静浜基地司令もまたその限界をご存じで、また自衛隊のトラック等が入るのには市街地を通っていかねばなりません。それは非常に合理的には考えられてはおりませんでその限界をご存じだったわけです。そして基地司令も、今また基地司令はかわられましたけれども候補地を御視察賜りまして、ここだということになったわけです。それで我々はいわゆる司令官会議というのを年に一回やっております。陸将、空将。このたびはその指揮官会議を静浜基地でやりました。そこでこの問題を話し合ったわけです。そうしたことでこれからこの基地それから周辺道路等の被災の程度にもよりますけれども、静浜基地と十キロのところにございますので、ですから富士山静岡空港と一体的に運用することは可能でございます。どのように役割分担していくかということはこれから検証していくべきことでございます。ともあれこれが効率的に活用ができるということがわかっておりますので、今後の訓練等を通じてその役割分担につきましても検証して、そしていざというときに備えたいということです。
     次に、未来を担う人づくりについてのうち、高等教育機関の魅力の向上についてでございます。
     グローバル化が進んでおりまして、知的資産の創造や活用が社会発展の鍵となるいわゆる知識基盤社会が到来しています。頭脳獲得競争が世界的に激化しております。本県がそうした中で持続的に発展していくには、県内の高等教育機関の魅力を高めることによって優秀な人材を集めて育てていく必要があります。どのような形で魅力が高まるかというのはもちろん施設も大切です。建物が美しい、立地がきれいであるということも重要でございますけれども、何といっても人物です。ですからそこには単に学内政治でトップになっただとかあるいは権力欲のある方がなるとかということではなくて、富士山のように最高の人を据えねばなりません。ですから例えば静岡県立大学においては、世界最高の医学界の権威の一人、本庶佑先生が理事長に御就任あそばされているわけです。これは医学界においては大きなニュースです。医学生にとってもきっと大きなニュースになっているに違いありません。それから静岡のもう一つの県立大学でございます文化芸術大学におきましては、物理学の国際的な権威である有馬朗人先生をお迎えしています。またお茶についてあるいは日本の食文化についての最高権威である熊倉功夫先生を学長にお迎えしていると。さらにまた教育と隣接する文化施設、美術館がございますが、そこに日本における最高の文化知識人と言って過言でない芳賀徹先生を館長にお迎えしています。それだけではありません。日本で有名な文化芸術大学の研究センターがございます。そこには三枝成彰先生――音楽家、作曲家の彼をセンター長にお迎えしています。そしてまたこの県立大学の附置機関でございますグローバル地域センターには、今まで竹内先生が静岡総研をしていただいておりましたけれども、ここでは危機管理とアジア太平洋の研究、これを二つの柱といたしますけれども、危機管理は日本の内閣府においても重視されてこられた小川和久さんをお迎えして実際に活動してもらっているわけです。またアジア太平洋地域の研究につきましては十月以降にオープンすることになると思いますけれども、本県出身でかつ香港大学の先生を、東大、一橋の教授を務められた後なさっておられる濱下武志先生をお迎えしています。
     こうしたことは、それぞれの学問研究分野においていわば大きなニュースになるわけです。そうした方を通して若者が育っていくということでございます。地道な努力でございますけれども、最高の人を集めてそこが磁場となって魅力の核になって人々が集まると。これは研究者もそれから学生にとっても同じでございます。そうした方向で、我々は教育・研究・学問の質の向上に今努めている最中でございます。
     それからまた、各高等教育機関が相互に補完し合って美術館のような文化施設あるいは自治体や企業などとも連携を深めることによって、県全体のさらに言えば県庁のこれはいわばシンクタンクでございますので、そうした人々の努力といいますか研鑽がもっと必要です。もっとレベルを上げねばなりません。国の役人に負けているようではだめなのです。そうしたことが全体に設けられてそれが必要とされる、それが全体の青年たちの学力あるいは志をここに向かわせることになるというふうに存じます。
     今、県内の大学、二十余りございますけれども、それぞれ皆特色があっておりますのでそれでまずネットワークを組んでいただきました。いわゆる大学ネットワーク静岡というものでございます。これは学長先生間の意思疎通を図るものでございましたが、それをさらに形にするために、平成二十五年度を目途にしまして大学コンソーシアムに改組していただくというそういう形を共通認識にしていただくことになりました。大学コンソーシアムというのはそれぞれの教育機関の専門性を生かしながら共同の場で教育実践をしていただく、そういうものでございます。私はそれじゃ共通の学問はどうしたらいいかということで、差し当たってふじのくに学というのを立てられてはどうかというようなことも、地域に根差した地球をにらんだ地球地域学のようなものとして、そこの中には富士山学も、それから伊豆のジオパーク学も入るでしょう。そうしたふじのくに学というべき学問体系の創設とか、インターナショナル・ランゲージとして今デファクトで使われている英語、この英語のみによる授業であるとか、あるいは高校三年からしか大学に行けないということではありませんでして、大学検定試験というのがございます。これは高校一年からもう受けられますから、ですから飛び級というのもできるはずです。これは今まではどちらかといえば大学に行けなかった方々が社会人になって検定試験を受けて、それから大学に入学するということのためでしたけれども、これはすべての人に開かれているわけです。
     ですから、いろいろなことをここで検討をしていただいて、目下のところは東静岡がちょうど真ん中にあるということでそこを一つの候補地として、そこから若者でにぎわいかつ社会人の方々もそこでいわゆる生涯学習に励んでいただけるような場になるようにというところで、今検討をしていただいているということでございます。
     私どもは、各大学の努力とともに、大学コンソーシアムの先駆的な取り組みを通しまして本県が優秀な学生が内外から集い世界に通用する一流の人材を輩出するそういう場になりますように取り組んでまいります。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
    ○副議長(大石哲司君) 安倍教育長。
           (教育長 安倍 徹君登壇)
    ○教育長(安倍 徹君) 未来を担う人づくりについてのうち、高校生の学力の向上についてお答えいたします。
     大学進学を目標に高校生の学力の向上を図るためには、進学する意義を自覚させ学習意欲を高めるとともに、教員の教科指導力の向上を図る必要があると考えております。
     このため、県教育委員会では大学教員を講師として高校に派遣し、進学する際の心構えについて学ぶ機会の提供や高校生が大学での研究体験を行うニュートン・プロジェクト推進事業などを実施しております。また教科指導力にすぐれた教員を教科等指導リーダーとして任命し、教科指導に関する教員研修の充実も図っているところであります。
     専門学科の配置につきましては、理数科を旧学区に一校ずつ、国際科を東部・中部・西部各地区に一校ずつ設置するなど全県のバランスを考慮しておりますが、議員御指摘のとおり地域によっては設置校が少ない状況もございます。
     県教育委員会といたしましては、このような状況や生徒、社会のニーズ等を踏まえつつ、学力向上に向けた方策や理数科の適正配置など本県の高校教育の一層の改善・充実について検討してまいります。
     次に、特別支援学級の教育環境の向上についてであります。
     自閉症・情緒障害学級は、友達との意志疎通や学校生活への適応が困難な子供たちに対して学習指導とともに自立や社会参加に向けた教育を行う場であり、障害に応じたきめ細かな指導・支援の充実は極めて重要であると考えております。
     平成二十四年五月一日現在県内の自閉症・情緒障害学級の児童生徒数は千百五十四人で、昨年度と比較して百八人の大幅な増加となっております。一学級に在籍する児童生徒数は平均四・二人でありますが、中には七人から八人在籍する学級もあり、子供のさまざまな言動に学級担任の指導が行き届きにくくなっているとの声も聞かれます。
     このため、県教育委員会では通常学級に在籍する発達障害がある児童生徒の支援を行う特別支援教育の支援員について、その支援の対象を多人数の自閉症・情緒障害学級にも広げたところであります。また特別支援学級の学級編成基準の引き下げを国に強く働きかけております。
     今後、多人数の特別支援学級の実態を調査し、その調査結果を踏まえ障害がある子供たちへの効果的な学習指導や生活支援のあり方について検討を進めてまいります。以上であります。
    ○副議長(大石哲司君) 吉林経済産業部長。
           (経済産業部長 吉林章仁君登壇)
    ○経済産業部長(吉林章仁君) 子育て世代への就業支援についてのうち、初めに若年世代の正規雇用の促進についてお答えをいたします。
     若年世代の雇用の安定は、少子化対策の側面のみならず将来にわたる労働力の確保のためにも大変重要なことであると認識をしております。このため正規雇用に向けた職業意識の醸成を目的に、中学生を対象として職場体験や高校生のインターンシップなどに取り組みますとともに、県キャリア教育推進協議会を立ち上げまして教育界、経済界、行政が連携をして社会、職業との関連を重視しつつ、体系的なキャリア教育を推進することとしております。
     また、若年世代のキャリアアップにつきましては、県内三カ所の技術専門校においてものづくり現場で必要な知識・技術に関する高卒者向けの基礎的な職業訓練や介護などの雇用が見込まれる分野での離転職者向けの実践的な職業訓練を行っております。さらに新卒者を初めとする若年世代を対象に県内三カ所のヤングジョブステーションにおきまして就職相談やセミナーを実施いたしますほか、年間を通じて就職面接会を開催いたしますなど雇用のマッチングを引き続き推進してまいります。特に未就職の既卒者や三十四歳までの若者を対象に、県や静岡市におきましては教育、研修から企業実習までを一貫して行い就職まで導く応援事業を実施しておりまして、九割を超える就業率を上げるなど、正規雇用に向けて一人一人の特性に応じたきめ細やかな支援にも取り組んでおります。
     今後とも、産業界、教育界との連携を強化いたしまして、一人でも多くの若者が自立した社会生活を送れますよう国、市町と一丸となって正規雇用の促進に積極的に取り組んでまいります。
     次に、子育て女性の働く環境整備についてであります。
     県では、子育て女性の就業支援のため、仕事と子育ての両立や再就職を希望する女性に対しましてカウンセリングやセミナーを行いますマザーズジョブステーションを本年八月県内三カ所に設置いたしまして、仕事に対するさまざまな悩みに対応できる体制を整備したところでございます。また次世代育成支援対策推進法に基づきまして、一般事業主行動計画の策定努力義務のある従業員百人以下の企業を対象にいたしましてアドバイザーによる戸別訪問や出前講座を実施しております。昨年度までに四百十五社を訪問いたしまして七割以上の企業が計画を策定したところであります。引き続き仕事と子育ての両立しやすい職場環境の整備に努めてまいります。
     さらに、企業におけるワーク・ライフ・バランスの取り組みを促進いたしますため、人事担当者や従業員、労働組合の方々向けに県内企業の先進事例を紹介いたしますシンポジウムを来月開催いたしますとともに、今年度から県内で四回、実践に向けた知識や手段を学ぶセミナーを開催いたします。
     今後とも、子育て女性の働く環境整備に向けましてきめ細やかな支援に努めますとともに、社会全体のワーク・ライフ・バランスの実現に向けた機運の醸成を図ってまいります。以上であります。
    ○副議長(大石哲司君) 長島交通基盤部長。
           (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
    ○交通基盤部長(長島郁夫君) 社会資本の管理運営についてお答えいたします。
     県では、道路や河川、海岸などの土木施設の老朽化に対して土木施設長寿命化行動方針に基づき施設管理及び中長期管理計画の策定を行い、施設の長寿命化に取り組んでいるところであります。県民の皆様の生活を支える道路施設では、これらの計画等に基づき管理上重要な施設のうち特に劣化の激しい橋梁、舗装、トンネル設備について平成二十二年度から七年計画で道路施設長寿命化緊急対策事業を実施しております。平成二十三年度までに、橋梁では補修対象百七橋のうち五十二橋、舗装では補修対象延長三百七十八キロのうち百六キロ、トンネル設備では補修対象三十一カ所のうち六カ所の補修が完了し、事業費ベースでの進捗率は三六%となっております。
     これらのほか、水門や陸閘、港湾の係留施設、農業水利施設等につきましては現在点検を実施しており、今後中長期管理計画の策定を行い長寿命化を進めてまいります。また身近な施設の日常的な維持管理においては県民の皆様やNPO、企業等が主体となって施設の清掃美化を行うリバーフレンドシップやアダプトロードプログラム等を推進し、民間の力を積極的に活用しているところでございます。
     今後も社会資本の長寿命化を着実に進めるとともに、官民の役割分担による効率的な維持管理を行い県民生活の安全・安心の確保に努めてまいります。以上であります。
    ○副議長(大石哲司君) 繁田警察本部長。
        (警察本部長 繁田 誠君登壇)
    ○警察本部長(繁田 誠君) 繁華街対策への取り組みについてお答えいたします。
     静岡市や浜松市、沼津市等の繁華街を中心に客引きや年少者使用、外国人女性による違法な性的サービス提供店が後を絶たないことから、継続的かつ積極的な取り締まりを実施しているところであります。議員御指摘のとおり静岡市や浜松市の駅周辺の街頭において、夕方から夜間において女性接客員を勧誘する者がいることは承知しております。これら勧誘行為を直接的に取り締まる現行法令がないため、職業安定法や軽犯罪法を活用して取り締まり及び指導警告を行っております。また繁華街においては、夜間から深夜にかけて風俗営業に絡む客引きがいることも承知しております。このため風営法や迷惑防止条例により継続的な取り締まりを実施しておりますが、その一方で行為者も用心深くなり、犯行手口が悪質・巧妙化してきております。
     そこで、現行の法律と条例を駆使して一層の取り締まりの強化を図るだけでなく、客引き行為等の現状と取り締まり結果を踏まえ現行の迷惑防止条例を改正し、スカウト行為や客引きのための客待ち行為等について新たに規制することを検討しているところであります。また関係機関や地域住民の皆様などの御協力をいただき、風俗店の経営者に対する指導強化や防犯カメラの設置を促進するなど繁華街の安全・安心を確保するための対策をさらに推進してまいりたいと考えております。以上であります。
    ○副議長(大石哲司君) 良知淳行君。
        (十四番 良知淳行君登壇)
    ○十四番(良知淳行君) 御答弁、本当にいろいろ細かくありがとうございました。若干質問と要望のほうをさせていただきます。
     基幹的広域防災拠点のほうですけれども、二十ヘクタールの敷地を有効に、言うまでもなく先ほども言いましたけれども、救出・救助、復旧・復興、三十年以内に静岡県は大震災が襲ってくるという報道もされております。どうか少しでも早い安心・安全を、またそういった点も含めまして今後ともよろしくお願いしたいと思います。
     高等教育の関係の魅力の向上であるわけでありますけれども、私は多分次の議会あたりには大学の今後また五カ年の流れが示されるんじゃないかなというふうに思うところであるわけでありますけれども、各地域からの大学に対する魅力へのやはり要望というものもあると思うんです。そういったできましたら各首長さん方の声もできたらその中に入れていただければ、もっと高等教育の魅力が向上してまいるのではないかなというふうに思うところもありますので、どうか地域の声もその中に入れていただいて、場合によっては新たな学部がそこでまた創設されるのかもしれませんし、わかりませんけれども、その辺のところをひとつよろしくお願いしたいと思います。
     それと、高校生の学力の向上であるわけでありますけれども、先ほど教育長のほうからは検討してまいりたいという前向きの御答弁もいただきました。やはり子供たちが次代を背負ってこれから前へ、また地域を支え、また国を支えという中で、本当にその辺の親心とすれば何とか頑張ってもらいたいなという点もございます。それとやはり目標なりそういったものを掲げる子供たちにしっかりした環境を整えてもらえれば、それ以上に何か希望が持てるんじゃないかなと思いますので、どうぞその辺のところも含めましてよろしくお願いしたいと思います。
     それと、先ほど経済産業部長のほうからもお話がありましたけれども、私もヒアリングのときからいろいろお話を伺っていると、何か子育てに対する少子化対策に対する意識の色が、ちょっと何か、席はお隣に健康福祉部長の池谷部長が座っておられますけれども、席は近くても何かかなり考え方が開きがあるなというふうに私は感じたところもございます。またこの少子化対策というのは、教育委員会もうまく絡まっていかないと、本当にこの二〇一一年に示されました十年後の少子化に対する二という数字がございますけれども、理想の数字で終わってしまうんじゃないのかなという、非常に私は話を聞いて危機感も感じたところでもあります。どうかその辺も含めまして、しっかり各部局の中で少子化に対するまた視点を考えていただけたらなということをお願いいたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。
     どうもいろいろとありがとうございました。

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