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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成24年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

小野 達也 議員

質問分類

代表質問

質問日:

06/27/2012

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について                     
 (1) 知事就任後の成果                       
 (2) 電力対策への取り組み                     
   ア 東京電力の料金値上げに対する認識              
   イ 東京電力の料金値上げに伴う中小企業への支援         
 (1) 浜岡原子力発電所の安全対策の評価               
 (2) 津波対策に係る寄附受け入れの仕組みづくり           
2 職員のコンプライアンスの徹底について              
3 教育行政のあり方検討会について                 
4 地域主権改革の推進について                   
5 東日本大震災に伴う災害廃棄物の本県受け入れの推進について                               
6 メガソーラーの導入に向けた取り組みについて           
7 介護人材確保対策について                    
8 交流人口の拡大に向けた取り組みについて             
(1) 国内外からの観光誘客の推進                  
 (2) 南北軸となる道路整備                     
 (3) サービスエリア、パーキングエリアの活用策           
9 静岡茶の振興について                      
10 富士山静岡空港株式会社からの提言に対する認識について      
11 子供の命を守る教育について                   
12 磐田警察署の不祥事を踏まえた再発防止策について



    ○議長(小楠和男君) ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、知事提出議案第九十七号から第百十一号までを一括して議題とします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、十九番 小野達也君。
           (十九番 小野達也君登壇 拍手)
    ○十九番(小野達也君) おはようございます。私は、自民改革会議を代表し県政の諸課題について、知事及び関係部局長並びに教育長、警察本部長に伺うものであります。
     まず初めに、知事の政治姿勢についてのうち、知事就任後の成果についてであります。
     知事が就任してから早いもので三年が経過しようとしています。就任後マニフェストを反映した新総合計画を策定し、ことし二月にはその進捗を評価し、あわせて今後の取り組み方針を示した白書を発表しました。計画に掲げる数値目標のうち、約七割が「目標達成に向け順調である」とされましたが、「より一層の推進を要する」とした指標――いわゆるC評価も四十を数え、今後計画の残期間も一年余りとなることから、次の白書では達成に向け厳しい評価となる項目も出てくるのではないか、避けられない状況ではありませんか。
     知事は、前倒しという言葉や現場主義こそ原点だとよく口にされます。これからの、地方が主役の時代にこうした視野を持ち志を持って取り組むことの重要性は同感でありますが、国や他地域との関係に配慮しながら、現場においても住民や関係者、議員など各層の賛否を含む幅広い意見に耳を傾けできる限り多くの情報を入手するという、知事としての真摯な態度が必要と考えます。
     そこで、知事は就任以来マニフェストを総合計画に反映し計画の前倒し達成を念頭に取り組まれてきたと承知していますが、この三年間の成果をどのように考えているのか、所見を伺います。
     次に、電力対策への取り組みのうち、東京電力の電気料金値上げに対する認識についてであります。
     昨年夏の電力供給危機の際、県民や県内企業は全面的に節電に協力したにもかかわらず、東京電力は経営状況の悪化を理由に本年四月一日から企業向けの電気料金を一七%値上げしました。この電気料金の値上げは、同社の安全対策の瑕疵による代償を県民や企業に転嫁するものであり、容易に容認できるものではありません。
     我が会派では、本年四月に川勝知事に対し、東京電力の電気料金の値上げに対して強く反対し県内の経済活動の安定に尽力を尽くされるよう要望したところであります。知事は、現時点において東京電力の値上げ要請を受け入れておらず、電力契約が自動更新となっている東京電力管内の県有施設については新料金での契約を結んでいないと聞いております。
     こうした中、去る五月九日に東京電力の経営再建策を取りまとめた総合特別事業計画が国の認定を受け、五月十一日には東京電力が七月からの実施を目指し家庭向けの電気料金の値上げを申請しました。家庭向けの電気料金の値上げについては国の認可が必要となることから、県民生活への影響を十分に考慮し国に対して徹底した審査を求めていく必要があります。また既に値上げされている企業向けの電気料金についても、県内はもとより国内の経済活動や雇用などへの影響が大きいことから、東京電力に対し値上げ幅を引き下げるよう求めていくべきではないかと考えております。
     そこで、今回の東京電力の電力料金値上げについてどのように認識しているのか、知事の所見を伺います。
     次に、東京電力の料金値上げに伴う中小企業への支援について伺います。
     今回の東京電力の電気料金の値上げは、昨年の東日本大震災及びその後の計画停電の実施などにより、サプライチェーンの混乱がもたらす売り上げ減少などの経済的被害を受けた本県の富士川以東の中小製造業等にとっては、これからの経済の回復に期待していた矢先の出来事であり大きなマイナス要因であります。
     私の地元伊豆半島においては、昨年春に実施された計画停電などの影響により、ホテル・旅館において大量の観光客キャンセルを余儀なくされ多大な被害を受けた上に、一年後にまたこの値上げという事態に、なぜ東京電力の管内だけがこんな目に遭うのか悲鳴を上げております。さらに多くの中小企業の経営者からは、依然厳しい経営環境が続いており、今回の電気代の増加をそのまま自社製品やサービス代金に価格転嫁できず、今後の経営悪化が心配といった声も寄せられています。
     県が五月末に発表した東京電力の電気料金の値上げによる中小企業等への影響調査においても、価格転嫁ができず収益を圧迫するといった回答が一番多く、その声が裏づけられた格好です。県においては、国及び東京電力に対して値上げ幅の圧縮や経営合理化の徹底を求めたことは承知しておりますが、事態は刻々と進んでおり今後企業への影響が心配されます。
     そこで、県として、今回の東京電力による電気料金の値上げに対して、地域の中小企業を守るためにどのように取り組んでいるのか伺います。
     次に、浜岡原子力発電所の安全対策の評価について伺います。
     中部電力浜岡原子力発電所では、昨年五月に国からの要請で発電所を停止して以来、数々の安全対策が実施されています。中部電力は、まず国の指示に基づき緊急安全対策を行い、その内容については国から妥当であると評価されているところであります。さらには十八メートルとなる防波壁の設置を初めとして三十項目にわたる独自の津波対策を進めています。これらの対策について県では、昨年十一月以降ほぼ毎月一回の頻度で現場を点検するとともに、静岡県防災・原子力学術会議においても、原子力分科会、津波対策分科会の双方で中部電力の津波対策を独自に検証するとしてきました。
     そのような折に、去る三月三十一日に内閣府から、南海トラフを震源とする地震についてはこれまでの想定を上回る御前崎付近で最大二十一メートルの津波高との新たな想定が公表されました。この想定は、言うまでもなくそれまでの中部電力の津波対策の前提となっていた津波高十五メートルを上回るものとなっており、新たな対応が必要なことは明白であります。
     そこで伺いますが、知事はこのような状況の中、中部電力の実施してきた津波対策について現状をどのように評価し今後どう対応していくのか、お考えを伺います。
     また、原子力発電所の安全対策は津波対策だけで十分とは言えません。一刻も早く福島第一原子力発電所の事故に基づく新たな知見をもとにした地震対策を浜岡原子力発電所に対して適用すべきものと考えます。
     そこで、県として浜岡原子力発電所の地震対策について事業者と国に対してどのような対応を求めていくのか、知事のお考えを伺います。
     次に、津波対策に係る寄附金の受け入れの仕組みづくりについてであります。
     昨年の東日本大震災の大津波による凄惨な映像を目の当たりにした県民は、我が事のように驚愕し、津波に対する備えの必要性を痛感したところであります。県内全域における防潮堤整備など津波対策には多額の費用がかかると思われ、限られた予算の中では整備に相当な期間が必要となります。一刻も早く県民が望む安全・安心の実現に向けて、行政のみならず民間の力も結集する必要があると考えます。
     そのような状況下で、今回浜松市の一条工務店と植松鈴木組から、ふるさとを何としても守るため自分たちで何ができるのかという思いから、多額の寄附の申し出があったところであり、今後さらに一般県民や企業から寄附の申し出も考えられます。
     私は、それらの方々の思いを受けとめ、多くの県民の皆様の寄附により全県的に津波に対する備えを進めるための基金を機を逸することなく設置することを提案いたしますが、知事のお考えを伺います。
     次に、職員のコンプライアンスの徹底について伺います。
     県では、過去に事務所運営費問題や簿外郵券問題など不祥事が続いたことから、職員のコンプライアンス意識の徹底に向けた取り組みをこれまでも進めてきたと伺っています。しかしながら六月には、土木事務所の職員が傷害の容疑で、農林事務所の職員が窃盗の容疑で、それぞれ逮捕されるという事件が続けて起きています。それらの中でも特にこの四月には県企業局の職員が偽計入札妨害及び官製談合防止法違反の容疑により逮捕されるという事件が発生し、去る五月十八日には起訴されるに至りました。しかもこの事件については、起訴された職員と業者との間に長年の癒着があったとの報道がされており、事実であるとすれば大変残念なことでありこれまでの県の努力を台なしにするもので、県職員には改めて襟を正していただきたいと思うものであります。
     さて、私が今回の不祥事が起きた際にまず感じたのは、上司は部下の不正に気がつかなかったのかということであります。言うまでもなく組織において権限とともに責任を負っている上司の役割は重要であり、部下の日ごろの仕事ぶりだけでなく生活態度にまで目配りをして部下の不正に気づくこともまた上司の仕事であると思います。しかし今回の事件では、日常的に民間企業と接する中で上司自身に気の緩みが生まれてしまったのではないか、そのために部下の不正に気がつかなかったのではないかと思います。このため私は、不祥事の再発防止のためにはこの上司である職員への取り組みが重要であると考えます。
     そこで知事は、改めて職員のコンプライアンス意識の徹底に向け、具体的にどのような取り組みをしていくつもりなのか伺います。
     次に、教育行政のあり方検討会についてであります。
     知事の肝いりで設置した教育行政のあり方検討会の第一回目の会合が、今月十六日に開催されました。まずは教育委員会制度、教育委員会と知事との連携状況、県教育委員会と市町教育委員会との関係、県教育委員会と学校との関係などについて教育委員会から説明があり、これに対し委員などが質疑や意見を述べました。検討会は一般県民の傍聴を可能とし、インターネット中継を行うことにより常日ごろその言動や活動内容が伝わりにくい教育委員会委員の顔が見え、公開の手法を採用したことについては評価するものであります。
     初回である今回は、課題の洗い出しということで検討会委員が教育委員に質疑するものが大半でありましたが、もう少し委員同士の議論もあってもよかったのではないかという意見もありました。議論の中では、策定した静岡県教育振興基本計画達成に向けた明確なビジョンの有無、学校経営に対する教育委員会の関与、教育委員会と学校との関係などについては厳しい意見もあったと伺っています。
     知事はかねがね教育委員会とは何ぞやということを白日のもとにさらすと、教育長の選出の過程が正しいかどうかメスを入れるなどと、厳しい発言をされてきました。
     この第一回目の検討会における教育委員会委員と検討会委員の議論を知事はどのように受けとめているのか伺います。
     次に、地域主権改革の推進についてであります。
     国では、地方公共団体の自治事務について、法令により事務の実施やその方法を細かく縛っている義務づけ・枠づけについて推進一括法による見直しが行われております。これによりこれまで法律で規定され全国一律であった福祉施設や道路などの施設・公物の設置管理の基準について、地方自治体の条例により規定することが可能となり、地方の自己責任の実現とともに自由度の拡大が図られることとなります。
     本県においても、去る二月定例会で道路法、水道法、図書館法などを初めとする十の法律に規定されていた基準について条例の制定・改正を行いました。このうち三つの法律に関して独自基準を策定しておりますが、そのほかの七つの法律については国の基準どおりとなっており、独自性が十分に発揮されたとは言いがたい状況でありました。
     私は、条例で規定することが可能となった基準のうち参酌すべき基準とされたものを中心として、これまで寄せられてきた行政課題などを勘案して本県独自の基準を策定すべきと考えています。今後条例の制定等が順次行われることと思いますが、住民に身近な行政は地方自治体が自主的にかつ総合的に担うという地域主権改革の理念を踏まえ、どのような考え方で義務づけ・枠づけの見直しに関する条例の整備を進めていくのか伺います。
     次に、東日本大震災に伴う災害廃棄物の本県受け入れの推進についてであります。
     被災地における災害廃棄物の処理の進捗状況は、岩手県で一二%、宮城県では二〇%をようやく超えたところであり、依然として広域処理が必要な状況に変わりはありません。昨日の細野環境大臣の記者会見では、岩手県の可燃物と木くずについて、広域処理の受け入れに係る調整が自治体間で進みつつある状況であるとの話がありました。しかし現地ではまだまだ多くの瓦れきが野積みされている状況であり、そのことが復興に向けた取り組みを阻害している大きな一因となっております。このような被災地の状況は、東海地震が予想される本県においては決して他人事ではなく、他の都道府県との連携のもと互助の精神がより強く求められるものと考えます。
     本県では、今年度これまでに裾野市、静岡市及び浜松市、富士市において試験焼却が実施されたところであり、これまでの結果ではいずれも特に問題はなかったとのことであります。また本県における災害廃棄物の本格的な受け入れについては、五月十四日に岩手県と災害廃棄物の処理に関する基本協定が結ばれ、東北以外では東京都に次いで二例目となる島田市での処理が始まりました。
     このような中、早期の復旧・復興を図るためには災害廃棄物の処理が必要との意識が県民の間にも広がってきていると感じております。我が会派では、県民の安全の確保を前提としながらも、被災地の復興のためには災害廃棄物の処理に協力していくべきと考え、議会として意見書としてまとめ上げるべく先般の二月定例会において各会派と議論をしたところでありますが、結果として一致することができず会派単独で知事に要望したところであります。
     余談ではありますが、岩手県庁の売店では災害廃棄物の処理を受け入れてくれた島田市のお茶を率先して販売する活動を始めたなど、本県への感謝の思いを行動にあらわす動きもあります。
     このような中で、被災地を思うその思いは知事も同様であると思われますが、県として災害廃棄物の処理に今後どのように取り組んでいくのか伺います。
     次に、メガソーラーの導入に向けた取り組みについてであります。
     知事は、ソフトバンクの孫正義氏の呼びかけに応じ、昨年七月他の都道府県とともに自然エネルギー協議会に参加しました。あれから間もなく一年が経過しようとしています。新聞報道によれば、ソフトバンクグループで自然エネルギー事業などを手がけるSBエナジーは、京都府や群馬県、徳島県内でメガソーラーを建設し年内の稼働を目指しており、北海道では国内最大級となるメガソーラーの建設を計画しているとのことであります。
     一方、本県では、中部電力が静岡市清水区に八メガワットのメガソーラーの建設を計画しているものの、残念ながら現時点においては県内でのメガソーラー建設の動きはそれほど活発でないように思います。こうした状況を見る限り、知事が自然エネルギー協議会に参画した成果というものが具体的にあらわれていないと言わざるを得ません。
     さて、来る七月一日からは、太陽光発電を初めとする再生可能エネルギーによって発電した電気を一定期間決められた価格で電力会社が買い取る制度が始まります。決定された買い取り期間や価格は業界団体の要望を満たした形となっていることから、発電ビジネスへの参入を目指す事業者が増加するものと予想され、今がこうした事業者を誘致してメガソーラーの導入を一気に進めるよいチャンスではないかと考えています。
     昨年の六月定例会において我が会派の代表質問に答え、知事は「エネルギーの地産地消を目指していきたい」と答弁されています。確かにこの間、住宅用の太陽光発電への支援については制度を創設し、昨年度、今年度で二十億円を超す予算を計上していますが、メガソーラーの導入については全くと言っていいぐらい動きがありません。
     そこで、知事はメガソーラーの導入に向けて今後どのように取り組んでいくのか伺います。
     次に、介護人材確保対策について伺います。
     県が発表した本年四月一日の本県の高齢化率は二三・八%と過去最高を記録し、また七十五歳以上の高齢者人口の増加、さらには高齢者のみの世帯やひとり暮らしの世帯も増加しています。こうした中で介護施設は増加の一途をたどっていますが、慢性的な人材不足の中そこで働く人材の確保に各施設は大変苦労をしています。
     人手不足の要因としては、介護需要の増大に伴う介護施設等の増加のほか他の産業に比べて賃金水準が低いことが指摘されています。しかし施設等の関係者からお話を伺いますと、介護の現場というと、きつい、汚い、収入が低いというイメージが先行していることが大きな要因になっているのも事実であります。介護職員の所得対策につきましては、今回の介護報酬の改定の中で介護職員処遇改善加算の制度が創設され報酬に反映されたことにより、改善に向けた見直しが行われておりますが、きつい、汚いという介護の悪いイメージの部分につきましては、払拭していく必要があるにもかかわらず有効な対策がとられずに今日に至っている状況にあります。
     介護分野では、転職された方の離職率が高い状況にあり、介護現場で働いていただく新たな人材を開拓していく必要があると考えます。そのためには特に若者に介護職として働きたいという希望を抱いてもらい、卒業と同時に介護職につき定着していけるようにすべきと考えます。
     そこで、若者を初めとした県民の介護職への就業を促進するためにも、介護職場のイメージアップに向けた取り組みが必要であると考えますが県の対応について伺います。
     さて、今月初め富士山静岡空港が開港三周年を迎えました。東日本大震災の影響により航空需要が減少しておりましたがその後は回復傾向にあり、開港以来五月末で約百五十七万人に利用されています。また四月には新東名高速道路が開通し、空港とともに県内の交通ネットワークは確実に充実しております。私は、人口減少社会が現実のものとなる中で地域の活力の維持向上を図るためにはこれらの交通ネットワークを最大限に活用し、交流人口を拡大することが重要であると考えており、関連で三問お聞きします。
     まず、国内外からの観光誘客の推進についてであります。
     観光は、商業や工業、農業など他の産業への波及効果が高いすそ野の広い産業であり、人口減少社会を迎えた我が国の地域活性化を図る上での基幹産業の一つであると考えます。しかし昨年の東日本大震災や震災に伴う風評被害は、日本の観光業界に大きな影を落としました。
     これに対して、県では観光局が一丸となって震災の影響で停滞している県内の観光交流の早期回復を図るため、さまざまなプロジェクトに精力的に取り組んでいただきました。具体的には「がんばろう東日本!ふじのくにゴーゴー!キャンペーン」として、伊豆地域を中心とした緊急宿泊割引キャンペーンを展開したほか、県内の宿泊客を対象にした大井川鉄道や駿河湾フェリーなどの交通機関利用料金の割引や東京等での商談会の開催など、誘客に大変寄与したと認識しております。海外誘客についても、韓国や台湾のメディアの招請を初め台湾での商談会の実施などの風評被害払拭の取り組みは、まことに時宜を得たものでありました。このような取り組みが功を奏したことに加え、三月の台北線の運航開始や四月の新東名高速道路の開通、先日の上海線の武漢への延伸などの追い風もあり、県内の観光交流は増加・回復傾向にあるものと認識しております。
     県の観光部局によると、平成二十三年度の県内宿泊客数は、速報値ですが震災前の二十二年度に比べ九九%まで回復しているほか、ことしの大型連休期間中の観光客数は後半に雨天の影響を受けたものの全体としては対前年比三・七%増の状況ということであります。しかしながら回復の傾向にあるといっても、これは決してゴールではありません。しかも前年対比に使われている平成二十二年度は、観光業にとっては大変厳しい一年でありました。そのことも忘れてはいけないと思うのであります。
     県が昨年三月に策定したふじのくに観光アクションプランの目標に向かって、観光交流を一層拡大していくことが地域の活力につながるものと考えます。
     県では、現在の状況を踏まえ今後どのように国内外からの観光誘客を推進していくのか伺います。
     次に、南北軸となる道路の整備についてであります。
     去る四月十四日、多くの県民が待ち望んでいた新東名高速道路が、他の区間に先駆けて県内百六十二キロメートルにわたって開通し、まさに東海道新時代の幕あけを迎えました。沿線の施設や観光地には県内外から多くの方々が訪れ期待どおりのにぎわいを見せており、新東名の開通は地域活性化に向けた大きな弾みとなっています。この整備効果を県内全域に広げ交流人口の一層の拡大を図っていくためには、新東名と東名から成る東西軸に加え伊豆縦貫自動車道や中部横断自動車道、三遠南信自動車道といった南北軸の整備による交通ネットワークの拡充が必要であると考えます。
     特に伊豆地域では、本県が誇る全国有数の観光地でありながら、半島特有の地形が災いし他の地域に比べ道路網の整備がおくれています。そのため観光シーズンの激しい渋滞や異常気象による通行規制、土砂崩れによる通行どめなど観光客が足どめされるような事態が数多く発生しており、これでは果たして本県の魅力を十分に堪能していただけるものか心配しております。
     現在国が整備を進めている南北軸の一つである伊豆縦貫自動車道は、県が整備を進める国道、県道といったアクセス道路と一体となってこうした交通課題を解決するだけでなく、かねてより地域の課題となっている高次医療施設への救急搬送や大規模災害時の復旧救援活動を支える命の道でもあります。厳しい財政状況のもとでは、今ある道路を有効に活用しながら道路ネットワークを効果的に整備していくことが重要であると考えています。
     そこで、交流人口の拡大に向けて、早期整備が期待される伊豆縦貫自動車道、中部横断自動車道及び三遠南信自動車道の整備状況とあわせて伊豆地域の道路整備のあり方を県はどのように考えているのか伺います。
     次に、サービスエリア、パーキングエリアの活用策について伺います。
     従来、高速道路におけるサービスエリア、パーキングエリアは長距離運転の休憩施設という位置づけではありましたが、新東名高速道路においては、商業施設としての機能が充実しまた一般道からの利用も可能であることからかなりの集客力がある施設となっています。
     先月十八日の新東名インパクト調整会議の発表によると、開通後一カ月間で県内七カ所の大型商業施設ネオパーサには約六百万人もの利用者があったとのことです。また五月三十日の中日本高速道路の発表では、新東名のすべてのサービスエリア、パーキングエリアの一カ月の売り上げは二十八億円に上り、東名高速道路の並行区間を合わせた売り上げは前年同期比で二・四倍になるなど集客力のみならず相当な経済効果を持った施設であります。
     私は、こうした施設や機能をさらに活用していくべきと考えます。将来的にはパーキングエリアにスマートインターチェンジが設置されてまいりますと交通アクセスが向上し、周辺の観光地とこれらの施設との組み合わせによって利用者の魅力をより高めるとともに、地域経済の活性化にもつながってくるものと考えます。
     知事は、新東名を生かして内陸のフロンティアを開く取り組みを推進していこうとしておりますが、まずは既に経済効果が生まれているサービスエリアやパーキングエリアを活用した地域振興策を積極的に進めていくべきではないかと考えます。
     そこで、県は内陸のフロンティアを開く取り組みの中で新東名のサービスエリアなどの活用をどのように考え、進めていこうと考えているのか伺います。
     次に、静岡茶の振興について伺います。
     全国のお茶の生産量の四割、流通量の六割を占める日本一の産地である本県は、小売、資材、運送などの茶に関する業種も多く、茶は本県の産業の中で極めて重要なポジションにあります。そのような中、本県茶業は一昨年の大凍霜害、昨年の放射能問題と二年続けて未曾有の事態に遭遇しましたが、本県茶業関係者はこの危機を契機に関係団体が一丸となり、生産者や茶商の経営の安定対策、さらには静岡茶のPRに取り組んでいると伺っております。近年鹿児島を初めとした他産地の追い上げが一層激しくなっておりますが、静岡には他産地がまねのできない歴史と伝統という大きな財産があります。今年の新茶についても、お茶農家の方々のたゆまぬ努力により近年にないすぐれた品質だと聞いております。
     一方、お茶の最近の消費動向に目を向けると、紅茶やウーロン茶への消費者の関心の高まりを背景に県内でも発酵茶生産に取り組む茶農家がふえている中、昨年度茶業研究センターに発酵茶の製造施設が整備されたと伺っております。さらに本年十一月には掛川市で茶業関係者の大きなイベント、第六十六回全国お茶まつりが六年ぶりに本県で開催され、茶業関係者の方々がお茶の消費拡大の契機にと、このイベントに寄せる期待は大きなものがあると思います。静岡が引き続き我が国の茶業をリードしていくためには、本県の茶業関係者がいま一度知恵を出し合い、新たな需要の創出や販路の開拓に向けて取り組むことが重要だと考えます。
     そこで、県は静岡茶の再生に向けた振興についてどのように取り組むのか、所見を伺います。
     次に、富士山静岡空港株式会社からの提言に対する認識について伺います。
     去る三月二十八日に、富士山静岡空港の指定管理者である富士山静岡空港株式会社から県に対し、空港のさらなる発展に向けて、県が新たに空港ターミナルビルを所有し既に所有する空港基本施設などと一体とした上で空港の運営権を民間事業者に譲渡し、民間の活力を生かした空港の一体的経営を求めるとの提言がなされました。この提案は、県における空港を核とした地域振興対策や防災拠点化に向けた取り組みの始まり、あるいは国管理空港における経営改革への取り組みや各地方空港の生き残りをかけた見直し等空港を取り巻く環境変化を踏まえるとともに、開港当初経済界に求められた役割は達成したとの認識のもとで、時代の変化に対応した次なるステップアップに移行する時期が到来したとの判断に基づくものであるとのことであります。
     富士山静岡空港株式会社は、平成十五年三月に静岡空港戦略プロジェクト会議からの提言を受けた県が当時の静岡県商工会議所連合会会長に空港運営会社の設立に向けた取りまとめを依頼し、これにこたえた県内経済界の主導により設置されたものであります。設立以来今日まで空港に最も身近なところに身を置いて尽力されてきた同社からの提言は、重く受けとめるべきものと考えます。
     この提言を受け、県では現在の指定管理期間が満了となる平成二十六年三月以降の富士山静岡空港の具体的な姿を検討するために先導的空港経営検討会議を設けたところであり、年度末をめどに答申を得る予定と承知しております。
     県は、開港からこれまでの空港運営について、提言を踏まえた上でどのような課題認識を持たれているのか伺います。
     次に、子供の命を守る教育についてであります。
     安全な社会を実現することは、すべての人々が生きる上で最も基本的でかつ不可欠なことであります。特に将来を担う子供たちが安全で安心な環境で生活できるようにすることは、大変重要なことであると考えます。しかしながら近年、学校や地域社会において子供たちの安全を脅かす事件、事故、災害などが発生しており、多くの危険が子供たちを取り巻いております。
     例えば、四月二十五日に京都府亀岡市において、通学中の小学生の集団登校の列に自動車が突っ込み児童等が死傷するという痛ましい事故が発生しました。また昨年の東日本大震災では多数の子供たちが犠牲になり、五月には茨城県で竜巻により中学生の命が奪われるなど、子供の安全を脅かす自然災害が発生しています。
     また、学校管理下における日常生活において、学校に設置している遊具や体育施設・設備等によるけが等の事故があると聞いています。私は、これまで発生した子供の安全を脅かす事故等を教訓にして、環境を整えることはもちろんのこと、子供たちがみずから危険を回避したり被害を最小限に減らすことができるように教育することが重要であると考えます。
     再任された教育長におかれましては、今年度の最重点課題の一つとして子供の命を守る教育を掲げられていると伺っております。
     そこで、児童生徒の学校安全、安全教育についてどのように進められており、また今後どのように取り組んでいくのか教育長に伺います。
     最後に、磐田警察署の不祥事を踏まえた再発防止策について警察本部長に伺います。
     平成十一年から十二年にかけて全国警察で相次いで発生、発覚した警察不祥事を契機に、国家公安委員会と警察庁が国民の信頼を回復するための指針である警察改革要綱を全国警察に示してはや十年余りがたちます。その間、県警も警察改革要綱に盛り込まれた警察行政の透明性の確保と自浄機能の強化、あるいは国民のための警察の確立など四本柱から成る重要課題を実現するため、治安の回復、幹部を初めとする職員の意識改革、不祥事の防止等に向けた各種施策に組織一丸となって取り組んできたものと承知しております。
     そのような中、残念なことにことし三月、磐田警察署の署長ら幹部は、部下三人が盗撮や窃盗事件を起こしたことを知りながら必要な捜査をせずに依願退職をさせたあげく、その事実を県警本部に報告していなかった前代未聞の不祥事が発覚いたしました。この不祥事に関与した署長以下五人の幹部は、犯人隠避の容疑で書類送検されるとともに、懲戒免職などの極めて重い処分を受けたものであります。県警は、この事実を重く受けとめ原因を徹底的に究明して対策を図り、一日も早く県民の信頼を回復するよう努めなければならないと思います。
     そこで、今回の磐田警察署の不祥事を受けて県警は、再発防止にどのように取り組んでいるのかを伺います。
     また、大量退職、大量採用時代にあって県警も警察官が大幅に交代している影響から、警察改革当時を知らない若手警察官が現在では組織の約半数を占めると聞いております。このような不祥事を二度と起こさせないためにも、この警察改革の精神を風化させないことが重要であると思いますが、この課題に対して今後どのように取り組んでいかれるのかあわせて伺い、質問を終わります。(拍手)
    ○議長(小楠和男君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 小野達也議員にお答えいたします。
     初めに、私の政治姿勢についてのうち、知事就任後の成果についてでございます。
     私は、これまで霊峰富士山を仰ぐこの地に、富士に恥じない物心ともに豊かなふじのくに、すなわち徳のある豊かで自立した富国有徳の日本の理想郷を築くという志を持って地域づくりに取り組んでまいりました。そのためのマニフェストでございました。
     重視したのはスピードです。例えば役割の終えた空港部を即廃止して利活用に変えるといったようなことでございますが、マニフェストにつきましては、チーム川勝の御協力を得まして九カ月ばかりですべてが軌道に乗ったという判断ができまして、県内の英知を結集した総合計画を策定いたしまして、昨年の二月二十三日からこれを始めたところでございます。
     それは、県民幸福度の最大化を目指して、静岡県民が誇りと希望を持って人生の質を高めながら活躍する社会の実現に取り組むためのものでございます。それを進捗状況を把握するために、“ふじのくに”づくり白書というものをまとめました。これはこうしたものとしては全国で初めてのものでございます。基本計画に掲げるすべての施策の実績や数値目標の達成状況によって評価を実施したものでございます。目標達成に向けましてより一層の推進を要する分野もありますけれども、全体としてはおおむね順調に推移していると、進捗していると考えております。
     これまでの主な取り組みを顧みますと、軸足が危機管理に移っていることを実感しております。就任直後に発生いたしました駿河湾を震源とする地震によりまして、地震防災対策の重要性を極めて強く認識いたしました。危機管理局を危機管理部に昇格したのもその一環でございます。以後一貫いたしまして減災力、地域防災力の強化に努めてまいりました。
     そうした中、昨年三月に東日本大震災が起こったわけでございます。静岡方式による被災地への支援、ふじのくに津波アクションプログラムの推進、太陽光等の新エネルギーの導入加速などより一層の危機管理対策の拡充に取り組んでいるところでございます。
     第二に、文化力の向上でございます。日本の象徴でございます富士山の後世への確実な継承を図るため、世界文化遺産登録へ取り組んでいることは御承知のとおりでございますが、それと連動する形で富士山の日運動などを推進してまいりました。また空港就航路線の開拓や新東名高速道路の前倒しによる開通、ふじのくに千本松フォーラムの整備など国内外との多様な人的交流を深めることを通して観光を促進し、その結果経済波及効果が出てくるということをねらったものでございます。文化力を向上しながら経済の波及効果をねらうという、そういう取り組みでございます。
     第三に、従来の経済成長路線を充実拡大することでございます。国内外の経済減速や歴史的な円高に対する緊急雇用・経済対策に迅速に取り組んでおります。食材の王国という場の力がございます。これも従来にない地域についてのアイデンティティーではないかと思います。これを生かして新東名高速道路等の交通ネットワークによる食の都づくり、成長産業の育成や地域企業の新分野への参入促進などを進めているところでございます。
     第四に、子育て環境の経済的負担を軽減することを目指しまして、子供の医療費助成の中学三年生までの拡充をいたしました。これは県民の医療・福祉の充実を図るためのものでございます。
     第五に、従来の行政評価が自己評価中心でございましたので、その手法を改めましてふじのくに型事業仕分けを実施いたしました。外部評価を積極的に導入いたしまして、行政の客観性と透明性を高めた、そうした行政運営を実施しているところでございます。
     総じて、総合計画の実現に向けましては、いまだ途上ではございますけれども、ふじのくににおける地域づくりの成功例を全国のモデルにするという気概を持ちまして、多くの情報を聞くために常にオープンな心構えで、現場で解決できるものはその場で解決するという現場主義を基本姿勢といたしまして、スピード感を今はそれを前倒しというふうに申しておりますけれども、前倒しをして、日本の理想郷“ふじのくに”づくりを実現するべく全身全霊をささげているというのが私の政治姿勢でございます。
     次に、津波対策に係る寄附受け入れの仕組みづくりについてでございます。
     三月末に内閣府から大きな津波の予測が出たところでございます。県民の皆様も大変な不安感を持たれていると推察しております。このような折、一条工務店グループから、そしてその直後に植松鈴木組から、それぞれの寄附を申し出なさいまして心から感謝しております。このように民間からの多額の寄附が続いたことは、県民の皆様の津波や防潮堤の整備に対する御関心が極めて高いことのあらわれであると改めて認識すると同時に、力強いお励ましをいただいていると思っております。
     県におきましては、昭和五十一年の東海地震説発表後直ちに地震対策に着手いたしました。現在では全国において防災先進県と言われております。この評価は外国においても高まっていると感じております。そうした中でさまざまな防災対策を進めておりますが、しかし東海地震の震源域に当たる本県におきましては、幅広い地域において津波が五分以内に到達するとの指摘もなされておりまして、東日本大震災の教訓を踏まえて防潮堤整備などハードの対策につきましても、いま一度見直すことが必要です。
     県といたしましては、県民の力を結集いたしまして私たちのふるさと静岡を守るために防潮堤などの津波対策を強力に推進していかねばならないと考えております。そうした中、小野達也議員のほうから御提案をいただきました基金の設置などを通して、皆様の思いを幅広く受け入れるというそういう仕組みづくりを早急に、市民、県民各層からいただけるような基金の仕組みを早急に検討してまいります。
     次に、教育行政のあり方検討会についてでございます。
     今月十六日に開催いたしました教育行政のあり方検討会は、予定では三時間でございましたけれども、実際は非常に充実した議論が終了時刻を終えても続きまして三時間半にわたって展開され、私も初めから最後まで興味深く拝聴いたしました。
     第一回目であります今回の検討会では課題の洗い出しを中心に行いまして、これまでわかりにくいとされていました教育委員会の実態がある程度明らかになったのではないかと考えております。現在の教育委員会は、例えば何度年間において開催されるかといいますと、平成二十一年では七十三回、二十二年度は九十回、平成二十三年度では九十一回です。ところが平成元年では十九回、平成二年では二十一回、平成十年は十五回しか開かれていません。要するに定例会を一月一回やると、それにプラスアルファやっているということでしかなかったので、まともな仕事をしていなかったということは明らかです。しかしながら現在は九十回になっていますから、これを十二カ月で割りますと七回ぐらいやっていると、一カ月にですね。これは大変なハードワークであるというふうに存じます。こうしたことで現在の教育委員の方々が非常に熱心に取り組まれていることは、こうした数字を見れば明らかでございます。
     しかし、現在の教育委員会の背景にある構造的問題が明らかになったのではないかと思います。すなわち教育委員会の事務局が何と四百七十五名いらっしゃるんですが、二百八十名、すなわち六〇%が教員であると。そして百六十九名、すなわち三五%強がそうした教員の方たちが選ばれる、私たちがではなくて教員が選ぶところの職員であると。知事部局から行っているのはわずか五%、二十六名でしかないということでございます。すなわち教育行政にしか従事していない教員と教育事務の職員で占められているというのが実態だということ。したがってそれと表裏の関係でございますけれども、第二に事務局体制が閉鎖的であるということの御指摘もありまして明らかになったところではないかと思います。教育行政システムには構造的問題があるということが明らかになったと存じます。
     例えば、そういう教育の出身の先生方は指導主事と言われるわけですが、その人たちが現場に行ったときに支援とはみなされていないと。むしろ邪魔しに来られるとすら思われる。すなわちそのときだけそのときの状況を整えるということで、実際の支援活動になっていないという厳しい指摘もございました。これは大変に重要です。教育行政と教育の現場との間に乖離があると。我々は、したがってこの教育行政のシステムそれ自体にメスを入れるという必要性を痛感したところでございます。
     このほかにも、さまざまな課題提起がなされておりますので、第二回目以降の検討会におきまして引き続き教育行政の実態を皆様の前に明らかにしつつ、必要な改善策につきましてさらに議論を深めていただくこととしているところでございます。実態が明らかになりますと何をすればいいかがわかるというように考えております。
     次に、メガソーラーの導入に向けた取り組みについてでございます。
     県内におきまして、メガソーラーによる発電事業につきましては、来月から始まる再生可能エネルギー固定価格買い取り制度を見据えまして、清水港近隣の倉庫の屋根への建設や浜松市内の住宅関連企業による建設が計画されるなど導入に向けた動きが活発化しております。県内の金融機関が今月十四日にメガソーラー事業への県内事業者の参入を支援するため開催したセミナーにも、予想を上回る約九十社が御出席くださいました。発電事業への関心の高さがうかがえるところでございます。セミナーには県も参加いたしまして、本年度新たに創設した事業者用太陽光発電設備等への助成制度の積極的な活用を呼びかけました。さらに七月二日には太陽光パネルメーカーや金融機関の協力を得て意欲ある県内事業者が発電事業の運営ノウハウやリスクを習得するためのセミナーを開催するなど、支援を充実しています。大手パネルメーカーに対する誘致活動にも取り組んでいるところでございまして、今後もこれを積極的に働きかけてまいります。
     また、県のホームページ内に、市町等が有するメガソーラーに適した土地情報等を掲載するふじのくにメガソーラー情報バンク――仮称でございますが――これを近日中に開設いたします。県内外の事業者に広く情報発信してまいります。加えて土地利用上の手続の円滑化などを図るために、メガソーラー誘致に向けたプロジェクトチームを庁内に設置いたしまして、導入促進に向けた取り組みを一層強化してまいります。
     議員御指摘のソフトバンクの呼びかけに応じて、私ども自然エネルギー協議会に入ったわけでございますが、当初の呼びかけは八十億円のうち県は一億円だけ、あとはソフトバンクのほうが準備するということでございましたが、少しく中身に入っていきますと実際はそうではないということがわかりまして、八十億円近くもソフトバンク自身がお出しになるわけじゃないというようなことがわかりました。しかしながら自然エネルギー協議会には、今はソフトバンク以外にもシャープ、日立製作所、日本電気、京セラなど数多くの企業が参加されておりまして、自然エネルギーの普及拡大を図るという共通の目標のもとで政策提言あるいは情報交換などを行っておられるので、我々もそこで情報は得るというスタンスでございます。
     本県は、全国トップの日照条件に恵まれた地域でございます。したがって日本一の太陽エネルギーを生かさねばならないということで、メガソーラーのみならず御家庭用あるいは事業者、なかんずく御家庭が一番たくさんございますので、これも設置率は一昨年度から昨年にかけて一五七%伸びました。日本一です。しかしながら絶対数におきましては全国三位です。それ以前は全国七位だったわけですが、これを全国一にするということで今ハッパをかけておりますので、皆様方の御家庭にもぜひ御活用くださいまして、キロワット二万五千円、大体四キロワットお使いになるのでこれは十万円を限度に御助成を申し上げておりますので、ぜひ御活用くださいませ。
     次に、静岡茶の振興についてでございます。
     本県では、聖一国師が八百年ほど前にお茶を持ち込まれて以来、風土の特色を生かしてまことに匠のわざともいうべきすばらしい技術に裏打ちされた最高級のお茶を生産しているところでございます。深蒸し茶を中心に品質、生産量ともに日本一の地位を築いております。「山は富士 お茶は静岡 日本一」と言われるとおりでございます。
     先般、聖一国師がお茶のほか当時の最先端の学問、また禅を学ばれました径山寺のございます浙江省の杭州市――当時臨安といいましたが――そこで開催いたしました静岡県・浙江省二〇一二緑茶博覧会に出席いたしました。本県からは茶業関係者など二百七十二名の交流団が参加し、産業、文化、学術の多彩なプログラムを通じて、三日間で何と五万人に達した来場者とさまざまな分野で交流を深めたところでございます。我々は八百年と言いましたが、向こうは二千年と言われますのでなかなかのものです。
     大変短い期間でございましたけれども、ハンジョウ――杭州市というのは茶の都と言われるということを初めて知りました。茶の都――茶都として知られているそうです。私は、初めて西湖のみならず径山寺あるいは霊隠寺、あるいは茶業研究所、あるいは龍井村、そうしたところがすべて世界文化遺産になっていることを知りまして、実はお茶の文化で世界文化遺産になったのだということをそこで初めて知りました。杭州市が茶の都で世界文化遺産になったということであれば、本県は茶どころというのではまだ表現が不足だとは思われませんか。茶どころといえば宇治もございましょう。嬉野も鹿児島も狭山にもございます。本県は茶の都ではありませんか。まさに生産量、あるいは流通量で四割、六割を持つのがこの本県でございまして、私は、「山は富士 お茶は静岡 竹茗堂」というのがございますが、そうではなく「山は富士 お茶は静岡 茶の都」という自意識を持てると。大体杭州市は人口が八百七十万人います。我々は三百七十五万、二倍以上です。面積は一万五千平方キロメートル、我々は七千八百平方キロメートルですから二倍以上です。それが茶の都ならば、私たちのほうがもっと小ぢんまりとして霊峰富士山に見守られた本当に美しいところだと。茶の都としてどこに出しても恥ずかしくないという自己認識を深めて帰ってまいりました。
     そのために、本館におきまして上がったところには富士山とお茶、これは県議会議長先生の御協力も得まして、踊り場のところから三階にかけましては、富士山とお茶は一体であるということで、実際上無料の写真を皆さんに提供していただきまして飾り立ててございますので、ぜひごらんくださいませ。
     昨年非常に苦しみました茶の放射性物質、この風評で苦しんだわけでございますけれども、本年産の一番茶の検査では十九産地・五十四検体のすべてで検出されなかった。検出器にかからなかったということです。ノット・ディテクティド――NDというように書かれていますが、それほどに低いと科学的に静岡茶の安全性が確認されました。したがって茶業関係団体とともに全国紙を通じて――お気づきでしたでしょうか――六月二十三日、静岡茶の安全・安心を情報発信したところでございます。
     また、県におきましては、新東名高速道路のSA、PAや東京などにおきまして、静岡県のしゅんであり香り高く風味豊かな八十八夜新茶などの静岡茶の魅力を発信いたしております。加えて新たに観光産業やスイーツ業界等の他の産業と連携するセミナーや商談会を開催するなど、販路の開拓にも積極的に取り組んでおります。
     さらに、紅茶やウーロン茶など付加価値の高い発酵茶の生産を推進するために、茶業研究センターに整備した発酵茶製造施設を活用し指導者の育成に取り組むとともに、八月からはこの施設を開放いたします。静岡型の発酵茶づくりに取り組む生産者の技術習得や商品開発を支援するためでございます。
     近年、お茶と健康の関係の研究によりまして、肥満防止、認知症予防などのお茶の機能性と効用が科学的に証明されています。また先日厚生省が公表いたしました健康寿命において、本県の女性が全国一位、男性が全国二位で、県で試算したところ男女総合では一位と、金メダルということでございます。これはさきの週刊誌にも大きく取り上げられております。そこに書かれておりますようにどうして静岡県は日本一なのか。食材が豊富であるからだと、バランスのとれた食事をしている、それからお茶をよく飲むからだとそこに書いてございます。さすがよく勉強しているなと思ったわけでございますが、そのようにお茶の機能性や効用が注目されております。このため掛川市でこの秋に全国お茶まつりが開催されますが、そこで研究者などによるフォーラムを開催いたしまして、最新のお茶の機能性や効用を情報発信するとともに、お茶と健康長寿の情報をわかりやすく提供してまいりたいと考えております。
     これらに加えまして、来年開催予定の第五回世界お茶まつりにおきましては、茶園を眺めながらの茶会や茶摘み、お茶と料理やお菓子あるいは茶器、器など現代のライフスタイルに合ったおしゃれなお茶の楽しみ方を提案するなど、魅力ある茶文化の創造と発信にも取り組んでまいります。
     私どもといたしましては、今後とも市町や茶業関係者と一丸となりまして本県の重要な産業でございます茶業の振興を強力に進めてまいります。
     次に、富士山静岡空港株式会社からの提言に対する認識についてでございます。
     去る六月四日、開港三周年を迎えた富士山静岡空港におきましては、本年五月末までに百五十七万人の方々に御利用をいただきました。特に国際線におきましては五十九万人の方が利用されております。三月には台北線が新規就航いたしました。また今月十八日には上海線が武漢へ延伸されました。航空ネットワークの充実が間違いなく進んでおります。
     富士山静岡空港の運営につきましてもしたがって、そのポテンシャルを最大限に発揮できるよう他の地方空港に先駆けて指定管理者制度を導入したところでございます。それは、民間ならではの創意工夫を発揮した業務遂行によって、空港運営の効率化に一定の成果をおさめたというふうに思っております。
     しかし、近年アジア諸国におきましては、ローコストキャリアいわゆるLCCと言われるものの台頭が目覚ましく、地方空港にも就航するなど富士山静岡空港を取り巻く環境も大きく変わりつつあります。今後さらなる発展に向けた中長期的な観点から対応していくことが重要です。
     現行の指定管理者制度におきましては課題がございます。一つは委託業務の範囲が限られていることです。また二つは例えば着陸料等は県が決定することになっております。こうしたことからより一層効率的で魅力あふれる空港とするためには、民間活力を幅広く導入した新しい運営体制の検討が必要であると認識をしております。
     こうした中、中央政府におかれましては、公共施設等運営権制度によって民間の能力を活用して空港運営を行う新しい手法について議論が進められているところでございます。これをにらみながらでございますけれども、富士山静岡空港株式会社からは、この国の改革に先駆けて時代の変化に対応した次なる経営に移行するべきだとの提言をいただいたところでございます。
     そこで私どもとしましては、先導的空港経営検討会議を設置いたしました。富士山静岡空港の持つ可能性を引き出すために、さまざまな観点から御審議いただくことにしております。私どもとしましては、社会資本としての富士山静岡空港の効用が最大限に発揮されますように、新しい静岡版空港経営体制の構築に向けて積極的に取り組んでまいります。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
    ○議長(小楠和男君) 出野知事戦略監。
           (知事戦略監 出野 勉君登壇)
    ○知事戦略監(出野 勉君) 知事の政治姿勢についてのうち、電力対策への取り組みについてお答えいたします。
     東京電力の料金値上げに対する認識についてでありますが、このたびの値上げは、東京電力の経営状況の悪化を理由にこれまで国及び電力事業者の原子力政策の不備がもたらした代償を一方的に国民や企業に転嫁するものであり、到底容認できるものではありません。
     国民生活や企業活動を取り巻く環境が大変厳しい状況にあることを重く受けとめ、まずは東京電力みずから可能な限りの経営合理化を断行し国民負担の最小化を図るとともに、あらゆる情報を包み隠すことなく公開し国民の理解を得る必要があります。
     このため、本年二月十五日、知事は上田埼玉県知事とともに国と東京電力に赴き、東京電力が突如として四月からの企業向けなどの自由化部門の電気料金の値上げを発表したことへの県民の強い憤りを伝えるとともに、値上げの前に国民の理解が得られる大胆な経営合理化策を断行することなどを要請いたしました。また家庭向けなどの規制部門の電気料金の値上げに関する認可申請を受け、今月一日には関東地方知事会の会長として、国と東京電力に対し値上げ幅の圧縮、あるいは厳しい経営環境にある中小企業等への配慮などを強く要請したところであります。
     現在、国におきまして電気料金の値上げに関する審査が行われておりますので、今後とも国や東京電力の動向を注視し、不合理な対応があれば県民生活や企業活動等を守るため迅速に対応してまいります。以上であります。
    ○議長(小楠和男君) 吉林経済産業部長。
           (経済産業部長 吉林章仁君登壇)
    ○経済産業部長(吉林章仁君) 知事の政治姿勢についてのうち、電力対策への取り組みについてお答えいたします。
     東京電力の料金値上げに伴う中小企業への支援についてでありますが、五月中旬に東京電力管内の中小企業五百社を対象に行った調査におきまして、値上げ対策として企業が最も多く取り組んでいることは節電・省エネによる消費電力の抑制であり、また県に対する要望は国、東京電力への値上げ抑制等の働きかけや新エネ・省エネ設備等への補助でありました。
     このため県では、関東経済産業局、東京電力、各商工団体などと連携をいたしまして、中小企業向けに国や県の支援制度の紹介や経営相談を含めた個別相談を行う新エネ・省エネ関連の中小企業ワンストップ説明・相談会を、六月十八日に下田、二十日に富士、二十二日に沼津で実施をいたしました。各会場では相談が多数寄せられ、個々の企業の取り組みに対してアドバイスや支援制度の紹介などを行ったところであります。二十九日には伊東で相談会を開催する予定であります。
     さらに、中小企業が取り組む節電・省エネ対策が効果的に行われるよう今後無料の省エネ診断を実施いたしますとともに、デマンドダイエットプランなどの料金割引プランの説明、電気の使用状況を監視する機器の導入などを紹介するセミナーを開催いたしますなど、関係部局が連携しきめ細かな支援をしてまいります。
     今後とも国等に対しまして、中小企業に対する節電・省エネ対策への支援の拡大や資金繰りに対する金融支援などを強く要望してまいります。以上であります。
    ○議長(小楠和男君) 小川危機管理監。
           (危機管理監 小川英雄君登壇)
    ○危機管理監(小川英雄君) 知事の政治姿勢についてのうち、浜岡原子力発電所の安全対策の評価についてお答えをいたします。
     福島第一原子力発電所の事故を踏まえ中部電力は、高さ十八メートルの防波壁の設置を初め浸水防止対策や電源設備対策など三十項目にわたる浜岡原子力発電所の津波対策工事を昨年から実施しております。
     これらの津波対策につきましては、浜岡原子力発電所の安全性を増すものとして一定の評価をしておりますが、本年三月に内閣府が公表した南海トラフの巨大地震による想定津波高では、原子力発電所のある御前崎市周辺で高さ二十一メートルに達するとされましたことから、現在整備が進められている防波壁だけでは対策として不十分であると考えております。
     中部電力では、今後国が発表する詳細な津波高や浸水区域のデータを入手し、追加で必要となる対策について検討することとしておりますので、県といたしましては、静岡県防災・原子力学術会議の委員の御意見を伺いながら、中部電力が実施する対策について必要な要請をするとともに、国に対しましては厳正な安全の確認を求めてまいります。
     地震対策につきましては、現時点では福島第一原子力発電所事故の原因がいまだ究明されておらず新たな知見に基づく地震対策も示されておりませんので、国に対しましては、事故原因の早期究明を求めますとともに、それにより必要となる地震対策に加え、南海トラフの巨大地震への対策も含めた新たな安全基準を速やかに作成し、事業者への厳正な指導を行うよう求めてまいります。
     また、中部電力に対しましては、この新たな安全基準を満たす必要な対策を実施することに加え、その過程における徹底した情報公開を強く要請してまいります。
     県といたしましては、今後も静岡県防災・原子力学術会議の御意見を踏まえ、二重、三重のチェックを行い、科学的な観点から浜岡原子力発電所の安全性について検証してまいります。以上であります。
    ○議長(小楠和男君) 土屋経営管理部長。
           (経営管理部長 土屋優行君登壇)
    ○経営管理部長(土屋優行君) 職員のコンプライアンスの徹底についてお答えいたします。
     県として、職員のコンプライアンス意識の徹底に取り組む中、職員の逮捕、起訴という重大な不祥事が続けて発生いたしましたことは、まことに遺憾であり大変深刻に受けとめております。
     不祥事の再発防止に向け、まずは職員全員に対し「身に私を構えてはならない」という公務員としての倫理意識を徹底することが肝要であります。
     このため、六月のコンプライアンス推進月間では、すべての職場において「職員倫理」をテーマに現場の具体的な事例を題材とした意見交換会を行うほか、職員が問題を抱えていたり不安を感じていないか幹部職員が部下職員に個別面談により確認する取り組みを実施しているところであります。
     さらに、出先機関の事業課長などいわゆる直属の上司として職員を指揮監督する立場にある者約千三百人に職場におけるコンプライアンスの推進者としての責任を再認識させるため、新たに全員に対し外部講師による特別研修を県内十カ所で七月中に実施いたします。
     また、組織のトップである出先機関の所長などに対しては、常に危機意識を持って組織を運営するようコンプライアンスを基本に置いた組織マネジメントについての特別研修も計画しております。
     県といたしましては、こうした取り組みを通じ各職場の管理監督職員がその職責を自覚し先頭に立ってコンプライアンスの徹底に取り組むとともに、全職員が常に誠実に職務に励むことを通じて一日も早く県民の方々の県政に対する信頼を回復できるよう全力で取り組んでまいります。以上であります。
    ○議長(小楠和男君) 伊藤静岡県理事。
           (静岡県理事 伊藤秀治君登壇)
    ○静岡県理事(伊藤秀治君) 地域主権改革の推進についてお答えいたします。
     昨年成立した地域主権推進一括法により、これまで国が法令で定めてきた施設・公物の設置管理の基準のうちその一部ではありますが、地方が地域の実情や住民のニーズに応じた独自の基準を策定することが可能となっております。
     これを受けまして、二月定例会では道路法など三つの法律について独自の基準を規定した条例を議決いただいたところでございます。これらの独自基準の策定に当たりましては、施設等を所管する部局が、地域における施設の設置目的を踏まえ、地域の実情、利用者の事情やその経済的負担、施設管理のあり方などについて、関係団体、市町、住民などから意見を伺った上で検討し具体的に定めたものでございます。
     今後、老人福祉法や公営住宅法などにつきまして独自の基準を定める条例の整備を予定しておりまして、施設等を所管する部局では、県民福祉の向上を第一に地域のことは地域がみずから定めていくという地域主権の基本的な考え方に基づき、個別具体的に検討を進め本県の実情に合った基準を策定してまいります。
     次に、交流人口の拡大に向けた取り組みについてのうち、サービスエリア、パーキングエリアの活用策についてであります。
     新東名のサービスエリア、パーキングエリアは、集客力を生かした本県のすぐれた食材の提供の場として、本県が進める食の都づくりの実現に寄与するとともに、スマートインターチェンジ、ヘリポートの併設による防災、医療、観光の拠点としても大きな可能性を持っております。内陸のフロンティアを開く取り組みを進める上で大きな役割を果たすものと考えております。
     県では、高速道路の利活用を推進するため設置した静岡県高速道路利活用推進会議におきまして、その利活用策の検討を進め、ヘリポートの整備・活用、観光情報の発信やレストランにおける地元食材の活用促進などを盛り込んだ新東名利活用プランを本年二月に策定いたしました。
     現在、NEXCO中日本を初め関係者の御協力をいただきまして着実に取り組みを進めております。四月には新東名のヘリポートからドクターヘリによる救急搬送がなされたほか、インターチェンジの近隣にございます文化財の観光情報の発信なども行っております。
     また、議員からも御提案がございましたが、地元生産者が農林水産物の販売を促進するため生産者とテナント等との商談機会の提供にも努めているところでございます。
     今後も、地域住民の皆様や市町の意見を聞きながら、地域の活性化に大きな役割を果たすサービスエリア、パーキングエリアのさらなる利活用を進めてまいります。以上であります。
    ○議長(小楠和男君) 伊熊くらし・環境部長。
           (くらし・環境部長 伊熊元則君登壇)
    ○くらし・環境部長(伊熊元則君) 東日本大震災に伴う災害廃棄物の本県受け入れの推進についてお答えいたします。
     県では、先月十四日に岩手県との間で災害廃棄物の処理に関する基本協定を締結し、七月からの島田市の本格受け入れが円滑に進むよう今議会に補正予算をお諮りしているところであります。
     また、裾野市など四市におきましても試験焼却による放射性セシウム濃度などの測定結果はすべて公開しておりますが、いずれも国や県の基準を大幅に下回り健康への影響に対し問題のないレベルであります。今後住民の皆様の御理解が得られれば本格受け入れが進むものと期待しております。
     県といたしましては、県民の皆様に科学的、客観的データをお示しすることで災害廃棄物の安全性を確認していただくことができると考えておりますので、引き続きすべての情報を積極的に提供してまいります。また市町で実施する災害廃棄物の広域処理に関する講演会やシンポジウムにも協力をしてまいります。
     こうした取り組みを通じて、広域処理に対する県内外の皆様の理解を深めるとともに、岩手県と県内市町との間に入って受け入れ時期や量、搬入方法などの個別の調整を図り、山田町、大槌町の早期復興を支援してまいります。
     なお、先週末静岡市が本格受け入れを表明いたしましたが、受け入れ時期や量などがまだ定まっておりませんので今回の補正予算には計上しておりませんが、本格受け入れが円滑に進むよう適切に対応してまいります。以上であります。
    ○議長(小楠和男君) 池谷健康福祉部長。
           (健康福祉部長 池谷享士君登壇)
    ○健康福祉部長(池谷享士君) 介護人材確保対策についてお答えをいたします。
     介護は専門的な知識と技術が要求されることはもちろんですが、人に対する愛情と深い理解によりさらにすばらしいサービスが実現するやりがいのある仕事であります。しかしながらいわゆる三Kと言われる悪いイメージが先行しており、県民特に若者に介護分野へ就業していただくためにはこのマイナスのイメージを是が非でも払拭していかなければなりません。
     そのため本年度は、新たに実際に介護現場で働く職員の方々による中学校、高等学校への訪問や、県内全域において特別養護老人ホーム等と協力し地域住民の就労を促進する事業などにより、当面する人材不足に対しての対応と若者が介護について理解や認識を深めていただく取り組みを年間を通じて行ってまいります。
     さらに、本県では初めての試みとなりますが、九月にツインメッセ静岡でしずおか介護フェア二〇一二を開催し、介護福祉士養成校や専門職の団体、介護関連企業など関係者の総力を結集して県民の皆様に介護職の魅力をアピールすることとしています。
     県といたしましては、この介護フェアを中心に「輝く、介護のチカラ、しずおか介護力向上キャンペーン」と題しまして、他のイベントとの連携、新聞やテレビ、ラジオでの情報発信など効果的な広報活動もあわせて実施し、介護職のイメージアップを図り現場で働く皆様の意欲を高め、より多くの若者が介護の現場に目を向け就職していただけるよう努めてまいります。以上であります。
    ○議長(小楠和男君) 下山文化・観光部長。
           (文化・観光部長 下山晃司君登壇)
    ○文化・観光部長(下山晃司君) 交流人口の拡大に向けた取り組みについてのうち、国内外からの観光誘客の推進についてお答えをいたします。
     県では、平成二十三年三月に定めたふじのくに観光アクションプランに基づき、富士山や伊豆、浜名湖を初めとする豊かな自然や湯量豊富な温泉、多種多彩で高品質な農林水産物に代表される食などの観光資源を世界に誇れる観光ブランドとして確立し、国内外に向け情報発信してまいりました。
     加えて、本年四月の新東名高速道路の開通を初め今後予定される伊豆半島ジオパークの認定、富士山世界文化遺産の登録、さらには徳川家康公顕彰四百年事業などを新たな観光ブランドとして磨き上げ、首都圏や空港就航先などの市場ごとに最適なプロモーション手法でPRし、効果的な誘客に結びつけていくこととしております。
     国内誘客につきましては、県内の観光関係団体と連携して取り組む大型観光キャンペーンにおいて、「富士山・食・みち」の統一テーマを掲げ、県内宿泊者の八割を占める首都圏や中京圏、関西圏に向け年間を通じた観光プロモーションを実施するほか、札幌や福岡などの就航地においてメディアを活用した情報発信や、しずおかツーリズムコーディネーターによる営業活動を通じて本県への誘客を促進してまいります。
     また、海外誘客につきましては、新たに就航した台北線や武漢線等において現地の旅行会社の県内視察や現地における商談会等観光プロモーションを実施するとともに、本県との友好提携三十周年を迎える中国浙江省や新たな友好提携を目指す韓国の忠清南道、さらにはタイやシンガポールなど経済成長の著しい東南アジアにおいて、観光セミナーや国際観光展への出展等を行うこととしております。
     県といたしましては、今後とも市町や観光協会、観光関係団体等と連携して機動的に各種の観光プロモーションを実施するなど、世界に誇れる観光ブランドふじのくにしずおかの魅力を国内外に向け効果的に発信し、観光誘客に向けて積極的に取り組んでまいります。以上であります。
    ○議長(小楠和男君) 長島交通基盤部長。
           (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
    ○交通基盤部長(長島郁夫君) 交流人口の拡大に向けた取り組みについてのうち、南北軸となる道路整備についてお答えいたします。
     伊豆縦貫自動車道の整備につきましては、東駿河湾環状道路では平成二十五年度の全線供用に向けて工事が進み、今年度天城北道路では湯ヶ島第一トンネルが工事着手、河津下田道路ではU期区間が新規事業化されたところであります。
     中部横断自動車道につきましては、今年度県境を貫く樽峠トンネルで本体工事が始まり、三遠南信自動車道につきましては、新東名から鳳来峡インターチェンジに至る区間が本年四月までに開通し、加えてこれまで現道活用とされてきた水窪から佐久間までの区間において事業化に向けた調査が始まるなど、いずれの道路も国及び中日本高速道路株式会社によって着実に整備が進められております。
     伊豆地域の道路整備につきましては、昨年度より有識者から成る検討会の中で伊豆地域の道路整備のあり方案を取りまとめているところであります。案の中では、伊豆地域の道路ネットワークの将来像が描かれ、道路整備の望ましいあり方として半島の背骨となる伊豆縦貫自動車道とそれにつながる地域内道路ネットワークの早期整備や効率的な道路管理が示されております。
     また、伊豆中央道と修善寺道路につきましては、伊豆縦貫自動車道の概成を予定している平成三十年代半ばまでをめどに、地域住民に配慮した料金割引施策とあわせた無料化時期の調整など利用しやすい道路とすることが望ましいとされております。
     県といたしましては、今後パブリックコメントを実施し広く県民の皆様から御意見を伺いながら、ことしの夏をめどに検討結果を取りまとめ今後の施策に反映していくことで、災害に強く交流人口の拡大にも寄与する道路ネットワークの実現に努めてまいります。以上であります。
    ○議長(小楠和男君) 安倍教育長。
           (教育長 安倍 徹君登壇)
    ○教育長(安倍 徹君) 子供の命を守る教育についてお答えいたします。
     東日本大震災の発生から一年以上が経過した今改めて被災地を視察し、いまだに子供たちの心の傷がいえていない現状等に接し命を守る教育の必要性を痛感したところであります。
     これまでに県教育委員会では、交通安全教育指導者研修会等を通して安全教育を推進するとともに、学校安全推進の手引や防災マニュアルを作成配布し、学校における安全管理の周知徹底を図ってまいりました。
     議員御指摘のとおり、東日本大震災等の教訓から、子供たちがさまざまな知識、技能を活用し、みずからの命をみずから守る能力を身につけるための学習が重要であると考えております。このため交通安全、災害安全、生活安全の三つの視点から、小学生、中学生、高校生の発達段階に応じた系統的かつ横断的な指導が毎日の授業の中でできるよう、教職員用の安全教育指導資料を現在作成しているところであります。この指導資料の活用につきましては、例えば理科で学ぶ天気の変化と社会科で学ぶ自然災害防止の学習内容を関連づけ、風水害による危険から身を守るための行動に結びつける指導などを考えております。
     さらに、近年の事件事故等の教訓を生かして、家庭や地域、警察等の関係諸機関との連携を一層密にしながら、子供たちが安心して学校生活が送ることができるよう命を守る教育を全力で推進してまいります。以上であります。
    ○議長(小楠和男君) 繁田警察本部長。
           (警察本部長 繁田 誠君登壇)
    ○警察本部長(繁田 誠君) 磐田警察署の不祥事を受けて、再発防止についての対応について申し上げます。
     約一年半前、磐田署で発生した組織的な隠ぺい事案につきましては、本件発覚後事態を重く受けとめ、厳正に調査の上署長の懲戒免職を初めとする厳しい処分を行い、県民の信頼を回復すべく再発防止のための具体的な取り組みを進めているところであります。
     本件の発生原因としては、特に個性の強い署長の独裁的な業務管理と副署長以下幹部の補佐能力の不足、さらに本件発生を認知できなかった本部の感度の弱さが推定されます。
     このため、従来の対策に加えて新たに本部長等による副署長との個別の定期面談を行うなど本部トップと直接に認識を共有し、署長に対する側近幹部としての発言力を強化することといたしました。
     また、各部長を三方面に責任分担して各署長と警察改革の精神の再認識について連絡会議を順次行い、さらに本部長等による総合監察や各署巡視の際における署幹部との意見交換などにより、本部と署とのコミュニケーションを活発化させ、県警一体として風通しのよい組織づくりを進めているところであります。
     次に、若手警察官がふえる中での警察改革の精神を風化させないための対策についてであります。若手警察官につきましては、御指摘のとおり、警察改革が唱えられました平成十二年以降の採用者が組織の半数を占め、経験的知識を有する層は減り同精神の希薄化が懸念されます。
     このため、採用時の学校教養、その後の職場教養において同精神の強化に努め、過去及び最近の事件によっていかに刑事・民事上の責任が生じ友人、家族関係が崩壊するかなど心にしみ入る教養を行うなどしております。また若手を指導する立場にあります中堅、年配の警察官に対しては、昇任試験の全階級において警察改革の精神について出題したところであります。理解の不十分な者につきましては今後本部へ招致して確認テストを行うなど、あらゆる機会を通じて県民のための警察、自浄機能の強化、説明と受容の三点を中心とする警察改革の精神の再徹底を図ることとしております。以上であります。
    ○議長(小楠和男君) 小野達也君。
           (十九番 小野達也君登壇)
    ○十九番(小野達也君) 知事の成果については、この一年会派としてまた質問させていただきます。
     警察本部長にもう一度伺いますが、管理機能の重視ということになりますと士気の低下、こういうことにつながるかと思います。県民を守るためにその防止策、もう一度お答えいただきたいと思います。
    ○議長(小楠和男君) 繁田警察本部長。
           (警察本部長 繁田 誠君登壇)
    ○警察本部長(繁田 誠君) 御指摘のとおり警察官の士気を高く保つこと、これは不祥事対策として管理強化をする中におきましても、県民の安全と安心を預かる警察の責任上見失ってはならない最重要ポイントと認識しております。高い士気を保つには、職員個々がみずからの業務に対する達成感、自己実現感覚を強く感じとれるよう環境を整え指導せねばならず、成果に対しては上司から素早い評価が与えられなければなりません。
     この点を補強するため先般本部長賞を設け、格別機転のきいた初動対応等が見られた部署や個人を直ちに表彰し報道発表もしているところであります。
     なお、現在現場における県警察の士気は極めて高く、今後県民の負託に十分こたえられるものと確信いたします。今後とも御支援のほどよろしくお願いいたします。
    ○議長(小楠和男君) これで小野達也君の質問は終わりました。
     議事の都合により休憩します。

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