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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

勝俣 昇 議員

質問分類

代表質問

質問日:

06/28/2023

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
(1)リニア中央新幹線整備に関する対応
(2)浜岡原子力発電所の再稼働と運転期間の延長
(3)逢初川土石流災害検証・被災者支援特別委員会の提言への対応
(4)法人事業税の超過課税
2 新型コロナウイルス感染症への危機管理対策の総括について
3 富士山静岡空港の国際線の完全復活について
4 医師確保対策について
5 不適切盛土への対応について
6 物価高騰等により影響を受ける中小企業への支援について
7 スタートアップ支援について
8 激甚化する自然災害への対応について
9 お茶振興対策について
10 県立高校の魅力向上について
11 闇バイトによる強盗や特殊詐欺への対策について


○議長(中沢公彦君)質疑及び一般質問を行います。
 通告により、十六番 勝俣 昇君。
       (十六番 勝俣 昇君登壇 拍手)
○十六番(勝俣 昇君) 皆さん、おはようございます。
 本日私は、県議会議員選挙後最初の定例会において、自民改革会議所属議員として代表質問の機会を頂きました。静岡県が直面する諸課題に対し絶えず県民目線に立ち、議場の場においては県当局と是々非々の立場で臨んでまいります。ふるさと静岡を次の時代にしっかりと引き継いでいくため本日も論戦を交わしたいと存じます。
 それでは、通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長、教育部長及び警察本部長に一括質問方式で質問を行います。
 まず最初に、知事の政治姿勢についてのうち、リニア中央新幹線整備に関する対応について伺います。
 JR東海によるリニア中央新幹線整備事業は、東京―名古屋間を二〇二七年の開業を目指し現在各地で工事が行われている中、静岡県内では県とJR東海との協議に多大な時間を要し工事に着手できず目標時期までの完成は到底見込めない状況となっております。
 昨年七月本県はリニア中央新幹線沿線都府県で構成する建設促進期成同盟会に入会し、先月入会後初の総会が行われました。席上沿線各知事から、水資源や自然環境をめぐる静岡県とJR東海との問題について打開を求める意見や要望が多く寄せられました。こうした背景には川勝知事が、山梨県側から本県に向け進められている高速長尺先進ボーリング調査をめぐり山梨県内のボーリングで静岡県内の水が引っ張られ山梨県に流出する懸念があるため合意できるまで懸念がある区間での削孔を中断しろとJR東海に申し出たことで、長崎幸太郎山梨県知事から猛烈な批判を浴び、また愛知県の大村秀章知事や神奈川県の黒岩祐治知事ともリニア工事をめぐり衝突を繰り返してきたことで、静岡県がJR東海に対しただ難癖をつけている、工事の進行を邪魔していると思われている表れであります。
 静岡県内においても本年三月二十七日大井川利水関係協議会の場で、JR東海から田代ダム取水抑制案について水利権を有する東京電力リニューアブルパワーと協議を開始するに当たり了解を得たいとする前提条件が提案され、会議後の記者会見では大井川流域市町の首長の一人から、待ったと言ったのは県だけとの発言があり、また四月二十日には大井川流域十市町の首長から、停滞している静岡工区の議論を進めるため国がより強い指導力を発揮することを求める要望書が国土交通省に提出されるなど、県に任せていてはJR東海との建設的な議論が進まないと危機感を募らせたゆえの行動も起きております。
 さらに、元副知事でリニア工事に係る担当理事であった難波喬司静岡市長が山梨県内でのボーリング調査に関し、県の主張に何らの正当性もないとの特別会見を開いたことや、今月十三日の記者会見では担当職員から知事に情報が伝わっていないなど行政内部の連携不足も明らかとなっております。
 以上申し上げたように川勝知事の周りには知事発言に理解を示す者はおらず、今まさに四面楚歌の状態であると言わざるを得ません。川勝知事の独りよがりの行動がクローズアップされることで、静岡県民のみならず多くの国民から静岡県政に対する不信感や危機感を募らせることにつながっているのです。
 そこで、川勝知事に改めて伺います。大井川の水を守ることは十分理解はするものの国やリニア中央新幹線沿線自治体からの早期着手を求める意見や、また大井川流域市町の首長たちが建設的な議論が進まない現状に危機感を募らせている中、リニア建設工事を少しでも前に進めるため今後どのように臨んでいくのか、所見を伺います。
 次に、浜岡原子力発電所の再稼働と運転期間の延長について伺います。
 ロシアのウクライナ侵攻に起因する国際エネルギー市場の混乱や国内における電力価格の高騰への対応、加えて温室効果ガスを発生させる化石燃料から太陽光発電などのクリーンエネルギーへの転換が求められる中、脱炭素電源の利用促進を図りつつ電気の安定供給を確保するため電気事業法など五つのエネルギー関連法を改正するGX脱炭素電源法が国会で審議され先月三十一日に可決したところであります。これにより東京電力福島第一原子力発電所事故後に定められた原子力発電所の運転期間原則四十年延長六十年という枠組みは維持した上で条件を満たせば六十年を超えて運転することが可能となりました。現在全国には建設中も含め三十六基の原子力発電所がありこのうち十基は再稼働しておりますが、七基は原子力規制委員会の審査に合格したものの地元同意や改造工事に時間を要しており、また十基は規制委員会の審査中で断層問題などで合格の見通しは立っておりません。この審査中の十基に本県に所在する浜岡原子力発電所も含まれております。
 福島第一原子力発電所事故を受けた政府要請により停止してから十二年が経過する中、四号機を平成二十六年二月に、三号機を平成二十七年六月に原子力規制委員会に対し原子炉施設設置変更許可を申請し新規制基準適合性審査が継続して行われている状況であります。知事はこれまで、浜岡原子力発電所は津波対策工事などが実施中であること、原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査も継続中でありさらに使用済み燃料の処理方法が確立していないなどの課題があることから再稼働できる状況にないという認識を示されております。
 一方で、国の原子力政策の転換とも取れるGX脱炭素電源法の国会審議中に新聞社が行った浜岡原子力発電所の再稼働や運転期間の延長について周辺自治体に向けたアンケート調査によれば、理解を示す意見と理解できないとする意見で賛否が分かれた状況となっております。
 そこで、GX脱炭素電源法の成立を踏まえ今後浜岡原子力発電所が原子力規制委員会の審査に合格となった場合に、再稼働と運転期間の延長についてどのように考えるのか、知事の所見を改めて伺います。
 次に、逢初川土石流災害検証・被災者支援特別委員会の提言への対応について伺います。
 逢初川源頭部に造成された盛土が崩落し大量の土砂が下流の集落に流れ、死者二十八名、半壊もしくは全壊の家屋百二十八棟に及ぶ甚大な被害をもたらした熱海市伊豆山の大規模土石流災害から間もなく二年が経過しようとしている中、いまだに二百人以上の方が避難生活を強いられ警戒区域に指定された場所に許可なく立ち入ることはできない状態が続いております。この災害を受け県はこの盛土造成に係る県と熱海市の行政対応を検証、評価するため逢初川土石流災害に係る行政対応検証委員会を設置し、昨年五月検証委員会は県と熱海市の連携不足により対応に不備があり行政対応は失敗であったとする報告書を取りまとめております。
 県議会としては、検証委員会の報告書の内容を検証するため逢初川土石流災害検証・被災者支援特別委員会を設置し、県の行政対応の妥当性を評価するとともに再発防止や被災者が安心して生活できる環境の構築、被災者の支援に向けた調査などを行い、行政対応に関する再検証作業の実施など五つの提言を取りまとめ、本年二月二十四日本会議で議決を得て知事に提出したところであります。
 この提言において注目すべきは、行政対応検証委員会が第三者として県と市の行政対応を検証するという目的に対し、スキームに様々な問題点があり真に公正中立な立場で十分な検証が行われる環境が整っていたとは言えず、さらなる検証が必要であるという結論を出している点であります。
 川勝知事は三月二十八日の定例会見において県議会からの提言のうち再検証作業の実施について、これまでの対応で十分とし再検証しないとの趣旨の発言をしております。翌月十三日の会見でも知事は再検証しないとした発言の意図を説明したものの、議会の提言に真摯に向かい合う知事の姿勢が感じられるものではありませんでした。
 来月三日であの災害から丸二年を迎えます。私たち議員は、なぜこの違法盛土を止められなかったのか、そして二度とこのような災害を起こしてはならないという戒めの意味を込め議会として再検証を提言いたしました。
 知事は、本定例会開会日の議案説明において特別委員会が提言した再検証作業について、検証委員会において取り扱われていない新たな視点に基づく提言を重く受け止め県として改めて検証を行い、その結果は速やかに県議会に報告すると表明をしております。
 そこで、知事に伺います。議案説明で話をされたことについて特別委員会が提言した再検証作業に対しどのような考えの下どのような検証項目と検証体制でいつまでに行うのか、お答えください。
 次に、法人事業税の超過課税について伺います。
 法人事業税の超過課税については緊急の地震防災対策、高規格幹線道路などの交通基盤の整備、産業競争力の強化、県民の生命財産を守る事業推進のための財源として昭和五十四年度から実施され五年ごとに見直しを行い継続してきたと承知をしております。
 現在は第九期の期間として地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の掲げる事業の推進と伊豆地域における医療や防災に資する命の道である伊豆縦貫自動車道、大規模な広域防災拠点である富士山静岡空港と御前崎港を南北に連結し緊急輸送路として重要な役割を果たす金谷御前崎連絡道路など高規格幹線道路網の整備に対し法人事業税の超過課税が大きく貢献している中、来年三月で課税期間の終了を迎える状況となっております。
 今年度から計画期間を令和十四年度までとした地震・津波対策アクションプログラム二〇二三が新たにスタートし、犠牲者の最小化や減災効果の持続化を図る上で大変貴重な財源となる法人事業税の超過課税について、その在り方について検討を進めていかなければならないと考えております。
 そこで、来年度以降の法人事業税の超過課税についてどのように取り扱っていくのか、知事の考えを伺います。
 次に、新型コロナウイルス感染症への危機管理対策の総括について伺います。
 新型コロナウイルス感染症については、令和二年一月十五日国内で初めて感染者が確認されて以来約三年にわたり国を挙げてこの未曽有の危機に対処する中、本県においても新型コロナウイルス感染症対策本部が司令塔となり飲食店に対する休業や営業時間の時短要請、イベントの開催制限、医療提供体制の確保、事業者への支援による経済対策など様々な事業を実施してきました。この間県内では八十七万人以上の感染者が確認されましたが、医療関係者の皆様をはじめとする多くの方々の御尽力により未曽有の危機を乗り越えることができました。特に最前線で県民の命を守っていただいた医療・福祉関係の皆様には改めて敬意と感謝を申し上げる次第です。
 一方県においては、新興感染症への危機管理対応として初動対応に問題はなかったのか、保健所業務量の増加に伴う体制は十分であったのか、司令塔機能は十分であったのか、衛生資材などの関連物資の確保は適切であったかなどあらゆる課題に対して大変貴重な経験値を得ることができたと思います。
 感染症法上の位置づけが五類に移行したとはいえ沖縄県では新型コロナが急拡大するなど第九波の感染拡大が既に始まっているとの意見もあり、いざというときこの貴重な経験値を基に万全の備えをもって対処し、また類似の感染症への備えとして次世代に引き継ぎ生かしていくことが重要であると考えます。
 そこで、対策本部が行ってきたこれまでのコロナ対策をどう評価し今後の新たなリスクへの備えとしてどのように生かしていくのか伺います。
 次に、富士山静岡空港の国際線の完全復活について伺ってまいります。
 富士山静岡空港における国際線は、平成二十一年六月の開港以来ソウル線や上海線などが運航し、新型コロナウイルス感染症の影響で全便が欠航となる令和二年三月までの間に二百六十九万人を超える多くの皆様に御利用頂き経済効果が期待できるインバウンド需要獲得の重要な役割を担ってきました。しかし新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより富士山静岡空港のみならず全国的に国際線が止まり海外からの観光客が激減したこともあり、全国の宿泊外国人旅行消費額も過去最高だった令和元年に約四兆八千億円から令和三年には約一千億円まで落ち込むなどコロナ禍において全国の観光産業は大きな打撃を受けております。
 こうした中、国は観光立国の復活を目指し持続可能な観光地域づくりの体制整備、インバウンド回復、国内交流拡大の三つの戦略からなる観光立国推進基本計画を本年三月に策定しています。また本年四月二十九日には日本での水際対策措置が終了し訪日外国人の入国の円滑化が進んでおります。加えて円安の追い風がある今だからこそ海外からの観光客の来訪の窓口となる富士山静岡空港国際線の復活を図っていかなければならないと考えます。
 本年三月二十六日からはソウル線の定期便が運航を再開するなど約三年ぶりに復活した富士山静岡空港国際線は、本年四月の利用者数は五千九十一人となりコロナ禍前である平成三十一年同月の利用者数二万四千二百七人との比較では二一%ではあるものの、コロナ禍からの復活の一歩と感じております。しかしながら観光庁が公表しました今年三月の宿泊旅行統計調査によると県内の外国人宿泊客数は全国の回復基調と比較した場合に低調で持ち直しの動きが鈍い状況が明らかとなっております。早急に対策を講じなければなりません。
 そこで、ソウル線に続き中国路線及び台北線の運航再開による富士山静岡空港の国際線の完全復活を実現し、あわせて新たな就航先の開拓などさらなる発展に向け県としてどのように取り組んでいくのかを伺います。
 次に、医師確保対策について伺います。
 県では、令和二年度に策定した医師確保計画に基づき仮想医科大学であるふじのくにバーチャルメディカルカレッジによる医学修学研修資金の貸与など医師確保対策を進めてきました。しかし本県は人口十万人当たりの医師数が二〇一八年厚労省のデータによれば全国四十位であり、特に病院で働く医師は百四十二・二人と全国の百七十一・六人に比べ二割も少なく依然として医師不足が深刻であります。また全国と県内の地域別比較においても東部の病院勤務医は百三十・五人、西部が百五十三・七人、中部が百四十二・八人といずれの地区も全国を下回る状況であります。かつ県内においては東部地区の医師が少ない地域偏在も課題となっております。
 県は、こうした現状を踏まえ医学修学研修資金の新規貸与枠百二十人の一部を活用し、医学部臨時定員の増員である地域枠を浜松医科大学の十五人に加え県外の九つの大学に五十三人の計六十八人を設置し、九年間のうち四年間を賀茂圏域や富士圏域など医師不足で困っている地域の病院での勤務を義務づけていると承知をしております。しかしながら県内の医師数を増加させるためには九年間の勤務が終わった後も引き続き県内での定着に結びつけていかなければならないと考えております。
 そこで、県はこれまでの医師確保対策の成果をどう評価し今後どのように地域偏在の解消や定着促進など医師確保対策に取り組んでいくのかを伺います。
 次に、不適切盛土への対応について伺います。
 県は、本年四月二十八日に盛土に関し関係法令に基づく手続がされていないなど不適切な盛土百六十三か所について位置や形状、行政の対応状況などの情報を公開しました。公表の目的は、県民の非常時における警戒態勢や避難体制の構築に役立ててもらうことや不適切な盛土の拡大防止などにつなげていきたいとしております。
 しかしながら、今回公表した不適切盛土には熱海市伊豆山地区で発生した大規模土石流の起点近くにある、いわゆる第三の盛土は含まれておりません。この盛土は、熱海市が都市計画法、県が森林法の許可をそれぞれ出した造成地であります。新聞報道によると、十年以上前に擁壁が崩れ土砂流出も発生していながら市も県も開発業者の工事中断に伴い長年にわたり是正指導をやめていたものであります。それにもかかわらず今回公表した際には違法性があるか確認中とし公表には含めなかったとされており、私としては大変疑問に感じております。そもそも公表した情報が不適切な盛土以外に違法性が確定していない盛土を含め網羅していなければ公表した目的が達成されないばかりか県民の不安を増幅させることにつながりかねないと考えます。
 県は、熱海市伊豆山で起きた土石流災害を二度と発生させてはならないという危機感を持って細部にわたり取り組む必要があります。
 そこで、県は県民の安全・安心の万全な体制確保に向け今回指摘された熱海市の第三の盛土のような未確定の盛土を含め不適切な盛土を漏れなく早期に把握するため監視や通報の体制をどのように整えていくのか、また公表した不適切な盛土は百六十三か所と多数になりますがどのように危険性を判断して優先順位づけをし、行為者に対し是正に向けた指導や命令を行っていくのか伺います。
 次に、物価高騰等により影響を受ける中小企業への支援について伺います。
 ロシアによるウクライナ侵攻の長期化によりエネルギーや原材料価格が高止まりし、また国内物価の急激な上昇や深刻な人手不足、賃上げへの対応など中小企業を取り巻く環境は非常に厳しいと言わざるを得ません。加えて新型コロナウイルス感染症の感染拡大を対象に国や自治体の特例措置、支援が順次縮小または廃止される中、民間金融機関を通して実施した実質無利子・無担保融資、通称ゼロゼロ融資に関しても据置期間が終了しこの六月以降返済が本格化する中、本業回復が遅れた中小企業にとっては経営のおもしとなることが懸念されております。東京商工リサーチが公表した本年五月の全国企業倒産件数では、前年同月比を三四・七%増の七百六件と十四か月連続で増加しており今後とも倒産や廃業の増加傾向は続くとされております。
 こうした状況を踏まえ我が会派としては、物価高騰の苦境にある中小企業などへの支援を先月知事に対し要請を行ったところであります。県においては今六月定例会に物価高克服関連予算を計上したところではありますが、負担軽減策と併せ地域経済を持続的に発展させるためには、その担い手となる中小企業の経営基盤強化に向け時代や環境の変化に対応した施策でしっかり支えていくことが大変重要であると考えます。
 そこで、県は当面の物価高騰などに対する影響緩和策の取組と併せてポストコロナ時代の本格回復に向けどのように中小企業支援を行っていくのか伺います。
 次に、スタートアップ支援について伺います。
 スタートアップとは革新的な技術やサービスを生み出す新興企業のことで、近年スタートアップを創出し成長を促進するための取組が世界中で積極的に行われ、中でもアメリカのIT企業を代表とする大手五社によるGAFAMなどは新たな産業の担い手として大きな役割を果たしています。
 しかしながら、日本は海外に比べ開業率が低くスタートアップの数そのものも少なく、昨年二月の時点で企業価値が十億ドル、約千三百億円を超える非上場企業  ユニコーンはアメリカ五百十二社、中国百六十七社に比べ日本は六社と圧倒的に数が少ない状態であります。
 こうした現状を踏まえ国は、二〇二二年をスタートアップ創出元年と位置づけ同年十一月スタートアップ育成五か年計画を策定し支援のための補正予算約一兆円を盛り込んだところであります。この計画ではスタートアップ創業に向けた人材育成、資金供給の強化、オープンイノベーションの創出を施策の柱とし、人材育成に関しては大学発スタートアップの創出支援を地方大学まで拡大するほか小中高生を対象とした起業家教育の支援プログラムの新設など推進施策の一つとしております。
 本県においては、先端技術を持つ首都圏などのスタートアップによる製品やサービスを県内に紹介し県内企業との協業を促すビジネスマッチングイベントTECH BEAT Shizuokaを実施するなど先進的な取組を行っており、本年度当初予算においてもスタートアップ支援事業費として約八千五百万円の新規予算を計上しております。
 一方で、本県の本年五月時点の推計人口は三百五十六万人程度と人口減少は加速度的に進み企業活動にとって働き手を確保していくことが大きな課題となっております。こうした課題に対し県内のスタートアップを活性化させることは新たな働き方の選択肢となり、また県外からのUIJターンの増加にもつながる可能性があり、本県の産業活性化や雇用を支える新たな起爆剤にもなると考えております。
 そこで、県は県内のスタートアップの現状をどのように評価し、また今後どのようにスタートアップ支援に取り組んでいくのかを伺います。
 次に、激甚化する自然災害の対応について伺います。
 今月二日から翌三日にかけて台風二号の接近による活発な梅雨前線に加え線状降水帯の発生も相まって、六月としては記録的な大雨により県内各地で土砂崩れや河川の増水による床上・床下浸水など甚大な被害が発生しております。今回の災害によりお亡くなりになられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、被災された皆様に対し衷心よりお見舞いを申し上げます。
 今回の被災発生を受け我が会派としては、被災地の状況を考慮しつつ迅速に現場確認を行い知事に対し早期の災害復旧対策を講じるよう緊急要請を行ったところであります。
 今回の被害では、磐田市の敷地川堤防の決壊や浜松市の二俣川護岸崩壊、藤枝市岡部の朝比奈川に隣接する県道相俣岡部線の路肩崩壊などいずれも昨年の台風十五号による災害から応急復旧を行った箇所が再び被害を受けたものであり被害が拡大している箇所も認められました。
 土木事務所の職員から被災状況や対応状況、またなぜ同じところが被害を繰り返したのかなど説明を受けました。河川での復旧工事は出水期を避け渇水期に行うことが一般的で、そのため工事期間が限定される中、土木事務所職員のマンパワー不足や建設用資材も災害の規模によっては納入に日数を要すること、また六月のこの時期としては想定外の雨量であったことなど災害対応における諸課題を伺いました。職員の方たちも懸命に復旧対応頂いていることは理解するものの県民の安心・安全な暮らしを守るためにさらなる防災・減災に資する迅速な対応に努める必要があります。
 そこで、近年災害が激甚化する中、災害復旧に当たっては早期対応に向けた各土木事務所の体制の増強を図るとともに、住民に対し復旧に向けたきめ細かい情報提供を行い、また工事の施工内容にあっても過去の例にとらわれない視点を持って迅速、的確な復旧を図るべきと考えますが、県の見解を伺います。
 次に、お茶振興対策について伺います。
 昨今の静岡県の茶産出額は、農林水産省の統計によると二〇二〇年は二百三億円で二年ぶりに首位となったものの三年連続の減少で、二〇二一年は二百六十八億円と増加に転じたもののピークだった一九九二年の八百六十二億円と比べると三分の一以下まで減少しており大変危険的な状況となっております。
 この間、国内においてはコロナ禍で需要の落ち込みが見られた一方、巣籠もり需要による通信販売が増加するなど消費面での動きに一喜一憂する中、海外における緑茶の人気は高く日本から海外に向けた輸出量は二〇一二年の二千三百五十一トンから二〇二二年には六千二百六十五トンと倍以上増加し、静岡県の輸出も増加傾向にあります。
 このため県は、二〇二五年の茶の輸出額の目標を五十八億円と掲げ欧州やアメリカ、アジアを対象にサポートデスクを設置するなど海外に向けた販路拡大の取組を進め、一方でChaOIプロジェクトにより有機栽培やドリンク原料など需要に応じた生産構造への転換を後押ししたり、基盤整備や機械導入など生産性の向上や新製品の開発などの支援も行ってきております。しかしながらChaOIプロジェクトの事業効果はまだ限定的であり、茶業継続に不安を感じている生産者をどう支援していくのか対策の練り直しが必要ではないかと考えております。
 そこで、県は厳しい茶業界の現状を踏まえ今後需要が増加している海外に対しどのように対策を講じていくのか、また茶業再生に向けたChaOIプロジェクトの取組をどのように進めていくのか、所見を伺います。
 次に、県立高校の魅力向上について伺います。
 少子化に歯止めがかからない中、令和五年度の県立高校の志願者数は一万八千五十八人となり、かなりの学校で募集定員を入学者数が下回るなど県立高校を取り巻く環境は大変厳しさを増しております。
 こうした中、県教育委員会は人口減少や近年のコロナ禍、ICT技術の急速な発展など急激な社会環境の変化を踏まえ改めて県立高校の在り方について検討を行い、本年四月県立高等学校の在り方に関する基本方針を策定したと承知をしております。この方針では、行ける学校から行きたい学校への変革、画一から多様への変革などの視点を掲げ生徒一人一人に応じた主体的な学びや多様な学びを展開するとともに、生徒が自ら行きたい学校やカリキュラムを選択できるような体制づくりを推進するとしております。
 ここで示されているような学びや体制を具現化するためには学校、教員の力に加え学校教育に力を貸していただける民間企業や地域住民、自治体など様々な主体と連携し魅力ある教育を推進していくことが必須の条件となると考えます。私の地元御殿場市においては民間企業の方から高校卒業後の職業能力の向上に資する授業に関わりたいなど具体的な相談を頂いております。
 人口減少が避けられない中、県立高校の魅力向上を図りながら時代が必要とする人材の育成につなげるためにも、県教育委員会は積極的に学校教育に力を貸していただける民間企業、地域住民などとの連携を進めていくべきと考えます。
 そこで、今回県教育委員会が策定した基本方針を踏まえ今後さらなる魅力ある学校づくりに向けどのような方向性で臨むのか、教育長の所見を伺います。
 最後に、闇バイトによる強盗や特殊詐欺への対策について伺います。
 全国の刑法犯認知件数は、平成十五年度以降減少していたものの昨年は二十年ぶりに増加に転じております。一方本県の刑法犯認知件数は平成十四年の約六万三千件をピークに、県警察の努力もあり二十年連続で減少し続け昨年は約一万四千件であったと伺っております。
 そのような中、本年一月東京都狛江市において高齢女性が殺害され住宅内から高級腕時計や指輪が奪われる強盗殺人事件が発生し社会を震撼させました。この事件ではSNSで実行犯を募集するいわゆる闇バイトに集まった見知らぬ者同士が実行役として強盗殺人事件を起こしたものであります。また後を絶たない特殊詐欺事件においても、実行役である受け子や出し子をSNSで闇バイトと称し募集する例が目立っております。
 本県においては今までのところ闇バイトによる凶悪事件の発生はないものの、こうした犯罪はいつ発生してもおかしくない状況と大変危惧しております。
 このほど政府の犯罪対策閣僚会議において、SNSで実行犯を募集する手口による強盗や特殊詐欺事案に関する緊急対策プランを策定したところであります。県警察においても犯罪から県民を守り、安全・安心な暮らしを確保するために一歩踏み込んだ対策が必要ではないかと考えております。
 そこで、県民が闇バイトによる強盗や特殊詐欺の被害に遭わない環境をどのように構築していくのか警察本部長に伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(中沢公彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 勝俣議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、リニア中央新幹線整備に関する対応についてであります。
 私はこれまで、大井川の水を守るという強い思いを地域の皆様と共有した上で大井川の水資源及び南アルプスの自然環境の保全とリニア中央新幹線の整備の両立に大井川流域八市二町と一体となって取り組んでまいりました。具体的には、私と流域の市町長さんが直接意見交換を行う場を設けるとともに、流域の市町・利水団体、県とで構成する大井川利水関係協議会などを活用いたしまして丁寧に情報共有、意見交換を行ってきたところであります。今後一層緊密に連携をしてまいります。
 また、流域の市町長さんが国に対し要望されたより強い指導力の発揮につきましては私も全く同じ考えでございまして、これまで県としても繰り返し国に要望してきたところであります。
 国への要望について極めて強力な組織がございます。これをリニア中央新幹線建設促進期成同盟会というふうに言います。これは一九七九年に結成されたものであります。そしてその組織はルート上にある東京都、東から言いますと東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県、愛知県、三重県、奈良県、大阪府であります。これがルート上にある都府県でありまして四十四年前に結成され、これらの都府県は通過県において一駅造るように要請しました。その結果、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県、愛知県、三重県、奈良県、大阪には必ず一駅が造られます。私どものところには駅はございません。どうしてでしょうか。それはルート上になかったからです。
 そして、このルートが提案されたのは二〇一〇年のことでございました。私が知事になりまして一年後のことでございます。そしてこの南アルプスを通るルートは二〇一一年の五月交通政策審議会小委員会というところで答申がまとまりまして、それを国交省が認めました。それが二〇一一年の五月のことでございます。したがって今から十二年前のことでございまして、それから環境影響評価や、それからこのルートについて様々な問題を議論するということになったわけでございます。
 私どもがこれらの要望を正確に皆様方に知っていただくためにこの期成同盟会に入る必要があると私は考えまして、当初は断られたのですけれども昨年の七月にようやく認めていただきました。そしてその総会が去る五月三十一日にございました。もちろんフェース・ツー・フェースでは初めてで私も勇躍して出席した次第でございます。
 このリニア中央新幹線建設促進期成同盟会の総会におきまして、水資源、自然環境への影響の回避、軽減とリニア中央新幹線の早期実現を両立させるという決議がなされました。幾つかの決議がされたうちの第一決議であります。すなわち静岡県の言っていることがこの決議内容に、要望内容に入ったということであります。これはこれまでの本県の基本姿勢と先ほど申しましたとおり同じでございます。
 この総会におきまして山梨県の長崎知事さんから各都府県が抱える課題や懸念を沿線地域全体で共有すべきであるという提案も了承されまして意見交換を行う場が設けられました。今後は関係都府県の知見等も頂きながら課題解決に向けて取り組んでまいります。
 現在県専門部会におきましてJR東海と対話を進めておりまして、丁寧に議論を重ね一定の進捗が見られております。具体的に申しますと山梨県側からの高速長尺先進ボーリングにつきまして、これまでの本県の求めに応じJR東海さんのほうから静岡県、山梨県が合意することを前提に静岡県側から流出したと判断される地下水の全量を戻すという旨の説明がございました。
 また、田代ダム取水抑制案につきましてJR東海に対し東京電力リニューアルパワーと協議を進めるよう繰り返し求めたところ、先日協議を開始したことが発表されました。今後関係者間での協議を加速させてまいります。
 JR東海の丹羽社長さんとは四月に就任の挨拶にお見えになった際に科学的、工学的な議論をして対応を進めていくことで意見が一致いたしました。今後ともJR東海との対話をしっかり進めてまいります。
 県民の皆様が抱く不安あるいは懸念が払拭されてリニア中央新幹線の建設と大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全の両立が図られること、これが重要で全力で取組を進めてまいります。
 次に、浜岡原子力発電所の再稼働と運転期間の延長についてであります。
 今回成立しましたGX脱炭素電源法につきましては、国際エネルギー市場の混乱や国内における電力需給逼迫への対応に加え化石燃料からクリーンエネルギーへの転換が求められる中、脱炭素電源の利用促進を図りつつ電気の安定供給を確保するためのものであり、その趣旨は理解できるものであります。本法律によって改めて明確化されましたように原子力発電所につきましては何よりも安全の確保が大前提であります。そしてその再稼働等の検討は発電所ごとに行われるべきものであります。
 本県に立地する浜岡原子力発電所につきましては、現在津波対策等の安全対策工事が実施されており原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査も継続中です。さらに使用済み燃料の処理方法が確立されておりません。使用済み燃料のプールの空き容量は現在一千八体分しかありません。仮に再稼働すれば、つまり三、四、五号機この三号機が再稼働を同時にいたしますと新たに発生する使用済み燃料は十三か月ごとに出てきますから、僅か一、二年で埋まってしまうということになります。ですからそれ以降は続くことができません。今後浜岡原子力発電所が原子力規制委員会の審査に合格となったといたしましても津波対策等の安全対策工事の完了や使用済み燃料の処理方法などの課題解決の見通しが立っておりませんで再稼働できる状況にはないという認識に変わりはありません。
 本法律によって可能となりました原子力発電所の実質的な運転期間の延長につきましては、現時点では国民の十分な理解を得ているとは言えないと思います。国におきまして同法で新たに義務づけられることになった運転開始後三十年を超える原子力発電所に対する十年ごとの認可などにおいて厳正な審査を行うとともに、国民への丁寧な説明を継続していくことが必要であると考えております。
 県といたしましては、県民の皆様の安全・安心のために国に対して厳正な審査を求めるとともに、中部電力に対して徹底した安全確保を引き続き求めてまいります。
 次に、逢初川土石流災害検証・被害者支援特別委員会の提言への対応についてであります。
 来週の七月三日をもちまして熱海市伊豆山地区における土石流災害発生から二年となります。二十八名の方々の貴い命を失い住民の皆様の生活の基盤である住宅に多大な被害が生じる事態となりましたことは痛恨の極みであります。このような災害を二度と発生させてはならないと改めて強く感じているところであります。
 本年二月県議会特別委員会から行政対応検証委員会の検証結果につきまして御提言を頂きました。その中では、検証の時間や資料の関係から検証の観点が土採取等規制条例に絞られており、その他の各種法令等の運用に関する検証が不十分であるなど検証委員会で取り扱われていない論点を指摘していただいたということでございます。
 県といたしましては、逢初川源頭部における盛土造成等に関わる行政対応検証委員会の検証につきましては委員の御尽力により適切にまとめられたと考えております。しかしこのたびの特別委員会からの御提言を真摯に受け止め砂防法、森林法、土砂災害防止法、都市計画法、廃棄物処理法及び土採取等規制条例に関連しまして新たに御指摘頂いた論点について裁判の場で事実関係の究明が進められているものを除きまして改めて検証してまいります。
 検証の方法ですが、まずは検証の対象法令の所管課等を構成員とする内部の検証組織を設置いたします。徹底した内部検証を行います。そして本年九月定例会、この議会を目途に検証結果を県議会に御報告したいと考えております。その上で第三者等による確認が必要とされる論点がありますれば外部有識者の選定など体制を整えた上で検証を行ってまいります。検証に当たりましては特別委員会の御指摘を踏まえ、事実関係を明らかにし再発防止に向けて何かできることはなかったのかという観点で検証する、また検証結果につきましては検証の過程も含めて公表する、この二点の考えによって臨んでまいります。
 特別委員会からは、再検証に加え行政記録の在り方、復興に向けた被災者支援策などの御提言も頂いております。現在関係部局が連携して対応を進めているところでございまして、被災者の皆様が一日でも早く日常を取り戻すことができるよう復興支援に努めるとともに、再発防止策と災害時支援体制の一層の充実を図ってまいります。
 次に、法人事業税の超過課税についてであります。
 法人事業税の超過課税につきましては、昭和五十四年度から昨年度までに三千六百三十一億円余りの御負担を企業の皆様にお願いし県民の命や財産を守り産業基盤の整備を促進するための財源として活用してまいりました。御負担頂いた皆様の御尽力に対し厚く御礼を申し上げるものであります。
 現在第九期目となる超過課税は、第八期に引き続き地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の推進や災害に強い高規格幹線道路網の整備に活用しております。この結果アクションプログラムの目標でありました想定犠牲者は約十万五千人の八割減少をおおむね達成したところであります。
 超過課税の課税期間は来年三月で終了いたしますが、今年度から十年間を計画期間とする地震・津波対策アクションプログラム二〇二三がスタートいたしました。残る二万二千人の想定犠牲者を最小化するためには、防潮堤や津波避難施設の着実な整備など地震・津波対策のさらなる推進が不可欠であります。
 そのためには引き続き企業の皆様の御協力がぜひとも必要であると考えております。今後、必要となる財政需要の精査を行いますとともに企業の皆様や経済団体、県議会の皆様の御意見を丁寧にお伺いしながら法人事業税の超過課税の取扱いについて検討を進めてまいります。
 次に、激甚化する自然災害への対応についてであります。
 まずは、六月二日からの台風二号により二名の方が犠牲となられました。心よりお悔やみを申し上げます。また被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げるものであります。
 台風二号では、昨年九月の台風十五号に引き続き記録的な豪雨に見舞われ西部地域を中心に甚大な被害が発生いたしました。私は、被災直後の六月六日に堤防が決壊した磐田市の敷地川に赴き磐田市長から要望をお受けするとともに現地を確認しながら被災した住民の方より直接状況をお聞きいたしました。土木事務所には、被災された方や地域の皆様の御意見をしっかりと受け止めて全力を挙げて早期復旧に取り組むように指示したところでございます。県民の生命と財産を守る、これは最優先で取り組まなくてはなりません。この思いは勝俣議員と同じであります。
 災害復旧には速やかに現場に技術職員の投入が必要となります。昨年の台風十五号では被災の少ない土木事務所からの応援に加え全庁を挙げて組織の垣根を越えて職員を派遣いたしました。また今回の台風二号でも直ちに派遣可能な土木技術職員を現地に向かわせるなどいたしまして全力で災害復旧に当たっております。復旧に向けた住民への情報提供に当たりましては被災した地域での説明会を開催するとともに、SNSなどの利用により他の地域にも情報共有するなど市町と連携し地域の皆様へ丁寧に説明してまいります。
 今後の復旧におきましては、再度災害防止の観点から河川の洗掘防止を強化するなどこれまでの通常対策にとどまらず未曽有のこの豪雨の可能性も考慮に入れた対策を行ってまいります。近年台風や線状降水帯などによる豪雨が短期間で連続して発生するなどこれまでの想定を超える災害は新たなステージに入ったものと危機感を強くしているところであります。
 県といたしましては、激甚化、頻発化する豪雨災害からの一日も早い復旧・復興に努め県庁一丸となって豪雨災害に強い地域づくりに取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○議長(中沢公彦君) 森副知事。
       (副知事 森 貴志君登壇)
○副知事(森 貴志君) 不適切盛土への対応についてお答えいたします。
 不適切な盛土につきましては、県庁に盛り土一一〇番を設置し県民の皆様からの情報を一元的に受け付け随時対応することとしております。実施主体として盛土対策課の盛土監視機動班に加え出先機関に約二百四十人の兼務職員を配置し監視体制を整えたところでございます。今後さらに盛り土一一〇番の周知を図り市町や関係事業者団体との連携、監視・通報体制の強化を行い不適切な盛土の早期の把握に努めてまいります。
 また、三次元点群データや人工衛星画像の活用により人の目が届きにくい山間地などにおきましても不適切盛土を効率的に把握できるよう取り組むほか、新たに構築した盛土監視システムを生かし庁内関係部局と出先機関、市町との円滑な情報共有を図ってまいります。
 不適切盛土には盛土のタイプ、盛土の崩壊や変状等の有無、災害防止のための排水施設等の状況、人家等の保全対象までの距離などに応じて崩壊等の危険度や緊急性を評価し優先順位をつけて対応することとしております。特に緊急性が高い盛土につきましては、速やかに地質調査や安全性の解析を行い応急対策を実施するとともに、盛土対策会議の地域部会を開催し市町や警察と緊密な連携を取りながら是正に向けた指導、命令を行ってまいります。
 県といたしましては、不適正盛土の根絶を目指し現場の状況に即した対応を行える体制を確保し対策に取り組んでいくことで県民の皆様の安全と安心の確保に努めてまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 黒田危機管理監。
       (危機管理監 黒田健嗣君登壇)
○危機管理監(黒田健嗣君) 新型コロナウイルス感染症への危機管理対策の総括についてお答えいたします。
 県では、令和二年二月十七日に感染症対策本部を設置し三年余の間、県の司令塔として感染症対策の専門家からの助言を頂きながら感染拡大防止と医療提供体制の確保に全庁を挙げて取り組んでまいりました。感染拡大防止対策につきましては、県独自の警戒レベルと行動制限などに基づき県内外の感染状況を常に監視、分析し県民の皆様に対する定期的な情報提供や注意喚起を継続して行ってまいりました。
 また、飲食店や宿泊施設での安全・安心認証制度の普及などにより集客施設での感染拡大防止の徹底を図ったほか、感染拡大局面においては飲食店に対する休業や営業時間の短縮、大規模な集客施設やイベントの入場制限等の協力要請を行った結果、繁華街や駅などの人流が約六割減少するなど感染拡大の防止に一定の効果があったものと認識しております。
 医療提供体制の確保につきましては、発熱外来の拡充や入院病床、宿泊療養施設の確保、自宅療養者への支援、保健所体制の強化などについて感染拡大や医療の逼迫の状況を踏まえて対応してまいりました。こうした取組の結果本県は、五類移行時点での人口十万人当たりの累計陽性者数は少ないほうから全国十八位、さらに死亡者数では五位となっており、これまでの対策と県民の皆様の危機意識の高さ、医療関係者の御尽力のたまものと評価しております。
 県といたしましては、この三年間で得られた感染症対策の貴重な経験、知見を生かして感染症への対応力を強化するため本年四月に感染症対策の司令塔を担うふじのくに感染症管理センターを開設いたしました。新たな感染症の流行の兆しを把握した際には対策本部と感染症管理センターを中心とした初動態勢を迅速に構築し県民の皆様の生命、身体を守ってまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 村松スポーツ・文化観光部長。
       (スポーツ・文化観光部長 村松毅彦君登壇)
○スポーツ・文化観光部長(村松毅彦君) 富士山静岡空港の国際線の完全復活についてお答えいたします。
 三月二十六日に約三年ぶりに再開したチェジュ航空によるソウル線はイン、アウト双方の旺盛な需要により五月末までの搭乗率は七八%となっております。これはコロナ禍前の令和元年度の年間搭乗率六九%を超える水準であります。
 一方、四月から五月までの二か月間の国際線搭乗者数は、中国路線及び台北線の運休、欠航の影響により令和元年度同期比で二八%にとどまり、議員御指摘のとおり両路線の早期運航再開が不可欠であります。
 これまで幹部職員が、中国東方航空及びチャイナエアラインの日本支社を訪問し早期復便に向けた支援策を提案するとともに、国際線向けに新たに自動チェックイン機を導入して利便性が向上したターミナルビルのPRを行ってきたところであります。今後も積極的に航空会社本社へのトップセールスを行うなど働きかけを強化してまいります。
 あわせて、運航再開の判断材料となる航空需要を確保するため上海や広州への出張機会がある県内企業への訪問や台湾観光協会と連携したSNSを活用したキャンペーンの開催などアウトバウンド需要の喚起に努めてまいります。さらに中国及び台湾で開催される観光やスポーツなどの展示会等への出展、海外旅行会社を対象としたファムトリップなどを通じてインバウンド事業の取り込みにも注力してまいります。
 新規路線の開拓につきましては、三月に実施したベトナムからのインバウンドチャーター便が大変好評だったことから引き続き運営権者である富士山静岡空港株式会社と連携してアジア各地の航空会社とチャーター便運航の交渉を進めてまいります。
 今年は本県が東アジア文化都市、言わば日本の文化首都に選定されました。また九月には杭州アジア競技大会が開催されますことから富士山をはじめとした本県の魅力をアジア地域を中心に発信する絶好の機会であります。この機会を確実に捉え富士山静岡空港株式会社や関係団体と一体となって一日も早い国際線の完全復活を目指してまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 八木健康福祉部長。
       (健康福祉部長 八木敏裕君登壇)
○健康福祉部長(八木敏裕君) 医師確保対策についてお答えいたします。
 医師確保対策の評価についてでありますが、県ではこれまでに千五百十八人に医学修学研修資金の貸与を行い利用医師の県内勤務は着実に増加し今年度は六百七十一人が勤務しております。これは平成二十年度以降の病院勤務医全体の増加数の約半数を占めており本県の医師数の増加に大きな役割を果たしていると評価しております。
 地域偏在の解消に向けましては、令和二年度以降の地域枠入学者は医師少数区域や医師少数スポットでの四年間の勤務が義務づけられたことから、県医師確保計画の一部を改正し今年度から御殿場市、裾野市など医師が局所的に少ない十市区町を新たに医師少数スポットに選定したところであります。令和八年度以降毎年約六十人ずつ増加する地域枠医師を重点的かつ柔軟に医師の必要な地域に配置することにより地域偏在の解消に取り組んでまいります。
 また、今年度から医学修学研修資金利用医師の地域への配置に当たって東部地域の専門研修を担う指導医によるサポートチームを発足いたしました。利用医師との面談に同席頂き東部地域の病院や研修環境の魅力を直接伝えることにより配置を促してまいります。
 定着促進につきましては、これまで専門医資格の取得や維持に対応するキャリア形成プログラムを浜松医科大学や県立総合病院を中心に整備してまいりました。このたび順天堂大学医学部附属静岡病院を中心とするプログラムを新たに整備するなど全県にわたる環境を整えるとともに、プログラム期間中から返還勤務終了後を見据えた相談指導を丁寧に行いきめ細かなキャリア形成の支援に取り組み医師の定着促進に努めてまいります。
 加えて、全国から医師を呼び込み定着を促進するためには魅力ある教育・研究環境の整備が効果的であります。このため仮称医科大学院大学の設置を目指し有識者により準備委員会を開催し基本となる理念や養成する人材像など基本構想の提言に向けて検討頂いております。今後御提言を頂いた上で入学定員や教育課程などより具体的な内容の検討を進めてまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 増田経済産業部長。
       (経済産業部長 増田始己君登壇)
○経済産業部長(増田始己君) 物価高騰等により影響を受ける中小企業への支援についてお答えいたします。
 昨年度から続く物価高騰は、中小企業の経営を直撃し売上げが改善しても十分な収益を確保できないなどコロナからの回復が期待される本県経済にとって大きな足かせとなっております。
 県では、物価高騰等の影響緩和策として昨年七月県制度融資に原油・原材料高対応枠を創設するなど緊急的な支援を実施してまいりました。さらにこの六月補正予算において国による負担軽減制度の対象外となっていた特別高圧契約で受電する中小企業の事業継続を支援するための経費などを計上し先議していただいたところであります。
 また、中小企業がコスト増加分を販売価格に適切に転嫁できるよう、今月七日にサプライチェーン全体における発注者、受注者の共存共栄の関係を築くパートナーシップ構築宣言の取組について経済団体、労働団体や国、県など十三機関による共同宣言を発出いたしました。こうした当面の対策に加えポストコロナ時代の本格回復に向け、新たな事業展開や商品サービスの差別化など事業者自らが取り組む変革や挑戦を企業規模、ニーズ等に合わせた補助事業により後押しし中小企業の生産性向上やイノベーションを促進してまいります。
 県といたしましては、こうした取組を通じて中小企業の収益力の向上を図り、それが賃上げや新たな投資につなげる好循環を生み出すことにより地域経済の持続的な成長を目指してまいります。
 次に、スタートアップ支援についてであります。
 県内企業が抱える課題や社会課題の解決にも貢献し得るスタートアップは、本県の経済成長の原動力となるとともに就職先の選択肢が広がることで雇用を支える新たな担い手になるものと期待しておりその支援は極めて重要であると考えております。
 県ではこれまで、大学発ベンチャーの創出、育成やTECH BEAT Shizuokaの開催、また本年三月には静岡市内にイノベーション拠点SHIPを開設するなどの取組を進めてまいりました。しかしながら東京都や愛知県などの先進自治体に比べると支援が充実しているとは言えず県内で創出するスタートアップも多いとは言えない状況にあります。
 このため、県のスタートアップ支援への取組姿勢を明確化し様々な支援策を効果的、戦略的に展開することを目的に創出、育成、連携を三つの柱とした静岡県独自のスタートアップ支援戦略を八月までに策定することとしております。
 県といたしましては、新たに策定する戦略を基に速やかに効果的な支援策を実施し、スタートアップを県内で創出、育成するとともに県外から呼び込むための環境を整備することで本県がスタートアップに選ばれる地域となることを目指してまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 櫻井農林水産担当部長。
       (農林水産担当部長 櫻井正陽君登壇)
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) お茶振興対策についてお答えいたします。
 本県茶業を力強く再生するためには、海外市場でニーズの高い有機茶の輸出拡大と機能性等に着目した静岡茶の付加価値の創出が重要であります。
 有機茶の輸出拡大に向けましては、今年度国の公募事業を活用して富士市、藤枝市など四地区で県内の輸出事業者と生産者が連携し有機栽培に転換する大規模な産地づくりに取り組んでおります。加えて複数の輸出事業者による大ロットの共同輸送など清水港を活用した低コストな流通体系を検証し生産から海外販路までの新たなバリューチェーンを構築してまいります。
 また、ChaOIプロジェクトにおきましては今年度の新規事業により有機てん茶の加工ラインの整備や有機栽培に適した品種転換等を支援し県内の生産体制を強化してまいります。加えて静岡茶の付加価値を創出するため茶のカテキン等の免疫力に着目した機能性表示食品の開発支援や情報発信を充実するとともに、県が開発した花の香りが特徴の「ゆめすみか」などの品種を活用し若者や女性の嗜好に合った新たな需要を喚起し生産者の経営安定につなげてまいります。
 県といたしましては、静岡茶の海外販路の拡大やオープンイノベーションによる付加価値の創出を図り本県の茶業振興に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 池上教育長。
       (教育長 池上重弘君登壇)
○教育長(池上重弘君) 県立高校の魅力向上についてお答えいたします。
 地球環境問題や急速に進む人口減少など様々な課題への対応が必要な現代において教育の役割として、社会に関心を持ち地域や身近な人のために行動できる人材の育成が強く求められております。
 こうした中、県教育委員会は本年四月有識者による議論を踏まえ県立高校の在り方に関する基本方針を取りまとめました。生徒一人一人が本当に行きたいと思える多様な学校を目指して個性、資質を伸ばす特色ある学校やカリキュラムの設置を推進し学びの変革を実現してまいります。また変革を支えるため、地域との連携や効果的、効率的な資源投入など教育基盤の確立を進めてまいります。
 とりわけ議員御指摘の地域との連携は、学校だけでは提供できない知識、技術、経験を得ることを可能とし生徒が実社会との多様な関わりの中で新たな課題を認識したり学びを深めたりするなど学びの魅力化のために極めて重要であります。また地域のニーズを踏まえたカリキュラムの見直しなど学校そのものの変革にもつながります。
 このため、現在進めているオンリーワン・ハイスクール事業などにおいて自治体と連携した地域課題の解決に向けた学習や企業と連携した商品開発などの取組を深化、充実させ、学校の魅力化を推進いたします。加えて探求モデル校であり国際バカロレア教育の導入予定校でもあるふじのくに国際高校における探求学習の実証的な取組、農業・水産高校等におけるAOI、MaOIプロジェクトとの連携強化などを積極的に推進してまいります。
 今後は基本方針を発展させ具体的な基本計画としてまとめるとともに、賀茂、沼津、小笠の三地区で開催し今後他の地区でも立ち上げを予定している県立高校の在り方に係る地域協議会において、地域の皆様の御意見を伺いながら民間企業や自治体などとの協力体制を構築し地域が一体となった高校の魅力化の取組を強力に進めてまいります。
 県教育委員会といたしましては、地域資源を最大限活用し生徒一人一人が魅力と感じる主体的で深い学びが実践される学校づくりを進め、激変する社会を生き抜く力を持ち地域社会に貢献できる人材を育成してまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 大原警察本部長。
       (警察本部長 大原光博君登壇)
○警察本部長(大原光博君) 闇バイトによる強盗や特殊詐欺への対策についてお答えします。
 犯罪対策閣僚会議において決定した緊急対策プランを踏まえ県警察では静岡県警察特殊詐欺等緊急対策プランを策定したところであり、県民の皆様がこの種事犯の被害に遭わないための各種対策を強力に推進していくこととしております。具体的には被害を防止するための対策として、しずおか関所作戦と称して高齢者の固定電話に犯人から電話がかからないように防犯機能をつけさせたり、NTTが無償提供する番号非通知着信拒否設定の普及促進を図ってまいります。また被害に遭いやすい六十五歳以上の女性を対象とした広報戦略さくらセーフティ作戦を継続するとともに、強盗対策として防犯性能の高い建物部品の設置促進などを推進してまいります。
 さらに、実行犯を生まないための対策としてサイバーパトロールによる闇バイトに関する情報収集及び取締り、投稿者に対する警告及びサイト管理者に対する削除依頼のほか特殊詐欺に加担した少年の生の声を収録した動画を活用しての非行防止教室の開催など青少年を犯罪に加担させないための教育啓発活動にも取り組んでまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 勝俣 昇君。
       (十六番 勝俣 昇君登壇)
○十六番(勝俣 昇君) それでは、御答弁ありがとうございました。
 要望と再質問をそれぞれお願いしたいと思います。
 まず要望です。知事の政治姿勢のリニアに関し知事のほうからリニアに関しての経緯、詳しく説明頂きました。これからどう臨むのかというところで聞いてますけども、改めて詳しく聞いたわけですけどもその中で一点、沿線の促進の期成同盟会これについて知事は情報共有が図れたと、そういうことをおっしゃっております。議案説明の中でも水問題について触れたことがありましたけども、私が思うに今回この質問をしてるのは、知事が思う以上に周りは知事とは足並みがそろってないんじゃないか、こういう感じがするから聞いてるわけです。連携を図ってほしい。知事の思いがですね周りには十分伝わっていない、そういうふうに私は受け止めております。
 その一つが今回の田代のダムの取水抑制案。これはですね、昨年のJRが提案してから何年かかったんですか。この協議が開始されるまで。もう一年二か月ですよ。こういうことを言ってるんです。
 これから水問題以外にもそのトンネル工事での残土の置場問題、またその生態系への影響ですね。こういうものについても、この水問題でこれだけ時間かかってるのにこれから起きてるこういう問題についても当然皆さんは時間かかるだろうと思ってると思うんですね。知事は速やかに情報共有を図りながら取り組んでいくということをおっしゃってますけども、裏腹なんですよ。私はそういうことを感じるからこういう質問をしてます。
 なので、今回の知事の知事として、私が思うには時間をかけることは知事以外、知事であっても知事じゃなくても変な話子供たちであってもできるんですよ、時間をかけることは。ただやはり県政のトップである知事がやるべきことは、こういうこと、困難な問題に対して打開策を提案してこれを前に推し進める。先ほどの丁寧な議論を進めるということでしたけど時間をかければいいってものではない。やはり早く推し進める。二〇二七年も開業できないことがはっきりしてます。
 県としてやはり国策にしっかりと支援していくように、まずこういう課題をですね、しっかりと早く進めていく。こういうスピード感を持って進めていくことが私は知事に求められていることだと思います。
 そういう意味においてしっかりと取り組んでいただきたい。そういう姿が見えてこないと静岡県政が日本国中、国民からマイナスの目で見られる。県のマイナスになると思っておりますので、よろしく取り組んでいただきたいと思います。
 次に、激甚化する自然災害の対応についてであります。
 近年線状降水帯が発生で過去に例のない豪雨災害が頻発化しております。復旧工事に当たっては知事のほうから体制の整備を図っていくもろもろの説明を受けましたが、一番大事なのはですね、過去の例にとらわれない視点を持って対応していく、こういうことが大事なんだろうなと思っております。
 今回の災害を受けて私たちの会派としては、今定例会に災害復旧事業の強化を求める意見書案を提出しております。県においても復旧工事に当たっては当然体制の強化とともに迅速な対応、また先ほど申し上げた施工内容について同じ箇所が同様の災害を繰り返さない、こういう効果的な、また強靱化に資する復旧対応、これも国も今柔軟な体制を取っておりますので県においてもそういう視点を持って対応頂きたい、そういうことであります。
 次に、再質問を行います。
 まず、逢初川の土石流災害の再検証について伺います。
 知事から答弁を頂きました。状況によって内部、県の内部で再検証して九月の議会に報告すると。それで必要ならばさらに第三者委員会を設けてですね、第三者的な立場で検証していくというふうなことでありましたが、私聞いてて思うのはならば最初から、私が言いたいのは公正・中立性、これをどう保っていくのか。この点がやっぱり特別委員会でも重要視した点であります。公正性、中立性をどう保つのか。今回県の内部で行われるということなので果たしてこの点が大変疑問に思うところであって、知事が言ったように九月の報告後必要があればそうやって行っていくということで、最初からすればいいんじゃないかというふうに単純に思ったんですけども、そうは言ってもですね、今回の内部検証を行うに当たって特別委員会が提言で課題として挙げておる公正性、中立性確保。こういうところで必ずこれは問われますんで、この確保をどのように図って検証作業を進めていくのかを伺いたいと思います。
 もう一点が、不適切盛土。これについて副知事のほうから答弁では危険性のところを順次行っていくというようなことでありました。私は質問の中で聞いてるのはどのように危険性を判断するのかって聞いたんですね。その判断基準が答弁の中にちょっと漏れてたような気がしますのでこの点を改めて伺いたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(中沢公彦君) 京極経営管理部長。
○経営管理部長(京極仁志君) 逢初川土石流災害の検証に関する再質問にお答えいたします。
 中立・公正性の確保ということでございますけども、特別委員会から御提案を頂きました。その中には職員の意識改革についての御提言も頂いております。まずは自ら徹底した内部検証を行ってまいりたいと考えております。特に前回の行政対応検証委員会につきましては、資料の提供ですとか議事録の扱い、そうした運営面の観点から検証における公正性、中立性に疑義が示されたというふうに認識をしております。
 このため今後の検証におきましては、検証委員会の報告書の提出に合わせまして検証作業の基となる公文書それから検証組織の議事録など関連文書全てを公表しまして県議会の皆様や県民の皆様に検証の過程を含めて確認をしていただける状態とすることで公正性、中立性を担保したいと考えております。
 さらに、その上で県議会の皆様から第三者による確認が必要との判断がされる論点に関しましては、御意見等を踏まえまして改めて外部有識者の選定など体制を整えた上で検証をしてまいりたいと考えております。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 高畑くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(高畑英治君) 不適切盛土の危険性の判断基準についての再質問について御答弁いたします。
 盛土の崩壊や変状の有無それから災害防止のための排水施設等の状況、人家等の保全対象までの距離など盛土のタイプなどに応じて崩壊等の危険度や緊急性を評価してまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 勝俣 昇君。
       (十六番 勝俣 昇君登壇)
○十六番(勝俣 昇君) それでは、要望を申し上げます。
 逢初川の検証についてであります。
 今公文書等を公表しながら、そして公平・中立性を判断頂くというようなことでありました。この件に関してですね、昨日新聞報道によれば熱海市伊豆山の土石流災害発生後に県が設置をした検証委員会にこの土石流の発生に関わる可能性があるとされる資料が提出されていないと。またですね、今日も新聞報道では資料が加工されたようなそういう記事を見ております。今回県の対応に関する記事がそういうように載る中で今後の検証作業、県庁内で行うということでありますが、どこまで本当に公正性、中立性、また信憑性ですね、こういうものが検証が行われるのか。議会としても、この九月報告がされるということでありますけども注視をしてまいりたい、そのように思っておりますが、県においては悲惨な土石流災害、二度と起こさない、そういう覚悟で臨まれると思いますけどもさらに強い危機感を持って徹底的な検証作業を求めたいと思います。
 また、今回不適切盛土に関しては森林法、砂防法、都市計画法など法令が多岐にわたります。縦割り行政の弊害から自分の所管事務ではないなど責任を回避することがややもすれば生じがちになります。今回県庁内で行われる内部検証を契機として組織文化の弊害をなくし行政対応の強化に結びつけていくよう要望して、私の代表質問を終わります。(拍手)
○議長(中沢公彦君) これで勝俣昇君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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