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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成30年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

増田 享大 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/28/2018

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 静岡県の環境政策について                    
2 企業立地の促進について                     
3 ラグビーワールドカップ二〇一九開催に向けた取り組みに
ついて                              
4 生まれ変わる富士山静岡空港ついて                
5 県立高校第三次長期計画案について 


○副議長(山田 誠君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、四十八番 増田享大君。
       (四十八番 増田享大君登壇 拍手)
○四十八番(増田享大君) 私は自民改革会議所属議員として、当面する県政の諸課題に対し通告に基づき知事、副知事、関係部局長、教育長に一括質問方式にて伺います。
 本県の直面する課題は、進みゆく人口減少社会にどう対応し豊かな本県の営みをいかにして未来につないでいくのか、そのことに尽きるのだと思います。人口減少社会を克服するためには、まず本県の特性を生かした魅力を最大限高めること、そしてその魅力や強みを発信することによって人や企業など新しい息吹も取り込みながら人口が減りゆく地域においても住みたい、住み続けられると思われる地域社会を創造することが重要であり、そのような思いを込め以下質問をさせていただきます。
 まず初めに、静岡県の環境政策について伺います。
 静岡県とはどんな県なのか、全国に誇るおいしいお茶もあり、世界遺産の富士山もあり、また世界に誇るものづくりの宝庫でもあると思います。しかし多くの国民が真っ先に抱くイメージとしては本県の最大の特徴は温暖な気候に恵まれ、そして海・山・川を初めとする豊富な自然を有する環境がとてもいいところということであり、このことは県民はもちろん全国の皆様へのアンケートや意識調査からも伺え、ある意味本県の貴重な財産だとも言えます。
 特に近年、ICT社会の進展とともに、これからの社会を考える上でより快適で新たな社会を創造する際、環境とは重要なキーワードとして注目されています。過去の県議会でも多くの議員の先生方から本県の環境のよさを生かした取り組みや環境先進県に向けた取り組み等、未来志向の環境政策に対する御提言も幾つかあり、知事からも環境のよさに関する他県との優位性や本県が環境先進県であると自負している旨の御答弁もありました。
 しかしながら、県政全般の事業を見てみますと全国に先駆けた環境政策への取り組みや、また環境先進県とは一体どのような県を意味しているのか具体的にイメージしにくい、わかりにくいという印象も受けます。本県における環境政策は主にくらし・環境部が所管し環境局に環境政策課、自然保護課、廃棄物リサイクル課などがあり、それぞれが法律、条例などに基づく業務を行っていただいております。
 私も、過去二年にわたり当時の企画くらし環境委員会に配属いただきましたが、県民の暮らしや環境を守るために日々地道な取り組みを続ける県職員の皆様の御努力には頭が下がる思いがいたし、心から敬意を表するものであります。またその際同時に、これからの静岡県はこれら規制的、保護的環境政策に加えより快適な次世代型社会の創造に向けた、先進的な環境政策にもさらに力を入れることができれば本県の魅力やイメージが一層高まるのだと強く感じました。
 全国に目を向けてみますと、例えば東京都では世界一の環境先進都市の実現に向け東京オリンピック後の二〇三〇年までの政策目標として水素エネルギーや燃料電池車の普及台数など具体的な数値目標も示した取り組みを進めており、このほかにも富山市が進める路面電車、LRT交通を核としたコンパクトシティーづくりや鳥取県における環境立県推進課の創設による次世代プログラムの推進など先進的な取り組みも注目されています。また政府が成長戦略の柱として進める環境未来都市構想において環境未来都市として全国十一の都市と地域が、また環境モデル都市には二十三の都市が選定されるなど各自治体で環境を意識した未来への取り組みが進められています。
 私も、以前東京都や千葉県などの近未来を思わせる都市型の環境政策や徳島県神山町など自然活用型のまちづくりも視察させていただきましたが、本県に置きかえた場合我が県には経済力ある都市もあり、美しい里山や緑豊かな自然もあり、そして美しい湾や港もあり、また先進的な取り組みを行う企業も多く存在するなど決して引けをとらないと感じました。言うなれば静岡県は都市型、自然型いずれの環境政策においても他県と比較して優位性があるはずで、富士山という環境のシンボルとも言える雄大な自然をいただく環境と社会経済のバランスがとれた県土づくりが実現できれば名実ともに我が国を代表する環境先進県になり得るのだと考えます。
 そこで、本県にとって進むべき環境先進県とは何か、どのようなビジョンを持っているのか、県の御所見と、また他の部局と連携して初めて環境先進県が実現できると思いますが、今後どのように進めていくのか伺います。
 次に、企業立地の促進について伺います。
 人口減少社会における地域の活性化にとって企業の存在は不可欠であることは言うまでもありません。そのような中、県当局、市町職員の皆様の御努力により本県への企業進出は大変順調で、一昨年の二〇一六年には年間七十四件と全国第一位の企業立地・進出が進められており、企業進出は県内経済に新しい息吹をもたらすことはもちろん、特に若者の働く場の確保として大変有意義だと考えます。ただ近年の企業進出の内容や状況を見てみますと、以下二つの点で気になる課題も見受けられます。
 一つ目は、進出企業の業種、その事業内容です。古くから静岡県は東西交通の要所という利点を生かし全国有数のものづくり県として発展し、中東遠地区を初め輸送用機械や電気機械、パルプなど幅広い業種の企業が進出、立地してきました。しかし近年では新東名高速道路の開通などにより交通の利便性がさらに高まったことで、倉庫系や物流系の企業進出がより多くなってきたと強く感じています。もちろん物流系企業はネット通販等の伸びもあり今後も成長が見込まれるとは思いますが、特に地域経済の活性化という面では地域の特性を生かしたものづくり企業の進出を改めて意識していくことも必要と考えます。
 もう一つは、進出企業の立地先の分布で、近年では新東名や東名高速道路付近への進出が際立っていることがわかります。しかしながら県全体で見ると企業の進出が難しく少ない地域や偏りも感じられ、必然的にそういった地域では人口減少に歯どめがかからず、私の地元でも山間部はもとより特に沿岸地域への企業進出の難しさを感じています。
 県としましては、そういった地域の振興にも配慮し県土の均衡ある発展を期する立場でもあり、そのような地域でも企業側にメリットを感じてもらえるよう主要交通機関へのアクセス時間の短縮や安く広大な土地の利活用、また国の農工法改正による農工団地への進出業種の拡大などさまざまな分析を通じた対策も求められると考えます。もちろん企業立地政策は基礎自治体との連携が不可欠でありますが、特に企業誘致に苦戦している地域に対しては県としてもより協力し支援すべきと考えます。
 今日、景気回復の影響もあり、県職員の皆様による首都圏等での企業訪問件数も以前には年間約千五百社とも伺っておりましたが、いまや二千社にも上るそうで企業立地日本一の本県にとってさらに飛躍が期待される時期なのかもしれません。
 そこで、県としても好調な企業立地の機運を好機と捉えさらに一段と向上させ、幅広い分野、地域への企業立地を目指すべきと考えますが、今後の取り組みについて所見を伺います。
 次に、ラグビーワールドカップ二〇一九開催に向けた取り組みについて伺います。
 いよいよ開幕まであと一年七カ月となったラグビーワールドカップ二〇一九、予選プールの日程と組み合わせも決まりエコパスタジアムで開催される試合につきましては来月十九日から県民向け先行抽選販売が始まるなど開催が間近になってまいりました。特に来年九月二十八日の日本代表対アイルランド戦は国民注目の一戦でもあり、他の三試合を含め満員の観客の中、日本代表の活躍と世界最高峰のプレーが期待されるところであります。その本大会開催を前に来年度は県と市町、関係団体等が一丸となって準備に取り組む必要があると考えますが幾つかの課題も残っていると思います。
 まず、交通輸送対策に関し昨年六月のテストマッチでは私の地元掛川駅からのシャトルバス運行、掛川、袋井市内からのパークアンドバスライドなどを実施しましたが掛川駅において、ある時間帯でバス待ちの人があふれるなどの課題が残りました。本大会でもバスやタクシー等で移動される方も多く予想されることから、案内や誘導などの受け入れ態勢や現在拡幅工事が進められている県道磐田掛川線における速やかな工事対応など万全の準備が求められると思います。
 また、エコパ周辺のにぎわいづくりに関しましてはスタジアム設置都市にファンゾーンが設けられる開催都市が多い中、本県では静岡、浜松の両市をファンゾーン設置の候補地とするニュースが流れますと私の地元からも多くの驚きの声が上がりました。本大会を成功させるためにも静岡、浜松両市以外の実際に試合が行われるエコパスタジアム周辺、例えば愛野駅からスタジアムまでの空間や掛川駅の周辺、さらには東名掛川インターチェンジから会場へ向かう磐田掛川線沿いなど選手や観客の動線に沿ったさまざまな場所でにぎわいを創造することも重要で、世界的イベントを地域の観光や産業振興にとっての起爆剤にしたいとの地元の期待も膨らんでいます。
 県としても、静岡、浜松両市の会場に限らずエコパスタジアムを初め開催地周辺においてファンゾーンとは別ににぎわいづくりのための仕掛けをしていく必要があり、周辺自治体等の取り組みにも積極的に支援すべきで、ラグビーの普及や大会のレガシーを創出するためにもさらに機運を高めその取り組みをより一層進めていく必要があると考えます。
 そこで、こうした課題を踏まえ間近に迫ったラグビーワールドカップ二〇一九開催に向け県としてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、生まれ変わる富士山静岡空港について伺います。
 平成二十一年に開港した富士山静岡空港はことしで開港九年目を迎え、これまでに四百八十万人を超える方々に利用されており、文字どおり本県の空の玄関口として成長を続けてきました。この間、東日本大震災や国際情勢の影響等により利用者が伸び悩むなどした時期もありましたが、景気の回復や県を初め関係者の御努力にもより昨年一年間の利用者数は過去二番目となる約六十六万人でありました。特に国が進める観光戦略も功を奏し近年の訪日外国人旅行者数の増加は著しく、昨年一年間では国全体で約二千八百六十九万人と五年連続で過去最多を記録し、本県においても昨年一月から十一月までの外国人宿泊者数は約百三十八万人と七年前の平成二十二年と比較して実に約二・三倍となっております。
 さらに今後、二〇一九年のラグビーワールドカップや二〇二〇東京オリンピック・パラリンピックも控え訪日外国人を初めとする観光客の一層の増加対策を講じいかにして県内に宿泊、滞在し食事や買い物など消費行動につなげられるかが重要であり、とりわけ空の玄関口である富士山静岡空港の活用による空港近隣への経済波及効果を高め広めていく取り組みも期待されています。そのためにも来月オープンするふじのくに茶の都ミュージアムや、今朝新聞報道で公表されましたが、島田市におけるアウトレット計画など大変喜ばしいニュースも入ってきております。こういった周辺施設との連携や国道四七三号線に加え空港につながる周辺のアクセス道路を多面的に計画、整備していくことも求められ、その核となる富士山静岡空港が今まで以上に便利でにぎわい、発展していかなくてはならないと考えます。
 こうした中、新たに出雲線の就航が決まったほか本年には空港旅客ターミナルビルの改修・増築工事が完了し平成三十一年度からは空港民営化が予定されるなど新しい空の玄関口としての準備が進んでおり、地域経済の発展に貢献する空港となることを大いに期待しております。
 そこで、第二の開港とも言えるような転換期にある富士山静岡空港について今後の取り組みを伺います。
 最後に、県立高校第三次長期計画案について伺います。
 昨年十一月中旬に県教育委員会から公表された県立高校第三次長期計画案において、私の地元掛川市横須賀地区にある県立横須賀高校と御前崎市浜岡地区の県立池新田高校との統合改編案が示されたことは突然の出来事でもあり、私も驚きを隠せませんでした。県教育委員会では少子化により生徒数が年々減少する中、一学年六から八クラスを適正な規模と考え四学級以下になるような学校は今後も改編を進めていきたいという内容で、これまでも一昨年までの第二次長期計画において県内二十二校を対象に改編が行われ十校の新構想高校が誕生しております。
 しかし、新聞やテレビ等で計画案が報道されると、高校がなくなってしまうと思われた方も多く地元では大きな動揺が広がりました。そして同校の存続を願う地元地域や学校関係者により急遽横須賀高校を守る会が発足、年末年始の短期間で一万四百六十八人分もの存続を求める署名も集まり、去る一月二十四日県教育委員会木苗教育長、そして川勝知事宛てに署名が提出されました。また地元掛川市議会からも地域経済や町の活性化への影響から同校の存続を求め計画案の見直しを求める意見書も先週提出されたところであります。これらは地元や学校関係者らに対し事前の説明や協議の機会もなく報道が先行してしまったことが最大の要因で、当局側の事情を加味しましても公表の仕方や進め方にはもう少し配慮が必要だったと言わざるを得ず、まず住民を代表する私の立場から苦言を呈したいと思います。
 計画案の内容に関しましては、今後十年間で約四千人の中学校卒業者数の減少が見込まれる中、よりよい教育環境に向けた学校の統合による改編は避けられないとの思いもありますが、その内容や進め方に関しては幾つかの疑問が残ります。
 まず、昨日もお話がありましたが、学校の適正規模、一学年のクラス数に関し県では一学年の適正なクラス数を六クラスから八クラスとしていることです。現在両校とも一学年四クラスで将来的にクラス数の減少も予想されますが、他県では四クラスから八クラスを適正な規模とする県も多く本県の適正規模の目標はかなりハードルが高いとも言えます。このほかにも現在一学年五ないし六クラスの高校は県内に四十一校存在し、今後この規模を維持することが難しい高校も予想されます。またこの二校は距離にして東西に約十五キロメートル、二つの市にまたがる統合案であり両校のすばらしい校風の存続や地域への影響、また最も懸念される通学環境の悪化から生徒の通える学校の選択肢を狭めてしまわないかという不安も残ります。
 現在、両校に通う生徒八百九十九名のうち自転車通学は約五三%で横須賀高校には西側の袋井市浅羽地区、磐田市の福田、竜洋地区から四十分から五十分かけて通う生徒もおり、いずれかの高校になった場合物理的に自転車通学が不可能な生徒が発生する可能性があります。またバス通学も約一九%おりますが、バスの運行は現在二社の民間企業に委ねている状況でこのままでは路線確保の不安や保護者の経済的負担の増加も懸念されます。そして何よりも、もし仮に学校がなくなるようなことがあればまちの衰退も懸念され、地域の企業にとって高校は貴重な人材の宝庫でもあり企業の存続にも影響が出かねません。また横須賀高校の特に郷土芸能部に代表される地域密着の活動は県が目指す今後の理想とする学校像そのもので、池新田高校も同様、両校の存在が地域に果たしている効果ははかり知れないのだと思います。
 県が目指す有徳の人づくり大綱における宣言文には教育における地方創生を実現するとその一行目に記されておりますが、計画案はこれに逆行するものではないでしょうか。県教育委員会としましては生徒の学ぶ環境が第一かもしれませんが、地域に与える影響もしっかりと考慮し地方創生とあわせて考えるべきではないでしょうか。県教育委員会に対しましても子供たちのことはもちろん、地域のこともしっかりと考慮していただくよう強く求めたいと思います。
 そこで、県教育委員会としてどのような観点から今回のこの計画案を策定されたのか、また地域社会における高等学校の存在をいかに捉え、教育による地方創生の観点から今後どのようにして魅力ある学校づくりを進めていこうと考えているのか、その所見を伺います。以上、私の質問といたし答弁を求めます。
○副議長(山田 誠君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 増田議員にお答えいたします。
 生まれ変わる富士山静岡空港についてであります。
 富士山静岡空港は、このところ国内線、国際線ともに堅調に推移しております。昨年の利用者数は開港以来二番目に多い六十五万九千人と相なりました。空港のさらなる発展のためには、新規路線の開拓と既存路線の利用拡大が重要であります。このため新規就航する出雲線を含む各路線の利用促進を図ってまいります。国際線につきましては、昨年七月に国土交通省より訪日誘客支援空港の認定を受けました。旺盛な訪日需要を取り込むため、この制度を活用いたしまして新規就航や増便を行う航空会社を対象として地上業務に係る助成制度を創設するなど路線誘致に積極的に取り組みます。また空港の機能と利便性を向上させるため、十月の完成を目指し現在旅客ターミナルビルの増築・改修工事を進めているところであります。
 四月には西側の増築部分におきまして新たな国内線エリアの供用を開始いたします。先日、開館二カ月で来館者数が十万人を超えた富士山世界遺産センターと同じく坂茂さんの設計によるものです。国内外の利用者をお迎えするにふさわしいふじのくにの空の玄関口となると確信しております。
 さらに、富士山静岡空港に隣接するふじのくに茶の都ミュージアムが三月二十四日にオープンいたします。こうした周辺の施設とも連携を進めまして、地域のにぎわい創出に貢献するように取り組んでまいります。
 運営権制度の導入につきましては、民間の経営力や創意工夫を生かした空港運営を実現するため現在応募のあった二社からの提案を審査しているところでございまして、三月中に優先交渉権者を選定いたします。そして来年度には運営権設定にかかわる議案を県議会にお諮りするなど、制度導入に向けた取り組みを着実に進めます。
 県といたしましては、このように新たに生まれ変わる富士山静岡空港が首都圏空港の一翼を担う空の玄関口として、また県内経済の発展に大きく貢献できる社会資本として活力と魅力にあふれる空港となるよう引き続き全力で取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(山田 誠君) 吉林副知事。
       (副知事 吉林章仁君登壇)
○副知事(吉林章仁君) ラグビーワールドカップ二〇一九開催に向けた取り組みについてお答えをいたします。
 ラグビーワールドカップ二〇一九の開幕まで残すところ一年半となりました。大会の成功に向けて、昨年六月の日本代表対アイルランド代表のテストマッチ等で得られた課題に確実に対応し万全の準備を進める必要があります。特に議員御指摘の主要駅からのバス輸送等の交通輸送の円滑化や観客サービスとしてのエコパ周辺のにぎわいづくりは重要な課題であると認識をしております。
 観客の輸送に関しましては、テストマッチの検証によりまして掛川駅のシャトルバス乗り場に多くの利用者が滞留した問題や試合の終了後にツアーバスが一斉に会場から出発したことなどにより発生した交通渋滞などの課題が明らかになりました。今年度はこれらの課題を踏まえまして試合日程や試合時間に合わせた適切な輸送手段や輸送ルート、乗降場所に関する基本計画を策定しているところでございます。来年度はこの基本計画をもとに鉄道、バス、タクシーの交通事業者や関係行政機関等を集めた協議会を組織いたしまして、大会組織委員会と細部の調整を行いながら交通輸送実施計画を策定しワールドカップ本番での対応に万全の準備を図ってまいります。また日常的な渋滞の緩和を目的として実施しております県道磐田掛川線の道路拡幅工事につきましても、大会時の混雑緩和に向けて早急に進めてまいります。
 エコパ周辺のにぎわいづくりにつきましては、国内外から訪れた観戦客のおもてなしのために大変重要だと認識をしております。会場周辺のにぎわいづくりにつきましては、観客輸送との調整や大会スポンサーとの関係などの配慮が必要であります。大会組織委員会から配慮すべき具体的な内容を聴取した上で関係市、商工団体、観光協会等と一体となった取り組みによりまして来場者が本県の魅力を十分満喫いただける、おもてなしの空間づくりを図ってまいります。
 来る三月十九日には、県民の皆様を対象にエコパスタジアムで行われる試合のチケットの先行抽選販売が始まります。県といたしましては、多くの県民の皆様にお越しいただけるようPRに努めてまいります。
 今後、大会準備を確実に進めまして世界最高峰のラグビーを体感できるラグビーワールドカップ二〇一九の本県開催を成功させるとともに、ラグビーのさらなる普及と新たなファンの拡大に向け全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 木利夫君登壇)
○くらし・環境部長(木利夫君) 静岡県の環境政策についてお答えいたします。
 快適で恵み豊かな環境は、全ての人々の願いであるとともに人々の生活の基盤であります。良好な環境なくして文化的な生活も経済的な発展もあり得ません。
 我が国を取り巻く環境問題は、高度経済成長期の工場や事業場を発生源とする産業型公害問題から自動車排出ガスによる大気汚染などの都市・生活型公害問題へ、さらに現在は温暖化など地球規模の問題へと移行しております。深刻さを増す地球環境の悪化は国連でも喫緊の課題として認識されており、持続可能な開発を経済、社会及び環境の三つの側面においてバランスがとれた形で達成していくSDGsの理念のもと各国において環境対策が進められております。
 本県の環境政策の長期的大綱であります静岡県環境基本計画は、環境の理想郷“ふじのくに”の創造を基本目標として掲げ未来に恵み豊かな環境を継承していくため低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の三つの社会づくりに取り組むこととしており、こうした社会の実現を環境先進県としての姿であると捉えております。
 実現に向けた具体的な取り組みといたしましては、世界的な課題である地球温暖化対策として国を上回る目標を定め温室効果ガス排出量の削減を推進いたします。また水や資源の循環を確保するため、全国に先駆けて地下水の賦存量を適切に把握し適正かつ持続的な利用を進める地下水マネジメントにより産業活動との両立を図ります。さらに廃棄物の削減と再利用に向けたリデュース、リユース、リサイクルの3Rを推進いたします。また富士山を初め世界に誇る本県の多彩で豊かな自然を後世に継承していく行動計画となりますふじのくに生物多様性地域戦略を今年度中に策定し希少野生動植物などの自然を守るとともに、生態系を保全、再生、創出することを目指してまいります。
 本県は、先人たちが自然と共生した生活を営む中で大切に守られてきた壮麗かつ雄大な環境、いわばマジェスティックガーデンとでも呼ぶにふさわしい地域であります。環境は豊かな暮らしや経済、社会の持続的発展を支えその原動力になるものという観点に立ち、全庁を挙げて環境の理想郷“ふじのくに”の創造に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 渡辺経済産業部長。
       (経済産業部長 渡辺吉章君登壇)
○経済産業部長(渡辺吉章君) 企業立地の促進についてお答えいたします。
 本県には、輸送用機械、電気機器、紙・パルプなど日本経済を代表する基幹産業を中心に多くの産業が立地しております。自動車のEV化など産業構造が大規模な転換期を迎える中、本県経済を持続的に発展させるためには既存産業への支援を継続しつつ本県の強みを生かした成長産業分野の企業の誘致に取り組むことが重要であります。このため成長産業分野の工場、研究所の立地について企業立地補助金の補助率を上乗せしているほか成長産業分野向けの制度融資を用意し医薬品、医療機器、食品、光産業を対象とした静岡新産業集積クラスターや航空宇宙、CNF等に関連する企業の誘致活動を積極的に進めているところであります。
 また、企業立地補助金につきましては、昨年十一月に県内企業の定着をより一層促進するため複数回助成する場合の要件を緩和したほか、地域経済を牽引する企業の集積を図るためマザー工場や拠点化工場に対する支援を拡充したところであります。さらに進出を検討中の企業の皆様にまずは全国トップクラスの防災先進県としての取り組みを理解していただくことが肝要であるため、“ふじのくに”のフロンティアを拓く取り組みとあわせて静岡方式による防潮堤などを紹介する見学会を継続的に開催しております。また津波やがけ崩れ等に関する安全対策に要する経費を企業立地補助金の対象に追加し、沿岸部や山間部で操業を行う企業への支援を強化しております。
 県といたしましては、こうした取り組みを通じ本県への企業立地の促進を図り富国有徳の美しいふじのくににおける人づくり・富づくりを推進してまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 県立高校第三次長期計画案についてお答えいたします。
 ふじのくに魅力ある学校づくり推進計画案は、今後の十年間の県立高校の基本的な方向性を示したものであります。今後の生徒数や卒業後の進路状況、多様化する生徒の価値観のほか社会が求める労働人口の確保や勤労観の醸成、新産業の担い手としての期待や福祉、環境分野での人材のニーズなどを踏まえて策定しております。
 基本方向といたしましては、知性を高め技芸を磨く教育の実現に向けて生徒の能力を最大限に伸ばす教育の提供とそのための環境整備に努めるとともに、高校の特色化には学力の基礎を十分に学んだ上で生徒や社会の多様化するニーズに柔軟に対応することとしております。具体的には普通高校や専門高校におきましてはスポーツに関する学科の設置や国際バカロレアの教育プログラムの導入を検討するとともに、中山間地域等の学校ではICTを活用した遠隔教育システムの導入等を進めていくことにしております。このほか共生・共育の推進や学校施設の整備、教職員の資質向上にも積極的に取り組んでいくこととしております。なお充実した教育を実施するためには一定の学校規模が必要でありますが、高校の配置を考えるに当たりましては地域バランスや学科の状況に加え過疎地域等の実情にも配慮することとしております。
 昨年十一月に公表した当計画案に対しては、県民の皆様からいろいろと御意見をいただいており、高校教育に対する期待や思いを強く感じているところであります。
 県教育委員会といたしましては、地域の実情も踏まえ生徒がよりよい環境のもとで学び続けられるよう魅力ある学校づくりに取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 増田享大君。
       (四十八番 増田享大君登壇)
○四十八番(増田享大君) それぞれ御答弁をいただきましてありがとうございました。
 要望を二点と再質問を二問させていただきます。
 ラグビーワールドカップに関しまして、例えば地元の掛川祭、お祭りの三大余興の一つであります仁藤の大獅子というのがあるんですけれども、そういった皆さんが大会当日に盛り上げに参加したいですとか、遠州地域はよさこいといって女性の方を中心にストリートパフォーマンス、踊りをされる方も大変多くいらっしゃるんですが、そういった方も参加して地元の文化や日本的なおもてなしをしたいと思われる方が非常にたくさん既にいらっしゃいます。主導権は大会組織委員会だと思いますが、ぜひそちらのほうに、県当局側から地域の皆さんがたくさん参加できるイベント、大会になりますように御要望いただきますように要請させていただきます。
 環境政策につきまして、知事に御答弁いただきたくて第一問目にさせていただきました。私は県政の全般の政策の理念というのがなかなかわかりにくいという思いを持っていまして、ジャパニーズドリームもあるのかもしれませんが、ある意味政策の横串として環境という切り口はいかがでしょうかという提案でございます。もちろん環境の理想郷をつくる、環境基本計画を推進すると言いつつ、またそれが各部局に浸透しているかというとなかなかそこは疑問符がつくんだと私は思っています。今度の新総合計画案ですとか予算のところにも美しいふじのくにという、美しいという文字が入られたのを見たときに私は知事が環境政策に目覚めたのかなという思いもいたしました。ただマジェスティックガーデンとか、やっぱりわかりにくいところもあります。知事の具体的にイメージされる環境の理想郷、本県の将来像についての所見を伺います。
 教育につきまして、横須賀高校があります合併前の旧大須賀町、人口約一万一千人です。その町で横高の存続を願って、一万人を超える方々の署名が集まったということ、市議会からも意見書が出たということ、多くの方が高校を愛していると同時に不安を抱いているという証左だと思います。
 課題としましては、私は二つ。教育委員会が目指す将来像が見えていないということが一つ。それと、地域に密着して社会総がかりで子供たちの環境をよくしようという話であるはずなのに地域で密着していないところで計画案がつくられて、唐突に公表されてしまったということが地域の不安を一掃あおる結果になっていると思います。ぜひ地域の実情、市民の声、県民の声をより多く聞いていただきたい、そして多くの場面で議論をしていただきたいと私は思っています。
 特に、一時教育界は閉鎖性を問われた時代があったと思います。そこで国のほうが地方教育行政に関する法律を平成二十七年に改正していただいて、それを受けて本県でも静岡県総合教育会議が設置されて県民、住民代表として川勝知事がその会議に出席していただいているはずです。住民の総意、一層民意を反映する目的でこの総合教育会議が設置されているはずですのでぜひこういった場でも議論をしていただきたいし、川勝知事におかれましては地域の思い、実情を酌んでいただいてその場で発言もいただきたい、これは要望させていただきます。
 再質問といたしましては、学校と地域のあり方が非常に、人口減少社会の進展とともに変化している中、教育委員会として学校が地域社会に果たす役割をどのように考えておられるのか、改めて教育長の所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(山田 誠君) 木くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(木利夫君) 静岡県の環境政策についての再質問にお答えを申し上げます。
 議員のほうからは、環境というキーワードを使って横串をしてはどうかというお話でございましたけれども、我々が行政をする上ではやはり環境というのは切っても切れない必要不可欠な項目かと思っております。例えばこれに、答弁で申し上げましたけれども、やっぱり社会面だとか経済面、こういった面が入ってきますとまたSDGsの発想になります。今議会でもいろいろ御質問いただいていますけれども、やはり我々が仕事をする上ではこういった点をしっかり踏まえた上でやるということの中では各部局でも認識が進んでいるというふうに思っております。
 ただ、二年ほど、議員におかれましては常任委員会の委員長、副委員長ということで暮らし、環境に対していろいろ御質問いただきました。まだ浸透していないという話も出ておりますけれども、もしそうであれば私どもが持っております環境政策委員会とか、それから温暖化対策本部がございます。そういった場をかりまして全庁に対してしっかりとPRをしていきたいというふうに思っております。
 それと、なかなか環境政策はわかりづらいというお話がございましたけれども、私もマジェスティックガーデンという言葉を使わせていただきました。いろいろ本当に、いろんな分野で私どもくらし・環境部が担当しておりまして、その中でやはり本県の持っている、本当に環境を含めた壮大な自然環境ですね、こういったものを生かしながらぜひその魅力を継続していくということと、私どもも移住・定住をやっておりますがこういった魅力をさらに磨きをかけまして他県からの移住・定住をしっかりとふやしていきたいと、こういった意気込みで環境先進県の事業を進めてまいります。以上でございます。
○副議長(山田 誠君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) 御質問ありがとうございます。
 少し、三つほどお答えさせていただきます。
 まず、地域における学校の役割ということでお答えさせていただきました。学校における教育活動というのはやはり地域人材の育成、それから地域の活性化に資するというものを根本的に考えております。しかしながら学校教育の最大の使命はこれから社会を担う子供たちといいますか、そういう若い人たちに必要な資質を身につけるというのが最大の目的であろうと、そのように考えております。
 それから、教育委員会で今、積極的にというよりも静岡県全体の状況を見ながらやっておりますけれども、先ほど先生のほうからお話がありましたように、いわゆる総合教育会議の意見は聞いているのかというようなお話もいただきました。これについてはふじのくに魅力ある学校づくりの推進計画という案として出ていますけれども、そこでは知性を高める学習の充実、あるいは技芸を磨く実学の奨励などこれまでの総合教育会議における議論を十分に踏まえた上で我々は策定させていただいております。
 魅力ある学校づくりに向けた新構想高等学校の計画につきましては、それら総合教育会議の趣旨を踏まえて策定しているところでありまして、教育委員会としては責任を持って対応していきたいと考えております。
 それからもう一つは、地方創生または高校の存在が不可欠だと考えているということは十分に理解しております。そしてまた地元の署名をたくさんいただいた、一万人以上の方からいただきました。これも十分承知しております。また計画案が目途としている平成三十八年までに生徒数の状況が大きく変化した場合はどうするのかというようなことも我々は考えております。地域の高校教育に対する期待や思いを強く感じている市民の皆様方に、あるいは町民の皆様方に対しても今後も地域の実情や状況、変化を十分に考慮しつつ、これからも子供たちがよりよい環境のもとで学び続けられるように、そしてまた魅力ある学校づくりにしたいと積極的にやっておりますし、またこれからも皆さんのほうと意見交換ができるようにそういう環境を整えますのでよろしくお願いしたいと思います。以上です。
○副議長(山田 誠君) 増田享大君。
       (四十八番 増田享大君登壇)
○四十八番(増田享大君) 教育長から状況を見ながらという大変ありがたいお言葉をいただきまして、ぜひこれからも地域の声に真摯に耳を傾けていただきたいというふうに思います。
 横須賀高校は、戦後間もないころに第二代校長、浅井淳先生っていらっしゃって、正直決して豊かでない地域にやっぱり学校から何とかしなきゃいけないんじゃないかということで近隣の中学校を回って優秀な生徒さんを進学校に行くのを説得して郷土のためにこの高校に来なさいと。高校校長会のお役目をやっていらっしゃった先生だそうで、県内の若手の優秀な先生まで招聘していただいて、なおかつ名だたる上場企業に就職の道筋までつけていただいて、本当にそれでまちが、地域が発展してきたと。その多くの皆さんが地元に帰ってきていただいて、経験を積んで帰ってきていただいて、実は今なおその皆さんが地域の社会をいろんな意味で支えていただいている。やっぱり学校とか教育ってすごいなと思いました。本当に感慨深い感銘を受けました。ぜひ教育長、教育委員会におかれましては真の教育者としての御主張を、また知事にも時の為政者、指導者として地域の教育のことをしっかり考えていただくように御要望申し上げ私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(山田 誠君) これで増田享大君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

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