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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 利幸 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/27/2023

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 新技術等を活用した浜名湖のアサリ復活について
2 温室メロンの産地振興について
3 下水汚泥等の肥料利用の促進について
4 落葉果樹の民間育成品種の原木保護と落葉果樹振興について
5 食肉センターの安定的な運営について
6 安全で美しい県土環境保全事業の取組について


○議長(藪田宏行君) 次に、五十六番 鈴木利幸君。
       (五十六番 鈴木利幸君登壇)
○五十六番(鈴木利幸君) 今期最後の質問をします。私は、県政の諸課題について通告に従い関係当局に一括質問方式にて質問いたします。
 初めに、新技術等を活用した浜名湖のアサリ復活について伺います。
 浜名湖のアサリは、漁業者の重要な収入源であるだけでなく潮干狩りなどの観光業にも大きく寄与してきたかけがえのない地域資源であります。しかしかつては六千トンあった漁獲量は近年急速に落ち込み令和三年には過去最低の百トン、昨年は百九十六トンと僅かに増加したものの以前の水準には遠く及ばない状態です。このままでは多くの漁業者が廃業してしまう可能性があります。現に収入の半分がアサリ漁であるために収入を補うためにアルバイトに出ています。そのままアルバイトから正社員になる例もあります。
 アサリの減少についてはプランクトン量の減少や湖内の潮流や底質の環境の変化、下水道普及に伴う水質改善など複数の環境要因が複雑に絡み合って起きているものと言われております。浜名湖のアサリを復活させるためには自然環境における物質循環を十分検証し豊かな湖を再生する必要があります。このためには最新の技術や研究などを大いに活用し実効性のある効果的な対策を早急に講じていくことが重要であると考えます。
 こうした中で我が会派のPTで立ち上げた環浜名湖振興議連が昨年十一月に開催した環浜名湖プロジェクトにおいて、光関連分野の世界的な企業である地元の浜松ホトニクスから浜名湖産アサリは復活できると題した講演が行われ、光技術を応用してアサリの餌となる栄養価の高いプランクトンを効率的に培養する研究開発を行い地元の漁協と連携してアサリの稚貝を人工的に生産する実証実験を行っている旨の報告がありました。また福岡大学で行われている研究では漁場におけるヘドロの解消や植物プランクトンの増加のためフルポ酸鉄シリカという物質が有効である可能性が示唆され、現在浜松ホトニクスが浜名湖湖内で試験的な取組を行っていると聞いております。
 浜名湖のアサリ復活の道筋が見えない中、できることから何でもやっていくことが重要であり民間企業や外部の研究機関と連携して新たな技術や知見等を活用した取組を積極的に進めるべきと考えますが、県の所見を伺います。
 また、県の水産・海洋技術研究所においても現状打開に向けて日夜研究に取り組んでいることは承知しておりますが、私としてはスタッフが削減され必要な研究ができていないのではないかと危惧しております。アサリにとどまらず多くの魚種で不漁が深刻化する中、県として現場の課題に即した研究を着実に行う体制づくりが必要であると考えますが、これにつきましても県の所見を併せて伺います。
 浜名湖のアサリ復活に向けて世界的な企業である地元の浜松ホトニクスの研究が小さな光を大きな光に変えるものと信じています。県としても浜松ホトニクスと連携して着実な成果が得られるよう取り組んでほしいものであります。なお浜松ホトニクスは既に農業分野では柑橘選果場の光センサー、糖酸度判定機を作り全国の選果場に普及しております。
 次に、温室メロンの産地振興について伺います。
 本県で生産される温室メロンは、外見、風味ともに最高級の品質を誇る至高の逸品でまさに静岡県、いや全国を代表するブランドと言えます。これは、生産者の百年に及ぶ不断の努力により伝承されてきた高度な栽培技術と温室メロン専用とも言うべきスリークオーター型ガラス温室によって生み出されています。特にこの温室は、南面の屋根が大きい特殊な構造により室内に陰ができにくく、加えて素材にはガラスを使うことで日照が少ない冬の間も太陽の光を多く取り入れることができ年間を通じた高品質なメロンの生産を支える基礎となっています。
 一方、この特殊な構造をした温室の整備には多額の投資が必要となります。このため国の支援が受けられるよう同僚の県議会議員と共に農林水産副大臣へ直接支援をお願いに参りましたが、国の担当職員からは他県ではあまり例のない特殊な温室ではなく低コストで耐候性のある大型ハウスでは駄目なのかとの一点張りでありました。確かに国としては全体を見ながら支援策を講じていくため、このような回答も仕方がないのかもしれません。であるならば本県を代表するブランド品を生み出す施設に対して県としての支援策があってもよいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 また、最近では担い手が減少し続け産地としての生産力の低下が心配されています。そのため農家後継者や新規就農希望者の就農を促し匠の技とも言える栽培技術を伝承していくことが重要であります。新たに就農する方が将来に希望を抱いて高品質なメロン生産に取り組めるよう現役生産者の下、技術習得に励んでいただくとともに生産者の温室をリニューアルして次の世代に経営を引き継いでいくことが産地を維持していく上で大事なことではないでしょうか。
 令和四年九月定例会の我が会派の渡瀬県議の質問に対し県からは、生産力の維持や就農しやすい環境づくりの観点から総合的に支援を行っていくとの答弁を頂いておりますが、温室メロン産地の振興に向け今後県はどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、下水汚泥等の肥料利用の促進について伺います。
 化学肥料の原料は輸入に大きく依存しており、主要な肥料原料の輸入相手国である中国による輸出検査の厳格化やロシアによるウクライナ侵攻、ベラルーシに対する経済制裁により肥料価格が高騰しております。輸入依存度の高い化学肥料だけに頼るのではなく、一般家庭や畜産業、工業から出された本来は廃棄される有機物を肥料として活用し資源を循環させる循環型農業の実現が求められております。
 こうした状況を踏まえ国では、国内資源の肥料利用を拡大し海外からの輸入原料に依存した肥料からの転換を進めるために十二月に国内肥料資源の利用拡大に向けた全国推進協議会設立に向けて関係団体等と意見交換会が行われたところであります。循環型農業の一例として下水汚泥においては、佐賀市では市自ら処理施設を設置し年間約八千トン発生する汚泥の全てを肥料化しており十キロ当たり二十円で安価であるなど好評であると聞いております。
 また、県内では県が管理している流域下水道と市町で管理している公共下水道を合わせて年間約二十万トンの下水汚泥が発生しており、約六割がセメント材料や建設資材としてリサイクルされている一方で肥料化については三割程度利用されていると聞いております。循環型農業を進めるに当たっては下水汚泥のほか食品残渣や畜産堆肥など地域で入手できる資源のさらなる活用を図るべきと考えます。
 そこで、こうした資源の肥料への活用を進めるために原料供給者、肥料生産事業者、農業者、行政などの関係者が共通認識を持ち連携することが必要であると考えますが、県として今後どのような取組を推進していくのか伺います。
 また、佐賀市で行われている施設を視察しましたが、脱水した汚泥に微生物はうそつかないというYM菌を入れて四十五日間九十度以上の超高温発酵で雑菌や雑草の種を死滅させ、さらに三十日間熟成させて竹のチップや稲わらを入れ作られていた肥料でありました。片やセメントにするには石油燃料で汚泥を焼かないと製品にならないのでコストから考えると肥料が適していると考えます。県内の肥料資源を利用すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 次に、落葉果樹の民間育成品種の原木保護と落葉果樹振興について伺います。
 本県の果樹生産は温州ミカンが中心ではありますが、柿、梨、ブルーベリー、ブドウなど様々な落葉果樹も生産されています。柿の品種治郎柿が森町の発祥であることは有名ですがブドウの「巨峰」は伊豆市、「ピオーネ」も伊豆の国市で生まれた品種であり、本県では公的機関だけでなく民間の育種家も多くの優れた品種を生み出し県内外の農業振興に多大な貢献をしてきました。
 このような優れた品種を残していくことは今後の農業振興において重要であると考えますが、昭和三十三年の狩野川台風の際に「巨峰」の原木が流失した事例など民間で育種された品種は必要な維持管理が行われず失われてしまうことがあります。「ピオーネ」についても、伊豆の国市に原木とされる古木が現存しているものの風雨にさらされて枯死する恐れがあることから、地域の有志が「ピオーネ」の原木を守る会を立ち上げ保護に向けて動き出したと伺っています。
 このような原木の保護、活用や落葉果樹の振興のためには栽培技術の指導や新たな品種の開発、導入の支援が必要不可欠ですが、本県の農林技術研究所や農林事務所では職員の削減が進み落葉果樹を専門とする職員が少ないのが現状であります。
 その一方で、私の地元の浜松には山梨県で栽培技術を学び「ピオーネ」を地域に導入、産地化を実現した生産者がおり、その方は現在もブドウ栽培の第一人者として地域の生産者を束ね県内唯一のブドウ産地に取り組んでおられます。
 県としても、このような篤農家をアドバイザーとして活用しながら民間育成品種の原木の保護に対する支援と落葉果樹産地の育成に取り組んでいくべきと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、食肉センターの安定的な運営について伺います。
 県内二つの食肉センターの老朽化が進み稼働率も低下していたことから、県は平成二十六年に関係市町、JA、生産者団体、畜産農家代表で構成する食肉センター再編推進協議会を設立し食肉センターの再編整備について協議を続けてきました。食肉センターは公益性の高い施設であるとともに県内になくてはならない重要な施設です。
 このため県は、国庫補助金の活用をはじめ牛及び豚を飼養する生産者が所在する県内二十四市町から拠出金を頂きながら県が事業主体となって令和三年度から再編整備に取り組んでおり、令和八年度には新しい食肉センターが開業する見込みとなっています。新しい食肉センターの運営に当たっては県内畜産農家の積極的な利用を促し経営を安定させることが大切です。また豚熱等の家畜伝染病が発生した場合は県外への家畜の搬出が制限される危険があります。このためリスク管理の点からも県内全域の畜産農家に新しい食肉センターを使っていただくことは重要だと考えます。
 しかしながら、県東部地域では家畜の搬送距離が短い神奈川県や山梨県の食肉センターを利用する生産者が多いと聞いており、特に県東部地域の生産者への積極的な利用の呼びかけは不可欠だと思います。
 また、全国的に目を向けると他県の食肉センターでは赤字の事例が多いと聞きます。全国的にも食肉センターの経営が厳しい中、本県の新しい食肉センターの経営を安定化させ黒字化を図るためには、集荷促進に加えて食肉センターの管理運営を担う指定管理者に対しても県の指導や支援が不可欠だと思います。
 そこで、新しい食肉センターの経営安定に向けて家畜の集荷をどのように進め指定管理者への指導や支援をどのように図っていくのか、県の所見を伺います。
 また、現在県内の養豚業や養鶏業、乳牛には生産者の意見集約、合意形成を図る生産者による団体がありますが肉牛にはありません。今後肉牛生産者が安定経営をしていくためには生産者の意見集約をできる組織が必要だと考えますが、県の所見を伺います。
 八年にわたる食肉センター建設の推進でありましたが、自民党畜産議連の皆様には大きな御支援ありがとうございました。
 最後に、安全で美しい県土環境保全事業の取組について伺います。
 昨年九月に発生した台風十五号による豪雨では県内中西部を中心に甚大な被害が発生しました。全国的にも近年これまで経験したことのないような大雨が降ることで激甚化する災害が発生しています。
 このような状況において県では治水対策の根幹をなす河川堤防の健全性の確保及び長寿命化の観点から点検を毎年実施していると認識しています。堤防の洗堀や沈下等の変化を確認するためには支障となる草木の伐採を定期的に行うことが重要となりますが、河川管理延長が膨大であることに加え予算に限りがあることから十分な除草が実施できておらず長期間除草が実施されていない区間では異常繁茂や樹林化が進行しています。またリバーフレンドなど河川愛護団体が実施する堤防除草は肩かけ式草刈り機が中心であり、高齢化や人手不足により実施箇所が限定的になっているほか作業に危険が伴う斜面などの除草は困難となっています。
 こうした状況を踏まえ県では令和四年度に安全で美しい県土環境保全事業を立ち上げ異常繁茂、樹林化した区間の緊急的な除草、伐採を行うことでより正確な堤防点検を行うことが可能となり施設の健全性や長寿命化が図られるとしております。さらに機械施工において支障となる樹木を伐採することで安全で効率的なリモコン式草刈り機の導入が可能となり除草面積の拡大につながると伺っております。
 このため、リモコン式草刈り機を本格導入する準備として今年度試行的に導入、活用を予定していると伺っておりますが、これまでの状況や来年度以降の取組の方向性について伺います。
 以上で私の質問を終わりますが、先ほど岡本議員からもこの三月をもって静岡県を退職される皆様にお礼と激励の御挨拶がありました。私からも自民改革会議を代表して感謝とお礼の言葉を申し上げたいと思います。
 毎年三月になりますと皆様の御勇退の時期をお迎えします。皆様は、先ほども話がありましたが昭和の終わり頃から平成そして令和の今日までまさに生涯をかけて静岡県政の進展に努めていただきました。この長い期間静岡県では多くの様々な事象が発生しましたが、皆様はその都度乗り越えてきました。さらに新型コロナウイルス感染症に対してもそれぞれの立場で一生懸命に取り組んでいただきました。
 また、皆様方の御活躍の陰には御家族の御協力もあったと思います。皆様と御家族の皆様にも心から感謝を申し上げます。
 そして、日本は健康寿命が世界一の長寿社会を迎え人生百年時代であります。これからの皆様がますます御健康に恵まれ充実したものでありますように祈念しまして、感謝とお別れの言葉といたします。長い間本当にありがとうございました。
 なお、森竹治郎議員の代わりに最後の御挨拶をしましたが、十期四十年務められました我が自民改革会議の森県議は静岡県の発展のために大いに寄与されたことをつけ加えておきます。誠に御苦労さまでございました。絶大なる感謝を申し上げます。ありがとうございました。以上で質問及び感謝の言葉といたします。ありがとうございました。
○議長(藪田宏行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 鈴木利幸議員には、本来この議場で質問に立たれるべき森竹治郎先生が体調優れず御欠席とのことで、森先生に対しまして心からの御礼の気持ちを議員全員を代表して申し述べられまして私どもも深く共感をし感謝をしているところであります。
 さらにまた、先ほどの岡本護議員がふじのくに県民クラブを代表してこの三月をもって定年退職する職員に対しましてねぎらいの言葉を頂きましたけれども、このたび自民改革会議全員を代表して職員に対しまして、また職員を支えてきた家族に対しましてもねぎらいの言葉と激励の言葉を頂戴いたしまして誠にありがとうございました。退職していく職員に代わりまして御礼を申し上げるものであります。
 鈴木利幸議員にお答えいたします。
 新技術等を活用した浜名湖のアサリ復活についてであります。
 浜名湖のアサリは漁業関係者の貴重な収入源であります。それだけでなくかつて年間五万人の集客を誇った渡船潮干狩り等の観光業やアサリ料理を提供する地元の飲食業など地域経済を支える重要な役割を担っておりまして、一刻も早い資源回復が望まれるものであります。
 このため県では、令和三年度から国の海洋研究開発機構や東北大学と連携いたしましてアサリの減少要因の解明や増殖手法の研究開発を進めているほか、近年深刻化しているクロダイの食害対策といたしまして囲い網による保護区域の設定等に取り組んでおります。
 議員御案内のとおり、浜松ホトニクスでは光技術を応用して栄養価の高いプランクトンの培養術を開発し効率的にアサリの稚貝を生産する取組を進めております。現在自然環境での成育を確認する段階に入っていると伺っております。
 県では、来年度同社の最先端の研究成果を活用するため人工生産された稚貝を実験的に浜名湖に放流し成長度合いや生き残り状況を確認する調査を実施してまいります。またアサリの不漁は浜名湖の湖底環境の悪化が一因となっている可能性も考えられますことから細かい砕石を湖底に敷き詰める新たな手法の検証に取り組んでまいります。御指摘のフルポ酸鉄につきましても、近年土壌改良や栄養分供給の機能に関する研究が進んでいることを踏まえまして浜名湖内での効果的な活用方法について実証してまいります。
 組織体制につきましては、水産・海洋技術研究所の研究に加えMaOI機構の有する産学官のネットワークも活用し優れた技術や知見を持つ民間企業や大学等との連携を強化するなど調査研究の成果が最大限発揮される体制を構築してまいります。
 浜名湖のアサリ資源の回復に向けて最先端の技術を活用しながら有効と考えられるあらゆる対策を講じてまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○議長(藪田宏行君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) 温室メロンの産地振興についてお答えいたします。
 本県の農芸品を代表する温室メロンは、先人から受け継がれてきた高度な栽培技術により生産されその卓越した品質と年間を通じた安定出荷により国内外の市場から高い評価を受けております。
 一方、担い手の高齢化や減少により年々生産量が減少する中、産地がブランドを維持し持続的に発展するためには現役世代が培った高品質で安定的な生産を可能とする高度な栽培技術の継承に加え、ガラス温室を中心とした施設のリニューアル化など生産基盤の強化が重要であります。
 このため、栽培技術の継承に向けましては就農希望者に対して熟練農家の下で栽培技術を習得する研修の実施や生産者の協力を得て利用可能な既存温室を提供する体制の構築、デジタル技術を活用してたくみの技を見える化し新規就農者が速やかに技術を実践できる仕組みづくりなどを支援してまいります。
 また、生産基盤の強化に向けましては老朽化した温室の建て替えや光の透過率が低下したガラスの交換、ヒートポンプの更新など効率化や省エネ化に寄与する施設、ペレットボイラー等、環境負荷軽減や環境調和に資する施設整備等について必要な予算を本会議にお諮りしているところであります。
 世界に誇る温室メロンブランドが将来にわたり維持されるよう全力で産地振興に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) 下水汚泥等の肥料利用の促進についてお答えいたします。
 世界的に肥料価格が高騰する中、原料の多くを海外に依存する体質から脱却し肥料の国産化を加速するためには畜産堆肥や下水汚泥等の身近な未利用資源を農業生産に有効活用し地域内で循環利用する取組を拡大する必要があります。
 このため、耕畜連携による畜産堆肥の生産と利用の拡大に向けて庁内関係課で構成するワーキングを通じて畜産堆肥の需給マッチングや流通ネットワークの構築に加え、運搬や散布が容易なペレット堆肥の原料を安定供給する技術支援などにも取り組んでおります。
 また、下水汚泥や食品残渣等を肥料として有効利用するためには肥料化の技術や原料の安定供給が必要となることから、今後は農業者やJA、肥料事業者、行政等が連携した推進体制を強化し民間企業の先端技術の活用や資源供給の仕組みづくりに取り組み地域資源の肥料化を拡大してまいります。特に県内の下水汚泥につきましてはほぼ一〇〇%が再利用されておりますが、生産コストや環境負荷軽減の観点から肥料への活用が有効と考えられることから国内の先進技術や優良事例を検証しながら利用拡大に取り組んでまいります。
 県といたしましては、関係機関や民間事業者との共通認識を醸成し連携強化を図りながら農業生産における地域資源の利用拡大により循環型農業の実現を目指してまいります。
 次に、落葉果樹の民間育成品種の原木保護と落葉果樹振興についてであります。
 本県の落葉果樹は民間育種家の手によって優れた品種が生み出されており、地域において原木の保護活動が行われております。森町では原木保存会が治郎柿の保護や活用に取り組んでおり、収穫祭などの観光利用も含め果樹振興に大きく貢献していると認識しております。
 このため、県では落葉果樹の原木保護や産地育成に向けて普及指導員が農林技術研究所と連携し栽培技術の指導や新規作物の導入等の支援に取り組んでおります。こうした取組を通じてブルーベリーでは栽培面積や生産者が増加しており、近年では茶の転換作物としてブドウの導入も拡大するなど新たな産地化を目指す動きが活発化してきております。
 今後は、優れた知見や技術をもった篤農家を普及指導協力委員への委嘱や外部専門家として登録し生産者の相談内容に応じてより実践的な指導、アドバイスができる支援体制を構築してまいります。
 県といたしましては、篤農家のノウハウも生かしながら現場の多様なニーズに対応し民間育成品種の原木保護と落葉果樹の振興に取り組んでまいります。
 次に、食肉センターの安定的な運営についてであります。
 食肉センターが安定的な運営を行うためには、県内生産者からの家畜の集荷を強化するとともに施設を管理する指定管理者の加工技術や販売力を高めていくことが重要であると考えております。
 集荷の強化につきましては、令和五年度から菊川市内で計画する畜産フェアを通じて消費者に県産食肉の品質の高さをPRし需要を喚起するとともに、生産者と県内の食肉卸売業者とのマッチングを行うことで施設の利用拡大につなげてまいります。
 また、食肉センターの開設後は指定管理者による健全経営の実現に向けて現在の枝肉中心の取引から食肉の加工度を上げて利益率が高いロース等の部分肉での取引に切り換えるなど収益性の高い施設運営を指導してまいります。加えて県、市町、食肉関連事業者等から成る食肉センター運営管理委員会を新たに設置し稼働実績の分析評価を踏まえ指定管理者への指導、支援を強化してまいります。
 議員御指摘の肉牛生産者の意見を集約する組織につきましては、しずおか和牛等のブランド牛肉の生産・流通を強化していく上で重要な役割を担うことから、生産者や関係団体との調整を行いながら、組織体制づくりを進めてまいります。
 県といたしましては、県内全域からの集荷量の拡大と指定管理者への適切な指導等により食肉センターの安定的な運営を実現してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 安全で美しい県土環境保全事業の取組についてお答えいたします。
 河川における除草の効率化に向け従来の肩かけ式と比べ約五倍の作業能力が期待できるリモコン式草刈り機を本格導入する準備として今年度安全で美しい県土環境保全事業を創設し、繁茂が著しい支障木の伐採や除草を二年間で集中的に実施することとしております。
 県では、八台のリモコン式草刈り機を土木事務所に配備して河川維持業務での活用を開始し県が管理する中小河川での施工条件や手順などの課題を抽出しているところであります。また建設業者や河川愛護団体の皆様を対象とした操作体験会をこれまでに十回開催しており、参加者からは草刈り作業の省力化に期待を寄せる声が上がっております。
 令和五年度も本事業による除草や伐採を継続しリモコン式草刈り機が導入できる場所を二十万平方メートルから百八十万平方メートルに拡大するとともに、操作手順などの運用マニュアルとして取りまとめ現場への導入を推進してまいります。また地域の除草活動などでも活用されるよう操作体験会の拡大のほか操作条件などの安全管理のルールづくりを進め、河川愛護活動の支援につなげてまいります。
 県といたしましては、除草の効率化を図ることにより安全で美しい河川空間を創出し各地の河川愛護団体の皆様と共に安心で快適な地域づくりを推進してまいります。以上であります。

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