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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

藪田 宏行 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/03/2016

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 県内各地の魅力を生かした観光振興について
2 原子力防災訓練の成果と課題について
3 御前崎港を活用した地域振興について
4 静岡茶の振興について
5 本県の沿岸漁業の振興について
(1) 温水利用研究センターの役割
(2) 榛南のいそ焼け対策の現状と今後の取り組み


○副議長(杉山盛雄君) これで遠藤行洋君の質問は終わりました。
 次に、三十九番 藪田宏行君。
       (三十九番 藪田宏行君登壇 拍手)
○三十九番(藪田宏行君) 私は自民改革会議所属議員として県政の諸課題について、知事及び関係部局長に通告に従い分割質問方式でお尋ねいたします。
 初めに、県内各地の魅力を生かした観光振興について伺います。
 我が国を訪れる外国人旅行者は、日本への旅行の割安感の定着、ビザの大幅緩和、消費税免税制度の拡充などにより急増しており昨年は目標の二千万人に迫る過去最高となる千九百七十三万七千人を記録いたしました。また中国人を中心に爆買いと称される外国人観光客の消費も拡大していることから現在国におきまして訪日外国人旅行者のさらなる増加を目指した目標設定と受け入れ強化策を検討中とのことであります。
 本県におきましても、平成二十七年の外国人宿泊客数は速報値で前年の二・二三倍、全国の伸びを上回る百七十六万人となるなど極めて好調であります。現に私の地元の御前崎のホテルにも連日中国人を中心に大勢の外国人旅行者が宿泊しにぎわいを見せております。
 本県を訪れる外国人の増加は、世界遺産富士山や伊豆半島、浜名湖など当局が言うところの世界標準の魅力の発信によるところももちろん大きいとは思いますが県内各地にはもっと光を当てPRすれば旅行者の多様なニーズを満たす観光資源はまだまだたくさんあると考えます。
 かつて韓国を訪問した際、現地の観光関係者から御前崎港のマリンパークから海越しに眺めた富士山のすばらしい眺望に韓国からたまたま御前崎港に来た女学生が感激しインターネットで情報発信し広まったとの話を聞いたことがあります。また来年NHKの大河ドラマで放映予定の「おんな城主直虎」の母親の実家で徳川四天王の一人となる井伊直政の幼少時の大きな危機を救った殿様、新野左馬助公ゆかりの御前崎市内の新野地区にある史跡もこの機会に大いに売り出そうと市を挙げて力を入れているところです。
 このほかにも、御前崎の灯台や浜岡砂丘、その周辺ではお茶の郷さらには掛川城や、かの周恩来や魯迅など日本へ来ていた当時の留学生の教育に尽力した掛川市出身の松本亀次郎の資料を展示している掛川市大東図書館の郷土の偉人松本亀次郎コーナーなど、知る人ぞ知るスポットを含めまして県下三十五市町内には国内外の訪問客にとって魅力ある見どころがあふれております。しかし中国などから来た外国のお客様は残念ながらその存在を知らない方が大半であります。
 今後、そうした県内全域にある魅力ある観光資源をこれまで以上に活用しながら誘客を促進し、国内外からの観光客を県内津々浦々に呼び込んでいく必要があると考えますが、県は本県全体の観光振興をどのように図っていくのか伺います。
 次に、原子力防災訓練の成果と課題について伺います。
 浜岡原子力発電所は、現在原子炉の運転を停止しておりますが使用済み核燃料を保有していることからも安全対策を怠ることはできません。
 中部電力では、浜岡原子力発電所の安全対策として既に防波壁の設置工事が完了し現在も予備電源となるガスタービン発電機やフィルタベント設備の設置などが行われており、本年九月には四号機についての対策が完了する予定とされております。これらの対策により、浜岡原子力発電所の安全性は震災前に比べてかなり向上するものと思います。
 県では、これまで浜岡原子力発電所の安全対策工事についての現場点検や防災・原子力学術会議において専門家の意見を伺い安全性の検証を行うとともに、万一浜岡原子力発電所から放射性物質が漏れた場合に備えた避難計画を策定中であり、計画案について一月に公表しております関係機関や専門家などの意見を踏まえつつ年度内に策定するともお聞きしております。
 他県においては、県及び関係市町村の避難計画に国の対応を加えた緊急時対応について内閣総理大臣を議長とする国の原子力防災会議に報告され了承されている例もあります。本県の計画はまだ策定途中でありますが他県の事例も参考としてより住民の安全性に配慮することを目指しております。例えば原子力発電所から五キロメートル以内のPAZ圏にとどまらず三十一キロメートルのUPZ圏を有する市町の住民全員についてあらかじめ避難先を定めておくこととしております。
 この結果、避難の対象人口は他県の多くは数万人規模でありますが本県は約九十四万人となり全国的に最大規模となりました。したがいまして計画の策定も本当に困難なものとなるように思いますが県では県民の安全・安心のため正面から取り組んでおり、その真摯な取り組み姿勢は評価されるべきものと思います。
 しかしながら、避難計画が策定されてもその実効性を確保していくことが大変重要であります。今後避難計画に基づき実施手順等を示す各種のマニュアルの整備や市町における避難計画の策定により計画内容を具体化していくとともに、訓練により実際に検証していくことが必要であります。
 県では、例年原子力防災訓練を実施しております。昨年度からは災害対策本部等の全庁的な対応を検証する図上訓練と実際に住民等が参加し現地で行う実動訓練とをそれぞれ実施しております。今年度は一月に図上訓練、二月に実動訓練を実施しさきに公表した避難計画案に基づき住民避難等を行い内容の検証を行ったと聞いております。
 このように、計画が意図したとおり機能するかを確認することは今後も重要になると思いますが今回の訓練においてどのような成果があり、またどのような課題があったのかを伺います。
 次に、御前崎港を活用した地域振興について伺います。
 御前崎港は、昭和十一年に国から避難港の指定を受けて以来現在まで国、県及び合併前から現在に至る市町村の連携により整備が進められてきました。時代背景や港で取り扱う貨物の変化に合わせて港の開発を進めてきました。昭和三十年代から四十年代にかけて砂利、砂、水産物等の日本の経済復興や成長に伴う需要に合わせた貨物や四十年代以降の住宅需要に合わせた木材の輸入、平成に入ってからのRORO船の就航や完成自動車の輸出、平成十六年に始まるコンテナ貨物の取り扱いなど県西部や中部地区はもとより県全体の物流と産業の拠点の一つとして埠頭や岸壁、荷役機械や上屋、工業用地などが整備されあらゆる貨物に対応してまいりました。
 また、港の整備の進展に合わせるように東名相良牧之原インターチェンジや掛川インターチェンジ、金谷御前崎連絡道路、新東名高速道路といった港へのアクセスの向上や工業団地の造成といった港の利用につながる周辺の社会資本も整備されております。このように港の機能と利便性の向上が図られた反面、リーマンショックによる景気後退や生産現場の海外への移転など社会経済情勢の変化を受け取り扱い貨物やコンテナ定期航路の減少といった影響を受けております。一方本地区の風光明媚な海岸線は海水浴、いそ遊び、ウインドサーフィン、クルージングなどの海洋レジャーの拠点としても脚光を浴びており年間七十万人の人が訪れていることから地域の特色を生かした地域振興が求められております。
 こうした中、昨年八月一日には県内三カ所目となるみなとオアシスに中部地方整備局から認定され御前崎みなと夏祭二〇一五の開会式で認定証と認定旗を授与されました。マリンパーク御前崎や海鮮なぶら市場などの観光施設を活用した住民参加型の各種イベントの実施や津波避難タワーの設置などが評価されたものでにぎわい、交流、防災の拠点としてさらなる活用が期待されています。
 また、八月十四日には独立行政法人航海訓練所の練習船「海王丸」が約五年ぶりに御前崎港に寄港し帆船の帆を張る訓練――セイルドリルや白い帆を張った美しい姿、出港時のお別れの儀式である登檣礼などの様子は御前崎港を訪れた四万人とも言われる多くの県民を魅了いたしました。
 こうした御前崎市の取り組みは、港を核にして多くの人を集め交流を生み港のにぎわいにつながっていると考えますが、市の取り組みとあわせ県は県営港である御前崎港を活用したさらなる地域振興にどのように取り組むのか所見を伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 藪田議員にお答えいたします。
 県内各地の魅力を生かした観光振興についてであります。
 観光の基本理念は「住んでよし 訪れてよし」であります。背景にございますのは最近の旅行者のニーズが国内外を問わず個人の趣味や嗜好により大変多様化しておりまして名所旧跡等の有名な観光スポットを訪れるということはもちろんございますがそれにも増して地元の人との触れ合い、そこでしか味わえない食材等々オンリーワンのその地域にしかない深い生活体験や新鮮な感動を求める傾向が顕著となっているわけでございます。「住んでよし 訪れてよし」というのはみずからの地域を愛し誇りを持って楽しく幸せに暮らしているならばおのずと誰もが訪れたくなるというものであります。したがって観光により地域の振興を図るということは県内三十五の全ての市町において可能であると考えているところでございます。
 このため、県ではこうしたニーズを捉え今年度県内全域にわたり市町や民間事業者とともに地域の観光資源に光を当てさらに磨き上げて旅行商品化する事業に取り組みました。その結果例えば藪田議員の御地元の御前崎市の幻の魚クエを食すなど約二百五十の体験型旅行商品がしずおか遊びたい券として合計二万八千枚販売されましたところ、短期間のうちに完売するなど好評を博したところでございます。
 御前崎といえば、先ほど韓国の女子学生がマリンパークから見た富士山に感動したということでございましたが私もつい最近御前崎の藪田晃彰さんという方がお仲間を連れてこられまして、昨秋に竣工いたしましたカツオ一本釣り漁船の常識を破る五百九十九トンの船が富士山をバックに海越しに写真が撮られている。これはこれほどの美しい私は漁船を見たことがなかったので感動いたしました。そしてその船を操ってカツオ一本釣りの船頭の方、また船長さんの方、そして焼津の水産高校を出たまだ若い青年等々と苦労話などをお聞きしました。三保造船所でつくりそして御前崎が拠点でそして焼津に水揚げしたということで、そのカツオを食するという喜びにも接したわけでありますが私はそれを見て、つまりその写真を見てですね、これはすぐにカツオってどこで食べられるのかとすぐに誰もが聞くと思います。御前崎でも、あるいは焼津ででも、あるいはその同じ席に田子の浦の船長、八十歳になられる田子の浦漁協組合の組合長さんの外山さんが来られていまして、外山さんは秘伝のいわゆるシラスの冷凍法を発明されたといいますか、漁協が持っておられるわけですがそれも味わわせていただきまして、大きなカツオ、小さなシラスと。こうしたまさに水産の芸術品、水芸品とでも言うんでしょうか。こうしたものがですね、静岡県下にはあるということなわけですね。
 私は、まさにこうしたものをこそ皆さんが知ってそしてそれがいかに静岡県に特有の魅力であるかということを共有していくことが大切だと。お互いに紹介し合うことも大切ではないかというふうに思います。既にDMOが設立された伊豆半島や浜名湖地域におきましては地域の魅力を生かした観光地域づくりの推進役、旗振り役はDMOが担いつつあります。いよいよ中部・志太榛原地域、中東遠地域でも設置に向けた動きが出てまいりました。
 県としましては、こうした地域がみずから商品を開発し観光客を集客してもてなす取り組みが定着しますようにDMOの運営に責任を負うリーダー等の人材育成に対し重点的に支援してまいります。
 また、急増しております外国人旅行者に対しましては来年度県観光協会内に静岡ツーリズムビューロー――愛称ビジットシズオカを新設いたします。ワンストップ窓口といたしまして三十五市町の知る人ぞ知る観光スポットやその地域固有の文化や暮らしなどの体験プログラムを多言語で紹介するとともに、ガイドや二次交通の手配など利便性の向上など県全体の魅力の底上げに努めてまいります。
 もはや静岡県は、このようないわばそれぞれの地域の、また県の行政だけの取り組みに任せておく時期を、任せておく段階を超えつつあるのではないかと。既に静岡県下だけでこの二年半の間に国際的な認証を受けたものが二十三件でございます。国内的には先ほどございました直虎あるいはそこの浅間さんあるいは久能山の東照宮等々国内的にきちんと日本の代表と認められているものもたくさんあるわけです。こうしたものを入れますと優に百を超えます。こうしたものは誰もが簡単に知ることができるものではないということです。
 こうしたものをどうして生かすかということで、静岡大学では六つの学部がございますけれども全部六つの学部を横断的にいたしまして地域創造学部。名前は地域創造学環ということで学生さんを募集したら五十人の定員に数倍の応募があったということのようです。
 私は、この県立大学に文化芸術大学がありますが今度文化観光学部あるいは観光学科のようなものを考える時期に来ているのではないかと思います。既に和歌山大学とか北海道大学あるいは立教大学にはこうした学部や学科がございます。我々のほうも文化政策学部には三つの学科があるんですけれども文化政策学科、芸術文化学科、国際文化学科だったと思いますけれどもこうしたところに観光学科のようなものを入れていく必要があると。あるいは大学を横断的に地域創造するときの核としてやっぱり地域の魅力をみずから知って、学んで、そしてそれを発信できるような人を育てていくと。これは地元の人がやるのが一番いい勉強でありこれまた経済につながってまいりますのでそういう試みを、今度静岡文化芸術大学に関しましては熊倉先生がこの三月で退任されて新しく横山俊夫先生という国際感覚が非常にすぐれた先生が着任されますので、これを機会にこれから一年ほどかけまして木苗教育長ともまた文化・観光部とも相談をしながら観光をいわば実践の学、実学として本県に設置していくと。こういうことも考えなくてはならない段階に来ているというふうに思っております。
 こうした取り組みを生かしますことで、国内外の観光客が県内の隅々にまで行き渡ることで地域に住む人々が地域のよさを再認識し結果としてその地域がみずから光を発する――本来の観光の意味でございますが、この観光が県全体で実現できるよう、より一層県内各地の魅力を生かした観光振興に努めてまいります。
 お坊ちゃまもそうしたことに寄与されておられて、また教育においても、地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会の委員となっていただいておりましてお父上だけでなくてそういう親子そろって県に貢献されていることに対して改めて、ちょっと壇上からではございますけれども御礼を申し上げます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 外岡危機管理監。
       (危機管理監 外岡達朗君登壇)
○危機管理監(外岡達朗君) 原子力防災訓練の成果と課題についてお答えいたします。
 本年一月十五日に実施した図上訓練では、原子力警戒本部を設置し原子力発電所の状況把握、避難先や避難手段の確保等について周辺都県や関係機関との調整や情報伝達の手順を確認いたしました。
 先月三日の実動訓練では、住民の避難、避難車両の誘導、病院や社会福祉施設の放射線防護等について基本的な行動や資機材の操作を実施いたしました。また避難退域時検査では主要な避難経路となる高速道路のサービスエリア等を会場とし、新たに導入した車両用ゲートモニターを使用することで検査を効率化できることを確認いたしました。
 今回の訓練により、災害発生直後における県とオフサイトセンターの情報の共有と管理、避難時の混乱の防止、避難車両による渋滞対策、避難退域時検査の迅速な実施等について課題が明らかとなりました。
 このため、県とオフサイトセンターをつなぐ情報共有システムの増強、平時からの備えや原子力災害時の行動を住民の皆様にお知らせするパンフレットの作成、スマートフォン等を活用した避難経路等の情報提供システムの整備、車両用ゲートモニターの配備の拡充等を進めてまいります。
 県といたしましては、今回の訓練の成果と課題への対応を避難計画や関連するマニュアルに反映するとともに、さまざまな想定のもとでの訓練を重ね避難の実効性を確保してまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 御前崎港を活用した地域振興についてお答えいたします。
 御前崎港は、太平洋に面した駿河湾の入り口に位置し陸・海・空の交通の要衝にある恵まれた立地を生かして静岡県の重要な物流拠点として大きな役割を果たしております。
 また、県では海洋レクリエーション需要の増大に対応して人工海浜公園マリンパーク御前崎を、御前崎市では民間企業と共同で地域の食をテーマとした海鮮なぶら市場を整備し年間を通じて海の楽しさを満喫できる人気スポットとして御前崎市はもとより榛南地区の活性化に寄与しております。
 これらの地域のにぎわいや交流人口の拡大に向けた取り組みが評価され、御前崎港は昨年八月に国土交通省からみなとオアシスに認定されたところであります。先月には御前崎みなとまちづくりシンポジウムが開催され国土交通省港湾局長の講演や有識者による討論を通して御前崎港におけるクルーズ船誘致や観光、マリンスポーツなどのさらなる振興策について議論が交わされたところであります。
 県といたしましては、こうした議論を踏まえ御前崎市や関係市町等と連携してクルーズ船の寄港を誘致する体制づくりを初め年内に加盟を目指している世界で最も美しい湾クラブの情報発信力を生かした観光客等の交流人口の拡大を図るなど、御前崎港を活用した一層の地域振興に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 藪田宏行君。
       (三十九番 藪田宏行君登壇)
○三十九番(藪田宏行君) 御答弁ありがとうございました。
 知事のほうからも私的な話も出て大変恐縮ですが、観光のですね、静岡県の持っている観光の案外知られてないというのは例えば私ども遠洋で働いている者がですね、長い者は一年とか二年ぶりにマグロ船なんかだと来るわけですね。それが南洋から来た場合には駿河湾へ入るとき、初めて天気がいい日には富士山がぽっと見える。それでだんだん来ると左に御前崎の灯台が見える。この感激はですね、私も涙が最初は出たし海の男でも涙が出る男が多いと。それはすばらしい風景なんですね。そういうことがなかなか全県の県民に知られないそういうよさをたくさん静岡県は持っているという意味で知っておいていただきたいなと思うんです。
 要望を一点します。
 県のホームページ、観光の関係のホームページも大変詳しく出ているんですが世界から来る方は静岡県の三十五の市町の名前を知りません。知らない方がほとんどです。そして検索するのに先日も観光の担当の方と話をしたんですが静岡県の例えば何々町、何々市と探すことができません。静岡県でしかできません。そういう方が多いんですね。それをひとつ静岡県のホームページの中で三十五市町とよく連携をして官民一体となってですね、観光協会あるいは市役所、町の役場と連携をとってそういう三十五の市町からも検索できるような方法を考えていただいたらどうかと思いますので、ぜひ要望させていただきます。
 次に、静岡茶の振興について伺います。
 暖冬と言われながらも全国各地に大雪を降らせた冬も終わりを告げ、間もなく本県の主要な特産品であるお茶のシーズンを迎えます。
 そのお茶でありますが、ここしばらく消費低迷から低価格の取引が続き茶の生産者はもちろん茶の販売を行う茶商の方々からも復調の兆しがなかなか見えないという話が聞かれます。特に生産現場の状況は厳しく茶の栽培を諦める方や解散や再編を検討する茶工場が出始めています。また全国の茶産地から茶が集まりその取引価格が相場の目安とされるなどお茶流通の中心としての機能を果たしてきた静岡茶市場においても取り扱い数量の減少と価格の低迷から経営状況は大変厳しいと伺っています。
 茶業振興のためには、生産対策さらに販売への対策が必要であり茶の需要を拡大させ価格の上昇がなければ状況は厳しいままです。県内でも各種の取り組みがされており私の地元御前崎市においても新しい味わいの品種「つゆひかり」を活用した新商品の開発や北海道への販路拡大の取り組みなどを官民一体となって進めております。
 さらに、昨年は御前崎市で茶を生産販売する株式会社やまま満寿多園が全国の農林水産祭で最高位の天皇杯を受賞されました。この会社は系列農家と一体となって二十年以上前から緑茶の輸出を進めてまいり、最近では全国の輸出量の約八%と日本一のお茶の輸出企業となりました。生産コストや摘採労力の低減に取り組むとともに、各国の残留農薬基準をクリアしいち早く海外への展開を開始したものであります。
 このように、お茶農家はもとより生産者や茶商の皆さんそして茶市場も懸命に頑張っておりますので、これからの静岡の茶業の発展を図っていくには消費拡大に加えて海外のマーケットにも視野を広げていくための一層の支援が重要だと思います。
 県では、振興の拠点となる島田市にあるお茶の郷を取得し整備を進めるなど茶の都づくりを進めていくようでありますが、この拠点整備も含め今後どのように静岡茶の振興を図っていくのか伺います。
 次に、本県の沿岸漁業の振興について伺います。
 初めに、温水利用研究センターの役割についてであります。
 沿岸漁業の対象となる魚介類の一部では資源の減少が見られることから、つくり育てる漁業いわゆる栽培漁業が全国各地で進められております。栽培漁業とは人の手で卵から稚魚をつくりこれを放流して数をふやし大きくなってから漁獲するものであり今日の沿岸漁業に欠かせないものであります。本県でも水産資源を積極的にふやす手段として栽培漁業に取り組んできたところであります。
 その際、静岡県温水利用研究センターが稚魚を生産し各地区の漁業者などで組織する地域栽培漁業推進協議会がさらに育成した後、伊豆半島から榛南そして浜名湖まで県内各地で放流する取り組みが長年にわたって行われてまいりました。温水利用研究センターは浜岡原子力発電所の温排水を有効利用して海産有用魚介類の放流用の稚魚を生産供給することにより水産業の振興を図ることを目的に昭和四十七年に旧浜岡町、現在の御前崎市に建設され平成十七年の新築移転を経て現在に至っております。
 本県は、豊かな漁場に恵まれた国内有数の水産県であります。本県の沿岸漁業が将来にわたり消費者に新鮮でおいしい水産物を供給していくためには資源の維持増大が最も必要であります。したがって私は今後とも温水利用研究センターに県内の栽培漁業の中核としてしっかり機能してもらいたいと考えているところであります。
 そこで改めて、県として温水利用研究センターが本県の沿岸漁業の振興に果たしている役割をどう認識しているか伺うとともに、今後栽培漁業にどのように取り組む方針であるかを伺います。
 次に、榛南のいそ焼け対策の現状と今後の取り組みについて伺います。
 沿岸の漁業資源の維持増大を図るためには、魚介類の生息に適した環境づくりが大事であります。特に藻場は海の中の二酸化炭素や栄養のある塩分を吸収して成長しアワビなどの魚介類の餌となるばかりでなく、魚介類が産卵する場所や魚の子供たちが育つ場所として極めて重要であります。榛南の海域では沿岸の砂浜の沖合に広大な岩礁が広がっていて、かつて一続きの藻場としては日本最大となるカジメやサガラメの藻場が広がっていると言われてまいりました。ところが海藻が焼けたように枯れるいわゆるいそ焼けが平成元年ごろから顕著となり平成十二年には御前崎の沿岸部に最後まで残っていたサガラメが枯れて全滅してしまいました。このいそ焼けのためにかつては榛南地区で年間二十トンもの漁獲があったアワビや年間四十トンもの漁獲があった地域の特産品であるサガラメの漁獲は皆無となってしまいました。
 そこで、県では榛南海域の藻場を回復させるために海藻の豊富な伊豆の海にブロックを沈めてカジメを自然に着生させ、さらにカジメの種苗を取りつけた上で榛南の海域に運んできて設置しました。また地元の漁業者と協力してカジメやサガラメを食べてしまうアイゴなどの魚を駆除したりブロックの設置が困難な海域に親株となる海藻の移植を行ったりするなどさまざまな取り組みを行ってきたと承知しております。
 藻場回復の取り組みは、自然相手で難しいことは私も十分承知しておりますがぜひともよい成果を出してほしいと願っているところでございます。そこで榛南海域の藻場の回復の現状と藻場回復に向けた県の今後の取り組みを伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 静岡茶の振興についてお答えいたします。
 近年、ライフスタイルの変化や嗜好の多様化によりましてリーフ茶の消費が減少し価格も低下している現実はまことに残念です。今生産者、茶商、静岡茶市場など茶業界全体が大きな転換を求められております。
 こうした中、議員御指摘のとおり海外のマーケットに視野を広げていく必要があります。このため県は需要が拡大しているアメリカやEUでの販売活動を支援するサポートデスクの設置や商談会への出展支援、海外で日本茶を扱う業者や専門誌の編集者の招聘などにより一層の輸出拡大に努めてまいります。
 今年度の実績でございますけれども、アメリカとEUで開催された食品見本市に流通関係者の出展を支援いたしました。十一社の流通関係者が出展いたしまして二百九十件の商談を実施したところ現時点では四件が成立ということです。それからまた輸出向け茶生産につきましては生産者と流通関係者のマッチングを支援いたしまして、二工場が二十八年産の茶を輸出向けに製造し流通関係者に販売していくことになっております。
 また、海外でのお茶の嗜好というのが抹茶といいますか粉末茶ということでございますのでこうした需要のあり方に対応するために抹茶とあわせ、生産者と流通業者のネットワークを構築すると。国の地方創生推進交付金を活用いたしましてモデル地区を設置して被覆技術や適正品種の実証などを進めて抹茶の生産の拡大を図ってまいります。
 また、もう一つ難しい問題があります。それは輸出を拡大していくのに相手国の農薬基準に適合することです。県内各産地百三十六点のお茶の分析結果をもとにしまして輸出向けの栽培手引書をまとめます。それとともに特に有機茶につきまして生産を拡大する取り組みを進めます。
 さらに来年度、島田市からお茶の郷を来年度中に取得することとなりました。茶の都しずおかの拠点といたしまして仮称ですけれどもふじのくに茶の都ミュージアムの整備に着手いたします。このミュージアムでは多彩な静岡茶を紹介するとともに、お茶の健康に役立つ機能性などの情報について発信をいたします。これに加えてお茶に関する国際会議の開催、喫茶文化に関する調査研究、本格的な茶事や茶器づくりなどの体験プログラムの実施などによりまして日本を代表するお茶の博物館としてまいります。
 さらに、ことしは三年に一回のいわゆる世界お茶まつりというのがございまして前回から春の祭典、秋の祭典と二つやっておりますが、「O―CHA」、これをお茶と。「O―CHAを愉しむ」というふうにテーマといたしまして第六回世界お茶まつりの開催年になっております。五月には新緑の茶園が広がる富士山静岡空港周辺で、その秋の十月にはグランシップを会場にいたしまして世界のお茶の新たなトレンドを知ることができる見本市、静岡の美しい茶園をめぐるツアー、世界各地の音楽や斬新な茶器を楽しめるお茶会、国際的なシンポジウム等々を実施いたしまして静岡茶の産業、文化、学術のさらなる進化を図ってまいりたいと思っております。
 私どもは、「山は富士 お茶は静岡 日本一」というその標語に恥じないように、また茶の都であり続けられますように生産者、茶商、静岡茶市場など茶業界の皆様と連携をいたしまして静岡茶の振興を図ってまいります。以上でございます。
○副議長(杉山盛雄君) 篠原経済産業部長。
○経済産業部長(篠原清志君) 本県の沿岸漁業の振興についてのうち、温水利用研究センターの役割についてお答えいたします。
 県は、沿岸漁業の振興を図るため昭和五十九年に第一次静岡県栽培漁業基本計画を定め漁業者や地元自治体と一体となって栽培漁業に取り組んでまいりました。この結果今日では水揚げ中に放流魚が占める割合はマダイで三割、ヒラメ、トラフグ、アワビで一割を超えるなど種苗の生産、放流の取り組みは本県沿岸漁業の確実な下支えとなっております。
 このような中、温水利用研究センターは種苗生産の技術向上と健康な稚魚を低廉な価格で安定供給することに取り組んでまいりました。漁業者からも引き続き安定した種苗生産を望む声が多くあり、本センターは本県沿岸漁業と資源管理型漁業の推進に欠かすことのできないものとなっております。
 県といたしましては、引き続き第七次栽培漁業基本計画に掲げた放流種苗の遺伝的多様性の確保や栽培漁業の経費削減を図るとともに、県漁業協同組合連合会などの漁業者や中部電力との連携を強め同センターが栽培漁業の中核として重要な役割を果たしていくよう努めてまいります。
 次に、榛南のいそ焼け対策の現状と今後の取り組みについてであります。
 県は、いそ焼けで消失した榛南地域の藻場を回復させるため平成十四年から対策を実施してまいりました。中でもカジメは深い場所に生息するため種苗を付着させたブロックを数多く設置できたことから現在藻場は百六十五ヘクタールとなっており、その広がりについてモニタリング調査を行ってまいります。今後カジメが回復してきた海域においてはアワビなどの貝類の生息状況を調査し、その増殖方法を確立してまいります。
 一方、サガラメは浅い場所に生息するためブロックを設置することが難しいことからダイバーによる手作業で速やかに苗を移植する方法の研究を進めるとともに、漁業者がみずから行う移植作業を支援してまいります。またサガラメは特に魚による食害の影響が大きく回復が難しいことから食害や潮流の悪影響が少ない海域を探し、より効果的に移植を行うことで藻場の復活に努めてまいります。
 藻場は、魚介類の生息場所として極めて重要であります。県といたしましては今後とも沿岸漁業の振興のため榛南地域の藻場の回復に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 藪田宏行君。
       (三十九番 藪田宏行君登壇)
○三十九番(藪田宏行君) 御答弁ありがとうございました。
 今御案内のように、一次産業もですね、どの産業も大変暗い話題が多いわけでありますが県では産業振興、一次、二次、三次、本当に一生懸命取り組んでいるわけでありますがこれからも一次産業、漁業、お茶だけでなく本当に大変な部門が多いわけでありますのでこれまで以上に一生懸命取り組んでいただきますよう要望して終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(杉山盛雄君) これで藪田宏行君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 三月四日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

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