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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年12月静岡県議会定例会

山本 貴史 議員(ふじのくに県民クラブ)の 代表質問 に対する答弁

(質問日:12/06/2016番目)
答 弁 者知事


○知事(川勝平太君) 山本議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、県政運営の成果についてであります。
 私は、平成二十一年の七月に知事就任以来、富士山を擁する静岡の地に日本の理想郷を築くべく、ふじのくにづくりを進めてまいりました。これまで七年半余り全力を傾注して施策に取り組んできたところでございます。第一期目のレガシーと言えるかどうか、県政がマニフェスト大賞グランプリと、日本一だというふうに評価されたのは私個人にとりましても、またチーム川勝にとりましても大変な励みになりました。そして第一期からこの第二期に移る中で富士山の世界遺産登録を皮切りにいたしましてユネスコエコパークの南アルプス、世界文化遺産の韮山反射炉など、この今月まで四十三カ月でありますが、四十三件を数える本県の資源が世界的評価を得ることとなりました。まさに世界に羽ばたくふじのくにの立ち姿があらわれてきております。将来へのかけがえのないレガシーではないかというふうに考えております。これらは場の力を引き出すことによって可能となったものであります。
 私は二十年ほど前に小さな本を出しました。「文明の海洋史観」というものですが、これがこのほど文庫版に入ることになり、後書きを書けと言われましてその後書きの一節に次のように記しました。
 小生は現職の知事です。ポスト東京時代の富国有徳のふじのくにを実現するために精励しています。新しい国づくりには新しい学問が要ります。現場をよく知る学問、フィールドワークが不可欠です。政治の目的は現実の社会を平和にし、人々の暮らしをよくすることです。フィールドワークは地域の現状を把握するための作業です。地域の現状がわかると改善策が出せます。改善策を実施するのは政治の役割です。フィールドワークは現状分析、現状改革の方法です。現場に身を置き、現場の課題を当事者と共有し、問題の解決に一緒に取り組むと「動中の工夫は静中に勝ること百千億倍」という白隠禅師の教えのとおり解決は早まります。それを小生は現場主義と呼び、過去七年余りの在職中に知事室から出て県下各地を優に二千回以上駆けずり回ってきました。現場主義はフィールドワークの別名です。ですから県土と県民が学びの対象であるということであります。よく職業としての学問と職業としての政治は両立しがたいように言われます。誘惑、自己顕示、権力エゴ、金銭エゴを抱える多くの職業政治家と真理に仕える職業学者とは異質であり両立しない面が現実にはあります。しかし政治と学問はフィールドワークにおいては一体です。ただし条件があります。政治家の身辺には誘惑が常在しており、それを身辺に寄せつけないためにはあらゆることを自分を勘定に入れずに、よく見聞きしわかり、そして忘れず、現場を常に道場と心得る姿勢が要ります。常在戦場にあらず、常在道場を旨とし、来る者を拒まず、助力を惜しまず、見返りを求めぬことを心がけなければなりません。知は力です。では、真に力となる知は何か。それがフィールドワークから得られる知であります。小生は、知事とは知に事(つか)えると我流に読んでこれまで現場主義に精進してまいりました。みずから現場に赴き、実際に見て県民の皆様の声を直接お聞きするフィールドワークをもとに必要な施策を立てる現場主義を政治姿勢として県政運営に邁進してきたところであります。
 この現場主義やスピード感ある対応、情報をオープンにする姿勢は、この七年間余りで副知事を初め幹部以下全ての職員に浸透し、今やチームとして定着しているという感触を持っております。振り返りますと、知事就任直後に駿河湾を震源とする地震が発生しました。県民の皆様の命を守る危機管理が全てに優先するという認識を強く持つきっかけになりました。その後、さまざまな現実、状況の変化に直面する都度、特に東日本大震災、南海トラフの巨大地震の想定など、こうしたものに備える地震・津波対策アクションプログラム、これを二〇一三年から実施しておりますけれども、これも南海トラフの巨大地震に直面している所見の中での先進的取り組みではないかと思っています。またリーマンショック後の経済状況の悪化に対応しまして、雇用創造アクションプラン、これは三万人の雇用を創造するということで実はひそかに職を賭してこれに取り組んだわけですがこれも前倒しで実現することができまして、これは今や産業成長戦略というものに姿を変えてこれを今推進しておりますが、常に県民幸福度の最大化を図ることを念頭に課題の克服に努めてまいりました。
 さらに、静岡県のためのみならず日本のため、ポスト東京時代の先導役を担うという気概を持ちまして新しい県土づくりに取り組んでまいりました。国土強靱化、これこそ今は誰もが使っておりますけれどもその先駆けが内陸のフロンティアを拓く取り組みであったと思っております。美しく、強く、しなやかな静岡型地方創生の推進、日本一多彩な地域資源を生かしたふじのくにの食の都づくり、茶の都づくり、花の都づくりなど、静岡県の中心性を高め全国のモデルとなる取り組みは現在進行中であります。世界の人々を引きつけてきたアメリカンドリームが陰りを見せている中、クールジャパンという言葉が聞かれるようになりました。日本はすてきという意味であります。これがもう一皮むきますと、これはジャパニーズドリームとして、憧れられる国というふうになるという認識を持っております。世界クラスの魅力に満ちあふれた静岡県がその先頭に立つことができるというふうに感じております。またそういう意思を持っております。国土の象徴富士山を仰ぎ見るこの美しい静岡の地に県民誰もが幸せに暮らす、国内外から憧れを呼ぶ理想郷、人がジャパニーズドリームを実現できるところだという地域を築くべく全力で邁進してまいりますので、山本先生初め県議会の皆様の御支援、御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
 次に、平成二十九年度当初予算編成方針についてであります。
 当初予算編成に当たりましては、後期アクションプランの最終年度となることを踏まえ、富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの総仕上げを着実に推進するとともに、ポスト東京時代の理想郷づくりに向けた取り組みを進化させ、県内外はもとより国内外から憧れを呼ぶ理想郷をつくるジャパニーズドリームという言葉を聞ける時代を開くために新たな施策を展開することを基本方針としております。
 一方、来年度の財政収支試算を見通しますと、六百億円もの財源不足が見込まれていることに加えまして本県経済の回復の足取りの鈍さにより県税収入の見通しの不透明さがございます。このような厳しい財政状況下での予算編成ではありますが、これまで恵まれた財政状況で予算編成をしたことはありません。このため廃止等の見直しが可能な経費につきましては厳しい予算案の提出基準を設けるなど事務事業の徹底した見直しを行います。
 ふじのくにづくりの総仕上げに向けましては、これまでの施策の進捗状況や新たに生じた課題への対応等を踏まえ、後期アクションプランの重点取り組みのラストスパートをかけます。具体的には熊本地震等の教訓を踏まえた地震・津波対策の充実強化、待機児童解消を目指した保育施設の整備促進、グローバル化による産業構造の変化等を踏まえた航空関連産業やCNF等の新産業の創出などに取り組みます。
 これまで前倒しで進めてきた取り組みの成果を基礎として、日本の理想郷から海外からも憧れるような理想郷にしていくというステージを一段上げていく覚悟でおります。具体的には各国・地域との交流の成果を踏まえた食、健康長寿、スポーツなど新たな分野や通商分野への地域外交の展開、世界標準との評価を得た資源のブランド力等を活用した訪日外国人観光客の受け入れ促進、東京オリンピック・パラリンピックの県内開催を契機とした美しい景観づくりやサイクルスポーツの振興、先端技術を応用した農業の生産性の飛躍的な向上など取り組みたいプロジェクトでございます。
 後期アクションプランの最終年度となる来年度に向けまして、総括の仕方が新しい出発の仕方を決めるという認識のもとでふじのくにづくりの総仕上げを行いつつ、理想郷の実現に向けて一歩を踏み出す夢のある予算としたいと考えております。
 次に、地域外交におけるアメリカへの対応についてであります。
 先月アメリカの大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ氏が勝利なさいました。トランプ氏は米国の利益を最優先するアメリカ・ファースト――米国第一主義を掲げられています。選挙戦を通じて日本という重要な同盟国に対して米軍駐留経費の負担増を訴えられまして、米軍撤退まで示唆されました。環太平洋戦略的経済連携協定いわゆるTPP、この批准の審議を日本がしている真っただ中で、そこからそれには反対すると明確に言われました。日米関係に大きな影響を及ぼす御発言が繰り返されているところであります。
 昨日、一昨日と日中韓賢人会議が第十一回目を迎えました。福田元総理、李洪九韓国元総理、曽培炎元中国副総理、いずれもアメリカの動きに対しまして不安を表明されました。しかしこのことについて動揺しないでおこうという申し合わせがなされました。日中韓いずれもアメリカに大きく依存しております。アメリカは自由と民主主義、自由は自由貿易というそうした貿易の形をとっておりますが、それが保護主義に傾くという懸念がなされております。日中韓におきましては自由貿易を柱にしていこうという申し合わせもなされたところであります。私は、このような保護主義、いわゆる昔ございましたモンロー主義、アメリカ孤立主義、いわば鎖国主義という動きは常にアメリカの中には内在化しているわけでございますが、そのことにも増して、例えばケネディ大統領やオバマ大統領がお持ちになっていた自由や民主主義やこの人権などに対する理想主義というものが今失われていくのを目の当たりにしているのではないかと思います。新しい大統領は来年宣誓式を行われます。私はアメリカとの関係は日本にとって極めて重要であると。それはいずれ日系人がアメリカ大統領になる可能性すらないとは言えないからです。そのときに、しかし条件があると思います。アメリカ歴代大統領は常に聖書に手を置いてそして宣誓をなさり、最後はゴッド・ブレス・アメリカ、神よアメリカをよみしてくださいという言葉で結ばれます。非キリスト教徒には目下の制度では大統領になることができません。そこに限界があるかというふうに思っています。
 しかし、日本はさまざまな宗教が共生しているという国であります。この点では、これを自覚的に考えれば一歩先んじていると、あるいは文明の衝突、これは宗教間のあつれきというものが背景にありますが、こうしたあつれきを生む原因の一つは内にはないというふうにも思っております。まだこれを実現するためには幾つもの取り組みをしなければならないとは思っておりますが、理想主義の衰退という認識を持っております。
 一方、地道な努力はこれまでしてまいりました同様、これからも続けていかねばなりません。米国との地域外交につきましては、日米の地域間交流による両国間の友好関係構築を目的に設立された日米カウンシルが主催する知事会議への参加を通じて主に経済面での交流を深めてまいりました。今年度は知事会議は開催されませんでした。しかし先月にシリコンバレーで開催された日米カウンシルの年次総会に合わせてビジネスマッチングが実施され、県内からも四社が参加し米国企業との商談や企業訪問等が行われました。シリコンバレーには世界中から医療、バイオ、ITなどさまざまな分野の優秀な人材が集まり新しいビジネスが次々に生み出されております。こうしたシリコンバレーの活力を取り込むために引き続き県内企業とのビジネスマッチングの機会を提供してまいります。
 アメリカでは、日本茶の需要が拡大しておりますことから、平成二十七年五月ロサンゼルスに現地での販売活動を支援するサポートデスクを設置しました。商談会への出展などとあわせお茶の一層の輸出拡大にも努めます。
 市町が取り組む姉妹都市交流は、市民訪問団や高校生等青少年の相互訪問、留学生の受け入れなどに多くの県民が参加することで国際理解を深めるとともに、静岡県が持つ魅力を発信するよい機会です。中でも日米交流の原点の地とも言える下田市は、日本開国の端緒となった黒船艦隊のペリー提督の出身地であるニューポート市と両市において開催される黒船祭――ブラック・シップ・フェスティバルへの相互参加を通じて多くの交流を長く交流を続けております。
 在日米軍は、平成二十二年度から県の総合防災訓練に参加しておりますが、東日本大震災でのトモダチ作戦を契機に参加する訓練の範囲や陣容を拡大するなど協力体制を強化し、防災分野でのより緊密な関係構築を図っております。
 県としましては、日米カウンシルの知事会議を軸とした経済交流を進めるとともに、市町レベルの交流を活性化させることにより県全体として米国とのネットワークを強固にし、経済や防災を初め幅広い分野で相互にメリットのある地域外交を展開してまいります。地域外交監の増井氏はアメリカ滞在が長いので、この点でも期待がされます。
 次に、医療健康産業の振興についてであります。
 静岡県は、医薬品、医療機器の合計生産金額がほぼ一兆円規模と全国第一位です。あわせて化粧品生産金額も約四千億円と全国第一位であります。県は、こうした地域特性を踏まえますとまさに美と健康の都と言うべき状態になっております。その中心はファルマバレーでございますが、ファルマバレープロジェクトを中心に地域企業の医療健康産業への参入、患者や臨床現場のニーズに応える製品開発の支援など今取り組んでいるところであります。これらの取り組みは順調に成果を上げています。国からふじのくに先端医療総合特区が指定を受けました。全国のライフ・イノベーション分野の特区の中での最高の評価を得たところであります。
 また、ファルマバレープロジェクト第三次戦略計画の四つの柱の一つとして世界展開を掲げています。ものづくり、ひとづくり、まちづくり、そして世界展開です。この四つ目の世界展開をベースに世界標準の製品づくりを支援しているところであります。具体的には静岡がんセンターが企業と開発した肺がんなどの診断を支援する類似症例検索システムのフィリピンへの展開がございます。フィリピン国立大学附属病院への医療機器の導入を目指すとともに、医師同士の交流を通じて静岡がんセンターの診療の仕組みや患者・家族を支援するおもてなしの精神の輸出もあわせて進めるなど単なる製品の販売にとどまらない形での海外展開を進めております。このおもてなしの精神が具現化しているのがいわゆるよろず相談というもので、これが日本トップの朝日がん大賞というのを受けた理由になっております。
 これらの取り組みに加えまして地域外交で培った人的ネットワークを活用しまして、台湾の工業技術研究院――ITRI、通常イトリと呼ばれますが、このイトリと県内企業との連携による医療機器の開発を進めているほか、アメリカ合衆国シリコンバレーにある研究機関と医療健康産業における連携についても取り組みを始めたところであります。
 昨今、オプジーボが話題になっております。小野薬品が販売をしているわけですが、これを開発されたのは御案内のように本庶佑先生――静岡県立大学の理事長であります。その小野薬品がオプジーボを製造しているのは静岡県下にあります。二月一日から製品額が半額になることを閣議決定なさいましたので、恐らく販売額がさらにふえるものというふうに期待しているところであります。
 今や富士山の麓のファルマバレーは文字どおり富士山麓の医療城下町と言われる存在になりました。医療城下町というのは平成六年に構想が一番最初に立ち上がったときに山口建――現在の総長が理想とされたもので、このイメージが今形になったのを喜んでおります。そしてこの九月にファルマバレーセンターが開所をいたしました。静岡がんセンターとファルマバレーセンターとが二つの拠点となりまして、その拠点を最大限に活用して世界にこのバレーから、この谷合いからプロジェクトが生まれるメード・イン・マウントフジバレー、メード・イン・シリコンバレーじゃなくてメード・イン・マウントフジバレー、箱根山麓の麓、富士山の麓ということからバレーと言っているんですが写真は全て富士山麓です。そこに立つ美しいがんセンター、今やそこにファルマバレーセンターが加わりましたが。ですからメード・イン・マウントフジバレーと言うのがわかりやすいんじゃないかというふうに思っておりますがそうした製品をここから製品を送り出すとともに、海外の研究機関や企業との連携を一層図りまして、世界展開をこれまで以上に進めアジアの医療健康産業をリードするクラスターに育てていくよう取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。

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