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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

竹内 良訓 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/10/2015

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 富士山静岡空港の将来像について                 
2 自転車を活用した交流の促進について               
3 本県の将来を担う人材が定着する環境づくりについて        
 (1) 静岡への誇りと愛着を醸成する学びの推進            
 (2) インターンシップ制度を活用した新卒者等の県内定着促進     
4 手話言語条例の制定について                   
5 県有施設の定期休館日見直しによる県民の利便性向上について


○副議長(杉山盛雄君) これで良知淳行君の質問は終わりました。
 次に、四十一番 竹内良訓君。
       (四十一番 竹内良訓君登壇 拍手)
○四十一番(竹内良訓君) 私は自民改革会議所属議員として通告に従い、一括質問方式で伺います。風邪気味で少々聞き取りにくい点があるかもしれませんが、思いやりの心を持ってしばらくの間おつき合いのほどよろしくお願いしたいと思います。
 まず最初に、富士山静岡空港の将来像について伺います。
 富士山静岡空港は、開港して六年余りが経過しました。昭和六十二年の建設地の決定から平成二十一年六月四日の開港に至るまで二十年を超える歳月においては、土地収用法に基づく建設用地の取得や住民投票条例をめぐるさまざまな動き、開港直前に起きた立ち木問題、そして暫定運用による開港など本当に困難な課題が多々ありました。しかしそのさまざまな課題を地権者を初めとする地元の関係者の皆様方の御協力、既に退職をされているOBの方々を含めた県職員のたゆまない努力、そして静岡県議会富士山静岡空港利活用促進連盟の先輩県議の皆様の御尽力によって乗り越えてきました。改めて全ての関係者の皆様方に敬意を表したいと思っています。
 現在、富士山静岡空港は国内遠隔地や海外とを結ぶ広域交流のネットワークの拠点として重要な役割を担っています。近ごろでは激増する訪日外国人の影響もあって国内線四路線に対し国際線は十路線が就航する国際空港へと発展しており、年間利用者目標の七十万人を超える勢いであります。しかしながらこの利用者数の増加の中心は中国人旅行客がほとんどであり、中国の景気動向によっては訪日ブームが一過性で終わるのではないかという不安な側面もあります。ゆえにソウル線の復便や東南アジア諸国への新規路線の開拓など、ほかの路線拡充やアウトバウンド需要の創出に向けて改めて利用拡大を図るための活動を行う必要があると考えます。
 また、先ごろ発表された空港収支では四億九千万円余りの一般財源が投入されたとのこと。収支については前年度からは改善は見られているものの、開港以来毎年五億円前後の県費負担が続いていることを考えても収支のさらなる改善に真剣に取り組んでいくべき時期に来ています。昨年県議会常任委員会において仙台空港を視察したところ、仙台空港では公共施設等運営権制度を導入し空港の経営改革に取り組むとのことでありました。静岡空港も持続的な発展のためには民間活力導入による利活用促進策の実施や収支改善に向けた効率的な運営なども必要であると思います。
 難産を乗り越えて誕生した富士山静岡空港は、今や県政発展のために欠かすことのできない重要な社会資本でありその効用を最大限に生かしていくべきであると考えます。将来に向けてどのような空港を目指していくのか伺います。
 次に、自転車を活用した交流の促進について伺います。
 昨日、正式に静岡県では初となるオリンピック種目の開催が決定しました。伊豆市に開催決定に至るまで御尽力をいただいた方々に感謝申し上げるとともに、伊豆市選出の県議を含め関係者の皆様方に心よりお祝いを申し上げたいと思います。
 さて、昨日我が会派の中谷多加二県議がスポーツを活用した交流について質問をされました。私は自転車一本に絞って質問をさせていただきます。
 現在、自転車に乗って地形、自然、景色を楽しむサイクルツーリズムの取り組みが全国各地で進められています。本県においてもことしに入りイタリアのフリウリ・ベネチア・ジュリア州からスポーツ交流の申し出があり、本県と同州がそれぞれに開催するサイクリング大会にともに参加して互いの交流を育んでいく内容の覚書に調印したとのことです。ヨーロッパにおけるサイクルスポーツは歴史があり文化として定着し成熟している国民的スポーツです。こうした地域との交流は本県のサイクルツーリズム発展の底上げになるものと期待しているところであります。
 ちなみに、八月に開催された同州の自転車レース、カルニア・クラシックは開催十一回を数える歴史のある大会で、そのコースはヒルクライムと呼ばれる山登りが中心でありながら距離は宇都宮市で開催される日本最大規模のレースにも匹敵する百三十四キロメートルとその約半分の距離である六十四キロメートルの二つが設定されているかなり高いレベルの大会であります。大会運営においても山登りの経験の少ない自転車愛好家をサポートするための特別ガイドの配置やセキュリティーと安全のために五百人ものボランティアを集め選手を支えるなど運営体制も行き届いているようで、今後の交流に向けて本県も見習うべき点が多々あります。ただし自転車を活用した交流についてはイタリアに特化した交流にとどまってはいけないのではないでしょうか。今回覚書に調印したこの交流の基本はまずは大会を相互に開催することにあり、ともすれば大会開催地にしか効果は波及しないことが考えられます。
 本県では現在サイクルツーリズムの取り組みが県内各地で進められており、私の知る範囲だけでも一月から十一月までの間に十以上の大小のサイクルイベントが開催されています。私の住む西部地域の浜名湖でも浜名湖サイクルツーリング、遠州ゆるゆるガイドライドなどサイクリングを切り口にした取り組みを進めています。さらには浜名湖一周を台湾のサイクリスト向けに旅行商品として提案する試みも始まろうとしています。
 東京オリンピック自転車競技の開催も決まる中、県は自転車を活用した交流の促進についてしっかりと地に足をつけ裾野を広げていくべきだと考えますが、イタリアとの交流を契機にした自転車の交流を今後どのように進め全県へ拡大、そして定着につなげていくのか伺います。
 次に、本県の将来を担う人材が定着する環境づくりについてのうち、静岡への誇りと愛着を醸成する学びの推進について伺います。
 現在、地方と東京圏の経済格差の拡大などが若い世代の地方からの流出と東京圏への一極集中を招いており、地方からの人口流出問題は悪化の一途をたどっています。総務省の調査によればその傾向は本県において特に顕著にあらわれ、人口移動の状況は転出者が転入者を上回る転出超過が御存じのとおり二年連続で全国ワースト二位となっており、少子化に加え県外への転出超過が本県の人口減少に拍車をかけています。転出超過を食いとめるためには大学進学時と就職時に学生の県外流出に歯どめをかけることも必要であります。
 私は、地元浜松で日ごろから学生たちと将来のまちづくりについて議論を交わす機会を持つようにしていますが、その考え方、発想にはすばらしい感性があり、よい刺激を受けることが多々あります。社会の活力を維持し高める点からもこうした若く希望に満ちたエネルギッシュな人材がほかの県に流出することなく引き続き本県に定着し活躍してもらうことを期待してやみません。そのためには学生時代における学び方も重要になるのではないでしょうか。学生自身が現在暮らしている地域をもっと知り日々の学びの中で地域に密接にかかわることによって本県で生まれた学生は一層ふるさと静岡県に誇りと愛情を持つのであろうし、他県から静岡県内の大学に入学した学生にとっては本県のすばらしさ、魅力に気づき愛着を増すはずです。
 他県では、地域を研究する学部や学科を設置し地域理解を深め地域活性化に貢献する人材の養成を図っている大学もあり、静岡県においても本県の将来を担う人材を育成確保するために地域のさまざまなことを学ぶ地域学――静岡学を学生の目線に立って推進すべきではないでしょうか。
 県でも、魅力ある高等教育、学術の振興を図るため本県ならではの新たな地域学を創設すると静岡県総合計画後期アクションプランにうたっていますが、県内で学ぶ学生たちに対して地域学――静岡学の提供、推進について今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、インターンシップ制度を活用した新卒者などの県内定着促進について伺います。
 県では、このたび人口減少克服と地方創生に向け美しい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生総合戦略と長期人口ビジョンを策定しました。この中では喫緊の課題として若者を初めとする働く世代の転出超過に歯どめをかける安定した雇用の場の創出を挙げています。その成果指標として県内大学卒業就職者の県内企業等就職割合を四年後の平成三十一年度に六一・二%にする目標を挙げています。
 県の人口減少に係る県民意識調査では、県民の四割強が転出超過の原因は魅力的な職場が少ないからだと考えているとそのような結果も出ています。では本当に魅力的な職場が少ないのでしょうか。例えば第二次産業一つとってみても、ものづくり県である本県には業界では知る人ぞ知る企業、国内シェアナンバーワンの企業が数多く存在しています。残念ながら中にはそうした企業の名前を知らないという学生や社会人がいることも事実であります。世相にもよりますが一般的に学生もその親も有名企業志向、大企業志向であり業績がよくても知名度が低い企業には就職を希望しない傾向があります。
 ある民間の調査機関が発行する就職プロセス調査二〇一六年卒調査報告書によると、就職戦線が始まる四月の段階で学生が志望企業を選ぶときに最も重視した条件として一位は職種、二位は業種、三位は一緒に働きたいと思える人がいるかどうか、そして四位に勤務地という結果が出ています。またしずおか産学就職連絡会の就職活動時の実態調査によるとことし三月に卒業した学生の「就職活動時に効果のあった活動は」、この問いに就職情報サイトの利用が七六・四%で最も多く、インターンシップが二六・八%、学内の合同企業説明会が二三・〇%となっています。注目すべき点は学内の合同企業説明会よりもインターンシップに効果があったとの意見が多いことであり、直接仕事に触れる機会がいかに重要であるかということです。すなわち県内外の新卒予定者と企業のマッチング、出会いの機会をさらに促進させることが重要となります。企業は卒業年度を迎える前の在学中に行われるインターンシップのその意義とその活用の重要性を再認識する必要があります。まさに企業側から見れば学生への自社アピールの最高の場となるのがインターンシップではないでしょうか。そのためには各企業がインターンシップ制度への理解をより深め、そのノウハウを習得する必要があります。
 そこで、県内産業界が学生及び学生を送り出す大学と連携をしながらインターンシップ制度を一層有意義なものにし、結果的に県内への就職を促進できるよう地域が一丸となって取り組むべきだと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、手話言語条例の制定について伺います。
 手話を言語として認め、障害のある方ばかりでなく広く人々に普及させることを盛り込んだ条例を整備する動きが全国各地で進んでいます。現在国内には約二十八万人の聴覚に障害を持つ方がいますがこのうち聾者は約五万人だと言われています。そして静岡県内において聴覚障害により身体障害者手帳を所持している方は約九千人います。聾者は手話を音声のかわりに用いてコミュニケーションを図っています。しかし明治の初期より聾教育は話し手の唇の動きを読み取る読唇と発声練習を中心とする口話法が世界の主流となり我が国においてもそれらが用いられ、過去には聾学校での手話の使用が事実上禁止されるに至った悲しい歴史があります。手話は本来日本語と対等の言語であり音声が聞こえない、音声を用いて話すことができない聾者にとって日常生活を営む上での大切なコミュニケーション手段であります。二〇〇六年には国連総会において障害者権利条約が全会一致で採択され手話が言語として国際的に認知されました。また我が国においても平成二十三年に障害者基本法が改正され言語に手話を含むことが明記されました。さらに昨年我が静岡県議会六月議会において手話言語法――仮称――の制定を求める意見書を国に対して提出しています。今改めて日常生活、職場、教育の場で手話を使ったコミュニケーションが保証され自由に手話が使える社会環境の整備を国だけではなくて県としてもさらに推進することが必要であると考えます。
 現在、手話言語条例は全国で初めて制定した鳥取県を初め二十二の県、市、町で制定され富士宮市や浜松市を含む少なくとも二十五の自治体で制定に向けて審査・検討中と聞いています。手話を学ぶ、手話を使う、そして手話を守る権利を実現する社会を構築するために我が静岡県でも手話言語条例を早急に制定すべきと思いますが、県のお考えを伺います。
 次に、県有施設の定期休館日見直しによる県民の利便性の向上について伺います。
 本県には、県民の方々がより健康的に、そしてより文化的な生活を送るための県有施設が数多くあります。本年四月にオープンしたこのはなアリーナではさまざまな競技が行えるよう広い空間が整備されており、この先も県民に親しまれる新たなスポーツ拠点となるでしょう。またラグビーワールドカップが予定されるエコパスタジアムは、県内随一の本格的競技場であると同時にコンサートなどの音楽イベントも数多く行われ幅広く県民に利用されています。こういった施設を初めとした文化運動施設の多くは年末年始や施設管理に必要な点検日などを除いては定期の休館日はなく、ほぼいつでも利用できるようになっていることから県民のさまざまなニーズに応え健康維持や教養を深めることに役立っていると考えられます。
 しかし、その一方で疑問が残る施設も存在しています。例えば県立中央図書館においては国民の祝日を休館日としており県立水泳場及び富士水泳場、県武道館においては週に一日の休館日を設けています。多くの県民が施設を利用できるであろう国民の祝日を休館日にすることや毎週決まった曜日に定期的に休館することは県民サービスの低下につながり、利用者のことを考えての運営が行われているとは決して思えません。静岡県教育振興基本計画「有徳の人」づくりアクションプランでは県立中央図書館利用者数やスポーツ施設利用者数が成果指標として用いられています。定期休館日を廃止し利用者の増加を図ることは計画の進捗を管理をし施策の成果を評価改善する上でも重要な取り組みではないでしょうか。このことは県民の利便性を向上させると同時に施設の利用率が上がり大きな行財政改革の一つにもなると考えます。
 そこで、県立中央図書館、水泳場、武道館の定期休館日を見直し県民の利便性を向上させることについて、それらの施設を所管する教育委員会、教育長の考えを伺います。以上、答弁を求めます。(拍手)
○副議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 竹内議員にお答えをいたします。
 自転車を活用した交流の促進についてであります。
 恐らく竹内議員、また会場の皆様もそうだったと存じますけれども、私もそうでございますが小学校のときに初めて自転車を買ってもらってそれに乗ったときの興奮と感動、忘れられません。そして近隣はもとより京都市内を自転車で駆けめぐり大阪も越えて琵琶湖のある滋賀県まで出かけたこともございました。そういうことを通して身体が鍛えられ、そしてまた新しい冒険を、世界を開くそういう力をサイクル――自転車は持っているというふうに存じます。
 その後、私東京に出まして自動車と公共交通機関を利用するそういう社会になれて五十年、人生五十年を過ごしましたがその間にイギリスのオックスフォードに留学したんですがそこでは全員が自転車なのです。驚きました。老教授も学生も言うまでもなく全員が自転車でしかもぼろっちい自転車と。皆セカンドハンドなわけです。なぜかというと先生も赴任してこられるとセカンドハンドを老先生から譲り受ける。学生もそうです。大事にされていると。本当に驚きました。私もセカンドハンドを求め、また去るときに人に譲って帰国したわけですがその次に驚いたのは中国です。一九八〇年代の後半、九〇年代の前半、北京も上海も廈門も大都市はもう自転車があふれておりました。そして三番目に驚いたのがこちらでの生活です。静岡市に参りましてもう皆さんが自転車を乗られているということでございます。そして今おっしゃったように実は静岡県下、浜名湖一周のサイクリングの大会もございますし、東は溝畑観光庁長官をお務めになった方がみずからそれを退かれた後、観光のメッカは伊豆半島だということで自転車で一周をされ、そしてそれがテレビで放映されました。そうしたことから県下、実は西から東、南から北、ありとあらゆるところで自転車を楽しむ文化がございます。
 そういうことからいたしますと、私は静岡県はサイクリングのメッカになり得ると。ということであればサイクリングのメッカにすればいいと。そしてそのメッカになるための贈り物がこのたびオリンピック委員会のほうから我々のほうに朗報が届いたベロドロームを中心にした中でのトラック競技とマウンテンバイクをこちらで開催するということではなかったかというふうに捉えている次第でございます。
 先般、大須賀副知事を団長とするサイクリング交流団が台湾を訪問いたしまして、景勝地日月潭で行われる日月潭Come!Bikedayというイベントに本県サイクリストとして参加いたしました。そして同大会の関係者と懇談いたしまして、今後浜名湖サイクルツーリングとの交流を内容とする覚書の調印に向け協力していくことでおおむね合意したところでございます。
 イタリアのフリウリ・ベネチア・ジュリア州との自転車を核としたスポーツ交流は、そもそもこれはイタリア大使のほうからお申し出がございまして難波副知事そして私ということでそちらに参ったわけでございますが、先ほどヒルクライムと言われましたけれどもゾンコランは一千七百五十メートルありますのでヒルというよりもマウンテンでありまして、マウンテンクライムということで極めてハードな勾配が二十二度ぐらいあるところを登り切るという過酷なレースであります。そうしたところの大会運営とかノウハウとか、あるいはにぎわいづくりとかこうした手法はまことに学ぶべきところがたくさんございまして、そうした議員も御指摘のサイクリングの本場ですね。そうしたところの方々の目にかなう、そうしたサイクルコースを我々は提供するという機会を得たと。そして相手様の御希望がありまして富士山とそれから伊豆半島、富士を望む形でのサイクリングのコースを御紹介し、来年秋にこれを開催しようということで彼らの期待を裏切らないように何とかしたいと。それが私はまた波及効果を持つというふうに思っているわけでございます。
 国内外のサイクリストに、そういう意味でですね、決してイタリアに特化するということではなくて、こうした偶然を必然に変えていくといいますか、新しい、なるほどこれがきっかけになってこういうものが起こったということがあたかも当たり前になるような意味においてですね、広げていくきっかけにするということでございまして、開催地とかイタリアに特化するとかそうした考えは持っておりません。国内外のサイクリストに継続的に本県を訪れていただくためには長い距離を安全に心地よいスピードで走れるコース設定と走行環境を創出するとともに、地域の特産品でもてなすなど受け入れの体制をつくりましてツーリズムに結びつけていくということが必要です。
 県といたしましては、海外との交流の成果を県内各地に普及するとともに、多くの地域が積極的に魅力のあるサイクリングスポットを発掘していただきたい。そのために県もお手伝いをさせていただきたいと存じます。県議の先生にもぜひそのあたりの御指導をよろしくお願いしたいと存じます。そうした中で走行環境や受け入れ体制を整え、サイクリング大会等の開催を通じてサイクリストを呼び込むことができるよう支援していくことで国内外から評価される自転車文化日本一、自転車サイクリングのメッカを目指してまいろうではありませんか。
 次に、本県の将来を担う人材が定着する環境づくりについてのうち、静岡への誇りと愛着を醸成する学び、いわゆる地域学の推進についてでございます。
 本県が出資しております静岡県立大学では、平成二十六年度に静岡地域食材学、また茶学入門など文理を融合したしずおか学の科目群を設置なさって現在十二科目を開講しておられます。このリーダーシップをとられたのが当時の学長であられた木苗――現在の教育長――先生であります。
 また、静岡文化芸術大学では地域のブランド化を目指した地元農水産物を活用した商品開発の取り組みなど学生が現場での体験を通して地域課題への理解を深める地域連携型実践演習を実施しております。
 さらに、ふじのくに地域・大学コンソーシアム、これは本県下の大学がつくり上げております連合体でございますけれどもここでは地域資源をテーマとした共同公開講座の開催や各大学が実施する学術研究に対する助成を行うとともに、地域資源に光を当て自然科学と人文社会科学とを包含し静岡県の特徴を世界との比較の中で研究する学際的かつ国際的な地域学、総称してふじのくに学といったものを創造したいということでございます。平成二十六年度からは富士山の自然と社会をテーマに複数の大学が単位認定するフィールドワーク――野外調査、現場での勉強でございますが、このフィールドワークを取り入れた総合的な科目を開講しているところであります。
 この地域学というのは、地域を知らないと成り立つものではありません。そのためにはフィールドに出なくてはいけないということでございます。しかしこの地域学が従来の郷土学と違うのは郷土についての自慢をするということが目的ではないということです。結果として地域に対する誇り、愛着を生むということがありましても、なぜ今地域学がこのように静岡県だけでなくて全国各地で盛んであるのかということでございますけれども、これは私は広く地域創生をするためにはやはり地域のことを知らねばならないというそういう基本的な共通認識ができたからだと思います。かつては欧米の学問を学んで欧米のような国づくりをするために、また欧米のような国づくりをする模範としての東京を見習うために、その欧米の学問を勉強するということをしたというふうに思います。
 したがって、やはり国づくりの基礎、また地域づくりの基礎にはやはりそれに応じた学問というのが要るんだということでございます。そうした流れを踏まえて地域学を位置づけてみますと日本の学問はずっと輸入学問でした。仏教もそうです、儒学もそうです。もちろん洋学もそうであります。しかしながらそれをもう取り入れ終わって、仏教に応じた形での国づくりは奈良や京都でいたしましたし、儒学に応じた国づくりは城下町文化をつくり上げた武家時代の江戸時代に完成したと僕は思います。そして今、洋学を取り入れた文化というのは、ミニ東京を含め東京や首都圏で欧米にまさるとも劣らないそういう国づくりをしてきたということでございますので、そういうふうになりますと実際もう日本はみずからの学問を立てる以外にないと。そしてこのみずからの地域には仏教や儒学やあるいは洋学といったものが血となり肉となっているということでございます。
 そうしたことがほぼ見えてきたころに、日本から留学するのではなくて留学生が日本に来るようになりました。つまり日本を見習ってそれぞれの地域のそれぞれの国おこしをしたいということでたくさんの留学生が来るようになり、その数は十万を超えております。ですから私どもは実は自分たちの地域がモデルになり得るというそういう認識を持ったほうがいいということです。
 ですから、そういう観点で見ますと静岡県はいわば海もあり山もありますので高い山は寒帯のような気候を持っておりますし、南アルプスのように本州全体の生態系を集約したようなところもございます。議員の御地元の浜松などは南アルプスからずっとこの遠州灘までございますので、いわば日本の縮図だとも言われています。日本の縮図ということで見れば私はここ自体がモデルになり得るのだということですからそういう観点で地域を勉強することが大事だということで、地域に埋もれている仏教文化や儒学の文化やあるいは国学の文化や洋学をつくり上げられた鈴木梅太郎先生とか、その先人をしっかりと学ぶということを通して私は世界を学ぶということが大事だと。
 ですから、これからの地域学というのは学際的、国際的、総合的でなくてはならないと。常に世界を相手にして自分たちの地域づくりを相手に説得力を持ってモデルにしていただけるような体系をつくり上げる必要があるということで、なるほどにこれは挑戦に値することであると。青年にそういうような希望といいますか新しい使命感を持っていただくように地域学を構築していく必要があるということで、従来の文科省主導のヨーロッパの学問をただにただに復習をしてそれでいい点数を取るということからもう自立しなくちゃならんという意味で、この地方創生あるいはふじのくにづくりというものとこの地域学は密接不可分であると、こういうふうに考えているわけでございます。
 私どもといたしましては、引き続きこの県下の大学の連合体でありますコンソーシアムを通じまして各大学の取り組みを支援するとともに、今後は県内外の大学等の協働のもとで本県の特徴でございますお茶、あるいは防災先進県でございますから防災などをテーマにした本県ならではの全体総称してふじのくに学と一応言っておきますが、これを充実させるなどいたしまして、富士山が世界の宝になったように本県で学ぶことを通して海外の青年たちが自国の国づくり、地域づくりに励むということができるようにですね、この地域学の推進に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(杉山盛雄君) 西田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 西田郁夫君登壇)
○文化・観光部長(西田郁夫君) 富士山静岡空港の将来像についてお答えいたします。
 富士山静岡空港は、開港以来約三百四十万人の皆様に御利用いただき観光やビジネスなどのさまざまな経済活動等に寄与しているところであります。また中国からの旺盛な訪日需要の受け皿となるなど、十二月一日現在海外路線十路線という国内有数の国際線を有する地方空港としてその存在感を高めてきております。現在空港機能を最大限発揮できるようターミナルビルの改修・増築を初め空港の利便性の向上に全力で取り組んでいるところであります。空港のさらなる発展のためには路線の新規就航や増便に向けた航空会社からの要望などに機動的かつ効果的に対応するとともに、空港の管理運営につきましては業務の一元化による効率化を図っていくことがこれまで以上に必要と考えております。このため開港当初から地方管理空港としては唯一指定管理者制度を活用した空港運営を行ってまいりましたがこれをさらに進化させ、より経営的な視点を取り入れることが可能な公共施設等運営権制度の導入に向けた検討を進めているところであります。
 県といたしましては、仙台空港等の先行事例を参考に民間事業者のノウハウを活用し空港で発生する収益の効果的な活用などにより提供するサービス水準を高めて利用者の拡大を図り、観光産業の振興等につなげて県内経済への波及効果を最大化してまいりたいと考えております。
 富士山静岡空港の運営を行政による管理から民間による経営に転換することにより空港の効用を最大限に発揮し、首都圏空港の一翼を担う日本の空の玄関口として、また地域振興やにぎわいづくりの拠点として県民の皆様はもとより国内外の皆様に選ばれる魅力あふれる空港となるよう積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 篠原経済産業部長。
       (経済産業部長 篠原清志君登壇)
○経済産業部長(篠原清志君) 本県の将来を担う人材が定着する環境づくりについてのうち、インターンシップ制度を活用した新卒者等の県内定着促進についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、県内に多くの魅力的な企業があっても学生が企業の情報を知らなければ就職先として選ばれることはありません。また離職することなく働き続けていくためにも学生時代にインターンシップによる就業体験を行い自分自身の適性、企業の実情や仕事の内容を理解した上で就職活動を行うことが重要であります。このため大学生を対象にインターンシップ活用セミナーを都内で開催するとともに、県内企業四十五社のインターンシップ情報を取りまとめ首都圏などの大学に提供しております。また学生が企業を訪問し企業の実情を見るワークラリーしずおかを実施しており、受け入れ企業として百七社に参加していただいております。インターンシップは企業が主体となって進めていくものであります。県は今後企業におけるプログラム作成や受け入れ方法などのノウハウを提供する企業向けセミナーを開催し、インターンシップの内容の充実と新たに取り組む企業の開拓に努めてまいります。
 県といたしましては、商工会議所や大学など産学官で構成する静岡新卒者就職応援本部と連携してインターンシップの活性化を図り、企業が求める人材の確保と学生の県内就職を促進してまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 手話言語条例の制定についてお答えいたします。
 手話を言語として生活している方にとって、手話は情報の取得や相互のコミュニケーションを確保する大切な手段であり、県民の皆様に手話についての正しい理解を広め手話を使う方が自由に意思疎通ができる環境を整備していくことは大変重要であります。県では県民に手話を身近に感じてもらう体験教室を初め手話を使う方と互いに理解し合うために手話が必要であることを伝える講演会や映画上映会を開催しております。これにより手話に対する県民の理解を深め、広く普及させ手話が言語として守られるよう取り組んでおります。
 また、手話を使う方が日常生活の中で不便を来すことのないよう毎年多くの手話通訳者の養成に取り組んでおり、現在県内全ての市町において手話を使う方の依頼に応じて医療機関や金融機関等へ県が養成した手話通訳者を派遣することとしているほか、行政手続などで困らないように全ての市町に対して受付窓口への手話通訳者の配置等を働きかけているところでございます。
 今後も、手話を使う方が日常生活を営む上でより円滑にコミュニケーションができるよう、手話を使う方々や関係団体等の皆様の御意見を伺いながら手話言語条例の制定の検討も含め手話の理解促進と普及を図るための施策を推進し、手話を学び手話を使い手話が言語として認知され守られる社会を目指してまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 県有施設の定期休館日見直しによる県民の利便性の向上についてお答えいたします。
 県教育委員会の所管する施設のうち、県立中央図書館は祝日を休館日としております。また県立水泳場、富士水泳場、県武道館は定期的に休館日を設定しております。議員御指摘のとおり県民の利便性のさらなる向上を図る観点から休館日のあり方について今後検討する必要があると考えております。
 県立中央図書館では、書架の整理や市町立図書館との相互貸し出しなどの業務のため休館日を設けているところですが、祝日の開館につきましては土日の利用者数や遠方からの利用実態、他県の状況などを踏まえ前向きに考えていきたいと思います。すなわち県内で唯一の県立図書館でありますので、また遠隔地からの来館者及び仕事等のため平日来館できない県民への便宜を図るため、平成二十八年四月一日から祝日に開館することを目指して準備していきたいと思っています。
 また、県立水泳場、富士水泳場、県武道館につきましては、週に一日の休館日に各施設の指定管理者がプールサイドの清掃や道場の床面の点検など衛生面や安全面の管理作業を実施しております。今後、平日の利用者の実態やニーズを十分に把握した上でそれぞれの休館日のあり方について検討してまいります。
 県教育委員会といたしましては、県民の皆様の目線に立った施設運営に心がけ、県民サービスの向上に努めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 竹内良訓君。
       (四十一番 竹内良訓君登壇)
○四十一番(竹内良訓君) 今回は要望だけにとどめようかと思ったんですけれども、再質問からさせていただきます。山口健康福祉部長にお尋ねいたします。
 富士宮市では、県内初の制定を目指して十一月定例会の最終日十四日にこの手話言語条例について可決成立の見通し、そして来年四月に施行されるという報道をされています。浜松市でも来年早々にパブコメが実施される予定だと聞いています。県はこのような県内の市の動きに対してどのように評価をされているのか。
 あわせて、市で制定できて県はなぜ今検討する。つまりその違いは何かお答えいただければと思います。答弁を願います。
 続いて、あとは要望とさせていただきます。順番は異なりますけれども教育長に要望なんですけれども県有施設の定期休館日なんですけれども、浜松市に住んでいるんですけれども浜松市の武道館もトビオの総合水泳場も定期休館日を変更しているんです。してるんです、ともに指定管理者を置いてです。先ほどの健康福祉部長に対する質問ではないんですけれども、市でできて県が管理していてできないというのはいかがなものかと思っています。再度再考していただいて県民にとってどのような施設であるべきか。そこに働く人のためではなくて何のためにその施設があるかを考えて結論を出していただければと思っています。スピード感を持ってお願いいたします。
 続いて、インターンシップに関してなんですけれども議運にオーケーをいただきましたので。県の経済産業部の商工業局は、知事は御存じかもしれませんけれども元気な企業実態調査報告書というのをここ数年出しています。私が知っている経営者の方もいっぱい出ているんですけれども、この報告書は商工業局の職員が実際にその企業を訪問して積極的に挑戦している地域企業のよさや製品やサービスや経営方針などについていろいろまとめたものがこの八年間でこれはナンバーエイトですから毎年出ています。これは非常に興味深いと思うんですよ。ただこの活用方法は各セクションの棚に置きっぱなしになったり学校へただ宅配で送るだけという使い方なんですよ。ぜひ文化・観光部、大学課を持っていますし、キャリア教育を進める教育委員会に一言添えていただいてですね、しっかり活用していただくこと。それが情報を共有することにつながって、きらりと光る県内の中小企業と学生の人たちを結びつける最初の一歩にもつながると思っていますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、富士山静岡空港の将来像について要望いたします。
 今回、改めて空港の将来を論ずるときに開港前にいかに多くの方々が熱い思いを持って長い時間をかけて取り組んできたからこそ今があるんだなと再認識をしています。中でも先輩議員の方々が私たちが今いるこの議場でちょうちょうはっしの議論を経て富士山静岡空港が誕生したのだということを我々は決して忘れてはならないと思っています。
 私が尊敬する政治家の一人であり、初当選以来大変お世話になった前自由民主党静岡県連幹事長大石哲司先生が空港開港直前の時期に発行された「捨て犬ふらりの尊厳死」の中でこんな文章を記されています。以下紹介させていただきます。「この空港事業は単なる公共事業ではない。東西のはざまで当たり前のように発展してきた静岡県が、今後の雄県として地方分権時代を切り開く拠点圏域として発展することができるか否かの鍵を握る大プロジェクトである。空港事業を進める中で、代をつないで育ててきた農業の大切さ、貴重な自然、地域が育んできた歴史、文化、ともすれば空港事業と角逐する問題にも直面しましたが、少子高齢化、国際化、大交流時代という時代の中で、知恵を絞り英知を結集して、新たな創造の道を切り開いてきました」。最後にこんな言葉で締められています。「つくってよかった富士山静岡空港」と。この言葉を県職員の皆様方にお願い申し上げて、これからも推進していただければと思っています。よろしくお願いします。
○副議長(杉山盛雄君) 山口健康福祉部長。
○健康福祉部長(山口重則君) 手話言語条例の制定についての再質問についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、静岡県内におきまして富士宮市と浜松市が手話言語条例の制定に向けて取り組んでいるのは知っております。またそちらのほうの内容につきましても一応項目等につきましてはこちらのほうで少し勉強させてもらいまして、非常に手話を使う方々にとって円滑なコミュニケーションを進める上で非常に有意義なものとして評価しております。
 市がやって県がなぜできないかということですが、県が条例を制定するとしますとまず県全体でのこの意義というんですかね、そちらのほうをまずやっていかなきゃならないということもございまして、それぞれのまだ制定していない市町での手話の状況等についても全て調べていかなきゃならないということもございます。
 また、この手話言語条例につきましてはただの宣言条例としては無意味だと思います。今県において手話言語条例を制定しているところは鳥取県それと神奈川県それと群馬県、この三県がございます。神奈川県、群馬県におきましては二十七年四月、今年度制定したばかりと聞いております。そちらのほうの状況等につきましても十分勉強させていただきまして、さらに手話で生活する方を初め手話通訳者、通訳関係団体やあと学識経験者の方々から県においての手話条例の考えそして市町においての手話条例の考え、それらについて広く意見を聞きまして今後またこの手話の団体からの要望等も十分踏まえまして、それで今後検討していきたいと考えております。以上です。
○副議長(杉山盛雄君) これで竹内良訓君の質問は終わりました。(拍手)
 議事の都合により休憩します。

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