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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

田形 誠 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/29/2016

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:


1 熊本地震を受けた今後の対応について
 (1) 総合防災訓練
 (2) 大震災が発生した際の県職員OBの活用
2 民間事業者との包括連携協定について
3 生活に困窮する世帯の自立支援について
4 担い手への農地集積について
 (1) 農地中間管理事業
 (2) 農地集積を促進する基盤整備
5 教員採用選考試験について



○副議長(藪田宏行君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、二十二番 田形 誠君。
       (二十二番 田形 誠君登壇 拍手)
○二十二番(田形 誠君) 本日の本会議は、どうも伊豆の日ですとかあるいは伊豆シリーズとかそういった日になっているようでございます。私はふじのくに県民クラブの田形誠でございますけれども残念ながら田方郡の選出ではございません。浜松市の私がこの場に立たせていただくこと自体大変恐縮ではございますけれども、この時間伊豆シリーズ番外編ということでおつき合いいただければ幸いでございます。
 それでは通告に従い、知事、関係部局長、教育長に対し一括方式で質問をいたします。
 まず初めに、熊本地震を受けた今後の対応について伺います。
 御承知のとおり、四月の十四日と十六日、二度にわたって震度七の地震、これが熊本県を初めとする九州各地で甚大な被害をこうむったのは記憶に新しいところであります。四十九名もの方がとうとい命を落とされ十四万棟以上にも及ぶ建物被害を目の当たりにしたとき東日本大震災同様他人ごとではないと多くの方が感じられたのだろうと拝察をいたします。改めて今回の地震で被害に遭われた関係各位に対し衷心よりお見舞いを申し上げる次第であります。
 今回の地震では、千八百回を超す余震活動の影響が大きかったと言われております。たび重なる余震への不安から車中での生活を余儀なくされた状況が報道を通じてたびたび伝えられました。とりわけ熊本県内では最大で十八万人にも上る方々が過酷な避難生活を強いられ、結果エコノミークラス症候群の発症ですとか持病などの悪化により二十名の方がいわゆる震災関連死としてお亡くなりになっております。
 今後、揺れに対するトラウマが非常に心配されるのと同時に住宅の耐震性能の確保や家具の固定、食料、飲料水の備蓄などいわゆる自助の重要性、また被災状況の把握や避難所の運営などに当たりましては共助の重要性について改めて問われたような気がいたします。
 さらに、東日本大震災の教訓を踏まえて構築されたプッシュ型支援による物資供給については、今回の熊本地震が初めての本格的な運用の場となりました。私ども会派の代表質問でも取り上げたところでありますけれども、被災地内における配送のおくれなど課題について検証が始められているようであります。自助、共助、公助それぞれについて実動を踏まえ点検、見直しを継続していくことが極めて重要だと感じたところであります。
 そして、あの熊本地震から二カ月余りが経過をいたしました。被災地では生活再建に向けた支援や上下水道、道路、橋梁等の生活関連インフラの復旧・復興に向けた取り組みが進められております。
 しかしながら、被災自治体では復旧・復興事業の困難さに加え自治体職員が被災者となっている例もあり人的支援が必要な状況にあります。また東日本大震災の被災自治体においても道路や港湾を初めとした基盤整備などの復興事業の本格化により業務に従事する人材の確保が重要となっております。このたびの熊本地震あるいは五年前の東日本大震災により大規模災害発生時における人材の確保は、復旧・復興に取り組む上で大きな課題であることが明らかとなりました。
 さて、本県に置きかえてみますと東海地震説から四〇年が経過をした今、もはやいつ巨大地震が襲ってきてもおかしくない状況にあると言えるでしょう。いま一度県民の防災意識についての再確認を図るとともに、発災後できる限り迅速な復旧を目指すための策を講じる必要があると私は考えます。
 そこで、以下二点について伺います。
 一点目は、今年九月に実施をされる総合防災訓練についてであります。
 今年は掛川市をメーン会場として実施されるようですけれども、このたびの熊本地震の経験からも自助、共助、公助のそれぞれについて実動を踏まえて点検、見直しを継続していくことが極めて重要だと考えます。
 ことしの総合防災訓練では、どのような目的を持って企画をされ、どのような効果を期待しているのか伺います。
 二点目は、県職員OBの活用についてであります。
 大規模災害発生時には当局職員が被災者となるケースも十分に考えられます。しかし幸いなことに本県には応急対策や復旧・復興業務を担うことのできる県職員OBが多数いらっしゃいます。
 平成二十四年十二月の本議会において同様の質問をさせていただきましたけれども、人材確保策の一つとして災害対応に協力していただける方をリストアップしておくことは有効であるとの答弁をいただいたものと私は記憶をしております。あれから三年半が経過をした今、改めて所見を伺うものであります。
 また、熊本地震においても応急対応業務の実施などに人員が不足をし土木、建築、保健師等の技術職員を中心に本県を含め全国の自治体から人的支援を行っていると伺っております。
 今後、復旧・復興の本格化に伴い東日本同様さらなる支援が必要になると予想されるところですけれども、今後の対応についてどのように考えているのかを伺います。
 次に、民間事業者との包括連携協定について伺います。
 去る六月四日、富士山静岡空港が開港七周年を迎えました。これを記念して六月四日と五日の両日にわたり「たのしい!おいしい!ありがとう!」をテーマとしたイベントが開催をされました。イベントを主催した富士山静岡空港株式会社によりますとこの二日間で約一万四千人の来場があったと伺っており、大勢のにぎわいのもと、開港七周年にふさわしい記念行事になったことと思います。
 また、四日にはFDAが運航する札幌丘珠空港への新規就航が始まり関係者らが参加して記念式典が行われたほか、県とANAホールディングス株式会社との間で幅広い分野での連携を進める包括連携協定の締結式が行われました。今回の包括連携協定では二〇一九年のラグビーワールドカップや二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けたイベントへの協力、県産品を使った機内食の拡大、大規模災害時の人員や物資の輸送支援などの分野で連携していくことが盛り込まれていると伺っております。全日本空輸を傘下に置くANAホールディングス株式会社は、航空事業だけでなく貨物、物流事業や旅行商品造成などの旅行事業、機内サービス、販売用物品の企画、調達などの商社事業などを行っており幅広い分野で連携して取り組んでいくことに双方で合意したことが包括連携協定の締結に至った理由であると伺っております。
 県では、これまでもコンビニエンスストアや大手スーパーなどの民間事業者と包括連携協定を締結していると聞いております。行政と民間事業者がこのように連携をしていくという取り組みは大変意義があるものと私は考えますけれども、これまで包括連携協定に基づいてどのような連携が行われてきたのか、また県では、今後こうした取り組みをどのように展開していこうと考えているのかを伺います。
 次に、生活に困窮する世帯の自立支援について伺います。
 我が国の就業者数は、この三年の間に百万人以上増加したと言われておりますけれどもその内実は非正規雇用の大幅な増加と正規雇用の減少の産物であります。
 平成二年に八百八十一万人であった非正規雇用労働者は、平成二十七年に千九百八十万人と二倍以上に増加をしております。非正規雇用は、正規雇用に比べ単純に賃金が低いという課題にとどまらず年金を初めとする社会保険等の各種制度が適用される割合も低い傾向にあり、その待遇の差が指摘をされております。
 このように不利な待遇のもとで働く非正規雇用が拡大した中にあって雇用が不安定であることも加わり、相対的貧困率は上昇、格差が拡大していると言われております。さらに家族や地域の支え合い機能も低下をし個人が自分自身のみならず子供や親に関する全ての課題に対処せざるを得ない中、ひとたび病気や失業、離婚や介護となれば誰もが生活に困窮するリスクに直面することとなります。リーマンショック以降増加した生活保護についても最新の状況を見てみますと全国では約二百十六万人、県内でも約三万一千人が受給しており近年はほぼ横ばいで推移しているということでありますけれども、高齢者については増加傾向にあります。働き盛りの世代の中に非正規雇用が増加していることを踏まえると、国民年金の加入もままならず退職とともに生活に困窮し生活保護に至る高齢者がさらに増加するおそれもあります。現在、生活に困窮する方々の将来的な困難の克服を図るためには、生活保護に至る前の段階において自立できる力をつけることが大きな課題であると考えます。
 また、子供の貧困率も上昇を続けており一六・三%と過去最高となりました。生まれ育つ環境に左右されることなく子供たちが将来に夢や希望を持って自立することのできる環境を整えることが重要だと考えます。
 とりわけ、貧困率が高いと言われるひとり親世帯などへの支援は、貧困という負の連鎖を断ち切るためにも重要な課題であります。世代や家族構成等の個々の背景を問わず全ての県民が健やかにそして生き生きと生活できる社会を実現させるためには、一人一人がそれぞれの状態に応じて自立した生活を営むことが前提となります。
 将来における安定した生活の確保を目的として、格差や子供の貧困等目の前にある課題を解決するための生活に困窮する世帯への自立に向けた施策に関し、県として具体的にどのような支援を進めていくのか伺うものであります。
 次に、担い手への農地集積について伺います。
 今年五月農林水産省が公表した農地中間管理事業の実績等に関する資料によりますと、本県の平成二十七年度の農地中間管理事業による農地の転貸面積は四百四十ヘクタールであり、このうち新規集積面積は二百十ヘクタールという結果となっております。これは前年度の転貸面積十五ヘクタールと比べますと大きく数字を伸ばしてはおりますけれども、国が示している本県の年間集積目標面積三千五百八十ヘクタールに対する新規集積面積の割合は約六%にとどまっており四十七都道府県のうち三十六位とこの農地集積が進んでいるとは決して言えない状況にあります。加えて新聞報道によりますと国は自治体ごとの農地中間管理事業の実績に基づき補助金などを傾斜配分するともあり本県に必要な農業予算確保に影響することも懸念され、農地集積のおくれが農業振興上支障を来すことも心配されるところであります。
 さて、この農地集積については貸し手側、借り手側双方の思いを酌み取る必要があるのではないかと私は感じております。私の地元伊豆ではなく浜松市では、代々受け継がれてきた農地を有していながらもそれぞれの御事情から現在ではほかの業種で活躍されており使っていない農地については相当に苦慮をされている、そんな方々が少なからずいらっしゃいます。
 本来でしたらすぐにでも貸すなりあるいは売るなりしたいということでありますけれども、御近所の目もあるということでなかなか見ず知らずの方に土地を明け渡す、こういったことに抵抗を感じていらっしゃる方もいるようです。またそういった場合には地元の有力農家さんが借り手と貸し手の間に入って話を進めていく、そうしていただかないと他人に土地を貸す決心がつかない、こういった御指摘を頂戴したところでもあります。しかしここで挙げる有力農家さんは高齢でありますことから今後いつまでこうした仲介役を担っていただけるのか、そうした不安を払拭することができません。
 このような農地集積の状況を踏まえ、農地の有効利用や規模拡大を目指す農業の担い手に農地を貸し出す中間管理機構には借り手と貸し手の間に入り双方の思いを酌み取り粘り強く交渉に当たっていただく覚悟を持って事業に臨まれますことを強く求めたいと思います。
 それとあわせ、農地を借りていただくための策も講じていかなければなりません。農地を集積するためには担い手となる経営者を確保することが重要であることから、ビジネス経営体を育成する農業経営指導や導入作物の検討、法人組織化、販売流通の強化などについては県主導で進められておりますけれども同時に担い手が借りやすい農地を整えていくということも一つの手法だと思います。
 具体的には、担い手が農地を借りて規模拡大しやすくするための農地の管理や農作業を軽減できる基盤整備を考えていくことが重要ではないかと思います。例えば農道が接していない、区画が小さい、農業用水が不足する、排水が不良である、こうしたものどれか一つが該当している場合担い手にとっては使いにくい農地となり作業が困難になります。農道や一定の区画整理ができていても用水管理などにおいて多大な労力を必要とする基盤の状況下では、貸し手が貸したいと思っても借り手である担い手農家にとっては農作業の効率が悪いため借りようとは思わずこの農地集積の促進は難しいのではないかと思います。新たな技術をも導入した労力縮減を可能とする基盤整備を進める必要があるのではないかと考えております。
 そこで、以下二点について伺います。
 一点目は農地中間管理事業についてであります。
 現在のこの農地集積の状況をどのように捉え、そして今後農地中間管理事業による農地集積をどのように展開されていくのか伺うものであります。
 二点目として、農地集積を促進する基盤整備についてどのように進めていくのかを伺います。
 最後に、教員採用選考試験について伺います。
 各学校の教育の質を維持向上させ保護者、地域の期待に応える教育を推進していくためには、より質の高い新規採用教員を採用し育成していく必要があります。しかし全国的には教職員の大量退職期を迎えており、各学校では全教職員に占める若手教員の割合が高まっている状況があります。
 さらに、昨年度末文部科学省が発表した公立学校教員採用選考試験の実施状況に関する調査結果では、平成二十七年度教員採用選考試験における受験者総数は十七万四千九百七十六人であり前年度と比較をしますと二千八百四十四人減少したことが報告をされました。
 本県においても、政令市を除く公立小中学校、県立学校の受験者総数は三千十六人であり前年度と比較しますと百二名減少している状況と伺っております。その一方で新規採用教員数はベテラン教員の大量退職に伴い増加傾向にあり受験倍率の低下に拍車をかけているようであります。
 本県では、県の教育目標や施策の基本方針を広く県民に周知するため昨年二月ふじのくに「有徳の人」づくり大綱を策定したところであります。社会総がかりでふじのくにの未来を担う有徳の人を育む上で学校現場の最前線に立つ教員にかかる期待や果たすべき責務は決して小さいものではありません。本県が求める頼もしい教員とは、有徳の人を育てる使命感とそれに求められる資質能力を兼ね備えた人材でなければなりません。
 しかしながら、教員採用選考試験における受験倍率の低下傾向が続く現状では、新規採用教員の質の低下ひいては各学校の教育力の低下が大変危惧をされます。多様化、複雑化する教育課題に対応し保護者、地域の期待に応え、ともに有徳の人を育む教育を実現するためにはより多くの受験者の中から優秀な人材を確保することが重要だと考えます。
 そこで、教員採用選考試験の現状を踏まえより多くの頼もしい教員の確保について教育委員会はどのように考えているのか、教育長の所見を伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(藪田宏行君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 田形議員にお答えいたします。
 本日は伊豆シリーズになるはずのところ、田形議員におかれましては地域にとらわれない県政全般にわたる御質問をいただきまして全体それでバランスがとれることになったかなと思っております。また伊豆のまほろばとも言うべき田方平野と字は違いますけれども発音が同じだということも、えにしを感じる次第でございます。
 さて、民間事業者との包括連携協定についての田形議員の御質問にお答えいたします。
 活力ある社会を創造するためには、民間事業者を初めとするさまざまな主体と連携協働し地域づくりを進めていくことが極めて重要です。
 県では、その経営資源やノウハウを県民サービスの向上や地域活性化に生かすため地域に根づいているコンビニエンスストアや総合スーパーなどと積極的に包括連携協定を進め、こうしたコンビニ、スーパーなどとの締結は八社に上っているところであります。協定を締結した事業者におきましては、多数の店舗を生かした県政情報の発信を初め観光や県産品の情報提供、地元の食材を使った地産地消商品の開発、富士山静岡空港の利活用促進、地域の声かけ運動への参加による青少年の健全育成などそれぞれ工夫を凝らしたさまざまな連携協力をいただいているところであります。
 例えば、サッポロビール株式会社では、富士山の日に合わせた静岡麦酒を販売し売り上げの一部を徳川家康公顕彰四○○年記念事業に寄附いただいたほか、コンビニエンスストアにおきましては県民だよりの配架や高校生と本県産のイチゴやメロンなどを活用したパンの共同開発などに取り組んでいただいております。
 このたびのANAホールディングス株式会社との包括連携協定は、富士山静岡空港に開港当初から就航していただいているANAと県との長年の信頼関係が実を結んだものであります。
 ANAは今やJALと並ぶ存在になりましたけれども、静岡県はJALとの関係におきましては搭乗率補償問題について片務的であるとの認識で難しい交渉に入りました。そのとき社長を取り巻くJALのトップに私は抜きがたい不信を抱いたのであります。その後稲盛さんがJALを取り仕切られることになりその方たちは一人残らず例外なく整理されました。そうした中にありましてANA、当時の社長であった伊東信一郎氏は常に自己中心というよりも公正な、フェアな競争という観点から正論を吐かれており当時から心服していた次第であります。その方との信頼関係が徐々にしかし確実に醸成され、また静岡県における支店長さんが何人もかわっておりますがどなたもお人柄がよくそれぞれとの信頼関係が確実に深まりましてそれがこのたびのこのような協定になったものだと思っております。
 実際、協定が結ばれますや、何と静岡県の誇る演劇集団SPACが招かれてフランスの国立の美術館で公演をすることになりましたけれどもその楽器や衣装全て無料で往復で運んでくださいました。その額は百万円を超えているものであります。こうしたものはやはり何事によらず信頼が大切であると。
 これで十件目になりますが、九件目の日本政策金融公庫、総裁は細川さんです。細川さんとは小渕内閣のときの、彼は秘書官をされておりまして、そのとき以来の信頼関係がこうした包括協定に結びついたということで、何事によらず私は人間と人間の信頼関係こそ最も大切だと、仕事は各課や部がするのではなくて固有名詞を持つ個人がするものであります。したがってそのような個人の信頼が失われると県あるいは関係会社に対する信頼というのもあわせて失われることになるということで私はこうした信頼関係をベースにして今回のANA、これはネットワークを活用した観光誘客や県産品の海外展開など連携事業が計画されておりまして、協定の締結を機により一層深いパートナーシップを築いていけるものと期待しております。
 今後、民間のアイデアを生かした事業を幅広い分野で展開できるよう、これまで協定を締結した事業者との連携と信頼をより一層深めるとともに、ANAホールディングスに続く地域貢献への意欲がある多くの事業者と新たな協力関係を構築していくことで地域の多様な主体と手を携えて、「住んでよし 訪れてよし」、「生んでよし 育ててよし」、「学んでよし 働いてよし」の理想郷を実現してまいります。
 次に、担い手への農地集積についてのうち、農地中間管理事業についてであります。
 昨年度、静岡県内で農地中間管理機構が担い手に貸し付けた転貸面積は四百四十ヘクタールでございます。平成二十六年度の実績が十五ヘクタールでございましたのでその二十九倍に上っております。また新規集積面積は二百十ヘクタールで、平成二十六年度の実績は六ヘクタールでございましたので三十五倍となりました。国が示す目標にはしかしながらいまだ達しておりません。
 また、農地中間管理事業を利用して農地を借りたいと考えているにもかかわらず、いまだ借り入れるに至っていない担い手が一千百四十四人おられます。その希望される面積は一千九百四十五ヘクタールでその約四分の三を水田、畑が占めております。よって水田、畑の集積を重点的に進めていくことが必要だと考えています。
 このため県では、市町、JAなどと連携しながら県内八十八の重点地域を定め、市町が作成する農地集積の設計図である人・農地プランに基づき規模拡大を目指す担い手への集積を進めているところであります。例えば田形議員の御地元の浜松市の中川地区におきましては、昨年度水田の集積を進めるべく用排水施設整備等の実施に合わせ地元の土地改良区、市、JA、県等が話し合いを行い、その結果を人・農地プランにまとめ農地中間管理事業により四十七ヘクタールに及ぶ大規模な集積を実現しました。
 また、全耕地面積の約四割を占める樹園地の集積を進めるため今年度から新たに茶園集積推進事業を始めておりまして、隣接する茶園の畝方向の統一等を進め茶工場の中心となる担い手等へ茶園の集積を促進いたします。他方、集約が望ましい農地でありながら所有者の意向等により担い手に集積できず耕作放棄地となっている農地につきましては、知事裁定により農地中間管理機構へ貸し出す手続などを活用し集積を図ります。
 このように、農地中間管理事業による農地集積を進めることで力強い農業構造の確立に努めてまいります。
 なお、その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(藪田宏行君) 外岡危機管理監。
       (危機管理監 外岡達朗君登壇)
○危機管理監(外岡達朗君) 熊本地震を受けた今後の対応についてのうち、総合防災訓練についてお答えいたします。
 本年四月の熊本地震では、初動時における応援要員や支援物資の受け入れ、被災地内での支援物資の搬送、避難所運営などに課題が見られたものと認識しております。
 本年度の総合防災訓練は、掛川市をメーン会場とし、「自助・共助、地域で高める掛川の防災力〜死者ゼロのまちづくり〜」をテーマに災害応急活動訓練を自主防災組織、消防団、地元の医師会等の参画を得て総合的に行いますが、熊本地震の教訓を踏まえ次の観点を盛り込み実施したいと考えております。
 まず、応援要員の円滑な受け入れの観点から富士山静岡空港や高速道路を活用した自衛隊や在日米軍など応援部隊の進出訓練を展開します。次に支援物資の受け入れや配送の観点から県が協定を締結している物流事業者による避難所までの物資配送訓練を行います。また避難所運営の観点から市内全ての指定避難所で住民みずからが避難所を運営する訓練を行います。
 県といたしましては、総合防災訓練などを通じ県民の意識や地域防災力の向上を図るとともに、訓練の点検、検証等を重ね大規模災害発生時の対応が円滑に行われるよう努めてまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 伊藤経営管理部長。
       (経営管理部長 伊藤篤志君登壇)
○経営管理部長(伊藤篤志君) 熊本地震を受けた今後の対応についてのうち、大震災が発生した際の県職員OBの活用についてお答えいたします。
 県では、静岡県業務継続計画を策定し被災時に必要な人的資源等の確保と配分について定めるとともに、中部地方の各県や鹿児島県、熊本県等と相互応援協定による職員の受け入れにより必要な人員の確保を図ることとしております。
 一方、大規模災害の発生時には、県職員のみならず民間人材も含めた多様な人材確保策が必要であることから、交通基盤部では平成二十七年二月に策定した事前復興行動計画に基づき人材確保策の一つとして人材バンク制度の創設など県技術職員OBの活用について調査検討しているところであります。また企業局では、県職員OBが水道施設の災害復旧活動等をサポートする企業局災害サポーターネットワークを設立し現在七十一名が登録するなど初動体制の強化を図っております。
 加えて、本年度末の退職者に対しましては、災害応援の可否について意向を確認してまいりたいと考えております。豊富な経験を有する県職員OBは、復旧・復興業務を行う上で貴重な戦力となることから引き続きその活用を図ってまいります。
 熊本地震における人的支援につきましては、建築職や保健師といった技術職員の短期派遣を中心に実施し本日現在延べ百十九人を派遣しております。
 なお、先般全国知事会から熊本県への中長期の職員派遣について照会がありました。東日本大震災への対応と同様に現役職員の派遣による支援に加え再任用職員の派遣など県職員OBの活用についても検討してまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 生活に困窮する世帯の自立支援についてお答えいたします。
 生活に困窮している世帯に対しましては、安定した生活を取り戻していただくため就労支援を中心に個々の世帯の状況に応じたきめ細かな支援を行うことが重要であります。
 県と市町では、生活困窮世帯からの相談に対しそれぞれの世帯が抱える課題を踏まえて住居の確保や日常生活に係る助言に加え就労のためのハローワークへの同行など本人に寄り添ったきめ細かな支援を行い、昨年度は七百十八名の方の就職につなげております。本年度からは集団生活訓練や就労体験事業にも積極的に取り組み就職活動の支援を一層充実強化し、一人でも多くの方の就労につなげ自立を促進してまいります。
 ひとり親世帯につきましては、母子家庭等就業・自立支援センターにおいて生活相談や就業相談を実施し生活に抱える課題の解決に努めるほか、新たに資格を取得するための養成機関への入学金などを貸し付ける制度を設けより安定した職種につけるようにするなど生活基盤の安定化を図り、子供たちが生まれ育った環境に左右されることなく自立した生活ができるように支援してまいります。
 貧困の連鎖を防止するためには子供への学習支援が有効であることから、困窮する世帯の子供たちを対象に学習の場を提供し子供たちが学ぶことへの習慣やみずからが主体的に取り組む姿勢を身につけ将来に希望を持って自立できるように支援してまいります。
 県といたしましては、市町と連携し生活に困窮している方々への支援の取り組みの拡大と充実に努め、地域が一丸となって自立を支援することにより安定した生活を取り戻し全ての人が安心して暮らせる社会の実現を目指してまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 村松交通基盤部長。
       (交通基盤部長 村松 篤君登壇)
○交通基盤部長(村松 篤君) 担い手への農地集積についてのうち、農地集積を促進する基盤整備についてお答えいたします。
 県では、これまでも基盤整備を通じて意欲ある担い手への農地の集積に努めてきたところであります。今後さらに農地の集積を促進するためには、人・農地プランを踏まえ地域の合意のもと作成した集積計画に基づく基盤整備を行い、農作業の効率化や収益性の高い作物の作付面積拡大等により生産性の向上を図ることが重要であると考えております。
 基盤整備の実施に当たっては、農作業を効率化するため、あぜの除去による水田の大区画化や傾斜樹園地の平たん化、耕作道の整備、水田の用水管理を省力化する末端用水路のパイプライン化等を実施しております。
 また、収益性の高い作物の作付面積拡大を図るため、生育に適した地下水位にコントロールする地下水位制御システムやミカンの木の根元へ直接水を供給する点滴かんがい施設など新技術を導入した施設整備を行っております。
 さらに、担い手への集積率に応じて基盤整備に要する地元負担を軽減する農業生産組織等集積促進事業を今年度に創設したところであり、この事業を活用し農地集積を加速させてまいります。
 県といたしましては、引き続き農地中間管理機構と連携を図りながら担い手のニーズに対応した基盤整備に積極的に取り組み、農業の競争力の強化に努めてまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 教員採用選考試験についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、本県の採用倍率は他県と同様に低下傾向にあり、より多くの受験者を確保するとともに質の高い優秀な人材を採用することが重要な課題となっております。
 県教育委員会では、受験者の確保につきましては県内外の大学生に対して教職の魅力を伝えるために実施している教職ガイダンスの開催をこれまでの十大学程度から五十大学程度へとふやしたところですがさらなる拡大に努めてまいります。
 また、将来の教職希望者をふやすために、県内の中学生、高校生とその保護者を対象とした教職セミナーを実施しております。セミナーへの参加者数は、昨年度は二百十七名と年々増加しており今後も内容の工夫改善を図ってまいります。
 人材確保につきましては、採用試験において特別免許状の活用により博士号取得者や工業、医療分野ですぐれた知識経験等を有する社会人等の採用制度、大学院修士課程在籍者を対象とした特例制度など多様な試験制度の導入により優秀な人材の確保に努めてまいります。また今年度から英語に関する資格、特別支援学校教諭免許状、複数教科の免許取得者等を対象に加点を行う制度を導入しました。
 県教育委員会といたしましては、今後も県内外に本県の教育及び教職の魅力について情報発信を強化するとともに、より質の高い受験者の確保に向けた試験日程、方法、制度について検討し優秀な人材の確保を行ってまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 田形 誠君。
       (二十二番 田形 誠君登壇)
○二十二番(田形 誠君) 御答弁をいただきましてありがとうございます。
 この時間はですね、伊豆シリーズ番外編ということでございますので、意見だけ述べて終わりにしたいというふうに思います。
 先ほど知事のほうから、全ての仕事は個人の信頼関係あるいはつながりによって成り立つというようなお話がありました。私も全くの同感であります。やはり行政に置きかえて県民からの信頼を得るためにはやはりそれ相当の御苦労があるんだというふうに思いますけれども、県民の幸福度、この向上に向けてより一層御尽力をしていただきますことを心からお願いを申し上げ、私の一般質問を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

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