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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和3年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

廣田 直美 議員

質問分類

一般質問

質問日:

07/29/2021

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 「山の洲くに」との連携による観光促進について
2 医学修学研修資金制度の県東部地域への対応について
3 伊豆地域における大規模太陽光発電施設計画について
4 保育士の定着支援策について
5 認知症にやさしい地域づくりについて


○副議長(竹内良訓君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、二十三番 廣田直美君。
       (二十三番 廣田直美君登壇 拍手)
○二十三番(廣田直美君) 私からも、熱海伊豆山土砂災害の被害に遭われた方々にお見舞い申し上げたいと思います。
 それでは、通告に従いふじのくに県民クラブ所属議員として知事、副知事、関係部局長に分割方式で伺いたいと思います。
 初めに、山の洲くにとの連携による観光促進についてお伺いいたします。
 観光産業は伊豆半島地域の基幹産業です。伊豆半島地域が輝き人々が生き生きと豊かに暮らせる地域となるためには観光産業の活性化は不可欠です。しかしながら、伊豆半島地域の商店街はコロナ禍で旅行客が減少し空き店舗も増え商店街に人がいない状況が続いています。このまま観光産業の低迷が続けば観光客に支えられてきた伊豆半島地域のまちは立ち行かなくなると危機感を持っています。
 県の調査によれば令和元年度では伊豆への旅行客のうち関東からの割合は六四・三%を占めており、伊豆半島の観光産業はこれまで主に首都圏など関東からの旅行客に支えられてきたのは言うまでもありません。しかし地元の観光事業者の方からは、コロナ禍にあった昨年度は首都圏からの誘客が難しい状況の中、隣接県である山梨県などから来る旅行客の行動力や購買力に助けられたのであり、今後も引き続き期待しているという声を聞いております。
 県は昨年、県民を対象とした観光促進事業を山梨県との連携によるバイ・ふじのくに、そして中央日本四県との連携によるバイ・山の洲くにと誘客対象を拡大し実施しました。首都圏等の感染状況の改善が当面見通せない中にあっては山梨、長野、新潟の山の洲くにと連携して県内に人を呼び込むことが重要と考えます。
 高齢者をはじめ新型コロナウイルスワクチンの接種は進んでいます。現在感染拡大が懸念されていますが、感染防止対策の徹底が前提の上でこのまま順調に接種が進めば、この秋以降は人々の行動意欲も高まることが予想され県内観光を活性化する大きなチャンスが来ると期待しています。
 伊豆半島地域の観光産業の活性化につなげるため山の洲くにとの連携により県内への誘客を積極的に進める必要があると思いますが、県の考えを伺います。
 次に、医学修学研修資金制度の県東部地域への対応についてお伺いいたします。
 新型コロナウイルスの感染症の拡大は一年以上にわたっており、県民生活の様々なところで厳しい状況が続いております。ワクチン接種が本格化したとはいえ二十八日には過去三番目の多さの感染者が確認され、そのほぼ半数が東部地域を占め感染拡大が止まらない状況に不安な日々を過ごしております。特に医療従事者の方々には、自らが感染するリスクに直面しながら感染された方々への対応に当たっていただいており感謝の念に堪えません。
 こうした中、先日県東部の病院に所属される医師の方とお話しする機会があり東部地域のコロナ禍での病床逼迫から医療資源、とりわけ医師の不足の話題になりました。東部地域が慢性的な医師不足の状況になってしまうのはどういったことが要因なのかと尋ねたところ、県内唯一の医師養成機関である浜松医科大学が西部地域に位置しており、その医師派遣が地域的に県東部まで及びにくいこと、また特に伊豆地域の病院は研修体制が他の地域と比べて十分でないところが多く医師のキャリアのスタートとして選ばれにくいことが主な要因として挙げられるのではないかというお話を頂きました。
 県は、医師確保を最重要施策の一つとして掲げ、これまで医学修学研修資金の貸与や医科大学への地域枠設置など医師を県内に呼び込み定着させる取組を進めてきたことはもとより医学部を目指す県内の高校生に対し勉強方法をアドバイスするなどの修学資金制度に頼らない別のアプローチからも取り組んできております。また自治医科大学を卒業した医師を賀茂地域などの医師が不足する地域に重点的に派遣していることも承知しております。
 ただ、こうした取組を長年進めているにもかかわらず東部地域では医師が充実してきたという実感を持つまでに至っておりません。医学修学研修資金を利用した医師も、やはり研修環境の充実した西部地域の医療機関等を希望する医師が多いと聞き及んでいます。こうした状況を見ますと医学修学研修資金制度が東部地域の医師確保に機能を果たしているのか若干の疑問を感じるところです。
 そこで、県は医学修学研修資金制度についてこれまで東部地域の医師確保のためにどのように改善を図りそれがどのような効果をもたらしてきたか、さらには今後の見通しについてお伺いいたします。以上、答弁を求めます。
○副議長(竹内良訓君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 廣田議員にお答えをいたします。
 山の洲くにとの連携による観光促進についてであります。
 伊豆半島地域をはじめとした本県の観光産業は新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により深刻な状況にあります。現在県民による県内観光の促進策を展開しておりますけれども、さらに回復のスピードを上げるためには感染状況が比較的落ち着いている山梨県など近隣県からも誘客を進めることによりさらなる旅行需要の取り込みを図る必要があると。これは山梨県の長崎知事も同じ考えであるということであります。
 さて、本県と山梨県、長野県、新潟県の三県とは平成二十六年  二〇一四年から中央四県サミットというのを開催して交流を深めてまいりました。これは山の日の制定、さらにはまた中部横断自動車道の開通というのを見据えてのものでございました。昨年度には域内の経済循環の拡大を目指すバイ・山の洲くにに四県で合意いたしました。お互いの物産や観光などの消費を拡大する取組を開始しまして、感染状況を踏まえながらではありますけれども山の洲くに四県民を対象とした静岡県内への宿泊助成あるいは駿河湾フェリーの運賃半額割引などを実施してきたところです。
 現在実施しております観光促進事業につきましては、国の制度によって対象が県民に限定されております。しかし今月九日、山の洲くに四県の知事の連名で国に対し対象を近隣圏域に拡大するよう要望を行いました。今後各県の感染状況を踏まえ国とも調整の上で事業の対象を山の洲くに四県に拡大し本県への誘客を促進してまいる考えです。
 また、来月八月の下旬には中部横断自動車道が山梨県内全線で開通することになります。NEXCO中日本と連携して本県や山梨県エリアの高速道路を定額で二日間乗り降り自由とする周遊計画もございます。あるいは山の洲くに四県が連携して今川、徳川、武田、さらに上杉などこういう戦国武将をテーマとしたスタンプラリーを行うなども考えられておりまして、山梨県や長野県などから伊豆半島や富士山周遊地域が有する史跡、名勝等への誘客を加速させたいと考えております。
 さらに、山梨、長野両県で学校関係者等を対象とした説明会を開催いたしまして、本県内に一泊以上する教育旅行に対する支援制度や体験プログラムを紹介するなど本県への教育旅行の誘致を促進してまいります。
 歴史、文化、食、美しい景観など世界クラスの観光資源に恵まれた伊豆半島により多くの観光客をお迎えできるよう山の洲くに四県の連携による誘客の取組を一層本格化させ本県観光を牽引する伊豆半島の観光産業の早期回復に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) 医学修学研修資金制度の県東部地域への対応についてお答えいたします。
 本県は、医師の確保と地域偏在の解消を最重要施策の一つに掲げ医学修学研修資金の貸与等により東部地域をはじめとする県内の医師確保に努めてまいりました。東部地域の医師数は平成二十六年から平成三十年の四年間で八十二人増加しております。このうち約四割の三十二人を医学修学研修資金利用者が占めておりますことから一定の成果を上げているものと評価しております。
 医学修学研修資金制度につきましては、これまでも東部地域の一層の医師確保を図るため必要な見直しを行ってまいりました。平成二十八年度までは公的病院等への勤務を促すため研修環境が整い希望者の多い大学病院での勤務を修学資金の返還免除対象から除外しておりました。しかしながら、東部地域での研修機会の少なさを補うため平成二十九年度から東部地域の病院で勤務した場合はその期間と同期間の大学病院での勤務を返還免除の対象として取り扱うことといたしました。この見直しの後に制度を利用した医師は三十九人に上り東部地域の勤務医師数の増加に寄与しているものと考えております。
 また、令和元年度までは医学修学研修資金の貸与期間について特に原則を定めず短期間でも認めていたことから医師が不足している地域等での勤務期間が短くなるという課題がありました。そこで令和二年度からは原則として貸与期間を六年間とし返還免除のために勤務する期間を九年間とする見直しを行ったところであり、今後東部地域などにおいて勤務する医師の増加につながるものと考えております。
 このほか、十年後には地域枠制度を利用した医師が県外大学卒業生三百五十名を含め四百名を超える規模となる見込みであります。地域枠医師は賀茂地域など医師少数区域で少なくとも四年間は勤務することとなっており、今後東部地域全体の医師確保に大きく貢献することを期待しております。
 県といたしましては、今後も医学修学研修資金制度がより事業の効果を発揮できるような必要な見直しを行い県東部地域をはじめ県内の一層の医師確保に努めてまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 廣田直美君。
       (二十三番 廣田直美君登壇)
○二十三番(廣田直美君) 御答弁を頂きましてありがとうございました。
 要望を二点でございます。
 まず、山の洲くにの観光振興策でございます。
 国の制度である県内限定の観光振興策をさらに対象地域を近隣へ拡大を要望しているということで、ますますキャパが増えればやはり人の流れというのは大きく変わっていくと思いますのでぜひ実現していただければと思います。
 この質問を考えたときはですね、県内の感染者数というのは非常に落ち着いているときでございまして、また私が伊豆半島を訪れたときには高齢者のワクチン接種が非常に進んでいるような状況の中、つまり伊豆半島の受け入れる人たちがワクチン接種が済んでいるから安心して来てくださる、環境が整っているという雰囲気がすごい漂っていたのでぜひともこの質問をしたいと思いました。
 そして一番びっくりしたのが稲取、下田の商店街でございます。本当に開いているお店を探すぐらい難しいもう完全にシャッター通りというところで、やはり人の流れがない限り地域住民の方の購買力だけではこの商店街は支えられないんだなというのが改めて思ったので、ぜひともこの人の流れをさらに加速させたいという思いで質問を考えた次第でございます。ただ本当に感染状況を踏まえてこういった経済対策というのはやっていかなければいけないというのが本当に今回の東部地域の感染拡大を知って実感した次第でございますので、適宜必要に応じて施策の展開をお願いしたいと思います。
 そして、二番の医学修学研修資金制度でございます。
 本当に制度改正を時代の流れとともに実現しているのだというのを改めて理解させていただきました。ただやはり東部地域の人間にとってはこの医師不足というのが本当に解消されていくかというのが不安な状況でございますので、成果が出るまでまだまだ時間がかかるという御答弁でございますのでぜひ成果が見えることを期待して、ぜひ今後も時代に合わせた制度改正をしていただきたいと思います。
 それでは、次の質問に移りたいと思います。
 伊豆地域における大規模太陽光発電施設計画についてお伺いいたします。
 温室効果ガスの排出を二〇五〇年までに実質ゼロにする国の目標を明記した改正地球温暖化対策推進法が成立しました。法律に明記されたことで政権が替わっても目標が維持されることになります。再生可能エネルギーの導入を加速させるため自治体に導入目標の設定を義務づけ地域の脱炭素化の動きを加速化させることが狙いと考えます。
 政府は再生可能エネルギーを大幅に増やす方針ですが、固定価格買取り制度の見直しが進められていることから事業者は見直しの影響を受けることのないように事業の実施を急ぐあまり地域住民への説明が不十分なまま進めようとして住民等の間に亀裂が生じるケースがあります。固定価格買取り制度に基づくメガソーラーの認定、稼働状況によれば伊豆地域、函南町を含む設備認定済み件数五十七件のうち未稼働件数が三十一件あります。この数字は伊豆地域では今後も伊東市や函南町のようなメガソーラーの問題が新たに発生する懸念があるということを示しています。
 また、県内で大きな被害をもたらした台風十九号のような風水害が発生したときは土砂崩れによる太陽光パネルの崩落やめくれといった事例が全国から報告されています。またメガソーラーが計画されている地域で森林の開発が進み保水力をなくした山に降った雨が一気に河川に流れ込めば、河川の決壊や越堤などにより住宅地や農作物に甚大な被害が出る可能性があり伊豆地域では伊東市、下田市、伊豆市、函南町の地域住民は反対の声を上げています。
 こうした状況を踏まえて静岡県は環境影響評価条例による環境影響評価の適用範囲を拡大しました。現在函南町の軽井沢地区で計画されている大規模太陽光発電事業はこの適用範囲の拡大後初の条例に基づく環境影響評価の対象事案であり、県環境影響評価審査会が四月十三日に第一回の会議が開催され計四回行われ県民等からの意見、町長からの意見を踏まえての委員と事業関係者の質疑応答を経ての知事意見が事業者へ送付されました。
 私は本審査会の全てを傍聴いたしました。そこでの委員と事業関係者との質疑内容を傍聴した感想は、本事業が県環境影響評価技術指針に基づいた調査、予測及び評価を実施する項目を選定し項目ごとに適切な範囲、方法にて調査等を実施するのか、また技術指針に規定する標準項目や方法以外に地域特性や事業特性から調査等が必要と考えられる項目等については調査を実施するのか、地域住民等への対応はどうなるのか、委員からの質疑に対しての十分とは言い難い事業者の応答であったことから審議が尽くされたとは評価できない審査会での審議内容がどのように取り扱われるのかが心配でした。しかし送付された知事意見にはこの心配を払拭する内容でした。
 知事は、六月議会開会日の知事提案説明では伊豆地域におけるメガソーラー建設計画と地域の自然環境や生活環境との関係などでも顕在化していることから地域の理解と協力を得ながら令和の時代に求められている環境と経済の両立を図ってまいりますと発言されました。
 そこで、伊豆地域の大規模太陽光発電施設の建設計画に対して環境への影響回避または低減させるためどのように環境影響評価の手続を進めてきたのか。また函南町の太陽光発電事業に対して事業者に送付した知事意見が確実に履行されるように県の責務としてしっかり確認していくべきと考えますが、県の所見をお伺いいたします。
 次に、保育士の定着支援策についてお伺いいたします。
 県内の保育所等における待機児童は本年四月一日現在で六十一人、昨年度から半減し子ども・子育て支援新制度が始まってから最少になったとの発表がありました。県内各地でも保育所や認定こども園、小規模保育所などの施設整備によって定員の増加が図られたことで待機児童問題は着実に解消に向かっております。
 私の地元である函南町は四月の時点で待機児童が二十七人と県内で最も多い市町でしたが、本年度中に二つの小規模保育所が開設される予定で解消が期待できる状況となっております。
 このように県内各地で施設の量的な充足が進んできております。今後は保育の質の充実が一層求められてくるようになると考えられ、そのニーズに応えるためにはサービスを提供する人材の確保とその人材が職場に定着をすることが重要だと思います。
 保育所や認定こども園などに伺いますと、保育士の求人を出しても応募がないとか若い保育士がなかなか定着しないといった声が上がっており、県内における過去五年間の保育士の有効求人倍率は二倍から三倍で推移し高止まりの状態が続いております。
 県では、保育士の確保策として保育士資格の取得を目指す学生に対して必要となる資金を貸し付けているほか潜在保育士の確保等を目的としたセンターを設置し保育士の求人・求職情報の登録やマッチングなどを行っており、今後も継続して取り組むべきと考えます。
 一方で、保育士資格を持つ方の求職登録者数も高いといったギャップが生じております。就職活動をしている方からは、勤務時間などで自分が求める時間、条件と合わない、希望する給与等の待遇を示してくれる施設がない、キャリア教育の面で雇用側と考え方の相違があるといった声を伺っております。ミスマッチが生じていると感じました。
 意欲を持って保育現場に就職された方に経験を積みながら職場に定着していただくことも重要であると考えます。経験豊かな保育士が子供の保育に当たることで保育の質の向上につながるからです。待遇の改善やキャリア教育を求める声に応えキャリアアップを図りながら処遇を改善していくことは職場への定着促進策の一つと考えます。
 また、様々な分野で働き方改革が叫ばれておりますが働きやすい環境の整備も保育士の負担を軽減し職場定着を図る上で重要であると考えます。福祉の分野でもICT機器を導入して現場での業務の効率化を図る取組が進みつつあります。現場の実情に合わせて導入を促進してみることも一つの手法ではないかと考えます。
 キャリアアップの支援や働きやすい環境の整備を促進することで子供の育ちを支える職業を目指し夢や誇りを持って保育士の資格を取得した方々が現場でその熱意やスキルを存分に発揮していただければ、本県の子供たちに対するよりよい保育の提供が可能となります。
 今後どのように保育士の定着支援策に取り組んでいくのか、県のお考えをお伺いいたします。
 最後に、認知症に優しい地域づくりについてお伺いいたします。
 厚生労働省によると、二〇一五年には全国で約五百二十五万人、本県では約十六万人と推計されていました認知症の方は団塊の世代が七十五歳を迎える二〇二五年には全国では約七百三十万人、本県では約二十三万人になると、この十年間で急速に増加していくとの報告があります。このため誰もが当事者あるいは介護者として認知症に関わる可能性があることを県民一人一人が理解し、社会全体として受け止めて対応していく必要があると考えます。
 特に、昨年一年間に認知症やその疑いがある方が行方不明として警察署に届けられた人数は全国で一万七千五百六十五人に上り、統計を取り始めた平成二十四年から毎年増加し過去最多となっております。県内においては前年より六人減少し二百二人であったものの、今後も高齢化の進展に伴い認知症の方が増加し行方不明となるケースがさらに増加することが懸念されます。住んでいる市町の外に出てしまうと捜索範囲が広域に渡るケースも多く保護されるまでに多くの時間と労力を要します。
 このため、広域的な地域の見守り体制づくりが必要との声が寄せられ平成三十年十二月議会にて広域の見守りネットワークの構築について質問いたしました。その際は、行方不明者が住所地の自治体以外の遠方で発見される事例が増え市町を越えた広域での対応が課題となっており各市町の見守り体制の連携が必要との認識の下、市町や関係団体等の御意見を伺いながら行方不明者の情報が関係機関の間で迅速確実に共有されるよう見守りネットワークの全県的な連携体制の構築を図り認知症の方が安心して外出できる社会を目指して取り組むという姿勢が示されました。
 また、国が令和元年六月に策定した認知症施策推進大綱においても、認知症の方が安全に外出できる地域の見守り体制づくりとともに行方不明者になった際に早期発見や保護ができるよう広域捜索時の連携体制を構築することが求められています。
 行方不明者を早期に発見し保護していくためには、市町において事前に行方不明になるリスクがある住民の情報を把握しておく仕組みづくりや警察等関係機関との連携を強化することに加え市町を越えて移動することも想定した広域的な情報共有が必要と考えます。
 そこで、県として認知症の方が安心して外出できるよう万が一行方不明になったとしても確実に保護される地域づくりをどのように進めていくのか、県のお考えをお伺いいたします。以上、答弁をお願いします。
○副議長(竹内良訓君) 市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(市川敏之君) 伊豆地域における大規模太陽光発電施設計画についてお答えいたします。
 伊豆地域で多くの建設計画がある大規模太陽光発電施設が周辺の生活環境や自然環境に大きな影響を及ぼすことへの懸念が高まっていることから、環境が適切に保全されるための仕組みを整える必要があります。
 このため県では、平成三十年度に市町向けの太陽光発電設備の適正導入に向けたモデルガイドラインを策定したほか、国の見直しに先立って環境影響評価条例施行規則を改正し大規模太陽光発電施設を評価の対象に追加しました。こうした仕組みの整備に加えて、評価の必要性を個別に判定する第二種事業については案件ごとに厳格な判定を行うなど環境への影響を回避または低減できるよう環境影響評価の手続を進めてまいりました。
 規則改正後最初の案件となります仮称函南太陽光発電事業に係る環境影響評価方法書については、多くの地域住民等の皆様の御意見を踏まえ環境影響評価審査会において丁寧に審査を行っていただきました。審査会の答申を受けて六月に公表した知事意見では、地元の理解と協力を得ることが不可欠であること、地域住民等に対し丁寧に説明すること、大規模な森林伐採や土地の改変を伴う造成工事等が土地の安定性や河川の水量、水質等に及ぼす影響の評価を必ず実施することなどを事業者に求め、さらに方法書の内容を修正する必要が生じた箇所については調査実施前に修正した内容を文書で提出するよう求めたところであります。
 県といたしましては、方法書の修正内容の確認や今後の準備書の手続などを通じて知事意見が確実に履行されるよう事業者を指導してまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 石田健康福祉部長。
○健康福祉部長(石田 貴君) 保育士の定着支援策についてお答えいたします。
 県では、保育士の処遇改善を図るため経験年数と知識に応じたキャリアアップ研修を実施して賃金の改善に努めてまいりました。令和四年度以降研修の受講が保育士の給与を加算する条件となることに備え、本年度からより多くの保育士が参加できるようeラーニング講座の導入など受講定員枠の拡大に取り組んでおります。また園児の登降園を管理するシステムや保育記録のデータ化などのICT化を積極的に支援し働きやすい環境整備にも努めております。
 特に本年度は、コロナ禍の影響により実習の機会が少なかった新任保育士や経験の浅い保育士の職場定着に力を入れてまいります。具体的にはキャリアコンサルタントや社会保険労務士などの専門家を派遣し園長や保育士との対話を交え職場での人材育成やサポート体制などについて助言を行います。今後他園の参考となる事例につきましては冊子にまとめ周知するなど県下全域で働きやすい職場づくりを進めてまいります。
 県といたしましては、今後も現場で働く方の視点に立って処遇改善や働きやすい環境の整備など保育士の定着支援を進めることで子育ては尊い仕事という理念にふさわしいやりがいを感じられる保育の実現に取り組んでまいります。
 次に、認知症に優しい地域づくりについてであります。
 県では、令和元年度から認知症が原因と疑われる行方不明者を早期に発見し保護するため見守りネットワークの広域的な連携体制の構築を進めてまいりました。令和二年度からは静岡県認知症高齢者等の見守りSOSネットワークの運用を県内全市町におきまして開始し、行方不明になる可能性がある方の身体的な特徴や顔写真などを市町が事前に登録して管轄の警察署と共有するとともに、行方不明になったときには県内外の関係機関との情報共有をする体制を整えました。本年三月末時点で二千三百人を超える方々に御登録を頂いており、全国で行方不明者が年々増加する中、本県では令和元年から二年続けて減少しています。
 市町からは、事前の登録があったため早期に身元が特定でき警察署に届出をする前に保護できたといった事例も複数報告されております。
 県といたしましては、今後さらに事前登録者を増やすため家族会等と連携し認知症の方の御家族へ働きかけるとともに、市町や警察等の関係機関との連携をさらに深め認知症の方が安全に外出でき住み慣れた場所で安心して暮らすことができる地域づくりに努めてまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 二十三番 廣田直美君。
       (二十三番 廣田直美君登壇)
○二十三番(廣田直美君) 答弁をありがとうございました。
 それでは、伊豆地域における大規模太陽光発電施設の計画についての再質問をさせていただきたいと思います。
 答弁の中で、方法書の修正が生じた場合内容の確認を相互でするということで答弁があったと思います。私が審査会を傍聴した中で、本当に審議が尽くされたかどうかというのは傍聴者も含めて委員の皆様も本当に懸念されたところだと思います。だからこそ第四回で答申会が開かれたのではないかと私は考えております。
 そういった中で、方法書の修正が生じた場合というのはあくまでも事業者が必要だと考えた場合だけ提出されるのでしょうか。それとも審査会での審議を踏まえた上で方法書の内容が修正が必要なことを県が事業者に対して働きかけができるのかどうか、その点を少し詳細に教えていただきたいのと、既に事業者から方法書の内容を修正する内容が提出されたかどうか、その点を教えてください。答弁をお願いいたします。
○副議長(竹内良訓君) 市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(市川敏之君) 伊豆地域における大規模太陽光発電施設計画についての再質問にお答えいたします。
 知事意見を踏まえまして、現在事業者において土地の安定性や河川の変化等の追加で調査をやるという項目に係る調査内容ややり方、手法等の検討が進められておりまして八月中にはこれらの書類が提出される見込みであるというふうに伺っております。
 県といたしましては、提出された書類に環境影響評価審査会における審議の内容が的確に反映されているかをしっかり確認してまいりますとともに、その内容につきましてはホームページ等で公表することにより確認の結果を地域住民の皆様にもお知らせしてまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 廣田直美君。
       (二十三番 廣田直美君登壇)
○二十三番(廣田直美君) それでは、的確に反映されているかどうかという判断の下、もし的確に反映されていなかった場合は県は何かしら事業者に働きかけができるのかどうか、その点を再度教えてください。
○副議長(竹内良訓君) 市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(市川敏之君) 再々質問にお答えいたします。
 審査会を踏まえて知事意見で書いた内容につきましては、もし漏れ等調査を実施しないというようなことが判明した時点で実施を強く求めてまいります。八月にその書類を頂いてそういうことも、観点も含めてしっかり審査してまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) これで廣田直美君の質問は終わりました。(拍手)

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