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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

盛月 寿美 議員

質問分類

代表質問

質問日:

02/28/2022

会派名:

公明党静岡県議団


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
(1)次期総合計画
(2)令和4年度当初予算編成
(3)こども政策
2 骨髄ドナー登録の推進について
3 住宅の省エネ化の推進について
4 清水港の津波対策について
5 駿河湾フェリーの利用促進について
6 ふじのくに安全・安心認証(飲食店)制度の取組について
7 静岡県循環型社会形成計画の推進について
8 難聴児への支援について
9 子宮頸がんワクチン接種について
10 事業承継支援について
11 デジタルスキル取得による女性の就労促進について
12 医療的ケア児への支援について
(1)医療的ケア児支援センターの設置を含む地域の支援体制
(2)医療的ケア児の通学支援
13 高校教育における通級指導について
14 子供110番の家の推進について


○議長(宮沢正美君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、二十七番 盛月寿美君。
       (二十七番 盛月寿美君登壇 拍手)
○二十七番(盛月寿美君) 悲惨な戦争がロシアによるウクライナ侵攻で現実のものとなってしまいました。断じて許すことはできません。一日も早く戦禍が収まることを祈るとともに、今後本県県民への影響に対し県当局には迅速に対応していただくことを求め、質問に入ります。
 私は、公明党静岡県議団を代表して県政の諸課題について知事、副知事、関係部局長、教育長、教育部長、警察本部長に一括質問方式で伺います。
 初めに、知事の政治姿勢についてのうち、次期総合計画について伺います。
 人口減少、少子高齢化、経済再生、災害対策、エネルギーや環境対策など従来からの課題が山積している中、新型コロナウイルス感染症との闘いが社会経済を取り巻く環境を大きく変化させました。感染防止対策や医療の充実と経済活動の両立とともに近年豪雨や強風など自然災害による被害が相次ぎ、昨年熱海市伊豆山地区で発生した大規模な土砂災害は尊い命が奪われる甚大な被害となり防災・減災、激甚化する風水害対策の強化が急務です。コロナ禍で生まれた新たな価値観に基づきデジタル社会の形成、脱炭素社会構築への着実な推進など幅広い施策の展開が求められます。こうした観点から我が会派では昨年十一月九日に静岡県の新ビジョン後期アクションプランに対して政策テーマに沿って要望いたしました。
 県民の命を守ることを最優先課題とし、SDGsの理念である誰一人取り残さない静岡県構築のために中長期的な展望に立ちあらゆる人々が活躍でき明るい将来を展望できる計画であるべきと考えますが、我が会派の要望をどのように計画に反映させたのか伺います。
 また、SDGsモデル県としての本県の目指す姿を県民と共有し実現していくための基本指針となる次期総合計画をどのように実現していくのか、知事の決意を伺います。
 次に、令和四年度当初予算編成について伺います。
 本年二月号の静岡県月例経済報告で示された昨年十二月を中心とした本県経済の概況は、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響から足踏み状態が続いている、先行きは全体としては持ち直しの動きが期待される一方新型コロナウイルス変異株等の動向や、原材料価格の動向や部品供給停滞時の影響に留意が必要、雇用情勢は全体として厳しい状況にあるものの改善の動きが見られるとされています。令和四年度に向けてもいまだ出口の見えないコロナ禍での予算編成となり、財源不足は今年度当初を上回る四百五十七億円と試算されている厳しい状況です。
 県は、この二年新型コロナウイルス感染症の拡大という非常事態に直面し緊急的に補正予算を組み様々な対策を講じてきました。特に飲食、観光業など経済活動の制限を余儀なくされ大きな影響を受けている事業者への経済支援などかつてない規模での補正予算編成を行ってきました。
 コロナ収束に向かいつつあるかと思いきや、今年に入ってのオミクロン株の急激な拡大で依然として先が見通せない状況にあります。新年度予算編成は今までの緊急を平常として捉えてコロナ禍で浮き彫りになった課題に向き合い、コロナ対応の経験を確実に新年度予算編成に反映させることが重要です。本県経済社会が持続的に成長していけるよう改革に取り組む必要性を強く感じています。県行政組織の在り方を再考し県民目線での機能的な運営も求められます。
 公明党静岡県議団では、誰一人取り残さないという理念の下、安全・安心社会、夢あふれる社会、健康長寿社会、活気あふれる社会、調和のとれた社会の実現をテーマに新年度予算編成についての要望を昨年十二月二十日知事に対して申し入れいたしました。真にSDGs先進県と誰からも認められる、県民が実感できる静岡県となるよう知事は相当の決意と覚悟で予算編成に臨んだものと期待しています。
 次期総合計画スタートの大事な初年度となる令和四年度当初予算編成について、我が会派の要望をどのように反映させたのか、知事に伺います。
 次に、こども政策について伺います。
 近年子供の貧困の問題や尊い命が犠牲になる痛ましい虐待や事件が後を絶たず、加えてコロナ禍が子供たちの生活にも多大な影響を与えています。今こそ全ての子供たちを社会の宝として育み社会総がかりで守り人権を尊重するときだと思います。
 東京都では、一九八九年に国連で採択された子どもの権利条約の精神にのっとり子供の目線に立った政策を総合的に推進する体制を整備し、社会や行政の責務を明らかにする東京都こども基本条例を二〇二一年三月に制定しました。国においては子供に関連した施策の司令塔としてこども家庭庁を令和五年度に創設する法案が先日閣議決定され、省庁間の縦割り行政の弊害を廃しこども政策が一体的に強力に進む体制が期待されます。
 近年では、子育て家庭における親の働き方やライフスタイルの多様化、特に若い子育て世代にとっては厳しい経済状況の影響で家計負担が大きくのしかかる中、子供食堂や新入学の際に必要な学用品や制服準備の支援、子育てサポートのNPO団体や地域の方々の存在は本当に大きな力となっています。家族や地域で大切に見守られて育った子供は将来どんな環境に身を置いたとしても人や地域を大切に思う心を持ちながら強くたくましく生きていけるのだと思います。家庭環境などの違いで子供たちの無限の可能性が摘まれてしまうことのない社会をつくることが大人の責務です。
 県では子供に関連した様々な施策を行っていますが、安心して妊娠、出産、子育てができる環境の中で子供が育ちに応じて成人するまで見守られるよう学校教育、福祉、家族の生活などの全般にわたって部局間の横串を通し総合的に同じ方向性の下でこども政策を推進すべきだと考えます。
 そこで、静岡県ではこども政策をどのように位置づけ推進していくのか伺います。
 次に、骨髄ドナー登録の推進について伺います。
 白血病など重い血液の病気と診断される人は年間に約一万人いると言われます。医療の進歩によりかつては不治の病と言われた白血病も骨髄移植によって治る時代となりました。一人でも多くの患者さんの望みがかない、移植を受けられるようにするためには多くのドナーが必要です。
 白血病の患者の治療へ骨髄などの提供を仲介する日本骨髄バンクへの登録者数は、令和四年一月現在全国で五十三万八千四百三十五人、本県は九千二百九人であり、昨年二月以降対象人口当たりの登録者数が全国四十七位、最下位が続いています。特に二十代、三十代が全国平均を下回り若者を中心に登録者数を増加させることが喫緊の課題と言えます。
 昨年十二月十二日、静岡県立こども病院主催の小児・AYA世代がん医療公開講座に参加した際、Jリーガーとして活躍中の早川史哉選手の講演を拝聴しました。早川選手は骨髄バンクを通じて骨髄移植を受け、白血病を克服できた御自身の体験を通して知らない誰かの優しさで先をつなぐことができたと語られました。温かい輪が広がっていくようにと全国で講演活動をしておられます。当日参加していた重い病と闘う子供たちからの質問にも答えてくださり、どれほど大きな希望のメッセージとなったことかと胸がいっぱいになりました。
 骨髄ドナー登録の推進については、令和二年十二月定例会で我が会派の代表質問でドナー支援の助成制度の創設を求めたところ、骨髄移植の推進につながるよりよい助成制度の創設など県としての支援の在り方を検討するとの答弁がありました。開会日の知事の所信表明で来年度ドナーや勤務先への助成制度を創設する意向が示され、会派の提案が実現し大変うれしく思います。
 そこでまず、創設される制度の狙いと内容について伺います。あわせて今後どのようにドナー登録者の増加につなげていくのか、取組の方向性を伺います。
 次に、住宅の省エネ化の推進について伺います。
 地球温暖化による気候変動は私たちの想像をはるかに超える規模とスピードで進んでおり、改めて脱炭素社会に向けての取組は待ったなしであると認識させられます。国が二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を掲げたことにより、本県では昨年の二月議会にて知事が排出量を吸収量と均衡させて実質ゼロにする脱炭素社会の実現を目指すことを表明しました。これを踏まえ県は二〇三〇年度に温室効果ガス排出量を二〇一三年度比で四六・六%削減すべく第四次県地球温暖化対策実行計画案をまとめたところです。
 内容を見ますと、既存の公共施設への再生可能エネルギー導入、新築についてのZEB化の推進や清水港のカーボンニュートラルポートの実現、企業への省エネ設備導入をはじめ技術革新への支援など行政と企業で目標に向かい強力に牽引して行く姿勢がうかがえます。我が会派は、昨年の六月議会で、県民に地球環境に優しい行動変容を促す取組としてスマートフォンアプリ「クルポ」の普及について触れましたが、脱炭素社会を実現するためには私はさらに家庭部門への取組が重要と考えます。
 今後、住宅の省エネ化の推進のため断熱性能の向上や再生可能エネルギーの導入により年間一次エネルギー消費量の収支ゼロを目指すネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、いわゆるZEHや既存住宅の省エネ改修が当たり前となるように普及促進する必要があると考えますが、県としての今後の取組方針を伺います。
 次に、清水港の津波対策について伺います。
 国際拠点港湾である清水港は、経済の中心としての役割を担う港であると同時に江尻・日の出地区などは人々が憩い、にぎわう場所として身近な存在です。私の地元清水区は清水港海岸のすぐ背後に市街地が広がり多くの市民が暮らしています。これまで江尻・日の出地区は、地域住民や港湾関係者等から施設整備の位置等について様々な意見が寄せられたことから防護ラインを確定することができなかったという経緯があります。
 そこで、県は清水港海岸江尻・日の出地区津波防災対策検討委員会を設置し、六回の委員会を開催して平成二十七年十二月に清水港海岸江尻・日の出地区津波防護施設整備計画を取りまとめました。この中で津波防護施設の整備に当たっては県が地域住民や関係企業等と広く協議を行い、具体的な位置や構造等の詳細を決定していくこととしています。しかしながらいまだその詳細については示されていない状況です。
 清水港は、県の第四次地震被害想定において南海トラフ巨大地震で津波による甚大な被害が想定されています。今年一月十六日未明にはトンガ沖の海底火山の大規模噴火により日本列島の太平洋岸側に津波注意報等が発表され、清水港では二十センチの津波を観測しました。江尻・日の出地区は住宅や工場が密集しており、津波に襲われると甚大な被害が発生する恐れがあることから津波防護施設の整備を急ぐ必要があります。一月二十六日には地元自治会連合会からも県に対し早期整備への要望が行われ、私も同行させていただいたところです。
 そこで、清水港海岸の江尻・日の出地区の津波対策について現在までの取組状況と今後の進め方を伺います。
 次に、駿河湾フェリーの利用促進について伺います。
 駿河湾フェリーは新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け非常に厳しい状況が続いていますが、コロナが落ち着いた時期には一定の回復も見られ天候に恵まれた本年一月も密を回避できるバイク旅行の乗船客などの増加もあり利用者数は前年度を上回りました。悲観せず引き続き努力を続け、大切な地域資源としてみんなで守っていきたいものです。
 清水港港湾計画では江尻地区にフェリーターミナルを整備するとともに、北東アジアクルーズの東日本における拠点化とスーパーヨットの拠点港化に向けた受入れ環境の充実を図っていくことが示されています。今年度からは防潮堤の建設に着手するなど安全・安心な港へと着実に整備が進められています。
 何と言っても、中部横断自動車道の静岡―山梨間全線開通を契機に山梨県や長野県、新潟県いわゆる山の洲くにからの旅行客の増加に期待をしています。西伊豆町と姉妹町提携を結んでいる山梨県市川三郷町では結婚式を通じて様々な職業体験ができる学校ウェディングを昨年開催し、そこに関わられたブライダル協会の方々が駿河湾フェリーでの船上ウェディングを計画していると伺いました。いみじくもこのたびフェリーの船上に船出の鐘が設置され、今後船上での結婚式や婚活イベントなど新たな活用が期待できます。他県から魅力を感じてもらえる駿河湾フェリーを本県の県民にももっと魅力あるものと実感してもらえるよう、さらなるPRが必要であると考えます。
 一方で、駿河湾フェリーは県や市町からの負担金を投入して運行を続けており、老朽化した設備の修繕などにも今後多額の経費がかかる可能性があります。また環境負荷の低減や環境理解促進への貢献も期待されているなど事業を持続可能なものとするための課題もあります。県においてはしずおかサステナブルツーリズムにより心の豊かさと持続可能な地域社会の実現を図っていくこととしています。
 そこで、駿河湾フェリーの利用促進を図るに当たりサステナブルツーリズムの考えをどのように反映していくのか、県の方針を伺います。
 次に、ふじのくに安全・安心認証制度の取組について伺います。
 コロナ禍にあって、多くの飲食店は手指消毒やパーティションの設置など徹底した感染症対策をしておられます。こうした飲食店を県民が安全に、そして安心して利用できるよう県は昨年五月にふじのくに安全・安心認証制度を創設しました。設定した項目を満たした店舗に現地確認による第三者認証を付与することで不特定多数の方が利用する飲食店における対策を徹底し、感染拡大防止対策と経済活動の両立を図ってきました。
 昨年末頃には第五波が落ち着き、ワクチン・検査パッケージを活用しつつ可能な限り通常の経済活動を再開していこうとしていた矢先、年明けからのオミクロン株の流行による急激な感染拡大により県内全域にまん延防止等重点措置が適用され長引くコロナ禍で飲食店は大打撃を受けています。現在オミクロン株の猛威は衰えず学校や保育園、事業所などで多数のクラスターが発生しています。
 一方、飲食店におけるクラスターの発生件数は第五波の時と比べ少ない状況にあり、この制度が感染拡大防止に一定の役割を果たしているものと評価しております。一月末現在で認証を取得した店舗、いわゆる認証店は一万四千九百三十九件ですが、県内で対象となる飲食店は約一万九千件に上ると想定されていることや、新規開店による店舗数の増加を考慮すると認証件数はさらに伸びると考えられます。また認証店においては引き続き緩むことなく感染症対策を徹底する必要があります。
 今後も飲食店におけるふじのくに安全・安心認証制度のさらなる普及と、認証店の継続的な感染症対策の実施を促し制度自体の質を高めるために県はどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、静岡県循環型社会形成計画の推進について伺います。
 世界の二〇五〇年の人口は九十七億人に達し、途上国や新興国の経済成長に伴い資源の枯渇、エネルギーや食料需要の増大、廃棄物の増加など環境問題の深刻化が予想されています。私たちを取り巻く社会のとりわけ環境分野の動きは大きな変化の時期にあると言えます。
 従来の大量生産、大量消費、大量廃棄から脱却するため、限りある資源の循環利用と経済成長を両立するサーキュラーエコノミー  日本語では循環経済と呼ばれる概念が二〇一五年以降ヨーロッパから世界に広まりつつあります。国では令和元年五月にプラスチック資源循環戦略を策定し、使用された資源の徹底的な回収、循環利用を推進するとともに令和元年十月には食品ロス削減推進法が施行され取組を推進しています。企業や個人における環境への配慮などSDGsを意識した経営やエシカルな消費志向も後押しし、廃棄される不用品に価値を加えて新たな製品として市場に送り出すアップサイクルの広がりも見られ、全国各地で特色ある魅力的な製品が誕生しています。私の身近では枯れた松葉を廃棄するのではなく、ペレット化して燃料として利用する活動をしている団体もあります。
 本県では、持続可能な循環型社会の実現に向けた重要な計画となる第四次静岡県循環型社会形成計画を現在策定中ですが、県民の理解と協力なしには目標を達成することはできません。県民に分かりやすい内容とする工夫や、自分たちの手で循環型社会をつくろうと県民一人一人が意識を持てるようにメッセージを送ることも県民の行動変容につなげるために必要と考えます。
 そこで、県は第四次静岡県循環型社会形成計画にどのような内容を盛り込むのか、また県民の行動変容につなげるためにどのように取り組むのか伺います。
 次に、難聴児への支援について伺います。
 難聴児支援について、国は基本方針案を取りまとめて近いうちに正式決定すると聞いています。これは都道府県が難聴児の早期発見・早期療育を総合的に推進するための計画策定の指針となるものです。
 本県では、私が平成二十八年九月定例会で新生児聴覚検査の公費助成を求めて以降現在では県内全市町で公費助成が実現し、医療機関が検査機器を購入する費用への助成は全国に先駆けて実施。この結果本県の新生児スクリーニングの受診率は一〇〇%近くまで向上し、難聴の可能性がある新生児を早期に発見し次のステップの補聴器や人工内耳装着に進む仕組みがきちんとできていることは大変重要なことです。
 さらに、私は令和元年九月定例会でオーストラリアでは政府や研究機関、言語聴覚士団体などが一丸となって難聴児もほぼ全員が聴覚を得られるように対策をしていることも紹介しましたが、昨年十二月定例会の自民改革会議山田誠議員の質問に対する答弁で海外の事例を研究する意向が示されました。
 静岡県立総合病院きこえとことばのセンター長の高木明医師は、人工内耳装着は早ければ早いほど良くその後の適切な療育により音声言語を獲得でき健聴者と同じようにコミュニケーションができるようになる、しかしながら学校現場では人工内耳を装着していても初めから手話を教えることが多く聞こえるようになる可能性の芽を伸ばせる教育環境となっていないとお会いするたびにおっしゃっています。音声言語獲得のためには人工内耳装着後に家庭において話しかけを行うなどの訓練、早期介入も重要となります。身近な地域において家庭における療育についての支援を受けられる体制づくりが必要と考えます。
 そこで、難聴児への支援について今後特に早期療育を総合的に推進するために県としてどのような取組をしていくのか伺います。
 次に、子宮頸がんワクチン接種について伺います。
 子宮頸がんなどの原因となるヒトパピローマウイルス  HPVの感染を防ぐワクチンについて厚生労働省は、二〇一三年六月から中止していた積極的な接種勧奨を今年四月から再開することを決めました。九年ぶりの再開であり、この間接種機会を逃した方へのフォローなどが課題となっています。
 実際に、私も接種機会を逃したお子さんがいる何人もの母親からの御相談を受けてきました。勧奨が中止されている間に無料で接種できる年代を過ぎてしまい費用の負担が大きく接種を断念した、さらには接種を希望したが国が積極勧奨をしていないから接種できないと医師から断られたという方もおられ、こうした方々から救済を望むお声が多く寄せられていました。
 厚生労働省は、昨年十二月に接種機会を逃した女性が無料で接種できるようにする方針を固め県及び市町に通知が出されています。今後実務を担う市町においては、新型コロナワクチンの三回目接種の対応がある中でスムーズに準備ができるか懸念されます。どちらも命を守る大事なワクチンです。市町での対応がスムーズに進むよう県としても状況把握と的確な支援が必要と考えます。
 HPVワクチン接種により子宮頸がんのうちの五割から七割が予防できると言われ、効果は大きいことが確認されていますが、ワクチンの安全性や正しい情報の普及啓発、ワクチン接種後に多様な症状に悩む方に寄り添う相談体制構築が重要と考えます。
 そこで、積極的な接種勧奨が再開されることを受けHPVワクチンの接種率の向上に向けて県として具体的にどのように取り組むのか伺います。
 次に、事業承継支援について伺います。
 本県では、県内の商工会や商工会議所、金融機関、国の委託事業による静岡県事業承継・引継ぎ支援センター等が強固に連携し、静岡県事業承継ネットワークとして中小企業経営者の事業承継の支援が推進されています。このネットワークの活動実績はこれまでの五年間の累計で支援ニーズの掘り起こしとなる事業承継診断実施件数は二万九千五百四十七件、親族内承継を円滑に進めるための事業承継計画策定件数は二千二百四十四件となっています。
 私は事業承継支援の重要性を平成二十六年から訴え続けていますが、この間後継者不在問題が顕在化し、事業承継支援に関する機運が着実に高まっていることを実感しています。事業承継計画策定については県では令和二年度から計画策定を支援する商工団体に対してインセンティブを付与する施策を実施しています。計画策定を後押しする大変重要な施策であり、今後も実施していくべきと考えます。後継者不在で悩む経営者は多く、事業承継の重要課題であることは依然変わりありません。
 近年、このような場合の解決策として第三者承継が増加している流れは定着しつつあり、今後も支援ニーズの掘り起こしと相談体制の強化、創業希望者とのマッチングなどに取り組む必要があります。長引くコロナ禍は本県経済を支える中小・零細事業者に大きな影響を与えており、後継者不在問題がさらに深刻になり休業や廃業する企業が増加することが懸念されます。本県経済を支える中小・零細企業が経営基盤を損ねることなく事業承継をスムーズに進めていけるよう、県としてさらなる支援をすることが重要と考えます。
 そこで、県は事業承継支援のため今後具体的にどのような取組をしていくのか伺います。
 次に、デジタルスキル取得による女性の就労促進について伺います。
 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で大きな打撃を受けた、特に観光業や飲食業などのサービス業には非正規で働く女性が多く収入の減少や失業などに伴い生活困窮に陥る方もあり、深刻な問題となっている女性の自殺者増加にはこうした背景も考えられます。コロナ禍で露呈した課題としてデジタル人材不足が挙げられますが、感染症の影響を受けにくいデジタル分野は今後も労働力を求めるニーズが高まると言われています。特に子育てや介護をしながら仕事をしたいと希望する女性がデジタルのスキルを習得し就労につながるよう後押しする施策が必要と考えます。
 先日、私の地元清水区でウェブデザイナーとして活躍する女性を訪ねお話を伺いました。この方は十年ほど前に開講されていた県の講座を受講し、パソコンの知識やスキルを習得したことがきっかけとなってウェブデザイナーの道に入り子育てに奮闘しながら仕事を続けておられます。あのときに受講していなかったら今の私はありません、静岡県にいてよかったとおっしゃっていました。当時八十名ほどの方が受講されていたそうで、各地でほかにも活躍している方がいらっしゃるかもしれません。
 令和三年十二月二十四日に閣議決定されたデジタル社会の実現に向けた重点計画には、女性がデジタル社会で活躍するための支援が盛り込まれています。デジタル社会で女性が就労できる環境づくりに向け職業訓練におけるデジタル化へ対応するスキルの向上等を目的とした講座などの充実、国の就労支援策の周知など県として積極的な取組が必要と考えます。県の所見を伺います。
 次に、医療的ケア児への支援についてのうち、医療的ケア児支援センターの設置を含む地域の支援体制について伺います。
 胃ろうやたんの吸引、人工呼吸といった医療行為が常に必要な医療的ケア児は国内で約二万人と推計されており、この十年間で二倍近く増えています。周産期先進医療の発達により今後さらに増えることが予想されます。
 医療的ケア児の家族の負担は大きく、育児をする家庭のうち多くの母親は仕事を辞めて二十四時間三百六十五日つきっきりで介護に当たっている現状があると聞いています。昨年九月十八日に医療的ケア児及び家族に対する支援に関する法律が施行され本格的な支援の扉が開かれましたが、将来に希望を持って暮らせるまでには数多くの扉を開けていかなくてはならない状況です。
 県は、法律の施行を受け家族等への相談、情報提供、助言や関係機関への情報提供及び研修を行う役割を持つ医療的ケア児支援センターの設置に向けて準備を進めておりますが一刻も早い開設が望まれるところです。医療的ケア児支援センターには医療、福祉、行政の三者の連携が必要であり、どれ一つ欠けても当事者がたらい回しになりかねません。一方で現状においては医療的ケア児を受け入れる保育所や幼稚園、児童発達支援事業所が圧倒的に少なく、医療的ケア児支援センターの整備と平行して県下市町との連携で受け皿を充実させることが重要です。
 そこで、医療的ケア児支援センターの開設に向けた準備の進状況と、あわせて医療的ケア児の受け皿の充実に向けた取組について伺います。
 次に、医療的ケア児の通学支援について伺います。
 医療的ケア児を待ち受ける壁の一つが進学の壁であります。学校設置者は高等学校、特別支援学校の高等部までの医療的ケア児がそうでない児童とともに教育を受けられるよう最大限に配慮しつつ、適切に教育に係る支援を行う責務を有すると法律に規定されました。特別支援学校における学習機会の確保についても課題が多く、さらに通学に関しては大きな課題があります。
 本県独自の対応として、平成二十七年一月の制度改正により難病患者介護家族リフレッシュ事業を利用して保護者が看護料、福祉タクシー利用料の一割を負担し看護師が同乗して通学できるようになったものの、その対象は義務教育までで高等部に通学する場合は制度を利用できないため学校で学ぶことを諦めなくてはならない現状です。既に東京都では医療的ケア児もスクールバスを利用して学校に通える体制を整えており、本県においても県の責務として全ての児童生徒が等しく学びの場を確保できる体制を整えるべきと考えます。
 そこで、医療的ケア児が安心して通える体制を整備するべきと考えますが、教育委員会としての見解を伺います。また十分な通学体制を整備するまでの間、高等部の通学支援をどのようにするのか併せて伺います。
 次に、高校教育における通級指導について伺います。
 小中学校において実施されてきた発達障害などのある児童生徒が通常の学級に在籍しながら個々の障害特性に合わせた個別指導を受けられる通級による指導は、高等学校へ進学した後にも切れ目のない支援を行うことが重要という観点から平成三十年四月一日の国による制度改正により高等学校においても実施できるようになりました。今年度で四年目に入っています。
 これまで我が会派では繰り返し議会で取り上げ、どの学校に通っていても通級指導を受けられるようにすることや、指導に当たる専門の教員だけでなく全ての教員が発達障害を深く理解して生徒や保護者に適切なアドバイスをできるようにすることを含め通級指導制度の取組の充実と推進を求めてまいりました。本県では平成三十年度から静岡中央高校通信制の三キャンパスで自校通級による指導を開始、令和二年度には浜松城北工業高校でも実施されました。令和元年度からは希望する県立高等学校において専門的スキルを有する講師を派遣しての巡回通級指導が実施されています。学識経験者等による専門的な研修の実施により通級指導に従事できる教員の育成を図っていると承知していますが、指導に当たる教員のスキル向上は大変重要です。
 ここ二年も続いているコロナ禍の影響は子供たちにも及び、社会環境の変化により児童生徒の抱える課題はさらに複雑化、多様化しています。引き続き小中学校から高等学校までの横断的、継続的に切れ目なく支援する体制の充実を図っていくべきと考えます。
 高校における通級指導制度を約四年間推進してきた中でどのような成果があったか、また現状どのような課題があり、それを踏まえて今後高校教育における通級指導をどのように取り組む方針であるか、教育長に伺います。
 次に、子供一一〇番の家の推進について伺います。
 子供一一〇番の家は、主に通学路沿いの家を声がけ事案等に遭遇した子供が駆け込む避難場所とするため看板やステッカーを貼って明示し、万一のときには一時的な保護と警察への通報などを行うなど子供を犯罪から守るために活動するものです。子供や女性を狙った悪質・凶悪事件の多発を受けて草の根的に広まった防犯ボランティア活動で、運営主体は地域によって警察や自治体、教育委員会、学校、自治会など様々であり、取組状況や呼び名も異なっています。
 先日、子供一一〇番の家のステッカーが空き家に貼られたままで危険だという御相談を受け実態を調べてみたところ、数年前までは毎年手続を行いステッカー等の配付先を管理していた地区もありましたが、ほとんどの地域で継続した運営がされていませんでした。また引っ越して来られた新しい住民が子供一一〇番の家の活動に理解があっても、参加希望の調査等が行われないため活動機会が得られないというお声も聞きました。地域コミュニティーを支える人材の不足や個人情報保護の観点が背景にあると認識していますが、せっかくの取組も運営が適切に行われなければかえって子供たちにとって危険なものとなってしまいます。
 一方で、現在事業所や車を避難場所とする子供一一〇番の店・車の取組もあり、こちらは活動場所やその責任者、連絡先などについて警察への事前相談と連絡を行うこととなっているなど適切に運営されていると聞いています。
 子供一一〇番の家についても子供の命、安全を守るという本来の目的を果たすために、各地の運営実態の見直しなどについて県警察が積極的に関与し、今後の推進方法などを明確にするべきと考えます。警察本部長の所見を伺います。以上について、答弁を求めます。
○議長(宮沢正美君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 盛月議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、次期総合計画についてであります。
 公明党静岡県議団の皆様から次期総合計画後期アクションプランに関して六十二項目の貴重な御意見を頂きました。それら一つ一つの御意見を真摯に受け止め、できる限り計画案への反映を図ったところであります。
 具体的には、まず命を守る安全な地域づくりを進めるため住民の早期避難意識の向上や自主防災組織等との連携に加え防災士などの人材育成の強化を位置づけ、地域防災力の一層の強化を図ってまいります。
 また、安心して暮らせる医療・福祉の充実につきましては認知症に優しい地域づくりに向けて関係団体と連携し、認知症の患者の方々やその家族が安心して相談できる体制を充実してまいります。
 誰もが活躍できる社会の実現に向けましては、障害のある方の活躍を促進するため障害者雇用率の目標値を二・四%に引き上げ雇用実績がない企業や雇用人数が不足する企業における精神・発達障害の方々の職域拡大などを通じ雇用のさらなる促進を図ってまいります。
 また、ふじのくにの魅力の向上と発信につきましてはスポーツによる交流を促進するためナショナルサイクルルートである太平洋岸自転車道などでのサイクリストのおもてなしの充実を図るとともに、ビギナーやファミリー向けのe―バイクを活用したサイクルツーリズムなどターゲット別の施策を展開し、国際的なサイクルツーリズムの目的地としての地位確立に取り組んでまいります。
 公明党静岡県議団の皆様からの御要望を踏まえ、命を守る安全な地域づくりを最優先課題とし防災・防疫体制の充実強化に取り組むとともに、あらゆる人々が努力をすれば自らの夢を実現し幸せを実感できる誰一人取り残さない社会の実現を着実に目指してまいります。
 SDGsのモデル県としての本県の目指す姿を県民の皆様と共有して実現していくために本県が変革の主体となり、多くのステークホルダーの皆様としっかりとスクラムを組んで次期計画に掲げられた政策の推進に全力で取り組んでまいります。県議会の皆様の一層の御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
 次に、令和四年度当初予算編成についてであります。
 令和四年度当初予算につきましては、公明党県議団の皆様から頂いた新型コロナウイルス感染症対策をはじめ安全・安心社会の実現など六つの柱からなる御要望を踏まえ、社会経済が大きく変化する中で今県政に求められている諸課題に的確に対応していくための予算を編成いたしました。
 新型コロナウイルス感染症対策につきましては、医療の提供やワクチン接種等の体制を整備するとともに新たな感染症の流行発生に備え感染症対策の拠点となる仮称ふじのくに感染症管理センターの設置に向けた整備を進めてまいります。また厳しい状況にある事業者の皆様には制度融資による資金繰り支援はもとよりデジタル化などの取組への支援を切れ目なく実施するとともに、特に深刻な打撃を受けている観光業に対しては需要の早期回復に向け宿泊キャンペーンなどを機動的に実施してまいります。加えて感染防止対策を行う避難所に対する支援、オンライン授業のための機器の整備、文化活動への支援など防災、教育、文化芸術面においても幅広く取り組んでまいります。
 また、六つの柱からなる御要望に対しましてはまず安全・安心社会の実現に向け熱海市伊豆山地区の土石流災害からの早期復旧や、津波浸水想定区域における住民一人一人の避難計画づくりへの支援などを推進してまいります。また夢あふれる社会の実現につきましてはヤングケアラーへの支援体制の構築や医療的ケアが必要な児童生徒への支援の拡充、児童相談所員、警察官の増員による児童虐待防止体制の強化などに取り組んでまいります。
 健康長寿社会の実現に向けては、医学修学資金の貸与を促進するとともに、既に全国一の規模である六十二人の地域枠をさらに六十五人へと拡充するほか、活気あふれる社会の実現として県版空き家バンクを立ち上げ、あわせて空き家への住み替え支援制度を創設することで本県への移住・定住の一層の促進を図ります。さらに本県の食や食文化を生かしたガストロノミーツーリズムの展開により魅力ある観光地づくりに一層注力してまいります。
 また、調和のとれた社会の実現につきましては脱炭素社会の実現に向け仮称企業脱炭素化支援センターを設置し中小企業等の取組を強力にサポートするとともに、官民を挙げて小水力やバイオマスなどの再生可能エネルギー等の導入を促進してまいります。
 さらに、県行財政改革の実現につきましては、不断の事業見直しとともにフジノミクスなど積極的な経済政策による県税収入の増加や寄附金充当事業の拡充などの歳入確保努力により、引き続き健全な行財政運営を堅持してまいります。
 県といたしましては、時代の大きな転換点をチャンスと捉えてSDGsのフロントランナーとして県民の皆様が幸せを実感できる誰一人取り残さない社会の実現に全力で取り組んでまいります。
 次に、こども政策についてであります。
 子供は社会に希望と活力をもたらす地域の宝であります。未来の静岡県をより活力あるものとするためには若い世代が子供を持ちたいという希望をかなえ、安心して子供を育てられるよう結婚から妊娠、出産、子育てまで切れ目のない、きめ細かな支援が必要であります。また虐待や貧困をなくし、生まれ育った環境に左右されることなく子供たちが等しく大切に育まれる社会を実現しなければなりません。
 そこで本県では、子育ては尊い仕事という理念の下、未来を担う子供と子育て家庭を社会全体で応援するために総合的かつ計画的な施策の推進を図るふじさんっこ応援プランを平成二十七年二月に策定し、出野副知事を本部長とするふじさんっこ応援推進本部を設置して部局横断体制でこども政策を進めているところであります。これまでに保育所等の整備による待機児童数の減少、妊産婦健康診査や産後ケアの全市町実施、市町での幼児教育アドバイザーの設置など子育て・教育環境の充実が着実に図られるとともに、児童相談所の体制強化、子供の居場所づくりや学習支援、独り親サポートセンターによる相談、就職支援等々困難な状況に置かれた子供の支援体制の整備を進めてまいりました。
 一方、本県の出生数は令和二年に二万三千人を下回り過去最低となるなど少子化に歯止めがかかっておりません。また長引くコロナ禍は子供や子育て家庭の孤独化、孤立化へ不安をもたらしたばかりでなく、生活や就学にも影響を及ぼしております。
 こうした課題に対応するため、次期総合計画後期アクションプランでは子供が健やかに学び育つ社会の形成を政策の柱に据えまして、さらに支援の充実を図ってまいります。令和四年度には児童相談所職員等の増員による児童虐待防止体制の強化をはじめヤングケアラーの支援体制の構築、リスクを抱えた妊産婦や子育て家庭への訪問型支援の実施、さらには子供の居場所づくりの拡充などを行うこととしており、必要な予算を本議会にお諮りしているところであります。
 今後は、国におけるこども家庭庁の創設や関連政策の動向を注視しながら社会全体で子供を見守り、育て、応援する静岡県を目指してこども政策に全力で取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○議長(宮沢正美君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) 骨髄ドナー登録の推進についてお答えいたします。
 日本骨髄バンクが設立されて三十年になりますが、本県では令和四年一月末までに七百五十一人が骨髄移植を受けており、現在も三十二人の県民の方が治療のため骨髄移植を待ち望んでおられます。一人でも多くの方に一日でも早く骨髄移植を受けていただくためにはドナー登録者の増加とともに、骨髄の提供をより確実に行うことが重要です。
 骨髄の提供には事前の健康状態の確認検査等が必要となり、さらに提供時には四日程度の入院を要することから仕事の都合がつかないなどの理由で提供を辞退される場合があります。このため来年度から骨髄提供を行うドナーに日額二万円、ドナーの勤務先に日額一万円を最大七日間市町を通じて補助することとし、必要となる予算を本議会にお諮りしているところであります。これによりドナーの提供時における経済的な負担軽減を図るとともに、勤務先の理解の促進と仕事を休むことへの不安に対応し確実な骨髄提供を目指してまいります。
 また、登録者の増加には若い世代に骨髄ドナー登録や補助制度を知っていただくことが重要でありますので、今年度から開催している県内大学での説明会の拡大などより多くの若者の協力が得られるよう取組を推進してまいります。さらに企業や事業者団体等で行われる献血の会場において骨髄ドナー登録を呼びかけ、企業等の協力も得ながら登録者の増加を図ってまいります。
 県といたしましては、補助制度の導入を契機に骨髄移植を待ち望んでいる患者や骨髄移植を受けて病気を乗り越えられた方のことを一人でも多くの方に知っていただき、厳しい治療に耐えている方々が一日も早く骨髄移植を受けることができるよう骨髄ドナー登録者の増加に努めてまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(市川敏之君) 住宅の省エネ化の推進についてお答えいたします。
 来月決定する第四次地球温暖化対策実行計画では、二〇三〇年度における温室効果ガス排出量について国の目標を上回る四六・六%の削減を目標にする予定であります。これを達成するためには徹底した省エネルギー対策が必要であり、県内の温室効果ガス排出量の約一六%を占める家庭部門の取組、とりわけ長期間、継続的な削減効果が期待できる住宅の省エネ化の推進が重要であります。
 国は、二〇三〇年度に全ての新築住宅に、二〇五〇年度には既存住宅を含む全ての住宅の平均でZEH水準の省エネ性能の確保を目標としております。現状ではZEH水準を満たす新築住宅は全体の二割程度であり、そのうち大手住宅メーカーに限ると約五割に達しているものの中小工務店では約一割にとどまっており、中小工務店や設計事務所に省エネ化のノウハウを浸透させることが課題と考えております。
 このため、県では性能評価機関と連携し中小工務店や設計事務所に対して新築の省エネ性能の計算や既存住宅の診断などの研修会を開催するとともに、それらの事業者から県民の皆様に省エネ住宅が経済性や快適性に加え健康や安全の面からも効果があることを御説明頂いてメリットを伝えてまいります。また省エネ性能を評価・表示する制度を推進し、住宅が適切に評価される環境も整えてまいります。
 国は、先月からZEH等の新築について若者・子育て世帯を対象に補助制度を始めましたが、県の削減目標達成に向け国の補助の対象とならない世帯のための県独自の補助制度を創設するとともに、既存住宅の改修についても国の制度に呼応する形で市町との協調による補助制度を創設することとし、必要な予算を本議会でお諮りしております。
 県といたしましては、新たな補助制度の活用を促すことによりZEH等の省エネ住宅の普及を一層加速させ、脱炭素社会の実現に向けて全力で取り組んでまいります。
 次に、静岡県循環型社会形成計画の推進についてであります。
 第四次計画では循環型社会と経済成長の両立を目指し、3Rの推進、廃棄物適正処理の推進、サーキュラーエコノミーに向けた基盤づくりの三つを基本方針とし誰もが計画の内容がイメージしやすいよう、「捨てるを減らそう。活かすを増やそう。〜ふじのくにのゼロエミッション〜」のキャッチフレーズを掲げております。また計画の一般廃棄物に係る数値目標につきましてはこれまでの県民一人一日当たりの排出量については継続し、最終処分に関する指標は取組の成果が分かりやすいように率から量に変更して県民一人一人が自分事として考えていただけるように工夫しております。
 具体的な取組といたしましては、食品ロス削減を実践した写真等を投稿して共有するキャンペーンの実施、循環型社会実現の重要性を伝える小中学校への出前講座、民間企業などと連携し県民総参加で海岸清掃などを行う6R県民運動の推進のほか、本年四月のプラスチック資源循環法の施行に対応した県民や企業への周知啓発も進めてまいります。
 県といたしましては、マスコミを通じた情報提供に加えSNSなどを活用した啓発、学校のデジタル化に対応した環境教育、市町や団体と連携した地域でのきめ細かな活動に取り組むことにより計画への理解を広げ、多くの県民の皆様の具体的な行動につなげてまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 和田交通基盤部長。
○交通基盤部長(和田直隆君) 清水港の津波対策についてお答えいたします。
 江尻地区及び日の出地区の津波対策につきましては、平成二十七年度に取りまとめた津波防護施設整備計画において防護ラインを設定いたしました。しかしながら令和元年度の台風十九号などによりこれまでに高潮被害のない地区でも度々被害が発生したことから、高潮にも対応できるよう昨年度日の出地区の商業施設周辺の防護ラインを見直したところであります。
 施設の整備に向け、江尻地区では新たに整備するフェリーターミナルや河岸の市などへの動線を考慮した防潮堤の配置計画を行うとともに測量や地質調査に着手しており、来年度は設計を進めてまいります。日の出地区では関係者の御意見を伺いながら防潮堤の設計を進めており、今年の秋には商業施設周辺から工事に着手してまいります。
 また、両地区ともに富士山や港の眺望がすばらしいことから防潮堤の構造につきましては眺望を阻害しない透明なアクリル板の活用を検討してまいります。さらににぎわいの拠点であるマリンパークでは、緑地をかさ上げし防潮堤と一体的に整備することにより景観に配慮した魅力ある空間の創出を図ってまいります。
 県といたしましては、多くの県民や観光客が集うにぎわいの拠点である両地区の安全・安心の向上に向け地域の皆様の御理解を頂きながら津波対策となる防潮堤の早期整備に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 植田スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(植田基靖君) 駿河湾フェリーの利用促進についてお答えいたします。
 アフターコロナに向け、経済、環境、社会文化の三分野のバランスがとれたしずおかサステナブルツーリズムを推進することで駿河湾フェリーの利用促進に取り組んでまいります。
 まずは、利用者の拡大を図ることが急務であります。中部横断自動車道の開通や、将来の清水港発着場の江尻地区への移転によりアクセスが向上することから、伊豆半島ユネスコ世界ジオパークなどの世界水準の魅力を強力にPRし、県内外からの誘客を進めてまいります。また、歴史的建造物を改造した旅館との旅行商品の開発や乗船者限定の御朱印を生かした神社仏閣を巡る旅の提案、SDGsの考え方に基づき地元食材を楽しむ企画の展開、船上デッキに設置した船出の鐘を生かした船上ウェディングなど新たな需要の獲得に積極的に取り組んでまいります。
 あわせまして、交通渋滞のない移動を提供することにより環境負荷の低減や、沼津工業高等専門学校と開発した駿河湾を船上で学ぶプログラムの運営、星空を観望するツアーの開催など、環境への配慮や理解促進に取り組むとともに、船舶の計画的な維持修繕等によるコストの平準化や縮減など、経営改善戦略に基づく取組を進めてまいります。運航主体である一般社団法人や関係市町、地域住民、地域企業の皆様と連携し、しずおかサステナブルツーリズムの考え方に基づきより一層の利用促進を図るとともに、経営改善を着実に実施してまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 藤原危機管理監。
○危機管理監(藤原 学君) ふじのくに安全・安心認証制度の取組についてお答えいたします。
 現在、本県に適用されているまん延防止等重点措置に伴う営業時間の短縮要請等に御協力頂いている事業者の皆様に感謝申し上げます。
 今回の要請では、ふじのくに安全・安心認証を取得した飲食店、いわゆる認証店においては各事業者の営業実態に応じて酒類の提供を認めるなど対応を選択できることとしております。また今後の認証店でのワクチン・検査パッケージの運用再開を見据え、感染防止対策と経済活動の両立を推進する上で本認証制度の継続が必要と考えております。
 二月二十一日現在で一万五千百九十九店が県認証を取得し、想定する飲食店数のおおむね八割に達しております。令和四年度も県民の皆様に対して認証店の利用を推奨するとともに、飲食業関係団体等を通じて新規開業の飲食店などに対して認証制度の普及を図り対象の飲食店全てに認証を取得していただくことを目指してまいります。
 また、既に認証を取得した店舗について再度の見回りを行いパーティション等の設置や入り口での手指消毒の徹底、飲食時以外のマスク着用の呼びかけなど感染防止対策の継続を徹底してまいります。
 県といたしましては、認証制度の普及と認証店の感染防止対策の質を担保することにより県民の皆様への安全・安心な飲食の場の提供に努めてまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 石田健康福祉部長。
○健康福祉部長(石田 貴君) 難聴児への支援についてお答えいたします。
 県では、これまで県立総合病院に設置した乳幼児聴覚支援センターを中核として市町や関係機関と協力し難聴児の早期発見に取り組むとともに、支援センターのサテライト窓口を沼津市と浜松市に設置するなど早期の治療や療育につながる体制を強化してまいりました。また支援センターは保護者への指導や相談のほか静岡聴覚特別支援学校での乳幼児教室や、人工内耳装用児の通う学校へ言語聴覚士を派遣するなど学校教育と連携した取組も行っております。
 さらに、静岡社会健康医学大学院大学では市町の保健師などが乳幼児の発達に応じた適切な介入方法などを学んでおり、より高度で専門的な人材の養成に向け新たな教育プログラムの検討も進めております。県では今後早期療育の一層の推進を図るためには難聴児支援に携わる人材の育成と効果的な療育手法の確立が必要と考えております。
 そこで、人工内耳の先進国であるオーストラリアに職員を派遣し早期発見した難聴児の音声言語獲得を促す療育手法を学び、教育機関と共有しながら静岡県版の療育プログラムの確立を目指すこととして必要な予算について本議会でお諮りしているところであります。
 県といたしましては、引き続き乳幼児聴覚支援センターをはじめ静岡社会健康医学大学院大学や教育委員会、関係機関と連携して人工内耳装用児を含む難聴児への支援に取り組んでまいります。
 次に、子宮頸がんワクチン接種についてであります。
 子宮頸がんを予防するHPVワクチンにつきましては接種に対して不安な気持ちをお持ちの方もおられますことから、対象の方が接種を検討するに当たり適切な判断ができるよう国のリーフレットなどを活用しワクチンの予防効果や安全性の評価など最新の科学的な知見に基づく正しい情報の普及啓発に努めてまいります。また接種後に症状が現れた方につきましては県や県教育委員会の総合相談窓口により相談を受け付けるとともに、多様な症状に対応できる協力医療機関を紹介するなどサポート体制を整えており、併せて県民の皆様に周知してまいります。
 今後、市町では住民基本台帳等に基づき対象者に予診票等を個別発送し積極的な勧奨を行うこととなります。しかし積極的な勧奨を差し控えている間に対象年齢を過ぎてしまい、時限的に公費による接種を受けられる方や必要な回数の接種が完了していない方への具体的な対応については現時点で国から示されておりません。県では市町が準備を行う上で手戻りが生じないよう国の動向を注視しつつ迅速に市町へ情報提供し、接種が円滑に進むよう努めてまいります。
 県といたしましては、希望される方が不安なく接種を受けられるよう丁寧に正確な情報を提供しながら市町と連携して接種率の向上を図ってまいります。
 次に、医療的ケア児への支援についてのうち、医療的ケア児支援センターの設置を含む地域の支援体制についてであります。
 医療的ケア児支援センターにつきましては、十二月議会においてセンターの設置準備を行う予算を承認頂いたことから静岡市内に設置場所を確保し、早期の開設に向けて準備を進めております。また支援センターの運営につきましては本人及び御家族からの様々な相談に対応できるよう医療との連携を強化するため看護師資格を有する職員を配置することとし県看護協会への委託について調整をしており、本議会に必要となる予算をお諮りしているところであります。
 医療的ケア児の受け皿の充実につきましては、従来から実施している支援人材の養成研修の受講定員を二十人増員して八十人とすることで保育施設や学校に配置される看護師にも参加を促すとともに、看護師などを配置する保育施設や放課後児童クラブへ市町を通じて助成を行い地域の支援体制の充実に努めてまいります。またこれまでに整備してきた重症心身障害児者の支援ネットワークを生かし、医療的ケア児支援センターと市町、医療、福祉、教育、労働などの関係機関によるネットワーク会議を設け地域の現状把握や課題解決に向けた具体的な活動を展開してまいります。
 県といたしましては、医療的ケア児及び御家族の思いを受け止め関係機関との連携の下、市町と共に地域の支援体制の充実に努め、医療的ケア児が健やかに成長できる共生社会の実現を推進してまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 三須経済産業部長。
○経済産業部長(三須敏郎君) 事業承継支援についてお答えいたします。
 県では、平成二十九年度に商工団体や金融機関などと事業承継ネットワークを立ち上げ連携して相談対応やマッチング、事業承継の準備等の支援に取り組んでおります。ネットワークの中核である事業承継・引継ぎ支援センターの取組実績は順調に伸びており、小規模事業者や個人事業主を中心に今年度は十二月末実績で相談件数が三百七十二件、成約件数は親族内承継、第三者承継を合わせて八十二件と過去最高となっております。
 このように事業承継が着実に進展する一方で、譲渡契約内容等の不備による法的トラブルの発生という問題も顕在化してきております。こうした問題の発生を事前に回避するため県では事業承継計画の策定支援を行う商工団体へのインセンティブ施策に加えて、来年度は中小企業や個人事業主を対象に弁護士等が行う契約内容の法的チェックに係る費用への補助制度を創設することといたしました。
 加えて、コロナ禍で先行きの不透明感が広がる中廃業を検討する経営者の増加も懸念されております。そこで事業承継・引継ぎ支援センターを中心に民間大手M&Aプラットフォーマーと連携して静岡県での起業を目指す全国の人材とのマッチングの取組も進めていく予定です。
 県といたしましては、今後とも県内動向を注視し中小企業や個人事業主の事業や雇用が維持されるよう引き続きネットワークを構成する団体と緊密に連携し、きめ細かな支援に取り組んでまいります。
 次に、デジタルスキル取得による女性の就労促進についてであります。
 コロナ禍の影響もあって社会全体にデジタル化の動きが加速し、この分野の人手不足が顕在化しております。またテレワークも定着しつつあり、女性がデジタルスキルを取得し希望する仕事に就けるよう就職支援と合わせた取組の強化が必要と考えております。
 現在、工科短期大学校などでは離転職者の方を対象にパソコンを使った文書作成や表計算などのITリテラシーの習得や、ネットビジネスに必要となるウェブデザインの知識習得などの職業訓練を実施しております。この分野の受講者は昨年十二月末時点で全受講者九百八十四人のうち五百七十二人で、そのうち女性の割合は七五%です。デジタル分野の訓練を受けて就職した方のうち約八割が取得したスキルを生かした職種に就職しております。
 来年度につきましては、デジタル分野の定員を令和二年度実績の五百九十四人から四割増の八百二十七人に増やします。また引き続き受講時に託児サービスの提供や母子家庭の方を優先するコースを設定し、女性が受講しやすい環境整備に取り組むことできめ細かい就職相談と合わせて早期の就労につなげてまいります。
 このほか、幅広い層の訓練受講を促すため雇用保険を受給できない求職者を対象とした国の職業訓練などにつきましても県内三か所のジョブステーションのほか市町の福祉系窓口と連携した県の就職サポーターによる出張相談、県民だよりや「しずおか就職net」を活用して積極的な周知に努めてまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) 医療的ケア児への支援についてのうち、医療的ケア児の通学支援についてお答えいたします。
 現在、県立特別支援学校には百九十二人の医療的ケア児が通学しておりますが、近年医療的ケアの内容も複雑・多様化しており、学校としての対応が難しい場合には状況を説明した上で通学を含め保護者による付添いをお願いしております。
 本県では、保護者の付添い負担の軽減を図るため他県に先んじて健康福祉部が難病患者介護家族リフレッシュ事業において就学支援事業をメニューに追加し、在校時と通学時の支援を行っております。通学時の支援は令和二年度に五十三件利用されております。また県教育委員会におきましても来年度特別支援学校人工呼吸器装用児受入体制モデル事業を立ち上げ、在校時における保護者の付添い負担の軽減に取り組むこととしております。
 その上で、医療的ケア児の通学支援については医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律を踏まえ小学部から高等部までの児童生徒に関して安全の確保に最大限配慮した体制を関係部局や医療・福祉機関等と連携を図りながら早期に確立してまいります。また十分な通学支援体制を整備するまでの間、高等部の通学につきましても国の医療的ケア看護職員配置事業の活用を含め支援が受けられる制度を整えてまいります。
 県教育委員会といたしましては、医療的ケア児とその家族が適切な支援を受け、他の児童生徒と共に学ぶことができる環境の充実を図り誰一人取り残さない共生社会の実現を目指してまいります。
 次に、高校教育における通級指導についてであります。
 通級指導は、障害による学習上または生活上の困難を改善、克服することを目的に教育課程上に位置づけられた特別の指導として行われております。小中学校からの学びの連続性を確保した切れ目のない支援を高校においても実施することは、将来の自立と社会参加に向けての自己理解を深めるなど非常に効果が高いものと認識しております。
 県立高校における通級指導につきましては、自校通級は平成三十年度の開始から今年度までの四年間で百五十一人が受講し、巡回通級についても三年間で四十四校、七十六人が受講しております。受講した生徒はコミュニケーションスキルや心理的な安定など個々の状況に応じた指導により会話が増え、コミュニケーションが円滑になる、気持ちに落ち着きが見られ前向きになるなど学習面や生活面の困難さが改善されたと報告されております。
 一方、課題といたしましては現在専門的スキルを持つ外部講師とのチームティーチングや研修会を通じて通級指導を担当する教員の育成に努めておりますが、より適切な支援のためにはどの学校においても自校の生徒を支援できる教員や校内の体制づくりが必要であります。このため生徒の状況の共有や今後の支援について精神科医、臨床心理士を助言者とした事例検討を取り入れたより実践的な研修を実施してまいります。
 また、生徒の授業中の様子を特別支援学校の教員に見ていただき助言を受ける取組も始まっております。こうした支援により成果が見られた事例を県内の高校に周知し、全ての教員の特別支援教育に関する資質の向上を図ってまいります。
 県教育委員会といたしましては、全ての高校生が社会の一員として自立することができるよう通級指導に係る環境づくりを通じて一人一人の教育的ニーズに応じたきめ細かな指導を行い、誰一人取り残さない教育の実現を目指してまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 山本警察本部長。
○警察本部長(山本和毅君) 子供一一〇番の家の推進についてお答えをいたします。
 子供一一〇番の家は、危険に遭遇した子供の一時的な保護や警察への通報などを行う民家、商店、車などでありまして主に子供一一〇番の家・車のステッカーが掲出されているところであります。県警察の調査では令和三年末現在、県下で学校、教育委員会、事業者など二百五十六の運営主体の下に合わせて九万四千余りの設置があるものと把握をしております。
 子供一一〇番の家は活動の開始から既に二十年以上が経過しておりまして、議員御指摘のとおり空き家にステッカーがついたまま放置されているなど一部には避難場所として適切に機能していない建物もあるものと承知をしております。しかしながら子供一一〇番の家の活動は自主防犯ボランティアによる子供の見守り活動の一環として地域住民が自主的に行っているものでありまして、子供を犯罪被害から守る重要な活動であります。このため県警察では、運営主体に対し子供が駆け込んできた際の対応要領に関するマニュアルや地域における不審者情報を提供するなど必要な支援を行っているところであります。
 県警察では、教育委員会など関係機関と連携をし運営主体に対し子供一一〇番の家の最新の状況を把握するよう促しますとともに、防犯まちづくりなどの社会貢献活動に関心のある事業者に対し子供一一〇番の家の設置について働きかけを行うなど子供一一〇番の家の拡充を図ることも含めまして子供一一〇番の家に対する支援を強化し、通学路などにおける子供の安全確保に努めてまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 盛月寿美君。
       (二十七番 盛月寿美君登壇)
○二十七番(盛月寿美君) 御答弁ありがとうございました。
 要望を一点と、再質問は二点させていただきたいと思います。
 要望はですね、まず清水港の江尻・日の出地区の津波対策ですけれども、協議会が設置されて計画が策定されてから六年、七年ということで大分経過しているんですけれども、県も努力をしていただいているということは理解をしておりますけれども地域住民の皆様にとってはなかなかその防護施設、防潮堤の整備が目に見えて進んでいるという実感が湧かないというのが現状でございます。そういうこともあって先日要望もさせていただいたところなんですけれども、ぜひ一日も早く、また地元の皆さんとの協議をしっかりと進めていただきながら安心していただけるように早期の整備に向けて御努力頂くことをお願いをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それから、再質問の一点目は骨髄ドナー登録の推進についてなんですけれども、先ほど副知事から御答弁頂きまして若い世代の方々にその理解をしていただくために大学生に対して説明会などを行うという御答弁があったんですけれども、他県ではもっと早い時期から高校生に対しても啓発というか活動をしているところがございます。香川県では毎年高校生に講演会を開いてこの骨髄等の移植に対しての理解を広めていただく、また命の大切さを学ぶという意味でもそういう講演会を開催をしているという、講座を開催している県もございますのでぜひ教育委員会とも連携をしてそういう高校生に対しての啓発もしていただけたらどうかなと思うんですが、その件について御所見を頂きたいと思います。
 それから、医療的ケア児の支援についてですが、通学支援について先ほど御答弁頂きました。来年度の対応については一定のというか半歩前進という形だと思うんですが、評価はさせていただけるんですけれども、何よりも先ほど教育長も御答弁ありましたけれども他県に先駆けてリフレッシュ事業ですね。リフレッシュ事業を使って義務教育の方はその制度を利用して通学のために看護師を自分たちで、保護者が自分たちで確保してそして交通費を、タクシー料などの負担をしてそして学校に通わせているという状況があるんですけれども、そこの義務教育の部分ですけれども今まで、これまでこのリフレッシュ事業を利用した形での通学の支援についてはもう六年、七年とたつんですけれどもこれまで守る会の方ですとか御家族の方とか保護者の方々からもうこれまで何度も何度も県教育委員会のほうに要望がされたというふうに聞いておりまして、義務教育なのに保護者がお金を負担をして学校に行かせるというのはおかしいのではないかということで、これは福祉の事業を利用して救済的に始めた取組だと思うんですけれども、しっかり教育委員会として、教育でしっかりここを対応するべきだということを何度も何度も要望があったと思うんですけれども、今まで残念ながらそれに対して何の改善もされていないというのが現状でございます。私たちもいろんな皆様からのお声を聞く中で学校に行くのを諦めてしまったという方もおられます。もう本当に保護者の皆様は、もう本当に切実な思いを抱えて大変な思いをしておられます。この間教育委員会として皆様からの要望などお声を踏まえて何もしてこなかったというのは非常に私は問題だなと思ってるんですけれども、今後この義務教育の部分についてもこの通学支援を教育委員会でしっかりとやっていくという、そういうお考えはありませんでしょうか。その件について再質問させていただきたいと思います。お願いいたします。以上について答弁を求めます。
○議長(宮沢正美君) 石田健康福祉部長。
○健康福祉部長(石田 貴君) 骨髄ドナー登録についての再質問にお答えいたします。
 若い世代のですね、骨髄ドナー、骨髄移植について知っていただくというのは非常に重要だと我々も考えております。
 昨年六月に県立大学の看護学部の学生さん、一年生と三年生でしたが二百四十人に対して啓発のためのお話をする機会を設けさせていただきました。その際、看護学部の学生さんということもあったかもしれませんが皆さん非常に熱心に聞いていただき、さらに周りの方にこれから話していきたいというような御意見も頂いたところでございます。そういった意味では若い方に知っていただくこと、誠に重要だと思っておりますし、今高校生というお話がございました。これからまた教育委員会等とも連携しながらそういう機会を設ければさらに啓発が進むのかなと思っておりますので検討してまいりたいと思います。以上です。
○議長(宮沢正美君) 長澤教育部長。
○教育部長(長澤由哉君) 医療的ケア児への支援についてのうち、医療的ケア児の通学支援についての再質問について、お答えをいたします。
 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律におきましては、学校設置者は医療的ケア児がほかの児童生徒と共に教育を受けられるよう適切な支援を行うということが基本理念として明記をされております。このため先ほど議員からお伺いしました保護者それから生徒御本人の思い、きちんと教育委員会として受け止めまして、できる限り医療的ケア児の通学時の保護者の付き添い負担こういったものを軽減をする形で教育委員会が責任を持って制度として解決していくという形で検討を進めたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(宮沢正美君) 盛月寿美君。
       (二十七番 盛月寿美君登壇)
○二十七番(盛月寿美君) 御答弁ありがとうございました。
 今、教育部長のほうから教育委員会が責任を持ってこれから制度をつくっていくという御答弁がございましたので今から、本当にもっと早くやってほしかったですけれどもしっかりやっていただきたいと思います。
 先ほど知事から御答弁頂きまして、こども政策もしっかりやっていくというお話もありましたし、我が会派の要望に対しても医療的ケア児の支援の拡充をしたという言葉がございましたけれども、この通学の支援のことも一つ取り上げましても本当に拡充というふうに言えるのかなというふうにも思いますし、また誰一人取り残さないという静岡県を目指すという中で実際に取り残されている方、また取り残されそうになっている方をしっかりとそこに手を差し伸べて本当にもう誰一人取り残さない静岡県にしていただくために、予算が絡むことではあると思うんですけれども予算の執行権を持っている知事に対してその医療的ケア児の支援、この義務教育の部分についてもしっかりやっていただきたいと要望させていただきます。よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(宮沢正美君) これで盛月寿美君の質問は終わりました。(拍手)
 議事の都合により休憩します。

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