• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

宮沢 正美 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/03/2022

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 人口減少対策について
2 コロナ禍による時代の転換点における移住・定住施策について
3 温泉を生かした観光振興について
4 どの地域も取り残さない地域振興について
(1)山あい地域の振興
(2)県立高校における小規模校の魅力化
5 発達障害者支援センターの体制強化の成果と今後の取組について


○副議長(和田篤夫君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百七号から第百三十四号まで及び令和三年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題といたします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、五十番 宮沢正美君。
       (五十番 宮沢正美君登壇 拍手)
○五十番(宮沢正美君) おはようございます。
 私は、自民改革会議の所属議員として当面する県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長並びに教育部長に一括質問方式にて質問をいたします。
 まず初めに、人口減少対策について伺います。
 私は平成二十九年九月定例会において人口減少対策について質問を行いましたが、その際に引用した平成二十九年一月一日時点の本県の日本人人口は三百六十八万二百六十六人でした。一方本年八月総務省が発表した一月一日現在の本県の日本人人口は三百五十六万三千五百八十七人とこの五年間で十一万六千六百七十九人も減少しました。たった五年間で三島市の人口とほぼ同じ人数が消滅をしたということになります。これには改めて大きなショックを受けたところであります。
 平成二十九年九月定例会における私の質問に対し当局から、市町の特徴ある事業の支援をし魅力ある働く場を創出する産業の振興、暮らしやすい生活環境の整備など実効性のある施策を検討し推進するとの答弁がありましたが、結果として効果は上がっていないと言わざるを得ません。本県の人口減少対策の施策をまとめたまち・ひと・しごと創生総合戦略に対する令和三年度の評価書によれば、コロナウイルス感染症の影響があったとはいえ成果指標の約半数について目標達成に向けて遅れが見られるなどが指摘をされています。戦略の方向性として定める人口の社会増減率や合計特殊出生率など人口減少に直接寄与する指標が下落傾向にあるなど施策の効果が現れていないのであります。これらの状況を踏まえ人口減少対策について改めて施策を見直す必要があると思います。
 少子化が進む現代日本においては全国的に見れば好むと好まざるとにかかわらず自然減は止められないところにまできており、自然減への対策は大変難しい状況であると感じております。一方社会減への対策は人口減少の適応戦略とも言われ、いろいろな施策の効果が現れればおのずと社会減も改善をされていくと考えています。
 東京一極集中が叫ばれるようになってから久しいものがあります。本年一月総務省が発表した住民基本台帳人口移動報告によれば、コロナ禍により東京への転入超過が縮小し本県の転出超過も改善をしたといいますが、ただこの傾向がいつまでも継続するとは限りません。このような状況だからこそ社会減対策は重要であります。
 社会減対策としてより一歩踏み込んだ対策が必要であると考えますが、県の考えをお伺いいたします。
 次に、コロナ禍による時代の転換点における移住・定住施策について伺います。
 コロナ禍を契機に働き方、暮らし方の選択肢が多様化したことで地方移住への関心が高まり本県への移住者数や相談件数は増加しています。令和三年度の移住者数は前年度から四百七十人増加の千八百六十八人、相談件数も一万一千六百四十一件と県移住相談センター設置の平成二十七年以降過去最高を記録しました。
 移住・定住の促進により地方に人を呼び込むことは東京一極集中の是正や地方創生といった国の施策と同じ方向を向いたものであり、さらに進めていくべきことと考えます。一方では人口減少が全国的に進む中で各県でも同様の考え方で取組を強化をしております。本県が移住先としてより選ばれる県になるためには、直ちに移住者の増加を望めないにしても将来的な移住につながる可能性のある関係人口の呼び込みを含めて様々な視点から本県が本気で取り組むことが大切であると考えます。
 例えば徳島県では、本県のように東京とのアクセスに優位性があるわけではありませんがコワーキングスペースやサテライトオフィスといった仕事環境の整備に加え、親の滞在期間に合わせて子供たちも地域の学校に通えるデュアルスクール制度を導入するなど徳島ならではのワーケーション  アワーケーションを推進し県が先頭に立って全県を挙げてPRをしています。
 こうした取組は一例でありますが、働く場所と教育環境のように移住を検討するときに課題となる複数の分野をセットで提供する仕組みなどを構築し、受入れ体制が整っていることをアピールをしていけば本県へのさらなる人の呼び込みにつながっていくのではないかと考えております。
 また、中にいると静岡県のよさをなかなか認識しにくい、地元への愛着を持ちづらいということが指摘されますが、移住者が県外から増えることで県民が静岡県のよさを再認識しシビックプライドの醸成さらには定住にもつながっていくのではないでしょうか。
 今若者を中心に多様な働き方、暮らし方がニューノーマルに向かっています。このような中さらに移住を促進していくためには、静岡県という地域ブランドを自らが旗振り役となって進め全国に訴えていくことが必要であると思います。
 県では、市町や民間企業、団体の後方支援にとどまらず率先して戦略的に施策を展開をしていくことが必要と考えますが、今後の移住・定住施策の展開について県の考えをお伺いいたします。
 次に、温泉を生かした観光振興について伺います。
 コロナ禍の影響が続く観光業界ですが、今年の三月に県が発表した観光交流の動向調査によると令和三年度の県内観光交流客数は九千六百六万人で前年度から一五・一%増加をしており、また県内の旅行消費額も一六・六%増の五千五十五億円でありました。しかしながらコロナ禍前の令和元年度と比べると観光交流客数は約六割、旅行消費額は約七割にとどまっている状況です。
 世界的にもウイズコロナで防疫と経済活動の両立が進む中、日本においても十月十一日以降、入国者数の上限撤廃やツアー以外の個人旅行を認めることなども含め、さらに緩和の方向が示されて明るい兆しも見えております。長引くコロナ禍によって人々の旅行熱は高まっている一方、旅行スタイルにも影響を与えました。密を避けて少人数で地方への旅行が好まれたり、これまでと違った新しい価値観で旅行先が選ばれています。
 コロナ禍前は本県のインバウンド客の多くが団体ツアーを温泉地で受け入れるスタイルでしたが、こうした営業スタイルも転換期を迎えていると考えます。アジアや欧米で暮らす人を対象にしたアンケートではコロナ収束後に訪れたい国の第一位に日本が選ばれ、中でも温泉のある宿泊施設が希望されているという調査結果が発表されました。このように外国人旅行者の日本観光への期待は大きく、全国で観光誘客に向けた闘いが本格的に始まることになると思われます。
 現在群馬県では、群馬県温泉協会などの民間団体を中心に温泉文化のユネスコ無形文化遺産への登録を目指す活動が進められています。温泉文化の定義が難しいなどハードルは高いと聞いておりますが、実現をした場合には特に外国人観光客に対して強力なアピールになることからコロナ禍で苦境にある温泉地などの大きな期待が寄せられております。
 温泉宿泊施設の数が全国一であり古くからの歴史もある全国屈指の温泉県である本県においても、他県に遅れることがないよう温泉を積極的に観光に生かして本県を旅行先に選んでいただけるような観光資源の魅力を伝えなければなりません。コロナ禍によって変容した旅行スタイルを踏まえながら国内外に向けて温泉県の魅力を積極的に発信をし、誘客に取り組むことが必要であると考えます。
 そこで、温泉を生かした観光振興について県の考えをお伺いいたします。
 次に、どの地域も取り残さない地域振興についてのうち、山あい地域の振興について伺います。
 私の住む三島市は富士・箱根・伊豆半島の玄関口に位置し、首都圏へのアクセスと住環境のよさが高く評価され住む人も訪れる人も愛着と魅力を感じるまちです。この三島市に端を発する伊豆半島地域に目を向けると、四季を通じて温暖な気候と美しい海、山など自然景観に恵まれている一方で、天城山系から派生した山間部が大部分を占め平地が乏しいいわゆる山あい地域です。
 伊豆半島・東部地域をはじめ県内の山あい地域は人口減少により路線バスの廃止、商店の閉店、農協支店の統廃合、学校の統廃合などが進み地域の核となるものがなくなってきています。これらの地域では生活基盤の確保が困難となってきていることから、十年後には住むことへの困難さが一層増大するのではないかと非常に懸念をしています。
 折しも今年六月国においてデジタル田園都市国家構想基本方針が示されました。デジタルは人口減少や産業の空洞化など地方の社会課題を解決するための鍵であり、新しい付加価値を生み出す源泉と位置づけています。そしてその構想の実現により地方における仕事や暮らしの向上に資する新たなサービスの創出等を感じてデジタル化の恩恵を国民や事業者が享受できる社会、いわば全国どこでも誰でも便利で快適に暮らせる社会を目指すとしております。
 本県の山あい地域は東京圏にない美しい自然環境や歴史、文化、ゆとりのある暮らし空間でもあります。まさに本県の山あい地域はデジタル田園都市国家構想により地域全体の成長につなげていくことができる地域ではないでしょうか。
 私は常日頃県民誰もが享受するサービスや生活環境など住んでいる場所によって違いがあってはならないと考えており、どの地域も取り残さないという強い信念を持っています。このどの地域も取り残さないという概念なしに本県の発展は考えられないと思っております。もちろん地域振興の地域の課題の解決に向け住民に身近な存在である市町が主体的に取り組むことは必要でありますが、市町だけでは限界があり広域的な役割を担う県の積極的な支援が必要です。
 そこで、県として山あい地域の現状をどのように捉え、今後どのような手法により地域づくりに取り組んでいくのか、県の考え方を伺います。
 次に、県立高校における小規模校の魅力化について伺います。
 近年人口減少がさらに加速をしております。特に中山間地域では全国的に過疎化や少子化が急速に進み地域の学校がなくなりつつあります。このことにより子育て世帯が都市部に流出し地域に大きな影響を与えております。
 私の地元においても小学校の在り方についての議論が行われていますが、学校がなくなるということはその地域自体の衰退に直結する大きな問題だと認識しており、学校がなくなれば地域がなくなるということでもあります。それは小中学校だけではなく高校も同じであると考えています。学校はいわば地域の核となる施設であり心のよりどころでもあります。地域の次代を担う人材を育成をするという観点からも、より身近なところで教育を受けられることは大変重要なことであります。
 特に県内には分校と呼ばれる小規模校の高校が五校設置をされています。いずれも中山間地域や沿岸部に位置しており地域には欠かせない学びやとなっております。児童生徒数が減少する中、効率的な学校配置や施設整備が求められることは承知をしておりますが、一方で積極的な投資によって今ある学校の魅力化を進め人口減少下の地域の衰退に歯止めをかける長期的な視点も必要であると考えています。
 先日私は徳島県の神山町を視察しました。林業が盛んで人口は僅か五千人の町でありましたが、もともと農業系の高校が廃校の危機に陥ったのですが地域との協働的な授業や活動を行うとともに域外からの進学も受け入れた結果、高校が魅力化、活性化され存続をしているというすばらしい取組でした。このように学校の存続や魅力化のためには学校を支える地域の熱意が不可欠であり、地元住民の自治体、企業など地域を巻き込む仕組みづくりも重要と考えます。繰り返しになりますけれども、どの地域も取り残さないというのが私の政治信念であります。
 そこで、県教育委員会として分校を含めた小規模校の魅力化を今後どのように進めていくのか、教育長の考えを伺います。
 最後に、発達障害者支援センターの体制強化の成果と今後の取組について伺います。
 発達障害者支援法において、全ての発達障害のある方が円滑な社会生活を送れるよう発達障害のある方の特性に配慮した適切な支援を行うことが国や地方自治体の責務とされています。
 平成二十八年度に静岡県発達障害者支援体制整備検討委員会において取りまとめられた静岡県における今後の発達障害者支援の在り方の報告書に記載のあった調査結果によりますと、浜松医科大学での乳幼児への調査でありますが二歳時点で二三・一%が発達障害の可能性があると判断され、三・六%が発達障害の確定診断を受けたとの調査結果が出るなど潜在的に発達障害に対する支援を必要とする方の割合は高いと考えられます。
 また、発達障害は自閉症、アスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥多動性障害などの症状が様々であり個々の症状に応じて専門的な支援を必要とすることから、発達障害のある方を支援するセンターの役割は大変重要であると考えております。
 東部地区の地方議員で組織する発達障害の支援を考える議員連盟では、東部地区の発達障害のある方に対する相談や医療体制が脆弱になっているとして、県の発達障害者支援センターの東部地区への設置について長年にわたり要望活動を行ってきました。こうした動きを受け県では令和二年四月、民間法人に委託をして東部と中西部の二か所に発達障害者支援センターを設置をすることとし体制整備を行いました。令和二年二月定例会において私はこの二か所のセンターの設置に当たり期待される効果について県の認識を質問し当局からは、民間法人に委託をすることで法人が有する専門的な知識、組織を活用することにより複雑化、多様化する相談に継続して対応できる体制となる旨答弁を頂きました。
 体制強化になってから二年が経過をしましたが、民間法人に委託しセンターを東部と中西部の二か所に設置したことによる成果と今後の取組について県の認識をお伺いをいたします。以上について答弁を求めます。
○副議長(和田篤夫君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 宮沢議員にお答えいたします。
 コロナ禍による時代の転換点における移住・定住施策についてであります。
 コロナ禍を契機に暮らし方や働き方の見直しが進んでおりまして地方回帰の動きが加速しております。本県への移住者数は昨年度過去最高の一千八百六十八人を記録いたしました。また移住希望地ランキングにおきましては二年連続第一位の評価を頂いております。
 去る七月には都内で三年ぶりに対面で開催した県を挙げての移住相談会にも多くの方が来場され、まさに東京時代から静岡時代へ扉が開きつつあるという実感を深めております。
 県ではふじのくにに住みかえる推進本部を設置し、市町、地域団体、企業等と一体となって移住・定住の促進に向けた取組を進めております。時代の転換点を迎える中さらに移住を促進していけるように、県が前に立って旗を振り地域を牽引する気概を持って取り組んでまいります。
 選ばれる地域となるように自然環境をはじめ子育て、教育、産業、文化など総合的に本県の魅力の向上を図るとともに、移住促進のための重点的取組を進めます。具体的には、テレワークの浸透により転職なき移住が進んでいることを捉えまして、テレワーカー層を対象とした訴求力のある情報発信を行ってまいります。
 また、本県では多彩なライフスタイルが実現可能であることを紹介して移住者と地域のミスマッチを防ぎ、定住にもつながるいわゆるお試し移住の仕組みづくりに取り組みます。加えて長期的な視点では移住者の増加につながる関係人口の拡大にも取り組み、今年度は県外に住みながら県内のワーケーション施設やシェアワークスペースを仕事や滞在の拠点として利用する方々を地域活動へと誘導し、本県との継続的な関係性を深めていくモデル事業を実施してまいります。
 移住希望地ランキング二年連続一位というのは、いわばブランドとも言える評価でございます。より多くの方々に希望をかなえる場所として本県を選んでいただけることを目指しまして、関係機関とも連携しながら率先して戦略的に移住・定住施策を展開してまいります。
 御質問の中で群馬県が進められている温泉文化をユネスコの無形文化財にするという運動でありますが、先週群馬県知事さんから直接私のほうに連絡がございまして、一緒にやってくれないかということで快諾をいたしました。そのことを御報告申し上げておきます。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(和田篤夫君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) 発達障害者支援センターの体制強化の成果と今後の取組についてお答えいたします。
 発達障害のある方には早期の療育から就労に至るまでライフステージに応じた支援が必要であり、また議員御指摘のとおり個々の相談者に応じた専門的な支援が必要であります。
 県では東部地域の議員連盟や市長会、町長会の皆様からの御要望を踏まえまして、令和二年四月から民間法人の委託により発達障害者支援センターの運営を県東部と中西部の二か所で開始いたしました。これにより法人が有する専門的な知識経験の活用や地域の課題に応じた取組が可能になるなど発達障害のある方への支援体制の強化が図られているものと認識しております。
 成果につきましては、発達障害者等の支援を行う市町や医療、福祉、教育等の関係機関をセンター職員が訪問し専門的な助言をする機関コンサルテーションの実施回数が委託前の令和元年度の二十一回から令和三年度の五十回と大幅に増加するなど相談支援機能の充実が図られております。
 また、東部発達障害者支援センターアスタにおいては、御家族や保育士等に対する基礎的な発達障害の理解や支援方法を学ぶ研修や臨床心理士や相談支援専門員等に対する専門性の向上のための研修に注力しており、東部地域の相談支援体制の強化を進めております。
 中西部発達障害者支援センターCOCOにおいては、発達障害児の子育て経験のある御家族がペアレントメンターとして他の御家族の相談に対応する仕組みを構築するなど身近な地域での切れ目のない支援を進めております。
 今後の取組につきましては、県、市町、関係機関との連携を一層深め、引き続きセンターを中心に複雑化、多様化する相談に対応できる体制づくりや人材の育成を進めるなどにより各機関が連携した重層的な支援体制の構築に取り組んでまいります。
 県といたしましては、二か所の発達障害者支援センターを中心に発達障害者のある方とその御家族に対するきめ細やかな支援を行う体制を構築し安心して暮らすことができる共生社会の実現を目指してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 石川政策推進担当部長。
○政策推進担当部長(石川英寛君) 人口減少対策についてお答えいたします。
 人口減少は、経済規模の縮小や人材不足、地域コミュニティの衰退など地域社会に様々な課題を生じさせるものであります。このためできる限り人口減少の進行を抑制するとともに、人口減少社会に適応した持続可能な地域づくりを進めていくことが極めて重要であると認識しております。
 県では二〇一五年から美しいふじのくにまち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、産業振興と雇用の創出、移住の促進、子育て支援の充実など総合的な人口減少対策に取り組んでおり、二〇二〇年の国勢調査における本県の人口は国の推計値を一万七千人程度上回って推移しております。
 議員御指摘のとおりコロナ禍により人々の東京離れが進み本県に人の流れを呼び込む好機が到来しておりますことから、社会減対策についてさらに踏み込んだ対策が必要と考えております。このため県では、昨年度関係五部局からなる庁内横断の人口減少対策タスクフォースを設置したところであり、特に今年度は若者の県内への就業、子育て世代の移住の拡大、子育てと両立できる働き方の導入の三テーマを設けたところであります。このテーマごとに分科会を開催し学識者や企業経営者の御意見も聞きながら新たな対策の検討を積極的に進めております。加えまして総合戦略における進の改善にも重点的に取り組んでまいります。
 県といたしましては、全庁一丸となって実効性のある取組を推進し市町等とも連携することで魅力ある地域を創り上げ人口減少の克服に努めてまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 京極スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(京極仁志君) 温泉を生かした観光振興についてお答えいたします。
 アフターコロナに向けた本県観光産業の復活には個人や少人数での旅、体験の重視などコロナ禍における旅行者の意識の変化や旅行スタイルの多様化を踏まえた魅力づくりが不可欠であります。
 二千以上の源泉が分布する国内屈指の温泉地である本県にとって温泉は観光の大きな魅力の一つであり、これまでも温泉の情報発信に取り組んでまいりましたが、さらに今後は温泉の持つ魅力を様々な面から再認識し効果的に活用することが重要であると考えております。温泉は旅行者にとって心身の癒やしの場であるとともに文化の面でも重要な資源であります。今後多くの文豪をひきつけた宿の風情、気候風土が生んだ高品質な食材を生かした食事など温泉が持つ多様な魅力を深掘りし、観光事業者に加え生産者や料理人などとも連携し観光コンテンツとしての付加価値の向上に取り組んでまいります。
 また、伊豆地域では温泉を活用して新産業創出を目指すICOIプロジェクトを展開し、長期滞在者やスポーツアスリートに対し温泉と食、運動を組み合わせた温泉ヘルスケアサービスを提供するモデル事業や健康経営企業をターゲットにした温泉とワーケーションプランの開発などを推進しております。
 県といたしましては、本県の貴重な観光資源である温泉を生かし様々な視点から新たな価値の創出に努め効果的な発信に取り組むことで、アフターコロナに向けて選ばれる観光地づくりにつなげてまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 土村経営管理部長。
○経営管理部長(土村暁文君) どの地域も取り残さない地域振興についてのうち、山あい地域の振興についてお答えいたします。
 山あい地域は、食料や水の供給、自然災害防止等の機能を有し県民生活を支える重要な地域でありますが、都市部、平野部に比べ人口減少、高齢化が著しく安定的な雇用や生活基盤の確保に課題を抱えております。一方コロナ禍を機に地方への回帰、デジタル化が進み、リモートワーク、スマート農林業、多様なオンラインサービスを享受した暮らしなど新しいライフスタイルも広がりつつあると認識しております。
 県では、これまで過疎や山村振興等の計画に基づき地域資源を活用した産業振興、交流人口の拡大など山あい地域の振興に取り組んできましたが、今後はデジタルの力を一層活用するとともに外部人材の力も借りながら山あい地域の課題解決に取り組んでまいります。
 具体的には、過疎や山村等の条件不利地域の市町にドローンパイロット等の高度人材を派遣し物資輸送の生活支援を行うなど山あい地域へのデジタル技術の導入を加速してまいります。また人口急減法に基づく支援対象地域に専門人材を派遣し特定地域づくり事業協同組合を設立することで、農林業、製造業、観光業などの異なる業種を組み合わせ年間を通じた仕事を生み出してまいります。
 県といたしましては、山あい地域において市町と連携しながらデジタルの力を活用した先導する取組を進め、県民の誰もがどこでも安全・安心な生活が送ることができる、どの地域も取り残さない地域づくりに取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) どの地域も取り残さない地域振興についてのうち、県立高校における小規模校の魅力化についてお答えいたします。
 人口減少や過疎化が進み生徒数が減少する中、県立高等学校第三次長期計画では中山間地域の学校については教育機会の保障のため一学級規模の生徒募集になった場合には分校として存続させ小規模校として教育環境の充実に努めてまいりました。
 具体的には、オンリーワン・ハイスクール事業等により伊豆総合高校土肥分校においてマリンスポーツなどの地域資源の活用やICTを用いた本校との遠隔授業を行うなど小規模校での学校の魅力化に取り組んでおります。
 しかしながら、近年の生徒数はさらに減少しまた教育環境も大きく変化しております。そうした中、中山間地域では私立高校がある都市部と比較して中学生の進路の選択肢が少ないため、高校に対する地域振興の核としての期待が大きく高まっております。そのため中山間地域等の小規模校の意義を改めて確認しながら、さらなる魅力化の可能性について検討を行っていくことが重要であると認識しております。
 こうしたことから、県教育委員会は今年度静岡県立高等学校の在り方検討委員会を設置するとともに、県内三地区で先行して教育長自らが進行役を務める地域協議会を設置いたしました。これら会議においては、地域全体の中での小規模校を含めたそれぞれの高校の在り方についてやICTの活用や魅力ある新学科・新コースの設置等の具体的な小規模校の魅力化に向けた方法について、さらには地域全体で小規模校を支えていくための仕組みづくりなどについて議論を深めてまいりたいと考えております。
 県教育委員会といたしましては、地域の思いを受け止め期待に応えるよう地域の核となる小規模校などのさらなる魅力向上を図り、地域の将来を担う人材の育成に地域の皆様と協働して取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 宮沢正美君。
       (五十番 宮沢正美君登壇)
○五十番(宮沢正美君) 今回はどの地域も取り残さないという理念を基に質問させていただき、様々答弁を頂きました。
 一貫して言えることは、これら難しい課題についてはその部だけで完結するものではなく、県庁を挙げて横断的な取組をしていただくということが必要かなということを質問のヒアリングをするにつけつくづく感じたところでありますので、ぜひ県庁を挙げて重要な課題については問題意識を持って取り組んでいただきたいなということを最初に申し上げさせていただきます。
 その中で、二点だけ要望させていただきます。
 まず、温泉文化を生かした観光振興についてということでありますが、先ほど知事さんのほうからも群馬県からそうしたお話があったということのお話を聞きました。私たち自由民主党の観光産業議員連盟でも去る三月に群馬県の県議会の皆さんと熱海市で意見交換会を持ちました。勉強会もさせていただきました。前段申し上げましたとおり、なかなか定義等難しいということもお聞きをいたしておりますが、やはり群馬県だけに任せておくのではなくて温泉湧泉県の県のですね、もう積極的に関わっていただきたいという思いを強く持っております。
 御存じのように静岡県は温泉施設二〇二一で全国第一位であります。二位の長野、三位の大分の約二倍という施設を有しているわけでありますので、ぜひ静岡県がリードをしてこのユネスコ登録実現に向けてですね、我々議員のほうも努力をしますので当局の皆さんにも御尽力賜るようにお願いをさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、発達障害者支援センターについてであります。
 このことは議員連盟としても長い間皆さんで活動してまいり、支援センターがですね、東部と中西部にできたということで政令市の施設と合わせると県内四施設、本当に地域的にもバランスが取れて体制が整ったなということで感謝も申し上げております。
 ただ、センターができて障害者の支援が終わりかというと本当にまだ始まったばかりなんだということを感じております。保護者とかあるいは関係者にお聞きをすると、まずはやっぱり何といっても医療体制が脆弱であって、今利用者が六か月待ちぐらいの状況だそうです。そうした意味でやはりこの問題については、県が積極的に関与をしていただかないと民間の力だけではどうにもならないというような切実な声も聞いておりますので、障害者の支援について引き続き県庁を挙げてですね、取り組んでいただくようにお願いをして私の質問を終わりにします。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(和田篤夫君) これで宮沢正美君の質問は終わりました。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp