• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 答弁文書

ここから本文です。

本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成29年6月静岡県議会定例会

塚本 大 議員(自民改革会議)の 一般質問 に対する答弁

(質問日:07/20/2017番目)
答 弁 者知事


○知事(川勝平太君) 塚本議員にお答えいたします。
 リニア中央新幹線の整備に伴う大井川の流量減少対策についてであります。
 トンネルの建設に伴う水資源が減少したという問題については参考事例がございます。昭和初頭の東海道本線丹那トンネルの工事におきまして予想を超える多量の湧水が発生し、周辺の水源が枯れたことによりまして丹那盆地の住民生活と稲作に大きな影響を及ぼしました。また最近では新東名高速道路の粟ヶ岳トンネルの工事におきまして周辺で沢枯れが起こり、それまで豊富にあった簡易水道の水源が枯渇した例があります。私自身掛川の倉真にございます松葉の滝を見に行ったことがありますが、そこが極めて小さな滝になっておりまして、こうしたことに愕然とした記憶もございます。
 私は、これらの教訓を重く受けとめております。ことし大井川では三月十五日から約一カ月間節水対策を実施いたしました。また六月十九日から現在までも節水対策を実施しているところでございます。生活、産業にとって不可欠な命の水とも言える大井川の流水が毎年のように渇水に陥る状況を踏まえますと、リニア中央新幹線南アルプストンネルの建設に伴う大井川の流量減少は決してあってはならないと考えております。
 このため県では、大井川下流利水者十一団体と流域八市二町の要望を踏まえまして四月三日、環境影響評価法に基づく知事意見をJR東海に対して提出しました。この中で四月末を期限としてトンネル工事で発生する湧水の全量を恒久的かつ確実に大井川に戻すことを早期に表明し流量減少対策を基本協定として締結すること、さらに六月末を期限としてトンネル湧水を大井川へ戻す具体的な方法等の提示を求めたところであります。
 これに対するJR東海からの回答は、基本協定締結に向けて協議を進めていくことを表明なさいました。工事に対する流域住民の不安の解消に向けてようやく第一歩を踏み出したと一定の評価はできますが、水資源の減少対策については従来からの説明の繰り返しでございまして、特段の進展が示されない内容でいたく失望をしているところであります。
 県としましては、JR東海との早急な基本協定の締結に向けて引き続き調整をしてまいります。またこれと並行して下流利水者とJR東海、県で構成する調整組織の設置を求めてまいります。
 最大の問題は、このリニア中央新幹線によって静岡県にメリットは何もないことです。そして水資源の枯渇も憂慮される状況になっているということですが、二軒小屋がございます。その下に三百メートルのところをリニアが通るわけですが、そこで発生するであろう減少した水を十一キロ以上の導水路によって大井川に戻すとこういう計画なわけですが、この計画ありきということになっておりますが、例えば地元におきましては二軒小屋から伝付峠を越えますれば早川町です。そこにトンネル一つ掘れば必ず水が出ると。そこで二軒小屋には二俣で東俣、西俣川が合流していますけれども、そこに戻せばそれだけでも水は一部は戻るし、ふえるし、かつ道もできるではないかと。さらにまたちょっとこれは非現実的かもしれませんけれども、二軒小屋からこの大鹿村まで山道、林道がございますけれども、そこにトンネルを通せば確実に水が出ます。その水を大井川に戻せばそれだけでもいいじゃないかと。導水路をつくるということによってもちろんいろいろな生態系にも影響が出てくるでしょう。したがってこれしかないということなわけですね。
 したがって、私どもはこの調整組織におきまして、現在作業用のトンネルを本県と隣接県との間に準備をされておられますが、これが貫通するまでにトンネル湧水をくみ上げるポンプの運用方法など具体的な事項を決める協議を進めると同時に、どうすれば本当に静岡県にとって、また隣接地域にとってメリットがあるのかということをあわせて考えなくてはならないということでございまして、この問題につきましては私は断固とした態度でJR東海と協議の席に立ちたいというふうに思っているところであります。
 今後も、大井川下流の利水者が互譲の精神のもとで厳しい節水対策を実施してきた歴史を踏まえて、静岡県の水資源を保全し、流域住民の生活や産業や自然環境やまたリニア新幹線の掘削が何らかの形でメリットができるように、さまざまな施策を考え提案をし全力で取り組んでまいる覚悟であります。以上であります。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp