• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

三ッ谷 金秋 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/02/2015

会派名:

ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 地域外交の今後の政策展開について
2 富士山静岡空港旅客ターミナルビルのサービス機能の向上について
3 大震災における緊急ダイバート先としての富士山静岡空港について
4 アサリ養殖での地域活性化とブランド化について
5 有効求人倍率から見る産業振興について
6 青少年の健全育成について
 (1) 家庭教育の充実に向けた取り組み
 (2) 青少年の深夜外出への対応
7 富士山世界遺産センター(仮称)の入札不調について


○議長(吉川雄二君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、六十七番 三ッ谷金秋君。
       (六十七番 三ッ谷金秋君登壇 拍手)
○六十七番(三ッ谷金秋君) 私はふじのくに県議団所属議員として通告に従い、知事及び関係部局長並びに教育長、警察本部長に当面する県政の諸課題につき一括質問方式で伺います。
 初めに、地域外交の今後の政策展開について伺います。
 知事が地域外交局を新設し県独自の対外関係強化を打ち出して、はや五年目を迎えました。この間、東アジアを中心に交流事業を進めるとともに輝かしい成果を上げてまいりました。本年度もモンゴル政府との教育・文化・科学分野での総合協力の覚書調印、中国浙江省では卓球大会を通じ厳しい政治状況にあっても両国間の友好のきずなを深めてまいりました。知事はその成果を定例記者会見で、本県に対し相手の期待も大きいこと、儀礼を脱した互助互恵で本県の強みを生かしたビジネスに結びつけていくと強調しています。当局でも二〇一七年を目標とした地域外交基本方針を知事方針に沿って改定をし、経済交流から通商へとかじを切り、数値目標として海外展開を進める事業所の増や新規輸出の成約累計などを盛り込み積極的姿勢を示しています。この点につきましては大いに評価をいたします。
 しかし、課題も見えてまいりました。ある新聞の社説では世界経済の変化に伴い対中では海外事業所の微減傾向、県提案のモンゴル産石炭利用促進など一層の働きかけが必要と指摘をし、結びとして人と人、地域と地域の地道な交流の先には大きな成果が見えてくると期待を述べ論説をしています。
 そこで提案を含めて、モンゴルとの交流の成果として二〇年東京五輪・パラリンピックの事前合宿に係る覚書調印がありますが、スポーツ分野では九月十七日にアジアオリンピック委員会が次期アジア大会の開催地として本県にかかわりの深い中国浙江省杭州市に決定したとの報道がなされました。このような交流拡大のチャンスを経済、スポーツを初め教育、文化、青少年の交流などに生かすことは人と人とをつなぐ重要な取り組みであり基本方針でも重点的な取り組みとされていますので、これらの機会をいかに生かすのか、今後の展開について伺います。
 また、現在台湾とは富士山静岡空港から台北に定期便が就航して、その出入国数も平成二十七年度の上半期累計で一万六千三百九十五人と中国に次いで第二位を占め、平成二十六年度の出入国者二万八千九百五十人をはるかに上回る推移を見せ、その親日性から東日本大震災での災害支援などにあらわれております。これまで静岡県は台湾亜東関係協会や台北駐日経済文化代表処横浜分処を基軸として関係を強め、平成二十五年四月に県台湾駐在員事務所を開設し友好の輪を広げてまいりました。議会でも日華友好議員連盟を立ち上げ交流の一翼を担ってまいりました。
 それらの交流過程の中でも突出しているのが台湾南部に位置した嘉義県張花冠知事の行動です。平成二十三年三月八日川勝知事を表敬され、その御挨拶の中で姉妹都市のような形式的なものではなくお互いに利益をもたらす友好関係を築いていきたいと述べていたと伺いました。翌年の平成二十四年には知事はまたも表敬を受け、川勝知事は一周年となる来年春には嘉義県を訪問したい、多くの県民が行けるように考えると張知事に約束をしています。その後の台北市内で開催されました台北線就航記念レセプションにも来場され、地域外交の懇談に花を添えていただきました。県議会日華友好議連としても四度、五度と嘉義県の皆様と交流の場を重ねてまいりました。このほかにも伊豆の国市、小山町など嘉義県を訪問し熱い歓迎を受けたと聞いております。
 さきにも述べましたとおり台湾は交流の拡大が大いに期待できる地域でありますし、また嘉義県のように本県とかかわりが増している県もあることから、交流の核となるカウンターパートの検討が必要と考えます。川勝知事は記者会見で多くの県民が行かれるように、また儀礼を脱した互助互恵などのお考えを示され、一方、張知事も交流についてお互いに利益をもたらす友好関係が必要と述べられているなど、交流に対する視点が一番近い台湾の交流にかける有効な次の一手について、川勝知事に伺います。
 次に、富士山静岡空港旅客ターミナルビルのサービス機能の向上について伺います。
 「ロビーにあふれる中国人客 息を吹き返す静岡空港」。この見出しが画面に映えています。これはインターネットのニュースで二〇一五年の訪日外国人旅行者が千八百万人に上る見通しを述べた記述です。その大きな原動力は海外と地方空港を結ぶ航空路線の拡大などによって大挙して訪れる中国人客の旅行ブームです。その代表例が富士山静岡空港だと言われたのです。七月末時点で就航する国際線は十三路線、週四十七便となり、一年前の三路線十三便から大幅にふえたことで飛行機が到着するたびに空港ロビーは中国人であふれているとされ、これらは日中間の協定で混雑した羽田や成田を除き、中国の航空会社が自由に航空路を開くことができ東京―大阪を結ぶゴールデンルートが地方空港の失敗例とも言われた静岡空港に息を吹き返したとしています。このほかにも当局が取り組んでまいりました空港の一・五時間の運用時間延長は評価され、今後の空港利用客や空港会社に期待をされているとのことであります。
 さて、旺盛な訪日需要の中で本県の静岡空港は中国路線が好調を維持し、八月の利用者数は約八万三千人で搭乗率も約七五%。一カ月当たりの利用者数は開港以来最大になったとのこと、大変うれしい限りであります。一方、最近の中国経済の減速により訪日需要の影響が懸念されていますが、三菱総合研究所の佐野主席研究部長は所得の向上が続いている、中間層がふえていることから大きく減退することはないとの見方をしております。
 現在設計業務を進めている旅客ターミナルビルの改修・増築は将来を見据えて行う必要があります。私は、旅客ターミナルビルは空の玄関口として来訪者には大きな印象を与える場であることから、空港利用の利便性の向上はもとより、楽しみ、くつろげる空間を充実させることにより地方空港としてトップクラスのクオリティーを持つ空港を目指すべきだと考えます。
 現在、設計業務を進めているとのことでございますが、トップクラスのクオリティーを持ち静岡県のおもてなしの心を表現した空港旅客ターミナルビルの改修・増築は必要不可欠だと思います。そこで、現在どのようなものを目指していくのか伺います。
 次に、大震災における緊急ダイバート先としての富士山静岡空港について伺います。
 平成二十三年の東日本大震災では羽田、成田両空港が一時同時閉鎖となり、両空港に向かっていた計八十六機の航空機が管制の指示により目的地を変更いたしました。管制側が一機ごとに残りの燃料などを無線で確認し代替候補となる空港にも被害状況を電話で確認したために振りかえ作業には多くの時間と人手を要しました。このために十四機が燃料不足の状態で飛行を続けたとお聞きをしております。この事態を受けて国土交通省では、南海トラフ巨大地震や首都直下型地震により羽田空港と成田空港が同時に閉鎖または被災した際に、両空港に向かっていた航空機の緊急着陸先の空港を自動選定する緊急ダイバート運航総合支援システムを来年度から運用すると発表いたしました。報道によれば富士山静岡空港はエプロンの数などを理由に新システムの緊急着陸先の対象にはならなかったとのことです。しかし富士山静岡空港は南海トラフ巨大地震等の発生時において国などの広域支援の中核をなす大規模な広域防災拠点に位置づけられております。羽田、成田空港からの飛行時間も短く、緊急着陸先としての役割を十二分に担えると考えます。
 そこで、首都圏の大規模空港が地震等により被災し閉鎖され、かつ富士山静岡空港の運用に支障がないケースを想定した場合、航空機の緊急着陸先としてどのような対応ができるのかお伺いをいたします。
 次に、アサリ養殖での地域活性化とブランド化について伺います。
 初夏の風物詩である潮干狩りに異変が起きています。アサリの漁獲量全国一は愛知県ですが、かの愛知県で三分の一の潮干狩り場が営業休止に陥り赤信号がともります。大阪では貝毒が問題になり、二色の浜ではとったアサリを持ち帰れない状況が続きました。和歌山市でも和歌浦湾は国指定の名勝で古代から万葉集にも多く詠まれました風光明媚な景勝地として知られています。夏場には広さ約三十五ヘクタールの片男波干潟で潮干狩りが行われ、ピーク時には四月から五月の二カ月で七万人が訪れました。しかしアサリの生育不良により平成二十年を最後に七年連続中止が続いています。片男波干潟でも北西に十四キロ離れた加太潮干狩り場も同様に二十年からオープンができない事態にあります。本県でも浜名湖周辺は重要な水産物でありますから潮干狩りなど重要な観光資源でもありますことから、その漁獲量は平成二十一年の六千七トンをピークに漁獲量が減り、一昨年には資源量不足により浜名湖の名物である潮干狩りが中止されるなど安定していると言えない状況にあると認識しています。
 このように、全国的に地球温暖化により海水温の上昇などでアサリの生産量が減少しており、その原因究明や潮干狩り場や干潟の環境保全対策にも取り組んで再起を図る努力を重ねています。福岡市では減少が続くアサリの完全養殖を目指した養殖研究を漁協施設で始めたと報道されました。干潟でなく陸上で育てることで砂を含まない砂ゼロアサリの養殖事業化を目指すとともに、新しいブランドの確立という画期的なチャレンジだと聞いております。
 そこで、本県においてもアサリ資源の適切な管理のほか、将来にわたり品質のすぐれたアサリを安定的に供給できるよう養殖研究などに積極的に取り組み地域の活性化とブランド化を図っていく必要があると考えますが、県の取り組み状況を伺います。
 次に、有効求人倍率から見る産業振興について伺います。
 静岡労働局が八月末に発表した七月の雇用失業情勢によれば、有効求人倍率は一・一六となり前月と同水準となりました。全国値は一・二一倍であり七カ月連続下回っております。新規求人倍率も一・六六倍で前月を〇・〇九ポイント下回り二カ月連続との発表でありました。本県の有効求人倍率は穏やかな改善傾向を続け一・一倍台で推移しておりますものの他県に比べて本県の経済回復はおくれており、リーマンショック以降長期にわたり全国平均を下回っている状況が続いています。特に本県産業を牽引してきた西部地域では県内屈指の製造業が盛んな地域ではありますが、ハローワーク磐田管内の七月の有効求人倍率は実数値で県平均一・一一倍に対し〇・八四倍と低く、近隣と比べても目立っています。地域の産業構造や大企業による求人方法など、この値が全てをあらわしているものではありませんが、本県全体の産業構造の転換や雇用の創出への対応は必要だと考えます。
 地元磐田市では雇用環境の悪さを前面に出した企業誘致作戦に着手し、事業拡大を計画中の企業に造成中の工業団地や沿岸部の空き用地を積極的に売り込んでいます。市当局でも、最近は人材不足を懸念する訪問先がふえている点や雇用が低迷している現状が企業にはむしろ魅力的に映っているようだと手応えを説明しております。
 そこで、今後成長が見込まれる新しい産業を育成するなど産業振興施策を積極的に行うことで新たな雇用を創出していくことが重要であることから、県当局はこの後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、青少年の健全育成についてのうち、家庭教育の充実に向けた取り組みについて伺います。
 文部科学省が九月十六日に発表した問題行動調査の静岡県の結果は、病気や経済的な理由以外で年三十日以上欠席した不登校の児童生徒は高校では減少に転じたようでありますが小中学校では増加をし、その不登校の生徒数は小中高合わせて四千九百六十二人。その内訳は小学校で前年度より九十三人ふえて九百七十三人、中学校では五十六人ふえて三千三十二人と報道されています。また県内小学校の暴力行為は五百六十六件で前年より百三十九件ふえ過去最高を記録するなど不本意な結果となりました。子供の暴力や不登校に対しては学校でもさまざまな取り組みをしていると聞いておりますが、なかなか減少しないのが現状。県教育委員会でもふえている理由について学校、家庭、本人にかかわる状況などが複雑多様化しているとも指摘し、特定は困難との認識が今の現状です。
 学校でも警察でも生徒指導や補導などの手を尽くしていることは承知をしておりますけれども、現在の体制では限界が来ているのではないでしょうか。家庭でのしつけが行き届いていない子供も多く見られる中、家庭教育の充実が重要だと考えます。教育委員会の家庭教育の充実に向けた取り組みについて伺います。
 次に、青少年の深夜外出への対応について伺います。
 先月発生した大阪での中学生死体遺棄事件では、二人の中学生が深夜外出していたため事件に巻き込まれてしまいましたと報道されております。こうした事件は保護者が子供をしっかり見ていれば、また周りの大人が家に帰るように声をかけていれば防ぐことができたかもしれません。
 県内での少年犯罪は平成十三年をピークに減少し、本年も八月末現在、犯罪により検挙された少年は前年同期と比較してマイナス百七十九人と減少傾向が続いており大変歓迎すべき状況だと伺いました。その反面、県内の少年補導数は平成二十一年以降大幅に増加しており、本年八月末現在一万一千人を超える少年が警察により補導され、うち半数が高校生、中学生などと聞き及んでおります。中でも深夜徘回が補導全体の半数を占め、そのうちの半数が高校生、中学生の学生が占める現状にあると伺いました。この補導数については少年による犯罪を未然に防止するという警察当局の取り締まりの成果でもあります。しかしそれらを踏まえても深夜に補導される少年が高水準であることは大変憂慮すべき状況です。冒頭に触れました大阪市内での中学生男女が遺体で発見された痛ましい事件は地域全体に強い衝撃を与えました。このように深夜の外出は非行のみならず重大凶悪事件の被害者となる危険を常にはらんでいることを忘れてはいけません。青少年の健全育成には家庭におけるしつけ、学校における指導も重要ですが、あわせて現場において直に青少年と接する警察の取り組みに期待するものであります。
 そこで、県警察においてはこうした深夜外出を行う青少年の非行防止などの取り組みをいかに進めているか、警察本部長の所見を伺います。
 次に、富士山世界遺産センター――仮称――の入札不調について伺います。
 本年六月、県発注の富士山世界遺産センター建築工事が入札不調になり、調整した補正予算も九月議会への提出を先送りするなど依然厳しい局面にあります。そこで県発注の工事状況を五年間ほどさかのぼって説明を求めたところ、この五年間の契約は約七百億円から八百五十億円で推移し、他の落札率も九一から九四%で推移しているとのことでありました。どちらかといえば高額、高率での落札だと伺ったところです。一方、入札の不調状況といえば平成二十二年度は百四十八件、平成二十三年度は百八十三件と推移し、平成二十六年では三百八十六件の入札不調が起きています。発生率からその傾向を言えば平成二十二年が発生率で四・六%でしたから、平成二十六年の一一・七九%は三倍に近い増加を示しています。当局でもその原因として材料費、労務費の上昇、技術者の不足などいろいろなことが考えられているのでありますけれども、これらが県発注工事の状況説明です。
 今回の入札不調に伴い、会派でも勉強会を行い富士山世界遺産センターの今後についてお伺いをいたしました。入札の不調の理由として東北復興関連、東京五輪・パラリンピックなど関連する建設資材や人件費の高騰が挙げられました。しかしこのような勉強会の資料でも今日の鉄骨や資材の不十分は十二分にも指摘を受けていたと伺っておりますから、この点は当局でも十二分に情報を得ていたと思います。また今回は公募型プロポーザルを採用しいろいろな点で初めて皆さんが経験することではありますが、知事はコストも踏まえた上で提案していただいたと言及もしており、デザインの重視はグランシップの発注後の基礎工事や屋根の外壁材の落下など斬新なアイデアほど問題が発生しています。
 これらを考慮すれば、デザインの審査決定に当たっては予算との整合性を持ち慎重に審査することや、積算についても斬新なデザインの高いものほどその積算に見合うか否かを検討することも重要だと考えます。今回の世界遺産センターの選定においてどのような審査が行われたのか伺い、答弁を求めます。
○議長(吉川雄二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 三ッ谷議員にお答えいたします。
 地域外交の今後の政策展開についてであります。
 本県の進める地域外交につきましては、ここ五年間で中国とは対中友好都市交流提携賞を受賞し地域間関係のモデルと評価いただいております中国浙江省との交流の深化、韓国忠清南道との友好協定の締結、台湾における駐在員事務所開設による観光分野等の交流の深化。またモンゴルにおけるドルノゴビ県との友好協定の締結に始まり、今やモンゴル政府との経済、教育分野等々における覚書の調印などスピード感が出てきたという認識を持っております。
 この結果、ことしの夏八月から九月にかけましてモンゴル、中国浙江省、韓国忠清南道の訪問をいたしましたが、これまでの取り組みが高く評価されただけでなく、短い時間ながら実質余裕のない分刻みに近い形での充実した交流の深化と拡大が実感せられたところでございます。そうしたことを踏まえまして静岡県の地域外交は新たなステージに来ていると実感をしているところであります。
 今後、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを初め二〇一九年のラグビーワールドカップや二〇二二年に中国浙江省杭州市での開催が決まった夏季アジア競技大会など交流人口の拡大が見込まれる大きなイベントが続きます。本県がこれまでに培ってきた海外とのネットワークを生かして観光誘客、事前キャンプの招致、県産品のPR等々、これらを通じて人と人とをつなぎ交流や通商を一層活発化させましてお互いに顔の見える関係をつくり上げて平和を構築していくと。そしてまた県民の皆様や県内企業があわせて多くの恩恵を享受できるように地域外交に取り組んでまいります。
 台湾との交流につきましては、これまで観光誘客と民間交流の促進による交流人口の拡大に向けた取り組みを進めてまいりました。昨年度は静岡マラソンと台北マラソンとの間で友好交流に関する覚書を調印するなど大会間の交流促進を図ったほか、今年度はサイクリングでの連携支援を進め、スポーツを通した交流人口の拡大を図っております。
 御提案の嘉義県につきましては、九月二十一日、敬老の日でございますけれども知事さんがお越しになられておりまして何とか会いたいと。また私もお目にかかってお話ししたいということで藤枝の玉露の里で歓談をする機会を得ました。偶々、台湾におきまして世界お茶博覧会を来年の春にされると。私どもは三年に一回の世界お茶祭りが同じ来年にございます。そうした中、何度もお約束をしていながら果たしていなかった嘉義県への訪問を、もうこれは来年は果たさざるを得ないということでございます。大井川鉄道と阿里山鉄道というのがお互いに姉妹関係ができるということで、これを私、楽しみにしていたわけですが、御案内のように二〇一一年に阿里山鉄道で倒木があって事故が起こりました。その後また土砂災害がありましてずっと運休していたわけですね。ところがことしの十二月二十五日、クリスマスの日に運転再開ということになりまして、来年は向こうは桜の季節が三月だそうでございますが、そのときにぜひ来いと言われていますのでこれは万難を排してでも行かなくては義理が立たないと。特に女性との約束を破るとは何事だということでもありますので、ぜひそのあたりを御理解賜りまして大井川鉄道と阿里山森林鉄道との交流支援などもあわせて考えながら交流を深めてまいりたいと考えております。
 今後の台湾との交流につきましては、高校生の教育旅行の促進などをしたいと思っております。また中華航空の会長さんが近々来られますので、これも個別で会いたいということでございますのでそこでも今、週に四日でございますけれどもデーリーになるようにお互いに工夫をしたいと。その中の柱になるのが私は教育旅行ではないかというふうに思っている次第でございます。青少年の交流をより一層活発化させるとともに、台湾の有力企業が加盟する経済団体三三企業交流会と県経済界との交流支援や県産品の販路拡大等の通商の促進に力を入れるなど、駐在員事務所を最大限活用して相互にメリットのある施策を展開してまいります。
 次に、大震災における緊急ダイバート先としての静岡空港についてであります。
 静岡県第四次地震被害想定におきましては、南海トラフ巨大地震の際の富士山静岡空港の被害については震度六強の揺れが発生するものの滑走路等に及ぼす影響は小さく長期にわたり離着陸に影響を及ぼすような大きな被害は受けないと想定しております。こうしたことから富士山静岡空港は国等の広域支援の中核となる大規模な広域防災拠点として位置づけられました。首都圏直下型地震時にはもちろんのこと、南海トラフ巨大地震などの発生時におきましても空港としての機能を十分に発揮することが期待されております。平成二十三年三月の東日本大震災におきましては結果的には航空機の受け入れはありませんでしたけれども、東京管制部からの指示によりまして羽田空港に向かう航空機のダイバート先として受け入れ体制を確保するため富士山静岡空港からの出発便を一時待機させたという実績がございます。また現在、気象条件の悪化などで富士山静岡空港での着陸が困難な場合には中部国際空港などへ航空機がダイバートしております。富士山空港が開港しました当初ダイバートが多うございましたけれども、そのほとんどが中部国際空港に行っていたわけでございます。これを言いかえますれば中部国際空港が同様の状況のときには富士山静岡空港がダイバート先になるということでございます。特に来年のサミットの際には中部国際空港が恐らく中心的な飛行場になるだろうと。そのときに、もしものときにはうちが使えるということを大村愛知県知事にも申し上げております。
 そういう意味におきまして、緊急ダイバート運航総合支援システムというのが国交省が平成二十八年度から運用開始されるということで、その対象に入るかなと期待しておりましたが、これは地方管理空港は含まれません。しかしながら富士山空港はその位置関係からいたしまして首都圏空港の補完機能を担えると。また中部東海圏空港の補完機能を担えると。太田大臣におかれましては首都圏空港の一部として位置づけるという御発言を予算委員会などでなさっておられますけれども、中部、東海圏の空港機能の補完も果たせるということで、あそこに駅ができますればそういう役割についての認識は格段に上がるものと期待しているところであります。私どもとしましては有事の大規模災害時におきましては、特に首都圏におきましては先ほどの御質問では首都圏直下型の大地震についてですけれども、何といいましても富士山の噴火がありますれば羽田も横田も成田も難しいということでございますので、本県は非常に重要な役割を果たせるものというふうに認識しております。
 そういうことでございますので、大規模災害時におきましては国を初め関係機関と緊密に連携して対応することといたしまして、またJR東海にもこうした点に御認識を深めていただきまして、富士山静岡空港の利活用を有事においてもしっかりと整えられるようにしなくてはならないと。そして緊急着陸要請があった場合にはその受け入れ空港としての役割を着実に果たしてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(吉川雄二君) 西田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 西田郁夫君登壇)
○文化・観光部長(西田郁夫君) 富士山静岡空港旅客ターミナルビルのサービス機能の向上についてお答えいたします、
 富士山静岡空港におきましては、相次ぐ中国路線の新規就航や増便等により国際線利用者が急増したため、県ではセンタードームへの荷物仮置き場の確保や国際線待合室の拡張等を行い、国では入国審査ブースの増設や審査官の増員などCIQ体制を強化するなど、連携して混雑の早期解消に取り組んできたところであります。さらに混雑対応の強化を図り空港利用者の利便性を確保するため、警備員の増員や国際線案内誘導員の配置、センタードームへの風よけの設置など待合環境の整備を行うこととし、今議会に補正予算案をお諮りしているところであります。
 こうした状況を抜本的に解決するため、現在旅客ターミナルビルの改修・増築に向けた設計を鋭意進めているところでありますが、単に混雑を解消するだけではなく将来の空港の発展を見据えた機能強化を図るとともに、空港利用者により一層快適に過ごしていただけるようサービス機能の充実を図ることが重要であると認識しております。このため航空会社が希望する時間帯に就航できるよう、国際線は一時間に三便、国内線は三十分に二便を受け入れられる機能を確保するとともに、飲食店や物販店の充実、免税売店の拡大、喫茶コーナーやラウンジの新設など利用者が楽しめ安らげる場所も十分に確保できるよう設計を進めております。
 県といたしましては、県政の発展に資する社会資本としてふさわしい機能を備え、国内外の利用者の目線に立ったおもてなしや多彩なサービスを提供できるふじのくにの玄関口にふさわしいクオリティーの高い旅客ターミナルビルを目指し設計を進めてまいります。
 次に、富士山世界遺産センター――仮称――の入札不調についてであります。
 平成二十五年度に実施した公募型プロポーザルでは、応募者から設計の基本的な考え方や外観図などの資料を提出させ、それらに基づき専門家を含めた委員会で厳正な審査を行いました。第一次審査では百三十五の応募作品からデザイン性などを審査して六作品に絞り込み、第二次審査では提案の基本的な考え方、実現性、経済性などを総合的に審査し、質疑の中で株式会社坂茂建築設計からは募集要項に示した予算の範囲内で建築可能との回答を得ておりました。その後、県は株式会社坂茂建築設計と設計業務委託を締結し基本設計及び実施設計を行い、設計の過程では発注までの建築資材及び人件費の上昇を見込んだ上で詳細に建築費用を検討し設計書を作成いたしましたが、結果として入札不調となりました。
 不調の主な原因は、逆さ富士のデザインの骨格である鉄骨の組み立て及び加工に要する費用について施工手順や加工精度についての県と入札参加者との考え方の相違などから大きな開きが生じたことによると考えており、県としてもその結果について重く受けとめております。富士山の保存管理及び情報提供の拠点としてのセンターを早期に完成させその役割を十分果たすことができるよう、県議会の皆さんからいただいた厳しい御意見を踏まえ、対応を図ってまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 篠原経済産業部長。
       (経済産業部長 篠原清志君登壇)
○経済産業部長(篠原清志君) アサリ養殖での地域活性化とブランド化についてお答えいたします。
 浜名湖を主産地とする本県のアサリは全国屈指の水揚げ量を誇るとともに、毎年潮干狩りの時期に二万人を集客する観光資源で本県にとって重要な水産物であります。本県はこれまでアサリ資源を保全するため、アサリ稚貝の分布調査や天敵のツメタガイの駆除などを行ってまいりました。さらに一昨年にアサリの漁獲量が急激に減少した際には浜名湖内のアサリの生息量の調査を始めるとともに、漁業者が行う稚貝の増産や密漁の監視強化を支援してきた結果、昨年の漁獲量はピーク時の七割に当たる約四千トンまで回復してきたところであります。加えて今年度からは水産技術研究所でアサリの養殖技術の開発に着手いたしました。この研究では養殖に適した場所や水深等を明らかにし、大型で太ったおいしいアサリを安定的に供給して漁業者の収入増加を目指してまいります。議員御提案の福岡市の事例につきましては、その養殖技術や販路開拓の状況を調査し本県浜名湖アサリのさらなるブランド化の取り組みの参考にしたいと考えております。
 県といたしましては、今後とも資源の適切な管理と養殖技術の開発を進め、アサリ漁業の振興を図ってまいります。
 次に、有効求人倍率から見る産業振興についてであります。
 本県の有効求人倍率は最近では一・一倍台で推移しておりますが、本日公表された八月分の本県の有効求人倍率は一・一八倍となりました。一方、主要産業である製造業では新規求人数がリーマンショック前の水準に回復しておらず、議員御指摘のとおり産業振興により経済活動を活発化することで新たな雇用を創出することが必要であります。このため県は独自の産業成長戦略に基づき産業界、金融界と連携して地域企業の事業活動を活発化し次世代産業を創出するための各種施策に取り組んでおります。具体的には今後大きな成長が見込まれる食品や医療関連産業などを対象に健康産業雇用創造プロジェクトを推進し安定的で良質な雇用の創出に取り組んでおり、平成二十六年度には二百十八名が正社員として雇用されております。
 また、ものづくりの現場では制御、情報技術と材料、新素材が大きな課題となっております。制御ではあらゆるものをインターネットでつなぐインターネット・オブ・シングス――IoT――への対応が必要とされていることから、県は約五十の企業や産業支援機関などをメンバーとする研究会を十一月に立ち上げることとしております。さらに新素材として世界的に注目されているセルロースナノファイバーを中核とした産業創出プロジェクトを推進し、本県がこの分野のトップとなり新たな産業の創出につなげてまいります。
 県といたしましては、こうした産業振興策に官民が一体となって取り組むことで未来につながる産業を育成し、安定した雇用の創出に努めてまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 青少年の健全育成についてのうち、家庭教育の充実に向けた取り組みについてお答えいたします。
 現在の社会は家族形態や就業形態の変化、また地域社会とのかかわりの減少等により子育て家庭が孤立し、家庭教育が困難になっている社会と言われております。
 そこで県では本年度から、地域において保護者同士が学び合い支え合う機会の提供や保護者と地域の方々がつながることを支援する家庭教育支援員を養成するとともに、この支援員を中心とした家庭教育支援チームを計画的に組織し行政や学校、専門機関等と連携しながら保護者からの相談への対応や孤立しがちな家庭の訪問等を行う支援体制を整えてまいります。また小中学校の就学時健康診断や入学説明会等の多くの保護者が集まる機会を活用した親学講座の開催について市町や学校、PTA等に働きかけてまいります。
 県といたしましては、こうした事業を通して静岡県家庭教育支援条例の趣旨にありますように子供たちが地域の宝として健やかに成長することを目指して、家庭を取り巻く学校や地域住民、PTA、行政等の社会全体で家庭教育を支援してまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 西川警察本部長。
       (警察本部長 西川直哉君登壇)
○警察本部長(西川直哉君) 青少年の健全育成についてのうち、青少年の深夜外出への対応についてお答えを申し上げます。
 少年の深夜外出は、それ自体非行性を含む行為であるということはもとよりですが、犯罪被害に遭う危険性も極めて高いことから次の三点の取り組みを推進しているところでございます。
 第一に、警察では少年の非行、犯罪被害を未然に防止することを目的に夜間街頭補導の日を設定するなどして夜間の街頭補導活動を強化しているところであります。また少年警察ボランティアや関係機関と協力して行う補導活動においては、少年へ積極的に声かけをいたしまして深夜外出の危険性等の指導を行っているところであります。
 第二の取り組みとしては、非行・被害防止に向けた広報啓発活動を実施しております。学校等関係機関と連携して児童や保護者に対する非行・被害防止教室を開催しているほか、少年警察ボランティアと協力してカラオケ店やゲームセンター等への巡回を行い、管理者等に対し夜間来店する少年への帰宅指導の依頼等を行っているところであります。
 三つ目として、本県では平成二十六年四月から少年サポートセンター職員と少年警察ボランティアや大学生サポーターが協力いたしまして、深夜徘回で補導した少年等を含め非行や家庭等に問題を抱えた少年を対象に立ち直り支援活動を推進しているところであります。この活動は農業や絵画作品制作等の体験活動を通じまして少年に本来の居場所が家庭や学校等であることを気づかせるとともに、人とのつながりや規範意識の醸成を図ることを目的として行っているところであります。
 今後も、この三点の取り組みを継続強化するとともに、より一層関係機関等と連携して青少年の深夜外出の抑止を図り、非行、犯罪被害の未然防止に努めてまいりたいと考えております。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 三ッ谷金秋君。
       (六十七番 三ッ谷金秋君登壇)
○六十七番(三ッ谷金秋君) 二点ほど要望させていただきます。
 富士山世界遺産センターの入札不調に関連して、二点要望いたします。
 一点目は、やっぱり工事費の適切な見積もりであります。確かに説明でも今回は資材が高騰するのを見込んで十二分な積算単価を設定したということではありますが、結果として入札不調になりましたことから今後ともしっかりした見積もりをお願いをしたい。これをまずお願いします。
 そして二点目は、デザイン性を全て否定するわけではありませんけれども、デザインとコストのバランスをしっかりとるような、やっぱり積算も必要かなと思いますので、この点を当局に強く要望して質問を終わります。(拍手)

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp