本会議会議録
質問文書
平成20年9月静岡県議会定例会 質問
質問者: | 花井 征二 議員 | |
質問分類 | 質疑 | |
質問日: | 10/03/2008 | |
会派名: | 日本共産党静岡県議会議員団 | |
質疑・質問事項: | 1 第一○七号議案静岡県一般会計補正予算について (1) 空港施設災害復旧費 (2) 債務負担行為補正 空港関連道路整備事業工事契約 2 第一一五号議案静岡空港の設置、 管理及び使用料に関する条例の一部を改正する条例について 3 第一一九号議案静岡県消費生活条例の一部を改正する条例について 4 第一二一号議案食品衛生法施行条例の一部を改正する条例について |
○議長 (天野 一君) 次に、 議案に対する質疑を行います。
通告により、 七十六番 花井征二君。
(七十六番 花井征二君登壇)
○七十六番 (花井征二君) 提案者の知事にお尋ねいたします。
今回の補正予算の中心は災害復旧ですが、 そのうちの半分以上の四億円が空港で、 また債務負担行為の工事契約は空港のみ五千万円の増額であります。 知事はない袖は振れないと言いながら、 空港だけは聖域かとの声も聞こえてまいります。
そこでまず、 先日の代表質問にもありましたこの三月完成したばかりの調整池の崩壊は、 地すべりの危険性を十分考慮して設計を行い、 施工に当たっても堅固な地盤であることを確認しながら工事を進めてきたので問題はなかったとしていますが、 ならばなぜということになります。
答弁では、 周辺の造成工事の進に伴い、 雨水の地下浸透が変化したことによって新たな地すべり面がつくり出されたことが原因とのことですが、 周辺の造成工事というのも空港で、 原因や責任を他に求めることはできません。 そもそもこの調整池というのが、 地形改変に伴う防災対策として整備されているもので、 これが壊れるようではどうしようもないではありませんか。 他の調整池は絶対に大丈夫なのか、 点検を行ったのか伺います。
知事は、 空港周辺に多目的産業展示施設の立地をまたまた言い出し県民の批判を買っていますが、 空港に関しこれ以上の無駄は絶対に許されません。 今回のこうした無駄遣いを生じさせた責任はだれにあるのか、 知事の所見を伺います。
債務負担行為の増額は、 榛原吉田ルートの新幹線橋梁上部工製作工事で鋼材の価格アップを理由にしていますが、 県発注の他の事業もすべて資材等の価格高騰の影響を受けているはずなのに、 なぜ空港だけ特別扱いなのか伺います。
空港管理条例の改正は航空機給油施設の設置に伴うものですが、 そもそもこうした給油施設はほとんどの空港が株式会社か共同出資の会社等の所有となっており、 公の施設としてつくるのは今回の静岡空港が初めてのことであります。 静岡空港の路線・便数からして県がわざわざ自前で持つほどのことはないと思いますが、 どうして自前なのか。 逆に路線・便数が少ないため、 県がやる以外になかったということなのかどうか伺います。
次に、 汚染米やメラミン混入給食、 偽装食品など食品への不安と消費者行政への不信が強まる中、 今回、 消費者基本計画策定のための条例改正と食品衛生法施行条例の一部改正が提案されています。 国が消費者庁を創設し、 消費者行政の一元化を目指すなど大きな環境変化もある中、 県の消費者基本計画はどのような施策展開を念頭に策定を目指すのか伺います。
食品衛生法施行条例の一部改正では、 中国毒入りギョーザ事件に端を発した食品衛生への不信解消のため管理運営基準を改定するとのことですが、 その主な内容とともに実効性はどう担保されるのか伺います。
○議長 (天野 一君) 岩ア空港部長。
(空港部長 岩ア俊一君登壇)
○空港部長 (岩ア俊一君) 花井議員にお答えいたします。
初めに、 第百七号議案静岡県一般会計補正予算についてのうち、 空港施設災害復旧費についてであります。
当該調整池の周辺では、 最近まで大規模な造成工事が行われていたことから、 雨水の地下浸透経路が変化したことにより、 新たな地すべり面がつくり出されたことが災害の原因と考えておりますことから、 それを設計施工に反映することは不可能であったと判断しております。 また既に完成しておりますほかの調整池につきましては、 最新のものでも完成後二年以上と相当な時間は経過してございますけれども、 点検の上、 これまで変状も見られていないことから、 地下浸透水の経路は安定した状態にあり同様な災害は生じないものと考えております。 なお予測し得なかったとはいえ、 多額な復旧費が必要になったことは大いに反省すべき点であるというふうに考えております。
次に、 債務負担行為補正についてであります。
鋼材を初め資材等の価格の高騰については、 一般的には発注前であれば、 設計段階における仕様の見直しなどにより影響をできる限り抑えるなどの工夫をし、 また発注後については、 去る六月に鋼材類及び燃料油を対象に運用を開始した単品スライド条項などの適用により対応しているところであります。
今回の空港関連道路整備事業工事契約につきましては、 発注前の橋梁上部工製作工事であり、 資材の大部分が鋼材であることなどから仕様の見直しが困難であるため、 本年二月議会で議決いただいた債務負担行為の変更をお願いをしているものでございます。 なお県の発注後の工事につきましては、 九月末現在で三件、 単品スライド条項の適用を確定しており、 入札差金等で対応すると聞いております。
次に、 第百十五号議案 「静岡空港の設置、 管理及び使用料に関する条例の一部を改正する条例」 についてであります。
富士山静岡空港は、 予想される東海地震などの大規模災害発生時に、 空からの救助・救援活動や重症患者等の広域医療搬送活動、 緊急支援物資や応援要員の受け入れなど空路を活用した防災拠点として大きな役割が期待されております。 このため災害活動に従事する防災ヘリコプター等の航空機の燃料が確実に供給できる体制を、 富士山静岡空港に確保する必要がありますことから、 就航する路線・便数のいかんにかかわらず県がみずから給油施設を整備することとしたところでございます。
また、 この給油施設は防災用としてだけではなく、 平常時には他空港の給油施設と同様に、 民間航空機用の燃料保管施設として広く利用していただくことにより、 航空会社の就航促進にも資するよう運営していきたいと考えております。
○議長 (天野 一君) 稲津県民部長。
(県民部長 稲津成孝君登壇)
○県民部長 (稲津成孝君) 第百十九号議案 「静岡県消費生活条例の一部を改正する条例」 についてお答えいたします。
改正後の消費生活条例に基づく消費者基本計画につきましては、 県民の安全・安心な消費生活の実現を目的として、 消費者被害の未然防止や安全で安心な商品・サービスの確保、 自立した消費者の育成及びこれらの施策を総合的、 計画的に推進する体制の整備などを念頭に、 今後消費者団体を初め、 広く県民の皆様の御意見を伺いながら策定してまいりたいと考えております。
○議長 (天野 一君) 大須賀厚生部長。
(厚生部長 大須賀淑郎君登壇)
○厚生部長 (大須賀淑郎君) 第百二十一号議案 「食品衛生法施行条例の一部を改正する条例」 についてお答えいたします。
社会問題化した中国産冷凍ギョーザによる中毒事件では、 食品企業の判断の甘さや対応のおくれが健康被害の拡大と消費者の不信を招いたと認識いたしております。 このため県といたしましては、 健康被害に係る情報収集の迅速性を確保するため、 管理運営基準を改正して食品営業者に対し、 関連情報を含め保健所長への報告を義務づけることといたしました。 改正内容につきましては、 関係団体を通じて周知徹底を図るとともに、 報告義務を怠った食品営業者に対しては、 改善勧告や行政処分等により厳正に対処し消費者の不信解消の実効性を担保してまいります。
○議長 (天野 一君) 七十六番 花井征二君。
(七十六番 花井征二君登壇)
○七十六番 (花井征二君) 空港部長は、 調整池崩壊について反省していると言いつつもその責任は全く言及しておりません。 四億円もの追加費を求めながら、 こんなことは一般社会では責任なしでは通用するものではありません。 四億円という金があればどれだけ障害者初め、 弱者救済の施策が行えるかといったことに思いをはせないでしょうか。 この復旧には他の災害復旧事業同様、 災害対策法の適用を受け国の負担があるとでも言うんですか。
それに、 調整池は二〇〇一年度以来、 六年かけて慎重に施工してきたことは答弁のとおりですけども、 来年春の開港に間に合わせるべく突貫工事で復旧させるということで、 本当に大丈夫なのか改めてお伺いします。
先ほども指摘しましたように、 ここは地すべりの危険が言われていた場所ということもありますが、 その危険性はもろい岩石に覆われている敷地全体にあり、 そもそもここに空港をつくること自体が無謀だったとも言われているのでありますから、 私はその政治責任は空港建設を強行した知事が負うべきと考えますし、 これ以上の無駄遣いは許されないということで、 先ほど私は提案者たる知事にお伺いしたのですが、 知事はお答えになりませんでしたので改めて知事の所見を伺います。
○議長 (天野 一君) 岩ア空港部長。
(空港部長 岩ア俊一君登壇)
○空港部長 (岩ア俊一君) 予測し得なかったこととはいえ多額な復旧費が必要になったということは反省すべき点であるというふうに承知をしております。 その上で、 今はできるだけ早く復旧をいたしまして、 空港機能の効用を果たしていくということが県の責務であろうというふうに考え、 しっかりと取り組みたいと思っております。
また、 当該地すべりの兆候の可能性がある地域につきましては、 これまでも地すべり工事という観点からさまざまな工事に取り組んできたところでございまして、 工事によりまして災害の発生とかのないよう、 今後とも引き続き一生懸命取り組んでまいりたいと考えております。
○議長 (天野 一君) 七十六番 花井征二君。
(七十六番 花井征二君登壇)
○七十六番 (花井征二君) 国の負担があるのかどうなのかという点と、 知事に答弁を問うておりますので知事に御答弁願います。
○議長 (天野 一君) 石川知事。
(知事 石川嘉延君登壇)
○知事 (石川嘉延君) 今回の提案しております案件は県の単独の災害復旧事業でございます。
それから責任の問題でありますけれども、 先ほど来空港部長が御答弁申し上げましたように、 予測し得なかった事態に基づいてこのような事象が発生しているということでございますので、 その点で御理解をいただきたいとともに、 今後このようなことを極力避けるように、 いろいろな工事、 空港事業も含めてですね、 あらゆる工事に当たって事前に入念な調査をした上で事業に取りかかるべきだと思います。 今回は大いなる反省材料といたしたいと思っております。
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