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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

小野 達也 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/10/2013

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 観光対策について
 (1) 伊豆地域の観光振興
 (2) 東京オリンピック・パラリンピックに向けた広域連携
 (3) 文学をテーマとした伊豆の振興
2 国土強靭化計画に即した県土整備について
 (1) 伊豆地域の津波対策
 (2) 伊豆地域の道路整備
 (3) 土砂災害対策
3 教育改革について
 (1) いじめの克服
 (2) 不登校対策
 (3) 県立学校施設の老朽化に伴う安全対策


○議長(中谷多加二君) これで渡瀬典幸君の質問は終わりました。
 次に、五十番 小野達也君。
       (五十番 小野達也君登壇 拍手)
○五十番(小野達也君) 私は自民改革会議所属議員として、通告に従い知事及び関係部局長、教育長に分割方式によってお伺いをいたします。
 初めに、観光対策についてのうち伊豆地域の観光振興について伺います。
 美しい景観、温泉や海、山の幸の食材など豊富な観光資源に恵まれた伊豆地域は、本県を代表する観光地として主に首都圏からの観光客を受け入れることによって発展してきました。しかしながら団体旅行から個人旅行へと移り行く旅行の形態の変化などにより、宿泊客数は長期的な減少傾向にあります。
 私の地元伊東市においては、平成二十四年度の宿泊客数は対前年度比三・四%増の二百六十万八千人で平成十八年度以来の対前年度比増となりましたが、依然として観光を取り巻く情勢は団体旅行の減少、日帰り旅行がふえるなど依然厳しいものと認識しております。
 近年、富士山静岡空港の開港、新東名高速道路の開通等、本県のインフラの整備は進みまた本県の富士山の世界文化遺産登録など大きな観光資源を獲得したので、これらを活用し本県の観光を飛躍的に発展させる時期が来ているのではないかと思います。
 県のこれまでの伊豆新世紀創造祭や伊豆ブランド創生事業、東日本大震災の復興キャンペーンなど伊豆地域の再生に向けた御支援に対し、大変感謝をしております。昨年には伊豆半島ジオパーク推進協議会への取り組みに御支援をいただき、伊豆半島が日本ジオパークに認定されました。
 伊東市においてもジオサイトの解説案内板の整備等を進めているほか漁業関係者が船上からジオの魅力を説明するツアーを実施するなど、民間団体の取り組みも以前にも増して活発になると感じられ伊豆の新たな魅力として期待しているところであります。
 伊豆地域においては、まず観光関係者が主体的に地域の魅力を高め、情報発信をすることはもちろんのこと県を挙げて戦略的な取り組みを推進していくことが必要であると思いますが、県の考えを伺います。
 次に、東京オリンピック・パラリンピックに向けた広域連携について伺います。
 我が国では、五十六年ぶりとなる夏季オリンピック・パラリンピックが平成三十二年に東京において開催されることが決まりました。世界各国から観戦に訪れるお客様には、ぜひ本県へも足を運んでいただき美しい自然や豊かな食の魅力を満喫していただく絶好の機会であり、県民の期待は大きく膨らんでいます。開催は七年後でありますが競技によっては本大会を前にプレ大会の開催もあり、前年の平成三十一年のラグビーワールドカップの誘致も進めているところであります。
 現在県では、静岡県東京オリンピック・パラリンピック推進本部を立ち上げ、スポーツ競技力の向上や競技合宿の誘致、観光誘客、国際交流、スポーツ産業の振興等に取り組むとしております。早急に態勢を整え合宿地や来訪者の獲得の全国的な誘致合戦に乗りおくれることのないようにしなくてはなりません。
 とりわけ観光については、世界各国からの来訪者が増加し東京周辺地域への注目度も高まることから本県への誘客に大きなチャンスであり、官民総力を挙げて取り組むべきものと考えます。世界遺産富士山を初め美しい自然景観や豊かな食材、温泉など国内外のお客様にとって大変魅力ある素材を数多く有する本県は、富士山を有するとはいえ国際的には本県の認知度は低く、東京から京都、大阪といったゴールデンルートに流れてしまい通過地となってしまうおそれがあります。
 また、海外からのお客様の行動範囲は、一つの県で完結するものではなく東京から離れた地域においても陸路、空路を活用し東京オリンピック・パラリンピックへの来訪者を取り込もうとする競争が激しくなることも予想されます。こうした動きに対抗するには、来訪者のニーズを踏まえ近隣県と連携し広域での誘客や受け入れ対策を行うことが不可欠であると考えます。
 県では、今後東京オリンピック・パラリンピックに向けて、広域連携をどのように進めるのか伺います。
 次に、文学をテーマとした伊豆の振興について伺います。
 川端康成の「伊豆序説」は、「伊豆は詩の国であると、世の人はいう」、この有名な言葉で始まります。この中で川端康成は、「伊豆は海山のあらゆる風景の画廊である。伊豆半島全体が一つの大きな公園である。一つの大きな遊歩場である。つまり伊豆半島のいたる所に自然の恵みがあり、美しさの変化がある」と伊豆の魅力を述べています。伊豆は、川端康成のほか井上靖や若山牧水など多くの文豪や歌人の執筆活動の舞台となったり、その作品の中に登場してきました。
 県では、平成九年度から伊豆文学フェスティバルを開催し、伊豆文学賞の募集などを行っていますが、必ずしもこうした取り組みが観光を初めとした地域の振興につながっていないと思われます。また文学ゆかりの地については、十分に知られていないものもまだまだあると思います。先ほど紹介した「伊豆序説」の中で川端康成は、私の住む伊東市について伊豆山から伊東にかけての海岸線は南欧を思わせて伊豆の明るい顔であるとその風景を絶賛しておりますが、一部の文学通の方を除けば余り知られていないと思われます。
 私は、伊豆文学フェスティバルの取り組みを充実するなど伊豆の豊富な文学資源をさらに有効に活用することで、観光誘客を初め伊豆の活性化につなげることができると考えますが、県の取り組みを伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 小野議員にお答えいたします。
 観光対策についてのうち、伊豆地域の観光振興についてであります。
 現在伊豆半島では、各地でさまざまな取り組みがなされておることを喜んでおります。例えば県議の地元である伊東市では、海の中に広がるジオを体験するマリンツアーというのがございますし、あるいは東伊豆町細野高原のすすき野原散策ツアー、さらに少し下りました下田市では坂本龍馬ゆかりの地をめぐる歴史ガイドツアーなど。さらに再来年には韮山が産業革命遺産群の一つに数えられて、それが世界文化遺産になる可能性が出てきたといったことなども観光資源となると存じます。
 こうした多様な素材を生かした意欲的な取り組みが活発化しているわけでございます。さらに三・一一以後、観光客が一時期冷え込みましたけれども、そのときの観光庁長官であった溝畑宏さんがわざわざ来てくだって、さらに長官をおやめになった後も自転車で伊豆半島をぐるぐる回られてメディアを通じて伊豆半島を宣伝していただいたなどファンがたくさんふえてきているという実感を持っております。
 県におきましては、こうした取り組みが持続的な誘客につながりますように商品企画や販売担当者の研修、地元の素材を生かした旅行商品のコンテスト、モニターツアー、広域キャンペーン等々を支援してまいりました。
 現在ふじのくに観光躍進基本計画を策定中でございますが、そこでは地域の魅力ふれあい型観光を柱の一つとしております。特に伊豆地域におきましては、旅行者がこだわりの食やまち歩き、温泉健康体験などを通じて地元の方々と触れ合うことに感動してリピーターになるということを目指した、狙った取り組みを重点的に推進してまいります。
 また、誘客に当たりましては宿泊客の七割を占めているのが関東地方ですが、この関東地方に加えまして日帰り客の六割を占めている県内の方々もターゲットにいたしまして、美しい自然景観やジオパーク、温泉、花、歴史等々、多彩な観光資源を持つ伊豆半島の魅力を発信する戦略的なプロモーションを展開してまいります。
 そのためには、戦前に文豪川端康成先生が書かれた「伊豆序説」。これを多くの方々に暗唱していただけるような、そういう取り組みも大事かなというふうに思っておりまして、県では今それを推進しているところでございます。以上でございます。
○議長(中谷多加二君) 下山文化・観光部長。
       (文化・観光部長 下山晃司君登壇)
○文化・観光部長(下山晃司君) 観光対策についてのうち、まず東京オリンピック・パラリンピックに向けた広域連携についてお答えいたします。
 外国人観光客に目的地として選択されるためには、認知度を高めること、競争力のある観光商品を造成すること、そして安心で快適な周遊・滞在環境を提供すること、これが決め手となります。特に東京オリンピック・パラリンピック観戦者の誘客に当たっては、全国各地との激しい競争が予想されるため近隣県と広域的に連携して、認知度と競争力を高めることで他の地域に勝ち抜くことが大変重要であると考えております。
 このため静岡・山梨両県では、この十一月に観光、交通、空港及び富士山の担当部長と課長が一堂に会し、東京オリンピック・パラリンピックの誘客に当たっても富士山世界遺産登録と同様相互に協力することを確認し、その最初の取り組みとして、富士山周辺のWiFiスポットの整備を共同で進めております。また今月開催する山梨県、静岡県、神奈川県の知事サミットでは、三県が連携して富士山と他の観光資源をめぐる周遊・滞在型のモデルルートを開発し海外の旅行会社に共同提案することなども議題とする予定であります。
 今後は、三県の魅力を盛り込んだ団体向けツアー商品やオプショナルツアーの造成と販売網の開拓、異なる文化や慣習に対応するおもてなし研修などを三県が連携して実施することで東京オリンピック・パラリンピックに向けて観光誘客を進めてまいります。
 次に、文学をテーマとした伊豆の振興についてであります。
 伊豆地域は、古くから多くの文学者や歌人に愛されてきた文学のふるさとであり、こうした地域特性を生かした伊豆文学フェスティバルを観光を初めとする地域振興に一層生かしていくことが重要であります。
 このため、来年三月に開催する伊豆文学フェスティバルでは、井上靖を初めとする文人ゆかりの地、伊豆市湯ヶ島を会場に伊豆文学賞の審査員と参加者が交流する文学塾を開催するとともに、伊豆市主催の文学散歩や地元劇団の創作劇などさまざまな関連事業を実施してまいります。また文豪が逗留した宿、歌碑など伊豆文学ゆかりの資源を現代の作家も含めて幅広く発掘し紹介するため、市町や観光団体等と共同で調査を行いガイドブックを制作するとともに、旅行会社に商品化を働きかけることで観光誘客にも活用してまいります。
 多くの人に親しまれる文学作品は、地域の魅力を高める絶好の素材でありますことから今後も地元の皆様と連携して伊豆文学フェスティバルを伊豆の各地で開催するとともに、文学をテーマとした効果的な情報発信に取り組むことにより伊豆地域の活性化につなげてまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 五十番 小野達也君。
       (五十番 小野達也君登壇)
○五十番(小野達也君) ありがとうございました。要望だけ申します。
 観光庁の前長官溝畑さんがサイクリングで伊豆を一周してくださいまして、大変話題にもなりました。私も地元で県政報告会をやりますと、これから次の質問になりますが津波対策。こういうものをやるときに、サイクリングロードもぜひ併用できるようなことをやってほしいという声もございます。いろいろと新しい形での観光のルートをつくることも必要ではないかと思いますので、ぜひお考えいただきたいと思います。
 それから、オリンピック・パラリンピックに向けましては、三県で連携してやっていくということでございますので富士箱根伊豆国立公園。こういう枠組みがもともとあるわけですから、ぜひこれを機にオリンピック後もいろんな意味でやっていっていただきたいと思っております。
 私、海外事情調査団に行ってまいりましたが、スペインで国内移動が二時間とか二時間半あるんですが、向こうに行くまで十二時間もかかるものですから何の苦もなかったんですね。ということは成田、セントレアから北海道でも沖縄でも静岡に来るのとそう変わらないという条件になりますので、ぜひ積極的にお願いしたいと思います。
 それでは、次の質問に移ります。
 次に、国土強靱化計画に即した県土整備についてのうち、伊豆地域の津波対策について伺います。
 静岡県の海岸は、リアス式海岸の伊豆半島、駿河トラフが湾の奥に入り込む駿河湾、日本屈指の砂浜海岸である遠州灘から成る変化に富んだ日本の海岸の縮図とも言える特徴を持っています。津々浦々から成る複雑な海岸線の伊豆半島は、静岡県第四次地震被害想定によると他の地域と比べ想定津波高が突出するとともに、最大波となる津波第一波の到達時間が早いと想定されています。
 県は、地震・津波から人命を守るため、ことし六月に公表した静岡県地震・津波対策アクションプログラム二〇一三に基づき、今後十年間においてハードとソフト面の両面から地震・津波対策を総合的に進めていくところであります。ハード対策となる津波対策施設については、発生頻度の高い津波いわゆるレベルワン津波に対し整備していくことになり、防潮堤等のかさ上げ等により津波に対する安全性は向上すると考えられます。しかしながら伊豆半島の沿岸部は、風光明媚な海岸や温泉等を有することからこれら観光資源を活用した観光産業の振興に取り組んでおり、また沿岸域には、良好な漁場を背景に古くから水産業をなりわいとして発展してきました。このような海岸利用を考えると伊豆半島における津波対策施設の整備は、景観の悪化や眺望阻害や海岸へのアクセスの低下を招き、観光産業や水産業に与える影響が懸念されるところであります。
 このような課題を抱える中、県は今後の伊豆地域における津波対策について、どのように進めていくのか伺います。
 次に、伊豆地域の道路整備についてお伺いいたします。
 本年六月、富士山が世界文化遺産に登録されたことに続き、去る九月十七日には伊豆の国市の韮山反射炉を構成資産に含む「明治日本の産業革命遺産 九州・山口及び関連地域」が世界遺産の国内推薦資産に決定しました。富士山、伊豆半島という本県が誇る観光資源が一段と脚光を浴びつつあります。また先ほども述べましたが平成三十二年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。このように本県にとって大変明るい話題がある一方で台風や局地的豪雨による風水害は県民の暮らしを脅かし、とりわけ観光産業を中心とした伊豆地域の経済には大きな影響を及ぼしています。また近い将来に発生が予想されている南海トラフ巨大地震は、私を初め伊豆地域に暮らす県民にとって最も関心の高い問題の一つとなっています。伊豆半島における被災時の速やかな救援・復旧活動に向けては、骨格となる道路の確保が何より重要であり、そうした意味から伊豆縦貫自動車道の一刻も早い整備が求められておりますが、私の地元である伊東市など海岸沿いの地域から縦貫道へアクセスするための道路はもとより慢性的に発生する渋滞対策の観点から幹線道路の整備も必要であると考えます。
 そこで、伊豆地域における今後の道路整備の方針について伺います。
 次に、土砂災害対策について伺います。
 近年、地球温暖化の影響と思われる過去に経験したことのない規模の集中豪雨が全国的に頻発しております。気象庁では、八月三十日から重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合に特別警報を発表しさらなる警戒を強めております。
 現在まで静岡県において特別警報は発令されていませんが、ことし七月に西伊豆町で時間九十八ミリメートルの大雨を観測し多くの土砂災害が発生するとともに、十月には近隣の伊豆大島で台風二十六号により時間百八ミリメートルの豪雨に見舞われ、土砂災害により死者・行方不明者が三十九名となる甚大な被害が発生しました。本県では平均して年間五十件程度の土砂災害が発生しており、全国的に見ても発生件数が多い県であります。しかし本県の土砂災害防止施設の整備状況はまだまだ十分ではなく、また土砂災害危険箇所一万五千カ所の全てに防止施設を整備していくには膨大な時間や予算を必要とし簡単には進捗しません。
 土砂災害による死者数ゼロを達成するためには、自助として住民みずからが避難を行うことが第一であり、県ではみずからの命を守るため早目の避難を呼びかけております。しかしいざ土砂災害が発生した際、人家ともども被害を受ける住民にとっては、避難のみでは本当の解決に至ってはおりません。やはり直接土砂災害から生命財産を守るハード整備の推進が重要であると言えます。またあわせてハード整備が困難な箇所に当たっては、住民の意向を踏まえた住宅移転など的確に取り組む必要があると言えます。
 県では限られた予算の中、危険箇所内の住民の安全を図る方策として、どのように防災施設の整備や住宅移転などの対策を進めているのか所見を伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 国土強靱化計画に即した県土整備についてのうち、伊豆地域の津波対策についてお答え申し上げます。
 変化に富んだ伊豆半島の海岸線は、すぐれた景観資源でありますがまた豊かな漁場でもありますが入り江状の海岸線は来襲する津波高を増長させ、海岸沿いの限られた平たん地に人家の多くが集中している伊豆地域におきましては甚大な被害が想定されますことから、その対策が喫緊の課題となっております。
 県では、津波を防ぐ施設の整備として津波に対して高さが不足している箇所のかさ上げや津波が堤防を越えても粘り強く効果を発揮する構造や液状化対策などの質的な改良を進めることとしております。
 このような中、伊豆半島の沿岸部における津波対策につきましては、観光業や水産業などを生業とされている住民の方々の安定した生活基盤との調和を図ることが大切でございますし、また世界ジオパーク認定に向けた取り組みにも十分な配慮が求められております。海浜の利用や景観等に即した地域それぞれのまちづくりの方針と整合を図る必要があるわけであります。
 二例を挙げたいと存じますが一つは下田、もう一つは沼津市の内浦重須でございます。
 下田におきましては、今の市役所が標高数メートルのところにございますために敷根公園のほうに移すということを前市長が提案されました。そうした中そこがまちの方々にとって不便であるとかあるいは観光とのかかわり生業とのかかわり等がございまして、まちの方々の意見がそれぞれ出し合われて、今例えば下田駅の駅ビルを市役所兼かつ避難ビルにするという案も出ております。
 こうした地元の方々がみずからの知恵を出し合って生業と安全とを図るというのは、これは大事なことだと存じます。特に市役所なり町の役場がやられますと復興がとても難しくなります。そういうことから例えばこの間の伊豆大島もそうですけれども、役場がございましたので消防、自衛隊等が行って、そこですぐに役割分担ができたのです。あの役場がもし土砂でやられていますとどういう役割分担ができるかといっても、長く時間がかかります。大槌町の例が示しているとおりであります。
 一方、沼津の内浦重須地区ですけれども住民の方々の八割が高台移転をしたいというふうに言われました。そして国交大臣も内浦重須地区の集団移転について、災害危険区域の指定を前提に支援する意向も示されたわけです。私もそこに参りましてその上にごさいます中学校の全校生徒との対話もいたしまして、やっぱり八割ぐらいが移りたいという家の方々の意向が子供たちにも反映しているのを確認した次第です。
 そうした中でこれをどういうふうに実現するか乗り出そうとしたところ、市のほうでは土地カンのない北海道大学の教授をお招きになられまして、地元との集会を開かれてそして何と高台移転に過度な期待をしてはいけないなどという意見をその教授が言われまして、ついに住民の意見が割れまして何にもできない状態になりました。確実にああいう入り江でございますので、もし津波が来れば持っていかれます。それがわかっていながらやり方が間違うとこういうようなことになるということでございまして、非常に憂えております。
 やはりこうしたことに鑑みますれば、県としましては、地元の住民の安全・安心を確保するために私どもも主体となって加わって市町と設置する検討会などにおいて十分な議論を重ねる必要があるだろうと。もちろん市町がその責任を持たれることは重要なのでありますけれども排除されるのはよろしくないというふうに思っております。それぞれの地域の実情に合った最適となった整備案、最適と誰もが認める整備案を決定して津波対策を進めることが重要であるということで、この二つの地区について成功例と失敗例を参考にしながら、今後の津波対策を進めていきたいというふうに考えております。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 長島交通基盤部長。
○交通基盤部長(長島郁夫君) 国土強靱化計画に即した県土整備についてのうち、まず伊豆地域の道路整備についてお答えいたします。
 伊豆地域では、海岸付近まで山地が迫る急峻な地形のため自然災害に対して脆弱な地域であり、災害時の迅速な救援・復旧を支え国土の強靱化に大きく寄与する伊豆縦貫自動車道と、この南北軸を中心とした道路ネットワークの構築が必要であります。
 現在、伊豆縦貫自動車道の整備が国により着実に進められており、今年度東駿河湾環状道路が供用されることにより、沼津市から伊豆市まで一連の規格の高い道路で結ばれます。これをさらに下田市へつなげていくため、県では天城北道路や河津下田道路の整備促進、未着手区間の早期事業着手を地元市町と連携し、引き続き国に働きかけてまいります。
 また、伊豆縦貫自動車道の整備効果を半島全域に波及させるため国道百三十六号や県道伊東大仁線、県道中大見八幡野線などのアクセス道路の整備とともに、慢性的な渋滞の解消に向けた国道百三十五号の拡幅等を進めてまいります。
 県といたしましては、今後の道路整備の方針を示すふじのくにのみちづくりに基づき災害に強く信頼性の高い道路整備を進めることにより、伊豆地域に暮らす人々はもとより、そこを訪れる人々にとりましても安全で快適な道づくりに努めてまいります。
 次に、土砂災害対策についてであります。
 土砂災害は、とうとい命や財産を一瞬にして奪い去る自然災害の中でも犠牲者が発生しやすい災害であり、近年発生件数も増加傾向にあることから土砂災害危険箇所について、その対策を早急に進めることが一層重要となっております。
 このような中で、県では急傾斜地崩壊防止施設などの土砂災害防止施設の整備や安全な場所への住宅移転の支援に取り組んでまいりましたが、依然として対策を要する箇所が数多く残っております。このため新技術を採用するなどコスト縮減に努め、人家が集中する箇所や緊急輸送路、公共施設、避難所等を防御する箇所など整備効果の高いところから施設整備を着実に進める一方、住宅移転についても補助制度のより一層の活用が図られるよう周知啓発に努めているところであります。
 人的被害をなくすためには、住民みずからが避難を行うことが重要でありますことから県といたしましては、土砂災害警戒区域の住民説明会などを通じて防災知識の普及を図り区域指定や市町の警戒避難体制の整備支援などソフト対策を強化するとともに、安全・安心な生活基盤の確保を目指し、土砂災害防止施設の整備や住宅移転支援の施策を推進するなど総合的に土砂災害対策を進めてまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 五十番 小野達也君。
       (五十番 小野達也君登壇)
○五十番(小野達也君) 要望と再質問をいたします。
 要望ですが津波対策、伊豆地域につきまして、会派の政調会で十一月の末に各熱海、伊東から、東側から始まりまして賀茂地域の一市五町全てと伊豆市も各地区で県に要望があるような箇所を回ってまいりましたが、やはり津波対策についてジオパークの認定を目指していることも含めまして、防潮堤とかで固めるのはどうかと思うという意見が大半でありました。それでその反面、先ほどの高台移転のお話でも一緒でありますが、全ての皆さんが一致することはなかなかないと思いますが、ぜひ知事がリーダーシップをとっていただいて住民のコンセンサスをなるべくとって進めていただきたいと思います。
 それから十二月四日に臨時国会で国土強靱化にかかわる法律で文章とすると大変長いものですが、国土強靱化法ということでお話をしますが、いろんなメニューがございます。自民党と公明党の政権が今太田国交大臣のもとにいろんな政策を進めておりますが、ぜひその中で十分に静岡県もそれを有効活用するべきだと思います。
 そういう意味で土砂災害についても同じでありまして、ここからは質問になりますが、がけ地近接等危険住宅移転事業というのがあると思います。これは交通基盤部なのか、くらし・環境部なのか、ちょっとわからないんですが、私の聞き及ぶところ最近は少しこの事業が停滞ぎみであってなかなか進んでいないと聞いております。ぜひ周知していただきたいと思うのですが、これについて県の考え方を伺いたいと思います。
○議長(中谷多加二君) 長島交通基盤部長。
○交通基盤部長(長島郁夫君) 再質問に対してお答えいたします。
 がけ地近接住宅移転事業、利用が少ないということでございますが、これはですね、居住者の意向により実施される事業でございます。対象者の多くが高齢者また資金的な問題、住みなれた土地への愛着というようなことで移転に消極的な傾向があるということでなかなか進んでいないということだと思います。
 ただ、そのままにしておきますとですね、先ほどもお答えしましたけれどもこの土砂災害というのは非常にやっぱり亡くなるといいますか、そういう被害が非常に多いということからこの補助制度の周知をしっかり図って、あらゆる機会を通じて周知を図って、本当に安心・安全な住まい方法ができるような形で推進していきたいというふうに考えてございます。以上でございます。
○議長(中谷多加二君) 五十番 小野達也君。
       (五十番 小野達也君登壇)
○五十番(小野達也君) 答弁ありがとうございました。ぜひ積極的に進めていただきたいと思っております。
 最後に、教育改革についてのうち、いじめの克服について伺います。
 本県のいじめの状況は、昨年九月に文部科学省が実施したいじめの緊急調査によりますと政令指定都市を除く本県公立小中学校における平成二十四年度四月から八月末の五カ月のいじめの認知件数は、小学校では二千六十一件、中学校では千二百四十七件であったと報告され、前年度一年間の認知件数を上回る結果でした。この緊急調査の結果は、あってはならないことですが重篤な事案も憂慮される状況であります。
 本県では、昨年度静岡県の学校からいじめをなくす提言が発信され、本年度もオール静岡でいじめをなくす取り組みが推進されていると聞いておりますが、まだまだ不十分であり、いじめを重篤化させないためには家庭や地域、関係機関等と連携した取り組みが必要であると考えます。
 一方、全国ではいじめを背景とした子供の生命や心身に危険が生じる重篤な事案が後を絶ちません。このような状況を踏まえ国は、社会総がかりでいじめの問題に対峙するため本年九月二十八日にいじめ防止対策推進法を施行し十月十一日には、国のいじめ防止等のための基本的な方針を決定しました。この国の基本方針はいじめ防止対策推進法を受け、国、地方公共団体、学校、地域住民、家庭、その他関係者が連携し、いじめの未然防止、早期発見、早期対応などいじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するために策定されました。
 いじめ防止対策推進法では地方公共団体に対して基本方針の策定を義務づけておりませんが、家庭や地域、関係機関と連携し、いじめを重篤化させないための対応をより効果的に推進するためには、静岡県の基本的な方針が必要であると考えます。
 これまで、いじめの問題に対して県教育委員会では、国の基本方針の決定を受け家庭や地域と連携した取り組みの充実を図るためにどのような対策を考えているのか、教育長の所見を伺います。
 次に、不登校対策について伺います。
 県内小中学校の不登校の状況は、文部科学省が実施した平成二十三年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査によりますと公立小学校では八百六十八人、中学校では二千八百四十人が欠席三十日以上の不登校として報告され、横ばいの傾向です。しかし児童生徒総数に対する不登校の出現率は、小中学校ともに全国平均よりも高い値で推移していると聞いています。
 また、平成二十二年二月に内閣府が実施した若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)によりますと十五歳から三十九歳までのひきこもり状態の若者のうち、小学校、中学校、高等学校に在学中不登校であった人数は約八万人であると推計されています。このことからわかるように未来ある子供たちが将来ひきこもりにならないためには、学校段階での不登校対策が非常に重要であるといえます。
 子供たちが不登校になる要因や背景は、例えばいじめや学業の不振など学校生活に関することであったり、虐待等の家庭環境に関することであったり、非行や無気力など本人の資質に関することなど実に多様であります。また最近では学習のつまずきを感じる状況が続いた後、体調不良等を理由に学校を休みがちになり不登校に至るケースなど直接的なきっかけを特定しにくいこともあると聞いております。このように多様化、複雑化している不登校の問題は児童生徒に対して個々、個別の支援が必要であり、心理や福祉の専門家であるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを活用した対応が有効であると考えます。
 そこで、県教育委員会では、不登校児童生徒に対する個々、個別の支援を充実させるために今後どのように対応していくのか、教育長の所見を伺います。
 次に、県立学校施設の老朽化に伴う安全対策について伺います。
 県立学校において、建築後四十年以上経過している校舎が現時点において全体の約半数を占めており、雨漏りや給配水管の破損が発生するなど既存施設の老朽化が大きな課題となっております。
 施設の老朽化が進めば、それに伴う天井材や外装材などいわゆる非構造部材の経年劣化も進みます。学校施設に関しては、平成二十二年に静岡市内の中学校においてけが人はなかったものの、校舎の外壁タイルが落下した事故が発生しております。また他県においても平成十九年に千葉市の小学校において、校舎の外壁が剥がれ落ち男子児童が軽傷を負う事故や平成二十二年には茨城県の高校の校舎二階バルコニーの手すりが壊れて生徒二名が転落、かかとの骨折や頭部の打撲の大けがを負う事故があるなどいろいろ調べてみますと経年劣化が原因と思われる事故がさまざまございます。幸い本県においては同様の事故は発生していませんが、一歩間違えば命にかかわる事態になるため事故を未然に防ぐことは大変重要であります。
 そこで、県立学校施設の外壁タイル等の外装材やその他の非構造部材の安全対策について、どのように取り組んでいかれるのか伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(中谷多加二君) 安倍教育長。
○教育長(安倍 徹君) 教育改革についてのうち、まずいじめの克服についてお答えをいたします。
 議員御指摘のとおり、いじめの克服には学校、家庭、地域関係機関等、社会総がかりで取り組む必要があり、そのために学校や家庭、地域がいじめ防止等に関する基本的な考え方を共有することが重要であると考えております。
 県教育委員会では、昨年九月に県・市町教育委員会代表者会から発信されました静岡県の学校からいじめをなくすための提言をもとに児童生徒みずからがいじめについて考える場や機会の設定、静岡県いじめ対応マニュアルの活用などにオール静岡で取り組んでまいりました。
 本年度は、九月のいじめ防止対策推進法の施行を踏まえ、各学校が学校いじめ防止基本方針を策定する際に基本的な考え方などを共有できるよう静岡県いじめ防止基本方針の策定を現在進めているところであります。また各学校が基本方針を策定するに当たっては、PTAや地域の関係団体に意見を求めるとともに、家庭や地域の理解を得るための取り組みを加えより実効性のある基本方針が策定されるよう指導してまいります。
 今後は、学校いじめ防止基本方針策定のための説明会の実施やいじめ問題対策連絡協議会の設置などいじめを克服する体制の整備や各学校のいじめ防止等の取り組みを支援してまいります。
 次に、不登校対策についてであります。
 議員御指摘のとおり、本県におきましても不登校児童生徒が依然として多く、その要因や背景が多様化、複雑化していることから学校においても心理や福祉などの外部の専門家と連携した対応が重要であると考えております。
 県教育委員会では、全ての中学校区で小学校、中学校に同じスクールカウンセラーを配置し、小学校と中学校とが連携した教育相談機能が高められるよう配慮しているところであります。またスクールソーシャルワーカーの配置により組織として児童生徒が置かれた環境に働きかけるなど学校を支援しております。
 平成二十三年度の文部科学省調査によれば、不登校生徒への対応についてスクールカウンセラー等の専門的な指導は効果があったと回答した中学校の割合は、本県は七六%であり全国平均の六〇%を大きく上回っております。また小学校においては、スクールソーシャルワーカーと連携した対応により不登校児童数が減少したとの報告を受けております。
 今後も不登校の子供たちに向き合う教員が、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーと連携して、個々の子供の状況に応じたきめ細かな対応ができるよう不登校対策の充実に努めてまいります。
 次に、県立学校施設の老朽化に伴う安全対策についてであります。
 学校施設は、児童生徒の学習や生活の場であることから、その安全性の確保が不可欠であります。このため、県教育委員会では建築基準法の規定に基づき一級建築士等による定期点検を行うとともに、各学校においては文部科学省が作成いたしました学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブックや県立学校施設設備等維持管理の手引等に基づいた日常点検を実施し、問題が確認された場合は迅速に改修等の対策を講じているところであります。
 また、建築基準法施行規則等の改正により、定期点検の項目として竣工または外壁改修後十年を超えた建物の外壁については全面打診調査が義務づけられたため、平成二十三年度から順次該当する施設について調査を実施し、是正が必要とされた施設については、設計等の準備を進め早急に改修工事を実施することとしております。
 県立学校施設につきましては老朽化対策を進めるとともに、引き続き定期的、日常的な安全点検や補修等を実施することにより、適切な維持管理に努め安全対策を進めてまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 五十番 小野達也君。
       (五十番 小野達也君登壇)
○五十番(小野達也君) 要望と再質問をいたします。
 老朽化対策でありますが私の出身が焼津水産高校でありまして三年間寮にいました。その施設がいまだに残っていますが、耐震化は長年取り組んでいただいて全て終わっていると思うんですけれども、そこから要望が何年も前から出ていて雨漏りなんですが、いまだに進んでおりません。個別の案件を言うつもりはなかったんですが、そんなこともございましてぜひいろいろと進めていただきたいと思います。
 再質問をいたします。
 いじめについてでありますが、なかなか教育長は実際に被害を受けている子供とか当事者に会う機会はないと思いますが、学校の管理者例えば校長先生、教頭先生、言い方は正しいかどうかわかりませんが、ある程度の時間的に余裕があるとした場合に、やっぱり実際にそこに向き合ってですね、実際に担任とか学年主任に任せるだけではない、そんなふうに進めていただたきいと思いますがその辺はいかがお考えでしょうか。
 それから教員の仕事量が多過ぎるのではないかということを懸念しておりますが、私も学校の近くに自宅があるものですから、夜遅くまで電気がついております。いろんな会議等や報告書の提出なんかも形骸化しているのではないかと思いますが、そういうこともしっかりと考えていただきたいと思いますがいかがでしょうか。以上でございます。
○議長(中谷多加二君) 安倍教育長。
○教育長(安倍 徹君) いじめの克服に関連しまして、再質問は二つあったかなというふうに思います。
 一つは、管理職が向き合う必要があるのではないかという御質問でございましたけれども、まさにそのとおりでして、やはり学校は組織として、いじめあるいは生徒指導上の問題については対応していかなければいけないかなというふうに思います。そのことが早期発見、早期対応に私はつながると思いますし、やはり管理職のマネジメント能力の一つとして、そういう能力というのは私は必要だと思いますので今そういう御指摘というか御質問がございましたので、今後管理職等の研修会を通して引き続き訴えていきたいというふうに思っております。
 二つ目の多忙化につきましては、これは従来から私たちも非常に大きな課題だというふうに思っているところでございますけれども、現在事務局内に多忙化解消の検討会も昨年十二月から立ち上げまして、ここで現在検討しているところでございます。計画では本年度中に何とか対応策等の取りまとめをする予定でおりますので、その検討結果を踏まえまして、より具体的な対応を各学校のほうにはお知らせをしていくという形で考えていきたいというふうに思っています。以上であります。
○議長(中谷多加二君) これで小野達也君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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