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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

東堂 陽一 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/26/2015

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 人口減少社会における多文化共生の取り組みについて        
2 老朽空き家対策について                     
3 イノシシ被害対策の取り組みについて               
4 気候変動による雨量の増加に対応した河川整備について       
5 原子力災害時における要配慮者の避難対策について         
6 道徳の教科化へ向けた取り組みについて              
7 いじめ防止対策について  


○副議長(伊藤育子君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第一号から第八十六号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、二十番 東堂陽一君。
       (二十番 東堂陽一君登壇 拍手)
○二十番(東堂陽一君) おはようございます。私は自民改革会議所属議員として通告に従い、一括質問方式により知事、関係部局長及び教育長にお伺いいたします。
 初めに、人口減少社会における多文化共生の取り組みについて伺います。
 昨年十二月の静岡県の人口減少対策への提言中のデータによりますと、平成二十五年の本県の外国人の社会増減数はマイナス五千二百人ほどで、これは全国で最も多い減少数となっています。総務省の住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数の調査によると、私の地元の掛川市でも外国人の社会増減数はマイナス三百人ほどで、県内で最も多くの外国人が居住している浜松市ではマイナス二千三百人ほどとなっています。これらの減少はリーマンショック後の製造業を中心とする雇用の場の減少の影響等によるものと考えられていますが、裏を返せば本県はそれだけこれまで外国人の労働力を積極的に生かしてきた地域であると言えます。
 国は、昨年改訂した日本再興戦略の中で高度外国人材が日本で活躍できる環境を整備するとともに、外国人技能実習制度の見直しなどにより外国人材の活用拡大を目指しています。そのような状況の中にあって本県は外国人の力を生かす先進県であってほしいと考えます。そのことが県土を支える外国人の一定の増加となって、人口減少の抑制やこのグローバルな時代を生き抜く地域の活力維持にもつながっていくのではないでしょうか。
 さきの提言では、多文化共生の先進地の形成によって外国人を呼び込んでいくことが重要である趣旨が書かれていますが、人口減少社会への対策として多文化共生の視点からどう取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、老朽空き家対策について伺います。
 総務省が公表した平成二十五年住宅土地統計調査によりますと、全国の空き家数は約八百二十万戸と住宅総数に占める割合は一三・五%となっており、空き家の数及び空き家の率ともに増加の一途をたどっています。今後も人口減少社会の到来に伴い世帯数が減少し住宅ストック数との不均衡が拡大することにより、さらに空き家が増加していくことが想定されます。
 特に、人が住まなくなった空き家が長期間放置されますと、老朽化による倒壊等の危険性が増大するほか防災・防犯機能の低下や景観の悪化など地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼすことが懸念されています。
 一方、本県におきましても、平成二十五年の住宅土地統計調査から空き家の数は二十七万戸、空き家率は一六・三%であり、空き家数、空き家率ともに過去最高の数値となっています。また別荘や賃貸用、売却用の住宅を除いた空き家につきましても約八万三千戸となっており、前回の調査から増加しています。このことから県内の老朽空き家につきましては確実に増加しているものと推測されます。このような老朽空き家への対策としましては除却することが有効な手段と考えますが、空き家を除却すると土地の固定資産税が数倍にはね上がることや空き家の所有者の特定が困難であり行政が対策に取り組みにくいなどの背景があり、老朽空き家を抱える全国の市町村ではその対策に苦慮しているところです。
 これまで、ふえ続ける老朽空き家に対する対策として積極的に空き家対策に取り組んでいる自治体もあり、全国では四百を超える自治体で空き家の適正管理に関する条例を制定していると聞いています。このように空き家問題が全国的な課題となっている中、昨年十一月に空き家等対策の推進に関する特別措置法が制定され、空き家等に関する施策の総合的かつ計画的な推進が図られることとなりました。
 この法律の施行によりまして、今後空き家が適正に管理され老朽空き家の発生が未然に防止されるとともに、危険な老朽空き家の除却の促進が図られることを期待していますが、どのように老朽空き家対策に取り組んでいかれるのか、県の所見を伺います。
 次に、イノシシ被害対策の取り組みについて伺います。
 野生鳥獣による農林産物被害は、農林業従事者を初め市町や関係者皆様の御努力により減少傾向にあるということですが、実感とは異なるものがありますし、依然としてその被害額は多額で大きな問題となっています。
 県内の被害の状況を地域別に見てみますと、伊豆・東部地域ではニホンジカの被害が最も多く被害額の五二・三%を占めていますが、中部地域や西部地域では逆にイノシシによる被害が深刻で、被害額に占める割合も中部地域では三七・七%、西部地域においては五二・六%と非常に高くなっており地域の特徴があらわれております。獣種別ではイノシシによる被害が最も多く、被害額の三六・五%を占めています。私の地元の掛川市でもイノシシの被害は甚大で被害額全体の約七〇%を占めている現状にあります。丹精込めて生産した作物が被害に遭うことは生産者の意欲に及ぼす影響も非常に大きいものがあります。
 このような状況から、イノシシ被害を低減するためには積極的なイノシシの捕獲に向けた取り組みが必要と考えるところであります。
 そこで、県におけるイノシシの捕獲に向けた取り組みについて伺います。
 また、平成二十五年九月議会で県の研究所におけるイノシシの被害対策の取り組みについて質問しましたところ、森林・林業研究センターがイノシシを効率的かつ安全に捕獲するための研究を開始し、イノシシの行動範囲などを調査するほか、安全かつ簡単に設置できるわな具等の開発に取り組むとの答弁がありました。
 この研究は実施期間が平成二十七年度までであると承知しておりますが、特に被害が深刻化している中山間地域の農林業者の期待が大きいことから、これまでに得られた研究の成果について伺います。
 次に、気候変動による雨量の増加に対応した河川整備について伺います。
 近年、地球温暖化による気候の変動等に伴い全国的に豪雨が頻発しており、浸水被害や土砂災害を引き起こすような一時間当たり百ミリメートルに近い降雨も珍しくなくなっています。今年度も広島における土砂災害を初め全国各地で豪雨による水害、土砂災害が発生し、災害の危険性が高まっております。県内においても昨年十月に来襲した台風十八号に伴う豪雨により静岡市を中心として総雨量四百ミリメートルを超えた地域もあり、県内の多くの地域で床上浸水などの大きな浸水被害が発生しました。
 私の住む掛川市においては、総雨量二百五十ミリメートルを超え、百戸程度の床下・床上浸水が発生し、寝たきりの高齢者の住宅が床上浸水になるなど大変心配される状況も聞きました。このようにこれまでの想定を超える降雨が頻発することで県民の水害に対する不安が高まっています。
 昨年九月定例会では、局地的な降雨に対応するため河川の点検、巡視の徹底を図り、優先度の高いところからしゅんせつ等の対策を重点的に実施していくとの答弁がありました。河川の適切な維持管理は県民にとって喜ばしいことであり、着実な事業の実施を期待するものであります。
 しかしながら、こうした対策も重要でありますが、あくまでも現状の流下能力を最大限に発揮させるための対策であり、抜本的な対策としては河道の拡幅などの河川改修や遊水地の整備をあわせて進めていくことが大変重要であります。これまでも河川改修等に取り組んでいただき浸水被害の軽減など事業効果があらわれておりますが、今後の河川整備を行うに当たっては近年の雨の降り方を見ますと、増加する雨量に対しては長期的な視点に立って河川断面が今の計画のままでよいのか検討する必要があるのではないかと考えます。県管理河川の現在の整備率が一時間当たり五十ミリメートルの降雨に対して五三%程度とされる一方で、気候変動により雨量が増加していると言われる中、県内各地で想定を上回る豪雨による浸水被害が心配されます。
 そこで、雨量の増加に対応した河川整備について全県的にどのように考えているのか、県の所見を伺います。
 次に、原子力災害時における要配慮者の避難対策について伺います。
 県では現在、原子力災害の発生に備え避難計画を策定しているところであります。この計画については浜岡原子力発電所から三十一キロメートル圏内である原子力災害対策重点区域に係る十一市町の住民、約九十五万人の避難先確保に向け、南海トラフ巨大地震との複合災害も想定し、県内や隣接県にとどまらず関東甲信地方や北陸地方の都県との間で協議を進めているところであり、早期の策定を期待するものです。
 一方で、避難計画の実効性をより高めていくことも重要です。今月六日には原子力防災訓練のうち現地での実動訓練が私の地元掛川市を含む周辺市町で実施されたところです。この訓練においては、住民の避難だけでなく病院の入院患者や福祉施設の入所者等の要配慮者の搬送の訓練も行っています。東日本大震災においては福島県で広域的な避難が行われましたが、地震と津波に加え原子力災害が発生した状況で現場は混乱し、特に避難において支援が必要な高齢者などの要配慮者への配慮を十分行うことができず、移動中や移動後にお亡くなりになられた方もいたと聞いています。このような状況を考えると、今回のような訓練を行うことは本当に必要であると思います。しかし発災時には訓練と同様に円滑に搬送ができるとは限らず、即座に避難することが困難となる場合も想定する必要があると思われます。
 県では、原子力災害時に迅速な避難が困難な要配慮者が一時退避する施設について、窓等を気密化した上で空気浄化フィルターを設置する放射線防護機能の整備を御前崎市内の四施設において進めているところであり、これは現実的な対応として評価できるものであります。
 このほど、対象となる地域が発電所から五キロメートル以内から十キロメートル以内まで拡大されたことからより積極的に取り組む必要があると考えますが、県の所見を伺います。
 また、放射線量が高くなり避難が必要な場合でも、市町において避難誘導等に従事する職員は災害対策拠点となる施設にとどまり災害対応を続けなければならないことが考えられます。一定期間は業務が継続できるよう、市町の拠点施設についても放射線防護機能の整備が可能とされたと聞いていますが、あわせてこの取り組みについて伺います。
 次に、道徳の教科化へ向けた取り組みについて伺います。
 昨年十月、文部科学大臣の諮問機関である中央教育審議会より、道徳に係る教育課程の改善等について答申がまとめられました。答申では道徳の時間においてその特質を生かした授業が行われていない場合があることや、発達の段階が上がるにつれ授業に対する児童生徒の受けとめがよくない状況にあるなどの課題が指摘されています。
 文部科学省が平成二十四年五月から六月にかけて実施した道徳教育実施状況調査の結果を見ると、指導の効果を把握することが困難と回答した小中学校の割合が約四五%、効果的な指導方法がわからないが約三五%、適切な教材の入手が難しいが約三二%となっていました。これだけの割合で課題を感じている小中学校がある現状を踏まえると、道徳教育に関する指導の改善を図っていく必要があるのではないでしょうか。また答申では、道徳の時間を教育課程上特別の教科道徳として新たに位置づけるとされ、教科化に当たっては検定教科書を使用すること、多様で効果的な指導方法を工夫することなどが示されているところであります。二月五日の新聞ではそうした答申内容が反映された形で学習指導要領の改訂案が文部科学省より公表されたことが報道されました。
 特別の教科道徳の完全実施の時期は教科書の作成、検定、採択の期間を置いて、小学校は平成三十年度、中学校は翌三十一年度を予定されているようですが、それまでの移行期間に各学校、各教員に対し県教育委員会として道徳教育の改善の必要性や改訂される学習指導要領の内容、効果的な指導方法等について周知を図ることで、各学校において完全実施に向けた着実な取り組みが進められなければなりません。
 そこで、道徳の教科化へ向けて、今後県教育委員会としてどのような取り組みを行っていくか教育長に伺います。
 最後に、いじめ防止対策について伺います。
 平成二十三年十月に発生した大津市におけるいじめ自殺事件は、三年を経過した今現在であっても記憶に鮮明に残っており絶対に風化させてはならないことであると感じています。この社会問題化した事件を受けて社会総がかりでいじめの問題に対峙するため、平成二十五年九月にいじめの対応を法律化したいじめ防止対策推進法が制定され、一年以上が経過したところであります。各学校においては法律の制定を受けていじめの未然防止、早期発見、早期解決に取り組んできたことと思います。
 昨年十月十六日に公表されました文部科学省の調査によりますと、静岡県内の学校におけるいじめ認知件数は合計で四千五百二十九件であり、平成二十四年度の調査と比べると大きく減少しています。これはいじめが社会問題化したことや法律が制定されたことにより、いじめに対する児童生徒の意識が高まり結果的にそれが抑止効果となったと考えることができると思います。また各学校において、いじめの問題に対してこれまで以上に未然防止、早期発見、早期解決に取り組んできたことの成果でもあるでしょう。しかしながらいまだにいじめの根絶とはならず、学校現場では大きな問題にならなくても、いじめで苦しむ生徒は後を絶ちません。他県においては、法律施行後においてもいじめが原因で自殺したとされる生徒が出ているとの報道が複数なされているところであります。
 また、いじめの内容を見ますと、スマートフォンを使ったLINEやツイッターなどのSNSを介したいじめなど教員や保護者などの大人の見えないところで行われるケースも多く発生しており、こうした社会の変化に対応した対策も求められます。いじめへの対策は、児童生徒や教員はもとより保護者をも含めて全ての関係者に対して法律の趣旨が十分に浸透し、いじめが根絶するまで対策をさらに充実強化していくことが必要であると考えています。
 そこで、いじめ防止対策推進法制定後一年余りを経過した今、県教育委員会としていじめの根絶に向けて今後どのように取り組んでいくのか、教育長の所見を伺います。以上について答弁を求めます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(伊藤育子君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 東堂議員にお答えいたします。
 人口減少社会における多文化共生の取り組みについてであります。
 現在、静岡県には七万人を超える外国人が生活をされています。したがいまして五十人に一人が外国人ということでございます。日本の人口が減少し、また本県におきましても同様の事態が起こっておりますので、社会が活力を維持するには日本人県民と外国人県民がともに住みやすく活躍しやすい、異なる文化を尊重し合う多文化共生の地域づくりを進めることが大切です。特に留学生は日本に憧れて、あるいは静岡県に憧れてこちらに来ていますので、留学生を大切にし日本に住んでいる外国人に活躍していただいて地域の活性化を図ることが重要であります。
 静岡県では、日本人と外国人の交流を促進し多文化共生意識の定着を図るため、日本人県民と外国人県民との協働によって作成された身近な外国人とのコミュニケーションづくりのための多文化共生の手引きの活用や、ショッピングモール等で各国の文化を体験し両県民が交流するイベントの開催、ふじのくに留学生親善大使による県民との異文化交流などを進めてまいりました。また外国人県民も安心して快適に暮らせるようにラジオ等による多言語での生活情報の提供、外国人の子供の不就学の解消、学校での学習支援等々に取り組んでおりますが、外国人県民の地域活動への積極的な参加も促し外国人コミュニティーと連携した防災研修などにも努めているところであります。
 引き続き、外国人県民との交流や相互理解を図るための機会を拡充するとともに、県内で活躍している在住外国人のインターネットによる紹介などを通じて、ふじのくに静岡県は留学生にも外国人一般にも住みやすく、また能力を発揮しやすいところであるということを県内外に積極的に発信し、留学生の受け入れ、外国人の定住人口の拡大につなげてまいります。
 次に、原子力災害時における要配慮者の避難対策についてであります。
 原子力災害は起こしてはなりませんけれども、仮にも原子力災害が発生いたしますと地域住民が避難や家族の安否確認等で大きく混乱することになります。そうした中、入院患者、あるいは介護施設の入所者など早期の避難が困難な方々、すなわち要配慮者はどうすればよいか。差し当たっては放射能の影響を避け、周囲の混乱が落ちつくまで屋内に一時避難することが現実的に有効な手段となります。そこで要配慮者の屋内退避施設の放射線防護設備を整えることにいたしまして、今年度は浜岡原子力発電所から五キロ圏内の病院や老人福祉施設等四施設において整備しております。さらに国の補助対象区域が原子力発電所からおおむね十キロ圏内に拡大されたことを受けまして、さらに三施設の整備を計画することといたしました。これに加え庁舎や消防本部など市町の災害拠点施設につきましても補助金の活用が可能となりましたので、二施設におきまして整備を計画することとし、合わせて五施設の整備費について今議会にお諮りするとともに、国に要望しているところでございます。
 こうした放射線防護対策は住民の被曝を低減し避難計画の実効性を高めますので、国に対し十キロ圏内にとどまらず補助対象区域の一層の拡大を求めてまいります。それとともに、関係する市町と連携いたしまして要配慮者を含め地域住民の皆様がより安全に避難できるよう、原子力防災体制の充実に取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(伊藤育子君) 池谷くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 池谷 廣君登壇)
○くらし・環境部長(池谷 廣君) 老朽空き家対策についてお答えいたします。
 空き家、なかんずく長年放置された老朽空き家が社会的に大きな問題となっております。県内でも掛川市など四市町では、空き家等の適正管理に関する条例を制定するなど積極的に取り組み始めた市町もありますが、総体として対策はこれからという状況にあります。
 こうした中、昨年十一月に空家等対策の推進に関する特別措置法が制定され、空き家等への立入調査や所有者等に関する固定資産税情報の内部利用のほか、危険な老朽空き家の所有者等への指導、勧告、命令や行政代執行などの権限が市町村長に認められました。また法では空き家に関するデータベースや対策計画の作成、空き家やその跡地の活用方策の検討など総合的かつ計画的に空き家対策を推進することを市町村長に求めているほか、県に対しましては市町村が講ずる措置について必要な支援に努めなければならないとされております。
 こうしたことから、県では今後研修会等を通じて市町に対して法制度の周知徹底、先進的な取り組み事例の紹介、技術的な助言などの支援を行うとともに、意欲ある市町と不動産等の関係団体などを交えてモデルとなる老朽空き家対策について研究を進めてまいります。さらに空き家の所有者等の意識の向上やリフォームなどによる空き家の流通の促進など老朽空き家の発生の未然防止に努めてまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 土屋経済産業部長。
       (経済産業部長 土屋優行君登壇)
○経済産業部長(土屋優行君) イノシシ被害対策の取り組みについてお答えいたします。
 県ではこれまで、イノシシの捕獲を推進するため市町や地域が行う箱わな等の機材整備や捕獲活動に対し支援してきたほか、市町や農協職員等を対象に各地域でわなや侵入防止柵の設置等を指導する鳥獣被害対策総合アドバイザーを今年度までに二百八十四人養成しております。
 こうした取り組みにより、イノシシの被害額は平成二十五年度には約一億六千万円とピーク時から半減してまいりましたが、議員御指摘のとおり依然としてその被害は深刻であります。このため今後の各市町の捕獲目標を前年度の捕獲実績以上にするよう指導いたしますとともに、捕獲に対する支援を一頭七千円から、平成二十七年度には八千円に増額する予算案を本議会にお諮りしております。
 また、森林・林業研究センターが自動撮影カメラ等により行動を調査したところ、イノシシは広範囲を移動するのではなく、ある程度決まったエリアの畑地を餌場として巡回していることが明らかになりました。さらに新型のくくりわなや電気ショックによるとめ刺し器具などについて、平成二十七年度中の実用化に向け開発中であります。
 県といたしましては、今後も捕獲対策への支援や研究成果の活用により安全で効率的な捕獲の推進とともに、侵入防止柵の設置などの予防対策等も含めイノシシの被害防止対策を総合的に進めてまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 気候変動による雨量の増加に対応した河川整備についてお答えいたします。
 本県の河川整備は、これまで洪水による浸水被害の危険性や流域の資産などを勘案して当面の整備目標である時間雨量五十ミリメートルに対応した河道の拡幅や遊水地の整備など予防型対策を実施し、治水安全度の向上を図ってまいりました。さらに近年、床上浸水など大きな被害のあった河川については、同様な災害を再び発生させないよう災害復旧事業とあわせて河川断面を拡幅改良するなどの災害対応型対策をスピード感を持って推進しているところであります。雨量の増加に対応した抜本的な河川整備については、下流域からの整備の必要性や財政面での制約などにより長期間を要することから、まずは現在実施している改修計画を推進し一定の治水安全度を確保した後に、さらなる河川断面を確保するなどの段階的な整備により減災効果の早期発現に取り組んでまいります。
 県といたしましては、河川改修や貯留施設などの整備を進めるとともに、防災情報の提供による警戒避難体制の拡充などソフト対策も組み合わせた総合的な浸水被害軽減対策を推進し、県民の皆様が安全で安心して暮らせる水害に強い県土づくりに努めてまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 安倍教育長。
      (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 道徳の教科化へ向けた取り組みについてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、教科化への着実な移行を図り道徳教育の改善充実を進めていくことは、児童生徒の豊かな道徳性を育む上で重要であると認識をしております。
 本県では、各学校において現行学習指導要領に基づき道徳の時間を指導のかなめとして学校の教育活動全体を通して道徳教育が行われており、また児童生徒の発達段階に応じた指導方法の工夫についても取り組まれているところでありますが、一層の工夫改善が必要であると考えております。このことから、県教育委員会では毎年道徳教育推進地区を指定し先進的実践研究を実施しているところであり、今年度は掛川市と伊豆の国市において実践研究が行われております。今後はその成果を県内小中学校へ広め道徳教育の充実を支援してまいります。
 また、現在文部科学省では教科化へ向けて学習指導要領の改訂作業が行われており、ことしの夏までに改訂の趣旨や内容等について各県への説明が行われる予定であります。
 県教育委員会といたしましては、この説明を受け各学校の道徳教育推進教師を対象とした研修会を開き改訂学習指導要領の内容について周知を図るとともに、道徳の時間の指導方法等について協議を行い道徳教育のさらなる改善充実に努めてまいります。
 次に、いじめ防止対策についてであります。
 議員御指摘のとおり、昨年度のいじめの認知件数は減少したものの、いじめの根絶には至っていない状況であります。
 県教育委員会では、いじめ防止対策推進法の施行を受けいじめ防止基本方針を策定するとともに、昨年二月県議会で議決いただいた条例に基づき、外部の専門家や関係機関の代表者等から成るいじめ問題対策連絡協議会及びいじめ問題対策本部を設置し、いじめの発生状況についての調査研究やいじめ防止対策の検討を行っていただいており、この検討結果を各学校での指導に生かしていくこととしております。
 また、県内の全ての公立学校におきまして既にいじめ防止のための学校基本方針の策定や校内組織の設置を行い、いじめの根絶に向けて具体的な活動を実践しているところであります。さらに最近増加しておりますSNSを使ったいじめを早期に発見するため、今年度からスクールネットパトロール事業を実施するなどいじめの内容の変化に対応し、より効果的な対策も推進しているところであります。
 今後とも、市町教育委員会を初め専門機関等と十分に連携しながら、いじめの根絶に向けたさまざまな対策に社会総がかりで取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 二十番 東堂陽一君。
       (二十番 東堂陽一君登壇)
○二十番(東堂陽一君) 御答弁ありがとうございました。何点か再質問させていただきます。
 まず、一番の人口減少社会における多文化共生の取り組みについてでありますけれども、静岡県の留学生のお話をいただきました。留学生の数が減少している、あるいはそれに伴って留学生が県内で就職している数も減少しているのではないかというお話も伺いました。一方、今アジアを中心にして、大変日本あるいは日本語がブームであるということも聞いております。多くの若者が日本への訪問を希望する、そういう状態でもあるとも聞きました。その状況を見まして県内の大学への留学生の受け入れについて何らかの改善策を講じる必要もあるのではないかという思いをしましたが、そこに何かお考えがあるかどうかお聞きしたいというふうに思います。
 二つ目は、イノシシの被害でございますけれども、四年間議員をやってきて毎回のようにこの質問をしておりますけれども、ニホンジカに比べるとイノシシは少し対応がおくれているということをいつも申してまいりましたけれども、今もその思いを持っております。ぜひ、もう少しイノシシのことも進めてほしいと思いますけれども、お考えをお伺いしたいというふうに思います。
 イノシシの研究の話でございますけれども、委員会でも申し上げましたが、その中でGPSをイノシシにつけて生態調査をしたいというお話を聞きました。なかなか実際にはこれが難しいというふうに聞きましたけれども、このGPSをつけて生態調査が必要であるのか、進める考えがあるかどうか再度お伺いしたい。私はもう地元でつくという話をしていますので、ぜひ検討をお願いしたいと思いますが、質問にさせていただきます。
 三番目は、気候変動における雨量の増加に対応した河川整備ですけれども、段階的に整備を進めてソフト対策も進めるという、そういうお答えであると思いますけれども、実際に河川の断面を変更するということになりますと、これが一番理想ではあるかもしれませんけれどもお金も時間もかかる。土地も必要ですし、河川の総延長も大変な数だと思いますので、果たして本当にそういうことができるのかという疑問も持ちます。気候変動ということ、あるいは温暖化、雨量の増加。あるいはもっと、それに伴って山の手入れができていないことなどいろんな豪雨、集中豪雨、河川の増水について原因が指摘されておりますけれども、一体どこから手をつけたらいいんだろうというような思いがあります。河川の断面の対応ということが本当に技術的に完全に対応できるのか大変な疑問も持っております。私はどこから手をつけるべきか、そういう考えもしっかり持っていくべきではないか。その気候変動とかいうものに対してもしっかり考えを持っていくべき、そういう考え方も必要なのかというふうに思いますが、そこのお考えをお聞きしたいというふうに思います。
 次に、原子力災害時における要配慮者の避難対策。知事からは、十キロメートル以上の範囲についても拡大を求めていくという前向きなお言葉をいただいて、ありがたいなと思いましたけれども、とりあえず十キロ圏内において、今お示しいただいた施設以外にもまだ追加を考えている地域があるのか、県としてそういう考えているところがあるのかどうかということをお聞きしたいというふうに思います。
 最後に、いじめ防止対策についてでありますけれども、いじめ防止基本方針は八六・五%、県内では策定済みであると報告を見ましたけれども、これが具体的な方針になっているのか。静岡県の話ではありませんけれども、教育委員会が用意したひな形をほぼそのまま使って、防止に取り組む姿勢を全教職員で示しますとか、防止のための校内組織を設置しますなどのひな形どおりの文言を並べた学校も多いというような指摘もあります。
 静岡県ではそこがどうなっているのか。学校基本方針を踏み込んで調べているか。実態がどうなっているのかお聞きしたいというふうに思います。
 以上、五点になりましたが、再質問をよろしくお願いいたします。
○副議長(伊藤育子君) 白井企画広報部長。
○企画広報部長(白井 滿君) 人口減少社会における多文化共生の取り組みについての再質問にお答えをいたします。
 県内にいます留学生の数は、平成二十一年の千六百一人から平成二十六年では千三十人ということで減少をしております。これは国家間の問題等さまざまなことがあって大きく減っている国もあります。他方、東南アジアのほうを中心に日本への留学希望というものも多く聞かれておりますので、地域外交を展開する中で東南アジア方面に観光プロモーション等に行くことにあわせまして留学フェアを開催をしたりするということで静岡への留学についての情報提供を進めてまいります。
 また、実際に静岡県に留学される学生さんたちの受け入れに関しましては大学コンソーシアムさんも積極的に取り組んでいただいておりますので、県とコンソーシアムとも連携をして留学生を受け入れやすい環境の整備、生活しやすい環境の整備に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(伊藤育子君) 土屋経済産業部長。
○経済産業部長(土屋優行君) イノシシ被害対策の取り組みについての再質問にお答えいたします。
 イノシシとニホンジカに対する対応が、イノシシが遅いのではないかという御質問でございますが、イノシシにつきまして二十五年度、先ほど申し上げました一億六千万円ほどの被害が出てございます。ニホンジカに関しましても一億三千万円近い被害額が出ているということでございまして、それに関しましては両方ともに対応としてはしっかりしなければいけないということで対応してまいっております。
 その中で、両方の捕獲方式について共通に使えるものもあるということから相互の研究等については共通の対応をさせていただいてございます。具体的には先ほど申し上げましたくくりわなに関しますと、これは二十二年から二十四年のニホンジカ対策ということで考えました静岡の形をつくりました。それをイノシシに合うような改善をするということでございまして、それについても来年度――二十七年度には実用化ということで、企業のほうから、共同研究しているメーカーのほうから販売する予定だということでございまして、イノシシに関して若干おくれているのではないかという御指摘でございますけれども両方ともに進めてまいりたいと思ってございます。
 それからGPSの件でございますが、GPSをイノシシにつけて行動を見ようということだったんですが、実は物理的な課題がございまして、イノシシの首というのが輪をつけてもイノシシの首が小さいものですからとれちゃうということがあって、なかなかGPSがつながりませんでした。そういうこともあって、先ほど申し上げましたように自動撮影カメラで生態を確認したということでございます。そういうことで動向につきましては大体わかりましたので、そういう対策をしっかりとっていきたいと思います。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 野知交通基盤部長。
○交通基盤部長(野知泰裕君) 気候変動に対します雨量の増加に対応した河川整備についての再質問にお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、治水安全度の向上のために再度の河川拡幅等の整備については大変長期間を要するということがございます。そのためには短期的な対策としてどうしていくかということが重要であろうかというふうに思います。そのために浸水想定区域図ですとか、あるいは洪水ハザードマップの作成、公表、あるいはハザードマップを活用した防災訓練によります地域防災力の向上、あるいは適切な土地利用の誘導ですとか開発抑制、あるいは森林、農地の保全などそういったソフト対策の組み合わせによりまして、流域全体で総合的な浸水被害に対する軽減対策を今後とも引き続き推進してまいりたいと思っております。以上でございます。
○副議長(伊藤育子君) 岩田危機管理監。
○危機管理監(岩田孝仁君) 原子力災害に対しての要配慮者の避難施設、追加はさらにあるかということで、十キロ圏内にもまだ若干数施設、まだ未整備の施設がございまして、引き続き国のこういった制度を、来年度も私どもとしては期待していきたいというふうに考えておりますので、そういった制度がありましたらぜひ拡大をお願いしていきたいというふうに考えています。十キロ以遠にさらに優先して、十キロ圏内を最優先で整備をすることを私どもとしても求めていきたいというふうに考えています。
○副議長(伊藤育子君) 安倍教育長。
○教育長(安倍 徹君) いじめ防止対策についての再質問にお答えいたします。
 議員から御指摘がございましたように、各学校で基本方針、あるいは校内組織の設置ということは全ての公立学校で行われているわけですけれども、よりそれが実効性のあるものになっているかということでございました。
 先ほどの御答弁の中で申し上げましたように、県として対策連絡協議会、あるいは対策本部を設置して、そこでいろいろな調査研究等を行う中でより各学校で実効性のある対応というものも検討しておりますので、この検討結果を踏まえまして各学校への指導に生かしていきたいなというふうに思っているところでございます。以上であります。

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