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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年9月静岡県議会定例会

東堂 陽一 議員(自民改革会議)の 一般質問 に対する答弁

(質問日:10/01/2020番目)
答 弁 者副知事


○副議長(良知淳行君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) リニア中央新幹線整備による水量減少問題についてお答えをいたします。
 水収支解析につきましては、JR東海はこれまで解析モデルの精度は高いとして水収支解析結果によればという説明を続けてきました。しかしこれまでの県の専門部会や国土交通省が設置した有識者会議の議論から、県ではJR東海が用いる水収支解析モデルには多くの問題点があると考えております。
 最も基礎的な問題は解析の目的とモデルの解析方法が合っていないことです。すなわち何を知りたいのか、それを知るためにどういう解析モデルが適切かを考えることが極めて重要です。
 今回の解析の目的はトンネル掘削による河川水や地下水への影響を推定することです。その目的のためにはモデルによって地中の地下水の動きを再現することが必要です。しかしながらJR東海の水収支解析モデルにおいては地下水の動きをモデルとして再現性ができるかどうかという検証はされておりません。JR東海のモデルは降雨と河川流量の関係を概括的に把握するためには有効ですが、トンネル掘削による地下水の動きの変化を再現するには限界があります。
 さらに、モデルに入力する地盤条件や境界条件などにも様々な問題があります。例えば地形・地盤モデルの単位は縦横百メートル、高さ二十五メートルに分割した単純なブロックで計算をしていますが、百メートルとして同じ地質はないと言われる極めて複雑な南アルプスにおいて湧水量の推定に重要な断層の広がりも考慮されておりません。このような単純な計算単位では地質の変化に十分対応ができていません。
 また、土の中での水の移動のしやすさを表す透水係数においてJR東海は水が移動しやすい側の一部のデータを外れ値として根拠なく除外しております。仮にこの除外した透水係数を用いればJR東海の試算よりより多くの値、そしてより速くトンネル上部の沢の流量低下が起こりかねません。
 さらに解析で用いる降水量ですが、これは全ての表流水と地下水の源ですので最も重要な解析データと言えます。JR東海は上流部の一か所の観測所データのみを参考にし、その値を計算に合わせるために再度修正した結果、年間降水量を平年値で四千二百ミリメートルと推定をしております。この数値には地元関係者からも現実と違うという疑問の声が聞かれます。
 このような少ない現地観測データを用いた、解析目的に合わない解析方法による机上の計算のみにより結論を導こうとする方法は、県の専門部会においてもあまりにも恣意的ではないかという指摘をされております。このように多くの問題があると言わざるを得ません。
 このようなことから、これまで県及び専門部会はJR東海の水収支解析は上流域の水収支の概略を把握するために使うのはよいけれども、トンネル掘削によるトンネル湧水量の推定や河川流量の変化の精度の推定には限界があると繰り返し述べてきました。しかしながら国の有識者会議でのJR東海の説明は基本的に専門部会のときと変わりませんでした。
 このことから、JR東海がモデルの精度は高いとして解析結果が確定値であるかのような説明をこれ以上続けることのないよう、八月十三日付で私から国土交通省鉄道局長宛てに水収支解析に関する静岡県の考察を提出しました。この中でこれ以上の不毛な議論は望まないということも申し上げました。
 今後の有識者会議においては、この静岡県の考察を踏まえた上で大井川の水利用と南アルプスの自然環境の特殊性を考慮して、地質データや地下水の水質分析といった化学的なデータを用いて、工事による中下流域の地下水や生態系への影響等について多方面から実態に即した議論が行われて地域住民の皆様にも分かりやすく示されるということを期待をしております。以上です。

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静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp