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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年9月静岡県議会定例会

野崎 正蔵 議員(自民改革会議)の 代表質問 に対する答弁

(質問日:09/28/2015番目)
答 弁 者知事


○議長(吉川雄二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 野崎議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、県都構想についてでございます。
 二十一世紀になりまして、日本の人口は急速に減少傾向を深めてまいりました。静岡県も例外ではありません。六年前、私が知事に就任しましたときには静岡県民三百八十万人と言っておりましたけれども、今や三百七十万を切って三百六十万人台になっているというのが現状でございます。またグローバル化の中で日本の経済構造も産業構造も転換を迫られております。それに応じた形で社会構造も変わらねばならないということでこざいます。何よりも大切なことは、静岡県民の皆様方が安全で快適な生活を維持して豊かで魅力的な地域社会を形成するということでございます。官民一体となってこれを推進していかねばなりませんけれども、官すわち行政は県民の皆様方の税金を使っているものでございますから、行政の効率化、最適化というのが至上課題ということになります。
 道府県と政令指定都市との間におきましては、これまで二重行政による非効率性が課題であると指摘されてまいりました。御案内のように昭和十八年に東京府と東京市の二重行政を一元化するために東京都がつくられたわけです。また戦後になりまして、それと同じような形で当時の五大都市が府県から自立をする特別市というのが昭和三十一年まで存在しておりました。府県はそうした五大都市から出ていきなさいということでございました。しかしながら当時の府県――京都府、大阪府、兵庫県、愛知県、神奈川県の知事さんたちは、それは困るということで結果的に昭和三十一年に特別自治市の上に県がかぶさるということになりまして、以来二重行政が一貫して課題になってきました。それを解消する方法というのはもともとございました特別自治市になると。言いかえますと府県がその市域から出ていくということでございます。これが現在、政令市の皆様方が一貫して主張されてきたことでございました。
 この政令市といいましても二十ございますけれども、道府県庁が――県庁が、府庁が、道庁が所在する政令市というのは十五ございます。そこにおきましてはどうしてもさまざまな二重の行政が出てまいります。静岡市には県立の図書館、あるいはプール、あるいは美術館、そうしたものが市と重なってもおりますし、それを数え上げますと同じ政令市でも浜松市にはそういうものはありません。ですからこれは静岡市と県との問題のみならず、十五の政令市が県庁に、あるいは道庁に、府庁に所在しているところにおいては同じ問題があるわけでございます。
 その解決の方法は、大きく言えば一元化、一体化ということでございます。この一元化ということにつきましては、浜松市のように二百数十万人の市域を、広域的な市域をこれから形成していくというそうした動きが三遠南信運動としてございますから、そこはいわば浜松市による一元化ということが現実的です。しかしこの静岡市におきましては政令市と県とが同時に存在しているということで、それに応じた形での一元化ないし一体化を図らねばならないと。府市協調とか県市協調というのは言葉としてはきれいですけれども、協調をさらに進めて一体化することが行政の最適化あるいは効率化ということになるということでございます。そうした中で県都構想を提言したわけでございます。
 構想の実現には大都市地域における特別区の設置に関する法律というのが根拠法になるわけです。この法律もございますので、そこに一行県庁の所在する指定都市もこの法律の対象になると。県庁に所在する指定都市、わずか十字余りです。これをつけ加えれば法律の問題はクリアできます。しかしその法律の問題以外にもさまざまな手続があるのは先ほど野崎議員が御指摘されたとおりでございます。何よりも構想への理解を広く得ていくということが必要です。
 こうした課題は、繰り返し述べますとおり静岡県と静岡市との間にとどまらず全国的な課題でございます。私は、いわゆるふじのくにづくりとして総括できるような地域づくりも、日本の国のために静岡県が何ができるか。さらに言えば先進的なモデルとして国がそれに追随されればよろしいという先行モデルをどのようにつくるかということに腐心してまいりました。県都構想もその一環であり、静岡県と静岡市のみにとどまらず、北は例えば札幌市と北海道、仙台市と宮城県、さいたま市と埼玉県、千葉市と千葉県、横浜市と神奈川県、名古屋市と愛知県、京都市と京都府、大阪市と大阪府、神戸市と兵庫県、岡山市と岡山県、広島市と広島県、さらに熊本市と熊本県、福岡市と福岡県、新潟市と新潟県。このように十五、そして本県の静岡市と静岡県。同じ問題があるわけです。その問題をどう解決するかというのが県都の構想なんですね。
 そうした中で、私は全国知事会で前回岡山で開かれましたところでこれを提言いたしました。さらにまた関東知事会というのにも属しています。中部知事会にも属しています。そこで提言をしておりますし、この秋には関東知事会で正式にこれを御提言申し上げるというふうにしてまいるつもりでございます。また指定都市市長会の会長は現在は横浜市長さん、副会長が浜松市長さんです。両会長、副会長にも、もう既に御説明を申し上げ御理解を得ているところでございます。
 また、国会議員の方々に対しても県都構想の趣旨説明を始めております。とりわけ静岡市が政令指定都市になったことについて有力な国会議員の先生と話しましたところ、現在の状況を非常に憂えているということでございました。
 今の静岡市の人口は議員御案内のように七十万三千三百九十三人です、九月一日現在で。一カ月前の八月一日では七十万三千七百二十四人でしたから一カ月で三百三十一人減っているんです。一カ月で三百三十一人減りますと、それを十二倍しますれば四千人近くになります。そうしますとこれは七十万を切ることになります。七十万を切りますと政令指定都市の人口基準、運用条件というものが現在は百万に戻されているんですが、その平成の大合併の特別な例――特例として七十万まで下げられたんですね。そのときに七十一万六千人あった人口が今七十万を切りつつあると。そうしますと政令指定都市としての資格を失うことになります。どうしたらいいのかということを考えねばならないということです。それが県民、市民のためにどのようになるかということを考えねばならないという、そういう段階に来ているということですね。
 それで、構想の対象となる静岡市に対しましては、市長さんはもとより市議会、なかんずく市民の皆様、そしてまた県議会、なかんずく県議会のうち静岡市御出身の、静岡市選出の議員の先生方の御理解を得ねばなりません。ですから今回も野崎議員がこの件について御質問されるというのは私は先週の末に知ったわけですけれども、前もって来られればいつでも詳しく説明できましたし、また県議会の皆様方にはいつでも御説明申し上げるのでということで個別にはしておりますけれども、会派として言われればいつでもそれに応じるという、今その日程を調整していただいているんじゃないかと思いますけれども、そうした県議会の皆様方の御理解も賜るということで大勢の方々の御理解を賜るということが大事です。また何といっても市民のために、県民のためにこれはすることでございますので、その県都構想の趣旨であるとか必要性について丁寧に御説明を申し上げるという態度でおります。
 具体的には、できる限り早い時期に県議会の皆様方と個別に時間をいただければと思いますけれども、市民の皆様に対しましては十月に静岡市内において知事広聴。もうこれは三十八回県下でやってきたものでございますけれども、「平太さんと語ろう」と題する知事広聴を十月中に三回静岡市内で開催する予定でございまして、その中で御関心の高い県都構想について御説明を申し上げたいと思っております。
 このように、地域の実情に応じた新しい大都市制度の創設、導入をすることが、人口減少の中、また政令市という人口要件をしっかり持ったそういう政令市が今、その資格を最初に失うのが静岡市であります。というのは静岡市の人口は、政令市で一番多いのは横浜市ですけれども三百七十万人以上います。うちの県よりも多いんです。一番少ないのが本県の静岡市なんです。ですからそういう、大きく政令市といっても懸隔があるわけですけれども、危機的な状況にある、制度的にもですね。そこについて御理解を賜らないと市民、県民のためにならないということでございます。
 そしてまたそのことは、広く十五の県庁、道庁、府庁があるところに政令市が所在しているというところにそのまま当てはまることでございまして、これまでは府県が出ていけばよろしいということしかなくて我々は黙っていました。私自身はそのような御主張を浜松市長、静岡市長から数年前に賜って、そのために実は腐心をし全国で最大の権限これを移譲してきたものであります。場合によっては県庁をどこかに移すということで、こちらで問題視されたこともあったかと思いますけれども、それは静岡市、浜松市が自立をするために動いてきたからです。残念ながらそれの実力がないというのが静岡市であるのでこうした客観的な現状認識に立って、新しい課題としての県都構想ということでございますので、これを御説明申し上げておりますから。しかもこれは繰り返し申しますけれども、静岡県と静岡市のみならず全国に対して大都市制度のあり方を考える問題提起であるという、そういう自負を持って進めているものでございます。
 次に、富士山世界遺産センターについてであります。
 富士山世界遺産センター――これは仮称ですけれども――このセンターは富士山の保存管理の拠点として、また富士山の普遍的価値を国内外に向けて発信する拠点として整備を進めております。来年二月一日までにユネスコ世界遺産センターに提出する予定の保全状況報告書におきましても、情報提供戦略の拠点施設として位置づけることにしております。六月に実施いたしました入札の不調の原因につきましては設計会社と分析を進めました。その結果、主に逆さ富士のデザインの骨格となる鉄骨の組み立て及び加工に要する費用について、また施工手順や加工精度についての考え方の相違などから県の設計額と入札参加者の見積額との間に大きな開きが生じたことによるという認識を持っています。
 現在、県議会から厳しい御意見を頂戴いたしました。その御意見を踏まえた上で拠点施設としての所要の機能を確保しなければなりません。「守る」、「伝える」、「交わる」、「究める」。この機能を確保しつつ再入札が成立し施設整備に着手できるよう、建設工事費の圧縮を含めあらゆる方策について検討中でございます。保全状況報告書を説得力あるものとするためにもできる限り早期にセンターを完成させて、山梨県や関係市町などと連携しセンターが担うべき役割を十分果たすことができるよう努めてまいります。
 次に、県職員の不祥事の防止についてであります。
 私は、公務員は人のため世のために働くことのできる、それを天職とすることができるまことに崇高な職業であるという認識を持っております。またそういう認識を全ての公務員は自覚して持たねばならないという考えを持っております。しかし職員が窃盗未遂であるとか青少年のための良好な環境整備に関する条例違反で逮捕されて、県民の皆様の県に対する信頼を著しく損なう結果となりましたことはまことにもって遺憾であります。
 県では、全職員が参加するコンプライアンス推進月間での取り組みなど全庁を挙げて綱紀の厳正保持に努めてまいりましたが、にもかかわらずこのような事態を招いていることを大変深刻に受けとめております。再びこうした事態が発生することのないよう不祥事の背景、要因を分析し、外部有識者で構成する静岡県コンプライアンス委員会の御意見も賜りながら、実効性のある再発防止策を進めるよう指示をいたしたところでございます。
 そのコンプライアンスにかかわる本といいますかマニュアルというのは大部のものです。しかしながら基本は極めて単純なことだと思います。うそ偽りを言わない、身に私を構えない、上にへつらわない、下に威張らない、礼節を失わない、信念をしっかり持って公正に務めると。こうしたことを公務員八箇条として、恐らく県職員の大半は自分のネームカードの裏に張っていると存じます。これを恥ずかしくも私、自分で考えまして、こうしたことはみずからが律すればいいことではあるんですけれども、みずからもちろん言った本人もそれを実行すると。私自身は来るものは拒まず、助力は惜しまず、見返りを求めずという公人三原則を実行しているつもりです。そして上にへつらわない、常に身に私を構えていないかどうかということが常に言えるような、そういう風通しのいい環境を身の回りの人たちとつくっているつもりであります。ともかくそうしたことをやっていけばこうした不祥事は防げると、あるいは大きく減らせるというふうに確信しているわけでございます。
 全職員が公務に携わる者として高い倫理規範が求められていることを自覚し、常に誠実に職務に精励することを通じて県民の皆様の信頼回復に努めてまいります。
 次に、美しい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生総合戦略についてのうち、会派の御提言いただきました対応と実効性の確保についてであります。
 去る七月十三日、自民改革会議の皆様から三十六項目に及ぶ貴重な御提言をいただき、感謝を改めて申し上げる次第であります。
 いただいた御提言、例えば災害等の課題を抱えた地域に進出する企業への支援、若い女性の就労ニーズの施策への反映、本県の強みを生かした移住・定住の促進、地域の実情に応じた少子化対策の推進等々、まさに地方創生に向けて取り組まなければならない施策であると認識しております。また御指摘のございました新規就農者の定着や高齢者の就職、多文化共生などの数値目標の見直しを含め、本議会で御審議いただく総合戦略の原案にしっかりと反映しておりますので、改めて御確認をいただきたいと存じます。
 さらに、国の地方創生先行型交付金の上乗せ交付を活用した施策の提言につきましては、清水港等へのクルーズ船誘致の推進や増加する外国人旅行者に対し宿泊施設が言語サービスを利用できる仕組みづくりなど、九月補正予算案に反映し本議会にお諮りをしているところでございます。以上、自民改革会議の各位からいただきました御提言を真摯に受けとめ、対応を図ったところであります。
 また、本県の総合戦略は若い世代の子供を二人以上持ちたいとする希望をかなえたいと。そこに基準を置いています。国は一・八と言っています。既に裾野市と長泉町は一・八二までやっているわけですから落とすわけにはいかない。希望はどこにあるか。若い世代の希望が二、三人だと言われている。しからば最低二、三人というのであれば人口維持の数字である二・〇七というのを目標にするということでありまして、これは若い人たちのために我々大人がやらねばならない、そういう目標値なのであります。
 野崎議員御指摘のとおり、実効性が伴わなければならないということでございます。このレベルの高い目標の達成に向けまして県、市町が連携をいたし、また産官学金労言の諸団体や県民の皆様との連携協働によりまして県民総ぐるみの取り組みを進めるということが大切です。そしてまた戦略の進捗や効果に対する毎年度の外部評価を行うことも大切です。プラン・ドゥー・チェック・アクション、PDCAサイクルをしっかり回していくということをしないことには実効性というものは確保できません。不断の見直しをしながら改善を徹底し、実効性を確保してまいりたいと存じます。
 急激な人口減少は地域経済の活力を奪いますし、生活サービス機能を低下させます。県民の暮らしにさまざまな影響を及ぼすことがはっきりしております。今後ともさまざまな場を通じて県民の皆様と危機意識の共有を図りながら、オール静岡で美しく、強く、しなやかな静岡型地方創生の取り組みを進めまして静岡の未来を切り開いてまいりたいと考えておりますので、引き続き県議会の皆様の御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
 次に、世界一美しいと言っていただきました伊豆半島についてのうち、伊豆半島ジオパークの今後の課題についてであります。
 まことに伊豆半島は世界一美しい半島であると私は確信をしておりますが、この伊豆半島をジオパークにするというジオパーク推進協議会の皆様を初め地元の期待が大変大きかっただけに、このたび鳥取県で行われました委員会におきまして伊豆半島のジオパークの世界ジオパークネットワーク加盟は先送りになりました。まことにもって残念でございました。今回の結果を伊豆半島が一つとなって発展するためのいわば産みの苦しみであるというふうに捉え返しまして、地元の皆様とともに再チャレンジをしてまいりたいと考えております。
 現在、世界ジオパークネットワーク事務局から十一月末までに追加資料の提出を求められております。十一月末にはパリにおきましてジオパークがユネスコの正式な機関の一つとなる可能性がありまして、それが十一月末までの提出期間と関係しているというふうに伺っております。提出するべき内容につきましては近々世界ジオパークネットワーク事務局から示される予定でございますので、それを確認した上で推進協議会と連携を密にして的確に対応してまいります。
 静岡県では、これまで推進協議会と一体となりましてジオガイドの養成、ビジターセンターの整備、ジオサイトの案内・誘導看板の設置、ジオツアーの商品造成等々、国内外からの来訪客の受け入れ体制の充実に取り組んできたところです。今後も外国人個人旅行者を対象とする広域観光ルートの整備など、引き続き推進協議会の活動を全面的に支援してまいります。
 また、四月には伊豆市に伊豆半島ジオパークの中央拠点施設がオープンするとともに、来年秋には「プラサ ヴェルデ」を会場にいたしまして日本ジオパーク全国大会が開催されることになりました。こうした機会を捉えまして伊豆半島ジオパークを国内外に向けて情報発信し、推進協議会と一体となって伊豆半島ジオパークを活用した「伊豆は一つ」というスローガンのもとに地域づくりを積極的に進めてまいります。
 次に、地域外交の成果と今後の取り組みについてであります。
 本県では平成二十三年度、地域外交局を設置いたしました。他県に例のないものです。平成二十四年度には地域外交の展開先として六つの重点国、重点地域を定めるとともに、観光交流、経済交流、教育・文化交流を柱とする基本方針を策定いたしました。積極的に地域間交流を展開してきた次第であります。
 昨年の状況を平成二十二年と比較いたしますと、観光交流につきましては海外での観光プロモーションや富士山静岡空港への路線誘致等によりまして県内の外国人延べ宿泊者数は六十万一千人から七十四万七千人にふえました。静岡空港の外国人出入国者数は十二万七千人から十四万七千人にふえました。こうした増加につながっております。経済交流につきましても海外ビジネスサポートデスクの設置、輸出商談会の開催等々によりまして県内企業の海外展開企業数は三百七十三社から四百三十七社にふえました。また県の海外市場開拓支援の取り組みにおける新規輸出件数が八十五件から百三十二件に増加いたしました。
 教育・文化交流につきましては、高校生の海外への修学旅行の促進を初めモンゴル、台湾を中心に高校生の相互交流や浙江省との友好交流卓球大会、民間外交支援事業などを通じて青少年の国際感覚の醸成や県民の皆様の間に多様な価値観についての認識を深め、また異文化への理解を深めていただくというそのような意図を持って進めているところであります。
 観光庁による訪日外国人の消費動向調査によりますと、旅行中の支出が一泊当たり約一万七百円だということです。昨年の本県における外国人宿泊者数の伸びから試算いたしますと約十五億六千万円の支出増加があったというふうに試算できます。本年六月までの外国人宿泊者数は対前年比二・六倍でございますので、いわゆる爆買い消費の状況も踏まえるとさらなる支出増加があったと見込んでおります。
 また、ことしの夏のモンゴル及び浙江省への訪問におきましては、本県のこれまでの取り組みが特にモンゴルにおきましては国レベルで高く評価され、浙江省におきましても、またモンゴルにおきましても最大級の歓待をしていただきまして、さらなる交流分野の拡大を求められております。地域外交が新しいステージに来ているという実感がございまして、費用に見合う効果は出ていると考えています。
 今後は、これまでの成果を踏まえましてさらなる交流人口の拡大に努めるとともに、経済交流から通商へと一段レベルを上げて相互に実のある取り組みを進めることにしております。特に中国につきましては難波副知事をトップとするプロジェクトチームを立ち上げました。通商に加え、浙江省のほうから御提言がありました環境、健康長寿、介護分野において学びたいということでございますので、こうした分野における交流にも取り組みます。
 なぜこれをするかというのは、ひとえに戦争をしないためです。争いは人の心の中で生じますから、人の心の中に争いを求めるような気持ちが生じないために相手のことを知ると。また相手に自分たちのことを知っていただくということのためであります。国連憲章にございますように、いかにして問題を平和的に解決するか。この平和的に解決するためにユネスコが設けられました。教育・文化を促進することを通して心の中に平和のとりでをつくれというのがユネスコにおける前文です。世界のジオパークになる、エコパークになる、世界文化遺産になると。こうしたことはこうした平和をつくるという試みでございまして、それは静岡県の中に世界レベルのユネスコが認めるものが複数ございますので、そうしたことを通じて国同士が争い事にならないようにするという、そういう使命感を持って地域外交を進めておりますので、結果的にそれが経済的にも裨益するということになっているということでございます。目的と手段は決してたがえてはならないというふうに考えております。
 県民の皆様や県内企業が多くの恩恵を享受できるよう――これは平和でないとできません――積極的に地域外交を推進してまいります。
 次に、森の力再生事業ともりづくり県民税の今後についてであります。
 森の力再生事業は、県民の皆様に特別に御負担をいただいているもりづくり県民税を財源とし森の力の回復を図るものであり、今年度末をもちまして目標とした一万二千三百ヘクタールの荒廃森林の整備を完了する見込みです。ありがとうございました。実施箇所では下層植生の回復などにより山地災害の防止や水源の涵養などの森林機能が向上しております。それとともに中山間地域の雇用創出などの波及効果もあらわれてまいりました。
 一方、近年集中豪雨が頻発し山地災害発生リスクが高まる中、森林所有者による整備が困難な人工林あるいは竹林等では新たな荒廃が進行し、鹿による食害もさらにこれを助長しているところです。これらの実態を調査したところ森林所有者による整備が困難であると。今後緊急に整備が必要な荒廃森林は一万一千ヘクタールと見込まれております。
 また、有識者から成る静岡県森の力再生事業評価委員会からは本年一月に、引き続き荒廃森林の再生に取り組むべきであるという御提言をいただきました。三月には静岡県森林審議会から事業を継続するべきであるという御意見も賜りました。さらに今年度実施いたしました市町長や商工団体関係者への個別訪問では九割を超える方から事業継続に賛成の意見をいただきました。さらにタウンミーティング、県民アンケート調査ではおおむね八割程度の方が現在の税負担について御理解をいただいて、引き続き事業を継続するべきであるとの意向を示されております。
 これらのことを総合的に勘案いたしまして、引き続きもりづくり県民税の御負担をお願いし、来年四月以降も森の力再生事業に取り組んでまいります。今後県民の皆様の御理解をいただきながら、現行の税の仕組みを基本にして税率や課税期間などについて検討を進めます。その上でもりづくり県民税の継続に必要な条例の改正につきましては十二月県議会にお諮りをいたしたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。

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静岡県議会事務局議事課

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