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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

伴 卓 議員

質問分類

代表質問

質問日:

09/25/2020

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
(1) リニア中央新幹線整備への対応
(2) 今後の財政運営
2 今後の地域外交について
3 県庁におけるデジタルトランスフォーメーションの推進に
 ついて
4 災害対策の充実について
(1) 自主防災組織における女性人材の活用
(2) 激化する豪雨災害を踏まえた今後の治水対策
5 新型コロナウイルス感染症対策について
(1) PCR検査等の検査体制の拡充
(2) 県民に安心感を与える感染者情報の提供
(3) ウイズコロナ時代における新しい生活様式の意識啓発
6 外国人学校に通う生徒の就職支援について
7 富士山静岡空港の需要促進に向けた取組について
8 富士山麓におけるサイクルスポーツの振興について
9 周産期における胎児や新生児を亡くされた方へのケアにつ
 いて
10 TECH BEAT Shizuokaの課題と今後の取
 組について
11 コロナ禍における県域を越えた県産農林水産物の販路拡大
 について
12 遠州灘海浜公園(篠原地区)野球場について
13 今後のオンライン学習の在り方について
14 サイバー犯罪に対する捜査力強化への取組について


○副議長(良知淳行君) ただいまから会議を再開いたします。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、二十二番 伴  卓君。
       (二十二番 伴  卓君登壇 拍手)
○二十二番(伴  卓君) 私は、ふじのくに県民クラブを代表し当面する県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長並びに教育長、教育部長、警察本部長に一括質問方式にてお伺いいたします。
 初めに、知事の政治姿勢のうち、リニア中央新幹線整備への対応について伺います。
 リニア中央新幹線整備による大井川の水資源及び南アルプスの自然環境の保全については、昨年から県の専門部会でJR東海と対話を継続してきました。また本年四月には国が有識者会議を設置し、複数の専門家による議論がされているところです。
 しかしながら、JR東海は国の有識者会議において自らの水収支解析モデルの精度が高いとし、トンネル湧水による大井川の中下流域の地下水への影響は軽微なものであると主張し、その対応は流域住民の皆様が納得できる内容とはほど遠く議論は停滞していると言わざるを得ません。
 そこで、今後JR東海に対し国の有識者会議及び県の専門部会での議論、対話を踏まえどのような対応を求めるのか伺います。
 さらに、一部の方々から二〇二七年の開業に間に合わないのは静岡県が工事着手を認めないからだなどまるで本県が悪者のような世論が見受けられます。そもそも議論が進まないのは、JR東海が流域住民に真摯に向き合い誠実な対応をしないことが要因ではないのでしょうか。また静岡県外の工区においても問題は山積で、二〇二七年の開業は他県の進捗状況を見ても難しいのではないでしょうか。このようなリニア中央新幹線整備をめぐる状況が正確に理解されず、ただ現在の議論の状況等だけを見て静岡県が悪いといった世論が形成されることは一県民としても解せないことであり、早急な改善が求められます。
 そこで、静岡県民をはじめ多くの国民にリニア中央新幹線整備に関する状況を正しく理解してもらうために県として今後どのような取組をしていくのか伺います。
 次に、今後の財政運営について伺います。
 新型コロナウイルス感染症への対策は時間との戦いでもあり、県はこれまで九月補正予算を含め五回の補正予算を編成し迅速かつ機動的に対応してきました。その結果これまでの新型コロナウイルス関連の補正予算の累計額は約一千二百億円に達します。国は新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金など地方公共団体の感染症対策への支援制度を創設しましたが、本県では中小企業の資金繰りへの支援など緊急を要する対策について、国の対応を待たず県の財政調整基金などを取り崩し速やかに対応してきました。
 こうした県の対応は評価いたしますが、一方で基金残高は一時リーマンショック以来の低水準にまで落ち込み県の財政状況は急速に悪化しているのではないでしょうか。さらに製造業や観光業、飲食業などの幅広い分野での収益が悪化し、法人二税を中心に県税収入の大幅な落ち込みは避けられないと思われます。また県税への影響は今年度だけではなく、現況が続けば県の財政状況はさらに悪化することが予想されます。もちろん感染症の早期終息を期待したいところではありますが、現在の状況から考えれば新しい生活様式の下での暮らしは必須で、この様式を踏まえた感染症対策は来年度以降も継続して実施する必要があり対応する経費も県財政に重くのしかかります。
 このような状況の中で県財政の状況を立て直していくためには、これまでのような単年度の財政収支を補うための事業見直しの繰り返しでは厳しく抜本的な改善につながらないのではないでしょうか。
 県は、今後の財政運営についてどのように対応していくのか伺います。
 次に、今後の地域外交について伺います。
 川勝知事は、就任以来友好的、互恵・互助に基づく善隣外交等を基本理念とする地域外交を主要施策の一つとして推進し、浙江省、忠清南道、ドルノゴビ県との友好協定に基づく交流のほか台湾や西ジャワ州との交流を進めてこられました。その結果富士山静岡空港の定期便就航やインバウンドの増加、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの事前キャンプ数は国内トップクラスの誘致となり一定の成果であると思います。また新型コロナウイルスの感染拡大時には浙江省や台湾政府等から約三十六万枚ものマスク等の寄贈を受けるなど友好関係のあかしとも取れます。
 しかしながら、今年度は新型コロナウイルスの影響により知事の海外出張をはじめ浙江省との議会の交流など計画をしていた対面による交流事業は中止、延期となりました。とはいえこれまでの地域外交により築いてきた各国・地域との関係を維持しアフターコロナを見据えた取組も求められているのではないでしょうか。
 今、各国との往来が制限される状況下においてもオンラインなどで川勝知事と海外要人との交流が重要と考えますが、今後の地域外交の展開に対する考えを伺います。
 次に、県庁におけるデジタルトランスフォーメーションの推進について伺います。
 本県では、政府の緊急事態宣言の発出に合わせ四月以降職員の出勤抑制を行い職場の三密解消や接触機会の低減、在宅勤務をはじめとしたテレワークの導入を推進しています。また本年六月補正予算において計上され本議会に第百二十五号議案として契約議案が提出されているモバイルパソコンが来年四月から知事部局の職員を対象に順次導入されていくとのことであり、これにより通常の職場を離れ出張先や自宅でも業務に従事することが可能となり、職員の働き方もさらに多様化し県行政における仕事の在り方も大きな変化が求められます。
 一方、感染症の拡大局面にあって行政手続がオンラインでできなかったことが迅速な感染症対応の足かせになるなど行政のデジタル化の遅れも指摘されており、いわゆる骨太の方針においても単なるデジタル技術の導入ではなく制度や政策などを併せて変革するデジタルトランスフォーメーションの取組が求められています。今回のモバイルパソコン導入を契機とした業務のデジタル化や新しい働き方により、新たな行政課題にスピード感を持って対応できる県庁の構造改革が促進されることを望みます。
 そこで、今回のモバイルパソコン導入をどのようにサービス向上につなげていくのか、また県庁におけるデジタルトランスフォーメーションの推進についてどのように取り組む予定なのか伺います。
 次に、災害対策の充実のうち、自主防災組織における女性人材の活用についてであります。
 昨年十月東部・伊豆地方を中心に本県にも大きな被害をもたらした台風十九号や今年に入り熊本県を中心に各地に被害をもたらした令和二年七月豪雨など、近年風水害は多発化、激甚化しています。さらにいつ起きてもおかしくないと言われる南海トラフ地震が発生した場合には広域で甚大な被害が予想されます。家屋が被災した方々は長期にわたる避難所生活を余儀なくされます。
 避難所は、あまり顔も知らずライフスタイルも全く異なる人たちが共同生活を送るため一定のルールやマナーが必要であり、性別や年齢、国籍、障害の有無などにかかわらず多様な人たちが安心して過ごせる環境を作ることが重要です。そうした避難所の質の向上を図るため、いま一度女性の力や視点を積極的に取り入れるべきではないでしょうか。
 東日本大震災をはじめ過去の災害からの教訓では、避難所の運営者は男性に偏りがちで女性専用の更衣室や安心して授乳できるスペースの不足、高齢者や障害者、小さな子供たちの健康管理面などに十分行き届かなかったことが指摘されています。また役割分担においても、避難所運営の方針を決める際にあたかも女性の役割は炊き出しや掃除などと勝手に決められてしまう傾向もあります。避難所は男女の区別なく平等に役割を分担する一方で、女性だからこそ気がつくことや対応できることも数多くあります。
 県はこれまで女性を対象とした防災講座を毎年実施しているほか、ふじのくに防災士養成講座にも女性が多数参加しており、毎年多くの女性の防災人材を育成しています。しかしながら現場では女性参画が活発に行われているという声は少なく、せっかく育成した効果が現れていないのではないでしょうか。
 そこで、避難所運営などの地域の防災力を高めるため各自主防災組織での女性の防災人材を積極的に活用し女性の視点を踏まえた防災対策を一層推進していくべきと考えますが、今後の取組について伺います。
 次に、激化する豪雨災害を踏まえた今後の治水対策について伺います。
 令和二年七月豪雨において貴い命を落とされた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、現在もなお不自由な生活を強いられている皆様にはお見舞いを申し上げます。また復旧・復興に携わっておられる方々に感謝と敬意を表します。
 この豪雨災害では、熊本県の球磨川流域など九州地方を中心とした西日本から東海地方にかけて記録的な豪雨となり大規模な河川氾濫などにより死者八十三名、住宅の浸水被害約一万八千戸、鉄道や道路の橋梁流失など甚大な被害が発生しました。このように近年毎年のように日本各地で頻発化、激甚化する豪雨により堤防の決壊による河川氾濫や支流の内水氾濫など甚大な災害が発生しており、平成二十七年九月の関東・東北豪雨災害や平成二十八年八月の北海道・東北豪雨災害を受け、施設の能力には限界があり施設では防ぎ切れない大洪水は発生するとの考えの下、本県においても国や市町と連携した大規模氾濫減災協議会により社会全体で洪水に備える取組を進めていると聞いています。
 さらに、令和元年度からは当協議会の構成員に県及び市町の高齢者福祉部局や砂防部局などを追加しハード・ソフト一体の対策と連携を強化していると伺っています。
 昨年十月の台風十九号では、本県の東部地域を中心に床上・床下浸水など二千四百棟を超える住居被害のほか公共土木施設や農作物の被害、断水など近年にない大きな被害に見舞われました。今後も気候変動の影響によりさらなる豪雨の激化が予測されることから、人的被害や地域経済の大きなダメージを回避するためにはこれまでの治水対策だけではなく新たな考えを取り入れないといけないのではないでしょうか。
 そこで、県では激化する豪雨災害を踏まえどのように治水対策に取り組んでいくのか伺います。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策のうち、PCR検査等の検査体制の拡充について伺います。
 現在本県の新型コロナウイルス感染者数は医療従事者の皆様の日々の献身的な活動と県民の皆様の予防対策により減少しており、本日公表予定の直近一週間の新規感染者は十万人当たり〇・二五人とこれまでで最も多かった七月下旬の約三・八人を大幅に下回っています。全国的に課題と言われている検査体制の整備ですが、本県における一日当たりの検査可能件数は約千二百件であり、これは八月の一日当たりの検査実数である平均四百件、最も多かった六百件程度の二倍から三倍の検査能力であり十分な余力があることは承知しております。
 しかしながら、例年インフルエンザの流行期には多数の発熱患者が発生しており、冬の流行期に向けてさらに検査可能件数を拡充していく必要があるかと考えますが、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 また、検査可能件数が増えても新型コロナウイルスやインフルエンザの感染を疑うような発熱症状等のある患者を診療、検査する医療機関が限定されていると検査を受けたくても受けられないケースが起こり得ます。こうした発熱患者等の診療、検査を実施する医療機関についても拡充していくことが必要であると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、県民に安心感を与える感染者情報の提供について伺います。
 感染症の発生状況などに関する情報は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律いわゆる感染症法において積極的な公表が規定されている一方で、個人が特定されないよう個人情報保護も求められています。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症が発生した場合における情報公開について、国は情報を公表する際の基本的な考え方は示したものの具体的な公表の内容は自治体の裁量に任せるとし、各自治体はそれぞれの判断によって個人情報保護に務め厳重に注意しながら情報提供を行っていると伺いました。詳細な感染者情報の提供により県民は感染のリスクがどこにあるのかを把握し感染拡大防止の行動を取ることで安心感を得ることができます。
 一方で、感染者やその家族に対する差別や偏見、個人のプライバシーの侵害といった被害を起こしてはならない義務も存在します。この二つを両立しながら感染拡大防止のためにどの情報を提供し何を公表しないのかの判断を自治体ごとに委ねることには異論もあり、全国知事会は国に対して統一的な感染者情報の公表基準を求めています。
 国が基準を示さない場合には県が独自で県民に安心感を与え差別や偏見等を生まない感染者情報の提供の在り方を整理することが必要となりますが、県の考えを伺います。
 次に、ウイズコロナ時代における新しい生活様式の意識啓発について伺います。
 新型コロナウイルス感染症は私たちの日常生活の変化を余儀なくしました。テレワークなどの働き方が加速しましたが、様々な職業に就かれている方がそれぞれの働き方を試行錯誤しているところです。今がウイズコロナ時代手前なのか、さなかなのか。いずれにしても従来どおりのライフスタイルからの脱却と新しい生活様式の両立が防疫先進県を目指す本県としても取り組まなければならない課題です。
 しかしながら、エッセンシャルワーカーと呼ばれる私たちの日常生活を支える業務に従事されている方々は対人業務からどうしても離れることはできません。流通・小売業、理美容業、その他各種対面型の接客を伴うサービス業などにおいて職種柄テレワークというわけにはいきません。日本での新型コロナウイルス感染拡大から半年以上がたち多くの方々は市井で取られている感染予防策に理解を示しているものの、一部の方々では従業員のサービスに不満を抱く方もいらっしゃり、特に消費者との距離が近いエッセンシャルワーカーの方々は精神的に大きな負担を負われています。
 知事会見をはじめ県の広報などではウイルス対策などについてはこれまでも積極的に啓発がなされてきましたが、防疫先進県を確立するならば今後はこれらの社会変化に対する理解の促進についても啓発をなすべきではないでしょうか。
 そこで改めて、県として新しい生活様式を踏まえた暮らしの変化と日常生活のマナーなどについて県民に分かりやすく発信すべきと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、外国人学校に通う生徒の就職支援について伺います。
 県が六月に外国人県民に対し実施した新型コロナウイルス影響調査、仕事の状況に関する質問では約半数の方が「休業や勤務時間の減少により、収入が減った」と回答し約二割の方が失業中と回答され、多くの外国人県民が休業や失業により苦しい状況に直面されていることが分かります。
 先日、会派で磐田市の平野ビニール工業様を訪問しました。同社は、ブラジル人やペルー人の正規社員に加えフィリピン等からの技能実習生も日本人社員と共に生き生きと働いておられ社員の六割以上が外国人です。平野社長によると、外国人の従業員が地域でも受け入れられるよう地域の清掃活動やお祭りなどにも積極的に参加をさせているとのことでした。また同社では日本語習得の機会を設け外国人従業員が働きやすい環境整備に努めており、外国人を雇用する他の企業にも同社の取組を参考にすべき点が大いにあるものと感銘を受けました。
 また、同日に浜松市内のブラジル人学校にも訪問しましたが、卒業後の進路を具体的に描けない生徒がいることや学校側も企業との接点があまりなく卒業後は派遣労働者として工場等に勤務する者も多いと伺いました。学校側も卒業生が非正規労働者として社会に出ていくことを大変憂慮されていました。公立学校等に通う外国人生徒は日本語やキャリア教育を受ける機会がありますが、外国人学校ではそのような機会がありません。
 また、今彼らがコロナ禍を乗り越え将来安定した生活を送り地域で活躍していくためには何らかの支援を行うことが重要でありますが、県はどのような支援を考えているのか伺います。
 次に、富士山静岡空港の需要促進に向けた取組について伺います。
 富士山静岡空港は国内外との観光・交流の基盤であり、本県経済の発展にも寄与する重要な交通インフラであります。しかしながら新型コロナウイルスの影響等により、令和元年度に過去最高の約七十三万八千人を数えた利用者が国際線の全線欠航などにより今年度の利用者数は大幅減です。県境をまたぐ移動に制限がかかっている状況や国家間の出入国制限などを考えれば今後も需要回復の厳しさは予測できます。
 しかし、観光・交流の基盤である同空港の需要回復は不可欠なものであり、新型コロナウイルスの収束状況を勘案しながら県は運営権者である富士山静岡空港株式会社をはじめ、ほか関係機関と連携をし需要回復施策を早い段階から進めるべきではないでしょうか。
 知事は最近、新潟、長野、山梨の各県との交流を進める山の洲(くに)構想を打ち出しておられますが、まずは中部横断自動車道の開通を見据えた山梨県からの利用者拡大は空港の利用促進に重要と考えますが、県はどのように取組を進めていくのか伺います。
 また、現時点では国際線による送客、誘客が見通せない中、国内就航先における需要拡大に向けた取組も重要と考えます。県は就航先との連携についてどのように取り組むのか伺います。
 次に、国際便の受入れについては成田、羽田、関空等の一部の空港で日本人の帰国者や長期滞在者等に限定して段階的に実施しているところです。地方管理空港における受入れ再開はまだ時間を要すると思われますが、富士山静岡空港は地方管理空港の中では外国人出入国者数が十年連続で第一位となる外国人利用の多い空港です。故に国の動きを待つだけではなく再開に向け積極的に国に働きかけるべきでないでしょうか。そのためには空港における水際対策の強化が必要と考えますが、県の取組について伺います。
 次に、富士山麓におけるサイクルスポーツの振興について伺います。
 富士山南麓に広がる送電線の巡視路を活用したマウンテンバイクコース、フジヤマ・パワーライントレイルが本年七月私の地元富士市にオープンし、先日会派有志による議員団でコースを試走し有能な観光資源であることを体感してきました。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックは一年延期となりましたが、レバンテフジ静岡の誕生や民間事業者の自転車を活用した地域貢献策などサイクルスポーツの機運は非常に高まっており、オリンピック・パラリンピック終了後も自転車競技の振興、サイクルルートの開発など本県が誇る富士山や駿河湾などを楽しむサイクリストの聖地としての今後の取組が期待されます。
 世界的にも有名なサイクルルート、しまなみ海道がナショナルサイクルルートにも登録されているように、サイクルスポーツの振興において重要な要素の一つに長距離コースや地場と連携した魅力的なルート設定などがあると考えます。
 本県には、太平洋岸自転車道やオリンピックコース、ハマイチに加え世界遺産富士山があります。その周辺を巡るルートを核としたサイクリング環境を整備するとともに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを活用して世界にPRができれば、サイクリストが憧れるまさしく聖地づくりに寄与するのではないでしょうか。
 富士山一周となれば当然県内自治体だけではなく山梨県との連携が不可欠でありますが、県の取組について伺います。
 また、こうしたサイクルツーリズムの振興につながる本県のサイクルルートをどのようにPRをしていくのか、その取組についても伺います。
 次に、周産期における胎児や新生児を亡くされた方へのケアについて伺います。
 日本では年間二万人を超える女性が死産を経験しています。約百人に一人とも言われ決して小さくない数字です。不幸にもこうした事態に直面された御本人や御家族が抱える悲しみや苦悩は察するに余りあり言葉にはできません。
 周産期における胎児や新生児の喪失は、医学界では英訳のとおりペリネイタルロスと言われています。本年一月日本助産学会が改定した「エビデンスに基づく助産ガイドライン−妊娠期・分娩期・産褥期二〇二〇」では死産後の母親や家族に対する心のケアが新たに取り上げられており、ペリネイタルロスのケアの重要性が認識されつつあります。しかしながら世間ではこの概念、本質を理解している方はあまり多くありません。
 県内では、聖隷浜松病院や日赤静岡病院など幾つかの医療機関や助産所ではペリネイタルロスのケアに熱心に取り組んでいただいています。当事者にとりましては、周産期医療の現場が最初に結果を受け入れる場となることからも初期対応で心境が大きく変わると伺いました。加えて医療機関や関係者に対し、さらなる理解を深められるような機会の創出の場を増やしてほしいというお声も頂いています。
 既にさいたま市などの一部の自治体においては死産や流産、新生児死亡に直面された御本人や御家族への支援を開始しているところもあります。本県でも周産期におけるお子さんの喪失に対する支援について、医療現場における理解の促進と保健所や市町が連携した支援を進めていく必要があるのではないでしょうか。まだ日本では認知度が低い概念ですが、決して少なくない当事者の方々に寄り添う優しさは「生んでよし」を掲げる川勝県政において重要な施策になり得ると思います。
 そこで、ペリネイタルロスに対するケアについて県はどのような認識を持ち、どのように取組を進めていくのかお伺いします。
 次に、TECH BEAT Shizuokaの課題と今後の取組について伺います。
 昨年十一月、私は県議会北米調査団視察でカリフォルニア州にあるトリプルリングテクノロジー社を訪問しました。この会社は二〇〇五年に創業したインキュベーターで、高い技術力と人材ネットワークで大企業、中小企業、大学をつなぎイノベーションを創出してきました。CEOのへニュー氏からは静岡県はイノベーションが起こり得る場所であるとの心強いコメントを頂き、改めて本県のポテンシャルを感じました。
 本県でも、イノベーションを創出するため昨年度からTECH BEAT Shizuokaを開催し国内有数のICTベンチャー企業と県内企業との協業の機会創出に取り組んでいます。今年度は新型コロナウイルスに配慮したオンライン開催となりましたが、三千名近い参加登録、三百件を超える商談が行われたと伺いました。また台湾のデジタル担当大臣オードリー・タン氏をはじめスタンフォード大学の池野文昭氏やオイシックス・ラ・大地の高島宏平氏など、すばらしいゲストスピーカーのお話は興味深いものでした。
 今、私たちの日常は膨大なデータと共存しています。これらのデータを使いこなせることがビジネスチャンスの創出にもつながっています。この先のさらなる情報産業革命が進めば既存の産業や職業も変化を迫られ、対応できなければ淘汰されることになります。本県は言わずもがな、ものづくり県であり多種多様な産業を有しています。しかしながら従来どおりの操業形式ではせっかくの技術や人材を喪失してしまいかねません。現存の技術や製品がAIやICTと結びついたとき、それは新たな市場価値の創出ともなります。この潮流は県も十分に理解していると思いますが、昨今の急速なデジタル化を考えればさらにアクセルを踏むことが必要です。
 そこでお伺いいたします。今回フルオンラインで開催したTECH BEAT Shizuoka二〇二〇の成果と課題をどのように認識しているのか、また今後この取組を加速化しさらなるイノベーションを創出するためどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 次に、コロナ禍における県域を越えた県産農林水産物の販路拡大について伺います。
 新型コロナウイルス感染症の拡大による外食需要の縮小等に伴い、全国的に農林水産物の販売に影響が出ており、本県でも牛肉、ワサビ、メロン、キンメダイなどの販売が落ち込みました。また従来主要なマーケットとしていた首都圏等においては、一部経済活動が制限を受け農林水産物の販売回復には大変厳しい状況が続いています。
 こうした中、県では影響を受けている農林漁業者を支援し落ち込んだ個人消費を回復すべく、県民に積極的な県産品の購入や施設の利用を呼びかけたバイ・シズオカや山梨県と連携したバイ・ふじのくにに取り組み、特にバイ・ふじのくにでは川勝知事の山梨県訪問に始まり山梨の長崎知事の本県訪問、両県の百貨店等での農林水産物の販売、地場スーパーでの県産品フェアなどを展開しています。県議会も今月頭に山梨県を訪問し議会同士の交流を深め、意見交換では両県が良好な関係を継続することを確認した上で経済交流をさらに活発化させることで一致しました。
 新型コロナウイルスの影響で首都圏等での販路拡大が難しい中、中部横断自動車道を活用した両県の取組にも私も大きな可能性を感じています。県民にとっては見慣れた農林水産品も、県外の人から見れば特別な輝きを放ち魅力あるものに映ることもあります。
 そこで、県は今後どのように他県と連携しコロナ禍における県域を越えた県産農林水産物の販路拡大に取り組んでいくのか伺います。
 次に、遠州灘海浜公園篠原地区野球場について伺います。
 県は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて多額の財政負担が見込まれる六つの施設整備計画について整備内容やスケジュールの総点検を行い、その総点検結果に基づく見直しの方向性案を公表しました。このうち遠州灘海浜公園篠原地区野球場については、見直しの方向性案としてアフターコロナに対応した施設とするため公園の配置計画に関する比較検討プラン原案を見直す、見直し案を作成した時点で県民意見等を再聴取するなどの三項目とともに基本計画策定の先送りが示されました。
 コロナ禍を受けて、若干の時間をかけてでも対策を万全に整えた次世代型の野球場を希求していく姿勢は理解できますが、一部報道が先走り計画は白紙なのかとか野球場の規模が縮小されるのではないかという誤解が浜松地域を中心に広がっていることは甚だ遺憾であります。そもそもこの公園整備については、これまで平成二十八年に策定した基本構想を踏まえ多様な方法で幅広く県民の意見を聞き、また議会とも様々な議論を重ねながらオープンかつ丁寧に計画策定作業を進めてきた経緯があるのは御承知のとおりです。また今月初旬には浜松市長さらには浜松の経済界からの改めての強い要望も寄せられたところであり、このアイドリングとも言える期間でいかに地域の要望や県民ニーズに沿ったより魅力的な野球場プランをひねり出せるかが問われていると感じます。我が会派としては今回の見直しをネガティブではなくポジティブに捉えていきます。
 そこで、遠州灘海浜公園篠原地区の基本計画策定の今後の進め方と県の取組姿勢について伺います。
 次に、今後のオンライン学習の在り方について伺います。
 新年度になり既に半年もの歳月がたちました。しかしながら年度初め、新型コロナウイルスの影響により多くの学校で二か月程度の臨時休業を余儀なくされました。そのような状況の中でも一部の学校では速やかにオンラインによる学習指導を実施し学びの機会の確保に努めていただいたと聞いております。ウイズコロナ時代において物理的な通学とオンラインによる学習の融合は必要不可欠ではないでしょうか。
 大阪府立高津高校では、学習コンテンツよりも学習機会の確保に重点を置き、全校生徒に対してパソコンやスマホなどのデバイス所有の有無を調査した上で自己所有のデバイスと一部学校の備品を用いたオンライン学習を展開したと聞いています。県内でもICT機器を活用してオンデマンドによる学習を実施した学校があることは報道等で承知しておりますが、果たして全ての学校で同様の対応ができたのでしょうか。オンライン学習ができなかった学校では臨時休業中の学習に遅れが出なかったのか気がかりなところであります。
 一方、高等学校において単位認定をするためには生徒側に指導者がいなければならないなど単純に端末の整備だけでは解決できない問題があります。遠隔学習における単位認定については文部科学省でも検討されていると伺っていますが、こうした状況のままではオンライン学習を推進する意義が薄いのではないのかとも思います。
 そこで、コロナ禍を受けた臨時休業中に本県の県立学校においてはオンライン教育はどのように実施したのか検証されたのでしょうか。検証されたのであればその結果をお伺いいたします。
 また、今後ICTを活用した教育が主流になると考えられる中でオンライン学習をどのように位置づけるのか、今後の認識を併せて伺います。
 次に、サイバー犯罪に対する捜査力強化への取組についてであります。
 午前中の答弁でも触れられていましたが、県内の治安情勢については昨年刑法犯認知件数が一万七千八百七十六件と平成十五年以降十七年連続で減少、人身交通事故件数にあっても二万五千百二件と平成二十四年以降七年連続減少するなど官民一体となった諸対策により指数治安は向上していますが、サイバー犯罪の検挙件数は百六十六件と平成二十五年以降最多となっております。誰もが簡単にインターネットにアクセスできる現代においてサイバー空間は日常生活の一部です。情報化社会の進展は日常生活等に大きな利便をもたらす反面、高い匿名性を利用した不正アクセス、標的型メールによる攻撃など犯罪が後を絶たず、つい先日も大手通信事業者において電子マネー決済サービスを利用した不正な預金引き出しが発覚するなど今やサイバー空間が犯罪の温床となっており、言わば犯罪もICT化しているのです。
 現に警察庁が昨年九月に実施した犯罪の被害経験を調査したアンケート結果では、実に約二五%の回答者が偽サイトへ誘導されIDやパスワードを盗まれたり、ネット閲覧中にウイルスに感染しているといった画面が表示され金をだまし取られた被害の経験があるとしています。
 このような状況を踏まえ、他県では情報通信技術の知識や技能を有する民間企業のエンジニアをサイバー犯罪捜査官として採用し捜査力を強化しているとも伺っています。
 そこで、本県においても情報処理安全確保支援士等の有資格者を採用、育成するなどしてサイバー空間の安全・安心を確保する警察ホワイトハッカーとしての捜査力を強化すべきと考えますが、県警察の取組について伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(良知淳行君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 伴議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、リニア中央新幹線整備への対応についてであります。
 JR東海とは、県が中央新幹線環境保全連絡会議に設置いたしました地質構造・水資源専門部会及び生物多様性専門部会、国土交通省が設置なさいました有識者会議におきまして対話や議論を進めております。いずれにおきましてもJR東海は、科学的根拠に基づく説明が乏しいまま中下流域への影響がないと主張なさるなど環境への影響を過小評価し説明も不十分なままという状況が続いております。このためJR東海の姿勢に対しまして大井川流域住民の皆様の不信感が増加、増大しているところであります。
 このため、先月十三日国土交通省に静岡県の考察と題する一文を提出いたしまして、今後の有識者会議におきましてJR東海に精度と適用範囲に問題のある水収支解析の結果を論拠とする姿勢を改めて、トンネル工事に伴い大井川の水資源や南アルプス自然環境にどのようなリスクが発生する可能性があるのか、またそれを回避するためにどのような対策を講じるのかについて分かりやすく説明するよう御指導をお願いいたしました。
 また、最近になりまして湧水に関わる非公開資料の存在が明らかになりました。非公開資料の存在があるということでございますので、南アルプスに関わるこうした非公開資料は全て提出していただいて、有識者会議並びに専門部会に御提出していただくようにJR東海、また有識者会議のほうに求めて今いるところでございます。その指示を出したところでございます。
 今後、有識者会議の場で国土交通省の指導を受けJR東海から地元に寄り添った真摯な姿勢と分かりやすい説明が行われ、引き続き対話を要する事項四十七項目につきまして結論が出た後は県の専門部会におきまして対話を進めます。
 また、これまでも県民だよりなどで情報発信やJR東海や国との対話等に関する資料をいつでも誰でも見られるようにホームページに掲載しておりますが、こうしたことを通じて県民の皆様の理解促進に努めているところです。
 議員御指摘の本県が悪いという誤った認識が一部で持たれております。この誤解を払拭するためにも、全国の方々に大井川の水資源及び南アルプスの自然環境の特殊性を踏まえた議論の状況を正確に理解していただくことが必要です。そのためには多くの方々に有識者会議における議論の内容を知っていただく必要があります。まずは県と国交省との間で会議の設置に当たり合意した五項目がございます。その第一が会議の全面公開でございます。これの完全実施を強く求めているところでございます。
 最大の問題は、本県の水を確保し生活、生業を大井川に全面的に依存している流域県民を守り大井川の源泉である南アルプスを保全することであります。このことについての、全国の皆様に理解を求めているところであります。
 理解を求めるためには情報を持っていただかなければなりません。情報を持てば意見を持つことになります。そのために様々な策を講じねばなりませんけれども、五箇条の御誓文に「広く会議を興し万機公論に決すべし」、あるいは「上下心を一にして盛んに経綸を行ふべし」とありますけれども盛んに経綸を行っていただくための方策を取らねばならないと。そのためには当事者であるのはJR東海であり、また県であり、また国でございますからJR東海の立場に立つ、社長の立場に立つ、それから国交省の大臣の立場に立つ、県民の、住民の立場に立つ、様々な立場に立って考えて、そしてその考えた中身を情報として御提供することによって意見を持っていただくことができるということです。
 私は、この国策と言われているリニア問題こそ国民の議論にまつことが極めて重要だと思っておりまして、そして広く会議を興して大いに議論をしていただき、そして決したところの公論の結果においてそれを尊重するという立場でございます。黙って会議の行方を見守れという意見もございますけれども、会議は情報を提供してくれますのでその情報を広く提供し、かつそれに対する判断なども交えて提供することを通して広く国論を巻き起こすというのが私の姿勢です。
 そうした中で新聞あるいは定期刊行物から意見を求められることがあります。どうしても断れないものもございます。そうしたものに対しまして一文をしたためたりいたしまして、例えばリニアとは長い付き合いをしていたと、整備に賛成をしてきたとかいったようなことを文書で書いておりますからこれは残るわけですね。そうすると、ああそういうことかと理解する方もいらっしゃいます。
 あるいは、来月二日には日本記者クラブ主催の東京での記者会見に出るように言われました。しかしながらこれは私は私のためにやっているわけではありませんで、これは県庁挙げてやっておりますから、ここは中央新幹線対策本部長であります難波副知事が出席をして説明をいたします。
 また、くらし・環境部、市川、織部、田島といった三人トリオがいますので、それぞれ得意分野がありますからそれぞれに応じて様々な情報と意見を言うと。さらにまた専門部会の先生方もいらっしゃいます。その御判断もございましょう。そうした人たちを通して広く県外の方々にも、もちろん県内は言うまでもありませんが、情報を提供し意見を持っていただきこれを国論にしたいというふうに私は考えております。
 改めて言いますれば、文字どおり五箇条の御誓文の第一条と第二条、第三条だと。広く会議を興し万機公論に決すと。それから上下心を一にして盛んに経綸を行うと。おのおの志を遂げて誰もがうまざらん、一人一人がですね、人心をしてうまざらしめんことを要すということが極めて重要で秘密会議でこそこそと決めてはならない、そういうこれはテーマであるというふうに私は考えているところであります。
 なぜなら、水の問題はただに大井川流域の住民のみならず日本あるいは世界の多くの人々が苦しんでいる問題でもありますから、これは広くこれを通して水の問題を考えるいいきっかけにもなると考えているからです。
 ともあれ、ユーチューブなどの動画も通じまして本県の立場や議論の状況、南アルプスの特殊性等を積極的に広報してまいります。
 リニア中央新幹線整備と命の水である大井川の水資源及びユネスコエコパークに登録されている南アルプスの自然環境の保全、これらを両立させるように具体的にどのような議論が行われているのか国民の皆様に正確に御理解頂けるように、あらゆる機会を活用して情報発信に取り組んでまいります。
 次に、今後の財政運営についてであります。
 新型コロナウイルス感染症は、企業収益の悪化に伴う県税収入の減少や感染症対策等に伴う財政需要の増大など歳入歳出の両面から本県の財政運営に深刻な影響を及ぼしております。感染症の終息がいまだ見通せない中、感染症への対応はもちろんのことですがアフターコロナ時代を見据えた持続可能な社会づくりに向けた取組も併せて進めなければなりません。まさに中長期的な視点に立って今後の政策推進に必要な財源を確保することが重要です。
 このため、将来にわたって多額の財政負担を伴う施設整備の総点検を行い見直し案をお示ししたところであります。また来年度当初予算編成におきましても昨年度御提示申し上げました予算編成五箇条に基づきビルド・アンド・スクラップいわゆるシュンペーター流の創造的破壊の精神をもって、これまで以上に思い切った事業見直しを進めてまいります。
 さらに、これらの歳出の削減に加え歳入の根幹である県税収入の増加につながる取組をも強化しなければならないと思っております。具体的にはデマンドとサプライの需要と供給の両面から地域経済の活性化を図る総合的な経済対策でございますフジノミクスを強力に推進してまいります。
 特に重要なのはGDPの半分以上を占める個人消費です。これが冷え込んでおりますから、このデマンドサイドにおきましてはこの個人消費を喚起するべく皆さんにお金を使っていただこうということでございますが、これがバイ・シズオカ、バイ・ふじのくに、バイ・山の洲(くに)の背景にある考え方でございます。富士山、日本アルプスに代表される山の価値を共有しております山梨県、長野県、新潟県と本県から成る山の洲(くに)の広域地域経済圏を形成するという、そういう企図を持っております。
 山の洲(くに)のGDPはオーストリア一国に匹敵するものでございます。この山の洲(くに)におきまして域内の産品の購入あるいはサービス、観光交流を呼びかけるバイ・山の洲(くに)を展開いたしまして、消費と生産の拡大を図ることにより県税収入の増加につなげていこうというものでございます。
 サプライサイドにおきましては、命を守る産業である医療健康産業、これは日本の中で本県がトップに九年間立っているものでございます。これを中心にIT関連産業、観光産業、自動車産業をいわゆる主導部門――リーディング産業として富を生む産業に育成して企業収益と県民所得の向上を実現し税源の涵養を図ってまいります。
 新型コロナウイルス感染症の影響によりこれまでの財政見通しや財政フレームによる財政運営が困難となっております。今後は感染症への対応を図りつつもウイズコロナまたアフターコロナ時代を見据え新たな財政運営につきましても検討を進め将来にわたって安定した財政基盤を構築してまいります。
 次に、今後の地域外交についてであります。
 現在、新型コロナウイルス感染拡大により世界各国・地域が出入国制限を実施しておりますことから本年度予定しておりました交流事業の多くが中止や延期を余儀なくされました。このような状況におきましても、議員御指摘のとおりこれまでに築いてきた交流先の国とまたあるいは地域との関係維持は重要でありますことから、向こうもそう思っていらっしゃいますからウェブを活用したトップ同士の対談等は必要であるという認識に立っております。
 このため、去る五月には張淑玲台北駐日経済文化代表処横浜分処長、あるいは翌月六月には孔鉉佑中国駐日特命全権大使とウェブ対談を行いました。皆様方とは本県へのマスク等の贈呈に対する感謝の気持ちをお伝えするなど本県との友好関係をこれからも築いていこうと、これまでどおり築いていこうということを確認しております。
 また、十一月に開催が予定されておりましたインドネシア西ジャワ州での国際会議――東アジア地方政府会合が一年延期となりましたことから、参加に合わせて予定しておりました同州のリドワン・カミル知事さんとの対談をウェブに変更して行うことといたしました。他の交流先の国・地域における要人とのウェブ対談につきましても現在調整を進めているところです。
 本県が取り組む地域外交は、人をつくり富をつくり平和を築くという地域外交の展開これが戦略方針でございます。これは人や物が重層的につながればそのことによってお互いの信頼関係が厚みを増しまして、ひいては国家間の安定した平和関係に貢献するという考えから行っているものであります。地域外交の基本は顔と顔を合わせ相互理解を深め信頼関係を構築する対面による、フェース・ツー・フェースによる交流であると考えますが、今後は状況に応じてウェブを大いに活用し交流先の国あるいは地域とのネットワークの維持、発展につなげていくことが非常に重要であるという認識に立っています。
 県といたしましては、新型コロナウイルス感染症の影響下におきましても引き続き積極的に地域外交は推進してまいります。ふじのくににふさわしい徳のある豊かで自立した国際的に存在感のある地域を目指してまいります。
 次に、遠州灘海浜公園篠原地区野球場についてであります。
 県では、新ビジョン富国有徳の美しい“ふじのくに”の人づくり・富づくりにおきましてスポーツの聖地づくりを掲げスポーツに親しむ環境づくりのための様々な施策を進めております。遠州灘海浜公園篠原地区につきましては、県民の皆様がスポーツを楽しみ自然と親しむ場を提供するため、スポーツ拠点としての機能強化に取り組むこととし公園の基本計画の策定を進めてまいりました。
 これまでに県民の皆様やスポーツ団体等から頂いた御意見がございます。それを基に三つのコンセプトに基づく公園全体の比較案と四つのタイプの野球場の比較案から成る公園の配置計画に関する比較検討プラン原案を作成し、令和二年二月議会でお示ししたところであります。
 しかし、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、人々の生活様式や行動の変化のみならず社会全体の在り方にまで影響を与えております。この公園につきましてはオープンスペースとしての重要性が再認識され、整備する施設につきましても新しい配慮が必要になるものと想定されます。
 こうしたことから、既にお示しした比較検討プラン原案につきましてはアフターコロナに対応した施設とするために必要な見直しを行うことといたしました。この見直しに当たりましては現在国が進めている新型コロナ危機を契機としたまちづくりの方向性に関する検討の状況や他の野球場などにおける先進事例を参考にすることはもちろんですが、社会全体がアフターコロナへの対応を模索している状況を踏まえますと我々が自ら先頭に立ってアフターコロナ時代にふさわしい球場での観戦、ITを活用した新たな観戦スタイルを考える必要が出てきています。まさに新たな時代の先進的事例となる野球場を造ることになるだろうということで見直しにはそれ相応の時間がかかると、言ってみれば見直しをせざるを得ない絶好の機会であるとも考えております。
 先日、浜松市長さんまた浜松商工会議所の重鎮の皆様方がお見えになられまして、会頭からは野球をされる方はもちろん野球観戦を楽しみにしている多くの方たちにも一流選手の華麗なプレーをじかに見ることのできる野球場整備について重ねて熱烈な御要望を頂きました。この新型コロナウイルス感染によって全然めげていらっしゃらないんですね。したがって私は非常に頼もしく感じた次第であります。
 昔の歌に憂きことのなおこの上に積もれかし限りある身の我が身ためさんというのがありますけれども、そういう感じで私は全くめげておりませんで、同じように地域の人たちがこれに対して強い思いを持っているというのは百人力を得た思いでございます。
 県といたしましては、遠州灘海浜公園篠原地区がスポーツの拠点としてより多くの県民の皆様に利用されますよう、今後ともスポーツを取り巻く様々な状況の変化を注視し利用方法や社会経済情勢の変化等に適切に対応しながら本公園の基本計画策定を着実に進めてまいります。
 なお、その他の御質問につきましては副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(良知淳行君) 出野副知事。
       (副知事 出野 勉君登壇)
○副知事(出野 勉君) 富士山麓におけるサイクルスポーツの振興についてお答えいたします。
 昨年三月に策定した静岡県自転車活用推進計画では、サイクルツーリズムを柱の一つに位置づけ太平洋岸自転車道、浜名湖一周ルート、伊豆半島一周ルート、富士山一周ルートという四つの魅力的なモデルルートを設定しております。中でも日本一の富士山の様々な表情を楽しめ百四十キロ以上の長い距離を走ることができる富士山一周ルートはフジイチの愛称で親しまれており、世界遺産富士山の景観をはじめその構成資産であります寺社さらには地域の食など多彩な地域資源が楽しめる大変魅力あるルートであります。
 本県が誇るこのサイクルルートに国内だけではなく世界中から多くのサイクリストが訪れていただくためには、ルートマップや案内標示などの多言語化をはじめさらなる快適な走行環境の整備と情報発信の強化に取り組む必要があります。
 このため、山梨県はもとより国、周辺自治体、地域団体とも連携しバイシクルピットや矢羽根型路面表示などサイクリストの受入れ環境の整備に加えルートの見どころ情報が掲載されたサイクリングマップを作成するなどソフト・ハードの両面から取組を進めてまいります。
 富士山ルートを含めた県内のサイクルルートの情報発信につきましては、ウェブサイト「SHIZUOKA CYCLING」におきましてサイクリストの希望に応じた詳細なルートデータを提供しているところであり、今後ともこのサイト上にルート周辺の観光施設や食の情報を掲載するなど内容のさらなる充実を図ってまいります。
 また、ふじのくにスポーツサポーターと連携した県スポーツ局の公式SNSを活用した情報発信のほかファムツアーの実施や走行動画のユーチューブでの公開など国内外のサイクリストに向けた効果的な情報発信に努めてまいります。
 県といたしましては、今後も関係の方々との連携を図り四つのモデルルートやオンロード、オフロードなど多様なコース整備を進め、その魅力を世界に向けて情報発信することでサイクリストの憧れを呼ぶサイクルスポーツの聖地の実現を目指してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 杉山経営管理部長。
       (経営管理部長 杉山浩一君登壇)
○経営管理部長(杉山浩一君) 県庁におけるデジタルトランスフォーメーションの推進についてお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、県庁のデジタルトランスフォーメーションを推進することが喫緊の課題であると強く認識したところでございます。
 モバイルパソコンの活用につきましては、来年度からの本格導入に向け既に一部の所属においてモデル実証を開始しているところであります。現場関係者との協議の際に、あるいは写真やデータ等を提示できる、そういったところで職員からは大変使い勝手が良いとの評価を得ているところでございます。モバイルワークの積極的な展開により出張時や緊急時などにおける職員の現地対応力を強化し、現場に立脚した施策の推進と行政サービスの生産性向上を図ってまいります。
 また、これまでの業務プロセスを改善し各種行政手続における押印の見直しやペーパーレス化、電子申請、電子決裁を推進するとともに、各部局と連携してICTの実証あるいは実装により問題の解決を図っていくという各分野におけるデジタルトランスフォーメーションに向けた取組を戦略的に展開してまいります。
 県といたしましては、県内の企業や自治体のモデルとなるよう率先して県庁のデジタルトランスフォーメーションを推進し行政サービスの生産性と利便性の向上に努めてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 金嶋危機管理監。
       (危機管理監 金嶋千明君登壇)
○危機管理監(金嶋千明君) 災害対策の充実についてのうち、自主防災組織における女性人材の活用についてお答えいたします。
 東日本大震災や熊本地震では避難所において要配慮者や女性等への配慮が十分ではないなどの課題が指摘されましたことから、本県では被災地支援の経験を踏まえ避難所運営マニュアルを改定し自主防災組織に配布いたしますとともに、地域の訓練にも生かしてまいりました。また防災人材を育成する各種講座に参加する女性も近年増加しており、受講者が中心となって女性の視点を取り入れた避難所運営マニュアルの作成や訓練等に取り組む事例も増えてきております。
 しかしながら、県の調査によれば多くの自主防災組織が避難所運営等のノウハウの不足を懸念しております。このため県の防災アプリを活用して各自主防災組織の現状を分析し課題の改善に向けた取組を強化することとしております。
 県といたしましては、こうした取組を進める中で女性の防災人材を積極的に活用し自主防災組織が担う避難所運営など地域の防災力の向上に取り組んでまいります。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策についてのうち、ウイズコロナ時代における新しい生活様式の意識啓発についてであります。
 新型コロナウイルスの感染を防止するため身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いなど新しい生活様式の徹底は非常に重要であります。このため県では県民の皆様に新しい生活様式を御理解頂き実践していただくため、テレビや県のホームページ、SNSなどの広報媒体を活用しておりますほか啓発用ポスターを県内の主要駅に掲示するなど様々な手段を通じて広報活動を行ってまいりました。
 しかしながら、議員御指摘のとおり新しい生活様式への移行の必要性について十分には理解されていない事例も見受けられますことから、今後は国の指針や業界団体から示されているガイドライン等も併せて県民の皆様に広報してまいります。
 県といたしましては、これらの取組を通じ新しい生活様式への理解がなお一層深まりますよう多様な広報媒体を活用した分かりやすい広報により県民の皆様の意識啓発に努めてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 長繩交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長繩知行君登壇)
○交通基盤部長(長繩知行君) 災害対策の充実についてのうち、激化する豪雨災害を踏まえた今後の治水対策についてお答えいたします。
 本年七月、国は気候変動による水災害リスクの増大を踏まえ流域全体で水害を軽減させる流域治水に転換する方針を示しました。これは気候変動による降雨量の増加なども考慮し従前の河川改修などを加速することに加え、地域の特性に応じため池などを活用した雨水の貯留や避難体制の強化などにつきまして国、県、市町、企業など流域のあらゆる関係者が協働して対応する施策であり県内の一級水系で取組が始まっております。
 県では、昭和五十五年度に開始した巴川流域総合治水対策事業におきまして静岡・清水両市の関係部局と連携してまいりました。平成十九年度以降はこの経験を生かし浸水被害が頻発した沼川、高橋川流域など県内九地区におきましても流域の関係機関が連携した治水対策を進めてきたところであります。本年度からは近年の浸水被害を踏まえて五地区を加えた県内十四地区におきまして流域治水の考え方を取り入れた水災害対策プランの策定を進め、流域の地形や土地利用、浸水リスクなどの特性も踏まえつつ具体的な施策を実行していくこととしております。またその他の河川におきましても、先行する十四地区の成果を生かしながら効果的な対策に取り組んでまいります。
 県といたしましては、ますます激化する豪雨に対しまして国や流域市町、県民の皆様と連携して総合的な治水対策を推進し安全で安心して暮らせる県土づくりに努めてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 藤原健康福祉部長。
       (健康福祉部長 藤原 学君登壇)
○健康福祉部長(藤原 学君) 新型コロナウイルス感染症対策についてのうち、PCR検査等の検査体制の拡充についてお答えいたします。
 PCR等の検査につきましては、現在一日千二百件の検査が可能となっております。今後大規模なクラスターが発生した場合における広範囲な関係者への検査やインフルエンザが流行した場合に多数発生すると見込まれる発熱患者に対する検査につきましては、迅速に実施する必要がありますことから医療機関への検査機器の整備費助成によりまずは一日二千件の検査を可能といたします。さらに入院患者への感染を防ぐため医療施設の従事者等に対する定期的な検査等にも対応できるようPCR検査に比べて測定時間の短い抗原定量検査を活用することとし、検査機器を県環境衛生科学研究所等に設置することにより検査数を大幅に拡充してまいります。また現在新型コロナウイルスの診療につきましては、帰国者・接触者外来や契約医療機関等政令市を含め県内五百か所以上において実施可能となっております。
 今後のインフルエンザの流行期に発熱等の患者が身近な地域で受診できる体制の整備が急務でありますので、国から示されたインフルエンザ流行に備えた体制整備の方針に基づきまして関係団体等と十分に連携し相談や検査、診療を実施する医療機関の確保を図り県民の皆様が必要な医療を安心して受けられる体制を整備してまいります。
 次に、県民に安心感を与える感染者情報の提供についてであります。
 新型コロナウイルス感染症対策におきましては、対象者のプライバシーの保護と公衆衛生上の必要性を勘案し適切な範囲内で正確な感染者情報を速やかに提供していくことが重要であります。
 県では、県民の皆様の感染予防に向けた適切な行動につなげていくことを念頭に本県独自の基準を定め感染者について年代、性別、居住地、推定感染経路等の情報を可能な限り速やかに公表しております。また感染者集団いわゆるクラスターが発生し、またはそのおそれが高く利用者の特定ができない場合には利用者自らが検査を受けることができるよう関係者の同意が得られなくとも店舗名等の情報を公表することとしております。
 県といたしましては、今後も国の動向を注視しながら感染拡大の防止とプライバシーの保護を両立させ新型コロナウイルス感染症に的確かつ迅速に対応できるよう感染者情報の提供に努めてまいります。
 次に、周産期における胎児や新生児を亡くされた方へのケアについてであります。
 流産や死産、新生児の死亡などにより子供を亡くす経験をされた御本人やその御家族は大きな悲しみや喪失感を抱え不安やストレスが長期間続くこともありますことから、精神的な回復につながる適切なケアが必要であると認識しております。
 このため、市町や保健所におきましては流産や死産等を経験された御本人やその御家族の希望に応じ気持ちに寄り添った面談や電話相談を行っております。また分娩取扱い施設における初期対応が重要でありますことから、周産期に携わる方々に対し御本人、御家族への心理的ケアの重要性について改めて認識していただくよう今後県助産師会等と連携して周知を図ってまいります。
 厚生労働省では、流産経験者の心理的な影響等の調査を行い自治体における支援体制整備に向けた指針を示すこととしておりますので、県といたしましてはそれらを踏まえ胎児や新生児を亡くされた方とその御家族に対して関係者が協力して支援する体制を整備してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 市川くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 市川敏之君登壇)
○くらし・環境部長(市川敏之君) 外国人学校に通う生徒の就職支援についてお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の影響により県内の有効求人倍率は六月から二か月連続で〇・九倍となる中、七月の外国人の新規求職者は二月と比較して二倍の千百四十四人に増加し外国人学校に通う生徒の就職も大変厳しい状況になるものと考えております。
 本県には高等部を有する外国人学校は六校あり、全てがブラジル人学校で授業や学校生活はポルトガル語で行われています。またこれらの学校では将来のキャリアに対する支援が十分に行われておらず、卒業後はほとんどの生徒が日本で非正規の派遣労働に従事しております。このため外国人学校の生徒も景気変動の影響を受けにくい正規雇用への道が開かれるよう支援することとし、必要な予算案を本議会にお諮りしております。
 具体的には、ブラジル人学校二校をモデルとし仕事に必要な日本語の習得を支援するほか親子で仕事の適性や将来設計などを考えるキャリア教育の機会を提供いたします。加えまして地元の企業と連携しインターンシップを実施することにより卒業後の正規雇用につなげてまいります。
 県といたしましては、新型コロナウイルスに負けることなく外国人学校に通う生徒が一人でも多く正規雇用され将来地域や企業を支える人材となれるように支援してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 植田スポーツ・文化観光部長。
       (スポーツ・文化観光部長 植田基靖君登壇)
○スポーツ・文化観光部長(植田基靖君) 富士山静岡空港の需要促進に向けた取組についてお答えいたします。
 富士山静岡空港は、来年夏の中部横断自動車道の開通により甲府市からの自動車アクセス時間が約五十分短縮され羽田空港よりも近く渋滞もなく快適に利用できる空港となります。この機会を捉え山梨県民の皆様にも空の玄関として利用していただくよう、就航路線の情報発信に加えビジネス利用の促進のためのビジネスサポートキャンペーンの実施、学校関係者に対する教育旅行の働きかけなどを積極的に展開してまいります。
 国内就航先につきましては、就航先のメディアや旅行会社等と連携しキャンプやサイクリングなどウイズコロナ時代の新たな旅行スタイルに対応した本県観光地の魅力をインターネット等により情報発信するほか、県内観光施設等で利用可能なクーポンブック――シズオカパスポートを発行するなど就航先からの利用の回復に努めてまいります。
 国際線の再開には海外からの新型コロナウイルス感染を防ぐための徹底的な水際対策が求められます。このため県といたしましては検疫を担う国に対し引き続き検査体制の強化を働きかけるとともに、富士山静岡空港株式会社や関係機関とも連携し陽性と判定された方の収容先の確保への協力など国が行う水際対策が円滑に実施できるよう取り組んでまいります。
 富士山静岡空港は地域の発展と交流を支える重要な社会資本であります。富士山静岡空港や関係団体さらには山梨県や就航先地域の皆様とも緊密に連携し空港の需要促進に積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 天野経済産業部長。
       (経済産業部長 天野朗彦君登壇)
○経済産業部長(天野朗彦君) TECH BEAT Shizuokaの課題と今後の取組についてお答えいたします。
 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、今年度のTECH BEAT Shizuokaはオンラインで開催することとし、去る七月から八月にかけて首都圏のスタートアップ企業百二社と県内企業百八十七社の参画を得てウェブ上のビジネスマッチングを実施いたしました。このイベントはAIやICTなどの先端技術を有する首都圏のスタートアップ企業と県内企業の協業を促進し各企業が抱える生産や販売、製品開発上の様々な隘路の解消や課題の解決を図るもので、今回は参加登録者二千七百九十八人、延べ視聴回数一万二千二百三十一回、具体的な商談件数も三百二十件に上りました。多くの参加企業からは、場所や時間の制約を受けずに商談が効率的に開催できたなどの評価を頂いたほか先端技術を目の当たりにできる対面式とオンラインの双方の良さを取り入れた商談会の開催希望も寄せられました。
 このため、県では今後新型コロナウイルスの感染状況を勘案しつつオンラインとリアルの融合やバーチャルリアリティ――VRなどの臨場感を高める革新的技術を積極的に取り入れるなど、これまで以上に実効性の高いビジネスマッチングの仕組みを構築してまいります。加えてスタートアップの協業相手として参加者から要望のあった大学や研究機関、自治体にも広く参加を呼びかけ経済のデジタル化や少子高齢化、危機管理対応など直面する社会課題の解決に資する新たなビジネス創出にも注力してまいります。また県内企業から要望の強い医療機器や創薬、バイオなどの医療分野を十一月に、農業分野を来年二月にオンラインの商談を中核とする形で開催します。
 新型コロナウイルスの感染拡大は社会経済の急速なデジタル化を促しております。そうした大きな転換期にTECH BEAT Shizuokaは、AIやICTなどの先端技術と県内企業の持つ高いものづくり技術との新結合を生み出す場として不断の進化に努め静岡の地からさらなるイノベーションの創出を図ってまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 志村農林水産担当部長。
       (農林水産担当部長 志村信明君登壇)
○農林水産担当部長(志村信明君) コロナ禍における県域を越えた県産農林水産物の販路拡大についてお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた経済活動を再生するためには、個人消費を中心とした内需の拡大に注力するとともに、首都圏需要に大きく依存している経済構造を転換し国土分散型の新たな地域経済圏の形成を図ることが重要と考えております。
 このため、本県では県内経済の循環を進めるバイ・シズオカ運動を山梨県と連携したバイ・ふじのくにに拡大し、互いの地域資源や強みを生かす取組としてまずは百貨店において山梨県のサクランボや本県の温室メロンの相互販売を行いました。また山梨県の地場スーパー三十六店舗において四日間開催した静岡県フェアでは生しいたけや釜揚げシラス、沼津港直送の鮮魚など百二十四商品、約三千二百万円を販売しました。明日の二十六日から二十七日は山梨県庁前の広場で、また来月は本県で物産展を相互開催するとともに、両県産品の詰め合わせセットの販売などの経済交流を進めてまいります。
 さらに、中部横断自動車道の全線開通を見据え長野県、新潟県を加えた中央日本四県の連携によるバイ・山の洲(くに)の相互経済交流へと発展させてまいります。具体的には、四県のスーパーのバイヤーを対象としたデジタル商談会の開催や県内御当地サイトにおける本県産品のセット商品の販売支援に係る費用を九月補正予算でお諮りしているところでございます。今後は各県の特徴や強みを生かして連携できるよう協議を進めてまいります。
 県といたしましては、国土の縦軸に感染症に強い新たな地域経済圏を形成するフジノミクスを展開し山梨県、長野県、新潟県と連携して需要を喚起することで県域を越えた県産農林水産物の販路拡大を図ってまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 今後のオンライン学習の在り方についてお答えいたします。
 臨時休業期間中におけるICTの活用状況でありますが、本年五月に県立高校九十校を対象に調査したところ全ての学校で様々な工夫を凝らしてICTを活用した学習指導を行っておりました。このうち四割程度の学校が同時双方向のオンライン指導を行ったほか、授業動画やデジタル教材を活用して家庭学習を進めておりました。
 このように、生徒が学校に登校できない臨時休業期間におきましてはオンライン学習の強みが発揮され学習の支援を行うことができたと考えております。また平常時におきましても授業で使用した教材による家庭での反復学習や本校と分校の間での遠隔教育など学習効果の向上が期待できますことから、今後も教員が対面で生徒の指導に当たることを基本としつつオンライン学習を最大限活用することが必要であります。
 こうした状況を踏まえ、全ての高校でタブレット端末が活用できるよう一年前倒しして整備する補正予算案を本議会でお諮りしております。またICTを活用した授業力の向上に関する研修を開催するほか、臨時休業期間中に教員が作成した教材を情報共有するなど全ての県立学校で等しくオンライン学習を行うための環境整備を進めております。
 県教育委員会といたしましては、コミュニケーションが取りやすい対面による授業に加え時間や場所を問わず効率的に学べるオンライン学習を効果的に活用し、子供たち一人一人の資質能力を最大限に伸ばしていくことができるよう教育の質のさらなる向上に努めてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 山本警察本部長。
       (警察本部長 山本和毅君登壇)
○警察本部長(山本和毅君) サイバー犯罪に対する捜査力強化への取組についてお答えをいたします。
 深刻化するサイバー犯罪に対処するため、議員御指摘のとおりサイバー犯罪への対処に関する知識、技能を有する職員を採用、育成をしサイバー犯罪捜査力の強化を図ることが極めて重要であると認識をしております。このため県警察では平成十九年度から二十八年度までの間、警察官採用試験に基本情報技術者以上の国家資格を有する方を対象とした採用区分を別途設けまして十六人を採用したところでございます。平成二十九年度からはこうした資格の有無にかかわらず情報処理能力に優れた多様な人材を確保することとしまして、新たに自己推薦区分の対象に加えるなどさらに幅広く人材の募集を行っているところであります。
 また、人材の育成については職員を警視庁などに派遣しまして先進的かつ高度なサイバー犯罪捜査に従事をさせ捜査手法を学ばせているほか、民間企業が持つ高度な情報や知見を修得させるためICT企業への派遣研修を行っております。加えて情報通信分野に関する高度な技術と最新の知見を有する民間の専門家五名を静岡県警察サイバー犯罪対策テクニカルアドバイザーに委嘱し、技術的な助言などを頂いているところでございます。これら施策によりまして議員御指摘の情報処理安全確保支援士の有資格者の育成を進めているところでございます。
 県警察といたしましては、今後ともサイバー犯罪対策に関する専門的な知識、技能を有する人材の確保と育成に努め捜査力の強化を図ってまいります。以上でございます。
○副議長(良知淳行君) 二十二番 伴  卓君。
       (二十二番 伴  卓君登壇)
○二十二番(伴  卓君) それぞれ御答弁頂きましてありがとうございました。
 まず最初に三点、再質問をさせていただきたいと思います。
 まず一点目になりますけれども、今後の財政運営についてでありますが、実は先般二十二日の静岡新聞にも載っていましたけれども、共同通信社が実施したこの自治体の財政に関するアンケートの中で静岡県の回答が、具体的に事業の見直しなどで財源を確保しているというコメントが一部載っていたかと思います。今日午前中の答弁でも茶業関連と県立学校の見直し等によって捻出するという御回答を頂きましたが、もう少し具体的に今どれぐらい厳しい状況でどれぐらい補うことができるのか、このコメントのもうちょっと深掘りした真意をお伺いしたいと思います。
 次が、デジタルトランスフォーメーション、行政における部分ですけれども、もうちょっとお伺いしたいのが順次導入していくといった中でいきなり全員の職員さんにぱんというのは難しいと思うんですけれども、そういった中でやっぱりその部局によって温度差があると思うんです。モバイルPCを必要とするところとそうでもないというのは失礼かもしれませんけれども、ちょっとその辺の構図なんかも今のところ構想があるのかどうか加えてお伺いしたいと思いますし、あとは導入しながら場合によってはちょっとこの機器ではあんまり向かないかなとか、もっとこんな機材を入れたほうがいいかなとか、そんなトライ・アンド・エラー的な手法も考えているのかどうか伺いたいと思います。
 再質問三点目ですけれども、県産品農林水産物の、志村部長にお伺いしたいんですけれども、もちろん静岡県としても買ってほしいし他県としてもやっぱり売りたいという気持ちがあると思うので、答弁の中でちょっと触れていただけるかなと思ったんですけれども、それぞれの何ていうか販売品の旬があると思うんですよね。農産物なんかは例えばこの時期だったら静岡はレタスができるけれども向こうはできないとか、そういった旬をお互いに共有し合っていい意味で回していくというそういったことが考えておられるかどうかもう少し回答をお伺いしたいと思います。以上三点、お願いします。
○副議長(良知淳行君) 佐藤政策推進担当部長。
○政策推進担当部長(佐藤典生君) 今後の財政運営についての再質問についてお答えいたします。
 財政状況ということでございますけれども、午前中の答弁でもいたしましたとおりやはりかなり県税収入が下振れするというおそれがありますのでやはりかなり厳しいというふうに我々は認識しております。そういった中で来年令和三年度ということになりますと財政指針――今試算をしているところでございますけれども――やはりかなり県税収入は厳しいということで午前中の答弁にありますとおりやはりかなりこれまでにないような厳しい財政、予算編成をしていかなければいけないというふうに考えております。
 そういった中で、どういうふうに財源を捻出するかということでございます。
 まず一つは事業の見直しでございますけれども、来年度につきましてはこれまで以上の徹底した見直しということで、これまでは各部局に枠を配分いたしまして見直しということをお願いしておりましたが、来年度につきましては場合によっては、これまだ検討案でございますが、県庁一律に例えば補助事業の補助率をどうするのか、例えば大規模イベントを全面的にどういうふうにしていくのかという全庁一律の基準を設けて徹底的な見直しをしていきたいということを一つ考えております。
 それと施設整備の見直しにつきましても午前中六億、十九億と。十九億については毎年度ということでございますけれどもそういう見直しを、財源の軽減ができるという御答弁差し上げましたけれども、残りの四つの施設につきましてもこれからどういうふうにするかということを再検討いたします。その再検討の中で例えば民間資金の活用ですとか、例えば他の施設の合築をする、指定管理者制度を導入するということで財源負担が軽減できるんではないかと思います。そういう見直しの方向の中でより経費負担を、財源を生み出せるような見直しをしていきたいというふうに思っております。
 それと長期的な、県議の質問の中で抜本的なというお話がありましたが、長期的なことを考えますと、やはり知事からも先ほどフジノミクスと御答弁差し上げましたが本県の稼ぐ力をどうやってつけていくかということも非常に重要になりますので、その辺についても我々これから施策の中で、予算の中で反映できるようにしていきたいというふうに考えております。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 杉山経営管理部長。
○経営管理部長(杉山浩一君) デジタルトランスフォーメーションに関わるモバイルパソコンの導入の順序ですとか機材についてお答えいたします。
 導入につきましては、さすがに一括すると五千数百台になります。さすがに一括とはいきませんけれども年度当初から割と早い時期に入っていくというふうに考えておりまして、大きな差異は出ないと思いますが本庁、出先の順に整備していくつもりでございます。ただ出先につきましても現場を持っているところなんかは早く頂きたいという話もありますので、そういったところは現場の声に耳を傾けて優先してまいりたいと思っております。
 また、最終的には全ての職員に配付、行き届くようにしましてテレワークというのを推進していくというふうに考えている次第でございます。
 また、機材につきましては現在モバイルパソコンの本体はもう既に入札をかけて今回契約についてお諮りしているところでございますが、その周辺機器がもろもろございます。例えば大型のディスプレーが必要じゃないかとか、あるいはテンキーはどうするか、またまた通信のデバイス次々新しいものが出てまいります。そういったものを順次補充していく必要があるというふうに考えておりまして、一年、二年かけて姿が出来上がってくるものというふうに考えております。以上でございます。
○副議長(良知淳行君) 志村農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(志村信明君) お互いのいわゆる旬を生かした、そういった農林水産物をお互いにこう売っていくというそういった取組を考えているかという御質問にお答えいたします。
 これまでも山梨県でも桃のシーズンに桃をこちらに、あるいはサクランボ、あるいは今はブドウ、静岡県もやはり静岡県の強み、まず山梨県、長野県にないのは水産物でございます。そうした沼津港のマダイですとかマアジですとかそういったものをこちらから送るということでお互いに持っている、いわゆる産物をその旬に応じて経済圏を広げていくということで考えています。
 また、農産物でいきますとこれから静岡県の場合は柿やミカンのシーズンにもなってまいります。そういったものもやはり広くこの山の洲(くに)のほうに広めていく、販売していきたいとそういうふうに考えております。以上でございます。
○副議長(良知淳行君) 二十二番 伴  卓君。
       (二十二番 伴  卓君登壇)
○二十二番(伴  卓君) 再質問、それぞれ御答弁ありがとうございました。また細かい内容は所属委員会の委員に振ってまいりたいと思いますのでよろしくお願いします。
 最後、時間の許す限り要望をそれぞれさせていただきたいと思います。
 まず、財政運営についてでありますけれども、先ほどの新聞の同じ紙面に掛川市なんかが消防車の購入を見送るというか先に送るというような話がありました。今日の午前中の学校の件もそうなんですけれども、やっぱり財政が厳しいと言われながらもその中でやらなければいけない施策というのは本当に命に関わることもあると思うんですね。そういったところは厳しい目を持ちながらも、きちっとはかりにかけるということをしていただきたいなというふうに思います。
 リニアについて、要望になりますけれども、国論を巻き起こしていくという……
○副議長(良知淳行君) 伴卓君に申し上げます。
 リニアに関する要望についてですけれども、今回取り上げることはできません。
○二十二番(伴  卓君) はい失礼しました。以上で質問を終わります。
○副議長(良知淳行君) これで伴卓君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 九月二十八日午後一時会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会いたします。

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