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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和元年6月静岡県議会定例会

中澤 通訓 議員(ふじのくに県民クラブ)の 一般質問 に対する答弁

(質問日:06/27/2019番目)
答 弁 者知事


○知事(川勝平太君) 中澤議員におかれましては、四十五年間の議員生活とのことで福沢諭吉翁が「一身にして二生を経る」というふうにして晩年に述懐されましたけれども、一身にして昭和、平成、令和の三生を経るというまれな御経験をされまして、しかも生涯一書生として貫きたいという言葉でございました。私は知事職をあずかって十年でございますけれども、その四・五倍の政治生活なさっておられて、私自身はその後塵を拝して、私もまた生涯一書生として後を追ってまいりたいと思っているところでございます。どうぞ御健康に気をつけて頑張ってください。
 中澤通訓議員にお答えいたします。
 リニア中央新幹線の整備についてのうち、整備事業に対する認識と大井川の水問題についてであります。
 リニア中央新幹線の整備は法律に基づいて行われるものであります。法律の名称は全国新幹線鉄道整備法と言われるもので、略称全幹法と言われるものであります。その目的を第一条にうたっておりまして、地域の振興に資することを目的とするとなっております。そしてその第六条には営業主体は国務大臣が指定できると。指定されたJR東海は一〇〇%民間会社であります。そしてその整備計画の決定も、かつ変更もこれは営業主体が行うことができるものであります。言いかえますとJR東海という民間企業によって実施されるプロジェクトであると法律上も認識できると考えております。
 またこれにかかわる建設促進期成同盟会というのもありますけれども、これもまた法律にのっとり地域振興に資するはずであるということで、それぞれの地域に資するようにJR東海に求めているものであります。この六月に総会が開かれまして決議がされましたけれども、その第六番目には地域の発展に資するよう地域の意向を十分に反映させ地域の活性化に資する施策を積極的に講じることというふうにうたっておりまして、私もまたそのような地域の振興に資するように建設促進期成同盟に入る資格があるというふうに思っております。
 大井川の水資源は流域住民の皆様の生活や産業に不可欠であります。リニア中央新幹線のトンネル工事に伴い大井川の水量の減少や水質の悪化、貴重な自然環境への悪影響が生じることは決して許されてはなりません。私はこの大井川の水問題については不退転の決意でおりまして、この決意は今後も変わることはありません。
 今月十三日には、地質構造・水資源及び生物多様性の専門部会の委員の先生、さらにまた大井川利水関係協議会の皆様とともに現地の状況を視察いたしました。畑薙ダムの上流に畑薙橋がかかっておりますが、そこで見た水量の少なさには仰天しました。大石先生は毎秒二トンの流量、多くても三トン以上ではないと言われておりました。JR東海が一秒二トンの水を失われると言ったその量でございます。それほどに流量が厳しい状況にあるというのを目の当たりにしたわけでございます。改めてトンネル湧水の全量を恒久的かつ確実に大井川水系へ戻すことは当然であるという思いを強くしたところであります。
 本県といたしましては、これまで二つの専門部会におきましてリニア中央新幹線における大井川水系の水資源の確保及び水質の保全等に関して客観的かつ科学的な根拠に基づいて対話を進めてまいりました。専門部会からはJR東海の認識不足あるいはJRが質問に直接回答しないことなどに対して再三注意喚起があるという状況でございました。
 ユネスコエコパークに登録されて南アルプスは人類の共有財産であります。この南アルプスにおきまして過去に類を見ない大深度で大規模トンネル工事を行うというのは極めて高い技術力とともにSDGs、すなわち国連の定める持続可能なゴールにもつながる高い倫理が求められるものであります。JR東海には世界のモデルとなる事業を行う施工者としての矜持を持った真摯な対応を求めるものであります。
 今月六日に発出した中間意見書に対するJR東海の回答が対話に耐え得る内容であるならば、科学的根拠に基づき利水者や地元の皆様に納得していただけるまで対話を続けてまいります。その際にはこれまでどおり専門部会を全て公開いたします。それとともに議事録をホームページに掲載いたします。また国に対しましても必要に応じて職員が出向き状況を説明するなど県の立場をしっかりと伝えてまいります。
 私といたしましては、命の水である大井川の水資源や南アルプスの自然環境が未来永劫保全されるように不退転の決意で大井川の水問題に取り組んでまいります。
 次に、サクラエビの不漁を受けた対応についてのうち、駿河湾を育む豊かな森林管理についてであります。
 「森は海を海は森を恋いながら悠久よりの愛紡ぎゆく」これは宮城県気仙沼の女流歌人、熊谷龍子さんの歌であります。これをもとにして「森は海の恋人」という畠山重篤さんの本が生まれました。古来漁師の間では森と海とは深い結びつきがあることが経験的に知られております。美しく豊かな駿河湾を後世に受け継いでいくためには議員御指摘のとおり県民の森づくり  要するに治山でございますけれども  への参加や手入れが行き届かない森林の整備を進め森林の持つ公益的機能を高めていく必要があります。森が荒れれば水が汚れます。川が荒れます。それゆえ森を、すなわち上流である南アルプスを大切にしなければならないということであります。
 漁業者を含む県民の森づくりへの参加を促すために、どなたもが気軽に森づくりに参加できる森づくり県民大作戦や企業が森づくりを支援するしずおか未来の森サポーター制度を推進しているところであります。今後さらに森づくり県民大作戦を実施するボランティア団体の育成や企業の森づくりへの協力要請の強化などによって県民参加を積極的に推進してまいります。
 また、手入れの行き届かない森林の整備につきましては森林づくり県民税を財源とした森の力再生事業により荒廃森林の再生などに取り組んでおりまして、これまでに整備した箇所では下草が回復し水源の涵養など森の力の回復が進んでいるところであります。
 加えて、本年三月に森林環境譲与税が創設されました。これを財源に市町が地域の実情に応じて森林を整備することができるようになりました。今後は県と市町が車の両輪となりまして協力、連携し、森林組合など林業経営体が行う森林整備を一層推進してまいります。
 さらに、森の養分が川を通して海に流れ豊穣の海を育む森と海のつながりの調査研究を行う「森は海の恋人」水の循環研究会を設置いたします。第一回研究会は七月三十日に開催いたします。ユネスコエコパークである南アルプスと世界で最も美しい湾クラブに加盟する駿河湾という世界クラスの資源をフィールドにして研究を進め、多様な生態系の保全と持続可能な利用につなげてまいります。
 私どもといたしましては、県民や企業の皆様、市町などと連携し駿河湾を育む森林整備を進め、水源の涵養や土壌の肥沃化など森林の持つ公益的機能を高めてまいります。以上でございます。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

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