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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

和田 篤夫 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/02/2013

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 災害対策について
 (1) 総合防災訓練の本部運営訓練における課題
 (2) 地籍調査の促進
2 富士登山道の維持管理と政教分離の関係について
3 多彩な観光資源を活用した観光誘客について
4 新型インフルエンザ等への対策について
5 新東名御殿場ジャンクション東側区間及び(仮称)御殿場インターチェンジアクセス道路について
6 県警察における人材育成について


○議長(中谷多加二君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百二十九号から第百五十五号まで及び平成二十四年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、二十一番 和田篤夫君。
       (二十一番 和田篤夫君登壇 拍手)
○二十一番(和田篤夫君) 皆さんこんにちは。私は自民改革会議所属議員として、通告に従い知事及び関係部局長並びに警察本部長にお伺いをいたします。
 まず初めに、災害対策についてのうち総合防災訓練の災害対策本部運営訓練における課題についてお伺いをいたします。
 今年の総合防災訓練は、政府が昨年発表した南海トラフ巨大地震の想定を受け六月に県が作成をした第四次地震被害想定を活用した初めての訓練であり、新しい想定に迅速に対応した今回の訓練は、今後の課題を明らかにし問題点の解決に向けた多くの対策を講じる上で大変意義のある訓練であったと思っております。
 八月二十八日に行われた本部運営訓練を見学をさせていただきました。東海地震とは異なった視点つまり被害が甚大となる中での自助、共助の意識の向上、県外の被害状況にも応じた支援部隊の受け入れ方法と手順の確認、第四次地震被害想定を踏まえた対処方法の検証の三点を重点とした訓練となっておりました。そしてこの訓練を通じこの巨大地震は静岡県から九州までにわたる超広域災害であるために自衛隊などの応援部隊は薄く広く展開することが予想され、その到着の遅延が想定されることや地震動に加え大津波により、負傷者の数も膨大な数が予想されております。また幹線道路の切断や伊豆半島の大規模孤立化、避難所の収容能力の限界などさまざまな課題を改めて認識することができ、結果として公助の限界が示され住民みずからによる自助、共助が非常に重要であることが再認識されるものでありました。本部運営訓練の中では、これらの課題に対しさまざまなアプローチから対応をしていましたが、全ての課題に対しての答えはすぐに出るものではないと考えております。
 今回実施した本部運営訓練で明らかになったさまざまな課題の中で、一部負傷者への対応や応援部隊の進出方法など具体的な対応についての方針が示されていましたが、まだまだ解決しなければならない課題はたくさんあります。今後これらの課題に対しどのように対応していくのか、お伺いをいたします。
 次に、地籍調査の促進についてお伺いをいたします。
 一昨年発生をした東日本大震災から二年半が過ぎようとしております。公共インフラの復旧・復興のうち応急復興についてはおおむね完了し、本格復旧・復興の段階に移行しているようですが、住宅再建・居住確保、そして復興まちづくり事業、中でも集団移転や土地区画整理事業についてはその多くが計画・設計の段階でとどまっており、思うようには進んでいないようでございます。
 この問題の大きな原因の一つが地籍調査がなされていない土地の取得問題であるようです。復旧・復興を進めるためには、まずは土地の境界を確定することから始まりますが、地籍調査が実施されていない場合、所有者の確定も面積の確定も不明で長年未相続であったり、相続資格者が多くかつ全国に散らばっていたりで、たとえ自治体が復旧・復興のために土地取得の必要性が生まれ地権者の同意を得ようにも、その地権者を探すだけでも大変でこの作業を終えるのに相当な時間や手間がかかってしまいます。
 私は国全体で対応しなければならない大災害や緊急事態に備えて非常事態に対応できる緊急事態法等の法整備が本来あるべきだと考えておりますけども、それがない現在、現法律の中で最善の方策を講じることが求められております。
 とりわけ、南海トラフ巨大地震の発生が懸念される本県では、被災後の早急な復旧・復興に必要な土地の境界情報が整備されていなければなりません。しかしながら土地情報を整備をする地籍調査の状況を見ますと、本県の進捗率は全国平均の五〇%に比べて二三%と大きく下回っております。また津波による震災被害が懸念される沿岸部のうち、旧焼津市から伊豆半島に至る地域ではほとんど調査が進んでいない状況にあります。特に賀茂地域においては未着手が一市四町、休止が一町となっております。このような状況では南海トラフ巨大地震の発生までに早急に土地情報を整備する必要がある沿岸部でさえ、地籍調査を終わらせることはできないのではないかと大変危惧をしております。
 そこで県は、これまでの地籍調査の進め方にとらわれず復旧・復興に必要な土地情報を優先的に整備するなど復旧・復興対策として地籍調査を促進するための手法を考えるべきだと思いますが、県の考えをお伺いいたします。
 次に、富士登山道の維持管理と政教分離の関係についてお伺いをいたします。
 登山道の須走、御殿場及び富士宮ルートは、議会の議決を受けそれぞれの登山道入り口から富士山頂まで県道として昭和三十五年に認定をされ県が整備を進めてまいりました。県道として認定した時点では、富士山の八合目から富士山頂までの土地は国が管理していましたが、昭和四十九年の最高裁判決によって富士宮市の富士山本宮浅間大社の所有地として確定をいたしました。しかしながら八合目以上は静岡・山梨県境が未確定で土地表示がなく土地の登記ができないため、その所有権は宙に浮いたままの状態でしたが、最高裁判決から三十年経過した平成十六年、国は八合目以上の土地のうち富士山測候所跡地や登山道等を除き、無償譲与する通知書を富士山本宮浅間大社に交付をし現在に至っております。
 本年六月、念願かなって富士山は世界文化遺産に登録をされ、今後はその構成資産の保存や管理が大きな課題となりますが、県は富士山の環境保全や登山者の安全対策に充てる財源の確保の方法として公的負担、民間支援、利用者負担によることとしており、今回社会実験として集めた利用者負担としての富士山保全協力金も含めた財源は、構成資産でもある登山道の維持管理や環境保全などに使うことも考えられます。
 富士山の八合目以上は、富士山本宮浅間大社の境内に当たりその境内の中を通っている県道は、登山目的の人には登山道として奥宮参拝目的の人は参道として使用することになり、県道を維持管理するということは、登山道であり参道でもある道を維持管理するということにもなります。先般視察しました世界文化遺産である日光や平泉の場合と違って、富士山の場合は富士山自体が浅間大社の御神体であり、富士山頂の浅間大社奥宮への参拝は参道でもあり登山道でもある県道を利用するほかにないという特殊性を持っております。
 つまり、県道を維持管理することは参道を維持管理することと同じであり、見方によっては公費を使って特定の宗教法人に対し便宜供与をしていると見られることはないのでしょうか。県の所見をお伺いをいたします。
 次に、多彩な観光資源を活用した観光誘客についてお伺いをいたします。
 富士山が世界遺産に登録をされ世界農業遺産となった静岡の茶草場農法に加え、今回産業革命遺産の一つとして推薦を受けた韮山反射炉、ユネスコエコパークを目指す南アルプス、東海道のオアシスである浜名湖、そして世界ジオパークを目指している伊豆半島。また豊かな温泉、多彩な食材、伝統的な行事や芸能なども数多くあり、これだけ世界レベルの素材や観光資源がある県はほかにはございません。そして来年度には、浜名湖花博十周年事業、また再来年には徳川家康公顕彰四百年事業も予定されるなど静岡を国内外に売り込む絶好の機会であります。
 しかしながら、本県の観光産業は落ち込みを続け本県を訪れる観光交流客数は、宿泊客数のピークであった平成三年度の二千七百六十五万人が平成二十三年度には千六百八十四万人と一千万人も減少をしております。県の八月末の発表によれば、平成二十四年度は速報値で千八百七万人と対前年比百二十三万人、七・七%増加しましたが、対前年比を上回るのは平成十九年以来のことで依然として厳しい状況が続いていると言えます。
 企業の慰安旅行がなくなり、団体旅行から家族や友人で出かける個人旅行がふえたように旅行の形態の変化に伴い宿泊客数が減ってきている現状もわからないわけでもありません。私は地域の観光協会や行政、旅館、ホテルなどの受け入れ側がこの旅行形態の変化に果たして努力して対応しようとしてきているのか、また従来からのキャンペーンやお祭りなどのイベント中心の取り組みから変わっていないのではないかと感じております。
 一方で地域には、新たな観光誘客を考えている旅館・ホテルの若い経営者や鉄道事業者、NPOなど頑張っている人も多いと認識をしております。
 このように頑張っている人材や地域ならではの多彩な観光資源を活用し、地域の皆さんと一緒になって観光を盛り上げていく必要があると考えますが、県の考えをお伺いをいたします。
 次に、新型インフルエンザ等への対策について伺います。
 ことしは国内各地で猛暑、大雨、竜巻など安心・安全な生活を脅かす数多くの自然現象が発生し、毎日のように報じられております。また風疹、手足口病など県民の健康を脅かす感染症が例年にない勢いで流行をいたしました。国外では三月、中国上海市において鳥インフルエンザが人に感染したのを初めとして、その後同じ状況が周辺地域にも広がり、現在わかっているだけで百三十六人が発症し、そのうち四十四人もの人が命を失いました。平成二十一年に世界的に流行した新型インフルエンザの再来かと危機感を募らせましたが、幸いにして現時点においてこの中国で発生した鳥インフルエンザは、特別なケースを除き人から人への感染は確認されず小康状態となっているようであります。平成二十一年のときには、病院の待合室はふだんの何倍かの患者さんであふれ、マスクは売り切れ続出、多くの人が集まるイベントは軒並み中止。そんな混乱が各地で生じたことは記憶に新しいところであります。
 今回の中国の鳥インフルエンザ流行への対応として、国は昨年五月に公布された新型インフルエンザ等対策特別措置法の施行時期を早めるとともに、感染症法の改正など対策強化のための措置を講じました。この特措法はその名のとおり新型インフルエンザのみならず、未知のウイルスなどの感染症をも対象とする法律となっております。新型インフルエンザ等の感染症は、一歩対応を誤ると地震や津波、台風などの自然災害以上に被害が拡大し、社会活動に大きな影響をもたらす大変な脅威と言えるもので、自然界がもたらす予想が困難な災害の一つと言っても過言ではありません。
 私は、地震等の災害対策と同様に新型インフルエンザ等対策においてもウイルスという目に見えない未知の脅威から県民を守るため、特措法に基づき県が策定した静岡県新型インフルエンザ等対策行動計画に従って適切に対応していくことこそが重要であると考えます。
 そこで、この行動計画を実効性のあるものにしていくために県はどのように取り組むのかお伺いをいたします。
 次に、新東名御殿場ジャンクション東側区間及び仮称御殿場インターチェンジアクセス道路についてお伺いをいたします。
 昨年四月、新東名の御殿場ジャンクションから三ヶ日ジャンクション間が開通をし現東名とのダブルネットワークが構築されたことにより、交通の分散が進み渋滞が減少するとともに、高速性、定時性が確保されるとともに交通事故も減少し、安全・安心で快適な人や物の流れが実現をいたしました。さらに周辺施設においては、観光客が増加するなど観光振興や地域活性化等の面でも大きく寄与をしております。
 一方、東名の御殿場ジャンクションから東側については、特に交通量が多いこともあり各地で激しい渋滞が発生しており、本年のお盆期間の八月十日には神奈川県の秦野中井インターチェンジ付近の下り線において、約四十五キロメートルもの渋滞が発生するなど国民の生活や経済活動に大きな影響を及ぼしております。今年度には圏央道の相模原愛川インターチェンジから高尾山インターチェンジ間が開通し、東名から中央道、関越道までが連結する予定となっております。東名だけでなく新東名がこれらの道路ネットワークと結びつき円滑な交通が確保されることで、さらに交流圏域が拡大されることから新東名の早期全線供用への期待がますます膨らんでいます。
 また、新東名本線の整備にあわせ、仮称御殿場インターチェンジへのアクセス道路として、国道百三十八号須走道路及び御殿場バイパスや県道仁杉柴怒田線の整備が進められております。インターチェンジへのアクセス機能のほか東富士五湖道路に連結する国道百三十八号須走道路及び御殿場バイパスは、東名、新東名、中央道と接続することで高速・広域ネットワークを形成し、地域の経済活動や広域観光を支える機能を担う道路であり、また県道仁杉柴怒田線については、都市計画道路御殿場高根線として御殿場市街地の外環状道路の一部を形成し中心市街地における渋滞解消などの機能を担う道路であります。
 本年六月に富士山が世界文化遺産に登録され、さらに平成三十二年の東京オリンピック招致が決定をいたしました。今後国内外から富士山周辺を訪れる観光客の増加が予想される中、当地域の道路整備の重要性がさらに高まっております。
 そこで、新東名御殿場ジャンクションから東側の区間及び仮称御殿場インターチェンジへのアクセス道路について、その進捗状況と供用に向けた県の取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、県警察における人材育成について伺います。
 昨今の社会情勢の変化や犯罪捜査の複雑化に加えサイバー犯罪など警察にはさまざまな対応が求められているところであります。そのような中、警察も他の官民の組織と同様、大量退職期の真っただ中にあり急激に世代交代が進んでいると思われます。
 県警でも平成二十年度から平成二十四年度までの間に約千五百人の方が退職されたとのことであります。その結果として県民の皆さんの身近なところでパトロールに従事される地域警察官のおよそ三分の一が警察に採用されて五年未満という若い警察官になっているという現状もございます。さらにこの先五年間では、毎年二百五十人前後の退職者が見込まれると聞き及んでおります。
 経験豊富な警察官が次々と退職し、世代交代が急速に進んでいくと当然のことながら現場の執行力でありますとか指揮能力の低下が懸念されます。しかしながら警察は県民から寄せられる多種多様な要求に適切に応えていかなくてはならず、その力を落とすことは決してできないわけであり高い倫理観と犯罪に対する対決姿勢を強く持った優秀な警察官を育成していかなければなりません。
 組織に若者がふえれば活気も出てくる反面、やや人間関係の構築や世代間のコミュニケーションを不得手としがちな最近の若者を職務質問や聞き込み等の基礎的活動のできる一人前の警察官として育てるには、大変な御苦労をされているのではないかと推察をしております。警察学校を卒業し現場勤務となれば失敗は許されず、さらに不祥事を起こせば警察全体の信頼を損なうばかりではなく、士気の低下にもつながりかねません。マンパワーの組織である警察では、世代交代によるこれら問題に対処した各種の人材育成策をより一層推進させることが重要であると考えます。
 県警では、多くの経験の浅い警察官をすぐれた警察官に育成するための策としてOBや経験豊富なベテラン警察官による伝承教養に取り組んでおられると聞き及んでおりますが、現実に取り組まれてる人材育成の状況と今後どのように人材育成に取り組まれるのかについて警察本部長にお伺いをいたします。以上について答弁を求めます。(拍手)
○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 和田議員にお答えいたします。
 多彩な観光資源を活用した観光誘客についてであります。
 近年、社会の新しい潮流をよく見ながら熱意のある個性的な事業者が出てきていることを喜んでおります。地域の人材や資源を最大限に活用して旅行者のニーズをしっかり見て、それに応えようという取り組みなのでありますが、例えば富士市におきましては水揚げされたばかりのシラスを提供するシラス街道というのがございます。これは食文化に対する近年の潮流を踏まえたものです。西伊豆町では、カヌーで海からジオパークを体験するジオ・カヤックツアーというのを企画されて成功されています。これもスポーツ志向というものであります。さらに遠州地方におきましては五市一町、掛川市、袋井市、磐田市、御前崎市、菊川市、森町をめぐる、いわば豊かな田園地帯なのでそこを自転車でめぐる遠州ゆるゆるサイクル・ツーリズムといった取り組み。これは従来の団体旅行とは全く違った旅行の形態をみずからの工夫と地域の資源、これを生かした事業者による取り組みであります。
 こうした意欲的な取り組みを起業化し発展させ地域に根づかせることで継続的な誘客につなげるためには、観光事業者はもとより商工、農林水産業の事業者やまちづくり団体などが連携し、地域全体の活動として広げていくことが重要です。
 このため本県におきましては、こうした起業を計画している事業者や行政、観光協会の担当者等に対し個性的な旅行商品の企画販売研修を実施するとともに、実際に起業した事業者に対しましては商品の魅力が浸透し営業実績に結びつくまでの間、広告費等を補助しているというのが現状です。
 そうした中で、本県自体における観光の旅行形態を踏まえる必要があります。議員御指摘のとおり団体旅行から個人旅行に変わってきておりますけれども、議員は昭和二十六年のお生まれということでちょうど十七歳、多感なころに人々はどういう旅行をしていたかというと半分以上が団体旅行です。今はそれが十分の一に減っています。そして個人旅行がなるほど九五%を占めているんですけれども、その中身をさらに精査しますと何と昭和四十三年から平成二十四年のこのほぼ半世紀の間に家族旅行が一八%から七四%にまで伸びていると。本県には実は家族がたくさん来ているという、そうした実態が浮かび上がってまいります。個人旅行といっても実際は、その中身は一人旅行とか友人、知人として来るよりも、家族でお越しになる人が何と全体の四分の三を占めていると。全旅行者の四分の三を占めているということなのです。したがって本県は家族としての一体感、家族としてのきずな、家族として一緒に行ってみたいという、そうした地域であるというそうした実態が浮かび上がってきます。
 そこで、現在策定中の新しい観光基本計画におきましては、こうした新しい旅行形態、静岡県は家族にとって楽しい旅行先だというそうしたことを踏まえた魅力のある観光地づくりを主要戦略として掲げたいと思います。地域を牽引する熱意ある人たちの力を結集した組織的な観光誘客活動を重点的に支援して、多彩な観光資源を活用した誘客を推進してまいりたいと。家族をキーワードにしたいということでございます。
 次に、新型インフルエンザ等への対策についてであります。
 新型インフルエンザや未知のウイルスなどによる感染症は、毎年流行を繰り返す季節性のインフルエンザと異なりまして、大きな健康被害とこれに伴う社会的影響が懸念されておりまして、発生時に適切な対策を講じることができるように平時から体制を整備していくことが大変重要です。
 このため本県におきましては、未発生期から発生期、感染期、小康期に至るまでの段階ごとに県、市町、関係機関、県民がとるべき行動について具体的にまとめた静岡県新型インフルエンザ等対策行動計画を策定し、県議会に御報告いたしましたところです。
 県といたしましては、この行動計画を実効性のあるものにしていくため抗インフルエンザウイルス薬等の備蓄や医療体制の整備など発生に備えた事前の準備を周到に進めてまいります。さらに本県を初めとする各関係機関がみずからの責務を自覚した上で相互の情報交換や連携体制を確認し、県民の皆様への情報提供等を盛り込んだ訓練を実施することとしています。
 また、ガスの供給、バス、鉄道の運行等々、県民の生活に欠かせない公益的事業を行う法人を指定地方公共機関という名称に指定いたしまして協力体制を構築するとともに、住民の予防接種や生活支援方法等を定める市町の行動計画が適切に作成されるように支援してまいります。
 今後とも国、市町、関係機関等と密に連携し、この行動計画の実効性を高め新型インフルエンザ等の感染症の脅威から県民の皆様の生命、健康を守り県民生活や地域経済に及ぼす影響を最小限にとどめることのできるよう対策に万全を期してまいります。
 その他の御質問につきましては関係部局長から御答弁を申し上げます。
○議長(中谷多加二君) 小川危機管理監。
       (危機管理監 小川英雄君登壇)
○危機管理監(小川英雄君) 災害対策についてのうち、総合防災訓練の本部運営訓練における課題についてお答えをいたします。
 ことしの本部運営訓練は、南海トラフ巨大地震による超広域災害を想定し、新たな課題への対応方針を明らかにする目的で実施をいたしました。
 まず、自衛隊などの応援部隊の規模の縮小や遅延に対しましては被災状況に応じた効果的な部隊展開を要請しますとともに、米軍の支援を最大限に受け入れるための連携を強化してまいります。また幹線道路が寸断された場合でも応援部隊の迅速かつ円滑な受け入れができますよう、広域の迂回路や静岡空港、新東名のヘリポートを活用する体制を構築してまいります。
 次に、膨大な数の負傷者への対応につきましては、災害派遣医療チームの円滑な受け入れや陸路によります広域医療搬送及び仮設の救護所や海上救護所の設置など災害時医療体制の充実に取り組んでまいります。さらに伊豆半島の大規模孤立化につきましては、空路による初動の支援体制と海上からの優先的な支援体制を構築することとし来年度に伊豆半島南部で予定をしております総合防災訓練で検証してまいりたいと思います。
 これ以外にも、市町との円滑な連携や在宅避難者への対応など解決すべき課題はまだまだございますが、引き続き緊急交通路の設定あるいは航空受援訓練などを初めとしますさまざまな分野別の訓練と一月に実施します大規模図上訓練を通じて、これまでの対策を検証してまいりますとともに、新たな課題の発見と解決により対策の実効性をさらに高めてまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) 災害対策についてのうち、地籍調査の促進についてお答えいたします。
 甚大な津波被害が想定される沿岸部においては、市街化が進み土地の権利関係が複雑な上に膨大な筆数が存在し、地籍調査が進んでいない状況にあります。このため被災した場合の復旧・復興に備え、まずは早期に着手が可能であり将来の地籍調査の一部となる基礎的な土地情報の整備に取り組んでいく必要があります。
 東日本大震災では、比較的調査の容易な官民境界を優先して明確化することにより本格的な地籍調査が効率的に進められ、公共事業や住宅再建等の復興事業が推進されていることから、本県においても地籍調査に先行して官民境界の情報を整備することが有効と考えております。
 このため、県では静岡県地震・津波対策アクションプログラム二〇一三において、国との連携により津波浸水域で地籍調査が行われていない三十八平方キロメートルの官民境界調査を平成三十四年度末までに実施していくこととしております。さらにこの調査と並行して地籍調査の成果と同様に取り扱うことができる公共事業等の測量成果を活用することによって、地域の迅速な復旧・復興に貢献する地籍調査の促進を図り、安全・安心で魅力あるふじのくにの実現に努めてまいります。
 次に、富士登山道の維持管理と政教分離の関係についてであります。
 富士登山道については、富士山頂へ向かう県道として路線認定しており、宗教的な活動を行うための登山者だけでなく多くの一般の登山者が自由に安全に通行できる県道として維持管理を行っております。山頂の浅間大社への参拝者も利用する登山道ではありますが、県としては他の県道と同様に誰でも平等に登山道を利用できるよう維持管理を行っているものであり、特定の宗教活動を助長するものではなく政教分離の原則に反することはないと判断をしております。
 県が行う登山道の維持管理により結果的に浅間大社が利益を受けているとしても、その利益は一般的に沿道の事業者や居住者が受ける利益と同様のものであり、県が宗教団体に特別の便宜供与を行っているものではありません。県といたしましては世界文化遺産となった富士山を国内外から訪れる方々が安全に登山できるよう、今後も富士登山道の適切な維持管理に努めてまいります。
 次に、新東名御殿場ジャンクション東側区間及び仮称御殿場インターチェンジアクセス道路についてであります。
 新東名につきましては、中日本高速道路株式会社が平成三十二年度までの全線供用に向け、御殿場ジャンクションから神奈川県海老名南ジャンクション間の全区間において事業を推進しております。県内区間につきましては、本年八月末現在の用地取得率は約三割となっており今年度から御殿場ジャンクションの橋梁工事にも着手する予定であります。また仮称御殿場インターチェンジへのアクセス道路のうち国が施行する国道百三十八号須走道路と御殿場バイパスにつきましては、昨年度までの用地取得率がそれぞれ約五割、約三割となっており、今年度は引き続き用地取得を推進するとともに、本線工事などにも着手しております。
 県が施行する県道仁杉柴怒田線につきましては、道路詳細設計、用地調査が完了し今年度から用地交渉に着手したところであります。今後は鋭意用地取得に努め新東名の供用に合わせ完成するよう一日も早い工事着手を目指してまいります。
 県といたしましては、これらの道路整備と富士山世界遺産登録との相乗効果により県東部地域の観光振興と地域産業の活性化が一層図れるよう、中日本高速道路株式会社や国に対し新東名及び国道百三十八号の早期完成を働きかけるとともに、県道仁杉柴怒田線の整備推進に努めてまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 島根警察本部長。
       (警察本部長 島根 悟君登壇)
○警察本部長(島根 悟君) 県警察における人材育成についてお答えいたします。
 県内の治安情勢は、刑法犯認知件数が減少するなど一定の改善が見られる一方で振り込め詐欺の増加やサイバー関連事犯等に見られるような新たな脅威の存在など県民の治安に対する不安感は依然として根強く、決して楽観できる状況にはありません。
 加えて警察においては、大量退職期を迎え警察官の急激な世代交代が進んでおり、平成二十五年度から十年間では全警察官の三五%以上に相当する約二千二百人が退職する見込みであり、執行力の維持向上が重要な課題となっております。
 このような現状を踏まえ県警察では、大幅な世代交代による執行力の低下を招かないよう経験の浅い若手警察官の早期戦力化を初めとした人材育成に取り組んでいるところであります。
 具体的に幾つか申し上げますと特に卓越した知識、技能を有する再任用した職員を伝承官に任命、実務経験が豊富で卓越した専門的知識、技能を有している職員を技能指導官にそれぞれ指定し、事件現場への同行指導、警察署への巡回指導により、その知識、技能の伝承に努めているほか若手の昇任者を交番へ優先的に配置し若手警察官の育成指導の推進を図っております。
 また、不審者に対する職務質問等を想定したロールプレイング方式による教養、銀行強盗等の突発事案を想定した初動対応訓練、事件現場を想定した鑑識競技会の実施などさまざまな方法によりまして個々職員の能力向上を図っております。さらに現在採用拡大を進めている女性警察官に対しても現場執行力のさらなる強化を図るため、逮捕術を初めとする各種術科訓練の強化にも努めているところであります。
 これらの取り組みにより、採用間もない若手警察官がコンビニ強盗の被疑者を事件発生直後、職務質問を積極的に行い現行犯逮捕したという事例や技能指導官から教養を受けた女性警察官が所持品検査を綿密に行い、乾燥大麻を隠し持っていた男を現行犯逮捕したものなど着実に成果を上げていると考えております。
 今後も、これら教育訓練の効果を検証しつつ、人格的にもすぐれ執行力の高い警察官の育成に努めてまいる所存であります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 和田篤夫君。
       (二十一番 和田篤夫君登壇)
○二十一番(和田篤夫君) 二項目について再質問をさせていただきます。
 一点は、富士登山道の維持管理と政教分離についてでございます。
 先ほどの答弁では、先般この問題について顧問弁護士に相談したという結果に沿って答弁をいただいたと、このように理解しております。その中で公道が唯一の参道となる宗教施設であってもこの参道の整備や維持管理がその宗教にとって圧迫、干渉、援助、助長に当たらないように配慮されていれば、政教分離の原則に反するとは言えないと、このようにおっしゃっておられますけどもその援助に当たらない配慮というのはどの程度のものなのか、県の見解をお伺いをしたいと思います。
 もう一点は新東名関連でございます。
 新東名の供用開始は平成三十二年と予定されております。現在の計画のままでいくとちょうど東京オリンピックが開催される年に供用されるということになります。国はこの東京オリンピックに向けてさまざまな形で準備体制を整えつつあります。したがって前倒しを非常に地元は期待しておりますけども、このことについて再質問をさせていただきます。答弁をよろしくお願いします。
○議長(中谷多加二君) 長島交通基盤部長。
○交通基盤部長(長島郁夫君) 再質問にお答えいたします。
 まず初めに、富士登山道の維持管理と政教分離の関係についてでございます。
 富士の登山道でございますけれども、現在ほとんどが御来光等を拝みに行ったりそれから観光目的で富士登山をしているというのが実態でございます。御来光を拝むこと自体そういうこと自体は特定の宗教的儀式と言えるものではないということで思っておりまして、そういう登山者の安全とかを確保するために安全を何しろ確保するために維持管理を行ったとしても、それ自体は特定の宗教活動を助長するものでもなく、政教分離の原則には反しないものと考えられるという見解でございます。
 続きまして、新東名の供用開始をということですがどちらにしても今、新東名、静岡県から東側については行楽シーズンにはいつも渋滞の情報が流れてきますところですから、なるべく早く供用開始ができるよう積極的に要望をしていきたいというふうに考えてございます。以上でございます。

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