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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和元年12月静岡県議会定例会

蓮池 章平 議員(公明党静岡県議団)の 代表質問 に対する答弁

(質問日:12/07/2019番目)
答 弁 者知事


○知事(川勝平太君) 蓮池議員にお答えいたします。
 来年度当初予算編成についてであります。
 来年度の当初予算の三つの指定テーマにつきましては新ビジョンの加速化を基本としております。言いかえますと善は急げ、前倒しということでございますが新ビジョンやまち・ひと・しごと創生総合戦略の御評価を踏まえながら将来からのバックキャストの視点で課題を抽出し特に取り組むべき重点かつ横断的なテーマとして設定をいたしたところでございます。
 具体的に申し上げますと世界に先駆けて進行する人口減少、超高齢化に適応するための社会システムをつくる、また飛躍的な革新を遂げさまざまな課題解決の鍵となるICT、AIなどの最先端技術を活用する、さらにこれらを進める上で基本となる未来を拓く子供を育み誰もが活躍できる社会を実現するという本県の今後の地域づくりの基礎となるものでございます。
 予算編成におきましてはこのテーマに基づき各部局長のマネジメントのもとでPDCAサイクルによる事業レベルでの検証と改善を徹底的に行います。エビデンスに基づく現状分析、明確な課題の設定、課題解決に向けた手法、ロードマップ、KPIの設定などしっかりと行いましてテーマに照らして効果が見られない事業につきましては新たな手法に転換をいたします。
 今後とも財源は限られております。この限られた財源の中でプラン・ドゥ・チェック・アクションとPDCAサイクルを通じましてより政策効果の高い事業の構築に継続して取り組みます。そのことによりまして直面する課題の解決を図り世界のモデルとなる美しいふじのくにづくりを加速化し誰一人取り残さない社会の形成を目指してまいります。
 次に、次期総合戦略についてであります。
 静岡県は国に先駆けて人口減少問題に関する有識者会議を設置いたしました。この会議の御提言をもとにいたしまして県民の英知を結集し人口減少対策の羅針盤となる総合戦略を策定したわけであります。そして毎年度各界各層の皆様の御意見を承りながら施策を改善しまた重要業績評価指標、いわゆるKPIの見直しを図り常に総合戦略を進化させてまいりました。
 これまで移住相談窓口で仕事の情報を求める声が多いとの調査結果を踏まえまして就職相談機能を強化いたしました。また県内経済に精通する方による首都圏等の求職者と県内中小企業とのマッチング事業を創設しKPIに掲げる移住者の増加や県外の人材の県内での正規雇用者の増加を図ってまいりました。
 議員御指摘のとおりエビデンスに基づく分析結果を次期総合戦略に反映することが重要です。次期総合戦略は総括評価を踏まえた意欲的な施策とその効果を的確に図るKPIを盛り込みまして実効性の高い目標管理型の計画としてまいりたいと考えております。
 具体的には、平成三十年は東京一極集中が大幅に加速し本県でも若い女性を初め多くの年齢層で日本人の転出超過が拡大いたしました。国も分析を進めるとされていますけれどもこれに先立ち県独自でアンケートを実施いたしました結果、若者が本県に戻らない理由としてやってみたい仕事や勤め先がないことが挙げられています。
 このため、多くの若者が就職できる分野や場を広げようと先端産業創出プロジェクト間の連携による研究開発と事業化の促進、デザインとかヘルスケアといった新しいサービス産業の振興など魅力的な働く場を創出する施策の充実を図ってまいります。
 また、合計特殊出生率は近年横ばいで推移しております。一方県の調査によれば若者の約八割は結婚をして二人から三人の子供を持ちたいという希望を持っています。このため平均初婚年齢の改善に効果があるという評価に基づきまして出会いの場の創出などの結婚支援を充実いたします。公的保育サービスの受け入れ児童数の伸び悩みに対しましては増大する乳幼児保育の需要に対応する保育人材の確保と処遇の向上の取り組みを充実いたします。こうして市町と一体となりまして若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえるための施策の改善を図ります。
 SDGsのモデルとなる誰一人取り残さない社会の形成に向け二十三年間にわたって続く東京一極集中と未婚化、晩婚化などの社会の大きな潮流を変えるべく全県を挙げて取り組んでまいりますので県議会の皆様の御支援、御協力をお願い申し上げる次第であります。
 次に、リニア中央新幹線整備についてであります。
 リニア中央新幹線整備は国策というふうに言われます。静岡県の多くの方々がこのリニア問題に最近のように高い関心をお持ちになられるはるかに前から私はこの問題に関心を寄せてまいりました。一九九〇年代からです。国土審議会の委員。国土審議会というのは国土全体の計画を全庁横断的に定める国土庁の審議会でありますけれどもその最後の全国総合開発計画、第五回目のものでありますけれども二十一世紀の国土のグランドデザインの策定にかかわりました。と同時に時速五百キロのリニア新幹線実験線において九〇年代に体感しているわけであります。
 そして省庁再編がありまして二十一世紀になりますと国土庁がなくなり国土交通省の諮問機関として国土審議会がございました。その中で私も委員として国土形成計画にかかわったわけです。これによりますとこの首都圏と中京圏と阪神圏を五百キロないし六百キロのリニア新幹線で結んでスーパー・メガリージョン――一つの首都圏、一つの都市圏にするという構想であります。この意義について私はこの形成にも国土形成計画にもかかわった一人として一貫して認めてきたものであります。したがってリニア中央新幹線に反対したことは一度もありません。
 一方、このリニア中央新幹線が国交省の交通政策審議会中央新幹線小委員会というところでルートの計画、ルートを決定されたのは二〇一一年のことだったと思いますけれどもそのときに静岡を通るということになりまして、これは私のような者でも驚天動地の新しいルートの設定であったわけです。そしてそれが南アルプスを通過するということになったということでございます。
 この南アルプスは平成二十六年――二〇一四年にユネスコエコパークに登録されました。御案内のようにライチョウの生息地の南限であります。また氷河期の遺存種と言われる高山植物のタカネマンテマや絶滅危惧種のヤマトイワナなどが生息する生物地理学的に大変重要な地域であります。一言で言えば世界の宝であります。世界最先端の技術のリニアと世界の宝の南アルプスをどう両立させるかが課題です。これは事業者であるJR東海さん、また認可者である国、また国民全体の知恵を絞らなければなりません。この両立を図る方策はまだ出ていないというのが現状であると思っております。
 さて、この南アルプスは複雑な地形と地質を持つ三千メートル級の高い山々から成る山脈です。厳しい気象条件、崩壊しやすい地質条件でございますのでアプローチが不便であります。こうしたことからこれまで比較的人の手が入っていないことと相まって新たな人為的な変化に対する脆弱性が極めて高い地域と言えます。
 このため、工事に伴う大井川の流量のみならず水質、また生態系への重大な悪影響が危惧されているわけであります。工事による大井川上流部の生態系への影響を把握するためには言うまでもなく生物の生息状況や川や沢の流量等の生息環境をデータとして可能な限りリアルタイムかつ高い頻度で計測、把握することが重要であります。またその方法の検討が必要であります。
 同時に生息状況や生息環境を単なる数値としてとらえるだけでなくそれらの脆弱性を関係者が実際に見てこの自然環境の保全の重要性とまた困難性を実感することも重要であります。この両面から先月二十八日にJR東海や国の関係者とともに本県難波副知事、またくらし・環境部の幹部がリニア工事に伴う流量の著しい減少が予測される大井川の上流部を確認したところであります。
 議員御指摘のとおり南アルプスの貴重な環境資源や水資源を守るためには工事着手前からJR東海がトンネル工事付近の生態系や水量等の状況を高い頻度で定点観測しそれをもとに環境保全対策を検討し方策を打ち立て県等が監視する体制を整備することが必要であります。工事着手後はこの体制を活用し異常な変化を確認した場合にはJR東海に速やかに適切な対応を求めていくことが必要となってまいります。
 大井川上流部の美しい清流、南アルプスの希少かつ貴重な生態系を初めとするすぐれた自然環境の保全に引き続き全力で取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp