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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成31年2月静岡県議会定例会

増田 享大 議員(自民改革会議)の 代表質問 に対する答弁

(質問日:02/18/2019番目)
答 弁 者知事


○知事(川勝平太君) 増田議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、平成三十一年度当初予算編成についてであります。
 平成三十一年度当初予算の編成に当たりましては、人口減少対策を初め県内の各地域に山積する多種多様な課題を踏まえた自民改革会議の皆様からいただきました七つの重点分野、並びにそれにかかわる御意見を真摯に受けとめまして可能な限り予算案に盛り込んだところであります。
 七つの要望項目の一つ目、経済成長の加速と産業人材の確保につきましてはEV、CNF、先端農業プロジェクトに加えマリンバイオテクノロジーを活用した次世代型産業の創出に本格的に取り組むほか、経営力向上に取り組む中小企業への支援の充実などにより経済成長を加速してまいります。産業人材の確保につきましては首都圏等のICTベンチャーと県内企業とのマッチング支援などによるICT人材の確保、育成や県内企業の海外高度人材の採用支援などにより、労働力不足の解消に向けた取り組みを進めてまいります。
 二つ目の要望項目、人口減少社会を克服する子育て支援と医療・福祉の充実でありますが、子育て支援につきましては十月から保育所や幼稚園の通園費等を無償化し利用者負担を軽減いたします。また発達障害のある方、その家族に対する支援体制を充実するため東部、中西部地域への発達障害者支援センターの開設に向けた準備を進めます。
 三つ目の要望項目、豊かな県民の暮らしの実現でありますが、多発する自然災害への対応力を強化するため国の三カ年緊急対策とこれに連携した県単独事業により県土強靱化に集中的に取り組みます。地域の身近な道路、河川の新設改良などを行う県単独生活環境整備事業に前年度と同額の二百八十億円を計上いたします。さらに地域の緊急的な課題に早期に対応するため歩行者の安全対策などの道路整備事業と川底、河床のしゅんせつや森の防潮堤などの河川・治山事業に合わせて五十億円計上いたします。また今後増加が見込まれる外国人県民との共生を図るため、外国人県民への情報提供や相談を一元的に行う多文化共生総合相談ワンストップセンターを設置いたします。
 四つ目の御要望項目、本県の魅力を生かした観光交流の促進については、目前に迫りましたラグビーワールドカップ二〇一九の大会運営やレガシーの創出に取り組むとともに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの成功に向けて万全な準備を進めます。また観光交流を拡大するためデスティネーションキャンペーンの本格展開に加え、世界的なスポーツイベントの開催を契機とする訪日観光客の受け入れ環境の整備などにより世界レベルの観光地域づくりを進めます。
 五つ目の御要望項目、教育・人づくりの充実であります。
 県立学校の施設や産業教育設備の老朽化が進み、その対策が急務となっております。そのため学校の建てかえや長寿命化対策、実業高校の産業教育設備の更新を進めます。また私立高校の保護者負担を軽減するために国の実質無償化施策を一年前倒しをし、年収三百五十万円以上五百九十万円未満の世帯への授業料を減免する制度を創設いたします。
 六つ目の御要望項目、県民の生命財産を守る危機管理体制の強化でありますが、南海トラフ地震の新たな防災対応に万全を期するため国と連携し、本県の地域特性等を踏まえた県独自のガイドラインを策定いたします。また地震・津波対策アクションプログラム二〇一三に基づく対策を着実かつ迅速に進めるため市町の地震・津波対策への支援を継続することといたしまして、支援メニューを追加した上で四年間で百億円程度交付いたします。
 七つ目の御要望項目、行財政改革の推進であります。
 歳出のスリム化や歳入確保に取り組み、翌年度以降に活用可能な基金を前年度より六十一億円多い三百七十四億円を確保いたしました。また県債残高につきましては通常債はもとより縮減いたしますが、それに加えまして臨時財政対策債を加えた全体でも縮減するなど健全財政の枠組みを堅持したところでございます。
 平成三十一年度は新しい時代の幕あけとなる節目の年です。将来にわたり静岡県が誰もが努力をすれば人生の夢を実現でき幸せを実感できる地域となるべく、新しいビジョンの取り組みを積極果敢に進めてまいります。
 次に、文化力の拠点整備についてであります。
 文化力の拠点整備につきましては、高階秀爾先生を会長とする有識者会議に基本構想をお定めいただき、それを受けて伊藤滋先生を会長とする専門家会議で基本計画案を取りまとめていただきました。これらに示された目指す姿、コンセプトの実現に向け民間事業者との対話を重ねながら庁内プロジェクトチームにおきまして導入機能や事業手法などの検討を行ったところでございます。
 この検討の中で計画地北側を県民の憩い安らぎの場となる緑地、広場などとして利用し、南側の約一・五ヘクタールを施設計画エリアといたします。そこに図書館棟、民間施設棟、立体駐車場棟を整備することを想定しております。導入機能といたしましては公的機能として全館移転となる県立中央図書館を中心に本県の文化を体験し、新たな創造につなげる新しい知的空間やグローバル人材育成の機能を持つ大学コンソーシアムの拠点を整備することとしております。また民間事業者の提案により本県の食、茶の魅力を発信するレストランやカフェ、にぎわいの創出や拠点の価値を高める新たな機能を導入するとともに、AIやICTなど先端技術を有する企業の集積を図り県有地を最大限に有効活用した施設規模を目指してまいります。
 事業手法につきましては、図書館棟をPFI手法、民間施設棟を定期借地権方式により全体を一括で公募する案を基本としておりますが、民間事業者との対話を通じて最も適切な手法を決定いたしまして施設の整備、管理、運営に民間のアイデアや資金を積極的に活用することにより県の財政負担の軽減並びに良質なサービスの提供を図ってまいります。
 今後、導入する公的機能の詳細な内容、規模また県で想定している事業手法などを民間事業者に御提示申し上げて官民連携の具体的な提案を求め、対話を通じてより魅力的で実現性の高い事業スキームを構築した上で二〇二〇年度の事業者の公募に向けた準備を進めてまいります。
 県としましては、本県の高い文化力を発信し多様な交流やにぎわいを創出する文化力の拠点の早期形成に向け、引き続きスピード感を持って取り組んでまいります。
 次に、マリンバイオ産業の振興についてであります。
 我が日本は、労働力人口の減少やAI、IoTなどの科学技術の著しい進展等により百年に一度とも言われる産業構造の大転換期に直面しております。こうした中、本県経済が力強い成長を持続していくためには地域経済を牽引する新しい産業の創出が不可欠です。
 バイオ関連産業というのは、二〇三〇年の世界市場が百八十兆円と見込まれている産業であります。二十一世紀の基幹産業とも言われております。中でも未知の海洋微生物など多様な資源を活用するマリンバイオテクノロジーは新たなイノベーション創出の源泉として期待されております。本県は水深二千五百メートルの深海を擁する駿河湾など特異な海洋環境を有し、研究フィールドとしてすぐれているばかりでなく医薬品、食品産業、多彩な産業群が集積しておりマリンバイオテクノロジーを活用した先端的な研究開発と産業応用に適した高いポテンシャルを持った地域と言えます。
 このため、県では本年度学識経験者や企業、産業支援機関などの代表者から成るマリンバイオ産業振興ビジョン検討協議会を設置し、研究開発の方向性や産業応用の可能性のある分野について検討を進め、このたび議員御指摘のとおりマリンバイオ産業振興ビジョンを取りまとめたところでございます。来年度はこのビジョンに基づきまして本格的に施策を展開いたします。
 具体的には、大学や研究機関、企業などが参画するフォーラムを立ち上げます。ここをプラットホームとして研究開発の成果を産業の現場につなげてまいります。またプロジェクトの中核拠点として清水マリンビルの中にマリンオープンイノベーションパーク、通称はMaOI―PARCといたしましてこれを設置してまいります。
 さらに、推進機関となる一般財団法人マリンオープンイノベーション機構を設立いたします。そこで海洋微生物のライブラリー化やバイオ情報、海洋の状況、海況情報などのさまざまなデータを収集、分析し大学や研究機関、企業の研究開発の基盤を整備いたします。加えて水産技術研究所、温水利用研究センターなどと機能を分担し実証フィールドを形成するとともに、農業分野のAOI―PARCと海洋分野のMaOI―PARCという先端技術開発拠点が相互に連携し相乗効果を発揮する仕組みを構築いたします。
 これらにより水産業での新たな種苗技術の開発、海洋由来の機能性食品や医薬品の開発、藻類――藻のことでございますが――藻類を活用したバイオ燃料の生成、環境面で注目が集まる水の研究を通した水産資源の保全などを進めてまいります。
 県といたしましては、こうした取り組みを通じましてマリンバイオテクノロジーを核としたイノベーションによる多彩な産業の振興と創出を図りマリンバイオの世界的な拠点形成を進めてまいります。
 次に、静岡県茶業振興条例案を踏まえた振興策についてであります。
 県は、次世代に茶を継承していくため平成二十六年三月お茶の文化の伝承やお茶の機能による健康づくり、茶産業の発展などを柱とするふじのくに茶の都しずおか憲章を定めました。現在この憲章を県民の皆様と広く共有し茶の都づくりを進めております。
 本議会にお諮りしております静岡県茶業振興条例案もこの憲章の精神にのっとるものであります。本県茶業の健全な発展に寄与することを目的に振興施策の柱として担い手の育成、生産者の経営発展、消費の拡大、輸出の促進といった八項目の考え方とお茶の評価を高め信頼を確保するための取り組みを盛り込む内容となります。
 茶業界が直面する課題を踏まえた具体的な取り組みですが、緑茶の消費動向は家庭を中心とした煎茶で飲むリーフ需要の減少が進む一方でドリンク用原料や海外向けの有機抹茶の需要は伸びております。こうした緑茶に関する需要と生産のミスマッチを解消するため市場ニーズに対応した茶産地の構造改革と国内外の需要の掘り起こしが必要でございます。このため茶産地の構造改革に向けて市町やJAと連携いたしまして茶園の地形等に応じた基盤整備と集積を進めます。具体的には平たん地を中心に大型機械導入による大規模低コスト生産でドリンク需要への対応を図ります。それとともに高級煎茶や有機てん茶の生産に適した中山間地におきましては、有機認証の取得や加工施設の整備等の支援を充実いたします。また新たな品種開発や栽培・加工技術の開発力強化のため茶業研究センターの再整備も進めます。
 次に、需要の掘り起こしのために国内では民間事業者から自由な企画提案を募りまして、静岡茶の新たな利用分野の創出と開拓に挑みます。あわせて輸出促進に向けましては農学分野で世界的に評価の高い米国カリフォルニア大学デービス校の御協力を得まして、静岡茶の機能性を学術的にアピールし健康志向の消費者の購買意欲を高めてまいります。また海外茶業者をインターンとして県内茶生産現場にお招きし静岡茶ファンになっていただきまして、海外から選ばれる静岡茶の輸出拡大につなげてまいります。
 さらに、農村地域全体の活性化につきましては集落の道や農道等の整備に加え農業用ため池の耐震化を早急に進めるとともに、異業種と連携した茶園再生など農山村の活力向上を支援することで地域コミュニティーを強化し、暮らしやすく安心して子育てのできる環境づくりに取り組んでまいります。
 新しい条例――新条例の基本理念は茶業者の自主的な努力を重んじ茶業団体、県、市町といった関係者が連携して茶業振興に取り組むことであります。県としましてはこの精神に基づき、茶業にかかわる方々が将来に希望を持って茶業に取り組んでいただけるように新しい時代に合った茶業振興施策を積極的に推進してまいります。
 次に、社会健康医学の推進についてであります。
 本県では、県民お一人お一人が心身ともに健康で生き生きとした社会生活を送ることができるように、県民総ぐるみの健康づくりとしてふじのくに健康長寿プロジェクトなど展開しているところであります。さらにこうした取り組みに科学的知見を反映させ、より効果的な本県独自の取り組みに発展させていく必要がございます。
 そこで、京都大学高等研究院の本庶佑特別教授の御指導を仰ぎながら県立総合病院リサーチサポートセンターにおきまして社会健康医学研究を先進的に行っている京都大学等から優秀な研究者を招聘し、その研究成果を活用しながら本県をフィールドとして医療ビッグデータ、疫学、ゲノムコホートの三分野の研究に取り組んでおります。例えば医療ビッグデータを活用した研究では健診・医療・介護データを解析し、市町の保健師さんが健康状態の将来予測や疾患リスクに基づく適切な保健指導を行える仕組みを開発しております。こうしたことなどその成果を県民の皆様の健康寿命の延伸につながる施策に取り入れてまいります。
 今後、こうした研究の内容や成果をシンポジウムなどを通しまして県民の皆様に情報提供するとともに、医療や公衆衛生の現場にその成果を還元できるように研究を加速してまいります。
 大学院大学の設置につきましては、県内の医療機関、介護事業所、市町、健康保険組合等から医療・介護データの分析能力や健康施策のマネジメント能力を持った人材が必要であるとの声がございます。また社会健康医学推進委員会におきましても研究成果を県民の皆様に広く還元することが必要である、そのためには科学的な視点を持ち医療・公衆衛生の現場においてリーダーとなり得る人材が重要であるという御意見をいただくなど、現場で活躍する人材の育成が求められております。
 そこで、県では社会健康医学の研究で得られた知見をもとに日々の診療や健康指導におきまして、より効果的な疾病予防対策、健康増進施策を担うことのできる人材を育成する大学院大学の設置に向け委員会の御意見も踏まえて本年度中に基本構想を策定するとともに、文部科学省への設置認可申請に向け準備を進めてまいります。
 大学院大学の設置によりまして、単に医療に従事するだけでなくみずからが現場で感じた課題を解決する手法を学ぶ魅力的な環境があることを県内外にアピールすることで優秀なお医者さんを全国から呼び込み、県内に定着していただく効果も期待されるところであります。
 県としましては、この大学院大学が本県における健康寿命延伸の中核的役割を担い、国際社会にも貢献する知と人材の集積拠点となるよう、二〇二一年四月の開学を目指し全力で取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を申し上げます。

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