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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和元年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

沢田 智文 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/11/2019

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 今後の地域外交の展開について
2 次世代を担う子供たちへの世界遺産富士山の価値継承につ
 いて
3 県内産業の将来を担う人材育成について
4 定住外国人の企業における活躍支援について
5 静岡茶の愛飲促進について
6 少人数職種の多忙化解消について
7 外国語教育の充実について


○議長(鈴木利幸君) これで鈴木啓嗣君の質問は終わりました。
 次に、二十六番 沢田智文君。
       (二十六番 沢田智文君登壇 拍手)
○二十六番(沢田智文君) 私はふじのくに県民クラブ所属議員の沢田智文です。
 この四月に県議会議員選挙に初当選いたしました一期生です。元小学校教員でしたので今までは顔を上げると子供たちの輝く瞳にワクワクしておりましたが、今はそれどころではなく大変緊張しております。子供たちと生活をともにしていく中で教員として成長させてもらったので、子供たちの笑顔のためにもしっかりとやってまいります。
 では、質問する機会をいただきましたのでふじのくに県民クラブ所属議員として当面する県政の諸課題につきまして通告に従い知事、副知事及び関係部局長並びに教育長、教育部長に一括質問方式にて質問いたします。
 初めに、今後の地域外交の展開について伺います。
 知事は、就任以来友好的互恵・互助を基本とする地域外交を県政の主要施策の一つとして推進してきました。県の地域外交基本方針では中国、韓国、モンゴル、台湾、東南アジア、インド、米国の六つの国や地域を重点国・地域と定め人をつくり富をつくり平和を築く地域外交の展開を戦略方針とするとともに、有徳の人・憧れの地域をつくる交流や通商、スポーツ・観光交流の促進を重点的取り組みに掲げています。しかしながらその成果がなかなか見えてこないという気がしてなりません。
 私も、所属していた教職員団体においてオーストラリアビクトリア支部や中国浙江省の教職員との交流をしてまいりましたがその成果を見える形で発信する難しさは感じております。
 県は、人的交流や通商関係などこれまでも多くの予算をかけてきましたが、海外進出の企業数や本県への経済効果など県民の皆様の理解が得られるよう積極的にその成果を説明していくものであると考えます。
 そこで、これまでの取り組みにより具体的にどのような成果が上がっているのか伺います。
 また、昨今の世界情勢の変化は厳しくなっています。米中貿易摩擦やイギリスのEU離脱協議など、自国中心主義的な動きやポピュリズムによる排他主義により世界各地の社会経済情勢は緊迫の度を強めています。
 県は、過去において駐在員事務所の配置先を見直ししたほか昨年新たにインドを重点国・地域に追加するなど世界情勢の変化を踏まえた施策展開を図ってきたものと理解していますが、地域外交の成果を上げていくためにはその時々の社会経済情勢を踏まえて施策展開に濃淡をつけていかなければならないものと考えています。
 そこで、通商の促進を初め地域外交における課題と今後の展開をどのように考えているのか伺います。
 次に、次世代を担う子供たちへの世界遺産富士山の価値継承について伺います。
 県政世論調査において富士山の世界文化遺産としての価値を理解している人の割合が大変低い結果になっていると聞いています。これからの世代を担う子供たちにこそ理解を広める必要があると考えますが、いま一つ浸透していないのではないかと感じられます。
 平成二十五年六月の世界文化遺産登録から六年が経過しました。当時は富士山を世界遺産にと県が世界遺産登録に向け一体となりましたが、世界遺産登録時の盛り上がりを知らない現在の小中学生たちにとっては世界遺産富士山は当たり前のものに感じられているのではないでしょうか。また同じ県内でも西部地域においては日常において富士山を眺める機会が限られ、冬の空気の透き通っている時期に「今日は遠くにきれいな富士山が見えます」と放送委員会の子が紹介するときがあるように静岡県の誇りとして富士山を身近に感じる機会が少ないことがあります。
 学校現場では道徳の授業が教科化され国指定の道徳の教科書によって授業が行われています。地域独自の教材を使用していたころには郷土愛を育む内容項目の中で富士山を初め静岡県内の歴史、文化、伝統、遺産、偉人などの教材、例えば磐田市の桶ヶ谷沼、沼津市の内膳堀、柿田川、お茶を日本一世界一にと努力された菊川市の松下幸作さんや静岡市の聖一国師など多くの静岡県の素材を教材として当時の人々の思いを感じ静岡に対する思いを深める授業実践が展開されてきました。それが教科書の導入により日本全体の遺産が幅広く紹介されるようになっています。日本全体の遺産ももちろん重要ですが、静岡県内の歴史、文化、伝統、遺産、偉人などが紹介されなくなっている現状を私は大変残念に思っております。
 現在、県では文化振興の一環として県内各地の子供たちが多様な文化に触れられるよう県内プロオーケストラ等が県内各地を訪問する子供が文化と出会う機会創出事業やSPACによる中高生鑑賞事業などを行っており多くの高い評価を受けております。
 そこで、文化振興のように県内各地の子供たちに富士山の価値を広める取り組みも重要と考えますが、県の見解を伺います。
 次に、県内産業の将来を担う人材育成について伺います。
 静岡県の産業は、豊かな自然を背景とした農林水産業から日本のものづくりを支える工業、商業まで幅広く県民の生活を支えています。伝統的な技法から世界有数の最先端の技術まで静岡県の仕事の現場はやりがいと未来の可能性にあふれています。この豊かな静岡県の産業を将来にわたり発展させていくためには静岡県で暮らし、静岡県で働きたいと思う人材を育てていくことが重要です。
 静岡県で生まれ地域を深く学びながら育まれ静岡県に愛着を持つことができる体験を得た子供たちは、進学や就職などにより静岡県から羽ばたいても外の世界を知ることで静岡県のよさを再認識し、自分の人生を豊かに過ごせる場所として再び静岡県に戻ろうと考えるのではないかと考えます。小さいころから農林水産業、工業、商業等の技芸を磨く実学に触れ子供たちが産業の現場へ行き社会で活躍しているプロの職業人に直接会って話を聞くなど本物を体験することが重要です。
 学校の教育現場ではさまざまな形で地域や仕事を学ぶ学習を進めています。小学校、中学校、高校といった段階に応じて身近な地域の産業を知る学習から自分の将来の選択肢を考えるためのインターンシップまで学びの場が提供されています。中でも小学生は地域の歴史や風土、身近な産業を学ぶ中で初めて社会の仕組みとして自分たちの生活を支える仕事を知り、自分が社会の一員となっていくことを実感します。感性に触れる多様な体験が将来の自分をつくる糧となる重要な時期に地域の産業を深く知る体験を提供することは将来の産業人材を育成するために不可欠であり、私たち大人の役割であると考えます。
 企業にとっても、子供たちに産業の現場を体験してもらい仕事の内容や魅力を伝え子供たちに感動を与えることは社員の方々がみずからの仕事の価値を再認識しモチベーションを高める機会になるものと考えます。仕事に誇りを持ち働きがいを語る大人たちの姿はふだんは入ることができない仕事の現場で感じたこと、例えば工場の中の機械の大きさや音、製品の手ざわりといったものとともに本物の体験として子供たちの心に深く刻まれることになるでしょう。この本物の体験が将来自分の職業を選択する際の重要な道しるべになると考えます。
 子供たちが地域への愛着を持ちながらさまざまな経験を経て成長し、将来の静岡県を支える人材となるよう県としてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、定住外国人の企業における活躍支援について伺います。
 生産年齢人口の減少や社会のグローバル化により外国人材の活躍が期待されます。本県には約九万二千人の外国人が在留しており、そのうち働いている方は約五万七千人と多くの外国人の方が静岡県の産業を支えています。働く外国人というと技能実習生やことし四月の入管法改正による特定技能を思い浮かべますが、日系二世三世など身分や地位に基づく在留資格を持つ定住外国人は静岡労働局の調査によると昨年十月末現在で働く外国人の六割以上である約三万五千人を占めています。定住外国人は在留や就労に制限はありませんが約二万二千人が派遣や請負で就労しており、景気の変動により就労場所が左右され転居してしまうケースがあります。
 私が教育現場にいたとき、前日まで学級で一緒に学習していた外国にルーツを持つ子が翌日に登校していなく家庭とも連絡がつきませんでした。すると放課後他県の教職員から、○○さんが本校に編入学するため必要な書類を送付していただきたいという旨の電話が入りました。事情を聞くと職の待遇がよいという情報が入ったためその日のうちに引っ越しをしたとのことでした。県西部地域に勤めていた私にとってこのようなケースは今までにも幾つかありました。
 外国人が地域に定着し日本人とともに地域の活力を支えていくためには企業で正社員として長く働くことができるよう支援していくことが必要です。現在県内に正社員として企業の戦力となって活躍している定住外国人の方がいます。企業がこうした活躍事例を知り正社員として雇用していくことは地域産業の持続的な発展にもつながり、多くの外国人が企業で活躍することで意欲的な外国人材が集まり静岡県にさらなる活力を与えることができます。さらに保護者の安定した就労はその家庭の子供たちの安定した教育にもつながります。
 定住外国人が企業で正社員として活躍することができるよう県としてどのような取り組みをしていくのか伺います。
 次に、静岡茶の愛飲促進について伺います。
 県は、平成二十八年に「小中学校の児童生徒の静岡茶の愛飲の促進に関する条例」を制定し小中学校において静岡茶を飲む機会や学ぶ機会を提供することで静岡茶の産地、歴史及び文化などについて理解を深め毎日の習慣として静岡茶を飲んでもらえるよう取り組んでいます。
 静岡茶の愛飲の促進につきましては、各市町が静岡茶を身近に感じてもらえるように独自の取り組みを展開しており、私の地元である磐田市ではインフルエンザや風邪が流行するころに家庭から学校にマイボトルでお茶を持参し給食や休み時間などに飲んでいます。また茶摘み体験をさせてもらうなど地元のお茶に愛着を持つ活動もしています。
 人の味覚は小さいころに食べたり飲んだりした食体験が影響すると言われておりますので、小中学校のころからお茶に親しみ育った子供は大人になってもお茶を飲む習慣がつきお茶を通しておもてなしの心が育まれると思います。
 このように、本県が進める静岡茶の愛飲の目的はすばらしく広報活動にも力を入れていただいておりますが、お茶生産者からは小中学校で提供されているお茶の原価格はそれほど高いものでなく生産者の収入増加にはつながりにくいため生産意欲が高まるような取り組みにまで至っていないと聞いております。
 そこで、愛飲促進条例制定から三年がたった今、静岡茶の愛飲について新たな展開が必要だと感じます。例えば小学校や中学校のクラブ活動の時間に地元生産者とお茶を一緒に入れ地元特産和菓子を食べながらお茶を楽しむといった活動をするとか、地元の生産者とふれあうことで子供たちは家庭でもおいしいお茶を入れるよう努力してくれるのではないでしょうか。子供たちが与える影響は大変大きいものです。子供たちから家庭、家庭から地域へと静岡茶の愛飲が広まっていくと思います。
 県が取り組んでいる静岡茶の販路拡大やGAP認証の取得促進などに加え静岡茶の愛飲の取り組みが生産振興につながることが重要と考えますが、県の見解を伺います。
 次に、少人数職種の多忙化解消について伺います。
 社会の急激な変化が進む中、子供が未来社会を自立的に生き社会の形成に参画するための資質、能力を育成するため学校教育の改善、充実が求められています。現在学校現場で抱える課題は複雑化、多様化し、さらに一人一人に寄り添い丁寧な支援を心がける余り教職員の多忙な状況はなかなか改善されていないという実態があります。また平成二十八年度の教員勤務実態調査では看過できない教師の勤務実態が明らかとなりました。
 このような中、県教育委員会は昨年度スクール・サポート・スタッフを全校配置し学校現場の多忙な状況を改善する取り組みを行いました。さらに今年度にはスクール・サポート・スタッフの勤務時間を週十時間から十五時間とし他県では見られない取り組みを行っております。現場の教職員からは、教材研究の時間の確保が少しできるようになった、子供と向き合える時間ができるようになったなど多忙化解消につながっている声が多く聞かれております。
 これは県教育委員会が平成二十八年度から三年間取り組んできた未来の学校「夢」プロジェクトの成果だと言えます。このプロジェクトで取り組んだ業務スタッフ配置事業が評価され全国のスクール・サポート・スタッフ事業となっていて、静岡の取り組みは今は全国の教職員からも注目されています。
 しかしながら、このスクール・サポート・スタッフ事業は、教師の業務をサポートするものであります。従って学校現場において子供たちの成長をそれぞれの立場で支えている少人数職種、養護教員、学校事務職員、栄養教職員のサポートはできない状況となっています。養護教員、学校事務職員、栄養教職員も多忙をきわめております。そのような中で、教師の多忙化解消だけを進めることは学校現場の人間関係づくりに支障を及ぼすのではないかと心配されます。
 学校は教職員全員が一つのチームとなることが必要です。そのことが子供たちが安心して笑顔で学校生活を送ることにつながります。未来の学校「夢」プロジェクトで教職員の多忙化解消について全国的に注目された静岡です。養護教員、学校事務職員、栄養教職員という少人数職種の多忙化解消に向けた取り組みについて、教育長の見解を伺います。
 最後に、外国語教育の充実について伺います。
 来年度より小学校において五、六年生では外国語教育が教科化され、三、四年生においても外国語活動が導入されます。今年度は移行期間となっておりますがいよいよ本格実施となります。学校現場において、学習指導要領の改訂に対応すべく既に外国語教育の充実に向けた取り組みを展開しておりますが幾つかの課題が見えてきています。
 国は昨年度千人、今年度千人、合計二千人の外国語専科教員を配置し静岡では四十人の外国語専科教員が配置されています。子供たちからは「授業が楽しくなった」、「英語を話すことが少しできるようになった」などの声が多く聞かれ、子供たちからも高い評価を受けているようです。外国語専科教員もやりがいを感じ工夫された教育実践ができているようです。
 しかしながら、ある外国語専科教員は隣接校の兼務を含め週二十四時間の外国語教育を実践していますが一人で四百人ほどの子供たちの評価をしなければならないそうです。週二時間の五、六年生のみであれば十二クラスを担当することができますが、一クラス三十人として単純に計算してみますと三百六十人の子供たちを評価することになります。現在移行期間中ですので、五、六年生が週に一時間の外国語活動を行っているところもありますので中には七百人ほどの子供たちの評価をしている専科教員もいます。また所属校においては外国語活動の授業のほかにも校務分掌が割り振られており、勤務実態は大変なものとなっています。
 文部科学省は来年度千人の外国語専科教員を概算要求していますが、昨年度の千人、本年度の千人と合わせても全国で三千人です。静岡県には昨年度からの配置を合わせると六十人程度が配置されると予想されますが、この人数では全く足りないことが明白です。
 県教育委員会は、来年度からの本格実施に向け県独自でLETS教員を認定し外国語教育の推進役を果たすよう進められていたり教職員の研修を行ったりしておりますが、LETS教員を合わせても十分ではない状況です。
 そこで、今後の外国語教育を取り巻く教育環境の充実について、教育長の見解を伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 沢田議員は小学校の先生をされていたとのことで、教壇に立つと子供の目が輝いていたということでございました。私は沢田議員の現在の御年齢のころにはまだ大学の教壇に立っておりまして、少しく大人びた目をしているとはいえまた真剣に輝いていました。
 生まれたばかりの子供は、愛情を求めて大きな声で泣きますけれどもうれしくなると笑います。その笑顔ほど美しいものはないのではないかということでエンジェル・スマイルというふうに言われるそうです。もしその子供をいじめればどうなるでしょうか。輝きが失われておびえる目になります。ですから子供の目の輝きを失わせるのは一つには大人に原因があると、広く言えば社会に原因があると。
 私は、こういう県議会を預かっていらっしゃる県議の先生というのは単に子供のみならず社会人一般から尊敬されるべき人でなければならないというふうに存じます。子供から敬愛された沢田議員におかれましては社会人、一般から敬愛される、そういう県議会議員になっていただけるように御期待を申し上げるものであります。
 次世代を担う子供たちへの世界遺産富士山の価値継承についての御質問にお答えをいたします。
 富士山を後世に継承するためには、多くの方々が信仰の対象でありかつ芸術の源泉である富士山の価値を理解し一人一人が世界遺産を守る担い手となっていただくことが不可欠であります。
 富士山は一介の火山であり山塊であります。しかしこれを信仰の対象かつ芸術の源泉と認めたのは日本人というよりもむしろ世界中の人々でございました。ですからこの価値は我々日本人が最もよく、特に子供たちが最もよく認識することが大切だと思っております。
 子供のころから富士山に親しみその価値を学ぶ機会の充実が大変重要です。霊峰富士を有する本県に生まれ育つ子供たちには世界の人々から信仰の対象、また芸術の源泉として仰ぎ見られるこの霊峰富士を郷土の誇りと感じたっとぶ心を大切にしていただきたいと考えています。
 県では、一年に一日は富士山を思う日をつくろうということで二月二十三日を富士山の日と定めました。ある意味でこれはふじのくにづくりの建国日とも言えるものであります。県民の皆様の富士山についての理解と関心が深まるように全県を挙げた取り組みを進めておりますが、この富士山の日制定から十年目となる平成三十年度には約四百五十件にも及ぶ富士山の日関連の協賛、協力事業が実施され、中でも構成資産をめぐりながらのクイズラリーなど子供たちが楽しみながら富士山を思い考え学ぶ数多くの取り組みが定着してまいりました。
 また、富士山世界遺産センターでは県内各地の小中学校の授業に講師を派遣する出前講座を開催しており、子供たちに富士山の自然、歴史、文化など多様な価値を伝える取り組みを展開しております。昨年度は約二千九百人に受講していただいており、今後も県内各地で出前講座を開催してまいります。
 さらに、認定NPO法人富士山世界遺産国民会議や山梨県とも連携し、教材に「富嶽三十六景」を用いて芸術の源泉としての価値を学ぶ富士の国づくりキッズ・スタディ・プログラムを推進しております。教材はデジタル化しウエブ配信を行うことで県内はもとより全国の学校での活用、普及をも図ってまいります。
 今後も、これらの取り組みに加え富士山世界遺産センターにおけるますます魅力的な企画展の開催や学校教育との連携を促進するなど、さまざまな機会を通じてふじのくにの次世代を担う子供たちに霊峰富士の価値を伝える取り組みを進めてまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○議長(鈴木利幸君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 県内産業の将来を担う人材育成についてお答えをいたします。
 本県産業を将来にわたって発展させていくためには産業を支える人材の育成が重要であり、静岡県産業人材確保・育成プランにおきましても郷土を担う子供たちの生きる道としての仕事を学ぶ環境づくり、これを四本の柱の一つとして位置づけております。将来を担う子供たちが技芸を磨く実学の大切さを知り、自分の将来の可能性を広げる本物の体験を通じて職業観や郷土愛を育んでもらうよう産業界や教育界と連携してプロの職業人のすぐれた仕事や技に触れる取り組みを進めております。
 具体的には、県技能士会の協力を得まして小中学生がタイルアートや写真立てなど一つのものをつくり上げる体験を通じてものづくりへの興味関心を高めてもらうWAZAチャレンジ教室の開催や、熟練の匠の技を持つ技能マイスターみずからが学校に出向き子供たちに伝える出前講座などを開催しております。昨年度は両事業合わせて県内九十八カ所で六千七百人の子供たちにものづくりの楽しさ、技能のすばらしさを伝えることができました。
 また、昨年度から産業界のネットワークを活用して子供たちに産業の現場で体験学習する場を新たにつくりました。県内企業や公共機関などの協力を得まして、エンジン部品メーカーやAIを活用している農業法人などから約四十の体験メニューが寄せられました。それらを取りまとめたガイドブックを作成し、県、市町教育委員会を通じて県内の小中学校に体験を呼びかけました。五十八校、二千五百人の参加がありました。ロボットメーカーでプログラミングに挑戦した子供たちからは「イメージしたとおりに機械が動いてすごい」と大歓声が上がりました。経営者からも「子供たちがいつの日か地域で活躍する姿が目に浮かび、今後も取り組みを継続していきたい」との声が寄せられました。このように学校、企業の双方から効果を実感できる反応が届いております。
 さらに、静岡ホビーショーでは五十八回目となる今年度初めて小学生三千人を含む小中高生五千二百人の招待日が設けられました。プラモデルの射出成型機による製品製造の見学や模型の製作体験の場などが特別に準備されました。「こんなに楽しかったのは初めて」、「最高の一日」という子供たちの感想に出展企業からも感動の声が上がり、大きな教育効果とともに地域の子供たちに業界を知ってもらうことの重要性を多くの方々に再認識していただきました。
 県といたしましては、引き続き地元市町や県、市町教育委員会等と連携、協力しながら子供たちが魅力ある地域の産業や企業の仕事を実体験する取り組みをこれまで以上に充実させ郷土愛や職業観を育み、将来本県の産業や地域を支える有徳の人づくりを進めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 掛澤地域外交担当部長。
       (地域外交担当部長 掛澤孝壽君登壇)
○地域外交担当部長(掛澤孝壽君) 今後の地域外交の展開についてお答えいたします。
 本県の地域外交は、交流先との信頼関係に基づきインバウンドの推進や県内企業の海外展開、県産品の販路拡大を初め文化、教育、スポーツ等の幅広い分野において全庁を挙げてさまざまな取り組みを推進しております。
 その結果、地域外交基本方針を策定した平成二十四年の主な指標を直近の状況と比較しますと外国人延べ宿泊者が二六三%増の百七十九万人余に、県内に本社のある企業の海外展開事業所が一九%増の千二百六十五事業所に、本県で学ぶ外国人留学生が四九%増の三千三百五十五人となり着実に成果が上がってきております。
 また、本年十月にはモンゴル国ウランバートル市において本県企業が十社参加し日本で働くことを希望する大学、大学院生等の高度人材を対象とした合同面接会を開催したところ、三百人以上が集まり十六人が内定いたしました。これもこれまで人的交流などを通じてモンゴル国と友好関係を築いてきた成果の一つであると考えております。
 今後も地域外交の成果を上げていくためには、先進国はもとよりモンゴル国、東南アジア諸国、インド等の新興国の活力を取り込み低迷する国内需要や人口減少に伴う人材確保等県政の諸課題の解決につなげていくことが必要であると考えております。このため議員御指摘のとおり、その時々の本県を取り巻く国内外の社会経済情勢の変化に合わせた対応をすることはもちろん、駐在員事務所を含む国内外の活動拠点におきましても限られた予算、人員の中で時期に応じて迅速で機動的な活動を展開してまいります。
 県といたしましては、今後とも県民の皆様や県内企業が多くの恩恵を享受できますよう積極的に地域外交を推進してまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 天野経済産業部長。
       (経済産業部長 天野朗彦君登壇)
○経済産業部長(天野朗彦君) 定住外国人の企業における活躍支援についてお答えをいたします。
 生産年齢人口が減少する中、本県経済の持続的な発展のためには外国人を含めた多様な人材の活躍が不可欠であり、特に本県で働く外国人の六割以上を占める定住外国人が正社員として定着し企業の中核的な人材として活躍していくことが重要であります。しかしながら現状では定住外国人の多くが正社員のメリットに気づかない一方、企業におきましては定住外国人が正社員で活躍している事例を知らないことから多くの方が派遣や請負で就労しております。
 そこで、県では既に日本人と同じように技術職、営業職など正社員として活躍している方々をロールモデルとして冊子にまとめ定住外国人と企業に情報発信することで外国人の活躍の場が一層広がるよう支援をしております。さらに正社員としての就業を支援するため本年度新たに定住外国人が多く居住する浜松市内に外国人正社員就労相談センターを開設し、履歴書の書き方や面接の受け方などきめ細かな助言等を行っております。
 また、県技術専門校では定住外国人の求職者向け職業訓練の実施に当たり通訳の配置やルビつきテキストの使用など学びやすい環境を整備していますほか、在職者に対しましては職場定着を図るためビジネスマナーや安全衛生管理などの知識を習得する訓練を実施しているところであります。
 このほか、定住外国人の子供たちが将来正社員として働いていくためには日本語でのコミュニケーションが課題でありますことから、外国人児童生徒の多い学校への日本語指導教員の配置や教員向け日本語指導研修会の開催など外国人児童生徒の日本語能力の向上にも取り組んでおります。
 県といたしましては、定住外国人が地域でともに暮らす県民であるという視点に立ち、その能力を最大限に発揮して企業で正社員として活躍できるよう積極的に支援に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 志村農林水産担当部長。
       (農林水産担当部長 志村信明君登壇)
○農林水産担当部長(志村信明君) 静岡茶の愛飲促進についてお答えいたします。
 県では、子供たちの健全な心と体を培い豊かな人間性を育むため県内全ての小中学校を対象に静岡茶の愛飲を促進しております。これにより愛飲の機会を設けた学校の割合は条例が制定された平成二十八年度の三六%から今年度は九七%、七百七十二校まで広がる見込みであります。
 愛飲の促進は、将来にわたる静岡茶のファン拡大や消費の拡大による生産振興にもつながることから、今後は愛飲を子供たちに定着させることに加えまして家庭にまで広げていきたいと考えております。
 このため、今年度新たな展開として裾野市の小学校で親子及び保護者を対象とした体験講座を実施いたしました。この講座で地元の生産者から簡単でおいしく飲める水出し茶が紹介されたことを契機に、そのお茶を子供にマイボトルで持たせるようになったという事例も生まれております。
 今後は、こうした取り組みが県内に広がるよう茶の生産者や流通販売業者などの協力を得ながら急須で入れるお茶やティーバッグ、あるいは粉末茶など各家庭のスタイルに合ったお茶の飲み方を提案しそれらが購入できる店舗を紹介してまいります。また新たに設置するチャ・オープン・イノベーション・フォーラムにおきましてライフスタイルに合った茶の新商品開発なども促進し、家庭での愛飲を普及してまいります。
 県といたしましては、茶業関係者と一丸となって静岡茶の愛飲を子供たちから家庭、家庭から地域へと広げることにより静岡茶の消費拡大と生産振興に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 外国語教育の充実についてお答えいたします。
 小学校における外国語教育につきましては、来年度から五年生、六年生での教科化、三年生、四年生での外国語活動が実施されますことから学校現場で混乱なく円滑に行われる体制づくりが求められております。
 県教育委員会では、教員採用試験において英語免許保有者への加点制度を設け人材の確保に努めてまいりました。さらに平成二十九年度から県独自に研修受講や英語に関する資格など一定の条件を満たした英語指導資格教員、いわゆるLETS――レッツ教員を認定してきております。昨年度までの認定者数は百四十八人で、外国語専科教員などと合わせて各学校で外国語教育を推進する担当教員は五百人となっております。
 また、小学校教員を対象とした英語指導力の向上のための研修や外国語教育推進教員を対象により専門的な指導方法を身につける研修会を開催し、校内研修により教員全体の授業力の向上に努めております。
 しかしながら、外国語教育の実践に向けましてはさらなる人材の確保とともに全ての教員の授業力の向上に継続して取り組む必要があります。このため外国語教育推進教員を全ての小学校に配置することを目指しLETS――レッツ認定のための研修を継続して実施するほか、多くの学校に配置されているALTの資質向上に向けた研修や大学教授等の助言を受けながら外国語の授業の実践研究に取り組むこととしております。
 県教育委員会といたしましては、全ての小学校におきまして新学習指導要領に定められた外国語教育が円滑に実施できるよう教育環境の一層の充実を図ってまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木教育部長。
       (教育部長 鈴木一吉君登壇)
○教育部長(鈴木一吉君) 少人数職種の多忙化解消についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、学校におきましては教員だけでなく養護教諭、栄養教職員、学校事務職員といった少人数職種も勤務時間が長く多忙化が進んでおります。昨年公表された調査では小中学校の養護教諭の一週間の勤務時間は五十時間を超え、十年前と比べて二時間以上増加している状況であります。
 県教育委員会では平成二十九年度、モデル校となる県立高校に教育相談を担当する学校運営支援員を配置する事業に取り組み、事業終了後も学校内での業務分担の見直し工夫により養護教諭の負担の軽減が図られたことからこの取り組み事例を県内の高校に周知しております。また学校事務職員につきましては市町教育委員会に対し事務の集中処理による効率化を目的に共同学校事務室の設置を働きかけてきており、これまでに二十八市町で設置されております。
 今後は、学校内の業務内容の見直しや職種ごとの研修会等を通じて少人数職種の教職員の勤務時間に関する意識を高めていくほか、小中学校のスクール・サポート・スタッフについては健康診断や食育の授業など教諭と共同で行う業務に携わることは可能であることから各学校に対し効果的に活用するよう伝えてまいります。
 県教育委員会といたしましては、少人数職種を含めた教職員定数の改善について国に対し引き続き強く要望するとともに、市町教育委員会と連携し本年二月に策定した業務改革プランを着実に実施することにより少人数職種の多忙化解消に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 二十六番 沢田智文君。
       (二十六番 沢田智文君登壇)
○二十六番(沢田智文君) 御答弁ありがとうございます。
 要望を二点、再質問を一点お願いいたします。
 まず要望の一点目、次世代を担う子供たちの世界遺産富士山の価値継承についてです。
 先ほど知事からも答弁がありましたが、キッズ・スタディ・プログラム、私も現場に行って見てまいりました。有効的に使われると大変意味のある内容になっているかなというふうに感じております。
 先日アフガニスタンで中村さんが凶弾に倒れるという大変悲しい事件がありました。この中村さんに憧れ影響を受け掛川市出身の伊藤和也さんがアフガニスタンで復興支援に尽力をされてきましたが、残念ながら凶弾に倒れてしまいました。今まではこれが道徳の授業の教材にもなっておりましたが、こういったものが道徳の教科化によって静岡の文化、伝統、遺産、偉人、こういったものが紹介されなくなっている、こういうことを先ほども申し上げましたが、このことをぜひ子供たちにもわかってもらいたいなというふうに思っております。そのためには世界遺産としての富士山の価値継承については大変意義があるというふうに思いますので、ぜひとも今後とも進めていただければというふうに思います。
 要望の二点目、県内産業の将来を担う人材育成についてです。
 先ほど答弁にありましたWAZAチャレンジ事業、技能マイスター、私も技能マイスターの方を学校に呼んで瓦職人の方を呼んだんですが、実際に子供たちが実学に触れると、大変本物に触れるということは大変いい機会になっているというふうに思います。また県内産業を紹介するガイドブック、こういったものも大変効果的かなというふうに思います。
 ですが学校現場では労働教育、環境教育、人権教育、食育、平和教育、主権者教育、環境教育とプログラミング教育と外国語教育、租税教室や薬物から守る薬学講座と大変いろんな教育が入っております。どれもとても重要です。重要な余りなかなかこういった産業、本物に触れる機会が踏み出せないという実態があります。できるだけ多くの若者、こういったものにですね、本物に触れる機会をふやしたいというふうに考えますが子供たちはそれぞれの成長段階で気づいたり感じたりすることが違います。同じ三年生でも感じる子もいれば、その子が中学三年になって感じる大人になってから感じると、こういったことで子供たちが若者が感じるタイミングにサービスが提供できるようなそんな広報を今後も心がけていただきたいというふうに思います。
 最後に再質問です。
 少人数職種の多忙化解消についてですが、先ほどの答弁の中でスクール・サポート・スタッフについて少人数職種のほうから少し業務についてサポートができるというような答弁がありました。もう少し具体的にあれば伺いたいというふうに思います。よろしくお願いします。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木教育部長。
○教育部長(鈴木一吉君) 少人数職種の多忙化解消に係る再質問についてお答えをいたします。
 スクール・サポート・スタッフにつきましては、全小中学校に配置をしており、各学校で実情に応じて活用していただいているものというふうに理解をしております。少人数職種に係る具体的な想定につきましては先ほど御答弁の中でも申し上げましたが、養護教諭につきましては健康診断に係る業務であるとか、栄養教職員につきましては食育の授業等に係る業務、それから学校事務職員につきましてはPTAに係る業務などにつきましてはスクール・サポート・スタッフのお力をおかりをして遂行することが可能ではないかというふうに考えております。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 二十六番 沢田智文君。
       (二十六番 沢田智文君登壇)
○二十六番(沢田智文君) 答弁ありがとうございます。
 最後に要望をさせていただきます。
 少人数職種の多忙化解消についてですが、学校事務職員におかれましては共同学校事務室を展開しております。この共同学校事務室は、本来の目的は業務の精選等そこで生まれた時間を教員のサポートにすると、こういった目的があるというふうに思われます。従って共同学校事務室が直接学校事務職員の働き方改革に直結するというわけではありませんので、先ほどPTAの事業等をサポートするというふうにありましたが、こちらのほうも進めていただきたいというふうに思います。
 養護教員、学校事務職員、栄養教職員、こういった方々は専門性の高いところなのでなかなかサポートする事業というものが難しいかなというふうに思われますが、静岡県、全国から注目されておりますのでこちらのサポートのほうについても進められていただきたいというふうに思います。
 同時にですね、スクール・サポート・スタッフ、なかなかこの週十五時間をさらに拡大するということはなかなか難しいかなというふうにも感じておりますが、スクール・サポート・スタッフもチームの一員です。そちらのスクール・サポート・スタッフの事業が余りにも多くなり煩雑になるといったことも学校の子供たちにとっては影響がいいというふうには思いませんので、こちらのほうも上手に仕事の内容を精選をしながら、子供たちの健やかな成長を支えていただくことを要望し私からの質問を終わります。(拍手)
○議長(鈴木利幸君) これで沢田智文君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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