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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成26年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

盛月 寿美 議員

質問分類

代表質問

質問日:

12/03/2014

会派名:

公明党静岡県議団


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
 (1) 平成二十七年度当初予算編成方針
 (2) 少子化対策
  ア 切れ目のない支援
  イ 助産師養成学科の設置
2 地域外交について
 (1) 静岡県らしい地域外交の進め方
 (2) 青少年の国際交流
3 朝鮮通信使の世界記憶遺産登録の促進について
4 消費者教育の推進について
5 歯科保健推進による健康増進について
6 エボラ出血熱への対応について
7 成年後見制度について
8 県産材の利用拡大について
9 災害への備えについて
 (1) 豪雨対策
 (2) 災害時における通信の確保
10 清水港の津波対策とみなとまちづくりについて
11 今後の教育行政について
12 障がい者に配慮した警察活動について


○議長(多家一彦君) 開議に先立ち、御報告いたします。
 本日は、説明者として溝口教育委員会委員長が出席しておりますので御承知おき願います。

○議長(多家一彦君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百六十四号から第二百号までを一括して議題といたします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、三番 盛月寿美君。
       (三番 盛月寿美君登壇 拍手)
○三番(盛月寿美君) おはようございます。質問に先立ち、十一月二十二日に発生した長野県北部の地震で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
 私は公明党県議団を代表し当面する県政の諸課題について、通告に従い知事並びに関係部局長、教育委員長、教育長、警察本部長に一括質問方式で質問いたします。
 初めに、知事の政治姿勢についてのうち、平成二十七年度当初予算編成方針について伺います。
 平成二十四年十二月に発足した自公連立政権では、この二年間、景気の回復、デフレ脱却に向け経済政策を強力に推し進めてきました。その成果は株価上昇、雇用情勢の改善、訪日外国人旅行者数の増加などに見られるように、日本経済は着実に経済上向きの兆しが見えるまでに前進しています。この経済成長の効果をこれからは中小企業へ、地域経済へ、そして家計へと確実に波及させ、実感として感じられる景気回復が実現するよう今後も進むべき方向を間違えず経済政策を継続していくべきであると考えます。
 県では、来年度もさまざまな施策を積極的に展開していくため来年度の予算編成に当たっているところです。十月に示された来年度当初予算の財政収支では三百四十億円の財源不足が見込まれています。この財源不足を解消するためには徹底した歳出のスリム化と税収の確保や未利用財産の売却等の歳入確保に取り組む必要があります。このような状況の中、本県の将来の姿を思い描いたとき、南海トラフ巨大地震、顕著な人口減少問題など待ったなしの政策課題が山積しています。
 我が会派は、これまでも防災・減災対策、雇用の確保、少子化対策、教育環境整備の充実などの施策に重点を置くよう求めてまいりました。来年度の予算編成においては、特に少子化対策や医療・介護の充実、中小企業支援など県民の生活に直結した施策をこれまで以上に充実強化させていくべきであると考えます。
 県民が豊かな生き方を実感できるよう、県民幸福度の最大化、魅力ある静岡県づくりのため知事はどのような方針で来年度の予算編成を行っていくのか伺います。
 次に、少子化対策についてのうち、まず切れ目のない支援について伺います。
 合計特殊出生率は、結婚や出産に対する価値観の多様化、若年世代の経済的な困窮化などを背景に一九七〇年代後半から人口維持に必要な二・〇七を下回る状態が続いてきました。その結果、人口減少による地方自治体の消滅すら予測される事態に直面しています。人口動態統計によりますと本県の平成二十五年の合計特殊出生率は一・五三と、わずか〇・〇一ポイントではありますが前年を上回りました。出生数は五百五十人減少の三万二百六十人でした。
 本県は、本年度、国の地域少子化対策強化交付金を活用して出会いから結婚、そして妊娠、出産、子育てへの切れ目のない支援を行う少子化対策に取り組み、市町と連携を図りながらさまざまな事業を実施しています。県は高校生を対象にゲーム感覚で結婚や妊娠、出産、育児、家事に関する知識を学べるアプリケーションを開発したと聞いています。次代を担う若者たちの意識を変えていくことが重要という観点からのこうした取り組みは、人口減少社会に積極的に挑戦する県の姿勢として評価しています。
 一方、昨年十二月議会でも取り上げました不育症治療費の助成制度や産前産後ケアの体制づくりに向けては県としてのさらなる取り組みが必要と考えています。京都府では妊娠中から出産後までの母親に対し、ケア専門員が産婦人科医などを通じて希望のあった妊産婦からの要望に沿ってプランを作成し訪問支援員が訪問し、育児や家事、外出を支援する取り組みを本年度開始するとのことです。出産直後に子育てに不安を抱える母親にとって大きな支えとなると思います。
 また、フィンランドではネウボラ――フィンランド語で助言の場という意味のネウボラという地域の拠点で、妊娠期から就学前までの健康診断、保健指導、予防接種を行う母子保健制度があります。この制度をお手本に、三重県名張市ではことし七月から名張版ネウボラを実施し出産から育児まで切れ目ない相談支援の場やシステムづくりに取り組んでいます。
 そこで、本県における取り組みではこれまでどのような成果があったのか、またさらなる充実に向け今後どのような取り組みをしていかれるのか、県の所見を伺います。
 次は、助産師養成学科の設置についてであります。
 昨今、産科医不足が深刻な問題として取り上げられています。同様に助産師不足も深刻です。産科医不足の中、正常分娩を取り扱うことができ、妊婦に寄り添い分娩の介助を行う助産師は安全で安心な出産を確保するための人材として重要な役割を果たしてくださっており、出産のみならず産後の子育てを支援する助産師の存在が強く求められています。
 静岡県助産師会が行った調査によりますと、本県東部地域では西部、中部地域に比べて助産師の数が少ないことや分娩施設の不足、さらには母子に対する助産師のケアが十分でないという結果が示されています。安心して子供を産み育てられる静岡県であるためには、こうした県東部地域における現実の深刻な課題について県は真剣に取り組むべきです。
 こうした中、本年七月七日に県東部地域の市長会から県に対し県東部地域への助産師養成学科の設置についての要望が行われ、川勝知事からは前向きに取り組むとの姿勢が示されました。
 児童虐待や子育て不安、産後鬱など子育てを取り巻く深刻な諸課題が顕在化している中で、妊娠から出産、産後、子育てまで母子のケアをする専門職である助産師の社会的使命は重大です。助産師から総合的に十分なケアを受けられることは産後鬱や児童虐待の発症を抑制することにつながります。
 日本一安心して子供を産み育てられる静岡県を目指し、県東部地域で助産師を目指す看護学生や看護師が進学でき、将来は県東部地域で助産師として働ける、そうした環境を整備するため静岡県立東部看護専門学校に助産師養成学科を設置することを検討するべきと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、地域外交についてのうち、静岡県らしい地域外交の進め方について伺います。
 グローバル化が進み、世界各国で対外関係が深まり、交流単位が国だけでなく地方、地域など多層化している中、本県が直接世界とかかわり存在感を打ち出していくことは大変重要と考えます。本県が進めている地域外交は中国、韓国、モンゴル、台湾、東南アジア、米国の六つの国と地域を中心に展開していますが、中でも東アジア地域については富士山静岡空港からの就航先エリアでもあることから、ヒト、モノ、情報、文化など幅広い分野での交流が一層盛んになることが期待されます。開港六年目を迎える富士山静岡空港の利活用を着実に促進し、相互にメリットのある地域外交を積極的に展開していく必要があります。
 県は、十一月十二日に富士山静岡空港の十月の利用状況を発表しました。それによると国内線、国際線合計で四万六千六百六十人の搭乗者があり、前年の同じ月に比べて二六・七%の増加で、開港以来二番目の高い伸び率でした。特に上海―武漢線の定期便や国内外のチャーター便の利用が好調で空港の話題では久しぶりにうれしいニュースでした。
 県は、これまで中国浙江省を初め韓国忠清南道、モンゴル国ドルノゴビ県と友好協定等締結することで交流の基盤を構築するなど各国、地域と幅広い分野で交流を進めてきましたが、来年国交正常化五十周年を迎える韓国との朝鮮通信使の歴史を生かした交流や本年ドルノゴビ県との友好協定締結三周年のモンゴルとの経済交流の推進など本県らしい地域外交をさらに推進すべきと考えますが、県の方針を伺います。
 続いて、青少年の国際交流についてであります。
 私は、青少年が言葉や文化の壁を越えて相互に理解を深めるための海外との交流は、特に情操教育、将来の人格形成に大変役立つと思いますが、残念ながら海外へ留学する青年が減っているという現状があります。経済的な問題、家庭の事情などの要因があり、あわせて外に出ようとしない内向きな傾向のあらわれとも思えます。私の身近に、もう二十年以上も前ですが高校二年生のときに青年の船で香港へ行った経験のある方がいます。このときの交流で大きな刺激を受け、その後の語学を学ぶモチベーションにつながったとその方は話してくださいました。
 さて、本県においては平成二十五年から友好協定締結の一環事業としてモンゴル国ドルノゴビ県との高校生の相互交流を行っていることは、両国にとって大変意義深いものと評価しています。青少年時代に海外に行き、見識を深め語学を学ぶ。逆に海外から静岡県に来てもらい、お互いの文化を知ったり伝統や言語を学ぶ場を通じて、まいた種がいつか花開き実になるように、心の中に植えられたものが将来何らかの形で国際貢献に結びつくことにつながると確信しています。
 県は、今後モンゴルだけでなく台湾や中国との青少年のスポーツ交流や文化的交流を展開していくと聞いております。多くの青少年に海外交流に参加するチャンスを提供したり、要望に応えられる環境を整える必要があると考えます。
 これからさらに進むグローバル社会に対応できる基礎力を身につけるためにも、青少年の国際交流について今後も県は積極的に取り組むべきと考えますが、教育長の所見を伺います。
 次に、朝鮮通信使の世界記憶遺産登録の促進について伺います。
 先ほども触れましたが、来年は日韓国交正常化から五十周年の節目を迎えます。日韓関係における現状の課題はさまざまありますが、民間交流、地方レベルでの交流、文化・教育交流を図ることが困難を乗り越えて新しい時代を開く関係構築につながるものと確信しています。
 日本と韓国の友好関係が二百年以上にわたって続いたことを物語るものとして、江戸時代に朝鮮王朝が日本に送った朝鮮通信使という歴史的な遺産があります。朝鮮通信使関連の資料は江戸時代の文化交流の遺産として高い文化的な価値を有しており、後世に継承すべき遺産であると考えます。
 本年二月議会において、我が会派の前林県議がこの朝鮮通信使の再顕彰について提案し、知事から積極的な答弁をいただいたところであります。
 私は、本年五月に長崎県対馬市を訪れ朝鮮通信使に関連する資料のユネスコ世界記憶遺産登録を目指した取り組みについて伺ってまいりました。朝鮮通信使にゆかりのある市町村や民間団体で構成する朝鮮通信使縁地連絡協議会では、対馬市が中心となって専門家を交えた学術委員会を設置し韓国の釜山市と共同で申請するための準備が進められています。
 私の住む清水区の清見寺に朝鮮通信使が漢詩を詠んだ直筆の書が多数残されており、県の文化財に指定されています。六月には静岡市がこの清見寺の資料の登録を目指してこの協議会に参加を表明し取り組みを始めています。
 私は、対馬市を訪れた際に異国が見える丘展望台に足を運びました。そこに立つと韓国の釜山市がすぐ目の前に見えるはずでしたが、当日は曇り空で残念ながらはっきりとは見えませんでした。しかし、ここを窓口として当時の朝鮮との外交が行われていたのかと思うと感慨深いものがありました。隣国である韓国との平和外交の歴史を守り後世に伝えていく使命を感じることができました。
 明年、日韓国交正常化五十周年、さらには国交回復の功労者である徳川家康公没後四百年という記念すべきときに本県の財産である清見寺の資料が世界記憶遺産に登録されることは、静岡市だけにとどまらず静岡県にとっても大きな意義があり、平和外交の象徴である朝鮮通信使を通じて本県から平和へのメッセージを発信できる好機であると考えます。
 私は、県としても静岡市と連携を図り朝鮮通信使関連資料の文化的、歴史的価値を大いにアピールし世界記憶遺産登録の促進を図っていく必要があると考えますが、県の所見を伺います。
 次は、消費者教育の推進について伺います。
 平成二十六年の消費者白書によりますと、平成二十五年の全国の消費者被害、トラブルは約一千万件、金額にして約六兆円に上り、我が国GDPの約一%を占めると推計されています。もしこの金額が適切で積極的な消費生活に関することに使われたならば、国民が心豊かに生活できる活力ある地域社会の構築に役立つと私は考えます。
 平成二十五年度に県及び市町で受け付けた県全体の消費生活相談件数は約二万六千件で、前年度より約八%増加しました。そのうち六十歳以上の方が全体の約四割を占めています。昨年は高齢者をターゲットとした健康食品の送りつけ商法が全国的に話題となりましたし、必ずもうかるなどと甘い言葉で勧誘し高額な被害をもたらす利殖商法に関する相談は現在も後を絶ちません。私の住む清水区では、ある地域で集中して点検を装って高額な屋根の修理工事契約を迫られる詐欺被害が発生しました。
 また、近年ネット社会の進展に伴った消費者トラブルが相次いでいます。高齢者の相談件数がふえる一方でインターネットやスマートフォンの普及に伴いオンラインゲームの課金等、高額な請求を受けるというトラブルに巻き込まれるケースなど未成年者に関する相談件数も増加傾向にあります。
 こうしたトラブルに対する消費生活相談の体制の充実や悪質事業者への対策を強化する必要性と同時に、消費者被害を防止し県民の皆様が安心して心豊かな消費生活を送るためには、自立した消費者の育成を目指して子供のころからしっかりとした消費者教育を受けられる環境をつくることが重要であり、私は昨年二月の議会において自立した消費者を育成するための消費者教育、金融教育の重要性について取り上げ県の取り組みを求めました。
 その後、県では平成二十六年三月に消費者教育推進計画を策定し消費者教育を前進させました。消費者を取り巻く社会経済情勢の変化に対応し、幼児期から高齢期までのライフステージに応じて家庭、学校、地域、職域等さまざまな場における消費者教育の充実が図られるよう積極的に推進していくべきであると考えます。
 県民の安心・安全な消費生活を守るため、県では消費者教育を今後どのように進めていくのか伺います。
 次に、歯科保健推進による健康増進について伺います。
 歯や口の健康づくりは、健全な食生活のみならずさまざまな病気の予防につながるなど健康を維持する上で重要な役割を果たしています。おいしく食事がとれ、楽しく会話をすることができ、人と交流することで健康で活力ある毎日を過ごすことができます。それによって結果的に医療費の抑制にもつながるものと考えます。
 先日、我が会派は静岡県歯科医師会の皆さんと懇談の機会を持ち、さまざまなお話を伺ってまいりました。その中で六十五歳以上の健康な方を対象に四年間認知症の認定状況を追跡したところ、歯がほとんどない人や本来必要なのに入れ歯を使用していない人は、二十本以上歯が残っている人と比較して認知症が一・九倍発症しやすいという結果が出たことをお聞きしました。歯や口の状態を良好に保つことが認知症予防の観点からもいかに大事であるかを再認識させていただきました。
 また、介護が必要な高齢者が年々増加する中、口腔内の状況が悪化しやすいため七〇%以上の方が歯科治療を必要とする状態であるにもかかわらず、実際に診療を受ける方は三〇%以下にとどまっている状況だそうです。今後さらなる高齢化に伴い要介護者がふえてくると考えられることから、こうした方々がしっかりと歯科診療を受けられる体制を整えることが大変重要であると考えます。
 県歯科医師会の皆様からは、県に対し歯科治療や口腔管理が必要な在宅療養者と歯科医療機関をつなぐ窓口となる在宅歯科医療推進室の設置と在宅歯科を担う歯科医師、歯科衛生士の養成を強く要望されているところであり、実現に向け取り組んでいただきたいと思います。
 本県では、平成元年から八十歳で自分の歯を二十本以上保つことを目指す八〇二〇運動を推進しており、平成二十一年十二月には静岡県民の歯や口の健康づくり条例を施行しています。この条例に基づき平成二十三年三月に静岡県歯科保健計画を策定し、歯や口の健康づくりを総合的かつ計画的に推進していますが、先ほどの要望事項も含め、今後歯科保健推進による健康増進に県はどのように取り組んでいかれるのか伺います。
 続いて、エボラ出血熱への対応について伺います。
 エボラ出血熱がギニア、リベリア、シエラレオネの西アフリカ三カ国においてこれまでにない規模で流行し、十二月二日付けのWHOの発表によりますと死者はこの三カ国で六千五十五人に上り、この一カ月で千人以上ふえています。またスペインやアメリカで、この地域から入国後にエボラ出血熱を発症するケースが確認され、海外での流行拡大に我が国の多くの国民が脅威を感じているのではないでしょうか。
 日本においても結果としていずれも感染はしていませんでしたが、十月には羽田空港で、十一月には関西国際空港と東京都町田市で相次いでエボラ出血熱の疑いのある患者さんが確認され、医療機関に収容されて検査が行われました。私はこうした状況から、エボラ出血熱は遠い海外で起きていることではなく、いつ国内で起きてもおかしくない状況と認識し対応する必要があると考えます。
 先日のNHK世論調査では、七七%の人がエボラ出血熱が日本にも広がる可能性に不安を感じていると答えていますし、空港や国際拠点港湾、重要港湾を有する本県においてもいつそうした危機に直面するかもしれないと不安を抱いている県民も多いと思います。県では既に対策を進めていると聞いておりますが、万が一県内で発生した場合の感染拡大防止対策に万全の備えをしていく必要があると思います。アメリカでは流行地域から遠く離れたザンビアに渡航したというだけで子供の登校をやめさせるなど過剰な反応も出てきているそうです。これは極端な例かもしれませんが、いざというときにこのような過剰な反応を防止すること、県民が冷静に行動するための対策も重要であると考えます。
 そこで、エボラ出血熱の発生に備えどのように対応していくのか、県の方針を伺います。
 次は、成年後見制度について伺います。
 認知症高齢者や知的障害などで自分では物事の判断が十分にできないため、第三者に財産管理などを委ねる成年後見制度の利用者が平成二十五年度末時点で十七万六千五百六十四人に上るとの最高裁判所の調査結果が発表されました。静岡県社会福祉協議会の調査では、この成年後見制度を初めとする権利擁護を必要とする人が県内に少なくとも二万二千四百二十七人いるとの結果が出ています。
 制度が始まった平成十二年は、配偶者や子など親族が後見人を務めるケースが全体の九一%だったものが、平成二十五年には四二・二%と年々低下する一方、弁護士や司法書士など親族以外が後見人となるケースは年々ふえ五七・八%を占めたとのことです。今後、高齢化の進行、家族形態が変化し、ひとり暮らしの高齢者もふえる中、成年後見制度に対するニーズはさらに高まると考えられます。
 本県においては、本年七月に富士市に成年後見センターが設置されましたが、今後も県として設置に向けて取り組む市町への支援を強化していくべきと考えます。
 埼玉県川口市では、市成年後見センターを設置し成年後見制度の利用に関する支援を一貫して行っています。このセンターでは相談業務のほか普及啓発のためのセミナーの開催、また弁護士や司法書士などの資格を持たない一般市民が家庭裁判所の選任を受けて被後見人を見守る市民後見人の育成を行っています。
 今後、制度の利用者がふえ後見人が足りなくなると考えられることから、東京都品川区でも一般市民を市民後見人に養成する取り組みを始めていると聞いています。
 本県において、家庭裁判所で選任された市民後見人は現在県内に一人もおりません。私は、今後市町と連携して市民後見人を育成する取り組みが必要であり、誰もが住みなれた地域で安心して暮らせる社会を実現するためには、成年後見のニーズに的確に応えることが重要になってくると考えます。
 そこで、成年後見制度の普及啓発と市民後見人の育成に、県は今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、県産材の利用拡大について伺います。
 県は、平成二十四年度から県産材の需要と供給の一体的な創造に取り組んでおり、需要面では住宅などの民間部門や公共建築物などの公共部門で県産材利用を進めています。ここ県庁も本館の腰壁に県産材を使用し、以前よりも温かみが感じられます。
 本年七月にオープンした沼津市のふじのくに千本松フォーラム「プラサ ヴェルデ」は県産材の積極的な利用の取り組みが評価され、平成二十六年度木材利用優良施設として見事、林野庁長官賞を受賞しました。
 また、平成二十七年春に完成予定の草薙総合運動場体育館は大型の体育館の構造部分に大きな集成材が使用されています。鉄骨づくりの屋根を安全に支えるため木材であっても一定以上の強度が求められ、天竜地域を中心とした林業・木材関係者の皆様がさまざまな課題の克服に取り組まれ、見事、丸太や製品の供給をなし遂げられたと伺いました。
 私は先日、伊豆市の自転車競技場――伊豆ベロドロームを視察しました。周長二百五十メートル、幅員七・五メートル、最大傾斜角度四十五度の木製トラックは美しく壮観でした。使用されている木材は残念ながら県産材ではなくシベリアマツですが、四センチメートル角の木材を百九十二段、ドイツの職人の指導を受けながら手作業でつなげていったそうで、高い技術が必要だったことや木製トラックでは転倒したときのダメージがコンクリート製よりも抑制されることなどお話を伺い、木製のすばらしさを実感して帰ってきました。また二〇二〇年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの練習会場として合宿誘致を進めているとのことでしたので、ぜひ実現するよう県としても応援していただきたいと思います。オリンピックといえばスポーツや文化の祭典ですが、一九九〇年代からは環境が柱として加わり、バンクーバー大会やロンドン大会などでは競技施設などに多くの木材が使われました。
 本県には、「プラサ ヴェルデ」や草薙総合運動場体育館建設での実績がありますので、これを広く発信することで競技場や選手村などオリンピック関連施設の建設資材として受注につなげられると同時に、静岡県産材のすばらしさと本県の力を全国にアピールすることができるのではないでしょうか。先ほどの伊豆ベロドロームには他県からも視察に来られるそうですが、先日は長野県の関係者が視察に来られ、やはりオリンピック関連施設に県産材をアピールすることに大変意欲的であったそうです。
 本県も他県におくれることなく積極的に取り組むべきと考えますが、今後県は県産材の利用拡大にどのように取り組むのか伺います。
 次に、災害への備えについてのうち、初めに豪雨対策について伺います。
 本年十月五日、六日に台風十八号が来襲し県内に大きな被害をもたらしました。改めて被災された方々に心より御見舞い申し上げます。
 十月六日、雨が上がってからは被害状況の確認に一日清水区内を回りました。特に私の住む静岡市清水区では巴川流域で大きな浸水被害が発生し、七夕豪雨を思い出したという言葉があちこちで聞かれました。静岡市によると、台風十八号による浸水被害は市全体で一千四百十七棟、このうち巴川流域での被害は一千百七十三棟と八割を超えました。さらに地域別では清水区が一千七十五棟と、ほとんどが清水区での被害であったことがわかります。
 県は、今回の被害は三十時間以上の降雨の降り終わりに、さらに激しい雨が続く後方集中型が原因であったとの結果をまとめました。多くの箇所で支流の氾濫や内水氾濫が発生したことが被害を大きく広げたと言えます。日ごろから県管理の河川整備については地域の方からの要望が多く県に対応を依頼しておりますが、今回の台風でも水かさが増し大変危険だった箇所がありましたので、巴川本流と支流のしゅんせつ等着実に対応する必要があると考えます。
 県はこれまで、大谷川放水路の建設、麻機遊水地、大内遊水地の整備など巴川流域の治水対策を行ってきました。昭和四十九年七月の七夕豪雨では浸水被害が二万六千百五十六棟であったことを考えると一定の効果はあったものと思いますが、今回これほどまでの大きな被害が発生したことを考えると、これまでの計画を見直しさらなる対策が必要と考えます。
 そこで、今回の台風被害の原因分析を踏まえ、今後またいつ起こるかもしれないこうした後方集中型などの豪雨に備えて同じ被害を繰り返さないために、県は今後どのような計画で巴川流域の治水対策に取り組んでいくのか伺います。
 続いて、災害時における通信の確保について伺います。
 災害時における情報収集や情報伝達を行うための通信の確保は、自治体にとって必要不可欠な責務であります。その基幹部分を担う都道府県防災通信ネットワークは、全国的に衛星回線や地上の無線回線等を利用して整備されていますが、近年のICT環境が急速に変化する中で通信における高度化への対応など克服しなければならない課題が多いと認識しております。
 平成二十三年三月に発生した東日本大震災では、津波により通信施設が被災し長時間にわたり通信障害が発生しました。平成七年の阪神・淡路大震災や平成十六年の新潟県中越地震のときも一時的に通信の確保が困難となり、災害対応に支障が生じました。通信ネットワークが高度に発達した現代の情報化社会では、通信の途絶はあらゆる社会機能に影響を及ぼすことになります。
 本県は、他県に先駆けて確実な通信の確保への対策を進めています。中核となる市町の同報無線の整備率は一〇〇%で全国一の水準にあり、県防災行政無線は県とその出先機関、そして県内三十五市町全てと回線で結ばれており全県規模での防災通信ネットワーク網が完成しています。一方で、早期に整備したため機器の老朽化の問題が懸念されています。これに対応するため県は、近年のデジタル化の流れへの対応も含め平成二十三年度より四年計画で防災行政無線の再整備工事を実施しており、ことしが最終年度となっています。
 これにより最新式の防災通信ネットワーク網が再整備されることになりますが、従来の通信と比べてどのような特徴があり、県の防災通信インフラ機能の向上という点からどのように通信確保が強化されるのか伺います。また県民の生命財産を守るための防災力の向上という点ではどのように役立つものなのか伺います。
 次に、清水港の津波対策とみなとまちづくりについて伺います。
 日本でも有数の国際拠点港湾である清水港は、ものづくり県を支える県内産業の物流拠点として本県産業の発展に重要な役割を果たしています。昨年五月には新興津コンテナターミナル第二バースが完成し、清水港全体のコンテナ取り扱い能力は約三六%向上し、また富士見地区においては物流機能の強化と保全対策が着実に図られています。
 物流だけでなく、清水港の魅力は美しい景観です。世界遺産富士山を眺望でき周辺の施設や企業が統一した色彩になっていることで、日本屈指の美しい港として知られています。さらには人々が集い交流する場ともなっています。
 さて、本県では、昭和五十一年に東海地震説が発表されてから東海地震対策を県政の最優先課題の一つに位置づけ地震・津波対策に取り組んできました。三十二・八キロメートルの水際線を有する清水港海岸では昭和五十六年度より大規模地震対策特別措置法により津波対策の整備に取り組み、平成二十五年度末現在、旧来の第三次地震被害想定に対し六八%の事業進捗となっております。
 こうした中、県は平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災による被害を踏まえ、昨年十一月に新たな地震被害想定である第四次地震被害想定を公表するとともに、推計された被害をできる限り軽減するための行動目標として静岡県地震・津波対策アクションプログラム二〇一三を策定し、津波対策施設等の整備計画を示しました。
 清水港においても、防潮堤の新設やかさ上げ、液状化対策等の実施が示されておりますが、先ほど申し上げましたように港は物流機能のみならず美しい景観と人々の交流する緑地や集客施設による憩いとにぎわいの空間が存在するところです。江尻地区と日の出地区は多くの観光客が訪れる県内でも有数の観光交流拠点となっています。
 県は、清水港海岸江尻・日の出地区について新たに検討委員会を立ち上げ第四次地震被害想定に対応するための津波防災対策計画の策定を進めていますが、計画の策定に当たっては防護だけでなく港湾利用や、にぎわい、景観等への配慮が必要となります。
 そこで、清水港海岸江尻・日の出地区の津波対策と、憩いとにぎわいの空間としてのみなとまちづくりを県は今後どのように進めていくのか伺います。
 次は、今後の教育行政について伺います。
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正の施行により、平成二十七年度から新たな教育委員会制度がスタートします。教育行政を取り巻く環境が大きく変化しようとする中、十月十九日に教育委員会委員長に溝口紀子さんが就任されました。溝口委員長は平成二十三年四月に教育委員に任命され、これまで三年半委員として静岡県の教育行政に携わってこられました。
 今、教育現場ではいじめ、体罰、不登校、さらには学力問題などさまざまな課題があります。先日公表された平成二十六年度全国体力テスト結果についても、今後分析と改善策を検討していくとの報道を目にしました。私は昨年度文教警察委員会に所属しておりましたので、溝口委員長を初めとする教育委員の皆様と問題意識を共有し直接意見を交わすことができたことは、私自身貴重な経験になったと感謝しております。教育は子供たちの幸せのためにあるのですから、全ての子供たちが明るく伸び伸びと豊かな心で教育を受けられる環境づくりが最も重要です。溝口委員長には、ぜひとも新しい風を吹き込んで本県の教育現場が抱える課題に積極的に取り組んでいただきたいと期待しております。
 そこで、まずはこの三年半教育委員として経験されてきた中で、静岡県の教育について率直にどう感じておられるか伺います。またそれらを踏まえ女性の目線、アスリートの目線、さらには本県における歴代最年少の委員長として今後静岡県の教育行政にどのように取り組んでいくのか、抱負を伺います。
 最後に、障害者に配慮した警察活動について警察本部長に伺います。
 まずは、日ごろ県民を守るために昼夜を問わず任務を遂行してくださっている現場の警察官の皆さんに対し、心からの敬意と感謝の意を表します。
 障害者基本法では、全ての国民が障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されなければならないとの理念が掲げられており、障害のある方の自立生活と社会参加の推進は大きなテーマになっています。
 こうした中、障害のある方が地域社会で活躍する場がふえています。第一線の現場で日々さまざまな事案を取り扱う中、警察においては事件や事故を発生させない、また相談を受けたときなどに障害のある方の立場に立った対応が求められます。
 皆さんはタンデム自転車を御存じでしょうか。サドルとペダルが複数装備され複数人が前後に乗り、同時に駆動することができる自転車です。視覚障害のある方は後部座席に乗ることで自転車を楽しむことができます。このタンデム自転車は視覚障害者の活動範囲を広げられるものとして全国で普及活動が広がっており、私も地元清水区で活動するグループの取り組みを応援しています。タンデム自転車の公道走行には多くの制限があります。そして障害のある方がタンデム自転車を楽しめる環境を整えるためには、利用する人はもちろんドライバーの交通ルールに対する意識改革が必要です。
 また、県警では本年度、色覚障害者に配慮して歩行者用信号機に白色文字表示の押しボタン箱を導入し始めていると認識しております。このような障害のある方に配慮した信号機などの交通安全施設整備などについても、今後さらに充実させていただきたいと思っています。
 さて、厚生労働省の調査で、昨年度に全国の自治体が確認した障害者への虐待の相談と通報は七千百二十三件で、そのうち三割に当たる二千二百八十件が虐待と判断されたとの報道を目にしました。障害者への人権侵害は断じて許されることではありません。
 私は、障害のある方の自立や社会参加にとって虐待を防止すること、人権に配慮することは極めて重要なことであると考えます。
 そこで、本県における障害者に対する虐待の現状と、県警が虐待を認知した場合どのような措置をとっているのかまず伺います。
 また、障害者に関係する事件や事故を適切に取り扱うためには障害に対する理解が必要不可欠です。現場の警察官の皆さんが障害への理解を深め人権に配慮した警察活動を行っていくためには正しい知識と心構えといったことが必要と考えますが、この点について警察本部長の所見を伺います。以上について答弁を求めます。(拍手)
○議長(多家一彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 盛月議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、平成二十七年度当初予算編成方針についてであります。
 平成二十七年度は、富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの早期実現を目指し将来に向けた活用可能基金の確保など健全財政の堅持に取り組みつつ、後期アクションプランに掲げる八つの重点取り組みを積極的に展開してまいる所存であります。
 具体的には、全ての御家庭が安心して子育てを行い育てる喜びを感じることのできる環境づくりを目指しております。来年度から始まる子ども・子育て支援新制度の円滑導入に向けて万全な準備を進め、子育て支援の充実を図ってまいります。
 また、誰もが住みなれた地域で安心して高度な医療、きめ細かな介護サービスが受けられる環境を整備するため、医療・介護施設の基盤整備や在宅医療の推進、従事者の確保・養成のための事業等々を展開いたします。
 さらに、本県産業を担う中小企業が個性を生かし、今後も県内経済を支え豊かな生活をもたらすことのできるよう海外展開支援や地域企業を支える人材の確保などにも取り組みます。あわせて新成長産業の創出、また新しい需要の創出などにもこれまで以上に力を入れてまいります。
 来年度当初予算編成に当たりましては、常に前倒しの気概を持って県民の皆様が誇りと希望を持って人生の質、生活の質を高めながら御活躍いただける社会の実現に向け今できることは全てやるという姿勢で臨んでまいります。
 次に、少子化対策についてであります。
 切れ目のない支援についてでありますが、晩婚化や晩産化を背景とした少子化の進行に歯どめをかけるためには妊娠から出産、子育てまでの支援にしっかり取り組んでいくことが大変重要です。
 県では、地域において安心で安全な妊娠と出産ができるよう、市町に対して妊産婦訪問や新生児訪問を初め乳幼児健診を通じて母子への適切な子育ての支援を実施できるように働きかけています。また母子ケアの専門家である助産師会に委託し、県内各地で妊婦や生後一歳までの子をお持ちのお母様を対象に母子のスキンシップ指導や育児相談などを行う産前・産後サポート事業を実施しています。こうした取り組みを通じて、多くの方々から妊娠や出産に対する不安が軽減したという声が寄せられております。本県の子供を産み育てる環境を向上させることができたと実感しているところです。
 今年度からは、内閣府の地域少子化対策強化交付金を活用いたしまして、民生・児童委員などを対象に産後鬱や育児不安を抱えている母子を早期に発見し支援するための研修会を開催しています。また市町を初め産科や小児科の医療機関と児童相談所が参加する妊産婦及び母子支援ネットワーク会議を設置いたします。そのことによりまして関係者の顔が見える関係を築き、出産や育児への不安を抱えている妊婦の把握や援助の方策を検討するなど地域における妊娠から子育てまでのきめ細かな支援体制を構築し、子育て支援の充実に努めているところであります。
 私どもとしましては、子育てはとうとい仕事であるという理念のもとで、子供を希望する御夫婦が安心して安全に妊娠、そして出産が迎えられるように今後とも市町や関係機関と連携し、「生んでよし 育ててよし」の理想郷ふじのくにづくりに取り組んでまいります。
 次に、地域外交についてのうち、静岡県らしい地域外交の進め方についてであります。
 静岡県では、これまで相互の信頼関係により培われた地域間の揺るぎない交流が本県の、ひいては国の利益にもかなうものであるという考えのもとで国家関係の難しい時期におきましても地域外交を推進してまいりました。
 中国とは、本県の特産のお茶やミカンのふるさととされており、また温暖な気候や風土に共通点のある浙江省と三十年以上にわたる交流を進め、対中友好都市交流提携賞を受賞した経緯もございます。ことし八月にエコパアリーナで開催した友好交流卓球大会や経済交流促進機構を通じたビジネス交流のほか文化、医療、教育などさまざまな分野の交流を展開し、現在、杭州蕭山国際空港との定期便就航の実現に努めているところであります。
 韓国とは、朝鮮通信使との平和的交流の故事に倣うべしという公明党県議団前林代表の大変貴重な御提言をいただきまして勉強いたしまして、ことし六月に興津の清見寺で韓国と徳川家の関係者が会同する茶会を開催することができました。日韓国交正常化五十周年に当たる来年は朝鮮通信使ゆかりの事業に加え、本県及び山梨県とそれぞれが友好提携を結んでいる忠清南道及び忠清北道の四県道が一堂に会するサミットを開催し、青少年交流やスポーツ交流などに連携して取り組むことを検討しております。
 偶々、山梨県が忠清北道、私どもが忠清南道ということで、隣接県同士が別に相談したわけでもなく関係を持っていたということを互いに発見する形になりまして、このたび四県道が一堂に会するサミット開催に至ったということであります。
 モンゴル国とは、ドルノゴビ県との交流に加えまして経済分野での関係強化を図るため、ことしの五月に工業と農業分野での協力に関する覚書を交わしました。これは一国の政府と地方自治体が経済分野の覚書を結ぶ全国で例のない取り組みであります。覚書に基づき技術研究員の受け入れや、ふじのくに総合食品開発展二〇一五への出展協力など相互の市場進出や販路開発、販路拡大の支援などに努めてまいります。
 台湾とは、昨年四月に開設した駐在員事務所を核にいたしましてスポーツ・文化分野などでの交流の拡大が図られつつあります。昨日もフランツ・コレクションのすばらしい磁器を御寄贈いただきました。台湾の最高峰――玉山と富士山とが両面に彩られた高級の磁器を台湾政府のほうから御寄贈いただいたということでございます。
 そしてまた、今月十九日からは台湾で最大規模を誇る台北マラソン大会に大須賀副知事を団長とする訪問団を派遣します。そして大須賀副知事は背が高く足が長いことを生かしまして三キロコースに挑戦いたしまして静岡県の存在感を大いに発揮していただき、また県内のマラソン大会を紹介する予定でもあります。
 なお、地域外交についてのうち、青少年の国際交流については教育長のほうから御答弁を申し上げますけれども、私は来年、総合教育会議のメンバーになります。そこで最初に御提言申し上げようと思っておりますのは、静岡県下の全ての高校生がパスポートを所持するというそういう提案であります。それを用いて教育旅行、修学旅行に行かれるかどうかはこれまた学校の主体性に委ねなければなりませんけれども、自分たちが世界の中で存在しているということを実感できるパスポートを全員持てるようなその試みを来年度から始めてまいりたいというふうに思っているわけであります。全てそういう青少年によって、やがて地域外交、あるいは国際交流というものが担わなければなりませんので、まずは高校生からという考えでおります。
 今後とも、友好的互恵・互助の精神に基づく海外との揺るぎない信頼関係の構築により、県民の皆様や県内企業が多くの恩恵を享受できるよう積極的に地域外交を展開してまいります。
 次に、朝鮮通信使の世界記憶遺産登録の促進についてであります。
 朝鮮通信使は、豊臣秀吉の朝鮮出兵によって悪化した日本と朝鮮王朝との関係を徳川家康公が友好関係に転換なさって、二百年以上にわたって平和な中で文化交流が行われた日韓の善隣友好の歴史を今に伝える遺産でございまして、今日において重要な意義を改めて発揮しているというものでございます。
 静岡県は、一六〇七年に最初の朝鮮通信使が家康公に謁見し、その後の長年にわたる友好交流の礎を築いた土地であり、朝鮮通信使の宿所となった清見寺には文化交流の足跡が数多く残されております。このため本年度におきましては、先ほどの茶会席の件でございますけれども、朝鮮通信使が家康公に謁見した日は朝鮮暦で一六〇七年六月二十日に当たるということで、この六月二十日に朝鮮通信使ゆかりの清見寺におきまして裏千家の千玄室大宗匠に御協力をいただき、御亭主の役をお務めいただきました。そして朴槿恵韓国大統領の名代として李壽尊大韓民国横浜総領事を御正客としてお迎えいたしました。あわせて徳川宗家第十八代当主徳川恒孝氏を次客としてお迎えいたし、茶席を開催し、朝鮮通信使をテーマに互いの友好を確認し合ったところであります。またその際には、ふだんは文化財として収蔵庫で大切に保管されている、朝鮮通信使の正使が詠んだ漢詩の詩文や扁額等朝鮮通信使にまつわる貴重な資料を展示していただきまして、国内外に朝鮮通信使と静岡県とのかかわりを情報発信したところであります。
 来年は家康公の没後四百年、日韓の国交正常化五十周年の記念すべき年に当たっております。静岡市を初め関係の皆様と連携を図りつつ、年間を通じて開催される記念事業の機会を生かし朝鮮通信使の歴史的、文化的意義と本県とのかかわりを県民の皆様を初め国内外の多くの方々にアピールし、朝鮮通信使の世界記憶遺産登録を促進してまいります。
 次に、県産材の利用拡大についてであります。
 県では、豊かな森林資源を活用するために丸太の生産から流通加工、公共施設などへの利用拡大まで県産材の需要と供給の一体的な創造に取り組んでいます。利用面では県有施設への県産材利用など県の積極的な取り組みに呼応して、市町だけでなく民間でも住宅のほか農産物加工所や障害者福祉施設の木造化、駅舎や企業の本社ビルの木質化等々、構造材から内装材、外構材に至るまで県産材の利用が広がってまいりました。
 一方本県は、首都圏など大消費地への良好なアクセスなどの強みを有しています。そこで先ごろ東京ビッグサイトで開催された、建築設計事務所やゼネコンが多く来場する国内最大級の建材の展示会に県内の企業や団体とともに出展いたしまして、東京オリンピック・パラリンピック関連施設などでの利用に向けて県産材をアピールいたしました。出展した企業には多くの見積もり依頼が寄せられているという朗報が入っております。
 県といたしましては、今後こうした展示会への出展を継続いたします。草薙総合運動場体育館の建築工事に際しましては天竜地域の林業・木材関係者が取り組んでくださいまして、その過程で県産材の品質のよさが再確認されました。
 この草薙総合運動場体育館の設計事務所の最高責任者内藤さんはこう言われています。「ありがたかったのは、何よりも杉材のクオリティーがすばらしかったことです。よい材料をそろえていただきました。このことによりまして、高度な技術を駆使することができたと思っております」ということでございます。こうした県産材の品質のよさを県内企業とともに全国に向けてPRしてまいります。
 また、全国に販路を拡大する場合にはニーズに的確に応じた品質と安定的な供給量の確保が重要でございます。今回の事例のように、木材を切り出す素材生産業者とそれを加工する製材工場が一丸となってニーズに対応した先進的な取り組みをいたしました。こうした取り組みを県内全域に広げるということが大事です。
 もう一方で新しいニーズをつくり出すと。例えば暮らし空間倍増計画というものもモデル事業として阿蔵山あたりから始めようと思っておりますけれども、こうした試みを通じまして県産材のすばらしさと本県の緑、森、木材の力を全国に示してまいります。
 なお、その他の御質問につきましては、関係部局長、教育委員長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(多家一彦君) 宮城島健康福祉部長。
       (健康福祉部長 宮城島好史君登壇)
○健康福祉部長(宮城島好史君) 知事の政治姿勢についてのうち、少子化対策についてお答えいたします。
 助産師養成学科の設置についてでありますが、平成二十四年十二月末で県内で就業する助産師数は八百七十四人であり、東部地域はそのうち二百五人と他の地域に比べて少ない状況にあります。
 県では、出産から子育てと切れ目のない少子化対策を行っていく中で、出産、子育ての専門家としての助産師が担う役割は重要であることから、助産師養成施設の運営費助成や学生に対する修学資金の貸与制度を設けるなど必要な助産師の確保に取り組んでおります。
 東部地域に助産師を確保するためには養成学科の創設も有効ではありますが、その要件となる分娩を扱う実習施設の確保が難しいことが従来からの大きな課題となっております。現在、東部市長会が各地元の病院の実習受け入れに係る調査と要望を行うなど必要な実習施設の確保に努めていただいているところであります。
 県といたしましては、県内における必要な助産師を確保するため、助産師を目指す学生や看護師等の進学に対する支援策の充実のほか東部地域における助産師養成学科の創設について、県立東部看護専門学校への設置も含め検討してまいります。
 次に、歯科保健推進による健康増進についてであります。
 歯や口の健康は健全な食生活を営むための基礎であり、全身の健康を維持するだけでなくさまざまな病気を予防する上で重要な役割を果たしております。また糖尿病や認知症などの病症と歯や口の健康状態の関連が報告されていることから、全ての県民の皆様が心身ともにいつまでも健康を維持するためには歯科保健対策をしっかり行う必要があります。
 県では、健康を支える歯科保健対策として、長寿者を初め全ての県民の皆様を対象に日々の生活の中でみずから実践する歯と口の健康づくりの定着や、かかりつけ医による定期的な管理の推進を行っております。また通院できない要介護の方々に対する歯科医療の提供として、本議会に設置をお諮りしております地域医療介護総合確保基金を活用し新たに在宅歯科医療に係る相談体制を整備していくとともに、訪問診療を行う歯科医師や歯科衛生士の確保と養成などについても実施することとしております。
 県といたしましては、今後も市町を初め医療や介護の関係団体と密接な連携を図りながら、全ての県民の皆様が安心して歯科医療を受けられる環境の整備と生涯を通じた歯科保健対策を推進し、健康寿命のさらなる延伸に取り組み、健康長寿日本一を保持してまいります。
 次に、エボラ出血熱への対応についてであります。
 県内でエボラ出血熱を疑う患者が発生した場合には、感染症法と感染症法に基づき策定しております静岡県感染症・結核予防計画により各保健所が対応してまいります。
 エボラ出血熱を初めとする危険性の高い感染症に罹患した患者については、各保健所におきまして感染防止に万全を期した第一種感染症指定医療機関に速やかに移送し、治療と感染拡大の防止に努めてまいります。また接触者の徹底的な調査を行うとともに、判明した接触者に対する最大二十一日間の健康監視を行うなど感染の拡大防止を徹底しております。
 エボラ出血熱は致死率が五〇%から九〇%と極めて危険性が高い感染症でありますが、結核やインフルエンザなどと異なり主として患者に直接接触することにより感染するため感染が拡大する危険性は低く、仮に県内で感染事例が発生しても過度に心配する必要がないことを、県民の皆様に向けホームページや報道機関を通じ情報提供しているところであります。
 今後とも、関係機関による患者の移送や感染防止などの訓練の内容を充実させ、対応能力の向上を図るだけではなく患者発生時に冷静に行動していただくための正しい知識の普及啓発を行うなど、県民の皆様の安全と安心の確保に向けて感染症対策の充実に努めてまいります。
 次に、成年後見制度についてであります。
 成年後見制度におきましては、家族関係の希薄化や核家族化の進行により後見人として親族が選任されることも少なくなるなど、なり手不足が懸念されております。こうしたことから平成二十四年四月には老人福祉法が改正され、後見人を必要とする方が確実に制度を利用できるよう一般市民を後見人として育成し活用を図ることが市町の努力義務として位置づけられたところです。
 県では、一般県民を対象としたシンポジウムの開催や関係団体とも連携した広報などにより成年後見制度の普及啓発に努めております。また市民後見人の活用に取り組む全国の先進事例を紹介する市町職員研修の実施や、市町の社会福祉協議会の職員を対象として後見業務を担うための人材育成に取り組むなど市町における市民後見人を育成する体制整備の支援を行ってまいりました。
 今後も、成年後見制度の普及啓発や市町支援の一層の充実により全ての市町において市民後見人育成の取り組みが広がるよう努め、認知症高齢者や障害のある方の意思が尊重されて誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられる社会の実現を目指してまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 地域外交についてのうち、青少年の国際交流についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり青少年が異文化に触れることで、みずからの考え方や生き方などの視野を広げるために国際交流を推進していくことは重要であり、積極的に取り組むべきものと考えております。
 県教育委員会といたしましては、本年三月に策定をいたしました県教育振興基本計画第二期計画に基づき多文化共生社会の形成を目的とし、国籍の異なる人々がともに支え合い、ともに学び合う教育の充実に取り組んでおります。
 具体的には、モンゴル国ドルノゴビ県、中国浙江省、台湾との青少年相互交流事業を展開しており、参加者からは、異文化体験を通してみずからの成長を感じるとともに、将来の生き方を見つめる契機となったなどの声を聞いております。また高等学校におきましては外国の歴史・文化や習慣等を理解するため海外修学旅行を実施しており、昨年度の本県高等学校の海外修学旅行実施率は全国三位、生徒参加率は全国四位となるなど積極的な取り組みを行っているところであります。
 今後も、県の地域外交戦略を踏まえ東アジアを中心とする国や地域との交流を推進し、本県の青少年が国際交流を行う機会の充実に努めてまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 池谷くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 池谷 廣君登壇)
○くらし・環境部長(池谷 廣君) 消費者教育の推進についてお答えいたします。
 県では、消費活動が社会や環境に影響を及ぼすことを自覚して行動する自立した消費者の育成を目指した消費者教育を推進しておりますが、中でも安全で安心な消費生活を送るためにライフステージに応じたきめ細かな消費者教育を展開しております。
 昨年度作成した幼児期から消費を学ぶ冊子では、自分や家族の情報を守ることの大切さなどを内容として加え幼稚園等での活用をお願いしております。小中学生に対しましては現在、消費トラブルの例なども含むDVDを作成中で、今後教材として活用をすることとしております。また高校生や新社会人など若者を対象に、悪質商法や契約等についての講座を学校、企業等で実施しております。
 一方、高齢者にはこれまでも地域の見守りネットワークを活用して悪質商法に関する情報等を提供しておりますが、新たに高齢者宅を訪れる機会の多い宅配やガスなどの事業者の協力を得るなど多様なルートによる働きかけを強化しております。さらに学校等の保護者会を利用し、祖父母を交えた親子三世代で消費トラブルを話し合う事業をモデル的に実施するなど県民生活センターを拠点に学校や消費者団体を初め多様な主体が連携して、安全で安心な消費生活の実現を目指した消費者教育を推進してまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 災害への備えについてのうち、豪雨対策についてお答えいたします。
 巴川流域では、昭和四十九年の七夕豪雨を契機に静岡市と連携して遊水地や放水路等の治水施設整備と学校の校庭を活用した流域貯留の施設整備等から成る総合治水対策に取り組み、大谷川放水路や麻機遊水地、大内遊水地等の整備が進んだことから浸水被害が大幅に減少するなどその効果は確実にあらわれております。
 しかし、ことし十月の台風十八号により甚大な浸水被害が発生したため、先月十一日に県と静岡市で構成する巴川流域総合治水対策協議会を開催し、被害の状況や原因の分析を行いました。
 浸水の原因としては、二十四時間雨量がおおむね百年に一度起こる規模に相当する約四百ミリになったこと、降雨末期に時間当たり約八十ミリの激しい雨が降った後方集中型降雨で遊水地等の現状での施設能力の限界を超えたこと、さらに流域内の排水路等に土砂が流入し溢水を招いたことなどが確認されたところであります。
 今後は、さらに浸水シミュレーションなどによる詳細な原因分析や現改修計画の有効性を検証した上で、来年の五月を目途に同様な浸水被害を繰り返さないよう河床掘削等、すぐに対応できる短期対策と中期対策を取りまとめ、治水効果の早期発現に取り組んでまいります。
 県といたしましては、今回の浸水被害を特別な事象と考えず静岡市と連携しながら巴川流域全体の治水安全度を向上させ、安全・安心な地域づくりに努めてまいります。
 次に、清水港の津波対策とみなとまちづくりについてであります。
 清水港は物流や企業の生産活動の拠点であり、また市街地が隣接していることから津波による被災のリスクが高いため、東海地震を想定した海岸保全基本計画に基づく津波対策施設の整備に取り組んでまいりました。
 江尻・日の出地区は、県と静岡市が取りまとめた清水都心ウォーターフロント活性化プランにおいて、中心市街地との近接性を生かしたウオーターフロントとして魅力あるみなとまちづくりを重点目標としていることから、津波対策施設の位置や形状については特段の配慮が必要であります。
 このため、両地区の津波対策の計画策定に当たりましては学識者や地域住民の皆様、港内立地企業等の関係者から成る清水港海岸江尻・日の出地区津波防災対策検討委員会を本年六月に立ち上げました。この中で中心市街地と連続した歩行者動線の確保や良好な景観形成など憩いとにぎわい空間の創出に配慮した津波対策施設の検討を進めております。
 県といたしましては、本年度末を目途に第四次地震被害想定に対応する津波対策施設の整備計画を定め、これを踏まえて海岸保全基本計画を変更し、江尻・日の出地区の安全・安心な魅力あるみなとまちづくりを市と連携しながら推進してまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 岩田危機管理監。
       (危機管理監 岩田孝仁君登壇)
○危機管理監(岩田孝仁君) 災害への備えについてのうち、災害時における通信の確保についてお答えいたします。
 災害時に迅速かつ的確な災害対応を行う上で、情報の収集伝達のための通信の確保は極めて重要であります。今年度末で整備が完了する新たな防災通信ネットワークにおいては、通信の高度化の観点から無線網をデジタル方式としております。これにより従来のアナログ方式と比べ伝送容量が飛躍的にふえ、同時に多数の回線を使用することができるため多くの関係機関や市町と同時に通信ができ、さらに携帯電話のような双方向通話や画像データ等の高速通信が可能となります。またヘリコプターテレビによる映像の受信可能エリアを従来の県内七〇%から全域に拡大するほか、災害時に自衛隊の指揮拠点となる東京の東部方面総監部等にも端末を整備し直接の通信を確保いたします。
 県といたしましては、この新たな防災通信システムを活用し大規模災害時に県内全域の被害状況を迅速に把握するとともに、県内外の関係機関ともより緊密な連携体制を構築することにより適切な災害応急活動を実施し、一人でも多くの県民の皆様の命を守ってまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 溝口教育委員会委員長。
       (教育委員会委員長 溝口紀子君登壇)
○教育委員会委員長(溝口紀子君) 今後の教育行政についてお答えいたします。
 私は、このたび教育委員会委員長に就任いたしました溝口紀子と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 私は、これまで三年半教育委員を務めてまいりましたが、静岡県の教育に対する個人的な印象は、学校現場では全国学力・学習状況調査、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を例にとっても、静岡の子供は今後さらに力を伸ばせる可能性を秘めており、これは教職員にも言えることで、持っている力を十分に発揮できる環境づくりをしていく必要があると感じております。
 一方、教育行政に目を移すとさまざまな効果的な施策を展開していますが、広報や市町教育委員会等との連携をさらに充実強化することで、今まで以上に県民の皆様の御理解、御協力をいただけるのではないかと思っております。
 そのような中、議員御指摘のとおり来年度は地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正により教育委員会制度が大きく変わる、まさに教育行政の大転換期に当たります。
 教育行政施策をより効果的に、大きな成果を得るためには知事や関係部局との連携は不可欠であり、特に来年度から知事が主宰する総合教育会議が新たに設置されることから、今まで以上に知事との対話と連携を重視したいと思います。
 さらに、学校防災や防犯を初め地域人材を活用した学校部活動の活性化やコミュニティスクールの推進など地域とともにある新しい学校づくりにも積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 私自身、小学校一年生の子を持つ母親であり、これまでの経験や女性として、保護者としての視点も生かしながら、子供たちが明るく楽しく伸び伸びと過ごすことができ、教員が生き生きと子供たちと向き合うことのできる教育環境を実現していくために全身全霊で取り組んでまいります。
 議員の皆様の御理解と力強い御支援を切にお願い申し上げます。以上であります。
○議長(多家一彦君) 西川警察本部長。
       (警察本部長 西川直哉君登壇)
○警察本部長(西川直哉君) 障害者に配慮した警察活動についてお答えを申し上げます。
 初めに、障害者に対する虐待の現状と認知した場合の措置についてであります。
 いわゆる障害者虐待防止法に基づきまして障害者虐待として警察が認知しておりますのは、本年十月末現在二十七件でありまして昨年同期と同数でございます。この二十七件につきましては、加害者は全て被害者である障害者の養護者であります。虐待の形態は暴力による身体的虐待が十九件、暴言による心理的虐待が七件、性的虐待が一件であります。
 こうした事案を認知した場合、警察では生活安全部門と刑事部門が連携し、事案の危険性、切迫性を的確に判断するとともに、被害者の保護措置、加害者に対する検挙、警告、市町等関係機関への通報など必要な措置を迅速に行っているところであります。その結果、本年十月末までに傷害で二件を検挙しているほか、それぞれ被害者を一時保護するなど必要な措置を講じているところであります。
 次に、障害者への理解を深め人権に配慮した警察活動を行っていくために必要な知識や心構えについてであります。
 まず、警察学校で行われる初任教養では、「障害者等に配意した警察活動」をテーマといたしまして小集団討論を実施しているほか、部外講師による講義、高齢者介護施設に学生を派遣しての介護体験研修等を行っておりまして、第一線へ配属される前の段階で全ての警察官に対し必要な知識や心構えを習得させているところであります。また警察署では、個別の取り組みといたしまして障害者福祉施設等から部外講師を招いての講義を開催するなど知識の涵養に努めております。
 警察といたしましては、個々の警察官が障害者への理解を深め人権に配慮した警察活動を行っていくため、今後もさまざまな機会を通じてその涵養に努めてまいる所存でございます。以上であります。
○議長(多家一彦君) 三番 盛月寿美君。
       (三番 盛月寿美君登壇)
○三番(盛月寿美君) 御答弁ありがとうございました。
 まず最初に要望といいますか、再質問は三点再質問をさせていただきますが、地域外交の中で台湾との交流ということで、台湾マラソンのお話がございましたので、要望というわけではございませんが、参加されます大須賀副知事、ぜひ完走――まあ三キロですから完走できるかとは思いますが、(笑声)けがなく頑張っていだきたいと思います。済みません。
 再質問ですが、三点させていただきます。
 まず、少子化対策のうちの助産師養成学科の設置について部長から御答弁をいただきました。東部地域の助産師が足りていないというそうした現状の深刻な課題については、県もしっかりと認識をしていただいているということでした。そして助産師の確保にも取り組んでいるということで、東部地域の市長会の方が今調査を行って実習施設の確保に取り組んでいただけているという、そういう結果を待っているということだとは思うんですけれども、そういう中で県東部看護専門学校に助産師学科を設置をしていくことも含めて検討していくという御答弁をいただきましたが、具体的に助産師学科を設置をしていくことに向けて県が具体的に動き出していただくのはいつなのかということをお聞きしたいと思います。
 それと、こちらも済みません、健康福祉部なんですが、成年後見制度について再質問させていただきますが、現状の認識は同じくしているかと思います。必要な方がこの成年後見制度を利用できるようにということで、市町では努力義務として一般市民を後見人にする取り組みをしていてそれを県も市町を支援するということで御答弁がございましたが、その必要な人が目に見えていない部分で必要な方がいらっしゃるかと思うんですが、そういう必要とする人を探すということを、そういうことに取り組んでいる自治体もあるというふうに聞いているんですけれども、その点については県は市町と一緒にどういうふうに連携をしてどのように取り組んでいくのか、お考えがあればお伺いしたいと思います。
 それと教育委員会委員長――溝口委員長、御答弁ありがとうございました。本当に力強い抱負を述べていただきまして、学力のこと、また体力のことも考えても静岡県の子供たちはもっと伸びるし、教員の皆様ももっと伸びるということでお答えをいただきました。私ども一人一人の子供がやはり長所を伸ばして、子供たちの長所を伸ばして心豊かに成長できるということが大変大事だと思っております。学力、体力の向上ということ大変重要なことではあるんですけれども、私ども会派としてもこれまで読書の大切さということをずっと繰り返し申し上げてきましたが、そういったこと、読書に関してどのようにお考えになっているかということをお聞きしたいと思います。以上について答弁を求めます。
○議長(多家一彦君) 宮城島健康福祉部長。
○健康福祉部長(宮城島好史君) 再質問についてお答えいたします。
 まず、少子化対策のうちの助産師の関係についてでございますけれども、現在市長会を通じて助産施設の実習施設が確保するのがどの程度あるのかというふうなことについて調査しているところです。その中には病院の中でいろんな体制が整わないとできないところや医師確保が必要なところ、また体制の確保が必要となるところとかさまざまな課題が出ております。
 実際に、もし東部看護につくるときにどういうことが必要になるかといいますと、実習施設の確保と教員の確保と、あと施設整備というふうな三つの柱になるかと思いますけれども、どちらも実習施設の確保に比べては大きな課題ではないのではないかなというふうに感じております。まずは実習施設の確保にめどをつけることが大きなステップだと考えておりますので、まずはこれについて全力で取り組んでまいりたいと思っております。
 次に、成年後見制度について必要な方々をどう探していくかというふうな課題についてでございますけれども、やはり権利擁護の必要な方をきちんと把握していくということが大変大切なことだと思っています。そのために、特に認知症高齢者に対して地域包括支援センターですとか、あとケアマネージャー、そして地区社協ですとか、あらゆるそういった障害及び認知症高齢者等にかかわる方々が連携して掘り起こしていくことが大切だと思います。その中でいろいろな支援を行っていく中の一つが成年後見制度と考えております。
 これからも必要な方々の実態把握について全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(多家一彦君) 溝口教育委員会委員長。
○教育委員会委員長(溝口紀子君) 溝口でございます。盛月議員からいただいた激励とともに、委員長として精いっぱい頑張っていきたいと思います。
 さて、読書についてでございますけれども、私も子供のときから読書が大好きで当時から朝読書を静岡県教育委員会では進めてまいりました。現在でも朝読書の量というのは非常に多いと伺っております。
 とはいえ、学力調査の、昨年もありましたように国語の読解力――読み解く力というものに関しては、やはりまだまだ伸び代があると考えております。量としては多いのですけれども、それをどうやって主題を理解し読み解いていくか。そういったリテラシー能力は今教育でも求められているものですし、静岡県の子供たちが必要なものであると思います。量とともに、学校教育ではどうやって主題を読み解く力、リテラシーをつけていくかということも引き続き進めていただきたいと思っております。
 それから、その読み解く力から、そこから生きる力に結びつけるようなそういった教育もさらに進めていきたいと存じます。以上です。
○議長(多家一彦君) これで盛月寿美君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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