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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成26年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

和田 篤夫 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/27/2014

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 大規模地震等発生時における自衛隊との連携について        
2 総合防災訓練について
3 新東名高速道路仮称御殿場インターチェンジのアクセス道路について                            
4 基盤整備後の農地の管理について
5 第九次静岡県交通安全計画の目標達成に向けた取り組みについて                              
6 補助教材の取り扱いについて                   
7 人身安全関連事案に対処するための体制強化について


○議長(多家一彦君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百二十三号から第百三十四号までを一括して議題といたします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、二十一番 和田篤夫君。
       (二十一番 和田篤夫君登壇 拍手)
○二十一番(和田篤夫君) 皆さん、おはようございます。私は自民改革会議の所属議員として通告に従い分割方式で、知事及び関係部局長、教育長並びに警察本部長に当面する県政の諸課題についてお伺いをいたします。
 初めに、大規模地震等発生時における自衛隊との連携について伺います。
 大規模地震等の発生時に災害派遣の要請がされた場合の自衛隊の対応としては、当初は県内に所在する部隊が活動し、その後は自衛隊側の大規模地震災害派遣に対する対処計画が発動をされ陸・海・空の三自衛隊を統合運用することで本格的な支援を継続するものとされております。この三自衛隊の統合運用部隊についてはJTF――ジョイントタスクフォースと呼ばれており、東日本大震災あるいは昨年の伊豆大島の土砂災害で編成された実績があり、被災地への迅速な進出、効果的な救出救助活動あるいは民生支援に大きな成果を上げたことは周知のところとなっております。今月の二日から六日の間、このJTFで対処に当たるとされる南海トラフ巨大地震が発生したとの想定で陸・海・空自衛隊約三千名、そのほか米軍、国及び地方自治体、ライフライン等に関連する民間団体等が参加した全国規模の指揮所演習が、この災害派遣を指揮、統制する指揮所となる陸上自衛隊朝霞駐屯地で実施をされました。
 このような災害が発生した場合、まず発災時に自衛隊との情報共有を迅速的確に行うことが重要ですが、通常自衛隊では発災後直ちに自衛隊にLO――リエゾンオフィサーと呼ばれる連絡幹部を担任部隊から派遣をし、被災地に関連する情報収集を行うとともに当面の部隊の派遣先や進出経路の調整に当たります。その後に続く大規模な部隊の投入に際しては、各自治体に投入を予定されている部隊の連絡幹部も逐次ふえていくことから調整所と呼ばれる参謀組織を設置して対応していくことになり、発災時から継続しての情報共有が重要となります。私は今月の三日、この指揮所演習を朝霞駐屯地で研修をしてまいりました。県も今回の演習に参加したと聞いており大変心強く感じているところであります。
 そこで、県は今回の訓練に具体的にどのように参画をし、どういった成果を上げたのかお伺いをいたします。また現実の大規模震災等においては、仮に御殿場に駐屯する陸上自衛隊から連絡幹部が派遣されるとしても、通信や交通が途絶する中相当の時間がかかり当面の情報共有が進まないことが懸念をされますが、県としてはどのような手段で初動の対応をされるのかお伺いをいたします。
 次に、総合防災訓練についてお伺いをいたします。
 東日本大震災では、内陸の幹線道路を軸として被災した沿岸部の各地への道路啓開を行い輸送ルートを確保する、いわゆるくしの歯作戦が展開をされ人員や物資の輸送がされました。本県でも南海トラフ巨大地震等が発生した場合、くしの歯作戦と同様に道路啓開による被災地への支援が考えられますが、県全体が激しい揺れに襲われる可能性が大きいことから軸となる高速道路等にも被害が発生し、くしの歯作戦の実施が困難となる可能性があります。陸上輸送が行われない場合考えられるのが航空機と船舶の活用であります。航空機は一度に運べる人員や物資に限りがありますが、緊急的な輸送に適しているほかヘリコプターなら孤立地域と直接輸送ができる機動力があります。一方船舶は津波の影響により発災初期にはその活用が困難となることが予想されますが、物資を大量に輸送するには最適であると言えます。このような航空機と船舶の利点を最大限に活用し被災地を支援することが重要であります。
 今年度は、下田市と賀茂郡六市町を会場とし賀茂地区としては初めて実施すると聞いております。伊豆半島の先端に位置し地形的にも制約を受けやすい賀茂地区では、人口は少ないものの集落が点在し孤立する地域が発生しやすいことに加え、道路の寸断により地域全体が孤立する可能性もあります。したがってこの地区における訓練は、今後災害時において航空機と船舶をより有効に活用する方策を検証するため大変重要な機会になるものと私は思います。
 そこで、県は今回の訓練においてどのような効果を目指し具体的にどのような訓練を行うのか、お伺いをいたします。以上について答弁を求めます。
○議長(多家一彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 和田議員にお答えいたします。
 総合防災訓練についてであります。
 県では総合防災訓練を毎年実施しておりますけれども、これは昭和五十四年度から始めました。今年度は初めて伊豆半島南部の下田市及び賀茂郡の六市町を会場に実施いたします。これまでの経緯を簡単に振り返っていきますと、昭和五十四年というのはその前年――昭和五十三年に東海地震説というのが天下公認の学説になりまして、それを受けた形での訓練ということになりました。中央会場というのは、おおむね東部、中部、西部というものを順番で実施していた経緯があります。しかも河川敷のスポーツ広場など最小必要面積で実施したということであったんですが、平成十二年度からは未開催市町村を優先しまして、その地域の実情に応じた訓練を実施するというふうになりました。また平成十七年度からは、中央会場一極集中の展示訓練方式から共催市町の中での多会場分散型方式へと移動しております。さらに平成二十三年、すなわち東日本大震災が起こった年でありますが、その一年くらい前からアメリカ軍が参加されるようになりまして特に平成二十三年度からは大々的に御協力を賜っているということでございます。そうした結果、県、警察本部、市町、消防本部、自衛隊、在日米軍、海上保安庁、国出先機関、ライフライン関係機関等ということで全県的な関係者の参加で行われるということでございます。
 賀茂地域は、南海トラフ巨大地震が発生しますと津波による沿岸部の被害に加え山間部の主要道路が途絶するということが想定されますので、発災初期には地域全体が孤立しかねないという状況の地域であります。このため本年度の訓練におきましては、津波からの避難や避難所の運営など住民がみずから行う自助・共助の実践とともに、自衛隊を初めとする防災関係機関との連携のもとで航空機と船舶を活用した機動的な救援活動の検証を行い、地域が孤立状態にあっても命を守り必要な救援の手が差し伸べられることを目指します。
 空からのアプローチといたしましては富士山静岡空港や愛鷹運動公園のヘリポートとしての機能を最大限に活用いたしまして、賀茂地区では治療が困難な重傷者をヘリコプターで域外の災害拠点病院に緊急搬送する訓練や被災地に応援部隊や必要な物資を緊急輸送する訓練をとり行います。
 海からのアプローチとしましては港湾が利用できない状況を想定いたしまして、海岸に直接上陸できる海上自衛隊の大型ホバークラフトによる観光客の避難や、ヘリコプターで搬送した負傷者を沖合の海上保安庁の大型巡視船で治療する海上救護所の運営――これは前回田子の浦沖でしたことでもありましたが――そうしたさまざまな船舶の機能を活用する訓練をもあわせて行います。
 県といたしましては、今回の訓練を通じまして大規模な広域防災拠点である富士山静岡空港において――大規模な広域防災拠点という名前は中央防災会議において使われたものでございます――この空港におきまして全国からの応援部隊を受け入れる受援体制、空と海から孤立地域を救援する体制、これを強化いたしまして大規模地震・津波対策への対応能力の向上を図ってまいります。以上でございます。
○議長(多家一彦君) 岩田危機管理監。
       (危機管理監 岩田孝仁君登壇)
○危機管理監(岩田孝仁君) 大規模地震発生時における自衛隊との連携についてお答えいたします。
 自衛隊では、南海トラフ巨大地震発生時における震災対処能力の向上を図るため六月二日から五日間にわたり全国規模の図上演習を実施したところであります。この訓練では静岡県庁内にも自衛隊の現地調整所が設置され、県からは二十四時間体制で延べ二十七人の職員が参加したほか全体の指揮所が置かれた朝霞駐屯地での研修にも県危機管理部の幹部も参加し、自衛隊との連携体制の確認や時間とともに変化する被災地のニーズへの対応、広域災害時における全国レベルでの指揮体制などさまざまなノウハウを得ることができました。県といたしましては、これらの成果を今後の訓練に反映するなど災害対応能力の向上に努めてまいります。
 また、災害時の情報共有につきましては、災害派遣の窓口となる御殿場市内の第三十四普通科連隊に県の防災行政無線やふじのくに防災情報共有システム――通称FUJISANを配備し通信や情報共有体制を確保しているほか、発災初期にはまずは静岡市内の地方協力本部から連絡幹部の派遣を受け緊密な連携をとることとしております。さらに県では陸・海・空の自衛官OB四名を採用し、危機管理体制の充実や自衛隊などとの一層の連携強化に努めているところであります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 二十一番 和田篤夫君。
       (二十一番 和田篤夫君登壇)
○二十一番(和田篤夫君) それぞれ御答弁ありがとうございました。
 ただいまの大規模地震発生時における自衛隊との連携について再質問をさせていただきます。 
 答弁の中で陸・海・空自衛隊OB四名を入れておるという答弁がございましたけれども、これに関連して今月三日に自衛隊の前陸上幕僚長の君塚栄治氏を県の危機管理担当官の補佐官に委嘱をしております。私は、この君塚氏を就任させたことにより県の防災能力の向上あるいは自衛隊との連携に大変有力な人を採用していただいたというふうに思っておるんですが、県としてこの君塚氏を採用したことについてどのような効果があると考えておられるかお伺いをいたします。以上について答弁を求めます。
○議長(多家一彦君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) ありがとうございます。
 君塚危機担当補佐官を御委嘱申し上げたことについての効果でございますけれども、絶大なものでございます。これは和田議員が最も御承知のことと存じますけれども、自衛隊十万人陸・海・空全軍を指揮された、そうした唯一の経験を持った方でございます。東日本大震災でトモダチ作戦を米軍ともあわせて展開せられまして、国際的にもその能力を高く評価されている方でございます。さらに現在、在日米軍のトップともかつてアメリカで学校生活を、寝食をともにされたという御経験があって、大変信頼の厚い方です。
 この間、指揮官会議をいたしました。そのときには陸・海・空の自衛隊、海上保安庁などとともにしたわけですが、君塚補佐官は我々の側に立っていただきまして、自由討論になりましたときに早速この指揮官会議は空港で行ったわけですけれども、空港の土地勘を陸幕長のときに総合訓練に参加していただいて御存じなものですから、仮に夜間に発災した場合にはどうするか。それから現場におり立ったときには、ここにおける燃料並びに電気の供給はどうなるのか等々極めて適切な御指摘を歯に衣着せぬ形で遠慮なく言われまして、私どももはっと気づかされるようなことが多々ございました。そうしたいわば現場感覚によりすぐれた能力をお持ちの方でございまして、しかも偶々ここ数年間、私どもが危機管理部において自衛隊からこちらに来ていただいている小平氏と防衛大学時代からの同窓ということで、しかも今は陸・海・空全ての自衛隊の方々が来られて合計四人プラス君塚さんということで急速に県の防災力が上がっていると思っております。
 やはり大切なのは人でありまして、その人の持っている実力というのはその人個人にとどまらず、その人がこれまでしてきた全てのネットワークを含めた実績というものがここで生かされるということで、しかも君塚さん御自身がそのことを誇りに思い、かつ使命感に燃えられているということでございまして、以上、今回の補佐官危機管理担当としての任命は御承諾いただいたこと自体が――御快諾いただいたわけですけれども、ありがたかったですけれども効果は絶大であると繰り返し申し上げます。以上でございます。ありがとうございます。
○議長(多家一彦君) 二十一番 和田篤夫君。
       (二十一番 和田篤夫君登壇)
○二十一番(和田篤夫君) 次の質問に移ります。
 まず、新東名高速道路仮称御殿場インターチェンジのアクセス道路についてお伺いをいたします。
 新東名の御殿場ジャンクションから三ヶ日ジャンクションまでの間が開通して二年が経過をいたしました。県内における年間の工場立地件数が開通までの約二倍に推移するなど、その効果は着実に広がりを見せております。一方、御殿場ジャンクション以東の東名高速道路は先月の大型連休中に、神奈川県の東名中井インターチェンジ付近で約五十キロもの渋滞が依然として発生をいたしております。このような中、あす二十八日には圏央道が一部開通をし東名高速道路から中央道、関越道が連結することになり、これにより混雑する都心を迂回することが可能となり所要時間が大幅に短縮をされます。さらに平成三十二年度全線供用が予定されている新東名高速道路は、神奈川県内の東名高速道路の渋滞を解消し北関東や首都圏西部地域から静岡県へのアクセス性を一段と高めることになると、私の地元、御殿場、小山でも大変に期待が膨らんでおります。仮称御殿場インターチェンジへのアクセス道路としては国道百三十八号や県道仁杉柴怒田線の整備が逐次進められており、さらに本年度国道四百六十九号御殿場バイパス事業に着手したと聞いております。国道百三十八号の整備は東名、新東名、中央道と接続することで広域観光を支える機能を担うとともに、休日の慢性的な渋滞解消にもつながり、また県道仁杉御殿場線や国道四百六十九号御殿場バイパスについては新東名と富士山南麓地域を連結し、世界遺産となった富士山への新たな玄関口となる機能を担う道路でもあり地元の活性化にも大変重要なインフラ整備となります。
 そこで、これらのアクセス道路について、その進捗状況と供用に向けた県の取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、基盤整備後の農地の管理についてお伺いをいたします。
 県内でも有数の米どころである富士山麓に広がる北駿地区では、生産性の高い農地を確保するため昭和五十九年から圃場整備を重点的に実施してまいりました。これまで十地区で約五百三十ヘクタールの水田がきれいに整備されました。水田の圃場整備は、大型機械の乗り入れを可能にするとともに排水路等を整備することにより水田の畑地利用を可能とし、担い手農家の経営規模の拡大や生産コストの縮減、収益性の高い作物の導入に寄与しております。整備された水田は世界文化遺産に登録された富士山を背景として美しい景観を形成し県の内外から写真愛好家が集まる撮影ポイントになっているほか、農村景観を楽しむウオーキングイベントが開催されるなど都市、農村交流を促進し、地域の振興のための重要な資源でもあり後世に受け継ぐべき価値のあるものと私は考えております。今後新東名道路の延伸が進む中で、この農村景観は都市住民の癒やしの場や観光資源としてますます地域にとっては大事になってまいります。その一方で、農家の後継者問題を含めこれらの農村景観を維持するためののり面の整備や用排水路の維持までが担い手農家のみに負担になってしまっては、ここで生産された御殿場コシヒカリが今まで幾度となく賞を受賞したり、また今月からはANAの国際線ファーストクラスの機内食に採用されるなど懸命に努力している農家の継続にも限界が生じてしまうのではないでしょうか。
 そこで、農業の継続と県民共有の財産である農村の景観の維持の両立について県の考えを伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(多家一彦君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) ありがとうございました。
 基盤整備後の農地の管理についてお答え申し上げます。
 静岡県が誇る多彩で高品質な農芸品や美しい農村景観は、富士山を初めとする自然がもたらす豊かで清らかな水や肥沃な土壌、祖先のたゆまぬ努力により生み出されたものでございます。これらの資産を次世代に引き継ぐことが私たちの責務であると考えています。そこで、これまで付加価値の高い農産物の生産や六次産業化の推進等農業ビジネスの展開に意欲のある産地を対象に低コスト農業の実現や農産物の品質向上を図るために、農地の区画整理や用排水施設等の整備を環境との調和に配慮しながら実施するとともに担い手への農地集積を進めてきたところであります。しかし規模拡大が進むことにより担い手の負担が増加するために農地ののり面や水路等の維持管理が十分に行き届かず、景観を損ねるような事態が見られるようになっているのも御指摘のとおりであります。
 県内では、幾つかの例を挙げれば例えば議員の出身地である御殿場の基盤整備実施地域、これは西澤水系環境ネットワークというところでございますけれども、そこでは用水路の清掃作業、農道等草刈り作業またはため池の周囲の草刈り作業等々、水路の点検作業も維持管理のために協働で取り組まれております。これは模範的な行動と言えるものだと存じます。御殿場だけではなくて例えば基盤整備をほぼ終えた新丹谷、これは清水でございますけれども、そこでもその景観があまりにもきれいになったということで、当然その作業をするとトイレがいるわけですがトイレをつくろうということになったんだそうですが、その景観にふさわしいトイレをつくるということになりまして最終的にはシャワーもあると。それから配色も周りの景観と調和させる。さらにまた文芸大の学生さんにデザインをお願いすると。最終的には、そのオープニングでは神事までとり行われると。恐らくトイレの開設に神事が行われるというのはなかったんじゃないかと思うような、それくらい景観と一致した農村の魅力を発信していこうと。まさに農業農村の多面的機能というものが自治体、地域の方々によって発揮されている例であると存じます。あるいは菊川それから牛淵川に挟まれた池村地区というのがありますが、二十ヘクタールのところを農村整備いたしました。そうしまして、これは水を田んぼに上から入れるという従来のやり方じゃなくて下から揚げるという用水方式をとったわけですが、これによって反当たり収量が初年度は七倍と。今のところは大体三倍で落ち着いておりますけれども百メートル、百メートルの間隔でなさいまして、それによって収穫も非常にしやすくなったと。その結果、山村のといいますか里山の景観が見違えるようになり、これをやっていらっしゃる方、担い手は私と余り変わらない年齢の方であったんですが、お坊ちゃんがサラリーマンをやめて都会から帰ってこられて、それを引き継ぐということになって後継者問題にも解決の糸口を与えたということで、この農村の基盤整備というものが持っている効果というのは非常に大きいという認識をしております。これはやはり一旦整備をした後、地域の方々がその魅力を発信するための努力をしていただくということを通して維持されるものだというふうに理解しているわけでございます。農村景観の向上を図るために豊かな自然や美しい景観等の受益者である地域住民等が参加した組織による植栽活動、ビオトープづくり等こうした環境活動に対する支援も私どももあわせて行って後世に残る美しい農村創造に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(多家一彦君) 野知交通基盤部長。
○交通基盤部長(野知泰裕君) 新東名高速道路仮称御殿場インターチェンジのアクセス道路についてお答えいたします。
 新東名の仮称御殿場インターチェンジへのアクセス道路のうち国が施工する国道百三十八号須走道路と御殿場バイパスにつきましては用地取得率が七割に達し、今年度は引き続き用地取得や盛り土工事を推進するとともに橋梁下部工事にも着手する予定となっております。県が施工する県道仁杉柴怒田線につきましては昨年度から用地取得に着手しており、今年度も鋭意用地取得を進め来年度からの工事着手を目指してまいります。また国道百三十八号御殿場バイパスに接続する国道四百六十九号バイパスにつきましては事業区間一・六キロメートルの測量や道路設計を進めているところであり、北側〇・九キロメートルの整備を先行し事業効果の早期発現を図ってまいります。
 県といたしましては、新東名の全線開通の効果を最大限に発揮し富士山周辺地域における交流圏域の拡大が図られるよう国に対して国道百三十八号バイパスの早期完成を働きかけるとともに、新東名の供用に合わせて完成するようアクセス道路の整備に努めてまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 二十一番 和田篤夫君。
       (二十一番 和田篤夫君登壇)
○二十一番(和田篤夫君) 一点要望をいたします。新東名高速道路のアクセス道路についてでございます。
 今答弁の中にありましたように土地の提供をされる方、これが逐次進んでおるということでございます。道路整備については土地を提供していただく地主さんの協力があって初めてスムーズに進むものでございます。そこで住んでいる人あるいはその地元の自治体と十分調整を行ってこの事業を進めていただきたいと、そのように思います。
 次の質問に移ります。
 まず、第九次静岡県交通安全計画の目標達成に向けた取り組みについてお伺いをいたします。
 車は便利である反面、交通事故により命を亡くしたりけがをしたり、あるいは加害者となり悲惨な人生を送る人が多数いることも事実でございます。安全で安心して暮らせる社会を目指し交通事故を少なくするため、県は昭和四十六年以降九次にわたり交通安全計画を作成しさまざまな施策や対策を講じてきたことは承知をしております。その結果、平成二十四年には交通事故による死者数は百五十五人と現在の統計手法となった昭和二十八年以降最少となり、またことしの一月から五月までの交通事故死者数は平成二十四年の同時期をさらに下回る水準で推移をしております。しかしながら昨年平成二十五年の本県の交通事故による死者数は百八十四人と昨年比二十九人増加し、増加率は全国ワースト一位、死者総数でも全国ワースト四位と残念な結果となり、事故の発生件数、負傷者が減少しているにもかかわらず死亡者が急増したことは非常に憂慮すべき状況にあると言えます。県はこの結果を重く受けとめ具体的な事故実態を踏まえた上で全ての県民の交通安全に対する意識を高め、一人一人が交通事故を減らすための具体的な取り組みを実践していくよう施策を主導していく必要があると思います。
 そこで、現行の第九次静岡県交通安全計画に掲げる平成二十七年末までに交通事故死者数を百二十人以下にするとした目標を何としても達成をしてほしいと願っておりますが、県の交通事故防止対策の具体的な取り組みについて所見をお伺いをいたします。
 次に、補助教材の取り扱いについて伺います。
 一昨日の我が会派の代表質問で増田県議が補助教材の選定状況について質問をいたしましたが、これに対し安倍教育長は、補助教材取り扱いガイドラインについては、政令市を除く全ての市町教育委員会及び公立小中学校に対し周知に取り組み、引き続きガイドラインの内容を徹底し、補助教材の選定、決定における公平性、公正性を確保するとの答弁がございました。本県における補助教材については、昨年九月十四日付の産経新聞に教材の選択をめぐって退職校長会と版元が利益を独占する構造が長く続けられてきたこと、静岡では管理職などが退職校長会でつくった教材を使うよう強制される。しかもそれを決めるのは二月である。四月に新しい担任になったときには教材は決められていることなどが報じられたことから、議会においてもこれが問題として取り上げられました。これを受け県教育委員会はことしの一月、補助教材取り扱いガイドラインを策定し、これまでその周知に努めるとともに今月ガイドラインに基づいた補助教材の選定方法等についてのアンケートにより各学校の実情を把握したと聞いております。
 そこで、以下三点についてお伺いをいたします。
 まず、そのアンケートの内容と集計の方法及びその結果はどのようなものだったでしょうか。また補助教材の最終決定は当該年度の校長によって行われると聞いておりますが、結果として現段階でどの出版社の何という教材がどのような割合で使用されることになったのでしょうか。そして今年度の補助教材の選定結果についての教育長の所見についてお伺いをいたします。
 最後に、人身安全関連事案に対処するための体制強化についてお伺いをいたします。
 報道によりますと、昨年一年間で警察が把握したストーカー被害は全国で約二万件、DV――ドメスティック・バイオレンスは約四万件でいずれも過去最悪を記録したとありました。静岡県でも昨年一年間の相談件数はストーカー関連が六百四件、DV関連が六百二十二件でいずれも年々増加しており、県警によれば本年四月末までに新規に受理したストーカーやDVなどの生活安全相談は約五百件であり、昨年同期と比較して約七十件もふえ増加傾向にあることに加え、継続的に対応している相談も多数あるとのことであります。ストーカーやDVから傷害や殺人等の凶悪事件に展開をしたケースも全国で後を絶たない状況が続いており大変深刻な問題ですが、この問題は一番親しい、あるいは一番強い信頼関係であるべき当事者間で発生する問題だけに、これらの相談を担当する警察官の皆さんが被害者に被害届の提出あるいはシェルターへの避難などの対策を勧めたところ、これを拒否された経験があるという警察官が約八割を占めるという調査結果も報道されており、その対応に当たる警察も大変苦労されているようでございます。二〇〇〇年にストーカー規制法が、二〇〇一年にDV防止法が成立。その後も国は法規制や規制強化に取り組んできたようですが、この種の事案は増加傾向にあり、警察には過去の事例を教訓として被害相談時における事案の緊急性の見きわめと警察の組織力、機動力をフルに活用する的確な対応が求められております。このことから警察庁は指揮系統の一元化による体制の強化。具体的には深刻化するストーカー等に的確に対応するため、被害者からの相談を受ける生活安全部門と犯人の検挙に当たる刑事部門がスクラムを組み体制を強化して事に当たるよう求めたと聞き及んでおります。
 そこで、人身安全関連事案に迅速かつ的確に対応して凶悪事件に発展させないようにするための体制の強化を県警ではどのように行ったか県警本部長にお伺いをいたします。以上について答弁を求めます。
○議長(多家一彦君) 池谷くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(池谷 廣君) 第九次静岡県交通安全計画の目標達成に向けた取り組みについてお答えいたします。
 本県では、交通事故ゼロを目指し、指導・取り締まりの強化はもとより増加傾向にある高齢者事故防止のための介護施設職員などを介した高齢者への啓発、飲酒運転撲滅のためのハンドルキーパー運動の推進、全席シートベルトの着用の徹底、警察と学校とが連携した自転車安全指導カードによる生徒への指導・警告、生活道路の最高速度を時速三十キロに制限するゾーン三〇の導入や事故多発箇所の道路改良等を行う交通診断の実施などきめ細かな対応にも努めております。また交通死亡事故の約三割を占める歩行者事故のうち特に発生の多い夕暮れ時から夜間における対策として、平成二十四年度から自発光式反射材の着用を呼びかける「ピカッと作戦!」を推進してまいりました。さらに今年度は車両単独事故や飲酒運転事故の増加など運転者の安全意識の低下が懸念されることから、早目にライトを点灯させることで運転者の安全に対する認識を高める「早めのライトオン」を県民運動として展開するなど、第九次計画の目標達成に向けて県、警察本部、市町、関係機関、団体が一丸となって取り組んでまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 安倍教育長。
○教育長(安倍 徹君) 補助教材の取り扱いについてお答えいたします。
 アンケート調査の結果についてでありますが、調査は政令市を除く各市町教育委員会を通じて全ての公立小中学校を対象に行ったところであります。その結果、九九%の学校では複数の教職員が選択にかかわっておりました。また全ての学校で複数の補助教材の見本が比較検討され、どの補助教材を使用するかの最終決定は当該年度の校長によって行われていることが確認されました。
 一方、補助教材の必要性や取り扱いについて保護者会等で説明をしていない学校が約七%ありました。各学校においてどのような補助教材を使うかは、各小中学校を設置、管理しております市町教育委員会の権限と責任において判断されるべきものであります。県教育委員会としてどの出版社の教材がどのような割合で使用されることになったかは把握しておりませんが、補助教材の教育的価値や家計による負担等の観点から有益かつ適切なものを使用することが必要であると考えております。
 県教育委員会といたしましては、アンケート調査の結果からガイドラインの内容がおおむね周知されているものと受けとめておりますが、引き続きガイドラインの内容を徹底し、補助教材の必要性や取り扱いを保護者会等で説明するよう指導するなど補助教材の選択、決定における公平性、公正性を確保するとともにその有効な活用についても各市町教育委員会を指導してまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 島根警察本部長。
○警察本部長(島根 悟君) 人身安全関連事案に対処するための体制強化についてお答えいたします。
 ストーカーやドメスティック・バイオレンス、高齢者、障害者虐待等の生命、身体にかかわる、いわゆる人身安全関連事案は、相談を受理した段階では危険性、切迫性の正確な判断が困難である一方、事態が急変して重大事件に発展するおそれが極めて大きいものであります。この種の事案に的確に対応し相談者やその家族等の生命、身体を守るためには、援助、避難等の保護対策を担当する生活安全部門と加害者の検挙を担当する刑事部門が相談当初から連携して対処することが重要であります。そのため、まず通常相談を受ける警察署におきましては相談の段階から刑事課、生活安全課が連携して事情聴取に当たり、その聴取内容を本部に速報するとともに署長指揮のもと両課を中心に挙署体制で事案の対処に当たっております。また本年四月一日から県本部生活安全企画課内に刑事部と生活安全部による一元的体制を確立し、専従の捜査員を配置して二十四時間体制で警察署への指導や現場への捜査員の派遣を含む支援を迅速的確に行うこととしております。
 このように、認知、相談の段階から対処まで刑事部門及び生活安全部門が連携するとともに、本部が確実に関与して危険性、切迫性を的確に判断し、事態に応じ被害者等の安全確保に最も効果的な手法をとることができるよう配慮しております。その結果といたしまして本年四月、五月の二カ月に、このストーカー、ドメスティック・バイオレンスに関連する傷害、住居侵入等によりまして前年同期を十七件上回る四十三件を検挙するなど積極的な対応が図られております。
 今後とも、この人身安全関連事案に対しましては本部の指導、支援も含め組織的連携のもと、迅速的確な対応により被害の未然防止、拡大防止の徹底を図ってまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 二十一番 和田篤夫君。
       (二十一番 和田篤夫君)
○二十一番(和田篤夫君) 補助教材の取り扱いについて再質問をいたします。
 ただいまの教育長の答弁では、補助教材の採択状況について教育委員会としては把握をしていないとの答弁でございます。私はその答弁を聞いてちょっと驚いたんですが、把握をしていないということについては私は納得できません。なぜ把握をしないんでしょうか。県はガイドラインを徹底して補助教材の選定、決定における公平性、公正性を確保するという方針でこのガイドラインを示したはずでございます。当然どのような補助教材を使って子供たちを教育しているか。それを県の教育委員会として知らなければどうやって指導するんでしょうか。昨年からあれほど問題視していることの一つがまさにこの点であって、このことを明らかにすることによって新聞報道でもありました、教材は退職校長会と版元が利益を独占しているということとか退職校長会でつくった教材を使うように強制されているとかの新聞報道に対しても、このことを明らかにすることで県民に対し教育に対する説明責任を果たすことにもなるのではないでしょうか。私は、この県の教育委員会というのは市町の教育委員会の取り組みについて指導していく立場だというこのことを考えても、この件については公表を前提として各学校の補助教材の採択状況について調査をすべきと考えますが、教育長のお考えをお聞きいたします。お願いします。
○議長(多家一彦君) 安倍教育長。
○教育長(安倍 徹君) 補助教材の取り扱いについて大きく二点御質問があったかなというふうに思います。
 一つはなぜ把握していないかということ。もう一つは公表を前提として採択状況の調査をすべきではないかということだったと思いますけれども、まず一点目のなぜ把握していないかということにつきましては先ほどの答弁の中でも申し上げましたように、やはり小中学校を設置、管理する市町教育委員会の権限と責任において行われるべきものなのかなということで、各市町の主体性を尊重する観点から県の教育委員会として把握はしてまいりませんでした。実際、補助教材の提出先は県立学校にあっては県教育委員会、小中学校にあっては市町教育委員会ということで、やはり設置者が指導監督をするということで考えておりました。しかしながらこのたびのアンケート調査により、私たちは補助教材の選定による手続の公平性あるいは公正性というものは、先ほどの答弁でも申し上げましたようにおおむね確保されているのではないかというふうに確認をされたところであります。
 なお、私たちがあえてガイドラインという名称をつけたのは、あくまでもガイドラインであって最終的には市町教育委員会がそれに基づいて指導指針というようなものをつくるというような考えでガイドラインという、そういう名称にしたわけですけれども、今、議員からの御指摘、新聞等でもいろいろ報道されていることを踏まえますと、やはり教育行政に対するより一層の県民の信頼に応えるために県教育委員会としても各小中学校における補助教材、どのような教材が補助教材として採択されているのかということにつきましては市町教育委員会の御理解と御協力を得ながらその実態把握を実施する方向で検討をするということで考えております。さらに調査の結果の公表につきましても県民の皆様の信頼を得るということで、把握した調査結果につきましては議会に報告させていただくとともに県民の皆様に御報告する、公表するという形の調査にしていきたいというふうに考えているところでございます。以上であります。
○議長(多家一彦君) 二十一番 和田篤夫君。
       (二十一番 和田篤夫君登壇)
○二十一番(和田篤夫君) 今、教育長から、この問題は小中学校の校長先生の判断いわゆる主体性を尊重するからということで調べなかったということなんですけども、私は県の教育委員会というのはその上部に位置する。信頼することは大事ですけれども実態を把握しなければ指導できないですよね。そのことについては重々やっぱり立場を考えていただいて実態を把握しなければ指導できないじゃないですか。今、答弁の中で今後実施する方向で検討する、このように答弁をされましたので、ぜひとも早急に検討していただいて、県民に理解をしていただくためにもこの際いつまでに実施されるのか、このことについてもう一度教育長のお考えを伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(多家一彦君) 安倍教育長。
○教育長(安倍 徹君) いつまでにという再々質問だったかなというふうに思いますけれども、補助教材、この定義は非常に広くてですね、実際のいわゆる紙ベースのもの以外のものもたくさんございます。そういう意味では、今問題になっているのはどちらかというといわゆる冊子になっている補助教材というふうに考えておりますので、その辺は県の教育委員会のほうで実施の方向で検討する中で時期についても考えたいなというふうに思いますけれども、次回の議会――九月議会までには調査をして報告をするという、そういう前提で検討していきたいなというふうに思っております。以上であります。
○議長(多家一彦君) 二十一番 和田篤夫君。
       (二十一番 和田篤夫君登壇)
○二十一番(和田篤夫君) 最後に要望だけ。教育長、よろしくお願いをいたしまして私の質問を終わります。(拍手)

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