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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鳥澤 由克 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/21/2023

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 富士山世界遺産センターの今後の在り方について
2 森の力再生事業の着実な実施について
3 静岡県の内部統制について
4 保育士の労働環境改善について
5 県立看護専門学校の充実強化について
6 県道仙石原新田線の整備について
7 犯罪被害者支援について


○議長(藪田宏行君) 次に、四十番 鳥澤由克君。
       (四十番 鳥澤由克君登壇 拍手)
○四十番(鳥澤由克君) 私は、自民改革会議の所属議員として当面する県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長及び警察本部長に一括質問方式にて質問をいたします。
 初めに、富士山世界遺産センターの今後の在り方について伺います。
 昨年十二月にオープンから五周年を迎えた富士山世界遺産センターは、信仰の対象と芸術の源泉としての価値を後世に守り伝えていくための拠点施設として国内外の多くの人々に親しまれてきました。近年コロナ禍で入場者数の減少を余儀なくされているもののマスメディアやウェブなどを活用し誘客に努めてきたものと認識しております。
 本年二〇二三年は、本県が東アジア文化都市に指定されるとともに富士山が世界遺産に登録されて十周年となり、世界遺産富士山の発信拠点である世界遺産センターにとっても節目の年と言えます。世界遺産センターにおいても登録十周年を契機とした取組が展開されることを期待しております。
 私は、この世界遺産センターについて学術研究や歴史資料収集の充実はもちろんのこと今後はさらなる広い視点での拠点施設としてプレゼンスを発揮してもらいたいと考えております。富士山麓地域では富士市のかぐや姫ミュージアムや御殿場市の富士山樹空の森など世界遺産富士山の価値発信に取り組まれており、裾野市でも江戸から明治にかけ登山者の安全を祈願し宿泊などのお世話をした御師の家の歴史にちなんだ公園施設の整備が進められております。世界遺産センターには、これら県内の施設のネットワークを強化し世界遺産センターの有する研究成果や貴重な所蔵品の活用や研究人材の交流促進等を通じて富士山麓地域全体の文化的価値を高めてもらいたいと思います。
 さらには、山梨県富士山世界遺産センターとの連携はもちろんのこと、富山県、石川県と三霊山連携の一環として文化学術交流を進めていくとのことですので、こうした動きを契機に広域での文化研究施設等の連携を強化し本県の富士山世界遺産センターの価値の向上を図ってほしいと考えています。
 そこで、開館五周年さらには富士山世界遺産登録十周年という節目を契機に富士山世界遺産センターを今後どのように展開していくのか、県の所見を伺います。
 次に、森の力再生事業の着実な実施について伺います。
 森林には県土の保全、水源の涵養、地球温暖化の防止、木材の生産などの様々な機能があり私たち県民の生活に大きな恩恵をもたらしており、この働きを持続的に発揮させるためには間伐など適切に森林を整備していくことが重要であります。このため県は、林業を通じた森林整備に加え平成十八年度から県民の皆様にもりづくり県民税を負担していただき、これを財源として道から遠いなど所有者による整備が困難な荒廃森林を対象に森の力再生事業に取り組まれているところであります。この事業に取り組んだ所有者からは、山奥で手入れが難しいと思っていた自分の山でも災害に強い森林づくりを進めることができた、真っ暗な森林だったが光が入るようになり健全な森林に生まれ変わったなどの声が聞かれています。
 また、外部の有識者が事業効果などを検証する森の力再生事業評価委員会からは毎年、荒廃森林の再生という事業目的にかなう効果が期待できると評価されていると聞き、私としても森の力再生事業は土砂災害の防止など森林の公益的機能の発揮の観点から事業効果の高い重要な事業であると認識をしております。
 県は、各地で集中豪雨の頻発による山地災害のリスクが高まっていることから令和二年度にもりづくり県民税の課税期間を延長し第二期計画に基づく荒廃森林の再生に取り組まれております。一方、市町は令和元年度より国から譲与されている森林環境譲与税を財源とし地域の実情に応じた森林整備を進めていると認識をしております。
 しかし、昨年の台風では山地災害が各地で発生をし多くの方が被害に遭われており、災害に強い森づくりは喫緊の課題であると再認識したところであります。このためにも荒廃森林を再生する森の力再生事業を着実に実施することが必要であると考えます。
 十年間の第二期計画は残りいよいよ三年となったことからこれまでの取組状況とその効果を伺うとともに、今後の事業の実施方針について県の所見を伺います。
 次に、静岡県の内部統制について伺います。
 本県では、平成二十九年六月の地方自治法改正により令和二年度から内部統制制度が導入をされました。この制度の目的は行政事務の誤りや不正のリスクをコントロールしその発生を防止することであり、内部統制が機能することにより適切な事務執行につながるものと期待しております。
 内部統制においては統制環境が、組織独自の意識や行動を規定し組織内の者の内部統制に対する考え方に影響を与える最も重要な基本的な要素です。地方公共団体においては長の意識が統制環境に対し最も大きな影響を有すると言われていますので、本県でもトップの意識が大変重要であります。
 本県ではこれまでにリスクを洗い出し自己評価を行っていると承知をしております。地方自治法改正により監査委員は内部統制を前提としてより本質的な監査業務に人的及び時間的資源を振り向け3E監査を充実することが期待されておりますが、本県の内部統制には二つの課題があると私は考えます。
 一つ目は、対象リスクが限定的であることが挙げられます。監査対象としている許認可事務や会計年度任用職員の年次有給休暇付与日数の記載誤り等についても対象リスクに加える一方、発生可能性が低いものは対象リスクから削除するなど対象リスクの見直しをすることが必要ではないでしょうか。過去の不祥事等を踏まえて自ら省みることが必要であると考えます。
 県では、これまでの取組を踏まえ対象リスクの見直しなど今後どのように内部統制を進めていくのか伺います。
 二つ目としては、内部統制の目的が職員に理解されていないことです。内部統制の目的が正しく周知されていないことにより本来的な内部統制の考え方が浸透していないと思われます。全職員により取り組むべきものであるという認識が不足しているのではないでしょうか。
 今後内部統制の目的を正しく職員が理解するよう全庁を挙げて取り組むべきと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、保育士の労働環境改善について伺います。
 今般裾野市内の保育園において虐待と考えられる事案が発生をいたしました。令和四年十二月定例会において県からは、今後原因を究明し再発防止に向けた指導を徹底するとともに地域や学校において人権講演会や出前人権講座を通して子供の人権の擁護や虐待の防止を強く呼びかけていくとの答弁がありました。
 また、令和四年十二月十六日の定例記者会見において知事は、令和五年二月上旬を目途に保育園を運営する法人への改善勧告を視野に指導、調査していく、安全・安心な保育の実施と適切な施設運営を指導していくとの話をしております。今月九日には県と裾野市は保育園を運営する法人に対して再発防止を求める改善勧告を出しました。当該保育園への指導は適切に行っていただくとして、本県が安心して子供を預けられる社会を形成していく上で県は保育施設の運営にどんな課題があると考えているのでしょうか。
 先般知り合いの保育士の方々と意見交換をしたところ、現役の保育士にとって保育士経験のあるOBからの支援は大変ありがたいとの話を頂きました。保育室の整理や片づけに手を貸していただくだけでも、自分は子供を抱き上げ子供一人一人の目を見て話をするといった保育の時間に余裕が持てると話されていました。
 今回の子供虐待の要因の一つとして私は保育士の多忙さが挙げられると思います。現在国の保育士の配置に係る基準では一、二歳児の場合、保育士一人が園児六人を担当することになっていますが、これはあくまでも保育業務のみのカウントであり、先ほど述べたような保育室の整理やおもちゃの片づけ、給食の配膳といった保育に密接に絡んだ保育以外の業務分量は無視されているように感じます。保育関係者や研究者からも国の基準の二倍近い人数が必要と指摘をされており、県として現場の声に基づいて国に働きかけることも重要であります。このように保育の現場では保育士への業務の集中による多忙さが改善されず、このままでは保育の質の低下を招きかねません。
 そこで、県は保育現場の課題をしっかりと認識をし保育士の労働環境改善に向けどのように取り組むのか伺います。
 次に、県立看護専門学校の充実強化について伺います。
 新型コロナウイルスの感染拡大への対応など地域医療の充実強化が急務であります。令和四年十月の市長会からの要望・提言書では、その対策として医師確保対策、僻地における周産期医療提供体制への財政支援及び看護師の確保対策が要望事項として挙げられております。また先日東部地域の病院の看護部長など臨床の最前線に立つ皆様との意見交換の場を持ったところ、新型コロナウイルス感染症への対応も三年が経過する中、看護師をはじめとする医療現場でのスタッフの疲弊感は非常に強く、一部医療機関では給与水準の引上げなど処遇改善もされているところではあるがこのままでは離職者が増えてしまうのではないかという強い懸念を持っているという切実なお話を頂きました。
 看護職員を増やしていくには、まずは看護の道を志す若者をしっかりと確保し看護職員として育て上げ県内に就職していただくことが実効性を高めるものと考えます。令和四年三月に中間見直しをされた第八次静岡県保健医療計画によりますと、令和三年度の県内の看護職員養成課程の入学定員は東部地域が最も多い六百七人となっています。清水町の県立看護専門学校においては看護学科の一学年の定員が県内看護学校の中では最大規模の八十人となっており、在学生は定員の約六割にとどまっていると聞いております。
 一方、県内の他の看護学校ではおおむね定員の八割以上の学生数を確保していると聞いております。県立看護専門学校が定員を充足するようもっと多くの学生を集め地域に根差した看護職員を養成し東部地域の看護職員不足の解消に積極的に貢献すべきであると考えます。
 少子化が進む中、学生確保に関しては厳しい状況が続くとは思いますが多くの優秀な学生を確保するためには学生が学んでみたいと思える学校、学生に選ばれる魅力ある学校であることが必要だと考えます。
 そこで、県は県立看護専門学校の充実強化にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、県道仙石原新田線の整備について伺います。
 静岡県北駿地域は、世界文化遺産である富士山や世界かんがい施設遺産である深良用水といった世界に誇る観光資源を有し、加えて現在裾野市で建設中の実証都市「ウーブン・シティ」は国内のみならず世界からも注目をされております。こうした中で地域の活性化に寄与する各拠点を連結する地域道路の充実が必要不可欠であり、拠点間のアクセス向上に加え箱根地域へとつながる県道仙石原新田線の果たす役割は非常に大きいと考えております。
 箱根町は日本を代表する観光地であります。現在東名高速道路御殿場インターチェンジに集中している北駿地域から箱根町へのアクセスが、県道仙石原新田線を全線拡幅整備することにより東名高速道路裾野インターチェンジから箱根湖尻までの所要時間が約十五分に短縮し容易にアクセスが可能となります。箱根町と裾野市の連携が強化され、現在裾野市と御殿場市が協力して整備を進めている仮称神山深良線が供用されれば裾野、御殿場、箱根を周遊するネットワークが形成をされ、三市町が連携して地域の発展、活性化につながる施策を展開する基盤となるほか民間主導による新たな観光ルートとしての活用も期待をされます。裾野市だけでなく北駿地域にとっても大きなチャンスであると考えます。
 しかしながら、仙石原新田線の県境側二・四キロメートルは未整備であり幅員が五メートルに満たない狭い箇所も随所に見られます。さらには標高差約二百メートルの山間部を縫うように駆け上がる急勾配の道路となっているため観光バスの通行が不可能となっています。
 私の地元裾野市では、昨年三月に裾野市長を会長として地元の商工会や観光協会などで構成する県道仙石原新田線整備促進期成同盟会を立ち上げ県の事業に協力する体制が整えられました。また裾野市が地元の小中学生などを対象に行った公募により本道路の愛称が芦ノ湖・深良用水ロードと名づけられるなど早期整備の機運も高まってきております。
 そこで、県道仙石原新田線の現在の整備状況及び今後の整備方針について伺います。
 最後に、犯罪被害者支援について伺います。
 犯罪被害者は犯罪により生命を奪われ、家族を失い、傷害を負わされ、財産を奪われるといった被害を受け、被害を受けた後も精神的な苦しみや医療費などの経済的な負担といった様々な問題を抱えたままの生活を余儀なくされていることも多く、犯罪被害者の方々が平穏な生活を取り戻すためには県、市町をはじめとして社会全体で支援していく必要があります。私自身も金融機関に勤務していた当時刃物を所持した強盗に襲われ傷を負ういう経験があり、私のみで防ぐこともできほかの職員に被害が及ばなかったことは非常に安堵したところですが、犯罪被害者に対しては継続的な支援が必要であることはよく理解できます。また犯罪はいつ、どこでも起こり得るものであって誰しもが犯罪被害者の当事者になる可能性があり、県民の誰もが平等に支援を受けられるような環境を整備していくことが理想であります。
 犯罪被害者が必要とする様々な支援のうち経済的支援の一つとして警察庁は地方公共団体に対し犯罪被害者に対する見舞金等の支給制度や生活資金等の貸付制度の導入を要請しており、国の定める犯罪被害者等基本計画にも盛り込まれています。犯罪被害者支援に特化した条例については県と三十五市町中十九の市町で制定されており条例制定済みの十九市町では見舞金制度も設けられていますが、県や条例未制定の市町にも見舞金制度がなく全国的にも県内でも支援に格差が生じていると言わざるを得ない状況にあります。また昨年十月にはこうした状況を踏まえ市長会から支援の平等性確保のため県条例に見舞金の制度を設ける要望がされていると聞いております。
 そこで、県内の犯罪被害者が平等に支援を受けることができるよう市町の取組状況も踏まえ県レベルでの見舞金制度のさらなる支援策を講ずるべきと考えますが、警察本部長の所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(藪田宏行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 鳥澤議員にお答えいたします。
 富士山世界遺産センターの今後の在り方についてであります。
 富士山世界遺産センターは、世界遺産富士山の顕著な普遍的価値を後世に継承することを使命といたしまして守る、伝える、交わる、究めるという四つのコンセプト、もう少し正確に言いますと永く守る、楽しく伝える、広く交わる、深く究めるというこの四つのコンセプトの下、調査研究や企画展など様々な事業を実施しております。開館から五年の間に国内外から百万人を超える来館者をお迎えし、富士山の貴重な自然、文化、信仰の歴史、周辺地域の観光の魅力などを伝えてまいりました。
 本年は世界文化遺産登録十周年の節目であります。それとともに東アジア文化都市として日本の文化のシンボルである富士山の魅力を国内外に発信する一年となります。このため本年七月には海外の世界遺産関係者などをお招きいたしまして、世界の聖なる山と富士山をテーマとした国際シンポジウムを開催する予定でございます。これまで培ってきた研究成果を基に発信力を高めてまいります。
 富士山世界遺産センターは研究機関であるとともに地域の重要な文化観光施設でもあります。富士山麓の博物館や観光施設などと富士山ネットワーク推進委員会を組織しておりまして、イベントや広報活動を連携して行うなどネットワーク強化に努めているところであります。今後も研究員の交流や資料の相互活用などを進め富士山麓地域全体の魅力の向上に寄与してまいります。
 また、山梨県立富士山世界遺産センターに加えまして先月締結いたしました富士山、白山、立山の三霊山連携協定に基づき石川県立歴史博物館、富山県の立山博物館と共同研究や巡回展を開催するなど国内外の大学、研究機関、他の博物館との連携を進めまして研究の充実に努めてまいります。
 富士山世界遺産センターは富士山に関わる包括的な保存管理の拠点であり、その魅力を後世に伝えていく情報発信の拠点でもあります。開館五周年また世界遺産登録十周年を契機に富士山に関する研究の一層の充実を図り広く国内外に発信することによりまして、その価値を高め地域の皆様に愛され多くの来訪者をお迎えする魅力ある施設としてさらなる飛躍を図ってまいります。
 その他の御質問につきましては副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○議長(藪田宏行君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) 森の力再生事業の着実な実施についてお答えいたします。
 県は、山地災害の防止、水源の涵養など森林の持つ公益的機能を確保するため県民の皆様にもりづくり県民税を御負担頂き、荒廃森林を緊急に整備する森の力再生事業に取り組んでおります。一万一千二百ヘクタールを対象とする第二期計画につきましては、本年度末の進捗率が約七割でおおむね順調に進んでいるところであります。
 事業の実施に当たりましては森林環境譲与税との使途を明確化し県と市町の役割分担により整備を推進しております。近年は台風などにより倒木に起因した道路の通行止めや大規模停電を生じたことから公共インフラや電線周辺の荒廃森林を優先的に整備しております。これまで整備した箇所では下草や広葉樹が成長するなど事業効果が発現しており、森の力再生事業評価委員会からも高い評価を頂いております。また地域住民が伐採跡地に広葉樹を植栽し憩いの場として活用する取組のほか異業種の企業やNPO団体が森林整備に参入するなど様々な波及効果も広がっております。
 今後は、激甚化する自然災害等により森林からの流木による漁業被害が顕在化したことから、これまでの取組に加え漁場等に影響を及ぼすおそれのある荒廃森林の整備にも重点的に取り組んでまいります。また就業相談会や高校生を対象とした出前講座により事業を担う林業経営体へ移住者や若者などの新規就業を促し森林整備の担い手を確保することで事業の実効性を高めてまいります。
 県といたしましては、第二期計画を確実に推進し森の力を回復することにより県民の皆様の安全・安心な暮らしを実現してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 土村経営管理部長。
○経営管理部長(土村暁文君) 静岡県の内部統制についてお答えいたします。
 内部統制制度の実施におきましては、行政サービスの提供等に伴う事務のリスクをトップ自らが認識しコントロールする仕組みを組織として整備することが極めて重要であります。このため本県では副知事を本部長とする推進本部会議を設け全庁を挙げて内部統制を推進しております。また対象リスクの設定に当たりましては、限られた人員と財源の中、内部統制の運用に係るコストと得られる便益を踏まえ、まずは県民の皆様や県に大きな損害を与えるおそれのある財務と情報管理のリスクに集中的に取り組む必要があると考えております。
 今後、より一層適正な事務執行を実現するために対象リスクの見直しを含め有効かつ効率的な改善策を検討してまいります。加えて内部統制は業務に組み込まれ組織内の全ての者により遂行されるものであることから、全職員が主体的に取り組むことが重要であります。このため制度の目的や考え方について各所属におけるミーティングや制度の解説動画の配信など様々な機会を捉えた継続的な周知に取り組み全職員に対する制度の理解と浸透を図ってまいります。
 県といたしましては、県民の皆様から一層の信頼を得られますよう制度の改善を図りながら実効性の高い内部統制を推進してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 八木健康福祉部長。
○健康福祉部長(八木敏裕君) 保育士の労働環境改善についてお答えいたします。
 近年子供や子育てを取り巻く環境の変化に伴い保育施設に求められる役割が多様化、複雑化し保育士の業務量が増すとともに、コロナ禍での遊具の消毒作業など保育の周辺業務の負担も増大しております。保育士が子供と向き合う時間を十分に確保していく上で、これら周辺業務を含む業務全般を見直していくことが課題であると認識しております。
 このため県では来年度から新たに、業務全般の効果的な見直しを図るため保育施設における業務量や仕事の流れを専門家が分析しICT機器や保育支援者の導入など施設に応じた業務効率化の手法を助言する巡回支援を実施いたします。加えてICT機器の導入や保育支援者の雇い上げの経費を助成することで保育記録の作成やヒヤリハット情報の職員間での共有による業務の円滑化を図るとともに、園外活動での見守り、送迎時の子供の確認などの一時的に人手を必要とする場面においても保育支援者を柔軟に配置し安全管理の徹底と保育士の負担軽減を進めてまいります。また施設において自主的に業務改善に取り組めるよう新たに他の施設の優良事例を共有するワークショップを開催してまいります。
 県といたしましては、保育の質の向上のため引き続き国へ配置基準の改善を働きかけていくとともに、今後も現場で働く方の視点に立ち一人一人の子供と向き合いゆとりを持って保育業務に専念できる環境の整備に取り組んでまいります。
 次に、県立看護専門学校の充実強化についてであります。
 県立看護専門学校は、看護師及び助産師の養成課程を備えた県内唯一の県立の看護学校として県内の看護人材養成の一翼を担っております。これまで助産学科の設置や様々な機関との連携による多様な実習機会の確保などを進めてまいりましたが、学生に選ばれる魅力ある学校づくりのためさらなる取組の強化が必要であると考えております。
 このため、教育環境の向上を目的に生徒一人一台のタブレット授業の環境を整備してまいります。来年度から二か年かけて授業の際の資料配付、レポート提出、小テストなどの学習環境の電子化を進め、さらに臨床に近い環境で教育を受けられるようコンピューター制御で患者の様々な症状を再現する実習用のモデル人形や教育用電子カルテも導入し学生にとって魅力の高い教育を行ってまいります。
 また学生確保につきましても、新型コロナウイルス感染症拡大防止のためウェブ開催としていたオープンキャンパスの実地での開催を来年度から再開するとともに高校の進路指導担当教諭への個別訪問も再開し、タブレット授業や最新設備の導入といった県立看護専門学校の新たな取組や魅力を含めて積極的に情報発信してまいります。
 県といたしましては、これらの取組により看護職を志す多くの学生を確保し東部地域をはじめとする医療機関で活躍する人材の養成に今後とも全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 県道仙石原新田線の整備についてお答えいたします。
 県道仙石原新田線は、裾野市街から神奈川県境の湖尻峠に至り芦ノ湖スカイラインに接続する延長七・八キロメートルの路線であり、観光産業の発展や交流の拡大に重要な役割が期待される路線であります。
 県では、裾野市街地側から神奈川県境に向け継続的に整備を進め、これまでに五・四キロメートル区間の整備が完了し現在続く一キロメートル区間の拡幅整備に着手しております。今年度事業区間の用地取得のめどが立ったことから、来年度からは複数の箇所で同時に工事着手するなど整備を本格化させ早期完成を目指してまいります。
 残る未事業化区間一・四キロメートルの拡幅整備につきましては、事業区間の整備完了後切れ目なく工事に着手できるよう来年度から現地の測量及び道路設計に着手してまいります。設計に際しては、車両の擦れ違いが難しい狭隘箇所が多く近隣に適当な迂回路もないことから車両の通行を確保しながら早期に事業効果が発現できるような効率的な施工計画についても併せて検討を進めてまいります。
 県といたしましては、富士山麓と箱根を結ぶネットワークを強化し新たな観光ルートとして北駿地域のさらなる観光振興と県境地域の交流促進に大きく寄与する仙石原新田線の早期整備に努めてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 大原警察本部長。
○警察本部長(大原光博君) 犯罪被害者支援についてお答えいたします。
 犯罪はいつどこでも起こり得るものであって誰しもが犯罪被害の当事者になる可能性があることから、県民が適切に支援を受けられるような環境を整えていくことは重要であります。
 当県においては、犯罪被害者からの相談に対し市町が各種支援制度の案内や申請補助などの適切なコーディネートを行うとの国の指針を踏まえ既に条例を制定した市町において見舞金制度を設けていただいており、県警察としても見舞金の支給について市町が主体となって取り組むことが現段階においては適切であると考えております。
 他方、県レベルで見舞金制度を制定している都県もありそうした取組の背景や運用状況にも関心を払っているところです。
 県警察では、県内で支援に格差が生じないよう条例未制定の市町に対しての積極的な働きかけを継続してまいりますが、全国の状況も注視しながら知事部局と連携して県レベルにおける今後の取組の在り方についての研究も進めていく所存です。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 鳥澤由克君。
       (四十番 鳥澤由克君登壇)
○四十番(鳥澤由克君) 質問しました七項目について、それぞれに御答弁を頂きましてありがとうございます。
 私から、要望事項を若干申し上げます。
 まず、保育士の労働環境の改善についてということでございます。
 今子供たち、この瞬間の未来に向けまして成長の歩みを続け、そしてまた保護者の皆さんも子供たちと常に寄り添い共に日々の歩みを続けているというふうに思っております。このかけがえのない子供たちが歩む成長過程において社会全体の見守りとともに教育環境の安全そして充実強化は、今を生きる私たち全体が世代を超えて共有すべき重要なことであるというふうに思っております。
 今回の保育の問題については、私の地元裾野市で発生したものであるということでございますが私自身としてもしっかり注視していきたいとは思っております。特に保育士の労働改善については先ほど部長からも御答弁を頂いておりますように、国のほうでも保育士の配置基準についてはこの度大規模な保育所の四歳、五歳児を中心としたクラスにおいての保育士の設置基準と三十人から二十五人に改善するような国の設置基準も示されているところではありますが、特に引き続き県として、国からの制度の改善を待つのではなくしてそれぞれの地域、都道府県、その背景を背負っていればこそ分かる実情もあるということだと思いますので、静岡県からしっかりと国に対する要望事項を上げていただき積極的に保育の環境充実について、働きかけていただきたいというふうに思っております。
 次に、静岡県の内部統制について要望を申し上げます。
 住民から信頼される各地方自治体の実現これは何と言っても、数その要素はあるにせよ信頼がなければそれぞれの施策も進みませんし、これは重要な様々な要因の一つとして内部統制が先ほど質問の中にも入れましたようにあると思います。特にこれからの組織のマネジメントの新たな視点から大変重要性を持っているというふうに思っております。特に四つの目的、六つの要素、これらを今現在、推進部署そしてまた評価部署、監査部署それぞれが連携を保って健全な行政運営、透明性を持って県民から信頼をされる組織運営をして日々御努力を頂いているということは認識しているところであります。
 この行政事務の適正な執行においては内部統制にしっかり取り組むことが重要であります。私自身も令和二年度に監査委員を務めさせていただきましたが、なかなか県庁各所属においては様々な業務上のミスまた指摘事項があったわけですけれども、完全になくすということはこれはありませんが、特に先ほど申しましたように統制環境の確立、トップの意思が大変この内部統制の大きく左右するという位置づけには変わりはございません。ですのでここにいらっしゃる知事そして副知事、そして先ほどは副知事が中心ということではございましたが何と言っても川勝知事のこのお考え、姿勢によっても大きく左右されるということでありますので、この内部統制に適切に県の行政運営には取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 もう一点、森の力再生事業でございますが森が持つ多面的機能、生物多様性それぞれに果たすべき役割は森林が秘めた力の中でございまして、環境サイクルの中においても大変重要な位置を持っております。特に海の入り口が森林である、言うまでもなくそれは環境に大きく寄与するところがあるということでございます。あと残されました三年間、何と言っても今七〇%の進捗状況ということでありますが、その質が高められるようにそして地域共にこの事業が本質が生かされそして効果的に進むよう、あと残りの期間全力を尽くしてやっていただきたい、脱炭素社会に向けても大きな役割を果たすこの事業でございますので全力を傾注してやっていただきたいというふうに思っております。以上、終わります。(拍手)
○議長(藪田宏行君) これで鳥澤由克君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

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