• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

早川 育子 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/27/2023

会派名:

公明党静岡県議団


質疑・質問事項:

1 障がい者スポーツの振興について
2 CNFの普及に向けた取組について
3 多様な避難方法を踏まえた情報の収集・伝達手段について
4 ウイズコロナ時代における性暴力被害者への支援について
5 加齢性難聴の方への支援について
6 富士川かりがね橋の開通に向けての取組について


○副議長(和田篤夫君) 次に、六十九番 早川育子君。
       (六十九番 早川育子君登壇 拍手)
○六十九番(早川育子君) 私は、公明党静岡県議団の所属議員として県政の諸課題について通告に従い知事、副知事及び関係部局長に一括質問方式にて質問をいたします。
 初めに、障害者スポーツの振興について伺います。
 東京二〇二〇パラリンピックでは、本県ゆかりの選手を含む多くの選手の活躍を目にしパラスポーツをぐっと身近に感じるようになりました。県においてはパラスポーツの魅力発信や裾野拡大のためパラスポーツ運動会やパラアスリート発掘競技体験プログラムを開催しております。私も参加させていただき共生社会実現のためにも非常によい事業であると実感しました。地元でこの話をすると、知らなかった、参加したいが会場が遠方だと参加しにくいなどのお声もありぜひ県内各地で多くの県民に体験してほしいと思います。
 一方で、大会などへの出場を目指して活動する一部の障害者を除き障害者の多くは学校の授業を除けばスポーツをする機会は少なく、卒業後はさらにスポーツから遠ざかってしまう傾向にあります。運動しようとする場合障害者は、どこでどのようなスポーツができるのか、会場までの移動はどうするのか、道具はどうしたらよいか、ボランティアの支援は受けられるのかなど多くの情報を必要としますが、学校卒業後は積極的に情報を入手しようとしない限り情報を得る機会は少なくなってしまいます。
 さらに、スポーツ体験の少なさや障害の特性から特に知的障害者や精神障害者にとって日常でスポーツを楽しむことへのハードルはより高いと感じます。すばらしい障害者スポーツ施設を整備することも必要ですが、一部のアスリートのみが利用し多くの障害者が利用できないようでは宝の持ち腐れとなってしまいます。地域の体育館など身近な場所でいつでもスポーツができるよう障害者に多くの情報を届ける取組が必要だと感じます。加えてスポーツに取り組む意欲のある障害者を支えるスポーツ指導員やボランティアの育成も重要です。育成とともにその活動を支援することにも積極的に取り組んでほしいと考えます。
 障害者が自由にスポーツを楽しむために、必要な情報を容易に入手できる体制の整備のほか障害者スポーツ指導員等指導者の育成が重要であると考えますが、障害者スポーツの振興のため県はどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、CNFの普及に向けた取組について伺います。
 CNFは、植物由来のカーボンニュートラルな素材でリサイクル性に優れているほか、軽量かつ頑丈、温度変化に伴う伸縮が少なく寸法が安定といった特徴を持つ素材として様々な用途での活用に向けた研究が進んでいます。高強度材料や高機能材料に活用し軽量化や高効率化等を図ることでエネルギー消費の削減によって地球温暖化対策に貢献することや森林資源活用により循環型社会の実現に貢献することが期待されており、令和三年三月には環境省において効率的なCNF活用製品の開発、製造が行えるよう包括的かつ実践的な情報がガイドラインとしてまとめられております。
 県においては、平成三十一年に県富士工業技術支援センター内にふじのくにCNF研究開発センターを開設し、静岡大学の青木特任教授による技術相談のほか県と企業の共同研究を実施しており、これまでに三十近くの製品が開発されています。さらに昨年六月には富士市がCNF連携拠点を支援センター内に開設いたしました。昨年三年ぶりにリアルで開催されたふじのくにCNF総合展示会に参加させていただきましたが、全国から多くの方が参加されている様子からCNFの今後に大きな期待が寄せられていることを肌で感じました。
 県においては、CNF研究の世界のメッカと低炭素な循環型社会の実現を目指しCNF研究の支援と普及を強力に進めてほしいと期待をしております。現在さらなる低価格化と大量生産、自動車ボディーでの実用化を目指していると聞いておりますが、CNFの特性を広く情報発信し理解を得ることにより、割高でも循環配慮型の素材を活用する機運を醸成したり多様な人材や企業の参入を促し新しい視点やネットワークを得て用途や技術に関する研究を進化させていくことが重要であると考えます。また大学だけでなく工業高校生など若者がCNFの魅力に出会う機会があればより人材の発掘につながると考えます。
 そこで、CNFの普及に向けた今後の取組と展望を伺います。
 次に、多様な避難方法を踏まえた情報の収集・伝達手段について伺います。
 コロナ禍となり地域の防災訓練の機会が減少した一方で、昨年相次ぐ自然災害に襲われる中で県と市町の連携や情報伝達などの課題が露呈し不安に思っております。
 東日本大震災やコロナ禍を経て従来の指定された避難所への避難だけでなく親戚宅や民間ホテルなどを活用した分散避難や車中泊避難も行われるようになりました。こうした多様な避難方法の下では県民がどのような状態でどこに避難しているのか被害実態の把握が困難であり、情報や支援物資を届けることも難しくなってきています。
 情報収集・伝達手段の一つとして県が開発した防災アプリ「静岡県防災」に期待したいところですが、その存在があまり認識されていないように感じます。私も防災士として防災講座で「静岡県防災」を紹介するのですが、ほとんどの方が知りませんでした。特に災害時に支援が必要となる若い子育て世代や高齢者、外国人などへの周知が足りていないと思います。
 まずは、市町に対しアプリの活用を促すとともに、市町と連携し転入届、母子健康手帳の交付や出生届などの機会に市町の窓口において住民への周知を図ることが有効であると考えます。また外国人に対しては雇用先の企業を通じての周知が効果的であると考えます。多言語に対応できるすばらしいアプリにもかかわらず活用されていないことを歯がゆく感じています。
 さらに、避難所運営ゲームHUGを体験する中でアプリの使用を促すことや若者とコラボしてアニメ等によるアプリの紹介などを積極的に行うことで、若い世代を含み広く周知が図られると考えます。
 多様な避難方法を踏まえた情報の収集・伝達手段の一つとして防災アプリの普及と活用を進める必要があると考えますが、県はどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、ウイズコロナ時代における性暴力被害者への支援について伺います。
 新型コロナウイルス感染症の患者が国内で初めて確認されてから三年以上経過しましたが、いまだ終息にはほど遠い状況にあり今後もウイズコロナの時代が続くものと思われます。内閣府の調査によれば性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターにおける令和三年度の全国の相談件数はコロナ禍前の令和元年と比較して約一・四倍となっています。
 令和二年六月に性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議において決定した性犯罪・性暴力対策の強化の方針では、被害申告・相談をしやすい環境の整備、切れ目のない手厚い被害者支援の確立という被害者支援を強化していく方向性が示されています。我が会派の令和五年度当初予算に対する要望においても、一安全・安心社会の実現のB生活の安全確保の一つとして犯罪被害者支援の充実を掲げているところです。県では性犯罪や性暴力の被害者からの相談に対応し身体的、心理的なケアなどの支援をワンストップで行う静岡県性暴力被害者支援センターSORAを設置しています。さらにコロナ禍における相談体制の強化として令和二年六月からはインターネットチャット相談の導入などにも取り組んでいることは承知しております。
 以前、私の知人からお子さんが被害に遭ったと相談を受けすぐにSORAを紹介。大変親身になって対応してくださり、被害は忘れることができないけど本当に救われたと知人から感謝されました。しかし増加する相談件数に対応し切れるのか、相談員に過剰な負担がかからないだろうかと不安を感じています。SORAには相談を受け付けるだけでなく被害者に寄り添った丁寧な支援をお願いしたいと思いますが、増加する相談件数に対して県はどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、加齢性難聴の方への支援について伺います。
 加齢によって起こる難聴である加齢性難聴は、一般的には五十歳頃から始まるとされ七十五歳以上の七割以上が該当するとの報告もあるなど誰にでも起こる可能性があります。しかし年だから仕方ないと放置してしまうのは危険であり、加齢性難聴が原因で外出先で事故に遭ったり災害を知らせる警報に気づかなかったりする危険性があるほか認知症リスクが高まるという研究報告もあります。さらには周囲とのコミュニケーションがうまくいかなくなって孤立などのトラブルを抱えたり、ひきこもりがちになってしまうことも考えられます。
 加齢性難聴者に対しては、向かい合ってゆっくりはっきりと話すようにするなど周囲が症状を理解してコミュニケーションを取りやすくすることも大切です。加齢性難聴は、鼓膜から伝わってきた音の振動をキャッチして電気信号に変える役割を担う有毛細胞が加齢とともに壊れていくことで起こり、有毛細胞は一旦壊れると再生しないため根本的な治療法はないとされています。また加齢性難聴を悪化させる原因として糖尿病、高血圧症、喫煙、過度な飲酒などがあるとされ、これらの原因を取り除くことが予防になるとされています。まずは加齢性難聴への理解を深め予防を心がけるとともに、聞こえにくい場合は早めに医療機関を受診するよう促すことが重要です。
 さらに、加齢性難聴になった場合は補聴器などの利用で生活の質を維持することが考えられますが、高価な補聴器選びに苦労している人や詐欺まがいの商品を購入させられるなどトラブルに遭う人もいると聞きます。補聴器は合わなくても仕方がないという変な認識が広がっているのも確かです。補聴器などの装着は認知機能の低下防止にも効果があるとされていることから、適切な補聴器などを利用できるよう支援することも必要だと思います。加えて県内にも補聴器購入に対する助成制度を設けている市町があるため、そういう情報も周知すべきと考えます。
 高齢化社会の進行とともに、これからますます多くの人が聞こえに問題を抱えるようになると見込まれます。加齢性難聴への理解を促進するとともに、聞こえに悩む高齢者等が安心して暮らせるように支援する取組が必要であると考えますが、県はどのように取り組んでいくのか伺います。
 最後に、富士川かりがね橋の開通に向けての取組について伺います。
 県道富士由比線の富士川かりがね橋については、地権者など多くの方々の御理解と御協力によりこれまで事業が進められてきて来年度には待望の開通を迎える予定です。昨年二月に橋桁が一本につながってから一年が過ぎ誰もが開通は間近と期待をしております。平成十四年の都市計画決定以来、道路の新設による生活環境の変化などを不安に思う地元と県が車座になり、私自身も地元住民の一人として対話を重ね事業が進み始めるまでに約十年、起工式に出席した平成二十八年からも七年が過ぎました。
 一級河川の富士川に新橋を架けるという大工事は、技術面はもちろんのこと期待と不安に揺れる地元住民をはじめ多くの関係者との調整などもあり非常に多くの御苦労があったことと思います。ようやくここまでたどり着いたと本当に感慨深く思います。
 地元の経済界や観光関係者が、開通を契機とした岳南地区と県内外との交流が一層活発になるよう取組を強化するなど、開通に向けた地域の期待が高まってまいりました。開通までどのようなスケジュールで進むのか多くの人が関心を寄せています。
 一方で、開通の効果を幅広く波及させるためには富士川かりがね橋の開通に合わせ富士市をはじめとする周辺市町の魅力を発信していくことが重要であると考えます。このため事業促進に御尽力されてきた富士市や富士宮市、山梨県の身延町、南部町と一丸となって開通前の橋の上でイベントを開催するなど地域の方々との橋の完成を祝うとともに、開通に向けた機運を高めていくようお願いいたします。
 さらに、開通により周辺道路は交通が大きく変化することが予想されます。県道鷹岡柚木線の龍巌橋は現在老朽化対策が行われておりますが、もともと自動車がすれ違うのがやっとという狭さで通勤通学の歩行者や自転車の通行に危険を感じていました。この龍巌橋の交通量も増えると予想され事故や渋滞を心配しています。
 富士川かりがね橋開通の効果を最大限に発揮させるためには、あらかじめ開通後の交通の流れや交通量を予測し必要な対策をしっかりと行うことが重要だと思います。そこで開通までのスケジュールと開通後に想定される交通の変化を踏まえた県の対策について伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(和田篤夫君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 早川議員にお答えいたします。
 障害者スポーツの振興についてであります。
 東京二〇二〇パラリンピックでの本県ゆかりの選手の活躍などによりまして、障害者スポーツへの理解や関心は高まっております。県内各地では陸上、卓球、水泳、ボッチャ、フライングディスクなど様々な障害のある方向けのスポーツ大会や教室等が行われております。一方、障害のある方の日常的なスポーツ活動への参加は必ずしも多いとは言えない状況でありまして、参加のきっかけとなる情報を届けることが極めて重要であります。
 このため、来年度これらの情報の一元的発信や相談機能の充実を図るふじのくにパラスポーツ情報センター――仮称――を県障害者スポーツ協会内に開設いたします。ここにはパラスポーツコンシェルジュ――仮称――を専任配置いたしまして障害の種別や程度、希望するスポーツに応じた提案や助言、体験教室等へのマッチングなど障害のある方の気持ちに寄り添った支援を行ってまいります。加えてホームページによるパラスポーツ情報の発信、特別支援学校や就労支援施設などへの個別訪問などにより学校卒業後も多くの方に情報が届くように努めてまいります。
 また、障害のある方のスポーツ活動を地域で支える人材を育成していくことも重要であります。このため県障害者スポーツ協会等と連携いたしまして、特別支援学校へのスポーツ巡回指導等を担う障害者スポーツ指導員の養成講習会や資質向上のための研修会を行うとともに、スポーツ教室などを県内各地で開催し広く参加を呼びかけることで指導員の活動を支援してまいります。
 さらに、東京二〇二〇大会のレガシーとして設立したふじのくにスポーツボランティアの研修科目に障害者スポーツを取り入れます。県障害者スポーツ大会わかふじスポーツ大会のほか二〇二五年に本県で開催される第二十五回夏季デフリンピック競技大会の自転車競技での活動も見据えまして、大会などを支えるスポーツボランティアの育成にも力を入れてまいります。
 今後とも、障害のある方が日常的にスポーツを楽しみ自分らしく生き生きと暮らしていけるように、県障害者スポーツ協会をはじめ関係の皆様と連携して身近な地域でライフステージを通じた切れ目のない支援に取り組み障害者スポーツの振興に邁進してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○副議長(和田篤夫君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) CNFの普及に向けた取組についてお答えいたします。
 脱炭素社会や循環型社会の構築が世界的に求められる中、本県が全国に先駆けて取り組んできたCNFはリサイクル性に優れ環境に優しい素材として幅広い用途での活用が期待されています。
 県ではこれまで、富士市が昨年CNF連携拠点を開設されました県富士工業技術支援センター内のふじのくにCNF研究開発センターを拠点としてCNF製造から製品開発まで一貫した支援を行うとともに、静岡大学に寄附講座を設置し人材育成にも取り組んでまいりました。来年度は多様な産業分野における連携を強化するほか、国内外の優れた知見を取り入れCNFの社会実装を加速させてまいります。
 具体的には、製紙や産業機械など二百以上の企業等が参加しているふじのくにCNFフォーラムを改組して環境、家電、自動車などの企業を加えた新たなプラットフォームを構築し異業種間連携を強化いたします。また静岡大学が設立を予定している学際的なプロジェクト研究所や東京大学の磯貝明特別教授などと連携して自動車部品への応用やリサイクル性の検証に関する研究開発を進めてまいります。
 本県が東アジア文化都市となっている今年十月富士市で開催される、議員からお話のございましたふじのくにCNF総合展示会に多くの外国企業の参加を促すなど国際展示会へと発展させ、世界的に著名な研究者が参加する国際シンポジウムを併せて開催し環境にも配慮したCNFの最先端技術や研究成果を世界に向けて情報発信いたします。その際工業高校の生徒などを招待し将来の県内産業を担う若者に直接世界規模で展開されるCNFを見て触れる機会を提供いたします。
 県といたしましては、引き続き富士市や大学、研究機関、企業等と連携したオープンイノベーションをさらに進め本県が国内外を牽引するCNF産業の一大拠点となるよう総力を挙げて取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 石野危機管理部長。
○危機管理部長(石野好彦君) 多様な避難方法を踏まえた情報の収集・伝達手段についてお答えいたします。
 静岡県総合防災アプリ「静岡県防災」では、ハザードマップの確認などのほか利用者が避難先の情報を登録することで市町が避難者の居場所を確認したり、逆に市町から物資の配布等の情報を通知する機能を有しております。こうした機能の有用性を御理解頂き自主防災組織における避難所運営訓練などで実際に体験していただくよう、市町や自主防災組織に活用を働きかけているところです。
 これまで県では、アプリの普及について市町やコンビニエンスストア、携帯ショップなどでのチラシ配布やSNSによる広報のほか、高齢者に対してはシルバー人材センターと協力したアプリの使い方講習により、また外国人県民に対しては雇用先企業での出前講座や災害時外国語ボランティア育成研修の中で取り組んでまいりました。この結果「静岡県防災」は、令和元年六月の運用開始から本年一月末までで累計二十四万四千余りのダウンロードが行われておりますが県民の皆様へのさらなる普及が必要であると考えております。
 今後、全県で展開するわたしの避難計画の作成やジュニア防災士養成講座におけるアプリ上でのハザードマップの確認等様々な機会を捉えて子育て世代や若者なども含めたあらゆる世代に対し「静岡県防災」の利用を促進してまいります。
 県といたしましては、これらの取組を通して多様な避難方法を踏まえた情報の収集・伝達手段の一つとして防災アプリを活用頂けるよう利用者の拡大に努めてまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 高畑くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(高畑英治君) ウイズコロナ時代における性暴力被害者への支援についてお答えいたします。
 新型コロナウイルスによる県民生活への影響が長引く中、性暴力被害者支援センターSORAへの昨年度の相談件数は千三百八十一件とコロナ禍前の令和元年度と比較して約一・八倍に増加し、今年度も一月末までで千六百二件と昨年度を上回っております。
 県では、こうした相談件数の増加に対応するため令和二年度にチャットによる相談対応を開始するなど相談体制の充実に努めてまいりましたが、最近ではSNSを介しての被害や十代からの相談が増加するなど相談内容の多様化も進んでおります。
 このため、来年度から現状の二人の相談員に加え被害者への支援全体を統括するコーディネーターを新たに配置し体制を強化いたします。このコーディネーターが相談員へのアドバイスをはじめ被害者の支援計画の策定や警察、病院、児童相談所、弁護士等との対応の全体調整を担い、被害者の状況に応じた迅速できめ細かな相談支援体制の構築を図ってまいります。
 県といたしましては、引き続き関係機関と連携しながら被害に遭われた方一人一人に寄り添った支援に努めてまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 八木健康福祉部長。
○健康福祉部長(八木敏裕君) 加齢性難聴の方への支援についてお答えいたします。
 聞こえにくさにより周囲との意思疎通が困難になることは高齢者の社会的な孤立や認知症の発症などにつながるおそれがあります。加齢性難聴について県民の皆様が正しく理解し早期に対応することは大変重要であると認識しております。
 そのため、難聴を老化に伴う当たり前のこととせず進行を遅らせることができるという理解を広めるため、県で開催する健康づくりや認知症の講演会等においてその症状に関するテーマを盛り込むなど市町や認知症家族会等と連携し継続的に啓発を行ってまいります。
 また、早期の発見や対応につながるよう高齢者に身近な医療や介護の専門職が難聴が疑われる方に対して受診を勧める仕組みを構築する必要があります。今後はかかりつけ医や地域包括支援センター、ケアマネジャーへの研修等を通じて加齢性難聴に対する理解と認識を深めていくとともに、地域の認知症疾患医療センター等の出張相談におきましても聞こえの視点に留意して対応し専門的な治療につなげてまいります。
 さらに、県内では五市町が六十五歳以上の軽度、中等度の難聴者に対する補聴器購入の助成制度を独自に設けておりますので、こうした状況を他の市町へ情報提供し周知をしてまいります。
 県といたしましては、聞こえに悩む方の課題を周囲がしっかり受け止め医療や介護の関係団体等と連携しながら本人が安心して暮らし続けられる社会の実現を目指してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 富士川かりがね橋の開通に向けての取組についてお答えいたします。
 富士川かりがね橋は、富士川橋周辺の慢性的な渋滞の解消と富士川の東西だけでなく山梨県峡南地域との交流促進を目的に平成十四年度から事業に着手し開通に向けた最終段階を迎えております。現在橋梁上の防護柵工事や左岸取り合い道路の盛土工事を進めており、四月からは取り合い道路の側溝や防護柵などの道路附属物工事に着手し、十一月からは最終工程である舗装工事に着手する予定であり、安全を最優先に令和五年度内での開通を目指して鋭意工事を進めているところであります。また開通前のイベント開催についても準備しております。
 交通の変化への対策につきましては、開通の影響が予想される半径約五キロメートル圏内を対象としたシミュレーションにより交通量の大幅な増加が想定される箇所につきまして県と市がそれぞれ改良工事を進めております。県では富士川かりがね橋両側の県道交差点を改良するほか通学児童等の安全を確保するため県道鷹岡柚木線の歩道整備を進めており、開通後も交通状況に応じて適宜適切な対策を実施してまいります。
 県といたしましては、富士川かりがね橋が地域の発展と明るい未来へのかけ橋となるよう整備効果を幅広く発信するとともに、一日も早い開通に向け長期に及んだ事業の総仕上げを着実に実施してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 早川育子君。
       (六十九番 早川育子君登壇)
○六十九番(早川育子君) それぞれ御答弁頂きありがとうございました。
 要望を二点、再質問を二点行います。
 初めに、障害者スポーツの振興について知事より大変前向きな御答弁を頂き感謝申し上げます。私も知的障害者の方の卓球の種目でいつも活動を一緒にさせていただいておりますし、また友人のお子さんでパニック障害を起こしているお子さんが水泳に取り組んでいる、その御相談も伺う中で非常に困難な状況であってもスポーツをすることによって元気が出る、また頑張ろうという気持ちになるということで、非常にスポーツの持つ力というのを確信をしているところであります。
 今回、ふじのくにパラスポーツ――仮称ですが――情報センターを中心にパラスポーツが大きく前進をしていくということに期待を寄せたいと思いますし、これは障害のある方だけでなくて障害のない方、また年齢に関係なくスポーツを通じて共生社会を確立する拠点になっていくと思いますのでぜひ確実に前進することを期待申し上げます。
 要望の二点目は、富士川かりがね橋についてであります。
 先ほど、歩行者の安全確保を優先して工事をしているというお話がありましたが特に鷹岡柚木線の龍巌橋、現在拡幅工事を行っていただいておりますが、実際には通学通勤に加えて特にこれからは富士山と桜、菜の花が美しい潤井川に観光に訪れる方が非常に多くなっております。ハイキングをする方も増えておりましてこの地域のにぎわいを考えますと歩行者の安全確保、非常に重要であると思います。拡幅工事終わってない段階で要望するのはいかがかとは思いますが、以前より地元から側道橋をぜひ架けてほしいという要望がありましたのでこちらもぜひ今後の検討課題として要望をしておきたいと思います。
 それでは質問に移ります。
 再質問は、CNFの普及に向けた取組についてであります。
 こちらも新たな展開となる答弁を頂き、期待をしたいと思っております。
 異業種間のプラットフォーム、また国際的な展開というところで大きく国内だけでなくて国際的な拠点にこの静岡県が、また富士市がなっていくということに期待を寄せたいところですが、一方で地元でCNFの話をすると年齢関係なく皆さん大変関心を持っていただいております。やはり何と言うか、もう産業が大変な中で新たな素材が大きく未来を開いていく、SDGsにもかなったこの新素材が我が地域にあるということは非常に関心が高くいらっしゃるんですが、どこに行ったらもっと詳しく聞けるのか、また開発された商品をどこに行ったら手に入れられるのか、そうした質問もよく受けます。そういった意味ではCNFは新たな段階を迎えているように私は感じます。ぜひ、工業技術支援センターに行けば見学とかもさせていただけますが、もう少し身近なところで分かりやすい展示ですとかあるいは商品を手にする機会があると非常にいいのではないかなと思いますのでそうしたことを御検討頂きたいと思いますが、一般の方に向けた取組について伺いたいと思います。
 再質問二点目、多様な避難方法を踏まえた情報の収集・伝達手段についてであります。
 「静岡県防災」のアプリがその主流になるということで取組を伺いましたけれども、これはもう一昨年の委員会でも質問をさせていただき外国人の方については企業を訪問してということでそれもやっていただいているところという話ですが、非常に申し訳ないんですが使い勝手がいま一つ分かりにくいかなという印象があります。特に防災講座開いて皆さんにお伝えすると全く知らないという方がほとんどでした。しかも二十四万人がダウンロードされたということですが、これダウンロードしただけでは意味がありません。使っていただくためのアプリですが、特に動画などは最初の十秒でその後見るかどうかを決めるという方がほとんどだということで、そういった点を考えてみても何回もこれで勉強しようとか活用しようとかということがまだまだ難しいかなと思います。
 また、子育て世代や高齢者の皆さん、特に子育て世代の皆さんが共働きで地域活動になかなか参加しにくい、防災訓練等でもこうした情報が入りにくい、また子育て特有のその情報というものが入りにくい状況となっておりますので、ぜひこのアプリからそのリンク先に向かっていったところで、そのリンク先ですぐに子育て世代、また高齢者、障害のある方などそれぞれの特性に応じた情報の提供などを提案したいと思いますが、その点についてのお考え、使い勝手向上のための取組について再質問いたします。以上、答弁を求めます。
○副議長(和田篤夫君) 増田経済産業部長。
○経済産業部長(増田始己君) CNFの普及に向けた取組についての再質問にお答えいたします。
 CNFのさらなる普及に向けては、様々な分野での製品化に加え製品の購入者となる一般の方にもCNFの価値を広く知っていただくことが重要であり、そのためには積極的な情報発信が不可欠であると考えております。
 このため、来年度開催予定のCNF国際シンポジウムにおいてCNFの魅力を分かりやすく一般県民向けに紹介する講演会を企画しているほか、県のホームページやSNSなど多様なメディアを活用してCNFの新製品情報をタイムリーに提供していきたいと考えております。
 県議から御指摘のありました身近で分かりやすい展示という点につきましては、多くの県民の方が来庁される、この県庁ですとかあと総合庁舎、あと市役所などのロビーなどの活用を検討してまいりたいと思います。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 石野危機管理部長。
○危機管理部長(石野好彦君) 多様な避難方法を踏まえた情報の収集・伝達手段について、再質問についてお答えいたします。
 使い勝手の向上についてということですが、今アプリの利用者の方がアプリから使い勝手ですとかアンケートに答えていただけるような形を取っております。それによって我々も把握したものについてはできる範囲で対応していくということです。ただこのアプリ、避難所運営なんかの支援をできるという機能も備えていますので、なるべくたくさんの人に使っていただくということがよりアプリの機能が発揮できますのでより普及を図りながら、またフィードバックで御意見を伺いながらより使い勝手の向上、その辺を努めていきたいと考えております。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 早川育子君。
       (六十九番 早川育子君登壇)
○六十九番(早川育子君) 御答弁ありがとうございました。
 最後に要望いたします。
 多様な避難方法を踏まえた情報の収集・伝達手段について御答弁がありましたが、県民の命を守る、そのための「静岡県防災」という点ではまず命を守る、その後に悲惨な事件に巻き込まれたり災害関連死を引き起こさないためにも充実を図ることが必要ではなかろうかと思います。自然災害は避けて通ることはできませんが「静岡県防災」を見ていてよかった、登録しておいてよかった、また「静岡県防災」に助けられたと言われるような内容にぜひしていただきたいと思いますので、今後の展開を注視していきたいと思います。必ず大きな進展があることを要望いたしまして質問を終わらせていただきます。(拍手)
○副議長(和田篤夫君) これで早川育子君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp