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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成23年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

柏木 健 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/07/2011

会派名:

みんなの党・無所属クラブ


質疑・質問事項:

1 原子力発電について
 (1) 国のエネルギー政策に対する知事の見解
 (2) 浜岡原子力発電所運転再開の是非
 (3) 原子力防災訓練の強化
2 被災地の瓦れき受け入れについて
3 空港利用促進と観光について
4 子供行政について
 (1) 児童相談体制の強化
 (2) 障がい児の支援
 (3) 児童虐待に対する警察の対応
5 就農支援ともうかる農業について
6 教育界の人づくりについて



    ○副議長(鈴木洋佑君) これで中澤通訓君の質問は終わりました。
     次に、二十七番 柏木 健君。
           (二十七番 柏木 健君登壇 拍手)
    ○二十七番(柏木 健君) みんなの党・無所属クラブ所属議員として知事及び教育長、警察本部長に質問いたします。
     まずは、原子力発電についてです。国のエネルギー政策に対する知事の見解をお尋ねします。
     福島第一原発の原子力災害を端緒とする全国の原子力発電所の運転停止は、エネルギー供給に多大な影響を与えております。そしてこの夏は、官民挙げての節電運動により電力不足による大停電は免れたとのことです。二〇〇三年のニューヨークの大停電を現地で経験した者として大きな心配をしておりました。
     現在政府は、今後のエネルギー政策に関して、エネルギー・環境会議に分科会を設置し、原発依存度の低減、再生可能エネルギーの促進、省エネの徹底を三本柱としたベストミックスの具体案を、来年春ごろまでに示す予定であると聞いております。国民生活や産業界にも大きな影響を与える電力の安定供給と、絶対に万が一があってはならない原子力発電の継続という二つの問題が、あたかもセットのような議論が行われていますが、本当にそうなのか疑問を持っております。特に我が県は総理の要請により停止している浜岡原発を抱え、こうした国のエネルギー政策には大いに影響を受けます。
     その中、私ども会派は九月議会に、議運に期限を定めた脱原発依存をすべきとの意見書案を出しましたが、残念ながら不一致となりました。そして今議会には浜岡原発の永久停止・廃炉を求める意見書を出しております。私は、政治は自己保身のためでなく県民や地域のために真剣に考えるものなら、必ず県民に受け入れられると信じております。浜岡原発についてではありませんが、茨城大学が十一月に発表した水戸市民三千人に対して実施した住民アンケートで、日本原子力発電東海第二原子力発電所の再稼働の是非について、約九割が再稼働に慎重な考えであることがわかったとの報道がありましたが、静岡県民も浜岡原子力発電所に対しては同じ考えであると推察します。確かに福島第一原子力発電所の検証がまだ終わってはいませんが、住民がそれほど不安に思っておられるならそれが政治判断だと考えます。特に政治にしかできないことです。また大阪市で二大政党を中心に支持、支援する候補が破れ橋下新市長が誕生したのも、大阪市民の今の停滞する政治に嫌気がし、本当に市民の望んでいることが実現する政治を期待したのだと私は考えます。
     そこで知事は、今後の国の全体のエネルギー政策や原子力発電のあり方について、どのようなお考えをお持ちなのか、所見を伺います。
     次に、関連して浜岡原子力発電所の運転再開の是非についてです。
     浜岡原子力発電所では、現在一千億円を投じて津波防波壁の設置工事を実施しているということであります。そして去る十月二十六日には知事が現地を視察され、中部電力の津波対策に一定の評価をされたものの、使用済み核燃料の処分方法の確立が運転再開の前提であるとの従来の説明を繰り返したと聞いています。また現在二キロメートルの距離にあるオフサイトセンターの立地についても問題を提起されており、運転再開に向けてハードルの高さが浮き彫りになったという印象を持っています。しかしもし知事が運転再開を望まないのであれば、私は中部電力が一千億円も投じて安全対策を行う以前に廃炉を前提に国や中部電力と協議したほうが理にかなうのではないかと考えております。中部電力も私企業ですので、このままの状態で浜岡原発を置いておくということは株主の理解も得にくいことですし、我が県にとっても決してよい状態ではありません。もし廃炉にするなら、国が中部電力から浜岡原子力発電所を買い取り、使用済み核燃料の処理から廃炉まで責任を持つべきだと考えます。
     そこで、浜岡原子力発電所の運転の再開について、知事は運転再開という選択枠を持っておられるのか。もし持っておられるならその再開の基準について改めて所見を伺います。
     この項目の最後、原子力防災訓練の強化についてです。
     東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故により、高濃度の放射性物質がおおむね半径三十キロメートルの地点まで飛散し、我が国のみならず世界を震撼させる深刻な事態になっています。風向きなどにより高濃度の放射性物質の飛散は三十キロメートルを超える地域にも及ぶなど、今回の事故による周辺住民の避難対策、安全対策は想定外の大規模なものとなりました。そして政府の原子力安全対策が後手後手に回りました。これは現行の原子力発電所の事故に関する防災対策の重点地域の範囲、いわゆるEPZが半径八キロから十キロ以内に限られ、そこに該当する近隣の自治体以外、防災計画や避難計画を全く有していなかったことも原因の一つです。だれが見ても防災対策の重点地域が十キロメートル以内では不安です。おくればせながら、ようやく十一月に入って国の原子力安全委員会が重点地域を半径おおむね三十キロメートルに拡大することで了承したと報道がありました。この結果浜岡原子力発電の場合、これまでの原子力防災計画を有しなかった磐田市や焼津市など三十キロ圏域上の市町も、住民避難計画やスクリーニング、安定沃素剤の確保、情報伝達対策などさまざまな原子力防災対策が必要となります。例年半径十キロメートル以内の自治体を中心に、国、県、市町、事業者が連携して原子力防災訓練を実施していたとのことですが、今後重点地域の半径がおおむね三十キロになることを踏まえ、周辺住民の安全・安心を図るための原子力防災訓練をどのように実施していくつもりなのか、県の方針を伺います。
     また、これによりこれまで原子力防災計画を有しなかった磐田市や焼津市など三十キロメートル圏域上の市町もさまざまな原子力防災対策が必要になります。その点について、県としてどのように支援、対応していくのか伺います。当然浜岡原発の廃炉が仮に決まったとしても、福島第一原発の例でも完全に廃炉が完了するには数十年の年月がかかると言われておりますので、しばらくは訓練は必要と思われます。
     次に、被災地の瓦れき受け入れについて伺います。
     十月二十七日の新聞に、東日本大震災で発生した大量の瓦れきのうち、本県が支援している岩手県の山田町、大槌町で生じた木くずなどについて、県内自治体のごみ処理余力の一%を支援目標とする一%運動を知事が提唱との記事が掲載されました。そして十一月十日に開催された県市長会、町村会主催の意見交換会の冒頭、市長会会長が知事の瓦れき処理を支援したいという発言はかなり唐突な印象を受けたとのあいさつをされたそうですが、私も同じ思いを抱きました。東京都のように、みずから最終処分施設を有している首長さんの皆さんの発言なら理解する部分もありますが、焼却施設も最終処分施設も持たない静岡県が、なぜ瓦れきの受け入れを提案したのか理解できませんでした。
     そこで、知事の一%運動の提唱はどのような考えで打ち出されたものなのか、その経緯を含めて伺います。
     また、意見交換終了後、県市長会、町村会は瓦れきの受入れに係る共同声明を採択し、この共同声明は、受け入れ環境の整備を前提に各市町の実情に合った協力を行うというものであります。
     受け入れ条件として提示されている安全性の確保、市町の最終処分地の住民の不安の払拭について県としてどのように対応するのか、また安全性の確保についてだれが責任を持つのか伺います。
     また、この問題について各市町の中で真っ二つの意見があると聞きます。私の地元でも子供を持つ親世代は多くが反対をされているように見受けられます。当然被災地を助けたいという気持ちは同じではありますが、政府と東電から出てくる情報に信用性があるのか県民は疑心暗鬼となっております。そのような中で県民がいがみ合うのも全く変な話です。また各市町の首長さんの中には、どうしても住民のことを思い受け入れができない方もおられるかもしれません。その方があたかも冷淡な人のようになってしまうのも本意ではありません。私はそのような心配をしております。
     次に、空港利用促進と観光についてです。
     現在、富士山静岡空港の利用拡大に向けては、観光部門と空港部門がそれぞれインバウンドとアウトバウンドを推進しながら、その両部門が連携し一体となって空港の利用促進に取り組んでおられます。しかしながら富士山静岡空港活性化特別委員会で韓国を訪れたり、私も個人的に県内の産物の海外での評価を調査したりしていますが、残念なことに本県の魅力は国内就航先や国外の方にいまだに十分に認知されておらず、アウトバウンドに比べインバウンドの拡大については、まだまだ時間がかかると考えております。当然インバウンドの拡大に向けた本県の魅力の発信については、観光政策として引き続き推進すべきと考えますが、この際空港の利用促進に限定して考えたとき、県内での宿泊や施設利用等を促進させる観光振興とは考え方を切り離し、静岡県民の空港利用の拡大を通じた空港の発展を目指すべきであると考えます。
     具体的には、就航先等の自然や歴史・文化、食などの多彩な魅力を県民に積極的にPRするなど、県民が空港を利用して国内外へ出向こうとする気運の醸成を図り、静岡県民が利用してくださることが空港の活性化につながると考えます。定期便の需要拡大や新規路線の誘致につなげていくことも大切ですが、特に今就航してくださっている航空会社を大切にしていくべきです。震災の後も減便もなく、静岡県民の空の足をしてくださっている全日空やアシアナ航空には改めて感謝するとともに、県民としても県民の利用の拡大に重点を置いた空港の利用促進策を進めるべきであると思います。
     また、今後は貨物便の促進施策なども考えていく必要もあり、空港イコール観光ではないと考えます。知事は防災の話もされておりましたけれども、このように総合的な空港活用施策を考えた場合、文化・観光部の交流局空港利用政策課と交通基盤部の空港局と空港の所管部署が分かれている現状にも違和感を覚えます。
     そこで、県内の観光全般とは切り離し、空港に特化した政策を重点的に行う空港政策を推進すべきと考えますが、県の所見を伺います。
     次に、子供行政についてお聞きします。
     特にこの質問では、健康福祉部と教育委員会、そして警察本部の連携が重要であると考えますので、それぞれに所管部分についてお聞きします。
     まずは、児童相談体制の強化についてお聞きします。
     厚生労働省によると、平成二十二年度中に児童相談所が対応した養護相談のうち、児童虐待相談の対応件数は被災地を除き五万五千百五十四件、平成二十一年度中に児童相談所が対応した相談件数は三十七万千八百件、平成二十一年四月から平成二十二年三月までの一年間に厚生労働省が把握した虐待により子供が死亡した事例は、虐待死事例四十七例、四十九人であるとのことです。この数は数年で大幅な増加を示しております。極めて厳しい状況にあります。現在では二十四時間対応をし、四十八時間以内に安全確認をしているそうですが、児童相談所の職員の数にも限りがあり市町や警察、教育委員会との連携が重要になります。児童相談所について、職員の業務が過重となり緊急事態に対応できない状況も一部見受けられるとの指摘もあると聞いております。
     そこで、児童相談所の現況と他部局との連携についてお聞きします。
     次に、国の定めた児童相談所運営指針においては、児童福祉法第三十三条の規定に基づき、「児童相談所長又は都道府県知事等が必要と認める場合には、子どもを一時保護所に一時保護し」とあり、また「子どもを一時保護する必要がある場合は一時保護所を利用することを原則とする」とありますが、現在磐田市を初め、湖西市袋井市、掛川市など県西部中遠地区において児童相談所の扱った案件において、児童を一時保護する必要が生じた場合、静岡市内の一時保護所に移送しているそうです。平成二十五年に県中央児童相談所及び一時保護所が藤枝市内に移転するそうですが、それにしても移送に非常に手間がかかり児童や職員の負担が大きいです。
     そこで、西部児童相談所との連携強化と迅速な対応及び児童の負担軽減を図るために、将来的に西部児童相談所の近くに一時保護所を設置すべきと考えますが、県の考えを伺います。
     次に、障害児の支援について伺います。
     障害児の支援は、乳幼児期から成人に至るまで継続した支援が必要でありますが、担当する部局については、県においては基本的には健康福祉部ではありますが、乳幼児の三歳児健診や就学前の保育園は健康福祉部、幼稚園、学齢期は教育委員会とまたがっており、情報の共有も含め連携した対応が必要であると考えますが、県の所見を伺います。
     また、児童福祉法が改正され障害児の通所サービスの実施主体が市町になり、障害児の在宅支援の責務が市町にあることが明確化されました。私の地元の磐田市では、市が設置する発達支援センター「はあと」において親子教室などを実施していますが、その後の受け皿となる障害児の通所サービスが市内に二カ所しかないのが現実です。そのため従来は障害児の通所サービスが多数ある浜松市の施設を利用するケースもありましたが、浜松市内の利用者が多いため現在では利用することができないと聞いております。障害児の通所サービスの確保については、磐田市を初めとする一般の市町では限界があり県の支援が必要だと思います。県の所見を伺います。
     項目の最後に、児童虐待に対する警察の対応についてお聞きします。
     先日、日本の人口が減少に転じたと報じられました。少子高齢化の問題は我が国だけに特有の問題ではありませんが、あらゆる面で深刻な問題を生み出す重要な問題であります。知事も公約の一番に少子化対策をうたっておられます。先ほどの質問でもありましたが、子供を取り巻く大きな負の課題が児童虐待ではないかと思っております。新聞やテレビで定期的に深刻な事件の報道がなされているように、なかなか児童虐待はなくなっておりません。痛ましい重大事件が起きるたびに何らかの対応がとられ一時的に件数が減ることもあるようですが、増減を繰り返しながら増加傾向にあると伺っています。こうした児童虐待の問題は児童相談所が所管しておりますが、外部から児童虐待の情報が寄せられても、警察のような強力な権限が児童相談所には与えられていないため、みずから動くことができず、結果的に虐待を受けた子供の命が失われ事件として報じられることが後を絶たないと言われています。これが問題となり二〇一〇年からは児童虐待防止法九条の規定の臨検を積極的に活用すべきとの通達がされました。しかしながら本県における臨検の事例はいまだになく、こうした権限が有効に活用されていないのではないかと思います。私は児童虐待に対する児童相談所の役割はもちろん重要であると考えますが、特に重篤な児童虐待を防止する上では警察の役割が重要であると考えます。警察と児童相談所は、そもそも職務が異なることは承知しておりますが、国の宝である子供を守ることは重要なことですので、そこで警察として児童虐待にどのように対応していくのか伺います。
     次に、大きな項目の五番目、就農支援ともうかる農業について伺います。
     本県の農業の状況は、基幹的農業従事者の数では平成二十二年で六万四千人と、平成二年の十万一千人の六三%まで減少し、またその七六%が六十歳以上の方で占められていることから農業者の確保が喫緊の課題であるとのことです。一方新規就農者数は県内では毎年二百名前後で推移し、近年は農家の後継者よりもサラリーマン家庭などの非農家出身者が増加しています。
     経済産業部によると、伊豆の国市や御前崎市など各地域においてもイチゴやトマトなど施設園芸を中心として、非農家の青年がハウスを建て農業経営を開始する例が見られるとのことです。しかし農業経営を開始するには、栽培技術の習得は当然のことですが、多くの資金や優良な農地の確保も必要となり、開業初年度から全生活費を稼ぐことは至難のことと思います。失敗に失敗を重ねてすばらしい作物を生産し、消費者に御満足いただけるものと思います。借金は経営開始後まで経営に影響を及ぼし、また農地はまとまった優良農地でなければ将来規模の拡大や低コスト化の妨げになり、もうかる農業の実現が困難となることでしょう。食料自給率を上げることは国力にもつながりますから、農業は重要な国家政策であり、TPP交渉参加の過程でも国会で多くの議論がなされました。しかし農協や農家を守る政策から真に国内の農業を考える議論にしないといけないと考えております。来年度から国の若者の就農支援政策が大幅に拡大されると聞いております。このため非農家の青年が農業を開始し、もうかる農業を実現するため、優良農地の確保や低利資金の融資など就農に対して総合的な支援が必要であると考えます。
     そこで、県の対応を伺います。特に施設園芸について高齢化で施設の維持が困難になるケースや台風などの災害で経営を継続できないこともあると聞いています。施設園芸は初期投資に大きな資金が必要です。しかし安定すれば一定の収入を見込むことができ、拡大や六次産業化にも可能性の高い分野であると思います。この施設園芸について、県として高齢化する農家と就農意欲のある若者との仲立ちを考えるべきと考えております。
     最後に、教育界の人づくりについて伺います。
     最近、教員の不祥事が多発しており、大変ゆゆしきことであるというのは、先ほどから多くの質問が出ております。平成二十一年度懲戒処分で十件、二十二年度で十六件、二十三年度はきょう現在で十件、計三十六件の不祥事があり、中でも十二件の免職がありました。県教育委員会では、根絶に向け不祥事根絶委員会の設置や各学校にコンプライアンス委員会の機能の確保など六項目の緊急対策を講ずるとしたとのことです。私は、この不祥事の中でも免職者十二名のうち七名が自分の職責を利用し生徒にわいせつな行為を行ったことについて、特に怒りを覚えます。これは相当卑劣な犯罪行為であり絶対に許すことのできない犯罪行為です。生徒の心にも大きな傷となることでしょう。先ほどの不祥事根絶委員会は、これは先ほどの中澤議員からの質問でもありましたけれども、教育次長を委員長に県教委の職員が八名、アドバイザーとして犯罪心理学者、警察関係者などが不定期で入ると聞いています。本当にそれで不祥事の根絶になるのでしょうか。身内に人は甘くなると言われます。私は、第三者で構成する組織でまずはうみを出し切り、その後不祥事根絶のスキームをつくるべきと考えます。今後教員の過去の不祥事がまた出てきてしまうことも想定できますし、また現在も進行形の可能性も否定はできません。どんなに教育委員会が頑張っても、またそこで県民の信頼を失うことになるかもしれません。
     そこで、本当の第三者機関にまずは調査を委託してうみを出し切ることについて、教育長の見解を伺います。以上、一般質問といたします。(拍手)
    ○副議長(鈴木洋佑君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 柏木議員にお答えいたします。
     初めに、原子力発電についてのうち、国のエネルギー政策に対する私の見解についてであります。
     福島第一原子力発電所事故の発生から約九カ月が経過した今日におきましても、いまだ収束できない現状を踏まえますと、日本は原子力発電に大きく依存してきた現行エネルギー政策の根本的見直しが迫られていると考えています。
     エネルギー確保については、安全であること、経済効率性が高いこと、供給が安定していること、環境にやさしいことといった多くの要請を満たさねばなりません。残念ながら原子力発電については、安全であるというのが今神話と言われておりますように、その前提が崩れました。したがいまして環境にいい、経済効率も高い、供給も安定できるということは満たされても安全でないということになりましたので、原子力に依存するという形での国のエネルギー政策は今見直しを迫られていると思います。
     しかし、本当に腰が定まっているかというと、見直しを迫るということは向こう何十年間に五〇%近く原発に依存するという方針が見直されたということで、脱原発の方向に向かっているということではございますが、一方でベトナムの首相にこの間輸出を約束されました。そうしたことは一方でそういう技術を持たねばなりませんから、そのあたりの整合性がないというふうに存じます。今後の取り組みとしましては、一極集中型から分散自立型エネルギーシステムへ転換しなくちゃならないということ。それからいわゆるエネルギーの地産地消ということを進めていかなくちゃならないということ。これも政府の政策でもありましょうし、本県の姿勢でもございます。
     一方、それぞれ原発の依存度が九つの電力会社で違います。本県の場合には一割強ですね。そして夏を乗り越えたということがございますし、この冬も節電努力によって乗り越えることができるかもしれません。そうした中で、国というか中央政府にゆだねるのではなくて、県としての主体的な取り組みが必要ではないかと存じます。浜岡原発については、中央政府は安全でないという診断を下したわけです。そしてそれを中部電力はお受けになりました。そして六日の政府決定の後、十日ほどしてすべての原発がとまったということです。したがって安全対策をとらなくちゃいけないということですから、安全対策を徹底しなければならないということです。そうすると津波対策が不十分であったので津波対策のために、一千億をかけて十八メートルの防波壁をおつくりになるということでございますね。それは津波に対する安全対策であるということです。それから使用中であったものが今使われていません。また使用済みの核燃料もございます。こうしたものは崩壊熱を出していて、それを処理しなくちゃならないわけですが、その処理する場所が六ヶ所村だということになっていたわけですが、残念ながら六ヶ所村の処理能力が限界を来していて、このまま処理する施設として使えないということがはっきりいたしました。そうしますと定期点検、あるいはストレステストを加えて動かすということは、定期点検というのは、御案内のように新しい燃料棒を入れるということです。点検をするわけですが、使用中のものを出して新しい燃料を入れるということです。ですから定期点検ごとに使用済み核燃料がふえます。核燃料棒の数が確実にふえていくということです。それを持っていく場所がないということです。それを持っていかないで、そこに置いておくと。置いておく場所が――燃料プールが安全かどうか。これは上のほうに置かれているわけですから。圧力容器でも格納容器の中にあるわけでもありません。燃料プールの中に置かれています。それは安全かどうかということが問われますね。ですからさまざまなチェックが必要で、安全でないということでとまっているんですから、安全性を徹底的に追求しなければならないということでございます、預かっている者としては。特にそこで働いている人たちのためにもです。
     中部電力と協議をしてとおっしゃいましたが、常に協議をしております。一切敵対関係といったものではありません。エネルギーの安定供給が中部電力の使命です。同時に安全であることをきちっと確保していることも彼らの義務です。それがどうなっているかということを常に議論をしておりますので、国が買い取って、後を国に任せればいいというふうな無責任なことを提言したりすることはできません。中部電力は私企業として御自身の安全確保と安定供給について、必死に新しい模索を今試みられております。
     県といたしましては、県防災・原子力学術会議を立ち上げておりますが、そこに有識者による――仮称でございますが――原子力経済性等検証専門部会を新たに設置いたします。経済効率、エネルギーの安全・安定供給、環境適合の三つの観点。これは、それぞれの英語の頭文字をとりまして、三Eというふうに言われます。経済効率はエコノミック・エフィシェンシー(Economic efficiency)の「E」です。それからエネルギーの安全・安定供給というのはエナジー・セキュリティー(Energy security)の「E」です。そして環境適合はエンバイロンメント(Environment)の「E」と。この三つのEの視点から、中部電力管内地域における電力確保のあり方を検討いたしまして、本県としての考えを取りまとめてまいります。
     次に、被災地の瓦れき受け入れについてであります。
     本県の市町のお持ちになっている瓦れき処理の余力の――能力全体ではなく能力を全部発揮した後まだ余っている余力の一%を、岩手県の大槌、山田町の両町のものの瓦れきの中で可燃性のものにつき、安全性をきちっと確保した上で受け入れてくださるかどうかということを提言したのが、今議員がおっしゃいました一%運動の中身でございます。
     この経緯ですけれども、十月の中旬に環境省が提言しておりました瓦れきを全国で受け入れてくれという要請に対して、本県の市町は例外なく皆、ノーと言われたわけです。それは当然のことだと思います。それは議員が言われたような福島のものが入ってくるかもしれないということであれば、これは危険性を分散することになりますから、放射性物質の拡散になりますので、それは受け入れられる筋のものではないのでノーと言われたのは当然だったと思います。この点は私は中央政府の、この瓦れき処理にかかわる問題提起の不正確さといいますか、できないことを相談されたのだと思っております。
     一方、岩手県だけでも通常処理能力の十一年分、宮城県では二十年分近くございまして、現地に行かれた方はおわかりのように、これは巨大なもので到底その地域だけで処理できるものではありません。それに対してどうするかということでございますが、我々は福島原発から二百二十キロ、二百四十キロそれぞれ離れている大槌町と山田町に対しまして、これまでコミットしてまいりましたので多くの人はその実情を知っております。そうしたところに対して、その両町の災害廃棄物は総量で百三万トン。このうち柱、角材などこういう可燃性で対象となるものは約十二万トンございます。これを全部受け入れるということもできません。仮に余力を全部うちが足したとしても六万トンしかありませんから。そしてその六万トンのうちの一%は六百トンです。それはすべてが受け入れた場合のことでございます。そうしたことを踏まえた上でどうですかということを、私はインフォーマルに申し上げたのです、一部の市町の方に十月の末に。それがいきなり新聞で取り上げられまして、それで多くの市町の方々にとってそれは突然のことに思われて、それで一体どういうことかということで、十一月十日に市長会、町村会が合同して開かれて、そこで御説明を申し上げたと。それは確かに突然であったと、そして中身はこういうことでございますということになりまして、そうしますと「それではほとんど量的にはわずかで、しかも大槌、山田町のものだけに限るということですね」ということで、「そういうことでございます」ということならば、きっちりと安全性が確保されるならば受け入れてみられるかどうか、議会や住民と相談をしながら決めるということになった。しかし基本的には受け入れてみると、受け入れようという気持ちはよくわかると、そこのところで皆共通認識をお持ちになったというのが十一月十日のことでございました。
     以後、その安全性をどう確保するかということについて市長会、町村会でおまとめになって、その要望書を私が細野大臣に直接お手渡し申し上げまして、そして同時に大槌、山田町の瓦れきに限ると、可燃性の木材に限ると。しかもそこでチェックする。そして持ってきたところでチェックする。そして燃やした後もチェックする。それからそれを持っていく場所がございます。それは必ずしも域内とは限りません。群馬県であったり山口県であったり三重県であったり岐阜県であったりするわけです。それぞれ市町が最終処分場についていろいろな契約を結ばれておりますから、これは一概には言えないわけです。それぞれについて、しからば例えば群馬県のしかるべき町で処分をお願いしているところに私がお願いに行くというのもぐあいが悪い話なので、これは国がやるということになっているわけですよ。それもきっちりと今仕組みができ上がりつつあります。十二月の十日だと思いますけれども、環境省のほうから、その仕組みについて今県と市町と必死になってこの冬何とか少しでも助けてあげたいというお気持ちがあるので、その仕組みについて共有するべく説明会が開かれることになっております。
     その仕組みなどの細かなことにつきましては、もし必要とあれば部長のほうから御答弁を申し上げますが、大まかなところ岩手県が七月に山田、大槌両町の災害廃棄物の――災害廃棄物とは言いますけれども家ですから、津波で流されたものでアルバムがあったり自分の結婚指輪があったり、そういうものでございますが――その放射性セシウム濃度を調査したところ、一キログラム当たり四十六ベクレルと八十ベクレルという結果でした。人の健康に対するリスクが無視できるとされるクリアランスレベルの百ベクレルを下回っています。ただ焼却しますとそれが三十三倍程度に濃縮されるわけでございますが、焼却灰における濃度は安全に埋め立て処分することが可能とされる八千ベクレルをはるかに下回っているということで、しかも量は、ほかのものと一緒にまぜて燃やしますから完焼いたしますので、十分安全を確保し得るとは認識しております。しかしこれをお決めになるのは市町でございます。我々は県の中に最終処分場を持っておりません。ただしもしあした津波が起こってきて冷却機能が失われると同じ問題が起こります。そしてもちろん三千数百万トンという、いわゆる瓦れきが出るという試算があります。それをどういうふうにしますか。今回のように全国にお願いするという方法しかないかもしれない。それでは困るということで、現在、伊豆半島、東部、中部、西部で、県有地の中で、しかるべきどれぐらいの最終処分場がいるかということで、県として最終処分場を持とうということで、今その場所探しをしておりますけれども、このことと今回お受けするということを言っていることとは別個のことです。
     以上、中央政府、岩手県とも調整しておりますが、調整、協力をしながら、放射性セシウム濃度と放射線量の最新の数値を確認するとともに、受け入れに当たっての安全確認体制を明確にいたします。具体的には被災地での搬出時はもちろんのこと、県内への搬入時においても放射線量を測定するほか、個別の市町の受け入れ条件ごとに被災地との調整を図るなど、受け入れ環境を整えてもしできるというところがあればということです。何も私は、しろとか、あるいはするべきだと言っているのではありません。安全が、それぞれの燃やしているところにも放射性物質はありますから、どこでもありますよ、しかもそれは違います、濃度が。そうした実態を踏まえて、受け入れるという環境があるというところであればそこと調整をしながら、住民の方々の不安を、なるべく科学的なデータに基づいて払拭できる条件を整えてまいりたいということでございます。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 小林危機管理監。
           (危機管理監 小林佐登志君登壇)
    ○危機管理監(小林佐登志君) 原子力発電についてのうち、初めに浜岡原子力発電所運転再開の是非についてお答えをいたします。
     浜岡原子力発電所につきましては、福島第一原子力発電所の事故の原因に関し、これまでに明らかにされた知見はもとより、今後明らかにされる知見も踏まえた安全対策を一つずつ段階を踏んで実施していくことが重要であると考えております。
     先月中部電力が本体工事に着手しました防波壁の設置など三十項目の津波対策の実施はその第一歩であります。このほか知事から先ほど申し上げました使用済み核燃料棒の問題を初め、国が各事業者に実施を指示しております原子力発電所の安全性に関する総合的評価、いわゆるストレステストや、今回の震災により国の審査が一時中断しております平成十八年の耐震設計審査指針の改定に伴う耐震安全性の再評価、いわゆる耐震バックチェックへの対応、さらには近く予定されております耐震設計審査指針の改定への対応など、運転再開に向けては取り組むべき多くの課題がございます。
     県といたしましては、中部電力のこれらの取り組みについて、国に厳正な評価、確認を求め、その結果について、静岡県防災・原子力学術会議を中心に二重、三重のチェックを行いまして県としての検証を行うとともに、必要に応じて発電所の現場の点検も行ってまいります。
     浜岡原子力発電所の運転再開の是非につきましては、こうした取り組みの情報を県民の皆様に徹底的に公開し、県民の皆様がどのようにお考えになるのか、その意向を踏まえた上で最終的に判断すべきものと考えております。
     次に、原子力防災訓練の強化についてであります。
     先月、国の原子力安全委員会が、原子力発電所の防災対策を重点的に充実すべき地域、いわゆるEPZの見直しを行ったことを受けまして、県では浜岡原子力発電所のおおむね三十キロ圏を目安に、原子力災害に備えた地域防災計画の見直しなど原子力防災体制の拡充に取り組んでまいります。その手始めとしまして、県内全市町を対象に原子力防災に関する情報交換会を開催し、研究・協議の場として県が設置を提案した市町原子力防災対策研究会へ積極的に参加するよう呼びかけたところであります。今後はこの研究会などを通じまして、市町の地域防災計画の見直しや新たな作成を支援してまいります。
     発電所の三十キロ圏を対象とする原子力防災訓練につきましては、その対象となる市町において地域防災計画が整うなど、防災体制拡充の取り組みが一定のレベルに達した段階で、その検証を行うことを目的に実施したいと考えております。また対象となる市町が防災体制を整備する上で必要となる放射線測定機器や防護服など原子力災害に特有の防災資機材の整備につきましては、国の交付金制度がございますので、この制度を活用し緊急性の高いものからなるべく早く配備できるよう国に働きかけてまいります。以上であります。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 出野文化・観光部長。
           (文化・観光部長 出野 勉君登壇)
    ○文化・観光部長(出野 勉君) 空港利用促進と観光についてお答えいたします。
     富士山静岡空港は、開港以来百三十万人を超える皆様に御利用いただいており、昨年二月の利用調査等から推計いたしますと、このうち約七割がアウトバウンドの利用と見込まれております。今後空港が一層発展するためにはバランスのとれた利用促進が重要であり、特に県内に大きな経済波及効果を及ぼすインバウンドについて、利用拡大のための取り組みを一層強化することが重要であります。
     具体的には、潜在需要の大きい海外からの誘客促進に向けまして、就航先でのプロモーションや商談会、旅行商品の販売促進などを充実してまいります。またアウトバウンドにつきましても、底がたい利用を促進するために、今月設立いたしました企業サポーターズクラブなどによりビジネス利用を促進するとともに、昨年度約三千三百人の利用がありました教育旅行につきましても、より効果的な支援策を実施してまいります。
     また、仁川国際空港や上海浦東空港を利用した世界各地への乗りかえ利用の促進や、就航先の観光等の魅力を紹介するふじのくに空旅講座を開始しているところであり、さらに取り組みを拡充してまいります。こういった取り組みを進めるとともに、空港の競争力を強化し利便性も向上させるため、交通基盤部などと緊密な連携をとりながら空港の利活用を促進してまいります。以上であります。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 池谷健康福祉部長。
           (健康福祉部長 池谷享士君登壇)
    ○健康福祉部長(池谷享士君) 子供行政についてのうち、初めに児童相談体制の強化についてお答えいたします。
     本県におきましても、平成二十二年度の児童虐待相談件数は千三百八十三件と過去最多となっており、児童相談体制の強化は急務でありますことから、本年度、東部児童相談所と富士児童相談所にそれぞれ一名の児童福祉司を増員するとともに、児童福祉司業務をサポートする非常勤職員をすべての児童相談所に配置し体制の強化を図ったところであります。また児童虐待への早期対応には児童相談所と関係機関との連携が重要でありますことから、市町の要保護児童対策地域協議会へ児童相談所職員が参加しケースに関する情報の共有化を図るとともに、同協議会の機能充実のためケース進行管理の具体的な手法や検討の進め方などについても実践的な支援を行っております。さらには児童相談所を初め、警察、教育委員会などとの関係機関で構成する静岡県子どもと家庭を守るネットワーク要保護児童対策部会や、各児童相談所単位で管内警察署との連絡会を開催し、課題解決に向けた意見交換などを積極的に行い、連携体制の強化を図っているところであります。
     県内の一時保護所につきましては、現在中央児童相談所一時保護所の移転を進めているところであり、西部児童相談所の職員や保護される子供への負担は県西部中遠地区からの移送時間が短くなることにより軽減されるものと考えております。
     中遠地区への一時保護所の設置につきましては、今後、県全体の児童相談体制の強化を図りながら、移転後の中央一時保護所の状況や一時保護が必要となる児童数の推移を踏まえて、その必要性を検討してまいります。
     次に、障がい児の支援についてであります。
     障害のある児童への支援は、できるだけ早い段階からの相談や成人期まで継続した支援が必要でありますことから、保健、福祉及び教育等の関係機関の情報の共有化と連携が重要であります。このため健康福祉部と県教育委員会が静岡県手をつなぐ育成会と協力して、保護者の方に出生時からの生育歴や医療、療育機関の相談記録などを記入していただき、一人一人の情報を体系的に整理することができる相談支援ファイルの作成を進めております。今後は、このファイルを関係機関が継続して活用することにより、乳幼児期、学齢期、成人期において切れ目のない一貫した支援が行えるようにしてまいります。
     次に、障害児の通所サービスにつきましては、今回の児童福祉法の改正により、なるべく身近な地域で障害児の通園施設や児童デイサービスを確保する必要があるとの趣旨から、市町が実施主体となったものと認識をしており、各市町において的確に需要を把握し計画的に整備していただくことが望まれております。しかしながら市町それぞれの事情もあり直ちに施設や人材を確保することは難しい面もありますことから、県といたしましては、社会福祉法人など民間事業者の活用方策や児童福祉法制度の相談などにきめ細かく対応するなど、幅広い支援に努めてまいります。以上であります。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 繁田警察本部長。
           (警察本部長 繁田 誠君登壇)
    ○警察本部長(繁田 誠君) 柏木議員にお答えいたします。
     児童虐待につきましては、県民の生命、身体の保護という警察本来の責務であることを踏まえ、児童の安全の確認、安全の確保を最優先とした対応に努めております。このため児童虐待が疑われる事案を認知した場合は、警察職員が現場に出向いて児童と面接を行う、保護者に対して事情聴取を行うなど被害児童の早期発見と安全確認の措置を行っております。同時に事実関係の確認など所要の捜査により真相を解明し、必要な場合は事件化を図るなど再犯の防止に努めているところであります。
     主な事案につきましては、本年五月、母親が二歳児をベランダから地面に投げ殺人未遂に至った事案。またことし十一月沼津で泣きやまない三カ月児を、またこれも母親ですが頭部を殴打し、これも傷害になった事案。いずれもこれは事件になった大きなものでございます。
     また警察では、認知しました被害児童のすべてを本来の専門機関であります児童相談所に通告しておりますが、その数は年々増加傾向にあります。あわせて児童相談所に対し児童が負傷する等の虐待を認知した場合には警察への通報を呼びかけるとともに、必要に応じて児童相談所に職務権限に当たる立ち入り、一時保護など児童の安全確保を最優先とした対応を働きかけ、深刻な事態に至る前に児童を救出することを心がけております。
     児童虐待の防止は、社会全体で取り組まなければならない重要な課題であります。虐待行為がエスカレートする前兆を周囲が把握していながら児童が死に至った県内外の事例を見ますと、教育、医療、地域保健など平素から子供に直接かかわる機関において児童相談所への通告を徹底するとともに、虐待は犯罪行為であるとの認識をより深めていただくことが重要であると考えます。このためこれらの機関に対しても働きかけを行ってまいります。
     今後とも、警察活動を通じ児童虐待の早期発見に努めるとともに、児童相談所等関係機関との連携を強化してまいります。以上であります。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 吉林経済産業部長。
           (経済産業部長 吉林章仁君登壇)
    ○経済産業部長(吉林章仁君) 就農支援ともうかる農業についてお答えいたします。
     本県では、全国に先駆け非農家出身の青年が先進的な農業経営者のもとで栽培技術や経営者としてのノウハウを学ぶ研修制度を開始し、現在はこれに加えまして、受け入れ農家、県、市町、農協から成る地域受入連絡会が農地確保や資金調達などを支援する体制を導入したところであります。これまでに研修を修了した八十人が就農し、伊豆の国市や御前崎市などで地域農業を支える担い手として活躍をしております。
     さらに、新規就農者を一層確保するため、今年度就農応援プロジェクトとして、県内外の就農希望者を対象としたセミナーや現地ツアー、相談会を開催いたしましたところ、延べ四百人近くの参加者があり、多くの就農希望者に農業への理解と就農意欲を高めることができたと手ごたえを感じたところであります。
     議員御指摘のとおり、施設園芸におきまして高齢農家と就農意欲のある若者との仲立ちを行うことは、新規就農者の経済的な負担を軽減して収入の安定につながりますことから、関係機関が連携して遊休化した施設のあっせんを進めますとともに、六次産業化の推進、規模拡大に向けた農地の集積や制度資金の活用など、意欲にあふれた非農家出身の青年がもうかる農業を実現できますよう総合的に支援をしてまいります。以上であります。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 安倍教育長。
           (教育長 安倍 徹君登壇)
    ○教育長(安倍 徹君) 教育界の人づくりについてお答えいたします。
     県教育委員会では、外部からのチェック機能として、県民の皆様が教職員の不祥事等を目にした場合に御連絡をいただく教職員倫理一一〇番等の通報・相談窓口を設置しております。
     また、既に設置しております教職員コンプライアンス委員会は、大学教授を委員長とし弁護士やPTA関係者等を委員とする第三者委員会であり、教育委員会のコンプライアンスに係る取り組みを検証、評価していただいております。
     さらに、新たに設置しました不祥事根絶委員会におきましては、事件の背景や原因の分析、対策の立案に専門的な知識が必要となってくることから、犯罪心理学者や警察関係者等をアドバイザーとして要請する体制といたしました。
     今後は、通報・相談窓口の周知に努めるとともに、教職員コンプライアンス委員会と不祥事根絶委員会の二つの委員会を両輪として、民間有識者の御協力をいただきながら不祥事根絶に取り組んでまいります。以上であります。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 二十七番 柏木 健君。
           (二十七番 柏木 健君登壇)
    ○二十七番(柏木 健君) 質問をいっぱい書き過ぎちゃいまして、早口になりまして済みませんでした。再質問させていただきます。
     知事にはぜひ一点ちょっとお聞きしたいのは、私と遠藤議員も実はこれは政治判断だと思ってこの意見書を出しております。当然役人さんというか、職員さんから言わせれば、検証してからやるのが当たり前だと言うんですけれども、これだけ県民が不安に思って県民の大多数が思っていることなんだから、やっぱりそこは政治だと思って私たちもやっているんですけれども、知事はですね、脱原発依存の方向だということは話はわかったんですけれども、浜岡原発に関してでは再稼働の余地があると、可能性的に持っていると、私たちはもうないのではないかというふうに思っているんですけれども、知事は持っておられるということでいいのかどうか、その点一点確認したいと思います。
     あと、瓦れきの件なんですけれども、先ほどの説明だと、仮に何かあったときには、市町が受け入れたということで市町が責任をとるという意味なのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。当然農作物なんかへの被害も、仮に数値が出たときには、それが瓦れきじゃないにしても風評被害とか出やすいと思いますので、その辺についてだれが責任を取るのかお伺いしたいと思います。
     あと、児相なんですけれども、本当に児相の皆さん一生懸命やられていて大変だと思います。ただその中でやはり、ソフト面、ハード面ともについてきていないというのが今の現状ではないかというふうに思います。子供を守るというのは我々大人の役目だと思いますので、その点で今教育委員会から児相に対して九人出向されているということなんですけれども、警察とかでも派遣していただいたらどうかなと。全国では二十一都道府県、十四政令市・中核市で七十一人の警察官OB、現職の皆さんが今入っていると。三年前の今五倍以上に警察官の数がなっているということなので、その辺も検討すべきではないかと思いますけれども、部長の意見がありましたらちょっとお伺いしたいなと。
     あと、発達障害の支援なんですけれども、確かに磐田市民だからだめだと、浜松市民ならオーケーだというのは、やはり当然、浜松市、磐田市という別個の自治体が主体となるわけですから、その自治体から言わせればわかるんですけれども、親とか子供については全然それは責任はないことなんですよね。そういう意味で、制度的にしょうがないということはあるのかもしれませんけれども、その辺ぜひ教育長、健康福祉部長、お互いにちょっと見に行って把握をしていただきたいなと。政令市とのはざまで非常に大変だという自治体もあると思いますので、その辺ぜひお願いしたいなと思いますのでそれも答弁があればお願いします。これは早川議員からさっき早期発見、早期療育という話がございましたけれども、本当に大切なことだと思いますのでよろしくお願いしたいなと思います。
     あと、施設園芸の件なんですけれども、これも要望でいいですけれども、やめて耕作放棄地になるのと利用されるのでは大きな違いがあると思いますので、ぜひ前向きに検討していただきたいなと。
     あと、教育委員会の不祥事なんですけれども、教育委員長おられますけど、私は教育長にしか通告してないので、もし教育委員長は答弁があれば教育委員長でもいいですけれども、まあ教育長で。本当にこれで不祥事が根絶されるのかなと。強制わいせつ罪は七年ですね、時効が。今、内柴さんが逮捕されていますけれども、準強姦罪は十年ですよね。過去の事件ていうのが出てこないのかなあ本当に、というふうに私は思っています。内部でやるだけでは……。オリンパスの第三者委員会も、あれでもやっぱり市場として見たら、少し物足りないなんて言われています。あれは全部第三者です。そういう意味で、教育長、本当に出てこないですよね。それを確認したいと思います。以上です。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 柏木議員の再質問のうち、最初の浜岡原発にかかわる点ですが、脱原発と言えば安全ですか。ですから私は、安全であれば、これは新幹線でも三百キロでも皆さんが安全であると信じているから動くわけです。それをチェックすることもできます。浜岡の場合、先ほど部長が御答弁申し上げましたように、相当多数チェックするべきことがございます。しかも来年の十二月には、現在のチェック機関は原子力安全・保安院ですけれどももう存在していません。現在原子力安全庁というものが――仮称ですけれども――来年の四月に立ち上がることになっています。そこがチェックをすることになりますが、そのチェック機能を持てる組織になるかどうかはまだわかりません。安全はプロがチェックをしなくちゃなりません。そしてそれが安全であるということがだれにもわからないといけないと思います。私は、原子力事故再発防止顧問会議のメンバーとして合計四回の会議に全部出席しまして、それが終わりました。今度、原子力委員会――今まで原子力安全委員会と原子力安全・保安院と、この二つのシステムででき上がっていたわけですが――原子力安全委員会が五人の先生しかいらっしゃらなくて、実際上放射線に関してはお一人だということのために、我々がいわゆる風評被害で大きな被害をこうむりました。その先生の発言とのかかわりがあります。そうしたことも反省され、原子力安全・保安院が事実上チェック機能を果たしていないということも、だれの目にも明らかになったわけです。
     そうした中で、今度原子力安全庁がチェックをするということになっていますが、日常のチェックはどこでするんですかということですと、これはオフサイトセンターが日常業務をやっています。そのオフサイトセンターというのは、事故があったときにもそこで現場の本部が立ち上がるわけですけれども、現場の本部にならないという方法、方針を今度原子力安全委員会が出されました。先ほど言われたEPZが見直されて、五キロ圏内で事故が起こったらたちどころに立ち退きですから。したがってそこでチェックするどころか減災することもできません。そうしたすべてのことがないままに動かせますか。それはだれが一番よく知ってるでしょう。中部電力御自身です。ですから中部電力で働いている千人単位の人たちの安全を確保することは会社の義務です。その会社の安全性チェックというものは公表されねばなりません。そしてそれは国もチェックする、我々もまたそのチェックの結果を共有するということがなければ動かせないでしょう。一〇〇%安全であるものに対して、それをノーと言うことはできません。しかしそれは今ないということです。脱原発を言って、はいこれで終わりという、そういう姿勢では前に進まないということで、とりあえず今そこにある危機に対して、これからもっと起こるであろう危機も含めてですけれども、徹底的に一つ一つつぶしていくという態度をとることが大事だと思います。今それを我々はやっている。今度その顧問会議で提言しましたほぼすべての、県としてといいますか、私の提言は入り込みました。「浜岡原発」という固有名詞もそこに入ります。浜岡のオフサイトセンターというものも、全部で二十のオフサイトセンターがありますが、そこの固有名詞だけが入ります。なぜか。政府がそこが安全でないと言ったから、それを入れ込んでその安全をまず確保するということがないと、一般論として安全だと言ったところでそれはだれもわからないというようなことがございます。
     一つ一つ安全性をチェックするということを、先ほどいかに多くのたくさんのチェックするべきことがあるかを小林危機管理監のほうから御答弁申し上げましたけれども、どちらなんだと。安全性を徹底的にチェックするということが、私また中部電力の義務であり、そこに働いている人、その地域の住民の方、そしてそれにかかわっている県や、あるいはもし事故が起こった場合の被害をこうむるであろう方々に対する義務だというふうに考えているわけで、これはAかBかどっちか言えというふうな単細胞的な問題提起で解決できるような話ではないということです。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 松浦くらし・環境部長。
           (くらし・環境部長 松浦敏明君登壇)
    ○くらし・環境部長(松浦敏明君) 被災地の瓦れき受け入れについての再質問にお答えいたします。
     十一月二十二日に知事から細野環境大臣に要望書を手渡しまして、災害廃棄物の安全性については、明確な根拠を示してしっかり説明をしていただきたいと要望しましたところ、大臣からは、安全性について、国がすべての責任を負って対応する、市長や町長、必要があれば住民に対しても国がしっかり説明するとの確約をいただいたところでありますので、国が責任をとることになります。以上であります。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 池谷健康福祉部長。
           (健康福祉部長 池谷享士君登壇)
    ○健康福祉部長(池谷享士君) 二件お答えをいたします。
     最初に、児童相談所への警察官の配置についてでございます。
     緊急時の強制立ち入り等のような緊急時については、警察官の能力や知識は非常に大きな大変な力になっているものと考えますし、今もその協力体制をお願いをしているところであります。しかしながら議員御案内のとおり、児童相談所の年間を通じた通常の業務は、児童家庭に対する相談を受けたり、見守ったり、助言をしたりということでありますので、通常業務はやはり福祉職がよろしいのではないかと思います。いずれにしましてもこの現場で闘っているところにつきましては、現場の意見が何よりだと思いますので、じっくり職員のお話を聞いてまいりたいというように考えています。
     二つ目に、障害者の通所の施設ですが、我々も反省しなければなりませんが、静岡県では県全体として、発達障害を中心として障害者の通所施設がまだまだ足りません。先日も東部地域を中心に一生懸命やりたいと思いますということを私たちのほうから発信をさせていただきましたが、磐田市では、たしかNPO法人が二カ所デイサービスをやっていただいていると思いますし、磐田市自身が新たな計画をされているようなお話も聞いております。大変ありがたいと思っておりますし、意欲的で評価をしております。
     我々としては、意欲のある市町に対しては、いろんな形で御支援をしたいというふうに思っております。また現場にもぜひ行ってみたいと思っております。以上であります。
    ○副議長(鈴木洋佑君) 安倍教育長。
           (教育長 安倍 徹君登壇)
    ○教育長(安倍 徹君) 不祥事は今後本当になくなるのか、出てこないのかという御質問でございますけれども、私たちは、今後出てこないように万全を期して、今考えられる最善を尽くして、根絶に向けた対応を総力を挙げてやっていきたいという、その決意で御理解いただければというふうに思っております。
    ○副議長(鈴木洋佑君) これで、柏木健君の質問は終わりました。
     以上で、本日の質疑及び一般質問を終わります。
     次会の議事日程を申し上げます。十二月八日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
     本日はこれで散会します。

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