本会議会議録


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令和7年5月静岡県議会臨時会
知事提案説明
発言日: 05/19/2025
会派名:


○議長(竹内良訓君) 議事日程により、知事提出議案第九十一号を議題とし知事の説明を求めます。
 鈴木康友知事。
       (知事 鈴木康友君登壇)
○知事(鈴木康友君) ただいま提出をいたしました議案の概要を御説明申し上げますとともに、当面する県政の課題について所信並びに諸般の報告を申し述べます。
 初めに、米国の関税措置に対する対応についてであります。
 米国のトランプ大統領が発表した関税措置により我が国では先月三日から米国に輸出する自動車に二五%の関税が追加され、同五日からその他の全ての輸出品目で一〇%の一律関税が適用されました。また自動車部品への追加関税は工場を米国に移すまでの条件付の猶予となり、相互関税の取扱いは現在政府間で協議中ですが、こうした関税措置により日本経済の先行きに対する不透明感が増大しております。
 本県におきましては、製造業や農林水産業など幅広い業種で影響が懸念されておりますことから先月九日には中小企業や農林水産業者の経営、資金繰り等に関する米国追加関税措置対応相談窓口を速やかに設置するとともに、県内事業者への聞き取り調査を行いました。また先月二十五日には国や経済団体、金融機関等で構成する米国関税対策連絡会議を開催し、県内経済への影響について情報共有を図り資金繰り支援や適切な価格転嫁など今後必要な対策に向けた意見交換を行ったところです。
 県といたしましては、連絡会議や県議会各会派から頂いた御意見、御要望を踏まえ関係情報の分析と発信を継続するとともに、きめ細かな相談対応のほか国の対策に呼応し県制度融資による資金繰りや新たな事業展開への支援など事業者の皆様の不安の解消に向け迅速かつ機動的な支援を行ってまいります。
 次に、大阪・関西万博を契機とした本県の魅力発信についてであります。
 先月十三日に開幕した大阪・関西万博は、十月までの半年間の会期中に国内外から約二千八百万人の来場が見込まれております。この機会に本県が誇る美しい自然と豊かな農林水産物の魅力を広くPRするため、来月六日から八日までの三日間、私も出席をし万博会場内のギャラリーWESTにおいて県内全市町とともに自然や食をテーマとした出展を行ってまいります。
 具体的には、VR技術を活用した茶畑の空中散歩体験や人の脳波と表情からAIがお薦めのお茶を提案するサービスなどで地域資源と先端技術を融合させたコンテンツで静岡を体感していただくとともに、県内市町の特産品を活用した万博オリジナルメニューの試食、呈茶や観光PR等を展開してまいります。
 また、万博の開催に合わせて、プロ野球チームオリックス・バファローズの主催試合や大阪観光局主催の万博関連イベントなどでも市町や民間企業等と連携したPRを行い本県への観光誘客や県産品の販路拡大につなげてまいります。
 次に、お茶の振興についてであります。
 先月十八日静岡茶市場で新茶の初取引が行われ、過去十年間の平均取引価格と比べ高価格帯での取引となるなど良質なお茶の出来栄えとなりました。昨年は本県の荒茶生産量が鹿児島県に抜かれて初めて全国第二位となりましたが、今年は静岡の茶産業の力強い復活に向け生産と消費の両面から取組を強化いたします。
 まず、生産面では有機栽培茶や抹茶など輸出需要に応じた生産体制への転換を加速させるため基盤整備や改植への支援に積極的に取り組んでまいります。また消費面では静岡茶のブランド力の向上を図るため国際的なブランド戦略に精通した専門家をプロジェクトの総括ディレクターとして招聘し世界市場をターゲットとした具体的な戦略を策定いたします。
 さらに、今年はお茶の魅力を国内外に発信する第九回世界お茶まつりの開催年でございます。これまで平成十三年から三年に一度継続的に開催し、お茶の生産、流通、文化、効能など多彩な情報を国内外に発信することでお茶のファン拡大につなげてまいりました。春の祭典は二十一日までとなりますが十月の秋の祭典に向けさらなる機運の醸成に努めてまいります。
 国内外の消費者需要に対応した生産構造の転換と世界に通じる静岡茶ブランドの構築に茶業関係者や市町などオール静岡で一丸となって取り組み、本県茶産業のさらなる発展につなげてまいります。
 次に、リニア中央新幹線建設に伴う大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全についてであります。
 三月十一日の県の地質構造・水資源専門部会では、田代ダム取水抑制案や山梨県側からの先進坑の掘削等についてJR東海と対話を行いました。田代ダム取水抑制案では、JR東海から課題となっていた運用サイクルやオペレーションの説明があり、渇水期等に取水抑制が一定期間できない場合の対応において一定期間の考え方で確認すべき点があるものの取水抑制の実施が技術的に可能であることが確認をされました。山梨県側からの先進坑の掘削に関しても掘削中の湧水の管理値等について対話が行われ、JR東海が示した湧水の管理やモニタリングが確実に行われることで一定のリスク管理が可能であることが確認をされました。
 今回の対話により今後の主な対話項目二十八項目のうち対話完了が三項目増えて八項目となり、対話中が十八項目となりました。引き続きリニア中央新幹線の建設と大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全の両立を図るためJR東海とスピード感を持ちつつ丁寧な対話を進めてまいります。
 次に、議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第九十一号議案は、県議会議員のうちから選任いたしました監査委員、良知淳行氏及び阿部卓也氏の両氏から退職されたい旨の申出がありましたので、その後任として土屋源由氏及び木内満氏の両氏を選任することについて同意を求めるものであります。
 報告第八号から報告第十一号までは、損害賠償請求事件の和解等について専決処分いたしましたので御報告するものであります。
 以上、適切なる御議決をお願い申し上げ説明を終わります。

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