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本会議会議録

議会補足文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用




平成26年12月静岡県議会定例会
知事提案説明
発言日: 11/28/2014
会派名:


○議長(多家一彦君) 議事日程により、知事提出議案第百六十四号から第二百号までを一括して議題とします。知事の説明を求めます。
 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) ただいま提出いたしました議案の概要を御説明申し上げますとともに、当面する県政の課題について、所信並びに諸般の報告を申し述べます。
 初めに、先週二十二日に発生した長野県北部の地震により、白馬村を中心とした地域において家屋倒壊などの甚大なる被害が生じ多くの方々が被害に遭われました。被災された皆様に対しましてお見舞いを申し上げます。
 続いて、県政の概要について御説明申し上げます。
 初めに、富士山火山防災対策についてであります。
 本県、山梨県及び神奈川県では、去る十月十九日に、合わせて約三千九百人の参加を得て富士山火山三県合同防災訓練二〇一四を実施いたしました。その結果、住民への迅速な情報伝達や円滑な避難誘導を行うための改善点が明らかになりましたので、富士山火山広域避難計画の実効性を高める取り組みを関係機関とともに総力を挙げて進めてまいります。
 また、九月の御嶽山の噴火災害を教訓として富士山の噴火に備えた登山者等への情報伝達や安全確保のための体制整備を進めるため、調査経費を補正予算案に盛り込んだところであります。
 次に、地域防災力の強化についてであります。
 十一月は地域防災強化月間であり、「自らを守る力が地域を守る みんなで築こう確かな絆」をスローガンに掲げ、自主防災組織等において地震による建物、ブロック塀の倒壊や延焼火災、土砂崩れ、津波による浸水など地域に内在するさまざまな危険性について理解を深めるための災害図上訓練等が行われております。
 また、十二月七日の地域防災の日には、大規模な地震が突発的に発生したことを想定し地域防災強化月間の取り組みを生かした地域防災訓練を自主防災組織が主体となり実施いたします。訓練では、津波からの避難や初期消火、救出救助など地域住民だけでもできる災害対応のほか孤立予想地域の住民によるヘリコプターの誘導訓練等を行います。
 長野県北部の地震では、隣近所を初めとする地域の方々の力で、倒壊した家屋に残された住民の救出が行われている様子や発生後直ちに捜索活動に駆けつけた本県の警察広域緊急援助隊の活動が報道され、いたく誇りに思いました。あわせて常日ごろからの住民同士の連携や、警察や消防の初動体制の重要さを改めて実感したところでございます。
 地域防災訓練を通して、本県におきましても、みずからの命はみずから守る自助、みずからの地域は皆で守る共助の体制を築き、公助と連携した地域防災力の一層の充実に努めてまいります。
 次に、賀茂地域の危機管理体制の強化についてであります。
 昨年六月に公表した第四次地震被害想定において、賀茂地域では広範囲の市街地が津波浸水域となると見込まれています。
 賀茂地域における県の防災拠点である下田総合庁舎は、レベルツーの津波高では最大で約四メートルの浸水深が見込まれており、自家発電装置を初めとする設備の損壊や職員の参集が困難になりますことなどから防災拠点としての機能が著しく低下することが想定されます。このためこれまで庁舎機能維持の手法などについて、さまざまな検討をしてまいりました。
 このような折から、先日移動知事室で下田市を訪れた際に、楠山下田市長を初めとする下田市議会議長、また森県議ほか地元各界の皆様から、賀茂地域の危機管理体制の強化のため下田市敷根地区に総合庁舎を移転することが、賀茂地域の防災対策や下田市のまちづくりのために効果的であると御提案をいただいたところでございます。
 楠山市長には、下田総合庁舎の移転について検討を加速することをお約束いたしました。これまでの検討内容と、このたびの下田市からの提案及び地元の関係者の皆様の御意見などを熟考した上で、浸水域内にある下田総合庁舎を浸水域外へ移転するべきであると考えるに至りました。
 その際の移転先候補地としては、御提案をいただきました下田市スポーツセンター及び周囲の市有地を最有力候補として検討を進めることとし、まずは防災拠点機能として最も重要である防災通信無線の接続調査に必要な経費を補正予算案に盛り込んだところであります。
 賀茂地域の危機管理体制の強化を手始めに、管内市町同士のつながり、そして県と市町のつながりをより一層強固なものとし、伊豆は一つの具現化を図ってまいります。
 次に、内陸のフロンティアを拓く取り組みについてであります。
 内陸フロンティア推進区域につきましては、十月に九市町十三区域を第二次指定いたしました。新しく伊豆半島地域の市町も加わり、第一次指定と合わせて十七市町三十七区域が推進区域となり、内陸のフロンティアを拓く取り組みが県内各地で広がりを見せております。
 今回指定した区域では、伊東市における津波避難機能と観光交流機能等を備えた複合型魚市場の整備や、掛川市における地域住民等の交流の場となる森の防潮堤の整備など沿岸都市部のリノベーションのモデルとなる先進的な取り組みが進んでおります。
 また、沼津市におきましては、防災機能にすぐれ市民農園も備えた住宅団地の整備が計画されるなど新しいライフスタイルを創出する取り組みも具体化しつつあります。
 今後は、中部横断自動車道の開通を見据え山梨県等との連携を強化するとともに、防災先進県である本県の取り組みを県内外にPRすることで景観や環境に配慮しながら企業の誘致や定着を推進するなど美しく、強く、しなやかな地域づくりの実現に取り組んでまいります。
 次に、茶の都づくりの推進についてであります。
 昨年度末に策定いたしましたふじのくに茶の都しずおか構想の実現に向け、静岡文化芸術大学の熊倉功夫学長を会長とするふじのくに茶の都しずおか推進会議を本年七月に設置いたしました。
 この会議では、本県が茶の中心地である茶の都としての地位を確固たるものとするためには島田市お茶の郷を拠点として活用し、お茶の産業、文化、学術などに関する情報やお茶の持つさまざまな魅力を静岡から世界に向けて発信していくことが重要であると御意見をいただいたところであります。
 この御意見を踏まえ、島田市お茶の郷を有効活用するための計画策定や事前調査に要する経費について補正予算案に盛り込んだところであります。
 茶産業の振興を初め茶文化の継承と創造を目指すふじのくに茶の都しずおか構想の実現に向けた取り組みを進め、引き続き茶の都づくりを推進してまいります。
 次に、沼津駅周辺総合整備事業についてであります。
 沼津駅北口に総合コンベンション施設「プラサ ヴェルデ」がグランドオープンしてから四カ月余りが経過しましたが、周辺のにぎわいは定着しつつあり、南口でも四月に開業した複合商業施設が多くの人を集めております。このにぎわいを発展させていくためには、沼津駅周辺の市街地において南北一体となったまちづくりを進めていく必要があります。
 一方、沼津市原地区におきましては、南北地域間の連絡の利便性と防災機能とを向上させるため歩行者用の立体横断施設を先行して整備することとし、現在地元の方々との意見交換や関係機関との協議を進めております。
 さらに、今後の話し合いを深めるため地元の皆様の御意見を踏まえグリーンヴィレッジを柱とした桃源郷づくりを沼津市と協力して進めることとし、検討経費について補正予算案に盛り込んだところであります。
 新ターミナルは、平時には待避線として機能し有事の際には貨物取扱機能が発揮される施設であります。その整備につきましては、原地区が歴史を感じられる緑豊かな地域であり続けるよう地元の皆様の意見を踏まえて進めてまいります。
 次に、リニア中央新幹線の建設についてであります。
 去る十月十七日に、国土交通大臣は、全国新幹線鉄道整備法に基づき東海旅客鉄道株式会社が申請していた中央新幹線工事実施計画を認可しました。
 リニア中央新幹線は、東京と名古屋間を最短四十分で結ぶ新しい国土の大動脈として社会経済活動を支え、東海道新幹線との多重化による災害に強い国土の形成にも寄与いたします。また東海道新幹線「ひかり」と「こだま」の停車本数の増加や新駅設置などの可能性も生じることになります。本県の発展にとっては大きな効果がありますことから大いに期待するところであります。
 一方で、南アルプスの生態系への影響や大井川の流量の減少など環境への影響に対する懸念は、私のみならず多くの県民の皆様の共有するところであります。こうした中、今月四日に静岡県環境影響評価条例に基づき東海旅客鉄道株式会社から工事前、工事中及び工事完了後に行う調査の内容を示した事後調査計画書が県に提出されました。
 静岡県中央新幹線環境保全連絡会議の意見も踏まえた静岡県環境影響評価審査会の答申や静岡市長などの意見を勘案し、さまざまな影響について十分な調査が行われるのかを精査した上で、計画書についての私の意見を東海旅客鉄道株式会社に述べてまいります。
 次に、沼津港の新しいビジョンの策定についてであります。
 沼津港は、平成十二年に特定地域振興重要港湾に指定されたことを受け、県と沼津市が施設整備計画沼津港港湾振興ビジョンを策定し、航路水門「びゅうお」や水産複合施設イーノの整備など官民を挙げて港のにぎわいづくりを進めてまいりました。しかしながらビジョンが策定されて十年以上が経過し港を取り巻く情勢も大きく変化しておりますことから、今月二十六日に港湾の専門家や地元文化に精通された方で構成する有識者会議を設置し、新しいビジョンについての御提言をいただくことといたしました。
 来春を目途に策定する新しいビジョンにおきまして、千本松原、富士山などのすぐれた景観や文化人に愛された風土など場の力の活用と、民の力の導入による港湾機能と地域振興とが調和した沼津港の将来像をお示し申し上げ、沼津港が県東部及び伊豆地域の発展の核となることを目指してまいります。
 次に、台風十八号による豪雨災害への対応についてであります。
 去る十月六日、台風十八号に伴う豪雨は県内各地に大きな被害をもたらしました。被災された方々に対しまして改めてお見舞いを申し上げます。
 静岡市の巴川流域など浸水被害が発生した地域につきましては、現在被害の原因分析を進めており、今後は関係市町と連携し有効な治水対策を早急に実施してまいります。また河川や道路等の公共土木施設の被害につきましても早期の復旧に全力で取り組んでまいります。
 JR東海道本線の線路脇斜面が崩壊した由比―興津間につきましては、崩壊地周辺におきまして専門家等による現地調査を実施した結果、崩壊、地すべりにつながるような新しい変状等は確認されませんでした。しかし現地は急斜面であり過去にも崩落した痕跡なども見られましたことから、中長期的な対応について関係機関と調整してまいります。
 次に、産業成長戦略の推進についてであります。
 本県の景気は、個人消費や生産面など一部にやや弱めの動きが見られるものの基調としての底がたさを維持しており、引き続き緩やかな回復をしつつあります。
 雇用情勢につきましても有効求人倍率が本年一月以降一倍を上回って推移するなど緩やかに改善しております。
 直近の数字、すなわち総務省統計局が本日公表なさいました労働力調査の都道府県別結果、いわゆるモデル推計値によりますと、静岡県の平成二十六年七月から九月期の完全失業者数は五万四千人となり前回平成二十六年四月から六月期の五万九千人からさらに五千人減少するとともに、雇用悪化前、平成十九年の五万四千人を下回る水準に回復いたしました。ついに所期の目的を達成したわけでございます。
 こうした経済回復に向けた動きを確実なものとし次世代産業の創出を進めるため、本年三月に設置した静岡県産業成長戦略会議におきまして官民一体となった産業成長戦略の検討を進めております。
 会議で決定いたしました四つの戦略に沿って、企業の誘致及び定着を推進するための方策や企業を支える人材を確保するためのU・Iターン就職の促進、副知事を本部長とする産業成長のための規制緩和推進会議の設置など早期に取り組むべき施策について着実に実行してまいりました。
 また、今月十二日の会議におきまして、中小企業に加え中堅企業による成長が期待される産業分野への進出を促進するための官民連携による新しい支援体制の構築など地域企業の事業活動を活発化し、次世代産業の創出を加速するための産業成長戦略の素案を取りまとめたところであります。
 今後は、今回示された方向に沿って事業化を図るとともに、官民が一体となって取り組んでいくことにより本県産業の力強い再生と一層の活性化を図り、次世代産業の創出につなげてまいります。
 次に、世界文化遺産富士山についてであります。
 ユネスコ世界遺産委員会から平成二十八年二月一日までに提出が求められている保全状況報告書につきましては、今月二十六日に開催した富士山世界文化遺産学術委員会におきまして、保全状況報告書に必要となる資産の全体構想や来訪者管理戦略、情報提供戦略等々、各種戦略について御審議をいただきました。
 また、富士山保全に関する取り組みを関係者が一体となって進めていくための基本条例につきましては、県議会各会派の皆様からいただきました御提言を踏まえ次の二月の県議会定例会にお諮りしたいと考えております。
 三保松原の松林保全対策につきましては、今月四日の第三回三保松原の松林保全技術会議におきまして最新の知見による総合的な対策が検討されたところであります。
 具体的には、世界文化遺産富士山の構成資産にふさわしい健全で美しい松林を保全するために松林と人とのかかわりを再構築し、地域の方々と連携して松枯れ被害対策を実施することや自然の力を最大限に生かす対策を進めることなどの御意見をいただきました。
 今後は、技術会議からいただく御提言の内容を生かした総合的な松林保全対策を静岡市や地元の皆様の御協力をいただきながら迅速かつ確実に推進してまいります。
 次に、スポーツを活用した交流の促進についてであります。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックにつきましては、県内市町競技団体等で構成する東京オリンピック・パラリンピック推進会議におきまして暫定版の事前合宿候補地リストを取りまとめました。各候補地の強みや誘致方針などを整理し、市町や競技団体と協力して来年三月までには誘致戦略を策定いたします。さらにこれと並行して、各国大使館や海外プレス関係者などを県内合宿候補地に招聘するなど誘致活動を進めてまいります。
 また、ロンドンオリンピック・パラリンピックでのカルチュラル・オリンピアードの成功に倣い、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催期間中に全国で文化的なイベントを開催することにより、大会を盛り上げつつ観戦客など世界各国から訪れた皆様をおもてなしすることを十月三十一日の中部圏知事会議と今月七日の全国知事会議において私のほうから御提案いたしました。
 まずは本県が率先して仕組みづくりに着手することといたしまして、県内の地域資源やロンドンオリンピック・パラリンピックにおける成功事例の調査に要する経費を補正予算案に盛り込んだところであります。
 芸術文化を初め食、祭り、伝統芸能等の多様で魅力的な静岡県の文化を体験できるプログラムを構築し、来訪者の皆様が満足を得られるよう受け入れ体制の充実を図ってまいります。
 ラグビーワールドカップ二〇一九につきましては、去る十月二十二日にエコパスタジアムを試合会場候補とする開催希望申請書をラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会に提出いたしました。県議会におかれましては、九月県議会定例会で「ラグビーワールドカップ二〇一九の静岡県招致に関する決議」を御採択いただきましたことに感謝申し上げます。来年三月に開催都市に選定されるよう、市町や関係機関と協力しながらラグビーの魅力をアピールし開催機運の盛り上げに努めてまいります。
 富士山女子駅伝につきましては、昨年に続き十二月二十三日の天皇誕生日に富士市及び富士宮市において開催されます。当日は、全国放送されるテレビ映像を通じて雪化粧した世界遺産富士山や多彩な食など本県の魅力を全国へ発信するとともに、地元市町と連携して本大会が年末の風物詩として定着するよう大会運営に万全を期してまいります。
 次に、富士山静岡空港についてであります。
 富士山静岡空港の十月の利用者数は約四万七千人、搭乗率は六七・六%でありました。このうち国内線につきましては利用者数は約二万八千人、搭乗率が六六・五%となりました。十月末からの冬ダイヤではフジドリームエアラインズの鹿児島線が毎日運航となったほか、全日本空輸の札幌線、沖縄線では引き続き大型化された機材により運航されております。
 国際線につきましては、利用者数は約一万九千人、搭乗率は六九・二%となっております。ソウル線が国際情勢の影響等により十二月一日から週三便に減便となる一方、中国路線におきましては訪日需要の高まりを受けまして中国東方航空が運航している上海―武漢線が冬ダイヤとしては開港以来初めて週四便運航しているほか、天津航空が連続チャーター便を運航している天津―静岡線も高い搭乗率を維持しております。
 また、今月十九日に静岡県・浙江省経済交流促進機構の両県省代表が私の立ち会いのもと、富士山静岡空港と杭州蕭山国際空港定期便就航促進に関する意向書を取り交わしました。この定期便は三十二年間にわたる両県省の友好交流に弾みをつけるものであり、早期に実現できるよう努めてまいります。
 こうした中、来年の夏ダイヤでの増便や新規路線開設を実現するためには、それに先立つ冬季の需要確保が極めて重要でありますことから、路線の充実に向けた海外定期便等の利用促進に要する経費を補正予算案に盛り込んだところであります。路線ごとの状況に応じた誘客、送客の施策をきめ細やかに行うことにより一層の利用拡大に取り組んでまいります。
 また、富士山静岡空港の二次交通の改善を図るため本年三月に富士山静岡空港二次交通検討会議を設置し議論を重ねていただきましたが、今月五日に改善の方向性について御提言をいただいたところであります。
 提言において指摘されている、富士山静岡空港への公共アクセスが十分でない県西部地域については速やかに対応することとし、乗り合いタクシー運行の社会実験を来年三月から実施するための経費を補正予算案に盛り込んだところであります。
 今後も、富士山静岡空港を利用される方々の利便性の向上に向けて積極的に取り組んでまいります。
 次に、和の食文化の推進についてであります。
 十一月二十四日から本日二十八日までを開催期間とするふじのくに食の仕事人フェスティバルでは、仕事人により県産食材の魅力が発信され本県の食の豊かさを改めて実感したとの声をいただいております。また十二月六日、七日にはユネスコ無形文化遺産となった和食の登録一周年を記念いたしまして、沼津市の「プラサ ヴェルデ」におきましてふじのくに和の食文化の祭典を開催いたします。
 祭典では、本年六月に設置した和の食文化を活かした食の都づくり推進有識者会議の御意見等を踏まえ、静岡の伝統食や行事食など和の食文化を紹介する展示や、親子で楽しみ学べる食育体験コーナーを設けるほか、静岡文化芸術大学の熊倉功夫学長などをお迎えし、ふじのくにの和の食文化の継承をテーマとするシンポジウムを開催いたします。
 あわせまして、本県のすし職人の知識や技術をアジア地域の各国の調理師に伝授するふじのくに和の食国際アカデミーを同時開催するなど、本県の豊かな農林水産物を生かし和の食文化の魅力を国内外へ情報発信してまいります。
 次に、県産品の輸出促進についてであります。
 県産品の海外販路開拓を支援するため、去る十月十五日から十七日にかけて台湾及び中国上海市の食品輸入商社を本県にお招きし県内事業者との商談会を実施いたしました。この結果、今月から台北市内におきまして本県産のわせミカンの販売が始まり、また来年二月には上海市内を中心に農林水産物の加工品を販売する予定となっております。引き続き香港での春節用の贈答需要の獲得を目指し、イチゴ「紅ほっぺ」の輸出などに取り組んでまいります。
 さらに、シンガポールで運営されているインターネット通信販売サイト上に静岡県の販売コーナーを設置いたしまして県内企業の出店を促すほか、年末に富士山静岡空港を出発するハワイチャーター便のカーゴスペースを活用して県産品を輸送し現地で販売してまいります。
 これらの取り組みにより、引き続き海外への県産品の魅力発信に積極的に取り組んでまいるものであります。
 次に、地域外交についてであります。
 友好協定締結三周年を迎えましたモンゴルにつきましては、ドルノゴビ県からガンホヤグ知事を団長とする二十八名の訪問団と中学生二十名を迎え十月三十日に記念式典を開催いたしました。
 大道芸ワールドカップの会場で中学生による舞踊が披露されたほか、十月四日には伊豆の国市でモンゴル民族歌舞団による公演と馬頭琴の贈呈が行われ、また今月には県立美術館でモンゴル人画家による富士山絵画展も開催されるなどモンゴルとの交流が深まっております。今後も教育、文化を初め幅広い交流の拡大を図ってまいります。
 駐在員事務所開設一周年を迎えた台湾につきましては、現地で注目度の高い台北マラソン大会に合わせ十二月十九日から大須賀副知事を団長とする訪問団を派遣いたします。県内市町と連携し本県の魅力や県内で開催しているマラソン大会を紹介するほか、台北マラソン及び静岡マラソンの主催者が友好交流協定を締結しスポーツを通じた交流人口の拡大を図ってまいります。
 来年国交正常化五十周年を迎える韓国につきましては、一月に静岡県及び山梨県とそれぞれが友好提携を結んでいる忠清南道及び忠清北道の四県道が一堂に会するサミットを山梨県内で開催する予定であります。青少年交流やスポーツ交流などを通して今後の日韓両国の地域間交流の拡大に資するよう、四県道による連携強化を図ってまいります。
 次に、危険ドラッグ対策についてであります。
 危険ドラッグによる死者数や摘発件数は増加の一途であり、大変憂慮すべき状況が依然として続いております。
 本県では、これまでも若者を対象とした薬学講座などを開催し危険ドラッグの恐ろしさを啓発するとともに、店舗に対する立入検査や買い上げ検査を強化するなど危険ドラッグの撲滅に努めてまいりました。
 危険ドラッグの販売、流通の規制を一層強化するため、知事指定薬物の指定や警察職員への立入権限の付与などに本県独自の取り組みである運輸業者の責務や営業禁止区域の設定などを加えた条例を、今議会にお諮りしているところであります。
 条例の制定により、県民の安全・安心を守っていく体制を強化して県警察本部や関係する団体と連携し全県一丸となって危険ドラッグの撲滅に取り組んでまいります。
 次に、医療と介護の総合的な提供体制の推進についてであります。
 団塊の世代が後期高齢者となる二〇二五年には、国民の三人に一人が六十五歳以上、五人に一人が七十五歳以上となり医療や介護を必要とする人が今後ますます増加することが見込まれます。
 誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられるようにするには、地域包括ケアシステムの構築など医療と介護のサービスが総合的に提供できる体制を構築していくことが喫緊の課題であります。
 このたび、本年四月からの消費税増収分等を財源とし医療・介護サービスの提供体制の改革を推進する新たな財政支援制度が創設されることになりました。この制度を活用し地域医療介護総合確保基金を新たに設け事業を実施するため、基金設置条例と補正予算案を今議会にお諮りしているところであります。
 市町や医師会など関係団体と連携し、地域における医療提供体制の構築を初め在宅医療の推進や医療従事者の確保、養成に取り組み、誰もが住みなれた地域で医療や介護などの必要なサービスを利用できる安心の健康福祉を実現してまいります。
 次に、平成二十七年度当初予算の編成についてであります。
 平成二十七年度は、総合計画後期アクションプランの折り返し点を迎え大規模地震への万全な備え、内陸のフロンティアを拓く取り組み、人口減少社会への挑戦、新成長産業の育成と雇用創造等々の重点取り組みに総力を挙げて取り組み、計画で定めた目標の早期達成に向け常に前倒しの気概を持って取り組む決意であります。
 一方で、ふじのくにづくりを進めていくには基盤となる財政の健全性を堅持することが不可欠であり、県債残高の抑制や財政の持続可能性を補完する基金の確保に努めていくことが必要であります。
 このため、総合計画後期アクションプランの重点取り組みについて積極的な事業展開を図りつつ、PDCAサイクルを活用した事業の見直しを徹底して行うなどめり張りのある予算を編成し、富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの総仕上げに向け総力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、議案のうち主な案件につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第百六十四号議案は、平成二十六年度一般会計補正予算であります。
 医療・介護サービスの提供体制を拡充するための基金への積み立て及び関連事業の実施の経費、富士山静岡空港の利便性向上及び利用促進のための経費、給与改定に要する経費など九十億四千八百万円の補正を行うほか、債務負担行為の追加及び災害等に関する繰越明許費の補正であります。
 第百六十五号議案から第百七十一号議案までは、特別会計及び企業会計予算につきまして給与改定に要する経費の補正を行うものであります。
 第百七十二号議案から第百七十四号議案までは、職員等の給与改定を行うための条例の改正であります。
 第百七十六号議案は、地域における医療及び介護の総合的な確保のための事業に要する経費に充てるための基金創設に伴う条例の制定であります。
 第百七十七号議案は、原子力安全対策等の財政需要に対応するため、核燃料税を引き続き五年間賦課徴収するための条例の制定であります。
 第百七十八号議案は、静岡県草薙総合運動場の新体育館の整備に伴う使用料の改定のための条例の改正であります。
 第百八十号議案は、危険ドラッグ等の薬物の乱用を防止するための条例の制定であります。
 第百八十二号議案は、犯罪被害者等の権利利益の保護及び犯罪被害者等を支える地域社会の形成を促進するための条例の制定であります。
 第百八十三号議案及び第百八十四号議案は、県が行う都市計画事業、土地改良事業等に対する市町の負担額の変更について、第百八十五号議案から第百八十八号議案までは、建築工事等の契約について、第百八十九号議案及び第百九十号議案は、県道路線の認定及び廃止について、第百九十一号議案から第百九十六号議案までは、指定管理者の指定について、第百九十九号議案は、平成二十七年度の宝くじの発売限度額について、それぞれお諮りするものであります。
 第二百号議案は、静岡県収用委員会委員及び予備委員の任命について同意を求めるものであります。
 以上で私の説明を終わりますが、適切なる御議決をお願いする次第であります。
○議長(多家一彦君) 以上で説明は終わりました。

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ファックス番号:054-221-3179

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