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本会議会議録

議会補足文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用




平成30年9月静岡県議会定例会
知事提案説明
発言日: 09/18/2018
会派名:


○議長(渥美泰一君) 議事日程により、知事提出議案第百十四号から第百三十三号まで及び平成二十九年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題とし、知事の説明を求めます。
 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) ただいま提出いたしました議案の概要を御説明申し上げますとともに、当面する県政の課題について所信並びに諸般の報告を申し述べます。
 初めに、今月四日に上陸した台風二十一号や六日に最大震度七を観測した平成三十年北海道胆振東部地震により多くの方々が被害に遭われました。犠牲になられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に対しまして衷心よりお見舞いを申し上げます。
 ここで、障害者雇用率算定に関する不適切な事務処理により県民の皆様の信頼を損なう結果となりましたことを深くおわび申し上げます。障害者の就労促進について範を示す立場にありながら、このような事態を招いたことにつきまして大変深刻に受けとめております。今後は厚生労働省のガイドラインに基づき適切な事務処理を徹底するとともに、法定雇用率の達成に向け障害者の雇用に全力で取り組んでまいります。
 続いて、県政の概要について御報告申し上げます。
 初めに、命を守る安全な地域づくりについてであります。
 本年は、六月の大阪府北部地震を初め七月の西日本を中心とした記録的な豪雨など、全国的に大きな災害が相次いで発生いたしました。これらの災害を教訓として県民の皆様とともに本県の防災対策を万全なものにしてまいります。
 大阪府北部地震で課題となったブロック塀の安全対策につきましては、全ての県有施設と県立学校を対象として目視による緊急点検を実施いたしました。その結果四十六の県有施設と三十四の県立学校において法不適合やふぐあいが判明したため、道路などに面しているブロック塀につきましては直ちに撤去等の緊急対策を実施いたしました。今後は撤去後の機能復旧や目視では判断できない構造上の安全性の確認などを進めてまいります。また住宅等のブロック塀につきましては、具体的な点検方法を記載したパンフレットの配布や戸別訪問などにより自主点検や危険なブロック塀の撤去、改善を促しております。八月末時点のブロック塀の撤去、改善に対する助成制度の申請件数は、前年の約四・五倍となる五百三十九件となり今後も増加が見込まれますことから、助成経費の増額を補正予算案に盛り込んだところであります。
 広い範囲で記録的な大雨となった平成三十年七月豪雨につきましては、河川の氾濫や土砂災害などにより死者二百二十人を超える被害が発生し、平成最悪の水害となりました。本県では国や全国知事会の要請に基づき、広島県呉市に対して災害マネジメント総括支援員三人を初め避難所の運営や住家被害認定業務等を支援する職員二十八人、被災者の健康相談を行う保健師十三人を派遣するなど積極的に被災地の支援を行ってまいりました。
 今回の豪雨災害では、記録的な大雨により堤防が決壊し河川が大量の土砂を伴って氾濫するとともに、避難指示が住民の行動に結びつかず人的被害が拡大いたしました。この災害から得られた教訓を踏まえ、河床の掘削や砂防堰堤の堆積土砂の除去、ため池の補強工事などのハード対策に加え、市町が作成するハザードマップの基礎となる洪水浸水想定区域図の作成や避難行動を促す防災アプリの開発など住民避難の実効性向上につながるソフト対策を実施することとし、必要な経費を補正予算案に盛り込みました。
 今後、有識者や国、県、市町、住民の代表者などで構成する住民避難実効性向上検討委員会を設置し、住民が情報を正しく理解し避難行動に確実につなげるための対策を検討するとともに市町や気象台等の関係機関との連携を一層強化し、災害による犠牲者ゼロを目指してまいります。
 本年度の総合防災訓練につきましては、先月三十日から今月五日までの防災週間を中心に県内全市町で実施いたしました。今月二日には静岡市をメーン会場として県総合防災訓練を実施いたしました。当日は荒天のため屋内を中心とした訓練となりましたが警察、消防、自衛隊、医療機関などの御協力を得て要配慮者の搬送や救援物資の受け入れ、災害ボランティア本部の運営などの訓練を実施し関係機関や自主防災組織との連携を確認いたしました。
 今後も、十二月の地域防災訓練、来年一月の大規模図上訓練、三月の津波避難訓練などの実践的な訓練を積み重ね、地域防災力の向上や災害対策本部の機能強化を図ってまいります。
 次に、受動喫煙防止対策の強化についてであります。
 本県の健康寿命は全国トップクラスを維持しておりますが、健康寿命のさらなる延伸のためには健康への影響が確認されているたばこの対策が急務であります。中でも県民の皆様の健康を守るため望まない受動喫煙をなくすことは喫緊の課題であり、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを控え本県を訪れる方々へのおもてなしにもつながるものであります。
 このため、県民の皆様を初め企業、関係団体などオール静岡で受動喫煙のない社会の実現を目指す静岡県受動喫煙防止条例を制定することとし、本議会に条例案をお諮りしているところであります。この条例案では健康増進法の規制に加えて学校などの敷地内を禁煙にするほか、全国に先駆けて全ての飲食店において禁煙、分煙、喫煙可いずれかの標識の掲示を義務づけることといたしました。条例の制定を契機として健康経営の視点を取り入れた県民総がかりの受動喫煙防止対策を進め、県民の皆様の健やかで心豊かな生活を実現してまいります。
 次に、障害のある方の文化芸術の振興についてであります。
 あす十九日に、障害のある方の音楽や絵画などさまざまな活動の支援拠点となる静岡県障害者文化芸術活動支援センターを静岡市内に開設いたします。センターでは障害のあるアーティストの発掘、育成を初め創作活動を支援する人材の育成、芸術作品の発表の場の創出など障害のある方の文化芸術活動を幅広く支援してまいります。
 また、芸術を通じて障害のある方の社会参加と障害福祉に対する県民の理解を促進する静岡県障害者芸術祭につきましてはことしで二十周年を迎えます。来月六日グランシップで開催するシンボルイベントでは、太鼓の演奏や障害のある著名な書家である金澤翔子氏による揮毫パフォーマンスなどを行います。さらに「プラサ ヴェルデ」等の会場で県内で活躍する障害のある方の芸術作品を展示するなど、県内各地でさまざまな芸術作品や演奏等に触れる機会を積極的に提供してまいります。
 今後も、障害の有無によって分け隔てられない共生社会を実現するため障害のある方の幅広い文化芸術活動を促進し、県民の理解を深めてまいります。
 次に、ICT利活用の促進と人材の確保・育成についてであります。
 第四次産業革命とも呼ばれるAI、IoTなどの技術革新は、飛躍的な利便性の向上や付加価値の創造、人々の働き方など社会構造の変革をもたらしております。本県の中小企業にとってAI、IoTなどの最新技術の活用は、新たな製品開発を初め生産コストの低減による生産性の向上や深刻な人手不足の解消につながる喫緊の課題であります。このため工業技術研究所を技術支援拠点としてIoT技術を体験できる機器を活用したセミナーや相談会を開催するなど、製造現場へのIoT技術や設備の導入を促進してまいります。
 ICT人材の確保・育成につきましては、子供から企業が求める人材まで各層にわたる総合的な施策を展開してまいります。具体的には学識者、産業界、教育界など各界各層の代表者で構成するふじのくにICT人材育成協議会を設置し、県内企業におけるICT人材の確保や将来の本県産業を担うICTに秀でた子供たちの育成に向けた戦略や施策を進めてまいります。
 また、農業分野においてAI――これはAgri―InfoScienceの略でございますが――いわゆる農業情報科学を活用した学習支援システムを県内の農業高校に導入することとし、農業実習の教材として活用するなどさまざまな分野で次代を担うICT人材の育成に取り組んでまいります。
 次に、農林水産業の競争力の強化についてであります。
 開所から一年が経過したAOI―PARCにつきましては、農業の飛躍的な生産性向上と農業を軸とした関連産業のビジネス展開を促進するAOIプロジェクトを推進するため、イノベーションの源泉たる知の集積を進め世界が認める革新的な技術開発に取り組んでおります。これまでに機能性の高い野菜の種苗開発や素材価値を生かした加工技術開発など十二件の取り組みが開始されました。今後は海外のニーズに合わせた種苗や環境制御機能を備えた栽培システムの開発など、民間事業者の海外展開につきましても積極的に支援してまいります。
 国内外で消費者ニーズが大きく変化しているお茶につきましては、本年産の一番茶の価格が低迷する中で需要が拡大しているドリンク茶や輸出が増加している抹茶の生産を拡大するなど、茶産地における構造改革の取り組みを促進する必要があります。このため高品質で低コスト生産を可能とする製造機械の導入支援や茶園の基盤整備を前倒しで推進し、マーケットインの考え方に基づく市場を見据えた生産体制を構築いたします。
 次に、花の都しずおかづくりについてであります。
 来年は、平成十六年に開催した浜名湖花博から十五年目の節目の年となります。このため来年四月から六月に実施される静岡デスティネーションキャンペーンに合わせまして、はままつフラワーパーク、浜名湖ガーデンパークを核として花のリレーを楽しむ「〜浜名湖花博十五年目の春〜浜名湖花フェスタ二〇一九」を開催いたします。会場の一つとなる浜名湖ガーデンパークにおきましては、庭園の植栽強化やワークショップによる県民参加の花壇づくりを実施するなど開催に向けて展示内容を充実いたします。また浜名湖花フェスタ二〇一九を含めた旅行商品の造成を促進し、環浜名湖地域が一体となって観光誘客につなげてまいります。
 浜名湖花博十五年目の春を契機として、暮らしのさまざまな場面で花と緑があふれる花の都しずおかづくりを加速してまいります。
 次に、太陽光発電施設の適切な導入の促進についてであります。
 森林伐採を伴う太陽光発電施設の設置により、自然環境や景観の保全、災害への影響が懸念されておりますことから、県では環境アセスメントの適用範囲の拡大やガイドラインの作成など太陽光発電施設の適正な導入に向けた取り組みを進めております。
 環境アセスメントにつきましては、パブリックコメントや静岡県環境影響評価審査会の答申を踏まえ、先月三十一日に実施する対象に森林を伐採する区域を追加するなどの改正を行い、来年三月一日から施行することといたしました。適正導入ガイドラインにつきましては各市町が地域の特性を踏まえ、より効果的な指導を行うため本年十一月までに県と市町による検討会においてモデルとなるガイドラインを作成いたします。
 これらの取り組みを通じまして、本県の豊かな自然や生活環境、美しい景観の保全を図りながら太陽光発電施設の適正な導入を促進してまいります。
 次に、リニア中央新幹線建設に伴う大井川水系の水資源等の保全についてであります。
 リニア中央新幹線トンネル工事に伴う南アルプスの自然環境や大井川水系の水資源に及ぼす影響などを科学的な知見に基づいて明らかにするため、南アルプス自然環境有識者会議を設置し先月八日第一回会合を開催いたしました。また大井川水系の水資源の確保や水質の保全等について利水者十一団体、大井川流域八市二町、県が一体となって対応する大井川利水関係協議会を先月二日に設立いたしました。
 今後、有識者会議の科学的な知見に基づく検討内容を大井川利水関係協議会の皆様と共有するとともに、対応方針等について御意見を伺いながら東海旅客鉄道株式会社に対してトンネル湧水の全量を大井川水系に戻すことはもとより、トンネル工事に伴う自然環境への影響の回避などにも万全を期すよう強く求めてまいります。
 次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックについてであります。
 去る七月十八日、国際オリンピック委員会は大会競技日程の大枠を承認いたしました。本県で開催される自転車競技につきましては、富士スピードウェイがゴールとなるロードレースが七月二十五日、二十六日、二十九日の三日間、伊豆市内で開催されるマウンテンバイクが七月二十七日、二十八日の二日間、トラック競技が八月三日から九日の七日間となりました。競技の開催日が決定いたしましたことから今後、県、組織委員会、市町、関係団体が一丸となって大会本番に向けた準備を加速してまいります。
 大会を契機としたサイクルスポーツの聖地の実現に向けたレガシーの創出につきましては、これまで県、施設所有者、競技団体、組織委員会、地元市町などで構成するレガシー検討委員会において議論を重ねてまいりました。その中で競技会場となる日本サイクルスポーツセンターを聖地実現に向けた中核施設として位置づけ、県民の皆様が自転車競技に親しみ、学び、体験することができる場とすることといたしました。競技が実施される同センターのマウンテンバイクコースのうち、大会後幅広く県民の皆様の利用に資するコース等の整備に係る費用を負担することとし、本議会に債務負担行為の設定をお諮りしているところであります。
 次に、ラグビーワールドカップ二〇一九についてであります。
 今月二十日で、大会の開幕までいよいよあと一年となります。来る十一月三日にはエコパアリーナにおいて、ラグビー日本代表戦のパブリックビューイングなどラグビーを知り親しむ機会となる開催一年前イベントを実施いたします。また明日からはチケットの一般抽選販売も始まります。大会本番のエコパスタジアムが大勢の観客で埋め尽くされるよう、全県を挙げて大会の機運を盛り上げてまいります。
 大会公式ボランティア「TEAM NO―SIDE」につきましては、四月二十三日から七月十八日までの応募期間中に全国で大会史上最高となる三万八千人余り、本県におきましても募集予定人数を上回る応募をいただきましたことに心から感謝を申し上げます。ボランティアの皆様には大会を支える仲間として御活躍いただくことを期待しております。
 大会の熱気と感動を共有し国内外から訪れるラグビーファンと市民との交流の場となるイベントスペース、ファンゾーンにつきましては静岡市の駿府城公園と浜松市のソラモ及びえんてつホールの二カ所に決定いたしました。今後静岡市や浜松市と連携し、ファンゾーン準備委員会におきまして国内外のラグビーファンに本県の魅力を発信し、より多くの人が世界最高峰のラグビーの祭典を楽しむことができるよう実施内容を決定してまいります。
 次に、全国高等学校総合体育大会についてであります。
 七月二十六日から先月二十日にかけて、本県を含む東海地域の四県を会場として高校生最大のスポーツの祭典二〇一八彩る感動高校総体が開催されました。本県で実施された競技では、自転車競技におきまして星陵高校の長田龍拳さんが男子スプリントで優勝、同校がチームスプリントで準優勝、新体操女子団体では城南静岡高校が準優勝、同校の海野晴子さんが個人三位、相撲では飛龍高校が三位、同校の鈴木優斗さんが個人三位、女子サッカーでは藤枝順心高校が三位となるなど地元の大きな声援に応え本県の選手がすばらしい成績を上げました。大会に出場した選手の健闘をたたえるとともに、例年にない猛暑の中、大会の運営を支えるため県内約三千三百人の高校生が協力していただきましたことに感謝申し上げます。
 高校総体を契機として高まったスポーツに対する県民の熱気を、ラグビーワールドカップ二〇一九や東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックにつなげてまいります。
 次に、遠州灘海浜公園篠原地区の新球場構想についてであります。
 先月二十八日に、浜松市議会議長及び浜松市長から当地区への野球場整備を求める要望書をいただきました。浜松市民の代表である浜松市議会が二年余りにわたる議論を重ねて得た結論であり、浜松市の強い思いを受けとめました。この新球場につきましては県西部地域の広域的な利用にも資する施設であるため、現在県西部地域の首長などから構想について御意見を伺っているところであります。
 関係の皆様の御意見を幅広く伺いながら、新球場が有事には津波からの避難場所となり、平時にはにぎわいを創出するスポーツの拠点となるよう取り組んでまいります。
 次に、文化力の拠点の形成についてであります。
 東静岡駅南口県有地に整備する文化力の拠点につきましては、全館移転する県立中央図書館の機能を中心として本県の高い文化力を発信し、多くの県民の皆様が学び、にぎわいや交流による新たな文化を創造する場を目指し、現在導入する機能や規模などの具体的な検討を進めております。拠点の形成に当たりましては、東静岡駅からグランシップに至るエリア全体の一体性を確保しつつ魅力ある機能を持たせることにより、民間事業者の積極的な事業参画を促進することが重要であります。このため東静岡駅南口エリアの空間デザインを作成する経費を補正予算案に盛り込み、本議会にお諮りしているところであります。
 また今月四日、グランシップを拠点として活動してきた交響楽団シンフォニエッタ静岡が本年度末を最後に県内の定期公演を撤退すると発表され、音楽活動を行うための環境が十分に整っていない現状も浮かび上がってまいりました。こうしたことへの対応も含め本県の文化力を高めていくための取り組みを一層強化してまいります。
 次に、世界遺産富士山についてであります。
 今月十日をもちまして本年の夏山期間が終了いたしました。本年の富士山保全協力金につきましては、過去最高となる五千六百万円余りの御協力をいただきました。多くの方々から御協力を賜りましたことに深く感謝申し上げます。いただきました協力金は富士山の環境保全や登山者の安全対策などを一層充実するために活用してまいります。
 初めての夏を迎えた富士山世界遺産センターにつきましては、夏休み期間中多くの方々に御来館いただき、昨年十二月の開館から本年八月末までの来館者数は八カ月余りで年間目標の三十万人を上回る三十八万九百五十九人となりました。今月二十二日からは狩野派の画家を初め、谷文晁や飾北斎など江戸時代の画家が描いた富士山絵画の名品を集めた本格的な美術展覧会、富士山絵画の正統を開催いたします。
 今後も、富士山を守る、伝える、交わる、きわめる拠点として富士山の魅力を発信し、来館者の一層の増加に取り組んでまいります。
 富士山を詠んだ短歌を編さんした富士山万葉集につきましては、全国から応募のあった自作の短歌二万一千五百十九首の中から二千首を選定し一巻当たり百首、全二十巻として完成いたしました。先月二日に選考委員長をお務めいただいた国文学者の中西進氏を初め、選考委員であり歌壇を代表する馬場あき子氏、佐佐木幸綱氏、田中章義氏をお迎えし富士山万葉集の完成を記念したシンポジウムを開催いたしました。このシンポジウムを通じて、万葉の時代から現代まで日本人の心を動かし芸術の源泉となってきた富士山の価値を再認識したところであります。
 富士山は、日本人の心のふるさとであり人類共有の財産であります。未来に受け継ぐべき世界の宝として認められた富士山を適切に保存管理しその顕著な普遍的価値を後世に継承してまいります。
 次に、日本平山頂シンボル施設についてであります。
 静岡市の展望回廊と一体的に整備を進めております日本平山頂シンボル施設を本年十一月三日に開館いたします。開館前日の十一月二日には静岡市と共同で記念式典を開催し、世界一美しい駿河湾越しに富士山の眺望を望みながら県民の皆様とともに開館をことほぎたいと思っております。
 また、多くの皆様から親しまれる施設となるよう愛称を募集したところ、県内外から千七百件を超える応募をいただきました。この中から県と静岡市が協力して選考した結果、愛称を日本平夢テラスと決定いたしました。国内外から多くの皆様に御来館いただけるよう施設の魅力を積極的に発信するとともに、静岡市と連携し開館に向けた準備を着実に進めてまいります。
 次に、駿河湾フェリーへの対応についてであります。
 フェリー事業の撤退が公表されて以来、環駿河湾観光交流活性化協議会の三市三町を初め観光協会、美しい伊豆創造センターなど大変多くの皆様から事業存続の強い要望が寄せられております。現在こうした皆様と連携し、フェリー航路の魅力発信やフェリーを活用した環駿河湾地域の周遊促進などさまざまな利用促進の取り組みを展開しております。これらの取り組みに加えまして、伊豆半島ユネスコ世界ジオパークやサイクリングを組み合わせた魅力発信などの新たな利用促進策を実施するため、必要となる経費を補正予算案に盛り込み本議会にお諮りしているところであります。
 先月十五日には、鈴与グループから多くの皆様の運航継続への熱い思いをお酌み取りいただき、フェリーや係留施設を公的機関に無償で寄附していただけるという大変ありがたい申し出をいただきました。この申し出を踏まえ駿河湾フェリープロジェクトチーム会議における検討や関係者との調整を進めてまいりましたが、このたび県と三市三町は重要な社会インフラである駿河湾フェリーの継続的な運航に協力して取り組むことで合意いたしました。
 今後、当面の間の実運航を行っていただくよう専門事業者との交渉を進めるとともに県と三市三町、関係団体等が連携して利用促進等に取り組み、地域が一丸となって運航を支える枠組みにより来年四月以降の運航を継続してまいります。
 次に、地域外交についてであります。
 モンゴルにつきましては、七月二十七日から八月一日にかけて県議会団や経済団、高校生交流団など総勢百六十人で訪問いたしました。ウランバートルではバトトルガ大統領やモンゴル政府の閣僚と親しく会談いたしました。大統領からはこれまでの本県とモンゴルとのスピード感のある交流の進展に対する高い評価と今後の交流拡大に対する強い期待をいただきました。また経済や教育等の各分野の協力に関する覚書を調印しているバトゾリグ食糧・農牧・軽工業大臣やツォグゾルマー教育・文化・科学・スポーツ大臣からは覚書を継続したいとの申し出をいただくなど、これまでの交流の成果を再確認するとともにモンゴルとの強固な信頼関係を実感いたしました。
 さらに、さきの大戦で異国の地で倒れ、望郷の念を抱きつつ帰らぬ人となった方々をしのぶ日本人死亡者慰霊碑を訪問して哀悼の誠と敬意を表しました。今後ともモンゴルとの信頼関係に基づく交流を深め、幅広い分野で交流の拡大を図ってまいります。
 中国につきましては、先月二十六日から二十八日にかけて袁家軍省長を団長とする浙江省代表団が本県を訪問いたしました。袁省長の来静は初めてですが、お会いするのは昨年十一月に両県省友好提携三十五周年記念のために訪浙して以来となりました。対談では友好提携四十周年に向けて両県省が産業、観光、青少年交流の活性化や研修員の相互派遣の強化などに取り組んでいくことで一致いたしました。また袁省長からは浙江省のメディアを使い、浙江省の方々に向けて本県の魅力をより広く紹介する御提案をいただきました。富士山静岡空港と浙江省を結ぶ直行便のさらなる利活用による交流の深化を期待しております。
 三日間の短い滞在期間でありましたが、今回の訪問を通じまして両県省のきずなをより確かなものとすることができました。
 韓国につきましては、今月十日から十四日にかけて友好提携先の忠清南道からお招きをいただき、友好協定締結五周年記念式典や農業フォーラムなどに出席し交流を深めてまいりました。また本年七月に就任した梁承晁知事と会談し、今後の両県道の関係強化について確認いたしましたほか金富謙行政安全部長官、李完九元国務総理、李御寧初代文化部長官、李俊揆前駐日大使、柳興洙元駐日大使、韓日経済協会の金会長、徐錫崇副会長などの要人とも会談いたしました。今後とも忠清南道との地域間交流を軸として、韓国との交流を深化させてまいります。
 次に、ふじのくに士民協働施策レビューについてであります。
 今月八日、九日の二日間、新ビジョンに掲げる施策について県民の皆様から改善提案をいただくふじのくに士民協働施策レビューを実施いたしました。当日は大学生などの若者やふじのくにづくりサポーターなどの参加のもと地域防災力の強化や地域包括ケアシステムの推進、産業人材の確保・育成など本県が直面する六つの重点課題について活発な御議論をいただきました。今後皆様からいただいた貴重な御意見を施策に反映し、新ビジョンの実効性を高めてまいります。
 続きまして、九月補正予算案についてであります。
 今回の九月補正予算は、大阪府北部地震及び平成三十年七月豪雨災害を踏まえた防災・減災対策の充実強化等に必要な経費のほか、美しいふじのくにづくりを加速化する取り組みに必要な経費について編成いたしました。一般会計補正予算の規模は二十八億三千四百万円で、これを加えました本年度予算の累計額は一兆一千九百億三千四百万円となります。
 具体的には、災害対策関連の経費のほか私立幼稚園の教員の処遇改善を支援する経費、県外の大学に進学する高校生などに情報発信するための経費、小中学生に向けたラグビーの教本を作成する経費などであります。
 特別会計の補正は、国民健康保険事業特別会計ほか一件であります。
 次に、予算以外の議案のうち主な案件についてその概要を御説明申し上げます。
 第百二十号議案は、受動喫煙による健康への悪影響を未然に防止し県民のさらなる健康寿命の延伸を図るための条例の制定であります。
 第百二十一号議案及び第百二十二号議案は、県が行う道路整備事業、土地改良事業等に対する市町の負担額を定めるものであります。
 第百二十三号議案から第百二十八号議案までは、土木工事等の契約についてお諮りするものであります。
 第百三十二号議案及び第百三十三号議案は、任期満了に伴う教育委員会委員、公害審査会委員の任命について同意を求めるものであります。
 また、平成二十九年度の一般会計、特別会計、工業用水道事業、水道事業、地域振興整備事業及び県立静岡がんセンター事業の十六会計の決算につきまして、監査委員の審査を経ましたので、議会の認定に付するものであります。
 以上で私の説明を終わりますが、適切なる御議決をお願いする次第であります。
○議長(渥美泰一君) 以上で説明は終わりました。

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