本会議会議録


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令和8年6月静岡県議会定例会
【 知事提案説明 】
発言日: 06/18/2026
会派名:


○議長(和田篤夫君) 議事日程により、知事提出議案第九十六号から第百十一号までを一括して議題とし、知事の説明を求めます。
 鈴木知事。
       (知事 鈴木康友君登壇)
○知事(鈴木康友君) ただいま提出をいたしました議案の概要を御説明申し上げますとともに、当面する県政の課題について所信並びに諸般の報告を申し述べます。
 初めに、静岡県内のリニア中央新幹線整備についてであります。
 本年三月末に長きにわたる県専門部会でのJR東海との二十八項目の対話が全て完了をいたしました。その後県としては、大井川利水関係協議会、県中央新幹線環境保全連絡会議、県環境影響評価審査会など関係する会議体においてJR東海が今後実施することになる環境保全措置等の内容やその実施状況を監視する新たなモニタリング体制などについて報告をし、了承を頂いてまいりました。
 その上で、現在JR東海が大井川流域八市二町及び静岡市において同社が行う環境保全措置等についての説明会を県職員も同席の上、二十二回にわたり順次開催しているところであります。さらに先月十五日には県環境影響評価条例に基づきJR東海から環境保全措置等の内容を取りまとめた事後調査報告書が提出をされ、現在県において確認を進めております。盛土規制法、森林法、河川法など各種法令に基づく手続についても制度を担当する県及び静岡市とJR東海との間で必要な調整が行われております。
 今後、JR東海が静岡県内のリニア中央新幹線整備に係る本体工事に着手するためには自然環境保全協定を県との間で締結する必要がありますが、私はこれまでもJR東海に対しこの自然環境保全協定を締結する前提として地域住民の皆様に対する環境保全措置等の丁寧な説明と法令手続の着実な実施を強く求めてまいりました。また本体工事着手後においても将来にわたりリニア中央新幹線整備と大井川の水資源や南アルプスの自然環境の保全の両立を遺漏なく実施していくことが重要であり、引き続き同社に対し真摯な対応を強く求めてまいります。
 いずれにいたしましても、静岡県内のリニア中央新幹線整備をめぐる県の対応は大きな山場を迎えつつあります。知事である私が状況をしっかりと見極め結論を出す時期等を検討してまいりますのでよろしくお願いを申し上げます。
 次に、中東情勢への対応についてであります。
 米国とイスラエルによるイラン攻撃により始まった原油等の輸入困難な状況は先行きが見通せない状況となっております。こうした現状の中、先月県が実施した事業者調査によりますと燃料や原油由来の資材の供給不足や価格高騰といった影響が一段と広がっており、今後の企業活動や県民生活へのさらなる影響が懸念をされます。
 このため今月十二日、第二回中東情勢緊迫化に伴う庁内連絡会議を開催し調査結果や国の対応状況について情報共有をいたしました。また国に対しては県内の状況を説明するとともに、経済産業省に出向き燃料や石油製品の安定供給と流通の円滑化について要望を行ったところでございます。
 加えて、国の電気・ガス料金の高騰対策の対象にならないLPガス・特別高圧電力の利用者を支援するため必要な経費を六月補正予算案に計上し本定例会にお諮りをいたしております。引き続き県民及び事業者の皆様の不安解消を図り本県経済への影響を最小限にとどめるため国際情勢や国の対応などを注視しつつ必要な対策を機動的に講じてまいります。
 次に、ウェルビーイングの推進についてであります。
 先月二十七日、県民の皆様の幸福実感を把握する幸福度に関する県民意識調査の結果を公表をいたしました。昨年と比較して県民の皆様の幸福度は男女ともに向上し県全体の平均値も六・七四から〇・三三ポイント上回る七・〇七になりました。また二十四の分野別実感につきましても全ての分野で満足度が向上するなど全体として県民幸福度は向上をいたしました。今後も県民の幸福実感を重視した政策立案を進めウェルビーイングのさらなる向上を図ってまいります。
 次に、地域未来戦略についてであります。
 県では、財政規律と成長投資を両立させる両利き予算の一環として未来への投資による力強い静岡県経済の実現のため国の成長戦略に呼応し地域未来戦略を策定することとしております。
 具体的には、政府が掲げる十七の戦略分野である海洋、光・電子、航空・宇宙、コンテンツなどの次世代産業関連のプロジェクトとともに、農林水産業、観光、スポーツなどの多様なポテンシャルを持つ産業も幅広く対象とすることを想定いたしております。特に地場産業に関するプランにつきましては、現実に即したより実効性の高い戦略となるよう市町や関係者の皆様などの御意見を丁寧に取り入れてまいります。
 なお、本県の計画は地域産業成長プランとして今夏をめどに第一弾を取りまとめていくことを想定し作業を進めているところであります。
 次に、スタートアップ支援についてであります。
 スタートアップが持つ革新的な技術やアイデアを県内企業と融合させるため、ビジネスマッチングTECH BEAT Shizuoka 二〇二六を来月二十三日から二十五日までグランシップで開催をいたします。当日は国内外から集結した約百九十社のスタートアップによる最先端の技術やサービスの展示のほか我が国を代表するオピニオンリーダーが登場するセッションを開催してまいります。
 さらに、現在パリで開催されている欧州最大のスタートアップイベントViva Technology 二〇二六に出展する県内スタートアップ二社を初めて支援するなどスタートアップ先進県を目指した施策を強力に推進してまいります。
 また、こうしたスタートアップの活力を本県産業の基盤である中小企業の底上げや新事業展開、新分野への進出と融合させることで地域経済を牽引する中堅企業を創出し本県の産業基盤のさらなる強化と成長実現につなげてまいります。
 次に、次世代エアモビリティーについてであります。
 県内での空飛ぶクルマの商用運航の実現に向け本年三月に採択を受けた内閣府の未来技術社会実装事業を活用し国の関係省庁や県、静岡市、浜松市、民間事業者、大学で地域実装協議会を七月に設立するとともに、富士山の景観を生かした観光遊覧や観光拠点間の移動手段などの事業化を目指す共同企業体二社の取組を支援してまいります。
 また、今月五日に開催された中部圏知事会議において航空法に関する関係制度の早期整備や規制緩和などについて提案をし賛同を得ましたので様々な機会を通じて国への働きかけを行い一日も早い商用運航の実現を目指し取組を加速させてまいります。
 次に、クルーズ船の誘致についてであります。
 本年の県内へのクルーズ船の寄港回数は清水港を中心に過去最高となる百十二回を予定をしております。これまで寄港があまり見られなかった伊豆半島についても「飛鳥�V」が今月二十七日に下田港、八月に松崎港へ初寄港を予定するなど寄港ニーズが一段と高まっております。
 このため、本年三月に賀茂地域の一市五町と県、関係団体でクルーズ船の誘致や寄港を通じた地域振興等を図ることを目的とした賀茂地域クルーズ船誘致受入協議会を設立をいたしました。また同協議会の設立にあわせ寄港を計画するクルーズ船会社Rヨット株式会社との間で定期的な寄港に向けて相互協力を確認する連携協定も締結したところでございます。
 世界に誇れる美しい自然や温泉、食に恵まれた賀茂地域のポテンシャルを生かし地域と一体となってクルーズ船の誘致活動を強力に推進してまいります。
 次に、駿河湾フェリーについてであります。
 昨年度の輸送人員は船体の故障などの影響もあり約四万九千人にとどまり前年度から三万八千人余りの減少となりました。結果として大幅な赤字決算が見込まれております。
 運航法人は先月一日には運賃の改定を行うとともに、ちびまる子ちゃんとのコラボレーションによる船内装飾、船上での謎解きラリー、イマーシブ体験ツアーなどの誘客策に取り組んでおりますが、現在の収支状況に加え船体の使用年数の課題もあり現行のフェリーによる運航体制では状況の抜本的な改善は難しいと言わざるを得ません。
 県といたしましては、今後の収支見通し、経済効果、県や関係自治体の関わりの在り方など経営判断の前提となる項目についてまずは整理を行い運航方法の在り方、継続の是非などの検討につなげてまいります。
 次に、旧ヴァンジ彫刻庭園美術館についてであります。
 旧ヴァンジ美術館につきましては、昨年十一月よりコンセッション方式による公共施設等運営権の事業者選定を進めてきたところ第一次審査を通過した事業者が駐車場不足や施設老朽化などを理由に辞退する状況となりました。県といたしましては、現状を踏まえコンセッション方式による事業者選定は困難と判断し再募集は見送ることといたします。
 旧ヴァンジ美術館の活用方法の決定に時間を要している状況については重く受け止めております。現在新たな活用方針について内部検討を進めているところであり、供用開始時期の見込みも含め早急にお示しをしてまいります。
 次に、風水害対策についてであります。
 今月二日から三日の台風六号に伴う大雨により被災された皆様に対しまして衷心よりお見舞いを申し上げます。
 県では、二日の台風接近前に災害警戒本部を立ち上げ全庁的な情報共有体制の下、大規模な災害の発生に備えました。また先月二十九日から始まった新しい防災気象情報を初めて運用するケースとなったため今回の運用を市町と検証し国や市町と連携してさらなる周知に努めるとともに、自分自身がいつ、どこに避難するかを確認できるわたしの避難計画の作成を促進し避難の実効性を高めるよう取り組んでまいります。
 さらに、風水害から県民の皆様の生命、財産を守るため先月三十一日に国や県、市町をはじめ地域の水防団や消防団など約六百五十名の参加の下、天竜川の洪水被害を想定した総合水防演習を実施をいたしました。また来月十五日に自衛隊や警察、市町等と連携して風水害合同対処訓練を行い初動対応を再確認するなど平時から万全の備えを進めてまいります。
 次に、富士山の登山者への対応についてであります。
 今年の富士山の開山は、山梨県側の吉田ルートと合流する須走ルートの開山日を七月一日に、その他のルートは七月十日としそれぞれ同日から登山規制を開始をいたします。また円滑な規制の実施に向け入山手続アプリ静岡県FUJI NAVIのさらなる周知広報に取り組み昨年の八割をさらに超えるよう取り組んでまいります。
 なお、課題となっている閉山期間中の無謀な登山対策につきましては、山梨県とともに検討を進めてまいります。
 次に、公立高校の教育改革についてであります。
 先月十五日、文部科学省の高等学校教育改革促進事業に浜松工業高校、焼津水産高校、沼津東高校、静岡中央高校の四校が採択をされました。今後この四校を中心に協力校を含め大学や産業界と連携を進めスタートアップ人材や地域産業の即戦力人材の育成を行うとともに、遠隔授業の実施体制を強化し学びの選択肢の保障を充実するなど公立高校の一層の魅力向上に向けた改革に取り組んでまいります。
 これらの取組に必要な経費につきましては六月補正予算案に計上し本定例会にお諮りをしております。あわせて二〇四〇年を見据えて公立高校改革を推進するため大学や産業界からも幅広く御意見を伺いながら本県の具体的な高校教育改革の指針となる実行計画を今年度中に策定してまいります。
 次に、新県立中央図書館の整備についてであります。
 新県立中央図書館の整備につきましては、昨年十二月に取りまとめた見直しの方向性に沿って現在基本構想の改定を進めているところでございます。改定に向け図書館関係者や学識経験者で構成する有識者会議を設置し先月二十一日に第一回の会合を開催をいたしました。
 会合では、図書館の基本コンセプトとして全県へのサービス充実が最優先であることや今の県立図書館の良さを引き継ぐことが重要であるなどの御意見を頂きました。今後有識者会議を重ね市町との連携や蔵書方針等について議論を深め県として九月をめどに基本構想の改定案を取りまとめてまいります。
 次に、子育て世帯への食料支援についてであります。
 近年の食料品価格の高騰は子育て世帯の生活に大きな影響を与えております。県が令和六年度に実施した調査では、必要な食料品を購入できなかったことがあると回答した子育て世帯は六・六%に上り支援を求める声が増えております。
 このため、先月十二日より企業版ふるさと納税の制度を活用し県外企業から寄附された食料品を生活に困窮する子育て世帯に配布する取組を開始をいたしました。あわせて配布の際に各種支援制度の情報提供や相談窓口への橋渡しを行うなど包括的な支援につながるよう取り組んでまいります。
 次に、不登校の子供への支援についてであります。
 県内の小中学校における令和六年度の不登校児童生徒数は一万一千九百四人で十二年連続で最多を更新しその要因は複雑化しております。
 今年度、知事部局と教育委員会、市町等が連携し不登校の子供や保護者を伴走支援する人材の育成や実効性ある支援体制の整備などの実証事業を焼津市において実施をいたします。この事業では福祉の専門家等が参画して不登校児童生徒の自立のためのアウトリーチ型支援を行うなど地域と連携した体制づくりに取り組んでまいります。
 次に、決算の見通しについてであります。
 令和七年度の県税収入は法人二税の増収などにより最終予算額五千四百二十億円を五十億円程度上回るものと見込んでおります。また予算の効率的な執行などの取組と併せて財政調整のための基金の取崩しを百五十億円中止いたしました。この結果令和七年度の一般会計決算における実質収支は四十三億円程度の黒字を確保できる見込みでございます。
 次に、六月補正予算案についてであります。
 六月補正予算案は、中東情勢を踏まえた物価高騰対策や公立高校における教育改革の推進に要する経費など当初予算編成後の事情変化により必要となった経費について編成をいたしました。この結果一般会計補正予算の規模は九十一億四千八百万円で、これを加えました今年度の予算の累計額は一兆四千二百三十二億四千八百万円となります。
 次に、議案のうち主な案件についてその概要を御説明申し上げます。
 第九十七号議案は、本県への本社機能の移転等を促進するため事業税及び不動産取得税に関する特例を延長すること等に伴う条例の改正であります。
 第九十八号議案及び第九十九号議案は、公の施設の利用料金の上限額等を改定するための条例の改正であります。
 第百二号議案から第百五号議案は、土木工事の請負契約についてお諮りをするものであります。
 第百六号議案は、県有財産の取得についてお諮りをするものであります。
 第百十号議案及び第百十一号議案は、任期満了に伴う人事委員会委員の選任及び公安委員会委員の任命について同意を求めるものであります。
 報告第十六号から報告第二十五号までは、令和七年度の一般会計、特別会計及び企業会計の繰越額が確定をいたしましたので報告するものであります。
 以上、適切なる御議決をお願いを申し上げ説明を終わります。
○議長(和田篤夫君) 以上で説明は終わりました。

○議長(和田篤夫君) 休会についてお諮りいたします。
 議事の都合により、六月十九日及び二十二日は休会とすることに御異議ありませんか。
       (「異議なし」と言う者あり)
○議長(和田篤夫君) 異議なしと認め、そのように決定しました。

○議長(和田篤夫君) 次会の議事日程を申し上げます。
 六月二十三日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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