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本会議会議録

議会補足文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用




令和2年2月静岡県議会定例会
知事提案説明
発言日: 02/20/2020
会派名:


○議長(鈴木利幸君) 議事日程により、知事提出議案第一号から第七十四号までを一括して議題とし、知事の説明を求めます。
 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 初めに、新型コロナウイルス感染症への対応について申し上げます。
 国内における感染の拡大を踏まえ、今月十七日新型コロナウイルス感染症対策本部を設置いたしました。対策本部におきまして関係部局に対し、新型コロナウイルス感染症の県民への感染を防ぎ健康被害や生活への影響を最小限に抑えるよう指示したところであります。
 具体的には、県民の皆様に対しまして手洗いとせきエチケットなど日常生活における取り組みを改めて周知啓発するほか、公共施設等に消毒液を設置するなど感染予防対策を徹底いたします。また医療機関に対して検体検査を行う疑い例の基準を周知し検査体制を強化するほか、感染が疑われる方につきましては各保健所に設置した帰国者・接触者相談センターが相談窓口となり診療体制の整った医療機関である帰国者・接触者外来に確実につなぐよう医療体制を確保いたします。
 このほか、報道提供やホームページ等を活用し適時適切な情報提供を行ってまいります。
 新型コロナウイルス感染症による県内経済への影響につきましては、経営状況や資金繰りが悪化している中小企業に対し商工団体等の御協力のもと経営相談に対応しているほか、県制度融資による速やかな金融支援を実施しているところであります。
 今後とも、国の動向を留意しつつ本県経済への影響を最小限にとどめるよう迅速かつ適切に対応してまいります。
 次に、令和二年度の当初予算案並びにその他の議案を提出するに当たりその概要を御説明申し上げ、あわせて当面する県政の課題について所信の一端を申し述べます。
 私は、これまで県政運営の基本理念に富国有徳の美しい“ふじのくに”づくりを掲げ国土の象徴であり人類共通の宝である霊峰富士を擁するこの地にポスト東京時代を開き、誰もが努力をすれば夢を実現し幸せを感じることのできる地域を実現するべく全力を傾注してまいりました。
 一方、東京一極集中は加速化し地方の人口減少に拍車をかけ地方は疲弊しております。うるわしく和した令和という時代にふさわしい新しい国づくりの先導役を担うという強い気概を持ち、本県ならではの地域創生の実現を追求してまいります。
 十二月県議会で御審査いただいた次期総合戦略につきましては、県議会各会派の皆様からの御提言や先月二十七日に開催した美しい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生県民会議など県民の皆様からの幅広い御意見を反映した計画案を改めて今議会の常任委員会で御議論をいただき実効性をより高め今年度中に成案を得てまいります。
 令和の時代を迎え、世界の中の静岡県の存在感は着実に高まっております。昨年九月にエコパスタジアムで開催されたラグビーワールドカップ二〇一九におきまして日本が強豪アイルランドに勝利した一戦はシズオカ・ショックとして世界を駆けめぐりました。また十月には本県とゆかりのある吉野彰博士がノーベル化学賞を受賞するなど、平成二十五年六月の富士山世界遺産登録を皮切りに九十件を超える地域資源、人材群が次々と世界的評価を得ております。この流れを加速し間近に迫る東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを活用して本県の存在感をさらに高めてまいります。
 世界のひのき舞台に立つシズオカの矜持を持ち世界共通の目標であるSDGsのフロントランナーとして国内外の人々が夢をかなえるために集まる地域すなわちドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点となるようオール静岡、ワンチームで取り組んでまいりますので県議会の皆様の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 初めに、令和二年度当初予算案と組織定数の改編についてであります。
 基本理念は、富国有徳の美しい“ふじのくに”づくり、世界の静岡をワンチームで元気にであります。スポーツが持つ力を生かすとともにSDGsのフロントランナーとして令和の時代にふさわしいふじのくにづくりを推進するため世界の静岡を加速化する三つの戦略と静岡県をドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点にする八つの政策に必要な予算編成並びに組織定数の改編を行いました。
 令和二年度の一般会計の歳出予算総額は一兆二千七百九十二億円で、前年度当初予算を七百二十六億円、六・〇%上回る予算を編成いたしました。
 まず、一つ目の基本方針である人づくり・富づくりを加速するための重点的な取り組みについて三つの戦略と新ビジョンの八つの政策体系に沿って御説明申し上げます。
 戦略の第一はスポーツを愛する全ての人を引きつける聖地づくりであります。
 国民を熱狂と興奮の渦に巻き込んだラグビーワールドカップ二〇一九に続き、いよいよ本年七月東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックが開幕いたします。自転車競技の開催地としてワンチームで大会を成功に導いてまいります。
 本県で相次いで開催される世界的なスポーツの祭典により県民のスポーツに対する関心と期待は大きく高まっております。これを絶好の機会と捉え、スポーツが持つ人を励まし未来をつくり世界とつながる力、これを最大限に生かしスポーツの力で輝くふじのくにを目指してまいります。
 その実現のため、文化・観光部をスポーツ・文化観光部に改編し、スポーツに関する取り組みを全庁的に推進するスポーツ政策課を新設するなど体制の強化を図ってまいります。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックにつきましては、大会本番に向け四月に開催されるトラックレースのテストイベントなど自転車競技の準備を加速いたします。七月の開幕に先立ち六月二十四日から二十六日にかけてオリンピック聖火リレーが県内で実施されます。本県ゆかりのランナーの皆様が富士山静岡空港、富士山世界遺産センター、世界文化遺産韮山反射炉など世界に誇る地域資源をめぐり世界中に本県の魅力を発信いたします。自転車競技大会や聖火リレーの成功はもとより世界中から本県を訪れる皆様の心にいつまでも残るすばらしい大会となるように大会組織委員会や県内市町、関係団体等と一丸となり準備の総仕上げに万全を期してまいります。
 スポーツに誰もが親しむ環境づくりにつきましては、親子で楽しみながら体を動かす機会の提供やいつでも誰でも気軽に楽しむことのできるスポーツ・レクリエーション活動などスポーツに親しむ機会の充実に取り組んでまいります。また障害のある方の健康と生きがいづくりや障害のある方への理解促進に向け各競技団体の活動を支援するほか、パラサイクリング活動団体の発足、競技大会の開催などパラスポーツを積極的に推進してまいります。
 スポーツは「する」だけではなく、「みる」、「ささえる」、「まなぶ」、「たのしむ」ことで県民の誰もが生涯を通じて参加できるものであります。各年代の関心や適性等に応じた生涯スポーツの環境づくりを進めてまいります。
 スポーツ教育の実践につきましては、ジュニア期からの継続的な指導体制の構築が必要であります。このため中学、高校の運動部活動や地域のスポーツ教室等に指導者を派遣するしずおかスポーツ人材バンクを活用し、高校の部活動にスポーツエキスパートを派遣するなど学校、地域のスポーツ活動を幅広く支援してまいります。また八月には全国中学校体育大会の四競技、全国高等学校総合体育大会の陸上競技、秋には全国中学生都道府県対抗野球大会が県内で開催されます。全国から集まった中学生、高校生が自身が持つ力を最大限発揮するとともに、スポーツの聖地静岡の礎の大会となるよう関係団体と協力し万全の準備を進めてまいります。
 スポーツの競技力の向上につきましては、国民体育大会を初め国内外の競技大会で活躍し県民に夢、希望、感動を与えるアスリートの輩出を目指してまいります。ジュニアアスリートからトップアスリートまで各段階に応じた強化活動への支援、指導者やコーチの確保・育成、科学的知見に基づく効果的な指導の実践など競技力向上に向けた対策を充実してまいります。
 スポーツと連携した健康な地域づくりにつきましては、大学、医療機関などの研究機関や企業等と連携しスポーツ医・科学やICTの技術をトレーニングや指導などに活用するための研究と検証を進めてまいります。
 スポーツ関連産業の振興につきましては、スポーツを目的とするツーリズムの推進、イベントの開催、大会や合宿の誘致などに取り組む地域スポーツコミッションの活動を県全域に展開するため先進事例の調査検討を進めてまいります。
 スポーツツーリズムの推進とレガシーの創出につきましては、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック終了後も本県がサイクリストの憧れを呼ぶ聖地となるよう積極的に取り組んでまいります。自転車競技会場等を活用した大会の誘致や地域のサイクリストが周辺を案内する魅力あるサイクリングなど誘客、受け入れ体制を強化してまいります。また千葉県銚子市から和歌山県和歌山市までの太平洋岸を走る約一千四百キロメートルの太平洋岸自転車道がナショナルサイクルルートに指定されるよう、国や関係自治体と連携し舗装、修繕を行うなどサイクリストの走行環境を整備してまいります。
 さらに、本県の長い海岸線を生かしたビーチ・マリンスポーツの振興など地域の特性や資源を活用した新たなスポーツ交流の促進にも取り組んでまいります。
 戦略の第二は生命、環境を大切にする水循環の地域モデルの構築であります。
 本県が擁する富士山南アルプスは、中央アルプス、北アルプスの連峰、立山や白山などの山々とともに世界に誇る美しい山岳景観を構成しており本県は山の洲の一角を担っております。さらに伊豆半島、駿河湾、遠州灘、浜名湖などの絶景と相まってふじのくにはまさに海と山の風景の画廊とも形容できる魅力ある自然と景観を有する美しい地域であります。海と山は森から川へ、川から海へと流れる清らかな水でつながり、静岡の海は多種多様な生物が生息する豊穣の海であります。
 私は、命の源である水とそこから育まれる恵みの海、豊かな自然環境を守り次世代に引き継ぐため全力を尽くす決意であります。
 初めに、リニア中央新幹線建設に伴う大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全についてであります。
 去る十月二十四日に国土交通省の藤田事務次官から提案いただきました国土交通省が交通整理役となる新たな枠組みの構築に当たり、十二月二十五日に水資源、自然環境に関連する全ての省庁の参画とこれまでの静岡県とJR東海との対話の内容の評価を国土交通省に要請いたしました。その要請に対し一月十七日に国土交通省から県が求めていた内容とは異なりましたが有識者会議を設置するという新たな提案をいただきました。
 また、同月二十日に行われた流域十市町長との意見交換会におきまして、国土交通省提案に対する意見を伺った上で利水者など地元の皆様や環境保全連絡会議の専門部会委員にも御確認いただき、三十日に難波副知事が国土交通省の水嶋鉄道局長に本県の考え方を伝えたところであります。
 この中で県は、最大の問題は水であり環境省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、厚生労働省などの関与が不可欠であるとの考えを示した上で、会議は透明であることなど五つの事項を確保することを前提に受け入れることを表明いたしました。現在有識者会議の設置に向け協議を進めているところであります。
 また、引き続き対話を要する事項としてJR東海に回答を求めた四十七項目につきましては、トンネル工事に伴う突発湧水への対応など十五項目について今月十日に環境保全連絡会議専門部会を開催いたしました。しかしながらJR東海の見解は本質的に従来と変わっておらず新たな提案等もなかったことから今後も対話を継続してまいります。
 リニア中央新幹線トンネル工事により、大井川の貴重な水資源と世界が認める豊かな生態系や生物多様性が失われることのないよう引き続き県民の皆様の不安の払拭に全力で取り組んでまいります。
 次に、美しく豊かな静岡の海を未来につなぐための取り組みについてであります。
 多くの皆様の御賛同を得まして今月十四日美しく豊かな静岡の海を未来につなぐ会が発足いたしました。駿河湾や浜名湖など世界に誇るべき美しく豊かな静岡の海を未来に引き継ぐため、この会を核として水産、観光、環境などさまざまな分野で活動する個人、企業、団体等の連携と協働を促進してまいります。
 また、近年多くの魚種で不漁が深刻化している本県水産業の現状を踏まえ、水産技術研究所による調査や蓄積したデータの活用を進めMaOIプロジェクトとも連携しながら駿河湾や浜名湖等から得られる多様な恵みを未来につなげるための水産環境研究に取り組んでまいります。
 「森は海の恋人」水の循環研究会につきましては、南アルプスを源流とする富士川水系及び大井川水系と駿河湾沿岸部までをケーススタディーとして森と海を結ぶ水を介した生態系の循環構造の調査研究を行っております。今後は森、川、海の水循環と生態系との関係性を定量的に把握することにより陸や海の環境変化が海の生態系に与える影響の検証を行い、生物多様性の保全と豊かな恵みの持続可能な利活用につなげてまいります。
 海洋資源を生かした持続可能な産業振興と環境保全につきましては、MaOIプロジェクトにおいて駿河湾等における環境DNAや海洋微生物のゲノム情報などを蓄積、活用するデータプラットホームを構築し食品、水産、創薬、エネルギーなどの分野における研究開発や産業応用を推進してまいります。また経済産業省の通称NITE――製品評価技術基盤機構や東京工業大学などと連携し、海洋プラスチックごみ問題の解決に貢献する海洋生分解性プラスチックの研究を進めるなど海洋産業の振興と海洋環境の保全に全力で取り組んでまいります。
 戦略の第三は技芸を磨く才徳兼備の人づくりであります。
 本県が目指す人づくりは、霊峰富士の姿のように気品をたたえ和を重んじる人格を持ち豊かな富を創出する有徳の人づくりであります。すぐれた資質能力と秀でた人間性を兼ね備えた才徳兼備の人づくりにつきましては新たな時代に対応した教育を社会総がかりで推進するため、総合教育会議や地域自立のための「人づくり・学校づくり」実践委員会において地域の実情やニーズを反映した活発な議論を進めることが必要であります。
 このため、来年度から教育の専門家などで構成する才徳兼備の人づくり小委員会――仮称――を実践委員会に設置し施策提案機能を強化いたします。小委員会では教育をテーマとした長期的な課題についてより深く御議論をいただき、社会総がかりの人づくりに向けた施策の充実につなげてまいります。
 防災人材の育成につきましては少子高齢化が進む中、将来にわたって地域の防災力を維持向上していくためには次代を担う子供たちの防災意識を高めることが大変重要であります。このため来年度から県内の中学生を対象に地震・津波などの災害の基礎知識を学び日ごろの備えにつながる防災講座を実施し、全ての中学生が卒業するまでにふじのくにジュニア防災士の資格を取得できるよう取り組んでまいります。資格を取得した子供たちが各家庭における災害対策や地域防災訓練への参加などを通じて地域の防災リーダーとして成長し、将来の静岡県の防災を担っていくことを大いに期待しております。
 産業分野における人材の育成につきましては、小中高生を対象としたプログラミングコンテストを開催しICTに関する知識、技能を高めるなど将来の本県産業を担う先端人材を育成してまいります。また一つのものをつくり上げる楽しさを体験するWAZAチャレンジ教室やたくみの技を持つ熟練の職人から職業観や人生観を学ぶ技能マイスター出前講座など子供たちの生きる道としての仕事を学ぶ環境づくりを進めてまいります。
 農林業経営に革新を起こす人材を養成する農林環境専門職大学につきましては、全国初の農林業分野の専門職大学として本年四月に開学いたします。伝統ある農林大学校の耕土耕心の精神を引き継ぎながら、農林業を志す有為な人材が技芸を磨く実学の府として農林業と地域社会の発展に貢献のできる魅力ある大学にしてまいります。
 次代の技術者養成の中核となる職業能力開発短期大学校につきましては、ものづくりの現場で活躍する高度な技能者を育成する実学の府として来年四月に開校いたします。名称を静岡県立工科短期大学校とし入校料、授業料等を定める条例案を本議会にお諮りしているところであります。
 次に、新ビジョンの八つの政策体系に沿って御説明を申し上げます。
 政策の第一の柱は命を守る安全な地域づくりであります。
 初めに、危機管理体制の強化についてでありますが南海トラフ地震や近年多発する風水害などのさまざまな災害から県民の生命財産を守ることは県政の最優先課題であります。南海トラフ地震に関する新たな防災対応につきましては国が公表したガイドラインを踏まえ、本県の地域特性やこれまでの地震・津波対策の取り組み、県民、有識者、市町の皆様の御意見などを考慮し今月十四日静岡県版のガイドラインを策定いたしました。ガイドラインでは各市町が地域特性を踏まえた具体的な防災対応を検討できるようにあらかじめ避難が必要な地域、対象者等の考え方を複数示すほか現場で活用できる実践的な内容を盛り込んでおります。
 今後、このガイドラインを踏まえ各市町が事前避難などの新たな防災対応を図ることができるよう地域局ごとの説明会や地震・津波対策等減災交付金を通じた支援を行ってまいります。
 県土強靱化の推進につきましては、狩野川台風の再来と言われ本県にも甚大な被害をもたらした昨年十月の台風十九号を初め、近年地球規模の気候変動などの影響により自然災害が頻発化、激甚化しております。このため国の防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策や緊急自然災害防止対策等を活用し道路、河川、治山施設などの防災・減災対策を強力に進めてまいります。加えて河川氾濫等の大規模な浸水被害とその復旧を踏まえた河川、砂防ダム等の緊急的なしゅんせつや道路の防災対策、災害時に倒木のおそれのある樹木の予防伐採などに必要な予算を盛り込み県土強靱化に集中的に取り組んでまいります。
 防潮堤の整備につきましては、地域の特性や環境に配慮した住民参加による静岡方式で整備を進めております。レベルワンを超える津波に対しても被害を軽減するため平成二十六年三月から整備を進めております、総延長十七・五キロメートルの浜松市沿岸域の防潮堤の本体工事が今年度内に竣工いたします。また中東遠や志太榛原地域ではふじのくに森の防潮堤づくりが着実に進んでおります。引き続き公共事業の発生土砂の提供や防災林の再整備、機能強化に取り組んでまいります。
 次に、安全な生活と交通の確保についてであります。
 県民の安全で安心な生活を守るため、地域の犯罪情勢に即した効果的な犯罪抑止対策や地域との協働による自主防犯活動に加え東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック開催を踏まえたテロ対策を推進してまいります。また警察活動の拠点となる湖西警察署、大仁警察署の整備を進めてまいります。
 令和元年の暦年ベースの交通事故発生件数は二万五千百二件で、前年に比べ三千三百件減少いたしました。死者数、負傷者数も減少し四年連続でトリプル減となりました。今後も交通事故の少ない安全な社会を実現するため信号機や標識等の交通安全施設の整備に取り組むとともに、高齢ドライバーや自転車の事故防止など総合的な交通安全対策を推進してまいります。
 政策の第二の柱は安心して暮らせる医療・福祉の充実であります。
 初めに、安心医療の確保充実と健康寿命の延伸についてであります。
 医師の確保につきましては、ふじのくにバーチャルメディカルカレッジにより今年度の段階で四百六十一人の医学修学研修資金利用者が県内の病院に従事しております。今後も県内外の大学や医療機関と協力し地域医療に従事する医師の確保・育成に努めてまいります。また医師会など関係団体と連携し定年退職等をされた医師と県内医療機関を結びつけるドクターバンクを新たに立ち上げます。
 こうしたことを通じて、医師確保対策のさらなる充実を図ってまいります。
 看護職員の確保につきましては、質の高い看護教育を実践する養成施設への支援を初め勤務環境の改善による離職防止や県ナースセンターによる再就業支援などに取り組んでまいります。また来年度からは看護職員修学資金の貸し付け対象に大学生及び県外の養成施設に在籍する県外出身者を追加し県内医療機関の看護職員の確保、定着に一層努めてまいります。
 社会健康医学の推進につきましては、県民の健康寿命のさらなる延伸を担う人材の育成と研究拠点となる大学院大学の開学まであと一年余りとなりました。現在国の大学設置・学校法人審議会で審査が進められているところであります。来年四月の開学に向け施設整備、学生募集、入学試験など着実に準備を進めてまいります。
 次に、地域で支え合う長寿社会づくりについてであります。
 介護の現場を支える人材の確保につきましては、外国人介護人材に対する介護事業所の雇用意欲が増していますために外国人留学生に奨学金を給付する介護事務所を支援し新規就労を促進いたします。また外国人介護職員の悩みや相談に応えるための専門職員による職場訪問など言葉、文化の違いによる孤立を防ぎ安心して就労、定着できる環境を整備してまいります。
 団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年を見据えた地域包括ケアシステムにつきましては、医療・介護にかかわる関係団体等の連携をより一層推進するため、県医師会が設置するネットワークの拠点となるシズケアサポートセンターの運営を支援するなど医療と介護が一体的に提供される体制を整備してまいります。
 次に、障害のある人が分け隔てられない共生社会の実現についてであります。
 農福連携の推進につきましては、農村、農業者と福祉事業所とのマッチングを行うコーディネーターの増員やジョブコーチの派遣など農業と福祉の連携をさらに強化し障害のある方の就労拡大と工賃の向上に努めてまいります。また障害のある方が働く事業所の製品、ふじのくに福産品の需要拡大を図る一人一品運動を展開するなど障害のある方の自立を促進し住みなれた地域で安心して豊かに暮らせる共生社会の実現を目指してまいります。
 発達障害のある方への支援につきましては、来年度から東部発達障害者支援センターを沼津市に、中西部発達障害者支援センターを島田市に開設いたします。二カ所のセンターには医師を初めとする経験豊富な専門人材を配置し県民により身近な場所で専門的な支援を提供してまいります。
 政策の第三の柱は子供が健やかに学び育つ社会の形成であります。
 初めに、安心して出産、子育てができる環境づくりについてであります。
 少子化対策につきましては、本年度策定する第二期ふじさんっこ応援プランに基づき優良事例の他市町への普及拡大を図るほか、新しいふじのくに少子化突破戦略の羅針盤を作成し市町の取り組みを促進してまいります。また結婚を希望する方に対し市町や企業等が実施する出会いの場に関する情報を発信するなど少子化の要因の一つである未婚化、晩婚化を踏まえた取り組みも進めてまいります。
 待機児童ゼロの早期実現につきましては、認定こども園等を整備する市町を支援するほか保育士を確保するため保育士試験の合格を目指す方への支援を行ってまいります。
 次に、文武芸三道鼎立の学びの場づくりについてであります。
 ICTを活用した教育の充実につきましては、一人一台端末の実現に向け国や市町と連携してタブレット端末や校内通信ネットワークの整備を進めAI等の先端技術を効果的に活用した授業の実践に取り組んでまいります。
 特別支援教育につきましては、小中学校の通常学級及び特別支援学級へのサブティーチャーの配置を充実し児童生徒の個々の状況に応じたきめ細かな指導・支援体制を構築してまいります。
 日本語指導を必要とする児童生徒の支援につきましては、日本語を指導する非常勤講師の小中学校への配置や学校内で児童生徒を支援する人材を育成するためのスキルアップ研修のほか、円滑なコミュニケーションを図るための自動翻訳機の配備など誰もが安心して学べる環境を整備してまいります。
 次に、県立学校の施設整備についてであります。
 県立学校施設につきましては、昭和五十六年以前に旧耐震基準で建設された校舎が半数以上となりその対策が急務となっております。子供たちの安全で快適な学習環境を確保するため今年度から計画的に老朽化対策を進めておりまして、来年度は新たに三校五棟の設計に着手いたします。
 また、近年の災害レベルの猛暑に対応するため空調設備につきましては特別支援学校に引き続き高等学校の全ての普通教室に令和三年度までに整備することといたしました。
 特別支援学校につきましては、施設の狭隘化や児童生徒の通学負担を軽減するため伊豆の国市と浜松市に令和三年度の開校を目指し新たな特別支援学校の整備を進めております。新校の名称は公募により寄せられた校名案の中からそれぞれの地域にゆかりのある校名として、静岡県立伊豆の国特別支援学校、静岡県立浜松みをつくし特別支援学校といたします。
 政策の第四の柱は誰もが活躍できる社会の実現であります。
 初めに、外国人県民が活躍できる社会の実現についてであります。
 多文化共生の推進につきましては、言葉の壁のない静岡県の実現に向け静岡県における地域日本語教育の推進方針に基づき外国人県民の誰もが生活に必要な日本語を身につける機会を提供する体制を構築してまいります。また外国人との円滑なコミュニケーションのために外国人にもわかりやすく配慮された日本語、いわゆるやさしい日本語の活用、普及を進めてまいります。
 外国人県民が活躍できる環境整備につきましては、医療機関がいつでも利用できる電話医療通訳サービスの提供や医療制度等をわかりやすく案内した多言語リーフレットの作成など外国人県民が安心して医療機関を受診できる体制を整備してまいります。また日本語が堪能な海外高度人材の受け入れを促進するためモンゴル、インドネシアに加え新たにベトナムにおいて現地面接会を開催するなどさまざまな分野で外国人県民の誰もが安心して学び働き暮らしていくための環境づくりを進めてまいります。
 次に、産業人材の確保・育成についてであります。
 AIやICTの導入に向けた人材の確保・育成につきましては、首都圏等のICTベンチャーと県内企業との提携を促す商談会――TECH BEAT Shizuokaを農業分野、医療分野にも拡大するほか県内大学と連携して企業の中核的人材を育成するための講座を開催するなどトップレベルから次世代に至るまで各階層に応じたICT人材の確保・育成を図ってまいります。
 次に、生涯にわたり学び続ける環境づくりについてであります。
 新しい県立中央図書館の整備につきましては、老朽化が進み早急な建てかえが必要でありますことから東静岡駅南口県有地への全館移転整備に向け準備を進めてまいります。また東静岡駅の南北が一体となった整備が図られるよう静岡市と連携した取り組みを進めてまいります。
 政策の第五の柱は富をつくる産業の展開であります。
 第四次産業革命による産業構造の大転換期を迎える中、本県産業の持続的な成長を図るため多様な業種による連携とあらゆる産業の基盤技術であるAIやIoTを初めとするICT技術の導入、活用により産業のイノベーションを促進してまいります。
 初めに、本県経済を牽引する新たなものづくり産業の創出プロジェクトの推進についてであります。
 自動運転やIoT機能を備えた次世代モビリティーにつきましては、県内各地で実施している実証実験――しずおか自動運転ShowCASEプロジェクトの取り組みを拡充いたします。あわせてICT技術などを活用した新たな交通サービスであるMaaS――モビリティ・アズ・ア・サービスの県内各地域への導入を促進し社会実装の早期実現を目指してまいります。
 また、先月七日にトヨタ自動車株式会社豊田章男社長が発表なさった「コネクティッド・シティ」プロジェクトはこれらのさまざまなテクノロジーを活用して人間にとって幸せな生活を送ることのできる新しいまちをつくるすばらしい取り組みであり、まさに本県が進める実証フィールドの形成と合致するものであります。
 県といたしましては、部局を横断する対応チームを発足させトヨタの故郷である静岡県、また富士山の麓にある裾野市でこのプロジェクトが実現するよう裾野市とともに全面的に協力してまいります。
 富士山麓の医療城下町を目指すファルマバレープロジェクトにつきましては、協定を締結した本県と山梨県に集積している企業のすぐれた技術力の活用や産学官金の連携を強化し世界展開を視野に入れた医療機器等の開発に取り組んでまいります。
 また、静岡がんセンターのプロジェクトHOPEによって構築されたがんゲノム臨床データベースを活用して個別化医療を推進するほか、新たな診断薬、治療薬の研究開発を進め県民の医療の質の向上を図ってまいります。
 次に、本県が有する魅力ある大地と海洋を生かしたフロンティアプロジェクトの推進についてであります。
 食品関連産業の振興を促進してきたフーズ・サイエンスヒルズプロジェクトにつきましては、健康寿命の延伸を目指すヘルスケアの取り組みを加えて新たにフーズ・ヘルスケアオープンイノベーションプロジェクトとして展開してまいります。新プロジェクトでは静岡県立大学を中心としたデータヘルス・リビングラボを設置いたします。県民参加型による健康データの収集、分析、食による予防医学的観点からのアプローチに取り組み、食を中心とする健康増進社会の実現と異分野の融合によるイノベーションの創出を図ってまいります。
 農業の飛躍的な生産性の向上と農業を軸とした関連産業のビジネス展開を促進するAOIプロジェクトにつきましては、AOI−PARCを拠点に産学官金の多様な参画を得たオープンイノベーションによる先端農業技術の開発を進めているところであります。生産者や農業団体との連携をこれまで以上に密にし、開発成果の農業現場への社会実装と新たな産地形成に取り組んでまいります。
 本県茶業の再生を図るChaOIプロジェクトにつきましては、生産者、茶商、加工業者を初め飲料、機械メーカー、大学、研究機関、マーケティング専門家、関係団体などからなるプラットホーム、チャオープンイノベーションフォーラムを来月設立いたします。また茶業研究センターにつきましては、茶の都しずおかの研究拠点にふさわしいChaOI−PARCとして整備を進めてまいります。本県茶業の再生に向けオープンイノベーション機能を発揮し世界市場を見据えた静岡茶の新たな需要開拓と需要に応じた生産構造への転換を進めてまいります。
 マリンバイオテクノロジーを生かした産業の振興と創出を図るMaOIプロジェクトにつきましては、本年秋の完成に向け清水マリンビル内にプロジェクトの中核拠点施設となるMaOI−PARCの整備を進めております。完成後は一般財団法人マリンオープンイノベーション機構が入所し大学、研究機関、企業等が利用できる共同ラボや研究室を運営するプロジェクトを本格化してまいります。
 これらの本県が進める多分野の先端産業創出プロジェクトの連携をさらに強化し、本県産業全体のシナジー効果を発現させるオープンイノベーション・プラットホームを構築してまいります。
 次に、富を支える地域産業の振興についてであります。
 経営者の高齢化や後継者不足が深刻化する中、喫緊の課題であります事業承継につきましては地域に密着した企業支援を行う金融機関との連携を強化するほか、専門家を活用した相談体制を充実し支援ニーズの掘り起こしから事業承継計画の策定、実行まで切れ目のない支援を展開いたします。また国と歩調を合わせ後継者候補の養成を通じてマッチングを促進するなど第三者承継にも積極的に取り組んでまいります。
 次に、農林水産業の競争力の強化についてであります。
 TPPイレブンや日EU・EPA、日米貿易協定の発効などの国際的な貿易自由化の潮流や東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催を好機と捉え農業芸術品、つづめて農芸品とも言うべき質の高い本県農林水産物の生産拡大、販路開拓等により国際競争力が高く本県経済を力強くリードする攻めの農林水産業を展開してまいります。
 マーケティング戦略の推進につきましては、輸出にチャレンジする事業者やHACCPの取得など海外のニーズに対応した生産体制の構築を目指す事業者を支援するほか、ヨーロッパで関心が高まっているお茶、日本酒の販路開拓や地域商社の育成などを通じ成長の原動力としての輸出拡大を推進してまいります。また多様な食文化に対応した食の提供など国籍、宗教を問わず本県を訪れる誰もが安心して静岡の食を体験できる食の都の内なる国際化を進めてまいります。
 農業につきましては、国内外との競争を見据え農地集積の加速化や担い手の確保・育成、国際水準GAP――グッド・アグリカルチュラル・プラクティスの取得支援、ロボット、AI、IoT等の先端技術を活用したスマート農業技術の導入など生産性向上と生産力強化に取り組んでまいります。
 CSF――豚熱対策につきましては、養豚農場における消毒の徹底や子豚へのワクチン接種、野生イノシシの捕獲など防疫対策を継続してまいります。来年度はCSF対策室長を設置し国、市町、関係団体と連携しながら養豚農場の感染防止に万全を期してまいります。
 林業につきましては、新ビジョンの目標である木材生産量五十万立方メートルの早期達成に向け森林資源の循環利用による林業の成長産業化を加速してまいります。特に需要拡大に向けては公共施設やオフィスなどの非住宅分野への県産材利用を促進してまいります。またICT等の先端技術を活用した林業イノベーションの推進による供給力の向上や高まる都市部の需要を獲得するために首都圏への販路拡大と森林認証材など県産材の供給体制を強化してまいります。
 水産業につきましては、近年不漁が深刻化しておりますことから漁業者や水産加工業者の所得、利益の向上につながるよう漁業者等の新たなアイデアの実現を支援する水産イノベーション対策を継続的に実施するほか水産資源と生育環境の調査を拡充いたします。また調査能力を強化した調査船「駿河丸」の代船の建造を進めるなど水産王国静岡の持続的な発展に取り組んでまいります。
 政策の第六の柱は多彩なライフスタイルの提案であります。
 初めに、関係人口の創出・拡大についてであります。
 人口減少が進行していく中にあっても、地域活力を維持・伸長していくためには地域を応援したいという人々の想いを行動につなげ、さまざまな形で本県に協力いただく関係を構築し継続していくことが重要であります。このため地域課題の解決の担い手となる関係人口と地域をつなぐ体制づくりや参加者がやりがいを感じられる地域づくり活動の創出など市町や関係団体等と一丸となって取り組んでまいります。
 次に、ふじのくにの景観づくりについてであります。
 美しいふじのくにの景観形成につきましては、伊豆半島、富士山周辺、牧之原大茶園、浜名湖などの良好な広域景観の形成や屋外広告物の適正化、公共空間の高質化に向け市町と連携して取り組んでまいります。また白砂青松の景観はふじのくにの魅力の一つであります。流木等により景観が損なわれている状況を踏まえ海岸漂着物を処理する新たな制度を創設し美しい海岸景観の保全に努めてまいります。
 政策の第七の柱はふじのくにの魅力の向上と発信であります。
 初めに、文化芸術の振興についてであります。
 オリンピック・パラリンピック文化プログラムにつきましては、来月二十九日に開催する静岡県郷土唱歌を歌おうを皮切りに東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催に合わせ本格展開してまいります。ゴールデンウイークには東京二〇二〇NIPPONフェスティバルの事業としてSPACが駿府城公園を舞台に昨年ニューヨークで喝采を浴びた「アンティゴネ」を上演いたします。十月には三年に一度となる静岡国際オペラコンクール、十一月には全国各地の伝統芸能が一堂に会する地域伝統芸能全国大会など年間を通じて県内各地域を文化芸術で彩り国内外からお越しになる全ての方々に本県の魅力を大いに発信してまいります。
 また、この文化プログラムを一過性のイベントに終わらせることのないよう県民主体の文化芸術創造活動を一層促進するためのプラットホームとして専門人材を配置し、県内の活動団体を支援する静岡県版アーツカウンシル設置の準備を進めてまいります。
 政策の第八の柱は世界の人々との交流の拡大であります。
 初めに、国際競争力の高い観光地域づくりについてであります。
 本県の平成三十年度の宿泊客は一千九百九十七万人と増加基調で推移しており、特に外国人宿泊客の伸びが顕著であります。今後さらなる宿泊客の増加を目指し公益社団法人静岡県観光協会に旅行商品づくりの専門人材を配置するなど商品企画機能を強化し付加価値の高い魅力ある旅行商品の提供に努めてまいります。
 また、本県の観光に係るさまざまなデータを集約、分析しターゲットを絞った効果的なマーケティングに活用するため観光デジタル情報プラットホームを構築し、国内のみならず拡大する外国人旅行者の需要を確実に取り込みより一層の交流拡大に取り組んでまいります。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを捉えた誘客拡大につきましては、世界中の注目の集まるオリンピック・パラリンピックの効果を最大限県内に波及させることを目指し、静岡ツーリズムビューローと連携いたしまして海外における情報発信や営業活動の強化による新たな顧客の開拓に取り組んでまいります。また観戦者が多く宿泊する首都圏での誘客促進によりインバウンド需要を効果的に取り込み地域経済の活性化につなげてまいります。
 駿河湾フェリーの利用促進につきましては、一般社団法人ふじさん駿河湾フェリーが運航を開始した昨年の六月以降相次ぐ台風や長雨等の天候による影響を大きく受け大変厳しい状況になっております。今後利用者を増加させ経営の健全化を図るためには県及び市町、関係団体等が危機感を共有し抜本的見直しを図る必要があります。このため来年度は富士山と駿河湾フェリーを結びつけたPRや富士山静岡空港の就航先でのプロモーション、旅行商品の販売促進による海外誘客を強化します。また中部横断自動車道の開通により需要拡大が見込まれる甲信越地域の新規事業開拓や土肥港側の駐車場の整備、二次交通の改善など効果的な利活用促進に取り組んでまいります。
 次に、地域外交の深化についてであります。
 中国、韓国、モンゴル、台湾などの重点国・地域を中心に展開してきた本県の地域外交は上海、ソウル、台北、シンガポールの四カ所に活動拠点となる駐在員事務所を設置し全庁を挙げて取り組んでまいりました。この結果、経済協力などの覚書を取り交わしているインドネシアの西ジャワ州や昨年度重点国に位置づけたインドのテランガナ州から本県との交流拡大に向けた要望が寄せられるなどこれまで築いてきた交流の輪がさらなる広がりを見せております。来年度はこれらの新たなチャンスを積極的に取り込み交流の成果を上げていくため、インドネシアやインドなどに簡易な活動拠点を設けより積極的に対応してまいります。
 次に、交流を支える交通ネットワークの充実についてであります。
 ふじのくにの空の玄関口富士山静岡空港につきましては、令和元年度の暦年ベースの搭乗者が七十九万五百四十四人となり開港以来最高を更新いたしました。現在新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により空港の利用者は減少しておりますが、引き続き運営権者及び関係団体と連携しまして空港の利用促進等に努め、国内外の皆様に選ばれる活力と魅力あふれる空港を目指してまいります。
 次に、沼津駅周辺総合整備事業についてであります。
 私は、何よりも原地区の発展を第一に考え沼津市とともに事業の推進に取り組んでいるところであります。昨年九月に沼津市と共同で裁決申請した新貨物ターミナル整備予定地の用地取得につきましては先月九日に収用委員会が審理の結審を決定し、現在裁決に向けて協議検討を行っていると承知しております。引き続き市と連携して地権者の皆様に対し誠意をもって丁寧な説明を行い裁決が出る最後の最後まで任意での用地取得を目指してまいります。また用地取得完了後は速やかに工事着手できるよう鉄道事業者など関係者との協議や設計など必要な準備を着実に進めてまいります。
 基本方針の二つ目は生産性の高い持続可能な行財政運営であります。
 初めに、政策の推進に向けた組織体制の強化についてであります。
 組織定数につきましては、県政の重要課題に迅速かつ的確に対応できるよう見直しを行いました。文化・観光部のスポーツ・文化観光部への改編のほか、誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けることのできる地域づくりを進めるため介護予防や高齢者に対する保健事業を含めた健康増進施策を一体的に推進する健康局を設置いたします。また東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催や社会健康医学大学院大学の開学に向けた体制の強化など誰もが努力をすれば夢を実現し幸せを感じることのできる地域の実現に向けた施策を着実に推進する体制を整備いたします。
 次に、ファシリティマネジメントの推進についてであります。
 人口減少や少子高齢化など社会経済状況が変化する中、老朽化が進む県有施設の安全性を担保し県民ニーズに的確に対応しながら将来世代へ施設を引き継いでいくことが重要です。このため今後三十年間における施設ごとの管理方針を定めた個別施設計画を策定し計画的な建てかえや長寿命化等の取り組みを本格化いたします。また計画の実効性を高めるため施設の長寿命化の推進を目的とした基金を新たに造成し県有施設全体の適切な管理を着実に実施してまいります。
 次に、特別会計及び企業会計についてでありますが特別会計は公債管理特別会計予算ほか十会計で総額八千二百十六億五千万円、前年度当初予算比〇・八%の減となりました。また企業会計は工業用水道事業会計予算ほか四会計で総額八百一億一千五百万円、前年度当初予算比四・三%の減であります。
 次に、予算議案を除く令和二年度関係のその他の議案のうち主な案件について概要を御説明申し上げます。
 第十八号議案は、本庁に置く部の名称及び分掌事務の見直しに伴う条例の改正であります。
 第二十二号議案は、静岡県水産技術研究所の名称を静岡県水産・海洋技術研究所に改めることに伴う条例の改正であります。
 第二十四号議案から第二十六号議案までは、静岡県職員、静岡がんセンター職員及び教職員の定数等の改正を行うための条例の改正であります。
 次に、令和元年度関係の議案につきましてその概要を御説明申し上げます。
 一般会計の二月補正予算額は六十九億五千七百万円の増額であり、この結果令和元年度の最終予算額は一兆二千二百六十一億四千四百万円となります。防災・減災、国土強靱化、農林水産業の成長産業化など国の補正予算に伴う経費として二百七十五億八千三百万円の増額補正を行うとともに、災害復旧費等の減額などをあわせて行うものであります。
 特別会計及び企業会計の補正は事業費、財源の確定等に伴うものであります。
 令和元年度関係の予算以外の議案につきまして、主な案件について概要を御説明申し上げます。
 第六十七号議案は、県有建築物の長寿命化等を推進するための基金の創設に伴う条例の制定であります。
 第七十号議案及び第七十一号議案は、建設事業、土地改良事業等に対する市町の負担額の変更についてお諮りするものであります。
 第七十二号議案は、建築工事の請負契約についてお諮りするものであります。
 以上で私の説明を終わりますが、適切なる御議決をお願いする次第であります。
○議長(鈴木利幸君) 以上で説明は終わりました。

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