本会議会議録
議会補足文書
令和3年9月静岡県議会定例会
【 知事提案説明 】 発言日: 09/22/2021 会派名: |
○議長(宮沢正美君) 議事日程により、知事提出議案第九十九号から第百二十四号まで及び令和二年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題とし、知事の説明を求めます。
川勝知事。
(知事川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 皆様おはようございます。ただいま提出いたしました議案の概要を御説明申し上げますとともに、当面する県政の課題について所信並びに諸般の報告を申し述べます。
初めに、次期総合計画の策定についてであります。
静岡県の新ビジョンは二〇一八年度から二〇二七年度までの十年間を計画期間としており、本年度が最初の四年間の基本計画期間の最終年度となります。これまでの取組を総括的に評価した上で新たな計画を策定してまいります。
新型コロナウイルスによる未曽有の危機は東京一極集中の是正を不可避なものといたしました。大都市の過密構造そのものが感染リスクを高めており、分散型の国土形成が求められています。大都市中心から地方活躍時代へと時代は大きな転換点を迎えております。こうした中デジタル対応の遅れや感染症に対する防疫体制の強化などが喫緊の課題となっております。また地球規模の気候変動危機を背景に脱炭素社会の形成に向けた取組が待ったなしの状況となっています。そのほか急速に進む人口減少や少子高齢化、近年激甚化する風水害などの災害への対応、百年に一度とも言われる経済社会の大きな変化などにも的確に対応していく必要があります。
こうした課題を踏まえ、次期総合計画では基本理念として富国有徳の美しいふじのくにづくりを維持しつつ、東京時代から静岡時代へと時代の転換点に当たり本県が進むべき方向を明らかにいたします。そして第一の柱を新型コロナ危機を契機に東京一極集中の時代から地方活躍の時代へとし、第二の柱ではこれまでの世界的な評価を踏まえ世界から見た静岡県の視点でドリームズカムトゥルーインジャパンの拠点を目指してまいります。第三の柱といたしましては豊かな自然や地域資源に恵まれた本県を世界に輝くSDGsのモデル県とすべく、環境と経済の両立する地域の形成を図り持続可能な県土の成長を実現してまいります。
現在、これまでの基本計画を継承しつつポストコロナ時代を見据えた戦略的な視点を加え、誰一人取り残さない富国有徳のふじのくにづくりを推進するための新たな総合計画の策定作業を進めております。
去る八月十九日に本年度の第一回目の総合計画審議会が開催され、現基本計画の総括的な評価と次期総合計画の骨子案について委員の皆様に御審議を頂きました。この現計画の評価と次期計画の骨子案につきましては本議会におきましても御意見を頂き、次期総合計画に反映させてまいります。
今後、県民の皆様からも幅広い御意見を頂きながら本年度末までに次期総合計画を策定しふじのくにづくりの総仕上げの道筋を明確化してまいります。引き続き県議会の皆様の御支援と御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
次に、新型コロナウイルス感染症への対応についてであります。
新型コロナウイルス新規感染者数は一時の爆発的な感染拡大から減少傾向を示してはいるものの、医療提供体制の迫した状況がいまだ続いております。当初九月十二日を期限として適用を受けた緊急事態措置は、本県をはじめとする十九都道府県に対し九月三十日まで引き続き適用されることとなりました。この災害レベルとも言われる感染爆発に最前線で対峙されている医療従事者の皆様、宿泊療養施設の運営に関わっていただいている皆様をはじめ御協力を頂いております全ての皆様に厚く御礼を申し上げます。そして感染拡大防止のため休業や営業時間の短縮に御協力を頂いている事業者の皆様、行動抑制に努められている県民の皆様お一人お一人に改めて感謝を申し上げます。
このたびの緊急事態措置の延長をはじめ、長引くコロナウイルスとの闘いの中で自粛疲れ、コロナ慣れとも言われる危機意識の低下等により人流の再拡大が強く懸念されております。依然として予断を許さない状況が続いており、今後秋の行楽シーズンを迎えるに当たり引き続き万全の注意を払っていく必要があります。
県民の皆様には手指消毒やマスクの着用、三密はもちろん一密であっても避けていただくなど新しい生活様式の励行、不要不急の外出を控えるセルフロックダウンのほか職場の休憩室や寮などの共同生活、学生同士の会食など最近の感染拡大の事例を踏まえた感染防止対策の徹底をお願いしております。
県といたしましては、今後も県内外の感染状況や医療提供体制等を常時把握、分析し県民の皆様に分かりやすい情報提供、注意喚起を行うことで感染拡大の抑止に努めてまいります。
出口戦略の切り札であるワクチン接種につきましては、九月二十日現在県全体で二回目の接種を終了した方が四六・三%となりました。今回の第五波におきましては感染者のうちワクチン接種がほぼ終了した高齢者の割合が低下しワクチン接種の効果が認められました。国から十月上旬までのワクチン配布数が示されましたので、各市町の六十四歳以下の方に対する接種計画の前倒しを目指し十一月末までに全ての希望する方へのワクチン接種ができるよう市町と連携して進めてまいります。あわせてモデルナ製ワクチンを活用した大規模接種会場を県内二か所に開設し、県としてもワクチン接種の加速化に取り組んでまいります。
アフターコロナを見据えた感染症対策につきましては、スペイン風邪以来のパンデミック型の感染症を経験した私たちはこの経験を糧に次なる感染症への備えを始めなければなりません。昨年度静岡県病院協会、静岡県医師会、静岡県看護協会から頂きました御提案などを踏まえ新興感染症等の対応として平時における研修、相談、調査機能、有事における病床の確保・調整機能などを持つ拠点の検討を進めてまいります。今後専門家の御意見を伺いながら他県事例の調査分析、国立感染症研究所や県環境衛生科学研究所等との役割分担などを整理し本年度中に基本構想を策定いたします。必要となる経費を補正予算案に盛り込み本議会にお諮りしているところであります。
事業者への支援につきましては、緊急事態措置の延長に伴い県内全域の飲食店や大規模集客施設等に対し九月十三日から三十日までの間、休業及び営業時間の短縮を要請いたしました。要請に応じていただいた事業者には引き続き協力金を支給いたします。
次に、大雨等による災害への対応についてであります。
去る七月一日から三日にかけて本県は記録的な大雨に見舞われ、道路、河川、港湾、漁港等の公共土木施設などに甚大な被害をもたらしました。被災箇所につきましては二次災害を防止するとともに、住民生活への影響を最小限にするよう必要な応急工事を速やかに実施してまいりました。今般公共土木施設等の復旧に要する事業費がほぼ確定したことから、必要となる経費を補正予算案に盛り込み被災施設の早期復旧に全力を傾注してまいります。
熱海市伊豆山地区で発生した大規模な土石流災害につきましては、逢初川下流域復旧・復興チームを立ち上げ被災された方々が一日も早く安全・安心な生活を取り戻せるよう地域の理解と関係機関による連携の下、復旧・復興事業を進めております。また逢初川上流部におきましては国が直轄砂防事業として緊急的な砂防工事に着手しております。
沼津市と清水町を結ぶ黄瀬川大橋につきましては、橋脚が沈下し橋桁が傾く被害が発生し通行止めとしておりましたが、国の技術支援を得て被災した橋桁を撤去した後、仮設橋を設置し八月三十一日に通行止めを解除いたしました。引き続き国や地元市町と連携し一日も早い本格復旧に努めてまいります。
熱海市伊豆山地区の土石流災害による被災者の住まいの確保につきましては、傾斜地が多いため応急仮設住宅の建設適地を探すことが難しく建設にも時間を要することから、仮設住宅の建設ではなく既存の公営住宅や民間賃貸住宅を最大限に活用し被災者に住居を提供することで避難生活の早期解消を図りました。九月二十一日現在公営住宅等に二十八世帯、民間賃貸住宅に六十四世帯の方々の入居が決定しております。
なお、応急住宅として提供している県営住宅七尾団地の建て替え整備につきましては被災者の方の長期的な受入先としての活用を視野に様々な不安、御要望などを丁寧に伺いつつ当初の再整備計画より前倒しして進めてまいります。またペットを飼育されている被災者の方の住まいの確保を支援するため、先行事例を参考にしつつ他の入居者などの御意見も承りながらペットと一緒に入居できる県営住宅の検討を進めてまいります。
被災者の見守り・相談支援につきましては、これまでの地域コミュニティーを離れ、慣れない応急住宅等での生活により被災者の不安感や孤立感、心身のストレスの増大などが懸念されます。このため熱海市が設置する被災者生活支援窓口におきまして生活支援相談員による見守り・相談対応を行うとともに、県が相談員を対象とした研修やアドバイザーの派遣を行うなど関係者が連携した支援体制の一層の充実を図り被災者が安心して暮らすことができるよう取り組んでまいります。
中小企業者等への支援につきましては、発災後直ちに県内全域を対象とする県制度融資中小企業災害対策資金等を発動し緊急的な金融支援を行っております。これに加え土石流災害により被災した熱海市伊豆山地区の二十を超える事業者に対し国、市と合同で被災状況や今後の再建等に関する聞き取りを実施し施設改修や設備の修繕、事務所の移転等に対する助成制度を創設いたします。今後この制度も活用しながら甚大な被害を受けた事業者に寄り添い、再建を後押ししてまいります。
さらに、漁業者への支援につきましては伊豆山港に流入した土砂や瓦礫の除去を進めアワビ、イセエビ等の漁場を早期に復旧し一日も早く漁業を再開できるよう支援に注力してまいります。
熱海市伊豆山地区における盛土に関する今後の対応につきましては、土石流災害の原因を究明するため発生原因究明作業チーム及び行政手続確認作業チームを立ち上げ、発生のメカニズムの解明や事実関係の確認を進めております。事実関係が明らかになった段階で情報は全て公開し、その上で第三者による検証を予定しております。今後二度と同じような災害を発生させないためには静岡県土採取等規制条例を厳しく改めることが必要であります。盛土に対する県民の皆様の不安を払拭するためにも、権限を移譲している市町の意向も確認しながら他県の条例を参考に本年度中に条例を改正し規制を強化してまいります。
類似災害を防止する観点から、大規模な盛土箇所や法令違反で現在指導を継続している箇所を対象に市町と連携して職員による緊急点検を実施いたしました。点検の結果異状が確認された箇所につきましては、現在市町と連携して事業者や土地所有者等へ是正指導等を行っているところであります。
また、治山治水対策など水循環を介して流域圏と密接に関連する土砂や水に関する諸課題への対応が求められております。水は人間の生命その他自然の生態系の維持に欠くことができないものであり、人間の社会生活に不可欠な代替性のない資源でもあります。しかし近年、地球温暖化に伴う気候変動や開発行為等の社会経済活動により空・大地・海を巡る水の循環に変化が生じております。この水循環の変化は森林の保水機能の低下による災害などを引き起こす要因にもなっております。国においては平成二十六年、健全な水循環を維持または回復させ経済社会の健全な発展と生活の安定向上に寄与することを目的とした水循環基本法を制定しました。県といたしましても水循環基本法の理念を実現するため土採取等規制条例の改正と併せ本年度中に水循環の保全に関する条例を制定することとし、現在その作業を進めております。
次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックについてであります。
新型コロナウイルス感染拡大によりこれまで経験したことのない困難な状況下での開催となりましたが、安全・安心な大会を実現し競技開催県としての役割を果たすことができました。市町、競技団体、ボランティアの皆様などの御尽力に改めて敬意を表し心から感謝を申し上げます。
大会期間中、世界中から多くのアスリートが集いすばらしいパフォーマンスを発揮する姿はコロナ禍の世界に大きな勇気と感動を与えてくれました。本県ゆかりの選手につきましてもその実力を十分に発揮し、卓球の混合ダブルスの水谷隼選手、伊藤美誠選手が金メダル、女子団体の伊藤美誠選手、平野美宇選手が銀メダル、野球の岩崎優選手、ソフトボールの渥美万奈選手、山崎早紀選手が金メダル、競歩の池田向希選手が銀メダル、山西利和選手が銅メダル、さらには梶原悠未選手が自転車競技で日本人女性初の銀メダルを獲得するなど世界のひのき舞台で目覚ましい活躍をされました。
パラリンピックにつきましては残念ながら全ての会場で無観客開催となりましたが、自転車の杉浦佳子選手が金メダル二つ、陸上車椅子の佐藤友祈選手が金メダル二つ、水泳の鈴木孝幸選手が金メダル一つ、銀メダル二つ、銅メダル二つ、ボッチャの杉村英孝選手が個人で金メダル、チームで銅メダル、車椅子バスケットボールの藤本怜央選手が銀メダル、車椅子ラグビーの若山英史選手が銅メダルを獲得するなどパラアスリートとして自身の限界に挑むその姿は県民の皆様に感動を与えるとともに、障害のある方への理解、関心を高め今後の共生社会の実現に向け大きな原動力になるものであります。
今後は、本県をスポーツの聖地とすべく関係者が一丸となって大会開催の成果をレガシーとして次世代に継承していかなければなりません。本県が競技会場となった自転車競技のトラック、マウンテンバイク、ロードに加え東京オリンピックから正式種目となったBMXにつきましても今後普及振興策を検討してまいります。本県が全ての自転車競技の中心地としてサイクリストの憧れを呼ぶ聖地となるよう積極的に取り組んでまいります。
次に、スポーツの聖地づくりについてであります。
東京二〇二〇大会では、コロナ禍において力を尽くし挑戦するアスリートの姿が世界中の人々に勇気と感動を与えました。改めてスポーツの持つ無限の力を実感したところであります。
本県を舞台に開催されたラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックを契機に県内各地でスポーツイベントの開催や大会、合宿の誘致などスポーツの振興に向けた取組が進められ、県民の皆様のスポーツへの関心も高まっております。この機運の高まりを一過性のものとせず、これまでの取組によって生まれたレガシーを発展的に継承しスポーツ医科学を活用した健康増進、スポーツと観光の融合、スポーツ産業の育成などスポーツの枠を越えた様々な分野との連携によりスポーツを核とした地域づくりを推進してまいります。こうしたスポーツによる地域活性化の推進役として自治体、スポーツ団体、大学、医療機関、民間企業等が一体となった組織スポーツコミッションの設置に向けた検討を進めてまいります。
次に、次世代県庁舎の検討についてであります。
県が保有する施設のうち築三十年を超える建物は全体の約六割を占めており、今後三十年間で改築または建て替えの必要が生じてまいります。中でも現在知事室や副知事室などが置かれ県政の司令塔機能を有する県庁東館は、向こう十年から十五年以内で使用年数が切れる見込みであります。建て替え時の業務執行、埋蔵文化財や駿府城跡地の保存、使用できる面積などを考えますと現在の駿府城下での建て替えは非常に難しいものと考えております。
このたび庁内関係課で構成するプロジェクトチームを組織し、次世代県庁を創造していくというテーマの下、単に配置場所や建物の構造だけではなく今後県が地域において担う役割や機能、さらにはそこで働く職員の働き方をどう変革させていくかについても併せて検討してまいります。
次世代県庁の構想策定に当たりましては、カーボンニュートラルの実現やテレワークに代表される新たな働き方の定着も意識し柔軟な発想で十年後を見据え次世代県庁を創造してまいります。
県有建築物のZEB化につきましては、二〇五〇年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現を目指す中、住宅やオフィスを含む業務・家庭部門のエネルギー消費量は一九七三年比で約二倍となっており、省エネ対策の強化が急務となっております。国では高い省エネ性能と太陽光発電などを組み合わせエネルギー消費量を実質ゼロにするネット・ゼロ・エネルギー・ビルZEBやネット・ゼロ・エネルギー・ハウスZEHの普及を推進し、二〇三〇年にはエネルギー消費量を二〇一六年基準比で新築住宅では二〇%以上、新築建築物では用途に応じて三〇%から四〇%以上の削減を目指すこととしております。
県といたしましても、今後は率先して省エネ性能の高い建築物の建設に取り組んでいく必要があります。このため省エネ仕様による建設コストの増加と維持管理コストの削減効果を分析する省エネシミュレーションを実施し、県有建築物の消費エネルギーに削減目標を設定いたします。ZEB化に対応した県有建築物ZEB化設計指針を策定し速やかに運用を開始してまいります。
次に、南アルプスの自然環境保全についてであります。
ユネスコエコパークに登録され世界の宝として誇るべき南アルプスを次世代に着実につなげるため、独特な自然環境や多様で希少な生態系を守りその魅力の国内外への発信や持続可能な利活用が調和する様々な活動を令和二年度から開始しております。生態系の保全に関する取組につきましては絶滅の危機に瀕した高山植物の種子増殖を目指す南アルプス高山植物種子保存プロジェクトを県内五つの高等学校との協働により展開しており、環境保全に対する理解や行動が着実に次世代に広がっていると実感しております。
また、南アルプスの自然環境を未来につなぐことが現代を生きる我々の責任であるとの認識に立ち個人や企業、団体などの皆様がその魅力や保全活動などについて共有、共鳴、共感しその行動の輪を広げ、より一層活動が活発になることを願い七月十四日に南アルプスを未来につなぐ会を発足いたしました。八月二日から会員の募集を開始したところ、九月二十一日現在二百八十の個人及び団体に御入会を頂いているところであります。
今後は、会員によるSNSを活用した南アルプスの魅力発信や、自然環境の保全や利活用等をテーマとしたシンポジウムの開催など南アルプスの保全活動等に参加する方々の交流を促進しネットワークを構築してまいります。また南アルプスをフィールドとする研究活動を活性化するため学術フォーラムを立ち上げ、研究のテーマや方法などに関する意見交換や将来を担う若手研究者の育成に向けた支援など新たな取組も進めてまいります。
次に、自動車産業における変革への対応についてであります。
六月に立ち上げた次世代自動車の電動化・デジタル化等対応研究会において、急速に進むEV化やカーボンニュートラルへの対応策について検討を進めております。これまで多くの委員の皆様から企業間連携や新たな技術開発の重要性について御意見を頂いております。このため今年度、中小企業単独では難しい自動車メーカーの系列を超えた大手企業との連携の場を創出し新技術や新製品、空飛ぶ車など次世代モビリティーの開発を後押ししてまいります。
次に、伊豆ヘルスケア温泉イノベーションプロジェクト、通称ICOIプロジェクトについてであります。
全国に誇る伊豆半島の温泉が持つポテンシャルを見直し、温泉とジオパークに代表される自然、歴史、文化、食などの地域資源さらにスポーツ科学などの知見を組み合わせ健康増進に寄与するメカニズムを検証することで新たなヘルスケアサービスを提供する仕組みづくり、元気になる場所、伊豆の創出を目指してまいります。今年度は温泉の泉質や成分、効能に関する実態や最新の知見を調査するほかプラットフォームの構築を進めてまいります。
次に、歴史・文化資源を活用した観光地域づくりについてであります。
本県を舞台とする大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」と「どうする家康」が令和四年から令和五年にかけ二年続けて放映される予定であります。この絶好の機会を捉え関係市町や事業者等と連携し、源頼朝が北条政子と共に深い信仰を寄せ江戸時代には徳川将軍も崇敬した伊豆山神社や運慶作の国宝仏像が伝わる北条氏ゆかりの願成就院、源氏ゆかりの宝物を多数納める修禅寺、徳川家康が今川氏の人質時代に学び親しんだ臨済寺、天下人への足固めの歳月を過ごした浜松城など県内各地に息づく様々な歴史・文化資源に光を当て地域住民による価値の理解を促進し磨き上げてまいります。またこれらの恵まれた地域資源を活用することにより県内外からの誘客や周遊を促進し、持続可能な観光地域づくりを進めてまいります。
次に、高規格幹線道路ネットワークの構築についてであります。
中部横断自動車道は、静岡市を起点に山梨県甲斐市を経由し長野県小諸市に至る延長約百三十二キロメートルの高速自動車国道であります。去る八月二十九日南部インターチェンジから下部温泉早川インターチェンジ間がつながり、本県と山梨県の区間が全線開通いたしました。この開通により山梨県庁と静岡県庁間の移動時間が約七十分短縮されるなど甲信地域とのアクセスが飛躍的に向上するとともに、大規模災害時の広域的な迂回路としても重要な役割を果たすこととなります。また中央自動車道と東名・新東名高速道路が連絡し富士山を周遊する広域観光が可能となり、清水港や富士山静岡空港とも一体となった陸・海・空の交通ネットワークが形成されたことで地域経済や観光交流を拡大する絶好の機会を迎えております。
中央日本四県サミットで連携する山梨県、長野県、新潟県による山の洲くににおいて富士山をはじめ南アルプス、中央アルプス、北アルプスなど本州中央部の世界に誇る絶景空間、言うならばスーパーランドスケープリージョンなどを生かした広域経済交流圏の形成を進めてまいります。
続きまして、九月補正予算案についてであります。
今回の九月補正予算は、七月一日からの大雨等による被害への対応、新型コロナウイルス感染症対策、ふじのくにづくりの新たなスタートを切る取組に必要な経費等について編成いたしました。その結果一般会計補正予算の規模は二百十四億二千七百万円で、これを加えました本年度の予算の累計額は一兆四千二百三十八億二千六百万円となります。特別会計の補正は県営住宅事業特別会計外一件であります。企業会計の補正は県立静岡がんセンター事業会計であります。
次に、予算以外の議案のうち主な案件につきましてその概要を御説明申し上げます。
第百四号議案は、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法の施行に伴い事業税等に関する特例を定めるための条例の制定であります。
第百十号議案から第百十二号議案までは、県が行う道路整備事業、土地改良事業等に対する市町の負担額を定めるものであります。
第百十三号議案から第百二十号議案までは、土木工事等の契約についてお諮りするものであります。
第百二十一号議案は、公立大学法人静岡文化芸術大学の定款の変更についてお諮りするものであります。
第百二十二号議案は、公の施設の指定管理者の指定についてお諮りするものであります。
また、令和二年度の一般会計、特別会計、企業会計合わせて十七会計の決算につきまして監査委員の審査を経ましたので議会の認定に付するものであります。
以上で私の説明を終わりますが、適切なる御議決をお願いする次第であります。
○議長(宮沢正美君) 以上で説明は終わりました。
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