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本会議会議録

議会補足文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用




令和元年9月静岡県議会定例会
知事提案説明
発言日: 09/17/2019
会派名:


○議長(鈴木利幸君) 議事日程により、知事提出議案第百二十七号から第百五十号まで及び平成三十年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題とします。知事の説明を求めます。
 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) ただいま提出いたしました議案の概要を御説明申し上げますとともに、当面する県政の課題について所信並びに諸般の報告を申し述べます。
 初めに、今月八日から九日にかけて本県に最接近した台風十五号により、伊豆地域を中心に家屋の損壊を初め道路、港湾、農業施設、さらには停電、断水など多くの被害をもたらしました。被災された皆様に対しまして衷心よりお見舞いを申し上げます。
 被災箇所につきましては、県民の皆様の生活への影響を最小限にするよう一日も早い復旧に努めてまいります。
 続いて、県政の概要について御報告申し上げます。
 初めに、地方創生についてであります。
 平成二十七年十月に策定した美しいふじのくにまち・ひと・しごと創生総合戦略につきましては本年度が計画期間の最終年度となります。現在総括の仕方が新しい出発の仕方を決めるとの考えのもと、これまでの五年間の取り組みを総括し次期総合戦略の策定を進めております。先月二十一日には県内の産学官金労言の代表者等で構成する県民会議を開催し、これまでの成果や今後の地方創生の方向性について御審議いただきました。本議会におきましては、評価結果について御意見をいただき次期総合戦略に反映させることによって戦略の実効性と透明性を高めてまいります。
 今後、県民の皆様から幅広く御意見をいただきながら次期総合戦略を策定し、地方創生を進める上で最大の課題である人口減少についてその抑制と適応の両面から取り組むなど世界共通の目標となるSDGsのフロントランナーとして、本県ならではの地方創生の実現に全力で邁進してまいります。引き続き県議会の皆様の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 我が国がこれまで進めてきた経済力の向上だけでは心の豊かさを満たされないことは明らかであります。経済力を維持しながらも自然に立脚する生き方や暮らし方といった文化力に軸を置く世界から憧れられる美しい国づくりを、世界遺産富士山やユネスコエコパークである南アルプスなど我が国を象徴する特筆すべき自然を有する静岡県が牽引してまいります。
 今後、中央日本四県サミットを構成する長野県、新潟県、山梨県等とも連携いたし富士山、南アルプスに加え、中央アルプス、北アルプスの連峰、富士山とともに日本三霊山ないし日本三名山に数えられる立山や白山など本州中央部の絶景美を生かした交流圏、言うなればスーパーランドスケープリージョンの形成を進めてまいります。
 次に、子供の安全確保対策についてであります。
 かけがえのない子供たちのとうとい命を守ることは地域や社会に課せられた使命であり、県、市町、地域住民、民間団体などオール静岡で取り組んでおります。六月には子供や保護者、学校等施設の職員向けの防犯講座や通学路、通園路等の安全対策を緊急的に実施することとし県庁版の緊急対策アクションを取りまとめました。これに加えて、今月六日には市町や民間団体の取り組み、要望等を踏まえた対策を新たに盛り込み静岡県全体の緊急対策アクションを策定いたしました。この緊急対策アクションに基づき自主防犯パトロールや登下校時の子供の見守り活動、私立学校や民間児童福祉施設のスクールバス等への防犯用品の整備などの安全確保対策を強化することとし、必要となる経費を補正予算案に盛り込み本議会にお諮りしているところであります。
 今後も、緊急対策アクションをオール静岡で着実かつ迅速に実行し、ワン・フォー・オール・チルドレン、オール・フォー・エブリー・チャイルドの精神で子供の安全確保に全力で取り組んでまいります。
 次に、地震・津波対策についてであります。
 本年度の総合防災訓練につきましては、先月三十日から今月五日までの防災週間を中心に県内全市町において約七十五万人の県民の皆様の参加を得て実施いたしました。今月一日には三島市、函南町、愛鷹広域公園、富士山静岡空港などをメーン会場に総合防災訓練を実施いたしました。当日は警察、消防、自衛隊などの御協力を得て倒壊した住宅からの負傷者の救出救助訓練、広域物資輸送拠点から避難所までの輸送・受け入れ訓練等を実施いたしました。また東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを見据え、JR三島駅や伊豆ゲートウエイ函南の旅客、観光客を対象とした避難誘導訓練もあわせて実施し関係機関や自主防災組織との連携を確認いたしました。
 今後も、十二月の地域防災訓練や来年一月の大規模図上訓練など実践的な訓練を積み重ね地域の防災力向上、災害対策本部の機能強化を図ってまいります。
 昭和五十五年度に施行されたいわゆる地震財特法につきましては、これまで七回にわたって延長され国庫補助率のかさ上げなど財政上の特別措置が図られてまいりましたが、本年度末にその期限が到来いたします。想定される南海トラフ地震などの大規模地震に備え、引き続き県民の生命、財産を守る防災・減災対策を強化していく中、期限の延長が必要であります。
 県議会の皆様のお力添えをいただきまして、県内市町、地震防災対策強化地域の七都県とも連携して地震財特法の延長を国に強く働きかけてまいります。
 次に、多文化共生社会の実現についてであります。
 異なる文化、言語、生活習慣などを持つ外国人県民が本県で安心して暮らし活躍するためには外国人県民もひとしく県民であり、ともに暮らす生活者であるという視点に立った施策が必要であります。本年四月に設置した多文化共生推進本部プロジェクトチームでは外国人の子供の教育支援、災害時における情報発信の強化、安心して受診できる医療体制等の整備など優先的に取り組むテーマを設定し具体的な施策の検討を進めてまいりました。これまでの検討を踏まえ、学校現場における外国人児童生徒の日本語指導の充実や総合防災アプリ「静岡県防災」の多言語化、特定技能制度に関する分野別説明会などを実施することとし必要となる経費を補正予算案に盛り込んだところであります。
 次に、産業成長戦略の推進についてであります。
 ICT人材の確保・育成につきましては、トップレベル人材を県内に呼び込むため七月二十四日及び二十五日にグランシップにおきまして全国初の試みとなる首都圏のICTベンチャーと県内企業との提携を促す商談会、TECH BEAT Shizuokaを開催いたしました。ICTベンチャー五十六社が参加し二日間の来場者は約三千三百人、三百件を超える活発な商談が繰り広げられました。この商談会を契機に県内企業が抱える課題の解決や新ビジネスの展開につながるよう双方の橋渡しを継続いたします。高度なICT技術を有する人材と企業の集積に取り組み、県内経済の活性化と新たな産業の創出を図ってまいります。
 マリンバイオテクノロジーを生かした産業の振興と創出を図るMaOIプロジェクトにつきましては、プロジェクトの推進機関となる一般財団法人マリンオープンイノベーション機構、通称MaOI機構が七月一日に設立され業務を開始いたしました。現在オープンイノベーションの場となる産学官金のネットワーク組織、MaOIフォーラムの会員を募集しております。また今月九日から十三日にかけて静岡市清水区で開催された国際マリンバイオテクノロジー会議において、国内外から訪れた海洋研究の専門家等の皆様にプロジェクトの概要とともに駿河湾を初めとする魅力ある海洋資源や多彩な産業の集積など本県が持つポテンシャルを積極的に情報発信いたしました。
 今後、MaOIフォーラムを中心に大学や研究機関のシーズと地域企業のニーズのマッチングを促進し、マリンバイオテクノロジーを生かした海洋産業の振興と海洋環境の保全の世界的な拠点となるように取り組んでまいります。
 次に、農林水産業の競争力の強化についてであります。
 本年の一番茶、二番茶が減産、相場安となっているお茶につきましては収益性の高い生産体制の構築や消費が大きく減っている緑茶の需要拡大が急務となっております。このため、品質向上と低コスト化を図るための製造機械等の導入や飲料メーカーなどから求められるGAP認証の取得を促進し需要に対応した生産体制への転換を加速化してまいります。また茶業研究センターが開発した香り緑茶等の新商品開発や販路開拓の支援により静岡茶の新たな需要の創出に取り組むこととし、必要となる経費を補正予算案に盛り込んだところであります。
 日本一の茶の都しずおかにふさわしい研究拠点を目指す茶業研究センターにつきましては、本年度中に基本計画を策定し早期の完成に向けた準備を進めてまいります。生産者、茶商、関係団体など茶業界とも連携しながら茶産地の構造改革、新たな需要創出、輸出促進など本県茶業の振興に全力で取り組んでまいります。
 農林業経営に革新を起こす人材を養成する農林環境専門職大学につきましては、今月六日文部科学大臣から設置が認可されました。これを受けまして、専門職大学の設置目的や学部、授業料、入学料等を規定する条例を制定することとし本議会に条例案をお諮りしているところであります。来年四月の開学に向けまして施設整備や学生募集などの準備に万全を期してまいります。
 豚コレラ対策につきましては、昨年九月に岐阜県で発生が確認されて以降隣接する愛知県や長野県のほか三重県、福井県、埼玉県でも新たに発生するなどいまだ終息しておりません。このような状況の中、七月二日農林水産省は豚コレラウイルスの拡散を防止するため、感染源とされる野生イノシシへの経口ワクチンを既に散布を実施している岐阜県と愛知県に加え隣接する本県を含めた七県においても散布することを公表いたしました。今月下旬からワクチン散布に向けて農林水産省や関係市町、生産者団体等との準備を進めてまいります。また七月十六日に本県が豚コレラ対策対象地域に指定されましたため、国の指針に基づき野生イノシシの監視捕獲や感染確認検査を新たに実施するなど豚コレラ対策を強化してまいります。
 近年不漁が著しいサクラエビの資源管理につきましては、本年の春漁において主産卵場である駿河湾奥部での操業の禁止や成熟した親エビの出現状況に応じた操業の制限などこれまでにない厳しい自主規制を設けた結果、過去最低となる八十五・三トンの水揚げにとどまりました。来月からは秋漁の時期を迎えますことから、引き続き資源量推定のさらなる精度の向上のための調査研究を強力に進めるとともに、業界と十分に連携を図りながら適切な資源管理を促進してまいります。
 また、サクラエビ、シラスなど不漁により経営状況が悪化している漁業者、水産加工業者に対しましては低利の運転資金を利用できるよう必要となる経費を補正予算案に盛り込み本議会にお諮りしているところであります。
 次に、「森は海の恋人」水の循環研究会についてであります。
 去る七月三十日に開催した第一回目の研究会において「森は海の恋人」の理念の提唱者である畠山重篤氏から、森、川、海の深いつながりを研究することは重要であり日本の中心の静岡県からその取り組みを発信することは大変有意義であるとのお話をいただきました。また研究会顧問であり山梨県立富士山世界遺産センター所長の秋道智彌氏や各委員からは地下水を含めた水循環の重要性や地球温暖化が生態系に与える影響について御意見をいただくなど今後の研究会の進め方に関して御議論をいただきました。十月以降に予定している研究会では森、川、海に関する各委員のこれまでの研究成果を共有し今後の調査検討計画を策定する予定であります。
 南アルプスを源流とする富士川、大井川が流れ込む駿河湾はサクラエビ、シラスを初めとする多種多様な生物が生息する豊穣の海であります。この南アルプスと駿河湾を結ぶ水の循環による生態系の構造について科学的な解明を進め生物多様性の保全と豊かな恵みの持続可能な利用につなげてまいります。
 次に、リニア中央新幹線建設に伴う大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全についてであります。
 先月九日、リニア中央新幹線静岡工区の当面の進め方について国土交通省、静岡県、JR東海の三者で合意をし、国土交通省は専門部会における検討を見守りつつ状況に応じて検討の促進等に努めることとなりました。今月六日には県中央新幹線環境保全連絡会議の地質構造・水資源、及び生物多様性専門部会と大井川利水関係協議会の意見を取りまとめた中間意見書に対する回答が、先月に国土交通省鉄道局環境対策室長の立ち会いのもとに行った専門部会の委員や大井川利水関係協議会との意見交換を踏まえJR東海から提出されました。
 これを受けまして、十二日及び十三日には中央新幹線推進本部担当のJR東海宇野副社長が初めて出席する中、合同専門部会を開催し回答内容の確認を行いました。また国土交通省の技術審議官にも立ち会っていただき科学的根拠に基づく対話を進めていることを御確認いただいたところであります。
 JR東海から提出された回答は、湧水の他県への流出問題が引き続き検討を行うとなっていることや、モニタリングにおいて必要に応じて継続など抽象的な表現が多く納得できる内容ではありません。専門部会の委員からも回答に失望したとの感想や、もっと調査に基づくデータや設計がなくては議論が深まらないといった意見が出されるなど引き続き対話を継続していく必要があります。
 南アルプスを源流とする大井川は命の水であります。事業者であるJR東海には社長が約束されたトンネル工事に伴い流出する湧水の全量を戻すことを守る責務があります。またユネスコエコパークに登録されている南アルプスは世界の宝であります。高い山、深い谷が育む生物と文化の多様性を保存していかなければなりません。この確固たる信念のもと大井川の貴重な水資源と南アルプスの豊かな自然環境を守るため、地元の皆様の不安が払拭されるよう全力で取り組んでまいります。
 次に、ラグビーワールドカップ二〇一九についてであります。
 いよいよ三日後となる今月二十日に大会が開幕し四十四日間の熱戦の火ぶたが切って落とされます。十九日に東京都内で行われるウエルカムパーティーには私も出席いたしまして大会の成功に向けた決意を関係者の皆様とともに誓い合います。また開幕戦となる日本対ロシアの試合も観戦し、悲願の決勝トーナメント進出を目指す日本代表に心からエールを送ってまいります。
 今月二十八日からはエコパスタジアムで日本対アイルランド、南アフリカ対イタリアなど世界最高レベルの四試合が開催されます。交通輸送、警備、ファンゾーン、ボランティアなど円滑な運営に向けた最後の総点検を行い確実に大会を成功に導いてまいります。
 次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックについてであります。
 開催の前年度となる本年度は、大会本番のリハーサルとも言えるテストイベントを通して課題の検証やおもてなしの準備を進めております。去る七月二十一日の自転車ロードレースのテストイベントでは観客輸送や医療救護体制などに大きな混乱はありませんでしたが、より規模が大きくなる大会本番に備え組織委員会や地元自治体などと緊密に連携し来月六日に実施されるマウンテンバイクのテストイベントに臨んでまいります。
 オリンピック・パラリンピック開幕まで一年を切る中、県下一丸となって大会の成功に向けた準備を行うとともにより一層機運を高め競技の開催地として万全を期してまいります。大会本番に向けたオリンピック・パラリンピック文化プログラムにつきましては、ラグビーワールドカップの開催時期と合わせてブンプロ・プレフェスと銘打ち、国内外から訪れる観戦者の皆様に本県の文化を存分に堪能していただきます。詩と現代舞踊と音楽の公演、伝統芸能フェスティバル、抹茶、煎茶の大茶会など本県が誇る文化資源を活用したプログラムを集中して開催いたします。また市町や文化団体が開催する展覧会、音楽公演、地域の食文化などさまざまな分野と連携した多彩で魅力的なプログラムも県内各地で展開し本県の文化力を国内外に大いに発信してまいります。
 次に、ふじのくにパラサイクリングタンデム大会についてであります。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの自転車競技が本県で開催されることを契機にパラサイクリングの裾野を拡大するため、全国初となるパラサイクリングの県大会を来月十九日静岡競輪場で開催いたします。大会では視覚特別支援学校の生徒さんなどによるタンデム自転車競技のほか、来場者を対象とした乗車体験会など障害のある人とない人がともに自転車に親しむ機会を設けます。また本大会はパラリンピック三百日前イベントとしても位置づけております。多くの県民の皆様が選手が活躍する姿を目にし、みずからも体験していただくことで障害者スポーツに対する理解促進とパラリンピックの機運醸成を図ってまいります。
 次に、世界遺産富士山についてであります。
 この夏から対象を五合目から先を訪れる全ての方に拡大した富士山保全協力金につきましては、五千七百万円余の御協力をいただきました。多くの方々から御協力を賜りましたことに深く感謝申し上げます。いただきました協力金は富士山の環境保全や登山者の安全対策などを一層充実するために活用してまいります。
 二度目の提出となった保全状況報告書につきましては、七月にアゼルバイジャンのバクーで開催された世界遺産委員会に参加し審査状況を把握するとともに、ユネスコ関係者と意見交換を行ってまいりました。決議では富士山の管理保全の責務を継続して果たしていることが承認されたほか、取り組みの順調な進展を歓迎されるなど高い御評価をいただきました。またユネスコ関係者との意見交換では来年十二月一日までに提出する保全状況報告書をもって最後のものとする趣旨を確認することができました。今後も関係機関と連携を密にし世界遺産富士山の適切な保存管理を進めてまいります。
 次に、外国人観光客の受け入れ体制の強化についてであります。
 平成三十年の県内への外国人延べ宿泊者は百七十九万人余、前年比一九・四%の増加となり過去最高を記録いたしました。開幕間近のラグビーワールドカップ二〇一九や東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックなどを追い風にますます本県への来訪者の増加が見込まれます。来訪される外国人観光客が言葉の問題を心配することなく本県の魅力を楽しんでいただけるように、先月一日宿泊施設、観光施設、飲食店などを対象とした静岡県インバウンド多言語コールセンターを開設いたしました。センターでは英語、イタリア語、ロシア語など十言語での電話通訳や翻訳サービスを二十四時間三百六十五日無料で提供しております。これまでに五百を超える施設が登録し、開設から一カ月余りで百七十回余りの利用がありました。引き続き増加する外国人観光客を本県に呼び込むため、市町や観光協会、観光関係団体等と連携して観光資源の魅力向上や誘客活動に全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、地域外交についてであります。
 先月二十五日から二十七日にかけて米国カリフォルニア州シリコンバレーで開催された日米カウンシル知事会議に出席いたしました。会議では本県が推進するファルマバレープロジェクトや社会健康医学といったヘルスケア関連のパネルディスカッションに参加したほか、企業間の連携を支援するため県内企業とシリコンバレー企業等とのビジネスネットワーキングの機会を設けました。また知事会議終了後には、本県出身で日米の医療事情に精通するスタンフォード大学循環器科の主任研究員池野文昭氏と面談し医療先進国である米国の状況を確認いたしました。今後もこうした取り組みを通じて県民の皆様や県内企業が多くの恩恵を享受できるよう地域外交を展開してまいります。
 次に、富士山静岡空港についてであります。
 富士山静岡空港の搭乗者は国内線が四十カ月連続で前年同月を上回り好調を維持しております。国際線につきましても、七月から四川航空が中国内陸部に位置する古都西安を結ぶ路線を開設するなど昨年度の同時期を上回りました。この結果、開港以来の搭乗者は今月二日に六百万人に達しました。また多くの訪日客が見込まれる東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを本県の魅力と富士山静岡空港の利便性を世界に発信する絶好の機会と捉え、定期路線の就航促進に加え世界各国から飛来するビジネスジェットの受け入れ拡大にも運営権者と一体となって取り組んでまいります。
 次に、清水港の新たな将来像についてであります。
 明治三十二年八月の開港から本年で百二十年を迎えたふじのくにの海の玄関口清水港につきましては、去る八月二日今後の新たな将来像を描く長期構想を策定し公表をいたしました。長期構想ではスマートガーデンポート清水を基本理念に、次世代型コンテナターミナルや国際クルーズ拠点の形成、魅力ある水辺空間の創出、災害時の緊急物資受け入れ拠点など物流、産業、交流、環境、防災等に関して港湾空間利用の基本的な方向性を定めております。
 清水港の美しい空間の中さまざまな社会課題に対応できる知を備え、港を使ってよかった、清水で暮らしてよかった、訪れてよかったと実感できるみなとまちを創造してまいります。
 次に、沼津駅周辺総合整備事業についてであります。
 私が知事に就任した当時は事業が全く動かない、いわゆるデッドロックの状態でありました。これを打開するため、反対、賛成の両方の立場の方々に白隠禅師ゆかりの松蔭寺にお集まりいただき初めて両者が公開の場で平等に議論を交わす機会を設けました。それ以降有識者会議、PI  パブリック・インボルブメントなどを行いまして、私みずからも白隠禅師の、動中の工夫は静中に勝ること百千億倍をモットーに現場に幾度も赴き、JR貨物とも直接折衝するなど地権者や関係者の方々と意見を交わしてまいりました。
 このように十分に時間をかけて地元の皆様の理解が得られるよう努めてきたことに加え、急逝された大沼前沼津市長やその意思を継ぐョ重市長の大変な御努力により新貨物ターミナルの用地取得率は九四%を超えるまで進捗し、事業を取り巻く環境は当時とは大きく変わってまいりました。このような中、先日ョ重市長から事業の推進に向けた真摯な取り組みと強い思いを伺いました。これまで土地の買収に応じてくださった数多くの方々の思いに応え原地区のまちづくりを進めるためには残る用地の取得が不可欠であります。そこで私は市長の決断を尊重し沼津市と共同で裁決申請することといたしました。
 今後も、原地区の発展を第一に考え市とともに本事業の推進に全力で取り組む決意であります。
 続きまして、九月補正予算案についてであります。
 今回の九月補正予算は、美しいふじのくにづくりを加速化する取り組みに必要な経費及び当初予算編成後の事情変化に対応するための経費について編成いたしました。一般会計補正予算の規模は八十億三千九百万円で、これを加えました本年度予算の累計額は一兆二千百五十一億百万円となります。具体的には先ほど御説明申し上げました子供の安全確保対策、多文化共生の推進、茶業振興対策などに必要な経費のほか国庫補助金の内示に伴う道路、港湾等の一般公共事業費、民生委員・児童委員の活動を補佐する協力員の設置経費、富士山世界遺産センターの機能向上のための改修経費などであります。
 特別会計の補正は、清水港等港湾整備事業特別会計一件であります。
 企業会計の補正は、工業用水道事業会計及び水道事業会計であります。
 次に、予算以外の議案のうち主な案件についてその概要を御説明申し上げます。
 第百三十一号議案は、静岡県立農林環境専門職大学及び同短期大学部を設置するため施設の設置、管理及び授業料等について定めるための条例の制定であります。
 第百三十六号議案及び第百三十七号議案は、県が行う道路整備事業、土地改良事業等に対する市町の負担額を定めるものであります。
 第百三十九号議案から第百四十七号議案までは、土木工事等の契約についてお諮りするものであります。
 第百五十号議案は、任期満了に伴う教育委員会委員の任命について同意を求めるものであります。
 また、平成三十年度の一般会計、特別会計、企業会計、合わせて十七会計の決算につきまして、監査委員の審査を経ましたので議会の認定に付するものであります。
 以上で私の説明を終わりますが、適切なる御議決をお願いする次第であります。よろしくお願いします。
○議長(鈴木利幸君) 以上で説明は終わりました。
  
○議長(鈴木利幸君) 休会についてお諮りします。
 議事の都合により、九月十八日及び十九日は休会とすることに御異議ございませんか。
       (「異議なし」と言う者あり)
○議長(鈴木利幸君) 異議なしと認め、そのように決定しました。
  
○議長(鈴木利幸君) 次会の議事日程を申し上げます。
 九月二十日午前十時半会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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