本会議会議録
議会補足文書
令和4年12月静岡県議会定例会
【 知事提案説明 】 発言日: 12/01/2022 会派名: |
○議長(藪田宏行君) 議事日程により、知事提出議案第百三十五号から第百七十六号までを一括して議題とし、知事の説明を求めます。
川勝知事。
(知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) ただいま提出いたしました議案の概要を御説明申し上げますとともに、当面する県政の課題について所信並びに諸般の報告を申し述べます。
初めに、去る九月二十三日から二十四日の台風十五号に伴う記録的な大雨により多くの家屋の損壊、浸水、大規模な断水、停電が発生し農作物や農林水産施設のほか道路、河川、港湾、漁港等公共土木施設の被害額が平成以降では最大規模となるなど県内に甚大な被害をもたらしました。
また、先月二十一日にはインドネシア西ジャワ州で大きな地震が発生し甚大な被害が生じました。これらの災害によりお亡くなりになられました方々の御冥福を心よりお祈り申し上げます。また被災された皆様に対しまして衷心よりお見舞いを申し上げます。
続いて、台風十五号による被害への対応についてであります。
発災直後の応急対応に当たりましては、自衛隊や国土交通省緊急災害対策派遣隊TEC―FORCE、海上保安庁の巡視船、公益社団法人日本水道協会による給水車の派遣など関係機関から御支援を賜り心より感謝を申し上げます。
災害対応につきましては、台風十五号が接近した九月二十三日に静岡市をはじめ県内二十三市町に速やかに災害救助法を適用いたしました。また公共土木施設等の復旧や住家被害認定調査などの業務を支援するため市町に職員を派遣し応急対策と迅速な復旧に努めてまいりました。家屋の損壊等の被害に遭われた方々に対しましては市町と連携し住宅の応急修理や支援金の支給などにより一日も早い生活再建に取り組んでおります。被災された農林漁業者、中小企業者の方々に対しましては当面の資金繰りや経営の安定、再建など緊急的に支援する融資制度を直ちに発動いたしました。また国や市町等と連携し世界農業遺産であるワサビ田や製茶工場、イチゴなどの農作物、中小企業の施設・設備の復旧等を支援いたします。
公共土木施設や農地・農業用施設等につきましては、既に緊急性の高い箇所の応急対策を実施いたしました。国の災害査定後速やかに復旧工事に着手いたします。県営住宅や文化財の復旧などを含め必要な経費を十二月補正予算案に計上し本議会にお諮りをしております。引き続き国の激甚災害指定等に伴う支援制度も最大限活用し、被災された方々の生活再建と被災施設の早期復旧に全力を傾注してまいります。
今回の災害では、発災当初におきまして電気や水道などライフラインが停止する中、孤立集落の被災情報の集約や支援などについて課題のあることが明らかとなりました。このため昨日県と市町の危機管理担当部局による連絡会議を開催いたしました。この中で今回の災害に関する対応状況や課題などについて意見交換を行い、まずは県と市町の連携体制のさらなる強化を速やかに図ることで一致いたしました。これを踏まえ県職員による市町支援機動班を新たに設置いたします。この機動班を大規模な被害が想定される市町に派遣して現地での情報収集や災害対応支援に当たることといたしました。加えて関係機関や小売、物流など地域で活動する事業者等の協力の下、情報収集体制の強化にも取り組んでまいります。激甚化する自然災害などから県民の皆様の生命や財産を守るため、今回明らかとなった課題をしっかりと検証し国や市町、防災関係機関との緊密な連携の下災害対策の強化に全力で取り組んでまいります。
次に、物価高騰対策についてであります。
食料や原材料、エネルギーなどの価格高騰が長期化し県民生活や事業活動に大きな影響を及ぼしております。ロシアによるウクライナ侵略や急速な円安など社会経済情勢の先行きが不透明な中、県民や事業者の皆様の活動をしっかりと支えるため追加対策を十二月の補正予算案に計上し当初予算やこれまでの補正予算と合わせ一体として物価高騰対策を進めてまいります。
農業者、漁業者、医療機関の燃料費等の負担軽減を図るほか中小企業の価格転嫁の取組やNPOのコスト削減の取組等への支援、農林水産物の販売促進策の拡充を図るなど幅広い分野の事業者に対し支援を行ってまいります。
これに加え、食材価格上昇などの影響を受けている子供食堂の負担を軽減することにより生活に困窮する子育て世帯等を支援してまいります。さらに国が十月に策定した物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策に対応するための補正予算案を本議会に追加提出する準備を進めております。県民や事業者の皆様が長引く物価高騰の影響を乗り越えていけるよう個々の実情に応じたきめ細かい支援にしっかりと取り組んでまいります。
次に、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。
オミクロン株BA.5などの新規感染者数は、十月中旬に底を打った後、先月に入り急速に拡大したため先月十一日に感染再拡大警報を発令いたしました。一方懸念されていたインフルエンザとの同時流行は現時点で生じておらず、発熱外来等の医療提供体制は新型コロナウイルス感染者への対応が適切にできている状況にあります。しかし全国的にはインフルエンザの感染者数は増加してきており、年末年始の帰省や旅行等による人流の拡大、会食機会の増加等に伴い感染が拡大する可能性があります。
このため、外来診療につきましてはさらなる体制強化に向けて市町や地域の医師会等と協力して発熱等診療医療機関や休日夜間急患センターの日曜、祝日等の診療体制の拡充、発熱者の検査等を行うスクリーニングセンターの設置を進めてまいりました。この結果十月末から先月二十五日までに発熱等診療医療機関について三十七施設を新たに指定し百五十七施設で診療時間延長等の対応をいただくなど同時流行への備えは着実に整いつつあります。
また、入院病床につきましてはコロナ医療の最大確保病床を八百三十三床と定めました。心疾患や脳血管疾患などの通常医療との両立を図りつつ、地域ごとの感染の動向に応じ必要な病床数の確保を進めているところであります。引き続き国や市町、医療機関等と連携し医療提供体制の確保に万全を期してまいります。県内でも第八波が始まっております。県民の皆様には、同時流行のリスクを避けるため新型コロナウイルス感染症とインフルエンザそれぞれのワクチン接種をお願いいたします。また引き続き会話や会食の際の適切なマスクの着用など基本的な感染防止対策の徹底をお願いいたします。
次に、保育施設等の安全管理対策についてであります。
本年九月に発生した牧之原市のこども園での事故、否、事件とも言える事案につきましては九月九日から十月十三日にかけ牧之原市と共に特別指導監査を実施いたしました。この結果送迎用バス降車時や登園時の園児の確認の欠如、欠席連絡がない園児の保護者への確認が未実施であることなどを原因であると特定し、安全確保のための組織体制の不備などについて改善勧告をいたしました。引き続き牧之原市と連携し安全管理の確実な実行を確保してまいります。
また、九月二十七日から先月十八日まで県内で送迎用バスを運行する保育施設等二百七十施設全てに対して立入りを実施し、安全管理状況の確認や改善指導などを行い対策の徹底を図ってまいりました。さらに今回の事案の原因や国が策定した緊急対策等を踏まえ専門家などの御意見も頂き、十月二十八日に本県独自の教育・保育施設における子供の車両送迎に係る安全管理指針を策定いたしました。この指針に基づき安全管理統括者である園長の役割の明確化やダブルチェック体制の整備、登園管理手順の具体化など各施設の安全管理の徹底を図ってまいります。今回のようなことが二度と起こらないよう国、市町など関係者と連携し保育施設等の安全管理対策の徹底に全力で取り組んでまいります。
次に、地震・津波対策についてであります。
今年度末に計画期間が終了する地震・津波対策アクションプログラム二〇一三につきましては、現計画の成果や課題、近年の災害で顕在化した新たな視点などを踏まえ来年度から十年間を計画期間とする次期計画の素案を取りまとめました。次期計画では二〇二五年までの三年間で想定犠牲者の九割減災を実現し、その後もこの水準の維持向上を目指してまいります。また被災後の生活の質的向上に取り組み被災者の健康被害等の最小化に取り組んでまいります。
具体的には、まず津波避難施設の整備を着実に進めるとともに、その効果を最大限発揮するよう県民自らがつくるわたしの避難計画の普及を進め早期避難意識の向上も図ってまいります。自主防災組織の強化も含め自助、共助、公助に取組の裾野を広げ本県の災害対応力を底上げいたします。
今後、県議会や県民の皆様からの御意見を伺った上で本年度中に成案を得られるよう取組を進めてまいります。
第六回緊急消防援助隊全国合同訓練につきましては、南海トラフ地震の際の迅速かつ的確な広域受援体制の確立を目指し先月十二日と十三日の二日間総務省、消防庁と合同で実施いたしました。当日は全国から過去最大規模となる約七百隊に及ぶ緊急消防援助隊や自衛隊、警察、海上保安庁、TEC―FORCE、災害派遣医療チームDMAT等の関係機関が集結いたしました。富士山静岡空港西側県有地をメイン会場にし、そのほか遠州灘海浜公園や下田市武ガ浜など県内六会場において大規模地震・津波災害発生後の部隊の展開、負傷者や津波漂流者の救出、航空搬送拠点、臨時医療施設――SCUの開設、平時による広域搬送など様々な訓練を実施し相互の連携体制等について確認いたしました。この訓練の成果と課題を検証し大規模災害時におけるより効果的な本県の受援体制の構築を図ってまいります。
次に、盛土対策についてであります。
熱海市逢初川源頭部に残っている土砂につきましては、前土地所有者に対する撤去等の命令が履行されないため十月十一日行政代執行を開始いたしました。来年の雨期前までに撤去を完了し一日も早く現地の安全を確保してまいります。
熱海土石流災害に関する県を被告とする損害賠償請求訴訟につきましては、十月二十八日に静岡地方裁判所沼津支部より訴状の送達を受けました。今後の訴訟において御遺族、被害者の皆様のお気持ちを真摯に受け止め誠実かつ適切に対応してまいります。
熱海市逢初川源頭部以外の不適切な盛土につきましては、盛土対策課を中心とした監視、指導を徹底し指導に従わない行為者の摘発などにつなげているところであります。特に緊急性の高い不適切な盛土につきましては市町と連携し速やかな現地の安全対策を進めております。引き続き不適切な盛土から県民の皆様の生命や財産を守るべく盛土一一〇番などあらゆる手段により早期に情報を把握するとともに、市町や関係機関と緊密な連携の下厳格かつ的確な監視、指導に取り組み安全を確保してまいります。
次に、リニア中央新幹線建設に伴う大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全についてであります。
先月二日に運転制御システムの状況などを確認するため山梨リニア実験線に試乗いたしました。実験線四十二・八キロメートルの区間で時速五百キロメートルでの走行を体感し、新幹線と同程度の振動であることが分かるなど運行に向けた取組が進んでいることを確認できました。
一方、十月三十一日に開催した県の第九回地質構造・水資源専門部会においてJR東海からは、南アルプストンネル山梨工区の先進抗が山梨―静岡県境まで九百二十メートルの地点に達していること、今後地質や湧水の調査として先進ボーリングを山梨県側から本県側へ県境を越えて行う考えであることが示されました。先進抗の掘削や先進ボーリングに伴い本県内の地下水が山梨県側へ流出する懸念がありますことから、先月九日JR東海に対し回避策を示すよう文書で要請いたしました。あわせてJR東海が県の専門部会で口頭で説明した田代ダム取水抑制策に関する政府見解の根拠につきましても文書で示すよう要請しております。
これらを含めトンネル掘削に伴う大井川水系の水資源への影響と対策等について、今月四日日曜日ですが、県の第十回地質構造・水資源専門部会を開催しJR東海と協議いたします。先月十六日の国の第五回環境保全有識者会議ではJR東海より南アルプスの地下水位低下による高山植物などへの影響の調査方法について説明があり意見が交わされました。議論の状況につきましては県の生物多様性専門部会でも共有し課題の整理等を行った上で国の有識者会議へ伝えてまいります。
また、先月二十五日にはJR東海に対し本県の諸課題を解決するために関係都県における事業の進状況や課題解決に向けた取組等を示すよう求めたところであります。
今後とも、リニア中央新幹線の建設と大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全の両立を図るため国と協力してJR東海との対話を進めてまいります。
次に、CNFプロジェクトについてであります。
植物由来であり軽量で鋼鉄の五倍以上の強度を持つ素材として注目されるCNF――セルロースナノファイバーにつきましては、先月八日富士市との共催により国内最大規模のCNFビジネスマッチングの場である総合展示会をふじさんめっせにおいて三年ぶりに現地開催いたしました。過去最多となる九十五の企業や大学などが出展し県内企業、関係者をはじめ一千人以上の参加者を得て二百七十件を超える商談につながりました。また車体にCNFを使用したNCV――ナノセルロースビークルをはじめ応用製品が多数展示されるなどCNF関連産業の成長に向けた展望を県内外に示すことができました。
本年六月に静岡県CNF特認アドバイザーに御就任頂いた磯貝明東京大学特別教授をはじめ専門家の御助言を伺いながら産学官の連携の下CNF関連産業の集積や育成を進め、循環経済に資する新しいビジネスモデルの構築に取り組んでまいります。
次に、お茶の振興についてであります。
去る十月二十日から二十三日までの四日間グランシップで開催いたしました第八回世界お茶まつり秋の祭典は、O―CHAで元気な笑顔!をテーマに二十か国の関係者が参加し三年前を上回る十一万八千人が来場するなど大盛況のうちに幕を閉じました。百七社が出展したワールドお茶マーケットでは会場内の展示販売で約二千万円の売上げがありました。また初の試みとして開設したオンライン商談サイトではアメリカ、フランス、ドイツのバイヤーと県内茶業者十社との間で多くの商談が行われるなど具体的な経済活動につながるとともに、静岡茶の品質の高さを世界に向けて強力に発信することができました。また世界大茶会など八つの体験プログラムや全国の小中学生が参加したお茶の競技大会――Cha―1グランプリなど子供から大人までお茶に親しみお茶にまつわる歴史や文化への理解を深める機会となりました。
生活の中にお茶のある風景は日本の文化的シンボルの一つであります。国、市町、茶業関係者などと連携し、我が国の象徴である世界文化遺産富士山を擁する本県から奥深いお茶の魅力を世界中の人々に届けることを通じて静岡茶の需要拡大や茶文化の普及に取り組んでまいります。
次に、浙江省との友好提携四十周年の取組についてであります。
先月二十二日、県議会議員の皆様をはじめ県内各界代表の皆様と袁家軍書記や王浩省長をはじめとする浙江省関係者合わせて約百五十名の方々に御出席を賜りオンラインによる記念式典を開催いたしました。式典では友好提携四十周年を新たな出発点に少子高齢化や環境問題といった共通課題の解決を目指して専門分野の人材交流を一層進めるなどより深い未来志向の信頼関係を構築していくことを確認し共同宣言に調印いたしました。
また、医療・介護分野や空港利活用に関する協定等を新たに締結するなど課題解決を通じて相互に実のある関係を深めていくことで合意いたしました。
これまでの四十年にわたる友好交流を礎として、共に世界遺産である富士山と西湖に代表される互いの価値を尊重し合い理解を深め互恵・互助の関係がさらに強固なものとなるよう官民を通じた幅広い分野の交流をさらに深化させてまいります。
次に、東アジア文化都市についてであります。
先月六日に本年の開催県である大分県において閉幕式が執り行われ、私も次期開催県の代表として出席いたしました。その中で、東アジア文化都市事業が十年目を迎える来年二〇二三年本県が日本の代表としてその重責を大分県から引き継ぎ日本の文化首都として東アジアや世界に向けて本県をはじめとする日本の魅力を発信していく決意を表明したところであります。
これに先立ち、十月十八日にはスポーツ・文化観光部長をトップとする庁内の推進会議を設置し全庁を挙げて取り組む体制を整備いたしました。また先月二十九日には近藤誠一元文化庁長官、遠山敦子富士山世界遺産センター館長、橋本聖子元東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の三氏を最高顧問とし学術、文化、経済、観光など各分野の代表者を実行委員とする東アジア文化都市二〇二三静岡県実行委員会を設立し多彩な文化が花開くオープンガーデンシアターをコンセプトに日本中を巻き込んだ多彩な事業を展開していくことを決定いたしました。
東アジア文化都市の取組は来年一月から始まります。本県はまず日本の国土の象徴であり人類共通の宝でもある世界遺産富士山に関わる文化や芸術などを発信する取組から始めてまいります。一月二十二日には日本三霊山として名高い富士山、立山、白山を擁する静岡、富山、石川三県知事が一堂に会し文化や学術、スポーツ、経済、観光などに連携して取り組む協定の締結を予定しております。これを契機に古代より信仰を集める日本三霊山の魅力を発信し国内外から人々を呼び込む取組につなげてまいります。
二月二十三日の富士山の日には、山梨県と共催で富士山の世界文化遺産登録十周年を祝うと同時に東アジア文化都市二〇二三静岡県のキックオフを宣言いたします。あわせて橋本聖子最高顧問に御講演を頂き、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの舞台となった富士山周辺地域の魅力を国内外に発信してまいります。
五月二日には、中国と韓国の開催都市の代表をグランシップにお招きし三者間の文化交流開幕の式典を盛大に開催いたします。また本県の川根本町の徳山の盆踊と静岡市の有東木の盆踊が含まれる風流踊がユネスコ無形文化遺産への登録で注目されているところであります。こうした民俗芸能やSPACせかい演劇祭、静岡国際オペラコンクールなど世界に開かれた本県独自の文化芸術、武道、スポーツ、食、ファッション、温泉、旅、花、庭、モビリティー、多文化共生等々幅広い分野にわたって日本文化を国内外に発信する事業を本県全域を舞台にするとともに、他県と連携して一年を通じて切れ目なく実施してまいります。
県民の皆様と共に国内外から多くのお客様を最高のおもてなしでお迎えできるよう国、市町、関係団体などと連携し着実に準備を進めてまいります。
次に、観光産業の回復に向けた取組についてであります。
十月から対象地域を全国に拡大した観光促進事業「今こそ しずおか 元気旅」は、令和二年六月の開始から二百二十万件を超える旅行券を発行し県民をはじめ多くの皆様に御利用頂くなど観光需要回復の兆しが見え始めております。また訪日観光の本格的な再開を受けインバウンド需要を高める取組を積極的に展開しております。静岡ツーリズムビューローや観光事業者等と連携し本県の世界クラスの魅力を生かした観光コンテンツを発信するほか、海外マーケティング事務所等と連携した観光商談会の開催、現地旅行会社やメディアへのセールス活動、近隣県と連携した誘客事業の企画など既に開始しているところであり、様々な施策を強力に推進しコロナ禍からのV字回復を図ってまいります。
次に、富士山空港についてであります。
本年四月から十月までの国内線の搭乗者数は約二十万八千人となり、前年同期を四割以上も上回るなど確実に回復してまいりました。就航先でのプロモーションやメディア発信などによりさらなる国内線の利用拡大を図ってまいります。
国際線につきましては、ソウル路線について八月の出野副知事の訪問に続き十月と先月にも現地航空会社や旅行会社を訪れ定期便再開とそれに先立つチャーター便の運航を積極的に働きかけるとともに、現地メディアを通じて本県の魅力の発信等に取り組んでいるところであります。また台北路線につきましては先月十四日に出野副知事が台湾を訪問し現地の航空会社や旅行会社、台湾観光局と意見交換を行い早期運航再開を強く働きかけてまいりました。これまでのところ航空会社は当初想定した以上の航空燃料の高騰などを受け経営安定化を図るため成田、中部、関西国際空港など大都市路線を優先しており、現時点で富士山空港の運航再開には至っておりません。空港運営権者や市町、関係団体等と連携して航空会社等への働きかけを一層強化し国際線運航再開の一日も早い実現に向け全力で取り組んでまいります。
次に、令和五年度当初予算の編成についてであります。
令和五年度は、長期化する物価高騰や新型コロナウイルス感染症、激甚化する自然災害への対応などの課題を克服し新しい時代を切り開いていくため本年度からスタートした静岡県の新ビジョン後期アクションプランに掲げる施策を着実に推進してまいります。
一方、来年度の財政収支を見通しますと地方税、地方交付税などの一般財源総額は本年度並みの水準を確保できるものの、医療や介護等の社会保障関係経費の増加などにより昨年度同時期の試算に比べ財源不足額の拡大が見込まれております。このため歳入歳出両面からの徹底した改革、見直しにより財源不足の圧縮に取り組み将来にわたって安心できる財政運営を堅持してまいります。
次に、議案のうち主な案件につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第百三十五号議案の一般会計補正予算は、台風十五号による災害への対応や物価高騰対策、当初予算編成後の事情変化により必要となる経費について百四十二億九千三百万円の補正等を行うものであります。
第百四十三号議案から第百四十五号議案までは、職員等の給与改定を行うための条例の改正であります。
第百四十六号議案は、個人情報の保護に関する法律の改正に伴い手数料の新設等をするための条例の改正であります。
第百五十三号議案から第百六十四号議案までは、土木工事等の契約の締結、変更についてお諮りするものであります。
第百七十五号議案及び第百七十六号議案は、任期満了に伴う収用委員会委員及び土地利用審査会委員等の任命について同意を求めるものであります。
以上で私の説明を終わりますが、適切なる御議決をお願いする次第であります。
○議長(藪田宏行君) 以上で説明は終わりました。
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