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本会議会議録

議会補足文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用




平成29年9月静岡県議会定例会
知事提案説明
発言日: 09/20/2017
会派名:


○議長(杉山盛雄君) 議事日程により、知事提出議案第百一号から第百二十四号まで及び平成二十八年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題とし、知事の説明を求めます。
 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) ただいま提出いたしました議案の概要を御説明申し上げますとともに、当面する県政の課題について所信並びに諸般の報告を申し述べます。
 初めに、次期総合計画の策定についてであります。
 私は、知事就任以来県民の皆様が誇りと希望を持ち幸せと感じることのできる県民幸福度の最大化を目指し、富国有徳の理想郷“ふじのくにづくりを掲げポスト東京時代における日本の先導役を担うという気概を持って新しい地域づくりを進めてまいりました。この間、我が国や本県を取り巻く社会経済環境は大きく変化しております。人口が減少する中、東京一極集中がますます加速し人口構造の変化により労働力人口の減少が進んでおります。
 一方、世界は今、人が交流し物や情報が飛び交う大交流時代に突入しております。こうした時代に世界中の人々を引きつけるためには、誰もが物心ともに豊かな生き方や暮らし方を実現し安全・安心で美しいと感じられる文化がある、富士山のような魅力を持つ地域づくりが重要と考えております。
 本県の県政運営の基本理念は富国有徳であります。富国有徳は徳のある人が物心ともに豊かに暮らす、人と物とをともに大切にする自立した地域を実現しようとするものであり、富士山の富士の二字を四字熟語にし、また霊峰の姿を呈した理念であります。引き続き富国有徳の理念のもとに経済成長を実現しながら、県民誰もが幸せに暮らすことのでき世界の人々から憧れられ仰ぎ見られる美しい富士の国を築いてまいります。そして今日の我が国が数々の課題を克服し誰もが平和で安心して暮らすことができ、クールジャパンの語の普及に示されますように世界のモデルとなりつつある中、富士の国静岡県は人々が人生の夢を実現し居心地がよく幸せを実感できる、ドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点として新しい日本のロールモデルを目指します。
 現在、その実現に向けた道筋や目標、戦略を明らかにし新しい本県の将来ビジョンとなる次期総合計画の策定を進めております。先月二十三日には有識者で構成する総合計画審議会を開催し、後期アクションプランの総括的な評価と次期総合計画の骨子案について御審議いただきました。また今議会におきましては、この評価結果について御意見をいただき次期総合計画に反映することにより計画の実効性と透明性を高めてまいります。
 今後、県民の皆様からも幅広く御意見をいただきながら次期総合計画の策定に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。引き続き県議会の皆様の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 次に、命を守る安全な地域づくりについてであります。
 本年度の総合防災訓練につきましては、先月三十日から今月五日までの防災週間を中心に県内全市町において約八十万人の県民の皆様の参加を得て実施いたしました。今月三日には沼津市、裾野市、清水町、長泉町の南駿地域の二市二町を会場として救護所、救護病院、災害拠点病院が連携した医療救護体制の確立訓練、将来の地域防災を担う小中高校生などを対象とした体験型訓練、女性の視点に立った避難所の運営訓練、地元企業と自治体が協働した自衛隊の応援部隊の受け入れ訓練など地域防災力が向上する実践的な訓練を実施いたしました。
 また、昨年の熊本地震においては発災直後国からのプッシュ型支援物資が滞留し十分に避難所まで届かなかった教訓を踏まえ、愛鷹広域公園などの広域物資輸送拠点で緊急物資の輸送訓練を実施いたしました。さらに大規模な広域防災拠点となる富士山静岡空港において自衛隊、在日米軍等の応援部隊の進出訓練を実施し、災害時の広域応援受け入れ体制を検証いたしました。
 今後、十二月の地域防災訓練、来年一月の大規模図上訓練、三月の津波避難訓練など実践的な訓練を積み重ねることにより災害対策本部機能や地域防災力の一層の強化を図ってまいります。
 局地豪雨対策の推進についてでありますが、近年地球規模の気象変動などの影響により局地的な集中豪雨が多発し国内各地で大きな災害が発生しております。特に七月の九州北部豪雨では記録的な豪雨に見舞われ、福岡県や大分県を中心に河川の氾濫や斜面の崩壊により多くのとうとい命が犠牲になられるとともに、家屋や農業用施設等にも甚大な被害をもたらしました。
 こうした状況を踏まえ、県内の河川や治山、砂防施設を再点検し、河床の掘削や砂防堰堤の堆積土砂の除去などの安全対策、河川氾濫時に浸水する区域や水深などを示した洪水浸水想定区域図の作成などを緊急に実施することとし必要な経費を補正予算案に盛り込みました。
 地震防災センターにつきましては、平成元年の開館以来約百二十五万人を超える多くの皆様に利用されてまいりました。地震防災に関する情報発信の拠点として開館から二十八年の歴史を重ね、本年四月には天皇皇后両陛下及びスペイン国王王妃両陛下が視察されるなど、いわば本県が誇るべき防災の聖地となっております。
 一方で、施設・設備の老朽化とともに頻発する風水害や土砂災害などに対する関心の高まりも踏まえ、あらゆる自然災害に対応できる施設として展示内容を全面リニューアルすることとし、有識者を交えてコンセプトの検討を重ねてまいりました。
 このたび、本県の多様な自然がもたらす恵みや多様な自然に潜在する脅威への気づき、県民の総合的な防災力向上を見据えた体系的かつ効果的な学びの機会の創出などを方針として基本計画を取りまとめました。展示内容に風水害を加えるとともに、プロジェクションマッピングを用いたダイナミックな展示の導入、さまざまな地震の揺れを再現する起震装置などの体験型展示の拡充、新しい発見のある企画展示の展開などより多くの県民の皆様に訪れてもらえる魅力ある施設に再生し防災先進県にふさわしい防災力の啓発・発信拠点を目指してまいります。
 世界の人々が憧れる幸せな暮らしの前提となるのは、安全が確保され安心して生活できることであります。地震などのあらゆる自然災害から全ての県民の命と財産を守るため、県政の最優先課題として命を守る安全な地域づくりに取り組んでまいります。
 次に、産業人材の確保・育成についてであります。
 本県の景気は緩やかに回復を続けており、県内の有効求人倍率は本年四月以降四カ月連続で一・五倍を超えて推移しております。本県産業の持続的な発展に向けて産業構造の変化や技術革新に対応した人材の育成が求められるとともに、建設や介護・福祉を初め多くの産業の現場では人材不足が顕在化しており、その対策が急務となっております。
 このため、産業界、労働界、教育界などの代表者で構成する産業人材確保・育成対策県民会議を設置し今後の本県の人材確保・育成施策の方向性を示す産業人材確保・育成プランを今年度内に策定してまいります。七月二十四日に開催した第一回の県民会議においては、各分野の出席者から現場の実態や課題と緊急に取り組むべき対策についてさまざまな御意見を伺いました。こうした現場の御意見を踏まえ県内産業が直面する人材不足を解消するため、採用活動に課題のある中小企業の支援を中心に必要な経費を補正予算案に盛り込み緊急対策を実施いたします。
 具体的には、中小企業の採用活動を支援するプラットホームを構築し中小企業と求職者を結びつけるコーディネーターの配置、県内企業と首都圏に在住する学生とのマッチングを進める個別企業説明会の開催、高校生の就職支援などを実施いたします。また効果の高い業界団体の取り組みをモデル的に支援するほか特に人材不足が著しい観光、保育、医療、建設、農業の分野につきましては、それぞれの分野が抱える課題にきめ細かく対応し人材の確保につなげてまいります。あわせて本県産業の将来を見据え、その担い手となる高度な技術力や専門性を備えた人材の育成につきましても積極的に取り組むことといたしました。
 現場の即戦力となる人材を育成している技術専門校につきましては、産業界からの御意見を踏まえ、より高度な職業訓練を行う短期大学校とするため今年度内に設置学科や定員等を盛り込んだ基本計画を策定してまいります。また本県農林業の担い手を育成している農林大学校につきましては、高度な実践力と豊かな創造力を兼ね備えた人材を育成するため国の専門職大学設置基準に基づく学科編成等の具体的な内容を盛り込んだ基本計画の策定を進め、平成三十二年四月の専門職大学への移行を目指し取り組んでまいります。
 次に、中小企業、小規模企業の支援についてであります。
 景気の回復基調を背景として、本県では全国でもトップクラスの経営革新計画の承認件数が続くとともに、設備投資が増加するなど経営力向上に向けた意欲が高まっております。こうした動きをさらに後押しし本県経済の成長を力強く確かなものとしていくため、中小企業、小規模企業への支援を強化いたします。
 具体的には、新商品の開発や販路の開拓など革新的な事業活動にチャレンジする意欲ある企業への補助金や専門人材の派遣経費を大幅に増額し、資金と技術相談などの専門的なサポートの両面から強力に支援いたします。また中小企業の意欲的な製品開発を支援するため、工業技術研究所の試験機器を整備し産業界の要望に応えてまいります。
 次に、企業立地の促進についてであります。
 平成二十八年の企業立地件数が四年ぶりに全国一となるなど、本県におきましては製造業を中心に企業の進出や設備投資の意欲が高まっております。一方で労働力人口の減少、AI、IoTを活用した省力化の進展など企業を取り巻く社会経済環境は変化しており、県の企業立地施策につきましても時代に即した見直しが必要となっております。
 このため、県外企業の誘致活動を継続するとともに県内企業の定着や生産性の向上に向けた取り組みを積極的に支援するため、工場等の新増設に対する助成制度について補助要件等を大幅に見直します。また生産、組み立て工程の海外移転が進む一方、国内においては工場の集約や拠点化の動きも活発化しております。こうした流れに対応し国内産業を牽引する企業の集積を目指すため、県内への大型投資案件に対する支援を拡充いたします。
 次に、お茶の振興についてであります。
 本年産のお茶は、収量が若干少なかったものの品質の高いお茶を県内外の皆様にお届けすることができました。
 しかしながら、依然としてお茶の消費は低迷しており消費者のニーズにマッチしたお茶の生産や需要拡大に向けた対策が重要であります。県ではマーケットインの考え方に基づき抹茶、有機茶、ドリンク茶など国内外の需要に対応した生産転換や設備投資を促進し茶産地の構造改革を進めるとともに、販路開拓の支援などに取り組んでおります。
 また、子供のころからお茶になれ親しみ生涯にわたってお茶を愛飲する習慣を定着させるため、昨年十二月小中学校の児童生徒の静岡茶の愛飲の促進に関する条例を制定いたしました。市町や茶業関係者などと連携し全ての学校でお茶を飲む機会の創出に取り組んでおり、今年度に茶葉の提供を希望している小中学校が二百五十校を超えるなど着実に成果があらわれております。
 多くの県民の皆様から御意見をいただいております静岡県製茶指導取締条例につきましては、引き続き業界や消費者の皆様の静岡茶に対する熱い思いや有識者の方々の御意見を丁寧に伺いながら、新しい時代に合ったお茶の振興方策を検討する中でその方向性を示してまいります。
 次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックについてであります。
 七月三十日に、伊豆ベロドロームにおきまして県東部二十市町の首長や関係者、小中学生など約八百人の参加によりオリンピック自転車競技開催三年前を記念するイベントを開催しました。当日は東京都との共催によるフラッグ歓迎イベントにおきましてフラッグアンバサダーで本県出身のバルセロナオリンピック金メダリスト岩崎恭子さんから、リオデジャネイロから東京都に渡されたオリンピック旗、パラリンピック旗のレプリカを引き継ぎました。世界中の人々の感動と希望が込められたこのフラッグのもと、大会の成功に向けた決意を新たにしたところであります。
 また、引き続き実施されました国内トップクラスの選手による自転車トラックレースのデモンストレーションや競技用自転車の体験走行などにより自転車競技の魅力を伝え、本県で開催する自転車競技大会を大いにPRいたしました。引き継いだオリンピック旗、パラリンピック旗は今月二十八日まで約二カ月間にわたりフラッグツアーとして県内二十九市町で巡回展示しております。
 今後も、市町等と協力し大会の機運醸成に努めるとともに、国や東京都、組織委員会などと連携し万全の体制で大会に臨めるよう準備を加速してまいります。
 次に、地域外交についてであります。
 モンゴルにつきましては、先月富士山静岡空港発着の民間チャーター便を利用して県議会の議員団を初め経済団、農業団、高校生交流団など総勢百二十名で訪問いたしました。農業分野での協力に関する覚書を昨年締結したセレンゲ県に今回初めてお招きいただき訪れました。オリギル知事から本県が協力しているソバの試験栽培が順調に進んでいるとの丁寧な報告を受けるとともに、両県の友好のあかしとして一歳の雄の競争馬の寄贈を受けました。大変に美しい雄馬でありましたので、私からプリンスセレンゲフジと命名させていただき現地で大切に育てていただくようお願いしてまいりました。セレンゲとは清らかな、清冽なという意味であります。
 ウランバートルでは、本年七月に新しく就任されたバトトルガ大統領、エルデネバト総理大臣との会談に臨みました。大統領からは経済関係での協力についてこれまでの取り組みに対する高い評価と今後のさらなる連携に強い期待をいただき、また総理大臣からはセレンゲ県で着実に成果を上げている農業分野での交流に対し感謝の言葉をいただいたところであります。今回は日程の関係で友好協定を結ぶドルノゴビ県への私の訪問はかないませんでしたが、エンフトゥヴシン・ドルノゴビ県知事がウランバートルまで私どもを訪ねてくださいました。同県との交流をさらに拡充すべく、高校生などの青少年交流や長期研修員の受け入れ事業などの重要性を再確認いたしました。
 台風五号による影響で一部の行程を短縮いたしましたが、各訪問団ともに所期の目的を達成できたものと考えております。今回の訪問の成果を今後の交流拡大につなげてまいります。
 先月七日間の日程で訪問いたしました南米につきましては、まず初めに二年後に移住百二十周年を迎えるペルーを静岡県知事として三十九年ぶりに訪問し、静岡県人会の皆様と意見交換を行い交流を深めてまいりました。その後ブラジルを訪問し、ブラジル静岡県人会の創立六十周年記念行事に杉山県議会議長とともに参加いたしました。イビラプエラ公園内の開拓先没者慰霊碑に献花し先人たちの苦闘に思いをはせるとともに、記念式典や祝賀会等に出席し移民やその子孫の方々の大きな功績と長年にわたる労苦に対し深い敬意を表してまいりました。ペルー及びブラジル静岡県人会の会長から静岡県との交流に係る人材の養成を熱望されました。
 今後、移民の子弟を留学生として受け入れ、将来にわたる本県と南米との交流の橋渡し役となる人材を育成してまいります。
 また、静岡理工科大学や東海大学、海外への事業拡大に意欲を持つ県内企業の皆様とともにブラジル航空技術大学――ITA、通称イタとエンブラエル社を訪問いたしました。ITAではコヘイア学長と面会し人材育成に向けた大学間の交流について意見交換を行い、静岡理工科大学からの留学生派遣について快諾いただくとともに、相互交流に向けて引き続き連携を強化することを合意いたしました。また県内企業が自社製品のプレゼンテーションを行い、航空機部品製造の高い技術力を持つことをアピールいたしました。
 あわせて、エンブラエル社では創業時の社長であるオジーレス・シルバ氏と面会し、エンブラエル社と本県企業とのマッチングを進めることを確認いたしました。
 今後も、ITAとの大学間交流の促進や県内企業のビジネス展開支援に積極的に取り組み、本県航空機産業の振興を図ってまいります。
 中国につきましては、本県と浙江省の友好提携三十五周年及び島田市と湖州市の友好提携三十周年を記念し、先月十一日に静岡県武道館におきまして三回目となる静岡県・浙江省友好交流卓球大会を開催いたしました。今回は両県省の次代を担う青少年を対象とした大会とし、小中高校生合わせて百二十人の選手が熱戦を繰り広げ友好を深めました。また十一月には私を団長として県、県議会、市町、民間団体の皆様などで構成する県代表団が浙江省を訪問いたします。記念式典や交流会に参加するとともに、食、健康長寿、スポーツ、経済、青少年など各分野の交流を積極的に進めてまいります。年間を通じた幅広い分野の交流を促進し、両県省の一層強固な関係を構築してまいります。
 イタリアにつきましては、平成二十七年十月に本県とフリウリ・ベネチア・ジュリア州と締結したスポーツ交流協定に基づき同州で先月二十七日に開催された自転車レース、カルニア・クラシック・インターナショナル・フジ―ゾンコランに合わせ難波副知事を初めとする総勢二十四名の交流団を派遣しました。本県のサイクリストがレースに参加したほか、大会会場において小山町長や県自転車競技連盟の関係者とともに、富士山や駿河湾などの本県の魅力と合わせて小山町で開催されるヒルクライム大会への誘客に向けた情報を発信するなど交流を深めてまいりました。
 また、今回の訪問のもう一つの成果として、先月二十五日に清水港と同州のトリエステ港を姉妹港として提携する覚書に調印いたしました。この提携は昨年十月同州のボルゾネーロ副知事が本県を訪れた際に御提案をいただいたものが実現したものであります。今回の提携を契機として同州との交流がさらに発展していくことを期待しております。
 次に、富士山世界遺産センターについてであります。
 冬至が過ぎ富士見の季節の始まりを告げる十二月二十三日の開館まで残り三カ月となりました。先月四日には建物本体の引き渡しが完了し建物前面の水盤整備や展示機器の据えつけなどを進めております。今月一日には管理運営体制の整備や誘客促進に向けた活動を加速するため現地に静岡県富士山世界遺産センター開設準備事務所を設置し、十四名の職員が常駐して開館準備に万全を期しております。さらに開館時間や休館日、観覧料など開館後のセンター運営の枠組みを規定する条例を今議会にお諮りしているところでございます。
 富士山は人類共有の財産であります。富士山を「守る」、「伝える」、「交わる」、「究める」ための拠点施設として国内外から多くの方々にお越しいただけるよう、地元の富士宮市とも連携を図りながら開館に向けた準備を着実に進めてまいります。
 次に、伊豆半島ジオパークの推進についてであります。
 七月二十五日から二十七日までの三日間、ユネスコグローバルジオパークの認定に向けた現地審査が実施されました。ユネスコから派遣されたマレーシアのイブラヒム・コモー氏とルーマニアのアレクサンドル・アンドラサヌ氏の審査員二名に伊豆半島のジオサイトを中心とする十七カ所を訪れていただき、地質学的価値やジオパークに根差した教育、体験活動などの取り組みについて熱心に審査していただきました。再挑戦となる今回の現地審査に当たりましては、伊豆半島ジオパーク推進協議会とともに万全の体制で対応したところであり、両審査員からはユネスコグローバルジオパークに認定されるのに十分な力を有しているといったコメントをいただくなど認定に向けて十分な手応えを感じております。
 今月十六日から十七日にかけて、中国貴州省で開催された世界ジオパーク評議会におきまして今回の現地審査の報告書をもとに審議が行われ、来年春に開催されるユネスコ執行委員会において認定の可否が決定される予定であります。
 次に、ロダン没後百年記念事業についてであります。
 本年は近代彫刻の父とされるオーギュスト・ロダンの没後百年に当たります。これを記念して、世界でも屈指のロダンコレクションを有する県立美術館では今月から十二月にかけてロダン没後百年記念事業を実施しております。十一月十八日、十九日の両日には女優の若村麻由美さんを迎え、ロダン館に展示している代表的作品「地獄の門」の前で、ロダンの弟子であり恋人でもあったカミーユ・クローデルの人生を描いた作品「ワルツ〜カミーユ・クローデルに捧ぐ〜」を朗読とダンスで表現していただきます。このほか芳賀徹県立美術館名誉館長による記念講演や作品の写真展示を中心としたロダン連続小企画展などさまざまなイベントを期間内に実施することとしております。この記念事業を通しまして、国内外の多くの皆様にロダンの魅力、県立美術館の魅力を発信してまいります。
 次に、美しい伊豆の景観づくりについてであります。
 伊豆半島におきまして、屋外広告物の設置を原則禁止とする方針を伊豆半島十三市町における広域景観の取り組みを示す伊豆半島景観形成行動計画に位置づけ市町と連携の上、屋外広告物対策に積極的に取り組んでおります。現在屋外広告物の設置状況について調査を進めており、その結果を踏まえ東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催に向けて主要幹線や観光地の周辺などを優先箇所として重点的に違反広告物の是正指導を行ってまいります。あわせて伊豆縦貫自動車道天城北道路など特に景観の配慮が必要な地域につきましては、広告物の設置を原則禁止する屋外広告物の特別規制地域に指定するため今議会に屋外広告物条例の改正をお諮りしているところであります。
 また、屋外広告物を設置する場合であっても景観に調和した看板は地域の文化の表現力や訪れる方へのおもてなしにもつながり地域の誇りや観光誘客に資するものであります。現在伊豆にふさわしいすぐれた看板の写真を募集して顕彰する「美しい景観づくりキャンペーンin伊豆半島」を展開しております。伊豆の景観と調和した看板を多くの皆様に見ていただき、地域総がかりで景観を考える契機としてまいります。
 美しい景観は、その地の魅力を高め人を引きつけるものであります。引き続き伊豆半島十三市町などと連携いたしまして、世界から賞賛され続ける美しい伊豆の景観づくりを進めてまいります。
 次に、障害のある人に優しい社会づくりについてであります。
 県では、障害のある方が住みなれた地域で安心して暮らすことのできるように障害の特性やライフステージに応じた支援の充実を目指し、障害のある方に寄り添いながらきめ細かな相談や自立につながる就労支援を行うなど障害のある人に優しい社会づくりに取り組んでおります。
 本年四月に施行した障害を理由とする差別の解消の推進に関する条例に基づいて開催した県民会議では、県内各界各層を代表する二百二十四団体に参画いただき差別解消に向けてオール静岡で取り組むことを確認したほか、意欲的な団体や事業者からは差別解消の取り組みに対する支援を求める意見が寄せられました。こうした意見を踏まえ、県民の皆様と一緒になって障害のある方への差別解消に取り組むため、新たにヘルプマークやユニバーサルデザインタクシーの導入支援などに取り組んでまいります。
 今後も、全ての県民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し地域でともに支え合いながら暮らす差別のない社会の実現を目指してまいります。
 次に、障害者スポーツの振興についてであります。
 七月にロンドンで開催された世界パラ陸上競技選手権大会では、本県の佐藤友祈選手が車椅子の一千五百メートルと四百メートルで金メダル、山本篤選手が走り幅跳びで銀メダル、佐藤圭太選手が四百メートルリレーで銅メダルを獲得なさいました。またトルコで開催された夏季デフリンピックでは御殿場市の高校生、津田悠太選手が水泳で銀二個、銅一個のメダルを獲得するなど本県の選手が持てる力を存分に発揮し世界のひのき舞台で目覚ましい御活躍をされました。
 現在開催中の本県の障害者スポーツの祭典わかふじスポーツ大会には、ことしも多くの方々が出場し県内各地で熱戦が繰り広げられております。さらにあすからは第五十一回全国ろうあ者体育大会が本県で開催されるなど、障害のある方々がスポーツに取り組み社会に参加する機会が広がっております。
 今後とも、共生社会の実現を目指し障害者スポーツ応援隊の皆様の御協力もいただきながら東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けた障害者アスリートの支援や障害者スポーツの魅力発信による裾野の拡大に積極的に取り組み、障害者スポーツの振興を図ってまいります。
 続きまして、九月補正予算案についてであります。
 今回の九月補正予算は、富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの新たなスタートを切るために必要な経費のほか後期アクションプランの総仕上げのために必要となる経費、災害等の危機事案への対応のために必要となる経費について編成いたしました。一般会計補正予算の規模は二十四億五千二百万円で、これを加えました本年度予算の累計額は一兆二千八十二億五千二百万円となります。
 具体的には、人材不足に対応した産業人材の確保・育成に取り組むための経費のほか自転車の聖地づくりを加速するための経費、仮称でありますが三島田方地区特別支援学校の設計に要する経費、清水港などにおける特定外来生物の対策に要する経費などであります。
 特別会計の補正は、中小企業高度化資金貸付事業等特別会計一件であります。
 次に、予算以外の議案のうち主な案件についてその概要を御説明申し上げます。
 第百三号議案は、富士山世界遺産センターを設置するため施設の設置、管理及び使用料に関する事項について定めるための条例の制定であります。
 第百四号議案は、県立浜松学園に指定管理者制度を導入するための条例の改正であります。
 第百七号議案は、伊豆縦貫自動車道天城北道路及びその沿道を屋外広告物の特別規制地域とするための条例の改正であります。
 第百九号議案及び第百十号議案は、県が行う道路整備事業、都市計画事業、土地改良事業等に対する市町の負担額を定めるものであります。
 第百十一号議案から第百二十号議案までは、土木工事等の契約についてお諮りするものであります。
 第百二十一号議案及び第百二十二号議案は、県有財産の取得及び処分についてお諮りするものであります。
 第百二十三号議案及び第百二十四号議案は、県営住宅の明け渡し等請求事件の提訴及び滞納家賃の支払いに関する和解の申し立てについてお諮りするものであります。
 また、平成二十八年度の一般会計、特別会計、工業用水道事業、水道事業、地域振興整備事業及び県立静岡がんセンター事業の十七会計の決算につきまして、監査委員の審査を経ましたので議会の認定に付するものであります。
 以上で私の説明を終わりますが、適切なる御議決をお願いする次第であります。
○議長(杉山盛雄君) 以上で説明は終わりました。

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