本会議会議録


質問文書

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令和2年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

相坂 摂治 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/28/2020

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
(1) 知事の発信力
(2) 庁内の感染症対策
2 新型コロナウイルス感染症対策について
(1) 飲食店における対策
(2) 経済再生に向けた県の取組
(3) 学校における対策
3 豪雨災害に備えた河川管理の効率化、高度化について
4 東静岡駅周辺地区の活用について
(1) 県立中央図書館の整備
(2) 県有地の活用
5 特別支援教育拠点の整備について
6 県行政への若者の参画について


○副議長(良知淳行君) 次に、四十一番 相坂摂治君。
       (四十一番 相坂摂治君登壇 拍手)
○四十一番(相坂摂治君) 一月の半ばに国内初の新型コロナの感染報告以来、拡大と政策による抑制とを繰り返して既に八か月がたとうとしています。この八か月を通じてマスクを装着し手洗いとうがいを徹底することが全ての国民の習慣となり、感染防止への日常的な意識の高まりによって経済活動を伴う様々な社会行為の回復が期待されるようにもなりました。
 しかし一方で、特に対面的なサービスの利用や複数人で集まることには慎重にならざるを得ず、観光業、飲食業にとっては依然厳しい消費動向が続いています。
 本県が緊急事態宣言に基づく自粛要請を解除した五月十八日以来、私たちは政府の示した新しい生活様式を取り入れ、仮に感染者が同じ空間にいたとしても自らは感染しないというソーシャルディスタンスの確保と様々な予防策を講じながら少しずつ日常生活を取り戻そうとしています。決して感染防止と経済優先とを二極化して語るのではなく、コロナというウイルスが社会に存在し撃滅させる手だてがいまだ確立していない社会であることを認め、それぞれが柔軟に対応しながら経済活動を再開し社会、地域、会社そして家庭の活力を慎重かつ着実に回復させていく取組が自制的な態度の中に実現すること、それが必要であります。
 それでは、通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長へ一括質問方式で順次伺います。
 初めに、知事の政治姿勢についてのうち、知事の発信力について伺います。
 私たちは、この八か月間こうした状況におけるリーダーの役割とは何か、政治家にできることとは何かを絶えず考えさせられてきました。治療薬もなければワクチンもなく感染力、致死率、重症度も不明でどのような症状が現れるかも定かではない中で感染は瞬く間に世界に広がり、世界中の人々が外出を控えてあらゆる行動を自粛しました。そして世界中の多くの指導者たちが国民を感染拡大を防ぐ行動へと導くために様々なメッセージを発し続けました。
 国家間の移動を禁じたばかりではなく自宅からの外出をも禁止し、集会、イベントを取りやめ、あらゆる経済活動の中断を求めました。自らの言葉で国民の不安を拭い去ろうと励まし、鼓舞し、勇気をもたらして国家の団結を実現しようとする指導者たちの姿はこの非常事態の中にあって多くの支持を得ました。特に我が国の多くの知事たちは時に国の方針にあらがいながらも地域の安全と経済について独自の見解を広く社会に発信し、時には地域を越えて日本全体を奮い立たせたこともありました。
 誰も経験したことのない状況ではこれが正解だという答えはないと言われています。だからこそ指導者はなぜ今その政策を優先するのか自らの言葉で明確に説明し、政策の狙いの理解を図り、県民の感情にも働きかけて迷いを払拭し、自制を促し、経済への協力をも引き出すよう導くものであってほしいと私は思っています。
 初めてのウイルスの襲来は社会全体を恐怖感で覆ったままです。この混乱の中で本県でも既に十か所を超えるクラスターが発生しました。感染防止の意図が伝わらなかったケース、経済的な不安に駆られて新しい生活様式を守らなかったケースが見られたことは残念でなりません。
 川勝知事はこれまで大変豊富な語彙を使ってその都度伝わりやすい言葉を発してこられたようです。自らの作り出された用語もたくさんありました。そして現場に出向いて直接対話することを重視してこられたと常々おっしゃっております。
 そこで知事に伺います。新型コロナウイルス関連の情報は主に知事の定例記者会見、医療当局からの感染情報、そして危機管理当局からの警戒レベルの提示が定期的に行われています。それぞれ発信する内容を分担して行っていることは承知していますが、特に知事はコロナ対策に関しこの間感染規模や状況によって県民を適切な行動へと導くために、あるいは不安を少しでも和らげるためにどのような発言を行って県民を鼓舞し啓発してこられたのか、知事自らの情報発信の根底にはどのような思いがあったのか伺いたいと思います。
 次に、庁内の感染症対策について伺います。
 言うまでもなく県庁職員の安全を守ることも知事の仕事であります。本県で緊急事態宣言が解除されたのは五月十四日でしたが、この際国において全国民、全事業所に向けて新しい生活様式が示されました。これが示された当初、全国民が本当に実践できるのか、ソーシャルディスタンスの確保と対人交流、経済活動は両立するのか、そしてこれで感染防止は本当に万全なのかなど様々な疑問の声が上がりました。しかし各業界はガイドラインを早急にまとめ上げ、安全な社会活動をいち早く定着させ消費の回復に努めようとしています。
 私は今回の質問に際し、各部とのヒアリングを全てズームというソフトを利用したリモート会議の形式で行いました。お互いに不慣れな形式でしたが御協力に厚く感謝をしたいと思います。不便な点ももちろんありましたが、工夫次第で働き方に変化を起こすことは可能だと実感することができました。
 私はふだんほぼ毎日県庁に来ています。しかし再び感染が拡大し始めた七月上旬からの三か月はほとんど県庁には顔を出さず、こうした環境下の議員活動の在り方について一刻も早く確立しておきたいと思ったからです。
 一方、民間企業の中には厳格な感染症対策を講じているところが少なくありません。ひとたび社内で感染が拡大すれば社員の健康を守れなかったということだけではなく、サービス業にあっては顧客への感染をも引き起こし、これが世に広まれば収益や株価にまで影響を及ぼしかねません。
 こうした視点で県庁内の感染症対策についても改めて見直す必要性を感じます。
 職員同士の座席配置には十分なソーシャルディスタンスが確保されているのかどうか、そこでは飛沫防止の遮蔽は設置されているのかどうか、受話器の消毒や定期的な換気など基本的な事項は果たされてきたでしょうか。
 既に民間企業では、新しい働き方につなげることも視野に常に出勤は五〇%の社員にとどめオフィスに来るためにはその目的をはっきりさせなくてはならないとしたり、様々な物には触れなくても済むようにIT化を進め顔認証で様々な決済が図られるような取組が登場したり、コロナへの対応そのものを企業のイメージアップと働き方改革の一環と位置づけている事例が目立つようになりました。
 そこで伺いますが、職員の日々の体調管理状況の把握、居住地に応じた自宅勤務、移動を伴う業務の見直し、時差出勤や出勤人数制限等の勤務体制への対応、職場における会議や意思決定プロセスの見直しなど日々の職場における感染症対応がしっかりと行われているのかどうか、県庁内における感染症対策に関する取組について伺います。
 もう少しコロナ対策について質問を続けたいと思います。
 一点目は、飲食店における対策についてです。
 九月も半ばを過ぎたあたりから第二波とも呼ばれてきた感染拡大の動きが全国的に落ち着いたようで、シルバーウイークには久しぶりの人出にあちこちでにぎわいが見られました。しかし六月末頃から急速に拡大した第二波の動きは感染防止の取組と経済活動とが必ずしも両立し得なかったと指摘されることもあり、安全面からも経済面からもまだまだ課題が残されていることを感じます。五市十か所で複数の人に感染が拡大するクラスターが発生した本県でも同様だと思います。
 そして、このクラスターの大半がバーやキャバレーなど接待やカラオケを伴う飲食店で発生しており、これら店舗の中にはマスク等の常時着用、ソーシャルディスタンスの確保、室内の換気といった感染対策を十分に行っていなかった例もあり業種別ガイドラインの遵守が徹底されていたか不安が残ります。ようやく動き始めた県民の消費行動を再び萎縮させることがないよう真面目にガイドラインを実践し従業員や利用者の安全を優先して苦しい経営にじっと我慢してくださっている事業者こそ行政は全力で応援し、感染防止対策を求める一般的な消費者の経済活動を早く呼び起こすことが肝腎であります。
 こうした中、既に一部の地域では安全宣言ステッカーの提示や取り組む対策の項目を示すポスター等の掲示が始まり、感染防止対策と地域経済活動の両立について踏み込んだ取組が実行されようとしています。
 そこで、飲食店でのクラスター発生を防止し県民が安全で安心して利用できるよう飲食店における対策について県の取組を伺います。
 次に、経済再生に向けた取組について伺います。
 自粛生活、新しい生活様式、県境をまたぐ移動の制限等は一時的とはいえ人々の消費行動のほとんどが消失したために観光業や先ほど指摘した飲食業を真っ先に直撃しましたが世界的、長期的な経済活動の停滞は様々な業態の県内企業にも大きな影響をもたらしています。いずれの業界にあっても感染防止対策を講じる以上働き方ばかりではなく営業方法、出張可能な範囲も限定されるなどあらゆる場面で新たな展開を求められるでしょうし、店舗における直接サービスからウェブを活用した販路への転換、さらには不本意ながらも店舗や人員を整理したり仕入れルートの見直しを余儀なくされる業態もあるようです。
 そこで、以下の点について県の取組を伺います。
 まず、コロナの時代に対応するためには企業も変化していかなければならず県では危機克服チャレンジ支援事業等を実施していますが、今後どのようにこれを取り組んでいくのでしょうか。
 次に、コロナの影響を大きく受ける業種がある一方かねてから人材の不足が課題となっていた業種もあります。こうした業界への労働力の移動について有効な支援策の検討はどうなっているのか、すなわちこれを機に人手不足の業界への転職を手厚く支援してはどうでしょうか。
 さらに、今後の秋冬の感染症拡大、インフルエンザとの対策併用時の域内経済の活性化策として一層の消費喚起策が必要だと考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。
 感染症関連の最後の質問です。
 今度は学校における対策について伺います。
 長期にわたる感染症対策は大人たちでも気の緩みが生じるもので、十分な理解が可能とは言えない子供たちにその徹底を求めるのは一層難しいことだろうと思います。幸いこれまでのところ本県では学校でのクラスターは報告されておらず現場の先生方の御努力のたまものだと思いますが、全国では決して珍しくない事態となっています。
 学校における対策は文部科学省が作成した衛生管理マニュアルに従っていると伺っておりますが、学校現場の様子を見るとまだまだ十分な対策が実現できているとは言えない印象があります。従来どおりの教室の利用や通学で公共交通機関の利用を考えると三密が不安だとの保護者の声もありました。文部科学省のマニュアルを実践することはもちろんですが、国が一律に定めたマニュアルだけではそれぞれの学校が抱える設備上の課題、児童生徒の学力の課題などには到底対応できない隙間も生じるのではないでしょうか。
 これから冬にかけてインフルエンザも含めた感染症リスクが高まった場合、これまで以上に厳密な現場での対策が求められ、再び休校措置等の場合には家庭においても確実に学力の向上が得られるような新しい技術も期待されるはずです。これらが全て教員の現場対応に求められればその負担と責任は想像を絶するものになります。教員の負担を軽減することも含め教育委員会が今後のリスクを想定した対策を図っていくことが必要だと思います。
 より徹底した感染症対策と教育上の配慮を両立した本県独自の取組を進めるべきだと考えますが、県の御所見を伺います。
 次に、豪雨災害に備えた河川管理の効率化、高度化について伺います。
 近年、全国的に河川の氾濫や堤防の決壊による被害が頻発し甚大化しております。大型台風の発生、同一区域における集中豪雨、また台風と高潮の同時発生などは河川護岸を決壊させる要因ともされ、本県でも令和元年十月の台風十九号では各地で浸水被害が報告されました。
 こうした中、県では頻発化、激甚化する豪雨災害に対し河川の流れを阻害する堆積土砂の掘削や河川内に繁茂した樹木の伐採等を重点的に実施するため平成三十年度から防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を進め、今年度からは県土強靱化対策事業を追加して各土木事務所の方々を中心に相当数に上る住民要望にも配慮を頂きながら安全対策を進めていただいております。
 しかしながら、増加する雨量と全国的な被害の甚大化を踏まえれば本県でも河川の持つ流水能力を超える洪水の発生も懸念されるものであり、県においてはふだんから堤防や河床の状況を把握しそれぞれの河川の弱点の補強に努めていただきたいと思います。
 さて、近年は測量技術の革新が進み、測量技法や新技術の活用によってそれぞれの河川の特徴をつかみ、より適切な対策につなげることが可能になってきたと承知しています。県では河川施設を効率的に管理したり、被災からの復旧に役立てるためICTを活用して地形や建造物などの形を立体的に計測した三次元点群データの取得とこのデータ解析、活用が伊豆半島から順次進められていると伺いました。
 そこで質問ですが、新たに取得を進めているこの三次元点群データの活用やICTの現状を踏まえ県では今後豪雨に備えた河川管理の効率化、高度化についてどのように取り組んでいかれるのか伺います。
 次に、東静岡駅周辺地区の活用について伺います。
 新型コロナ対策による各分野での財政出動と経済状況の悪化によって県も事業の見直しを行い、先日議会にも報告がありました。東静岡駅南口の県有地への県立図書館の移転もこの対象となっておりましたが、おおむね計画どおり進められるものとして落ち着いたところです。これによって長期にわたって様々な議論が重ねられてきた東静岡地区の事業展開にはようやく第一歩が示されたこととなります。
 昨年末まで知事部局を中心に議論されてきた文化力の拠点は目下議論の対象外に置かれることになりましたが、これは東静岡地区に限らず恐らく全国的に見られる地方都市からの投資離れがその大きな原因だったわけですが、特に静岡市においてはコロナ対策を優先するとはいえ実に多くの拠点形成事業が延期または凍結されてしまい民間直接投資の行き詰まりが実感されます。
 こうした中、私たち自民改革会議では自民党静岡市議団とも連携して東静岡地区における整備方針を検討するプロジェクトチームを立ち上げ、昨年末より駅北側の市有地との一体感を創出することも視野に中央図書館の移転を含め検討を重ね議会側での議論を進めてきました。このプロジェクトチームには中央図書館について将来にわたって県民の誇りとなるような文化的価値の高い建造物とすること、図書を通じて県民の文化的な探究心を満たすだけではなくまちづくりや企業活動にも高度なシンクタンク機能を発揮すること、さらに周辺施設とも連携したにぎわい創出の拠点となるよう図書館整備区域外の県有地についても早急に活用を検討し民間の投資を引き出すことなどが要望として寄せられてきました。
 そこで二点伺います。
 今後の中央図書館の整備方針と計画について教育委員会に伺います。
 次に、図書館整備区域外の県有地の活用の方向性、そして現図書館の移転後の跡地利用について知事に伺います。
 次に、特別支援教育拠点の整備について伺います。
 静岡市には葵区に静岡北特別支援学校、清水区に清水特別支援学校が設置されておりますが、両校ともに近年は児童生徒数が増加を続け、特に静岡北特別支援学校の狭隘化は深刻な状況であります。また駿河区に居住している児童生徒にとってはこの通学負担が課題となっていることも長く指摘され続けてきました。
 さて、県教育委員会は静岡県立特別支援学校施設整備基本計画において静岡地区に知的障害を対象とする学校を改めて整備するとしていますが、こうした経緯を踏まえ静岡地区においてバランスよく施設を整備して配置するため駿河区への整備をぜひとも実現していただけるよう御提案申し上げます。
 駿河区では、昨年度新たに大谷地区のスマートインターチェンジが完成、周辺では区画整理事業が進んでおり、特に駿河区東部は県内の高等教育が集積する教育地区でもあります。また他の障害を抱える方々への特別支援学校の設置もされており、公共交通機関の利便性、安定した道路事情など閑静で落ち着いた教育環境が整っていると自信を持って推薦いたします。
 そこで教育委員会のお考えを伺いますが、駿河区に知的障害の特別支援学校が設置された場合にはそうした環境や立地を生かした様々なメリットがあるのではないかと思われますが、県教育委員会ではどのように考えていらっしゃるのか伺います。
 また、インクルーシブ教育システムの構築など共生社会の実現に向けて今回整備する学校も含め特別支援学校が地域の特別支援教育の拠点として果たす役割は大きいものがあると考えますが、県教育委員会として今後どのような取組が必要であると考えているのか伺います。
 最後に、県行政への若者の参画について伺います。
 先日、議会事務局のお取り計らいで県庁内でアルバイトをしている大学生の方々約三十名と意見交換をさせていただきました。行政やまちづくりへの学生など若者たちの参画は常に大きな社会問題として語られてきました。投票率の問題についても大学卒業後に本県から離れてしまう人口転出の問題についても若い方々がどう考えているか、何を必要としているかは重要な視点であります。
 さて、当日参加してくれた学生たちはほぼ全員が政治や行政への率直な疑問や提案を発言してくれました。当たり前のことだと思っていたことがいまだに見落とされて実現していなかったり、若者、学生ならではのユニークな発想で我々が思いつかないような意見も聞くことができました。
 さて、当日発表された意見の中に、若者が意見を発信する機会を行政がもっと増やしてはどうかといった意見やバスや電車の中吊り広告に議会や行政の情報を発信したほうが固い行政作成の新聞より親しみやすく目にも留まるのではないか、さらには他県では議会の情報誌の作成に学生が関わって若者の視点が広報手段に工夫されていたり若者に伝わりやすい技術が採用されているとの提案もありました。
 実際に県庁で働いている若いスタッフのこれら提案について、ぜひ当局で実現を検討していただきたいと思います。流行を生み出すのも彼らであり、趣味や教育、娯楽を通じて経済的な市場を大きくしていくのも彼らです。十代、二十代が期待している事柄は行政が取り組もうと取り組むまいと必ず全国のどこかで何らかの形で五年後ぐらいには町に出現すると私は思っています。彼らの欲求を敏感に感じ取り、これを一つの流れに集約する技術が行政や町に備わるようにあらゆる工夫をしていただきたいと願っています。
 そこで、若者の考えに触れ施策に取り込んでいく機会の充実や若者が県政に興味を持つような情報発信をすることなどにより県政と若者との距離を縮めていくべきだと思いますが、その方策について県の御所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(良知淳行君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 相坂議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、私の発信力、なかんずくこの度の新型コロナウイルスに関連する発信力についての御質問であります。
 発信力は極めて重要です。いかにしかし重要な中身を発信してもそれが受容されなければ、理解されなければ意味がありません。ですから発信力は受信力と一体であるとこのように考えております。
 ここに水差しがございますけれども、この水を私が飲みますと減ります。しかし情報は分けても減りません。分けても分けるだけ増えるということです。受信する側と私との違いはどこかというと、同じ情報を持っていてもその情報に基づいて決断する権限、責任これが私のほうが高いというそこの違いがございます。
 こうしたことを踏まえつつ、現在新型コロナウイルス感染症が流行し非常時である現状ではこの発信力と受信力が相互にうまく機能していることが重要であると認識しております。
 知事には、時々刻々と変化する事態、将来の不確実性の中で広く正確な情報を収集し冷静、的確に判断をいたしまして適時適切に情報を発信し、その情報が分かりやすく県民の皆様に共有されていくようにすることが常に求められているということでございます。発信した情報、発信したお願いが結果が出なければ、言わばその情報発信力は失敗しているというふうに考えます。
 スマートフォンやSNSの普及で情報が氾濫する現代社会では、誤った情報でもあっという間に拡散してまいります。そのような中、行政はきちっとした根拠に基づく質の高い情報発信を行うことが重要です。知事として私は本県の感染動向の変化や実施方針の変更、特に留意すべき発表事項等々を厳選いたしまして多くの記者会見を通じまして県民の皆様に情報発信してまいりました。
 緊急事態宣言の解除に伴う政府対処方針の発表された以降、本県では県内の感染状況や医療提供体制の状況、県外の感染拡大状況、本県の立地特性等々を踏まえながら休業要請への協力依頼、外出自粛の呼びかけ、いわゆるふじのくにシステムによる適時適切な注意喚起など感染拡大防止と社会経済活動の両立に取り組んできたところであります。
 去る七月のクラスター発生時には積極的疫学調査を強化いたしました。それによって封じ込め、また同業店舗の感染防止対策を徹底するこうしたことのほか県民の皆様への感染リスクの高い行為や対策が不十分な施設の回避などの感染防止対策の周知徹底、また全ての事業者への業種別ガイドライン等感染防止の徹底を依頼してまいりました。
 お盆や夏休みの時期には、若年層中心の感染拡大の特徴から帰省による地方の高齢者への感染拡大の危険性を憂慮いたしまして、ふじのくにシステムはこれは毎週金曜日に原則発表すると、最低でも一回は発表するということでございますけれどもこれと併せて感染拡大地域からの帰省の自粛を強く要請いたしました。
 このふじのくにシステムは、御覧頂いていると存じますけれども一目瞭然の形になっております。しかしその背景には膨大なデータがございます。これらは別に隠しているものではありませんが一目瞭然であることが重要であるということで、現在のこうした言わば絵にしたといいますか地図にして色分けするというのにもそれなりの工夫をして現在のああいう発表の仕方になっているということでございます。
 その都度関係者と会議をしていますけれども、特に医療関係者とは会議を、会見をしたりしておりますけれども先般県立がんセンターの山口建総長がお見えになりました。コロナ抗原検査戦略に関わる静岡モデルについて報告したいということでございました。そこで統計表を見せていただきまして人口百万人当たりの死者数これが五百人以上の国があると。イギリス、ブラジル、イタリア、アメリカ、メキシコ等でございます。その中で日本は平均十人です。その平均十人の中で、四十七都道府県の中で静岡県は小数点以下です。それで先生はこれはもう極めて不思議だと、なぜここまでできているのかというふうに言われまして、これを静岡モデルと言われているんですが差し当たって自分の分かることは県民の賢明さであると。三つ言われました、その第一がそれです。二つ目が医療が充実していること。つまり医療体制が崩壊していないということですね。そして三番目に行政の努力を挙げられました。
 いわゆるこの発信力と受信力がですね、この相互にうまく機能してこういう結果が出ているということだと私は思っておりまして、静岡県民はこの点はこれまでのところは誇りに思っていいというふうに思いますし山口建先生もその点はこれは本当にモデルになるということをおっしゃっておられました。基本的に私は何事にも広く会議を興して万機公論に決すと、ただしなぜそういう決断をしたのかということが分かるようにしていかなくちゃいけないということで情報は全部オープンに透明にするとこういう姿勢でやってきているわけでございます。
 さて、陽性者やその御家族また医療関係者の皆様への誹謗中傷が後を絶ちません。この状況を踏まえまして県庁内にSTOP!誹謗中傷アクション推進チームを立ち上げまして被害の拡大防止に向け県民の皆様への呼びかけを行いますとともに、相談窓口の対応力の強化に向け取り組んでおります。
 さらに、感染症対策の長期化による経済への影響に鑑みまして、バイ・シズオカ、バイ・ふじのくに、バイ・山の洲(くに)など感染状況が比較的落ち着いている近隣の経済圏での観光、経済の活性化を念頭に知事同士でのトップダウンの政策推進を図ってまいりまして県内の産業振興に全力で今取り組んでいるところでございます。
 このように、感染拡大防止と社会経済活動の両立の推進に向けまして様々な施策を県民の皆様に呼びかけてまいりました。その呼びかけに対して呼応される力があるというのが私の実感でございます。
 今後とも現場主義を実践し、現場の実情に応じた柔軟かつ適時適切な判断と情報発信に全身全霊を傾けて取り組みますとともに、発信力と受信力とそれが実践につながるいわゆる有言実行の全てが主体性を持って全ての県民が一人一人主体性を持って取り組めるようなそういう県政運営を推進してまいりたいと存じます。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(良知淳行君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 新型コロナウイルス感染症対策についてのうち、経済再生に向けた県の取組についてお答えをいたします。
 県では、これまで県内企業の資金繰り支援や雇用の維持確保などのつなぐ支援に注力するとともに、感染リスクの軽減を図りながら経済活動の再開に向けた動きを支援するなど経済の再生に取り組んでまいりました。しかし県内経済は依然として厳しい状況が続いております。このためこうした状況を打破し危機を乗り越え経済の再生を図るためにはコロナで生じた社会経済環境の大きな変化に的確に対応し、県内企業による新たな事業展開への支援や人手不足業界への転職支援、大きく冷え込んだ個人消費の喚起に一層注力する必要があります。
 このため、県ではまず県内企業による新たな事業展開への支援として企業の変化を促すため四月、六月の補正予算で措置した危機克服チャレンジ支援事業等により新型コロナによる事業環境の変化を踏まえた新ビジネスの展開や業態転換に挑戦する中小企業を支援しております。この取組において幅広い業種からEコマースやVRの導入など優れた多くの御提案を頂きました。また商工団体からは継続要望があります。このことから本議会で予算の増額をお諮りしているところであります。
 今後、支援した事業の成果を取りまとめ、オンラインによる事例発表会等を通じて県内企業に他社の良い取組を知り参考にしていただき、新たな挑戦への動きを加速させてまいります。
 次に、人手不足の業界への転職支援につきましては出向や再就職を支援する公益財団法人産業雇用安定センターと七月に連携協定を締結し、商工団体協力の下一時的に人材余剰となった企業と人手不足の企業とのマッチングの促進に取り組んでおります。こうした取組を今後も実施し、人手不足業界への人材移動や転職を促進してまいります。また雇用環境が悪化する中、離転職者向けの職業訓練の定員数を県全体でリーマンショック時並みの約二千四百人まで拡大します。求人ニーズの高い分野への円滑な再就職についても支援を強化してまいります。
 大きく冷え込んだ個人消費の喚起として、域内経済の活性化に向けて県民の皆様に県内の財やサービスの購入を促すバイ・シズオカ、山梨県との協働によるバイ・ふじのくに、さらには長野県、新潟県を加えたバイ・山の洲(くに)による相互経済交流を深化させ、個人消費を中心とした需要を喚起してまいります。具体的には三つのECサイトで実施している県産品の通販におきましてイチゴやミカンなど秋冬に旬を迎える農芸品の販売や山の洲(くに)四県を対象としたデジタル商談会や御当地ECサイトでの県産品セットの販売などを進めてまいります。あわせて観光需要の喚起に向けて市町や観光関係団体等と連携し、全国を対象とした宿泊割引事業などを通じ消費喚起につなげてまいります。また宿泊を通じて県産品の魅力に気づいていただき県産品の販路拡大につなげてまいります。
 県といたしましては、感染症防止対策を引き続き講じつつ県内経済の力強い再生に向けた取組を結果が出るよう進めてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 杉山経営管理部長。
       (経営管理部長 杉山浩一君登壇)
○経営管理部長(杉山浩一君) 知事の政治姿勢についてのうち、庁内の感染症対策についてお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念される中、県庁内で感染者が発生した場合は県行政の停滞など県民の皆様に対する影響が懸念されますことから庁内における感染症対策を徹底することが大変重要と考えております。このため職員に対しましては健康観察票を活用した健康管理、体調不良時の速やかな所属への報告などを徹底しているほかマスクの着用や三つの密の回避などを毎日の庁内放送で呼びかけているところであります。
 また、感染リスクを抑えるための取組として在宅勤務、サテライトオフィスの活用などによる出勤者数の削減や時差勤務の拡大などに取り組むとともに、リモート会議の推進など多様な働き方の実践を進めているところであります。
 今後は、冬場を迎えインフルエンザと重なるおそれもありますことから気を緩めることのないようこれまでの取組の継続を徹底するとともに、テレワーク環境の構築を進めていくなど経営管理部としてリーダーシップを発揮し庁内の感染症予防対策に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 藤原健康福祉部長。
       (健康福祉部長 藤原 学君登壇)
○健康福祉部長(藤原 学君) 新型コロナウイルス感染症対策についてのうち、飲食店における対策についてお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症につきましては、感染者集団であるクラスターが全国各地で発生しておりその多くが飲食店であることから感染の拡大予防には飲食店における対策が重要となっております。このため県では市町や業界団体と連携し夏の食中毒予防一斉監視指導に合わせ飲食店約二千二百施設を訪問し、業種別のガイドラインを用いた感染拡大予防対策の啓発及び取組状況の確認をいたしました。さらに接待や歌唱を伴う飲食店約八百施設につきましては緊急的な夜間監視を実施しクラスターの発生防止を図ったところであります。
 加えまして、静岡県食品衛生協会が行う飲食店への巡回啓発や店舗における対策の取組を見える化するステッカー等の交付を支援するとともに、県ホームページで対策に取り組む店名等を公表することにより感染拡大予防対策の周知、定着を図っております。またクラスターが発生してしまった場合には同業種の店舗に対しまして市町と連携し、速やかにPCR検査を広く実施することにより感染拡大と風評被害の防止に取り組んでおります。
 県といたしましては、今後ともクラスターなどによる感染拡大を防止するため検査体制を拡充するとともに、市町や業界団体と連携し県民の皆様が安心して飲食店を利用できる環境づくりを進めてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 長澤教育部長。
       (教育部長 長澤由哉君登壇)
○教育部長(長澤由哉君) 新型コロナウイルス感染症対策についてのうち、学校における対策についてお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の状況が日々変化していく中で新しい生活様式による教育活動を行っていくためには、学校現場が適切に対応できるよう対策を示していくことが重要であります。このため県教育委員会では文部科学省による衛生管理マニュアルに併せて判断に迷う項目をまとめたQ&Aや保健衛生管理、学習指導等における留意点を随時提供するなど必要な支援を行ってきたところであります。
 具体的には、児童生徒、教職員が感染した場合の対応や県立学校の修学旅行等宿泊を伴う学校行事の取扱いを定めたほか、今後の感染状況に応じて迅速に対策が取れるようにふじのくにシステムの警戒レベルごとの行動基準を整理し学校との情報共有を図ったところであります。また各学校におきましては施設の状況や活動内容により身体的距離の確保が難しい活動について換気やせきエチケットに加え授業や面談時に飛沫を防ぐための用具や拡声器を使用するなど工夫を重ね、毎日の感染症対策に努めているところであります。
 県教育委員会といたしましては、感染症への対応が長期にわたることが想定されますことから今後も子供たちや教職員が安全で安心な学校生活を送ることができるよう本県独自の対策を講じながら感染症対策と教育活動の両立に努めてまいります。
 次に、東静岡駅周辺地区の活用についてのうち、県立中央図書館の整備についてであります。
 新しい県立中央図書館につきましては、平成三十年三月に策定した基本構想におきまして四つの目指すべき姿を掲げております。
 一つ目には県民の生涯学習、読書活動の拠点、二つ目にふじのくにのことなら何でも分かる、三つ目に県内市町立図書館等を強力に支援する、そして県民が出会い交わり新しい文化を育むの四つであります。今後整備に当たりましてはこれらのコンセプトを維持し、県民の知のインフラとしての役割を十分に果たしながら未来につながるアフターコロナ時代の新しいタイプの図書館を目指してまいります。
 具体的には、二百万冊規模の十分な収蔵能力を確保するとともにその多くを開架とし、豊富で専門的な蔵書に利用者が直接触れることのできる閲覧環境を整備してまいります。また専門的で高度なレファレンスや日常の様々な学びの支援にも対応し、調査研究利用から気軽な読書まで幅広い利用ニーズに応えてまいります。
 さらに、従来の図書館の枠を超えて本に限らない多様なメディアによる情報との出会いの場、人と人とが出会い交流する居心地のいい場を用意するとともに、ICTやAI技術を積極的に取り入れてデジタル・トランスフォーメーション化を進め新しい時代に合った図書館の姿を提供してまいります。
 なお、整備に当たりましては東静岡地区のまちづくりにふさわしい景観に配慮した格調の高い建築物を目指し、新しい図書館が県民の誇りとなるよう努めてまいります。
 県教育委員会といたしましては、東静岡への移転を機に新しい県立中央図書館が県民に開かれた総合図書館として末永く親しまれ愛されるものとなるよう、県議会や県民の皆様の御意見を伺いながら着実に準備を進めてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 長繩交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長繩知行君登壇)
○交通基盤部長(長繩知行君) 豪雨災害に備えた河川管理の効率化、高度化についてお答えいたします。
 県が管理する河川は五百二十河川、二千五百キロメートル以上に及び、毎年行う河川パトロールには多くの日数と人員が必要であります。また河川の管理や工事に使用する測量図は現在でも二次元での作成が基本となっているため、長年蓄積した測量成果をデータベース化して様々な目的で使用することは困難であります。
 県が取得を進めております三次元点群データは詳細な地形データを広範囲にわたって計測するものであり、測量図を作成する箇所を自在に設定できることに加え現地の状況を立体的な映像で再現できるなど今後のインフラ管理の効率化、高度化に非常に有効な情報基盤であります。
 県では、三か年緊急対策による河道掘削に着手するに当たりまして堆積土量の多い瀬戸川と太田川で三次元点群データを取得し、対策が必要な箇所の把握や工事の施工管理などに活用いたしました。また河川整備計画の検討におきましても河川断面の形状把握などに活用しております。今後はデータの取得を進めている県東部の河川におきましても様々な活用が可能となることに加え、災害発生後のデータを取得することにより被害状況の迅速な把握が可能となります。
 県といたしましては、今後の豪雨災害に備え三次元点群データや最新のICTを積極的に活用し、河川管理の効率化、高度化に取り組み、安全で安心して暮らせる地域づくりを推進してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 植田スポーツ・文化観光部長。
       (スポーツ・文化観光部長 植田基靖君登壇)
○スポーツ・文化観光部長(植田基靖君) 東静岡駅周辺地区の活用についてのうち、県有地の活用についてお答えいたします。
 東静岡駅周辺地区につきましては、静岡市の参画を得て平成二十七年三月に取りまとめた“ふじのくに”の「文化力」を活かした地域づくり基本構想におきまして若者をはじめとする多様な交流とにぎわいを生み出す文化とスポーツの殿堂の形成を目指すこととしております。本年度は静岡市に呼びかけ駅南北公有地の活用に向けた協議調整を行うための県・市連絡調整会議を新たに設置しそれぞれの取組に関する情報共有を行うとともに、合同で民間事業者への市場調査を実施するなど駅南北の相乗効果が発揮できるよう取り組んでいるところであります。引き続き民間事業者のアイデアやノウハウを積極的に取り入れながら県立中央図書館の整備と並行して南口県有地に導入する機能などの検討を進め、早期のにぎわい創出や地域の魅力向上につなげてまいります。
 また、現図書館の移転後の跡地につきましては隣接する県立大学や県立美術館などと連携し文教エリアとしての価値を高める効果的な活用について検討を進めてまいります。
 県といたしましては、静岡市と緊密に連携し東静岡駅周辺地区が多彩な人々が集まり、にぎわい、交流できる魅力的な場所となるよう取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 特別支援教育拠点の整備についてお答えいたします。
 静岡地区では、知的障害を対象とする特別支援学校の児童生徒数の増加に伴い施設の狭隘化が課題となっておりますことから、平成三十年二月に策定した静岡県立特別支援学校施設整備基本計画に基づき新たな学校を整備することとしております。
 静岡地区には葵区と清水区に特別支援学校がそれぞれ設置されており、議員御提案のとおり駿河区に整備した場合バランスよく学校を配置でき、狭隘化の解消に加え通学負担の軽減にもつながると考えております。また駿河区には視覚障害、聴覚障害、肢体不自由を対象とした特別支援学校があり、それらの学校が連携することにより地域における教育相談体制のさらなる充実を図ることが可能となります。それぞれの地域で特別支援教育を推進していくためには特別支援学校がセンター的機能を担い、関係機関との連携を図っていくことが重要であります。
 現在、各学校に配置している特別支援教育コーディネーターを中心として幼稚園、保育所、小中学校、高等学校からの児童生徒に係る教育相談や個別の指導計画作成への助言など様々な支援を行っております。今後よりきめ細かな支援を行うため研修の充実などにより教員が複数の障害に対応できるよう資質の向上を図るとともに、近隣の学校との交流及び共同学習や地域交流を進め障害のある人への理解がさらに深まるよう取り組んでまいります。
 県教育委員会といたしましては、こうした取組を通して障害のある人とない人が共に学ぶインクルーシブ教育を推進し、全ての人が互いに個性を尊重し合い、地域社会で豊かな生活を送ることができる共生社会の実現を目指してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 佐藤政策推進担当部長。
       (政策推進担当部長 佐藤典生君登壇)
○政策推進担当部長(佐藤典生君) 県行政への若者の参画についてお答えいたします。
 県政の推進に当たり、静岡県の未来を担う若者の声を聞き、政策に反映していくことは極めて重要であります。このため毎年開催しておりますふじのくに士民協働施策レビューにおきまして二十代の社会人や大学生等を対象とした若者参加枠を設定し、多くの若者から施策の改善提案を頂いております。加えて総合計画審議会や地方創生県民会議におきましても若者が参画し意見を述べる機会を設けるとともに、県政に意見を伝える身近な場が欲しいという若者の意見を踏まえ若者自身が静岡県の魅力や課題等を議論し、その成果を主体的に発信する若者カフェを開催しております。
 また、若者にしっかりと届く効果的な広報を展開し若者の県政への参画を促進することも必要であります。このためツイッター「静岡県庁わかものがかり」によりイベントやくらし、防犯、防災など楽しくて参考になる情報を発信するとともに、頂いたメッセージに積極的に返信し県政を身近に感じてもらえるよう心がけております。さらに会計年度任用職員として採用した大学生が主体となって本県の魅力をPRする動画を制作、公開したほか今年度から新たに始めたユーチューブの「ふじのくに静岡県庁チャンネル」では若手職員が動画に出演し、県の仕事や県の魅力を紹介するなど若者に親しみを感じてもらえるよう創意工夫を凝らした広報に努めております。
 今後とも、若者に対する積極的な広報を展開するとともに若者の意見を伺う機会を増やすことで県政への参画を促進してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 四十一番 相坂摂治君。
       (四十一番 相坂摂治君登壇)
○四十一番(相坂摂治君) それぞれ丁寧に御答弁を頂きました。
 一点だけ御要望、意見を申し上げて質問を終わりたいと思います。
 知事が御発言を頂いた知事の発信力について、それから今回本会議の冒頭に示された知事のこの議会の説明、初日ですね。あの中に示されたコロナ対策の、文書で書かれあるいは読み上げられたものでありましたが、非常に政策体系がよくつくられているなと私は実はとても感心をしてこれを受け止めました。
 経済対策、あれが七月頃出ていたら一番よかったんじゃないかと思いますけれども、ぜひ今日るる言ってくださったそれぞれの施策をこの政策体系に一つずつきちんと、予算額と事業の枠を増やしてきちんとつないでひもづけをしていくことが大事だと思います。なので今申し上げたのは経済の質問をさせていただいたということと、それからもう一つは今経営管理部長、教育部長それぞれお答えを頂きましたけれどもコロナ対策の皆さんがこういうことをやるんだという対策の、今も言ってくださったスローガン的なあるいは目指しているものと現場とのギャップをどうしても我々は感じざるを得ません。やはり気の緩みもあるでしょうし隙間もあるでしょうし必ずしもあらゆる場面で徹底されているとは言い切れない。もしこれが完全に徹底されていたならば知事が先ほど我が県の誇りだとおっしゃられたこの感染状況、もっと小さくて済んだ可能性があります。
 最後に要望です。
 今回私が知事の政治姿勢で発信力について質問したのは、このコロナ対策を皆さんに徹底していただくための法律がないからです。法規制がないからです。全て職員についても学校についても、あるいは経営者の方々についても社会人の方々についても、あらゆる社会活動は皆さんの自主的な判断に委ねられています。ルールがないからです。このそれぞれの行為をこの方向でいいんだと、あるいはこの方向でやっていれば我が県であれば経済も回復するだろうし感染も拡大しないんだろうというふうに何を信じるかというのは自らが選んだ政治家の言葉であらなければならないと思います。なぜなら法律がないからです。
 ですから私はあえて知事に伺いましたけれども、ぜひこれからが私はこの寒くなって世界の感染はまだ三十万人が毎日感染をしている状況にあって、これから世界の門戸がまた開かれようとしています。決して油断することはできませんし、知事自らがもっと言葉を発信して、とっぴなことを言ってくれとは言っていませんが、この現場とここで目指そうとしているもののギャップを埋めるために県民を導いていくための言葉を発し続けていただきたいと思います。以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(良知淳行君) これで相坂摂治君の質問は終わりました。(拍手)
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 九月二十九日午後一時会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれにて散会します。

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