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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和元年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

天野 一 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/12/2019

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 県立中央図書館のこれからのあり方について
2 公立・公的医療機関の再編統合について
3 浜岡原発について
(1) 広域避難計画
(2) 知事の現状認識
4 国体の目標に向けた取り組みについて
5 ラグビーワールドカップ二〇一九開催成果の次世代への継
 承について
6 スポーツやレクリエーションの振興による健康寿命の延伸


○議長(鈴木利幸君) これで林芳久仁君の質問は終わりました。(拍手)
 次に、五十九番 天野 一君。
       (五十九番 天野 一君登壇 拍手)
○五十九番(天野 一君) 私は、自民改革会議所属議員として県政の課題について通告に基づき一括質問方式で質問をいたします。
 初めに、県立中央図書館のこれからのあり方についてお伺いします。
 JR東静岡駅南口に計画している文化力の拠点施設内に県立中央図書館の全面移転することが進んでおります。そんな折、ことし五月の法改正により公民館、図書館、博物館などの公立社会教育施設の所管を教育委員会から知事部局へ移管することが可能になりました。
 具体的には、公民館は防災の拠点、図書館は就業支援の場、博物館は観光振興や国際交流の拠点といったぐあいに新たな役割を持たせやすくする意見も出てきました。とはいえ私が最も懸念することは、知事部局へ移管されるということは図書館が政治的に使われる可能性があることです。
 日本は戦後、教育が政治的な影響を受けないように一般行政から独立させてきました。すなわち個人の学びや思想と表現の自由を政治的介入から守ってきました。また学芸員や司書の非正規雇用化や知事部局移管に伴い指定管理者制度の導入が進むことを拒んできたのであります。
 今回の法改正が社会教育機関としての安定性や継続性に悪影響を及ぼすことを心配しております。ただし移管は義務ではなくそうすることもできるということであります。むしろ中央教育審議会では教育委員会が社会教育を所管してきたことを積極的に評価し、今後も社会教育は教育委員会の所管を基本とすべきとしています。また社会教育施設に新たな役割を持たせることは知事と教育委員会が意思疎通を図ることを十分に可能なことにしております。
 そこで、お尋ねします。
 第一に、国の法改正に伴い県立中央図書館の所管を変更する考えがありますか。
 また第二に、県立中央図書館を文化力の拠点に移転した後も県立中央図書館は社会教育施設としての役割を忘れてはならないと考えますが、文化力の拠点の中心機能となる県立中央図書館のあり方について、県の考えをお伺いします。
 次に、公立・公的医療機関の再編統合について伺います。
 先般、厚生労働省は過剰とされる病院のベッド数を削減するため全国の自治体などが運営する公立・公的病院等について特に再編統合の議論が必要と判断した病院名を公表しました。県内では再検証要請対象医療機関が十四病院で全体の三四・一%を占めました。一部報道ではダウンサイジングの趣旨が省略され再編統合という言葉のみが先行し、結果私のところにも近くの病院がなくなるのではないかという県民の不安の声、さらに該当病院からは医師、看護師に動揺がみられ経営、人事に影響が出ているという声も届いております。
 国は、医療費の増加対策として地域単位で病院ごとの役割を明確化し分担させることで全体の病床数を減らし医療費を削減することを国は提案したのでしょうが説明不足は否めません。
 今回指摘されました病院は、長年地域の中核病院として良質な医療を継続的に提供してきました病院ですが、今回の公表により風評やうわさ話で急激に経営が悪化しかねない状況になっております。
 現在入院患者の七割が六十五歳以上の高齢者であり、国は不必要な高齢者の入院が医療費の増大につながっていると考え病床のダウンサイジングを提案したのだと言わざるを得ません。しかし高齢者人口の増減には地域差があり、急激な病床の再編は地域医療に混乱をもたらし、地域でしっかりと議論し患者さんや地域住民を不安にさせることがないようにソフトランディングしていく必要があると思います。
 特に、公立病院には中山間地域など過疎地における医療の提供と公立病院でなければ担えない分野の重点化が期待されております。昨年七月に成立した医療法、医師法改正では地域医療構想を達成するためには都道府県知事の権限が追加され、都道府県がその役割を適切に発揮することがとりわけ重要と考えます。
 そこで、再検証に当たって国の分析方法だけで判断し得ない地域の実情を加味して議論を尽くすべきだと考えますが、県の考えをお伺いいたします。
 また、今回の発表により該当地域に広がった不安や動揺への対応をいかようにするのかお伺いします。
 次に、浜岡原発についてのうち、広域避難計画についてお伺いします。
 近年頻発している大型台風、特に十月の台風十九号では全国各地域で甚大な被害がありました。大規模自然災害から県民の命や財産を守るために多くの課題が浮き彫りとなりました。特に難しいのが避難であるということを痛感しています。それは私だけでなくテレビや新聞で被災地を、被災者の姿から県民全てが感じていると思います。
 中でも浜岡原発で重大事故が発生した場合、広域避難についてはさまざまな困難が予想されます。県の広域避難計画の対象人口は、県が定める原子力災害対策重点区域三十一キロ圏内では十一市町の約九十四万人です。もしも南海トラフ巨大地震などの災害と原発事故が重なりこの広域避難計画が実施に移されたりしたら、多くの県民が県外に避難を余儀なくされます。
 福島第一原子力発電所事故の際、避難指示区域とされた地域住民の約八万一千人のうち八年半たった今日約二万四千人が避難指示を解除されず多くが県外に暮らしています。浜岡原発も同様のことが起これば、多くの静岡県民が避難したままふるさとに戻れず県外へ人口流出してしまう事態も想定されます。
 また、広域避難する際の交通手段について計画では原則として自家用車とし、世帯単位で乗り合わせるなどとしております。渋滞緩和に努める一方、自家用車が調達できない住民は一時集合場所を決めてバス等の避難手段により避難をするとしています。これが本当に実行可能な避難計画であるでしょうか。二〇一六年十二月私は議会においても質問いたしましたが、改めて浜岡地域原子力災害広域避難計画について、県の考えを伺います。
 次に、浜岡原発についてのうち、知事の現状認識について伺います。
 避難計画についてはまずは浜岡原発を知ることが必要ですが、その浜岡原発は今どうなっているでしょうか。
 浜岡原発は一号機から五号機の五基があります。一号機、二号機は二〇〇九年に廃炉が決まりました。三号機から五号機は二〇一一年五月政府の要請を受けて停止し、三、四号機は再稼働に向けて審査を原子力規制委員会が進めています。五号機は停止時に配管が壊れ約四百トンの海水が原子炉などに流入したため再稼働は困難ではないかという見方が強まっています。
 現在も中電は巨費を投じて大津波を想定した浸水対策工事を進め、こうした安全対策の総額は四千億円に上ると言われております。原則四十年の原発の運転期間で計算すると三号機はあと八年、四号機はあと十四年の運転期間があります。今後津波の想定を引き上げることになればその分防波壁の高さも引き上げることになり、さらに多額の費用がかかります。原子力規制庁との議論や工事などが長引けば運転の停止期間もさらに延び、経済性も悪くなり採算がとれない事業からは速やかに撤退するのがビジネスの世界では常道ではないでしょうか。
 強制起訴された東京電力旧経営陣に東京地裁は無罪を言い渡しました。原発事故の真相が十分に解明されないまま安全神話が続いています。このような状況下で、私は浜岡原発を廃炉にする最大のチャンスを迎えていると思います。
 知事も再三再稼働はできないとの発言をされておりますが、知事の浜岡原発についての現状の考えをお伺いします。
 次に、国体の目標に向けた取り組みについてを伺います。
 ことしも九月から十月にかけて茨城国体が、第七十四回国民体育大会が開催されました。ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会の真っ最中だったこともあって関心を持った県民は少なかったかもしれません。
 本県では、三十三競技に選手と監督、コーチ五百八十人、本部役員三十五人の計六百十五人が参加しました。結果は天皇杯が十七位、昨年より順位を二つ上げました。皇后杯は十九位。二〇〇三年の静岡国体で天皇杯、皇后杯を獲得以来本県の順位はこの十年間十四位から二十六位の間を上下しております。県では国体の総合成績八位以内を目標にしてきましたが結果は実現しておりません。
 私は、国体の順位にこだわることはもちろん大事ですが常々スポーツは人づくりであるという思いを持っております。アスリート育成の一翼を担ってきた学校部活動時間の見直し、競技スポーツを取り巻く環境が変化する中、今後はアスリート育成に当たる指導者の養成がこれから一番大事になってくると考えます。
 そこで、茨城国体の総括と今後の指導者の養成の取り組みについて、県の考えを伺います。
 次に、ラグビーワールドカップ二〇一九開催成果の次世代への継承について伺います。
 今回のラグビーワールドカップ日本開催が決まりました当初、ラグビーのプロリーグも発足していない日本で本当にワールドカップができるのか疑問視する声が多くありました。しかしふたを開けてみればかつてないほど世界的な熱狂を呼び、世界から本当に日本を称賛しました。大成功をおさめました。
 本県でも、期間中エコパスタジアムで四試合が開催され多数の入場者があり大成功でした。しかしこの四試合に要した費用について、県民にどのくらいかかったか公表されているでしょうか。県開催における四試合の全体事業費は七十二億五千三百万円であり、うち県費負担は七十一億四千九百五十万円となっています。大会の開催にこれほどの費用がかかっていることは県民にあまり知られておりません。
 また、この額を高いと見るか安いと見るか人それぞれと思います。単に大会が成功したことをもってよしとするのではなく、大会終了後も長年にわたってその開催効果を継承していくことが大事だと思います。大会の開催を一過性のものにとどめず、ラグビースポーツを通じた感動と、そして本県に根づかせるように取り組むことが大事だと私は思います。
 県では、今年度独自の教本を制作し県内の小中学校でラグビーの授業を実施しました。その意図するところは、ラグビーのスポーツとしての魅力を伝えるだけでなく結束することの美しさ、戦う相手への尊敬などラグビーの有する崇高な精神を子供たちの人格形成に生かすことになる、そのことと伺っています。
 ラグビー発祥の地イングランドでは、パブリックスクールを中心としてラグビーをスポーツ競技としてだけでなく人間教育の一環として伝統的に用いてきました。私はラグビーを他のスポーツと比べて一段高い価値を持っているスポーツであると考えております。スポーツの王様と言ってもいいと思っております。そうした意味で今回のラグビー授業のように、取り組みは単年度に終わらせることなく継続的に実施してほしいと思います。
 また、ラグビーは体と体をぶつけあう激しいコンタクトスポーツであり何よりも安全性が最重要であること、そして激しさゆえに相手への思いやりが大事であることもしっかりと伝えていってほしいと思います。
 そこで、今回のラグビーワールドカップ二〇一九を契機として創出された大会開催の効果を次の世代に継承し末永く県民の心に残すための取り組みをどのように進めていくか、県の考えをお伺いします。
 最後に、スポーツやレクリエーションの振興による健康寿命の延伸についてお伺いします。
 近年、スポーツやレクリエーションが心身ともに健康な生活を営む上で不可欠なものと認識されてきました。スポーツやレクリエーションは身体を動かすことの喜び、爽快感、達成感を味わえるばかりでなくコミュニケーションづくりや心身の安寧等をもたらしてくれる世界共通の文化です。
 これまでは、いかに長く生きられるかという平均寿命の長短の価値が重視されてきました。しかしこれからは生活の質を重視、長くなった寿命を健康で自立して暮らすことができること、つまり健康長寿を実現していくことが重要となります。
 私は、スポーツやレクリエーションを推進するに当たっては、一つは親、子、孫と三世代にわたっての取り組みの視点が有効だと思います。核家族化が言われて久しいですが、家族のきずなが深まれば一層効果が上がるはずです。またそうした取り組みを進める上で県だけでなく関係団体と連携協力が大変必要だと考えます。
 さて、厚生労働省がまとめた過去三回の調査を平均した本県の健康寿命は男性七十二・一五歳、女性七十五・四三歳でいずれも全国の都道府県で二位でありました。県が独自に算出した男女の平均も七十三・八二歳で二位でした。しかし直近の調査によると男性は全国で六位、女性は十三位と順位が下がってきております。
 そこで、健康長寿日本一を目指す本県として時代の変化や個人のニーズに応じたスポーツやレクリエーションの振興による健康寿命の延伸対策が必要だと考えますが、県の考えをお伺いいたします。答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 天野議員にはお風邪を召されているのでしょうか。鼻をおかみになりながら最初はピアニシモで始まって少し心配いたしましたが、最後は力強くクレッシェンドで終わられましてトリを飾るにふさわしい御質問、謹んで拝聴した次第でございます。
 七つばかり御質問があったと存じますけれども、そのうち二つについて御答弁申し上げます。
 まず、浜岡原発についてのうち、私の現状認識についてであります。
 浜岡原子力発電所につきましては、先ほど議員の御指摘のとおり現在中部電力が津波対策工事等を実施中であります。また三、四号機につきましては原子力規制委員会におきまして想定する地震動や津波の審査等を初めとする新規制基準への適合性審査が継続中であります。海水が流入した五号機につきましては健全性を評価中であり、新規制基準への適合性審査の申請は行われておりません。御案内のように、まだ使用済み燃料の処理方法が確立しておりません。
 先ほど議員は三号機、四号機の耐用年数について御指摘でございましたけれども、浜岡原子力発電所の使用済み燃料プールの貯蔵容量は最大九千九百五十体であります。そのうち使用中のものも含めて八千九百四十二体の燃料が保管されております。差し引き一千八体、一千体余りということでございまして、仮に三、四号機、一回定期点検と称される燃料の置きかえがあるわけですが大体三百体ということでございますから、これを入れれば今度は使ったやつを出さねばなりません。そうしますと仮に再稼働したとしてもですね、新たに発生する使用済み燃料によりわずか一、二年で燃料プールは埋まってしまいます。ですからその点から考えても、実は稼働は現実的でないということであります。このような状況から浜岡原子力発電所につきましては現在再稼働できる状況にはないという現状認識に変わりはありません。
 県といたしましては、浜岡原子力発電所につきましては国に対して厳正な審査を求めるとともに、中部電力に対しては安全確保の徹底を求めてまいります。
 一方、御指摘のとおり全ての原子炉にはほぼ四十年という寿命がありどの原子炉も廃炉は免れないところであります。私は一番懸念しておりますのは、そこに千人以上の方が働かれているわけですけれども、意欲をなくすとメンテナンスに支障が生じ大きな事故につながりかねません。ですから御家族の方もそれによって影響を受けますのでいかに元気よく働いていただくかが大切な、考慮するべきことだと常々考えております。
 中部電力は、浜岡原子力発電所一号機、二号機の廃炉作業を順調に進めながら廃炉に関する技術を磨かれているはずです。つまりそれが売れるかどうかということです。また発電所内に設置した原子力安全技術研究所におきまして廃炉の安全な実施等について研究を進めてもらっております。そしてまた全国の大学等から研究を公募しその研究成果を毎年公表していただいております。そういう形で役に立っているということでもございます。さまざまな研究活動がこの浜岡原子力発電所を、いわばテキストとして取り組まれているわけであります。これらの取り組みが原子力発電所の安全技術、安全文化の浜岡モデルと称されるまでに育つことを私は期待しております。
 県としましては、浜岡原子力発電所の徹底した安全確保を引き続き求めてまいることに変わりはありません。
 次に、ラグビーワールドカップ二〇一九開催成果の次世代への継承についてであります。
 先ほどラグビーはスポーツの中の王様というすばらしい言葉が飛び出しました。キング・オブ・スポーツということで、まさに私も個人的に全く同感であります。ラグビーを最も愛している一人であります。
 今回のラグビーワールドカップ二〇一九は、日本代表の初のベストエイト入りなど数々のドラマを生みました。「ONE TEAM」がことしの流行語大賞に決定するなど、社会現象を巻き起こすほどの空前の盛り上がりを見せた大会となりました。
 さらに、もう一つの成果として、ラグビーを通じて国内外の多くの人が心を通じ合い感動を分かち合ったというスポーツのすばらしさが際立った大会であった点が挙げられます。
 特に、エコパスタジアムで行われた日本代表とアイルランド代表とのマッチにおきまして、試合に負けたアイルランドの選手たちがピッチ上で花道をつくり日本代表選手たちを拍手で見送った姿は国内外で称賛を浴びました。品位、あるいは戦う相手への尊敬などのラグビー精神が最も象徴的にあらわれた、また世界中が感動した美しい光景でありました。こうしたラグビーが有する人々の心を一つにする力などのスポーツとしての価値や人としての生き方を教えてくれる力などの教育的効果を大会終了後も長年にわたって継承してゆくことが大切であります。
 ラグビー憲章というのがあります。これが先ほどイギリスのエリート教育の基礎をなすものでもありまして五つございます。これは大会会場に日本語で品位、情熱、結束、規律、尊重ということで書かれていましたけれども、ちょっと日本語としては必ずしも少年少女、あるいは青年の心を打つかなというところがあります。
 しかし、この英語のニュアンスというものがありまして、この品位はもともとインテグリティーというものでありまして、少々のことで動揺をしない、人格がしっかりと保たれるというそういうニュアンスがインテグリティーにあります。いわば独立不羈、明治大学か知りませんけれども、青山でしたか失礼しました。慶応だと独立自尊というかもしれませんが、そうした意味合いがあります。
 それから、パッションというのは確かに情熱ですけれども、むしろ堅忍不抜の意思と、どんなことがあっても熱を失わないというこうした意味合いがあります。
 それから、ソリダリティーはもちろん結束なんですけれども、きずなとかいうほうが日本的な感じがあるかもしれません。
 そして、ディシプリン、規律はディシプリンなんですけれどもこれもいわば翻訳でありまして日本的に言えば道を踏み外さないと、道義をしっかりとわきまえるというような意味があります。いかなるときにも道を踏み外さない、ディシプリンですね。
 それから、最後のリスペクトというのは確かに尊重あるいは尊敬ということではありますけれども、日本で言えば思いやりとかあるいは礼節を重んじる、節義を重んじると、こういういわば武士道の精神と通底するところがありまして、日本もブレイブブロッサムズを勇敢なる戦士というふうに誰もが、これは直訳としてはおかしいですけれども訳されておりました。戦士というのもちょっとおかしいと思いますけれども言ってみれば侍であります。そうしたものと通底するところがあって日本でも百年以上の歴史を刻んできたのではないかというふうに思います。そうした意味でこのスポーツの重要さに日本人の多くが気づいたということは極めて大きな成果ではなかったかと思います。
 その継承に当たりましては、競技スポーツとしてのラグビーの普及、発展と人間教育としてのラグビーの活用を両輪として進めていくことが極めて重要であると考えております。
 具体的には、ラグビーの導入モデルであり安全性も重視するタグラグビー教室の継続実施を初めラグビートップリーグ等への観戦の促進、ラグビーワールドカップ二〇一九のレガシーとして設立されたアザレア・スポーツクラブとの協働による女性や子供へのラグビーの普及などを通じて競技人口やファン層の拡大に向けた取り組みを進めてまいります。また今年度実施しました小学校、中学校でのラグビー授業などラグビー精神を学校教育に適切に活用し子供たちの人格形成に生かすための取り組みも継続して実施してまいります。
 県といたしましては、今回のラグビーワールドカップ二〇一九の盛り上がりを絶好の機会と捉えラグビーにとどまらずスポーツ全般を軸とした県づくりを進めるという思いを強くしておりまして、大会の開催により培われたレガシー――ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワンもその精神の一つでありますが――そのレガシーを次世代に継承していくための取り組みを進めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(鈴木利幸君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 県立中央図書館のこれからのあり方についてお答えいたします。
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正により、図書館など公立の社会教育施設につきましては特例として首長部局が所管することが可能となったところであります。一方今後も、基本的に社会教育に関する事務は引き続き教育委員会が管理執行されることとされております。
 県立中央図書館につきましては、県民の皆様の読書活動や生涯にわたる学びを支えるとともに、市町図書館を強力に支援する県全体の知の拠点として社会教育の推進に重要な役割を担っております。
 また、教育を取り巻く状況が複雑化した現在にあっては、社会教育は学校教育と相互にかかわりながら推進することが一層重要となっております。こうした状況を踏まえ県立中央図書館につきましては今後も県教育委員会が所管し社会教育の推進に努めてまいります。
 文化力の拠点への移転に際しましては、基本計画にお示ししたとおり生涯学習の拠点となり地域資料を守り市町図書館を支援する役割を確実に果たすとともに、多様なニーズに応え得る新しいタイプの図書館として文化力の拠点の他の機能と融合し、県民の皆様が出会い交わり、新しい文化を育む場所となることを目指しております。
 県教育委員会といたしましては、移転整備を機に県立中央図書館が新時代の社会教育施設として多くの県民の方々に親しまれ、交流を通じて人づくり、つながりづくり、まちづくりに貢献する魅力的な図書館となるよう取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 池田健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池田和久君登壇)
○健康福祉部長(池田和久君) 公立・公的医療機関の再編統合についてお答えいたします。
 厚生労働省は、九月下旬に二〇二五年に地域で担う役割について再検証を求める公立・公的医療機関名を公表いたしましたが、各病院の診療実績に基づき全国一律の基準により機械的に選定されているもので地域の特性などは考慮されておりません。
 県では、病院の規模や配置を初め病院間の役割分担、連携体制などさまざまな地域の実情を尊重すべきと考えておりますことから、八つの地域医療構想調整会議におきまして各地域にふさわしい医療体制について丁寧な議論を重ねてまいります。
 また、県が十一月二十二日に開催いたしました厚生労働省との意見交換会では該当した病院から、派遣元の大学から医師派遣がしづらいと言われた、採用辞退者が出たなどの悪影響が出ているとの切実な声が上がったところであります。
 再検証の目的とは全く無関係なこうした影響につきましては、早期に解消しなければならないことから厚生労働省に対し説明責任を果たすよう強く要請するとともに、県におきましても該当病院が地域で果たしている役割などについてあらゆる機会を捉えて情報発信し県民の皆様や医療関係者の不安解消に努めてまいります。
 県といたしましては、今後も市町や医師会、病院協会など関係団体との連携を一層強化いたしまして県民の皆様が安心して医療を受けることができる地域を実現してまいります。
 次に、スポーツやレクリエーションの振興による健康寿命の延伸についてであります。
 子供からお年寄りまで誰もがスポーツやレクリエーションを楽しめる環境づくりは、心身の健康維持増進はもとより地域社会の交流や一体感の醸成を促進し活力に満ちた健康長寿社会の実現に不可欠のものであります。
 ことしのラグビーワールドカップ二〇一九では日本代表チームが好成績をおさめ、来年の東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けてさらにスポーツに対する関心が高まっている今こそ、県民の皆様が運動習慣を身につけ健康寿命へとつなげていく絶好の機会であります。
 本県では、県民スポーツ・レクリエーション祭を初め高齢者を対象とするすこやか長寿祭スポーツ大会、障害のある方々に向けてのわかふじスポーツ大会を開催するなど県民誰もがスポーツに接することができる機会を積極的に提供しております。また運動習慣の少ない若い女性を対象とした気軽に取り組めるレクリエーションスポーツの普及や、子育て世代の方々がスポーツに参加しやすい託児付きスポーツ教室の開催を支援しております。
 さらに、ふじ三三プログラムの普及や健康経営の視点から従業員のみならず家族や地域も対象とした健康づくりに取り組む事業所に対する支援を行っておりますが、健康に無関心な方々へのアプローチが課題となっております。
 近年、AR――拡張現実という実在する風景に仮想の視覚情報を重ねて表示する技術が開発されこの技術を活用したスマートフォン用ソフトが人気を博しており、親、子、孫の共通の話題になったり人と人とのコミュニケーションのきっかけになるだけでなくゲームに取り組むことで屋外で体を動かし楽しみながら健康増進につながるという効果が期待されます。今後こうした新たな技術も活用し、外に出て運動することが少ない健康無関心層にも参加しやすいよう工夫していきたいと考えております。
 県といたしましては、県民誰もがいつでもどこでもいくつになってもスポーツやレクリエーションに親しみながら心身ともに健やかで長生きできる社会の実現に向けて市町や経済団体等関係機関と一体となって積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 金嶋危機管理監。
       (危機管理監 金嶋千明君登壇)
○危機管理監(金嶋千明君) 浜岡原発についてのうち、広域避難計画についてお答えいたします。
 県は、原子力災害から県民の皆様の安全を確保するため浜岡地域原子力災害広域避難計画を策定し関係十一市町の避難計画の策定支援に取り組んでいるところであります。
 住民の避難につきましては、福島第一原子力発電所事故の教訓や国際原子力機関の基準を踏まえて定められた国の原子力災害対策指針に基づき実施することとなっております。具体的には原子力緊急事態宣言が発出された場合には原子力発電所から五キロメートル圏内のPAZの全域の方々に避難していただき、その外側の三十一キロメートル圏内のUPZの方々には御自宅などの屋内に退避をしていただくこととしております。その後放射性物質が放出され空間放射線量が基準値を超えた場合には当該地域の方々に避難していただくこととしております。
 また、住民避難が円滑に進むようにするため県では短時間での避難退域時検査を可能とする車両用ゲートモニターの高度化、スマートフォン等を活用した避難経路等情報提供システムの運用などを進めております。
 県といたしましては、今後とも国や関係市町と連携して広域避難計画の周知を図るとともに、原子力防災訓練等を通じて計画の実効性向上に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 植田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 植田基靖君登壇)
○文化・観光部長(植田基靖君) 国体の目標に向けた取り組みについてお答えいたします。
 ことし開催された茨城国体では、バレーボール成年男子が優勝するなど企業チームの参加を得て団体種目が高得点を獲得いたしました。また少年種目では男子サッカーが八年ぶりの優勝、陸上競技や水泳でもジュニア世代が活躍し入賞が四十八を数えるなど団体、ジュニアの強化に手応えを感じた結果となりました。
 昨年度から開始したアスリート雇用支援事業により県内企業に就職した女子ボクシングや女子バレーの選手が活躍したほか、県の補助制度を活用して競技器具を整えたボート競技や自転車競技が好成績をおさめるなど、これまで積み重ねてきた取り組みの一定の成果があらわれた大会であったと評価しております。
 しかしながら、総合順位は十七位で前回大会の十九位を上回ったものの目標の八位には及びませんでした。本県が今以上の成績をおさめるためには、これまでの取り組みに加え科学的知見に基づく効果的な指導ができる人材の育成や確保が非常に重要であると認識しております。
 このため、指導者の資格取得講習会や一流の指導者からすぐれた指導法を学ぶ研修会を実施するなど指導者のレベルを高める取り組みを進めるとともに、今年度からはICTやスポーツ医・科学を活用した科学的根拠に基づく効果的な指導の導入にも取り組んでいるところであります。
 今後は、こうした取り組みの一層の充実に加え高みを目指す選手に最高クラスの指導ができるコーチやアスリートの卵である子供たちの成長をサポートできる人材など、選手の個性や成長段階に応じた指導者の確保に努めてまいります。
 県といたしましては、県体育協会や競技団体、スポーツ関係者等とこれまで以上に連携し目標である国体総合順位八位以内の達成を目指し一層の競技力の向上に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) これで天野一君の質問は終わりました。(拍手)
 以上で質疑及び一般質問を終わります。

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