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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成21年6月静岡県議会定例会

小長井 由雄 議員(民主党・無所属クラブ)の 代表質問 に対する答弁

(質問日:07/27/2009番目)
答 弁 者知事


    ○副議長 (堀江龍一君)  川勝知事。
            (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事 (川勝平太君)  小長井議員、 御質問ありがとうございました。 質問の問題意識の多くを私も共有しております。
     まず初めに、 行政改革についてのうち県の事業の見直しについてでありますが、 これからチーム川勝で答えてまいります。 まずトップを切って私からということでございます。
     本県では、 これまでも業務棚卸表を活用した行政評価を行う中で事業を見直すとともに、 この評価結果や見直しの内容を翌年度の予算編成や業務の改善などに反映させ、 効率的な行政運営に努めてきたものと考えております。
     しかし、 景気の低迷で厳しさを増す現在の財政環境のもとで今後も行政サービスを安定的に維持するためには、 さらに徹底した事業の見直しを行い、 不必要なもの、 無駄なものを排除し、 本当に必要な施策を行うようにしなくてはなりません。 そのためには現在行っている内部の評価だけに基づくのではなく、 新たに外部の視点を加え、 より透明性の高い客観的な評価による事業の見直しが必要であります。
     具体的には、 第三者の専門家や県民の皆様の目により、 事業の必要性や実施主体などについて判定していただく事業仕分けの手法をまず導入し、 県民の目線でどうか、 最適な実施主体かどうか、 効率的な執行内容となっているか等を判断の基準として事業の見直しを行い、 これまでの新公共経営の成果も生かしながら、 無駄のない一層効率的な県政の実現に努めてまいりたいということでございます。
     次に、 外郭団体への天下り禁止についてであります。
     県職員の外郭団体への再就職につきましては、 これまで外郭団体からの求めに応じて、 再就職を希望する定年退職予定者の中から、 その業務に必要とされる職務経験、 能力、 技術などを有している者を紹介いたしまして、 採用の可否は当該団体に判断していただいていたと承知しております。
     しかし、 この人材の紹介は県と外郭団体の二者間で行われており、 結果といたしまして長期的には県職員退職者が同一の外郭団体のポストを占めているといった状態にありますことから、 再就職する場合の過程の透明性を高めるべく、 現在の仕組みは早期に見直すことが必要であると考えております。
     また、 一方で外郭団体におきましても当該団体の健全な運営、 活性化のため、 役職員の採用に当たりましては、 職務権限や責任にふさわしい人材を民間、 公的機関を問わず広く求めることが適当であるというふうに考えております。
     このため、 今後県が出資する外郭団体に対しまして、 来年度以降の役職員の採用に当たりましては、 官民を問わず意欲を持った有能な方が応募できる公募制を取り入れていただくように要請してまいりたいと考えております。
     次に、 教育改革についてであります。
     今日の社会におきましては、 豊かな生活のための経済力は不可欠でありますが、 物の豊かさに加えて心の豊かさを多くの人々が望むようになっております。 従来の豊かさの尺度は、 GDPに代表されるように量ではかれるものでございましたが、 現在世界的に注目されておりますブータン王国の国王の提唱なさいましたGNH  国民総幸福度は、 精神的幸福のように量ではかれない目標を発展のビジョンに置いており、 この考え方に私は深く共鳴しております。
     教育において目指すべき人間像を、 文武両道は言うに及ばず、 文武芸の三道を兼ね備えた徳のある人を考えておりまして、 「一に勉強、 二に勉強、 三に勉強」 の運動を静岡から起こすことにより、 学問、 スポーツ、 芸術いずれの分野におきましても、 すぐれた人材を県内各地から輩出することが理想であります。
     よく知・徳・体というふうに言われるわけですが、 そうすると徳というのは知と体と別個にあるがごとくあります。 この考え方はおかしいとかねてより私は思っておりました。 知育は何のためにするのか、 ものをよく知る、 勉強する、 そのことによって立派な人になるためです。 体育は何のためか、 体を鍛える、 スポーツのルールを知る、 自分の体の限界を知る、 そして負けたときの潔さ、 スポーツマンシップを身につけると。 これもまた立派な人間になるためのものであります。 これは徳育と本来不可分なものでございます。 そういう問題意識から、 静岡県では理想の教育として心と体の調和した徳のある人間をつくっていこうということにしたというふうに私は承知しておりますが、 心の中に知・情・意という三つがある、 心の中に、 知すなわち知育、 情  感性、 意  意欲です。 そういう英数国理社のような知育、 それから芸術、 これはもう映画や音楽や演劇や図画やそうしたものも含みますけれども、 こうした情  感性豊かにするもの、 それから何よりも意欲というのが大切です。 そうしたものが心の中に入っている。 心と体の調和した徳のある人ということであります。 そして、 全体として知育の中から学問、 感性豊かな人を目指す情操教育の中から芸術家、 体をしっかり鍛えて静岡県が誇るすばらしいスポーツマンを輩出しておりますけれども、 そのようなスポーツということで文武芸三道、 これが静岡県全体としてそういう教育をしているということがこれからの理想ではないかと思うのであります。
     教育の中心を担う学校教育の改革に当たりましては、 少人数学級の推進、 専門性の高い教員による指導、 教員と子供の向き合う時間の拡充が大変重要でございます。 少人数学級編制につきましては、 本年度取り組みを始めました静岡式三十五人学級の中学一、 二年生の成果を検証しながら、 学校現場の要望や実態等を勘案いたしまして段階的に取り組んでまいりたいと考えております。
     教職員の負担軽減につきましては、 有能な退職教員等の外部人材の活用をいたしたいというふうに思っております。 そのために教員OBのデータベース化を図りまして、 組織的に  これまでも教員OBの方々がいろいろな形で新規採用の教員の指導に当たられたりされてこられましたけれども、 これもシステムとしてやってまいりいたいと思っております。 それとともに議員御指摘のように、 ICT化の導入によって事務業務の効率化を進めるほか、 小学校では授業準備時間を確保するための教科担任制の推進、 中学・高校では部活動のあり方についての検討が必要であると考えております。 部活動の御指導をいただくために、 先ほどは教員のOBと申しましたけれども、 県から輩出した芸術家やあるいはスポーツマン、 この方々もデータベースとしてきっちりとこちらで把握をいたしまして、 その方々に教育の現場で後進の指導あるいはそういう力をつけていただくために地域の人々の御指導を賜るという、 そういうシステムを考えております。
     仮称JICAグローバル大学院の設立につきましては、 青年海外協力隊が行っている生活環境や自然環境をよくする実践活動を、 大学院修士レベルとして評価する環境経営学修士号の創設にかかわる具体的な方策を研究したいと考えております。
     これは、 静岡県全体がテキストになるという考え方でございます。 静岡県は確かに美しい。 一方で例えば安倍川の上流の大谷崩れというのがございます。 これは行かれたらすぐに体感できるわけですけれども、 これは非常にそれと向き合うのが難しいわけであります。 そうしたものは体でわかります。 そうしたものが実はテキストになると。 一方伊豆半島におきましても、 あるいは浜名湖周辺におきましても、 駿河におきましても、 それぞれすばらしい第一次産業の展開がこれまで見られております。 それぞれ地域の特性を生かした特産物ができてるわけですけれども、 それらが実はまた一方でテキストになるわけですね。
     そういう意味で、 これは私は世界のだれにでも、 特に開発途上国で、 自然環境が厳しい、 第一次産業これを何とか立派に育て上げて、 少なくとも国民の衣食住のうち食にかかわるものをきっちりと確保したいというふうに若い青年たちは念願してるわけであります。 そういう青年たちから見ると、 これは静岡県の景観というのは全く違って見える。 そのときの教師はだれになるんでしょうか。 そうなりますと、 これは私は静岡県全体がそういうものになり得るというふうに思っているわけです。
     しかし、 各地から来られるとなれば何語で教えますかとなりますと、 差し当たって例えば別府の立命館のアジア・パシフィック・ユニバーシティー  アジア太平洋大学というのは入学定員の半分が外国人です。 外国人が四百人でありますけれども、 その構成している国の数というのは百近くございます。 そうすると英語でやるわけですが、 言うまでもなく日本にあこがれて来てるわけですから、 すぐに日本語ができるようになるんですね。 ですからたとえたどたどしい言葉であっても、 JICAグローバル大学院では、 体で教える、 現場で教える、 ジェスチャーで教える、 しかし英語で教える。 しかしながらそのうち全部日本語で通ずるようになります。
     ですから、 内外の教員による内外の青年たちを教える。 静岡県全体をテキストにすると。 それはグローバルに必ず役に立つと。 これほど厳しいと同時に美しい自然環境はありません。 富士山がフィリピン海プレートとあるいは太平洋のプレートとそれからユーラシアのプレートの合わさるところにあるわけですから。 そうしたことはもうグローバルに考えないと、 富士山の由来やあるいは丹沢の由来、 箱根の由来、 伊豆半島それ自体の存在もわからないわけですね。
     そうした地球的な観点からこの地域を見るということで、 十分に役に立つものを我々は持っているので、 そうした大学をこの地に持ってき得るというふうに私は確信しているわけでありますが、 あわせて青年海外協力隊の実践活動に学位を付与いたしまして、 総合的な地域の力をつけていく人材育成のための世界的な機関として新たな大学院の設立を文部科学省や外務省に働きかけるとともに、 すぐれた技術力と豊かな自然に恵まれている本県が設立の地としていかにふさわしいかアピールしてまいりたと考えております。
     たまたまきのう、 隣に塩谷立先生が座られていたんですが、 お目にかかりまして、 それで早速向こうのほうから  先生のほうからその話がありましてまだやりたいとおっしゃってました。 ですから、 これは一人のハートを打ったということで、 議員の先生方の御協力も賜りながら、 私、 この日本のど真ん中に、 世界に発する国際機関をこちらに誘致するんではなくて、 こちらから国際的に発信できるようなそういう大学院を設立したいというふうに念願しているわけでございます。 (発言する者あり) ありがとうございます。
     次に、 本県の農林水産業の振興についてでありますが、 農林水産業は県民へ安心で安全な食料を安定的に供給することはもとより自然資源に満ちあふれた本県の美しい景観を守り育てる重要な産業であります。 つくるだけではだめなんですね使わないと。 需給ということを考える形で農林水産業の振興を図ってまいりたいと思っているわけです。
     しかし、 差し当たっては農林水産業の振興につきましては、 意欲ある担い手の確保・育成や、 農林水産物の高い品質  高付加価値化の推進、 販路の拡大、 高性能機械の導入や新技術の開発による生産性の向上などに努めるとともに、 水産業に当たりましては資源管理の徹底にも取り組んでいるところであります。
     今後は、 こうした施策に加えまして、 工芸品という名から触発されました農芸品すなわち芸術品のレベルにある質の高い農林水産物のブランド化の推進をいたします。 これは第一次産業として世界トップクラスにあるという自覚のもとに進めてまいりたいと思います。
     それと同時に、 議員御指摘のように森の活用についても同様であります。 ある公共施設をつくるといったときに、 それを鉄筋コンクリートでつくるというのが当たり前になっておりますけれども、 鉄筋木造ということがあってもよろしかろうと思います。 コンクリートで鉄筋を巻くかわりに、 その立派に育っている丸太を鉄で両端を挟めば十分に鉄筋コンクリートと同じ役割を果たせるわけです。 そうするとその木材は東京都にはありません。 しかしこちらは議員御指摘のように大井川にもある、 天竜川にも伊豆半島にもそういったすばらしい天然資源が眠っているわけですね。 こうした物を活用すると。 しかしそれは切り出しから流通から市場に行くまでのシステムをつくらねばなりません。
     そうしたところにシステムを考えながら援助をしていくということが大切で、 単に森林管理の枝打ちであるとか間伐の方法を学んだだけでは十分でない。 同じように遊休地を活用して農産物をつくる、 その技術を身につけただけでは十分でない。 そのことはとっても大切なんですけれども、 その必要条件としてそれを流通に回して販売まで持っていって、 そして地産地消でここで回していくというところまで御一緒に考えてまいりたいというふうに思っているわけです。
     そういうことを考えた新たな担い手の確保、 そして第一次産業、 第二次産業、 第三次産業を総合的に組み合わせた地産地消を図る仕組み、 これを考えまして農林水産分野においても、 日本のどこにもないシステムで新しい商品や事業を創出することが必要であります。
     このため、 県といたしましては、 ブランド化の積極的な推進、 新たに農林漁業を目指す方々への支援、 県民に安全で良質な農林水産物を安定的に需給できる構造の構築、 都市と農山漁村の交流促進など関係機関や農林漁業者と連携して、 本県農林水産業の振興に積極的に取り組んでまいります。
     次に、 観光地の再興に向けた取り組みについてでございます。
     最近の観光の形態は、 団体で観光地を見て回る物見遊山型から、 個人やグループによる多様な価値観に基づいた体験型、 目的指向型に大きく変化しております。
     この変化に対応するためには、 観光関係者のみならず、 県民一人一人が日本の誇りである富士山や伊豆半島を初めとした本県の美しい自然、 駿河の文化、 遠州のものづくりなど、 人々を魅了する地域の力を再認識して、 そのすばらしさを多くの人々に知っていただくように多様な手段で情報発信するとともに、 この魅力を生かしてお客様をもてなすシステムも考えるということが大事であると認識しております。
     このため、 伊豆ブランド、 富士山ブランド、 浜名湖ブランドといった国内外に通用する地域の観光ブランドの創出を図るとともに、 豊かな農林水産資源を生かしたグリーンツーリズム、 富士山や南アルプスでのエコツーリズム、 豊富な温泉資源を生かしたヘルスツーリズムなど、 新しいツーリズムこれを推進してまいりたいというふうに思うのでありますが、 その一つとして今、 富士山が世界文化遺産になるその重要なステップとして暫定リストに載っているわけでございますが、 その富士山、 それから伊豆半島も、 これはジオパークとして  ジオパークというのはその地質が世界で非常に珍しいがゆえに世界全体の共有財産にしようというユネスコが始めた運動でございますけれども  私はそういうものになり得るというふうに思っておりますし、 さらにまた世界で最初の川の世界文化遺産としての天竜川の世界文化遺産化なども、 地域の人々がそのようなお志があるならば応援してまいりたいと思っております。
     また、 富士山静岡空港の開港により、 韓国や中国を中心とする東アジア地域や北海道、 九州を初めとする国内遠隔地が、 本県の観光にとって新たな観光マーケットとなるものであります。
     なるほど羽田へは近過ぎるので飛べません。 しかしながら例えば中部圏知事会というのがございます。 そこには富山県あるいは石川県あるいは岐阜県、 長野県などがお入りになっておられます。 そうしますと日本の三名山というのをめぐるということになりますと、 立山、 白山、 富士山となります。 立山文化圏、 白山文化圏、 富士山文化圏、 これは非常に大きな広がりがあります。 こうしたところを見たいという人はやっぱりいるのですね。 そしてさらに、 富山空港なり小松空港におり立つ、 そしてそこから黒部を見るとか長野の景観を楽しむ、 そして富士山を見て伊豆半島に来る、 そして最終的にこの富士山静岡空港からお帰りになる。 その逆もありましてそういう観光商品が香港や台湾で既に  もちろん富士山静岡空港では今のところございませんけれども  そのような地域間を空港を利用して楽しむという観光商品が開発されてるということでございまして、 この間の中部圏の知事会でもそのようなことを共同して推進していこうということになっております。
     そのような意味におきまして、 中部圏全体、 すなわち東京だけ考えるのではなくて地域間のネットワークをつくることによって地域自立のインフラ整備を図っていくと、 こういった絵が道州制をにらむということにもなってまいります。 それだけでなくて、 富士山静岡空港を利用した国際会議の誘致とか国内外からの観光客の誘致に向けまして、 私自身が先頭に立ってトップセールスを進めてまいります。
     県といたしましては、 本県を訪れるお客様が、 観光関係者はもとより地域が一体となった日本一の心のこもったおもてなしを受け、 本県の魅力に感動し再び訪れてみたくなるよう、 そういう方向で一層の観光振興に取り組んでまいります。
     なお、 その他の御質問につきましては、 チーム川勝を構成する関係部局長のほうからお答えを申し上げます。

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