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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

野澤 義雄 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/02/2016

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 総合計画後期アクションプランの今後の取り組みについて
2 新東名浜松いなさ―豊田東間の開通を踏まえた観光振興について
3 旅行業者における安全確保対策について
4 農業振興について
(1) 地球温暖化に向けた対策
(2) 県産品の輸出拡大
5 浜名湖の水産資源の確保について
(1) 魚介類をふやす取り取り組み
(2) ウナギ資源対策
6 労働委員会の現状と今後の役割について


○副議長(杉山盛雄君) 再開に先立ち御報告をいたします。
 本日は、説明者として芝田労働委員会事務局長が出席をしておりますので御承知おきをお願いいたします。
                              
○副議長(杉山盛雄君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、六十七番 野澤義雄君。
       (六十七番 野澤義雄君登壇 拍手)
○六十七番(野澤義雄君) ふじのくに県民クラブの所属議員として県政の諸課題について、通告に従い知事並びに関係部局長に一括方式で質問いたします。
 最初に、総合計画後期アクションプランの今後の取り組みについて伺います。
 総合計画富国有徳の理想郷“ふじのくに”のグランドデザインが平成二十三年二月に策定され、本県が目指す方向を定めながらさまざまな施策を展開してまいりました。また平成二十六年にはその後の社会経済情勢等の変化を踏まえ、ふじのくにづくりの総仕上げとして後期アクションプランを策定し今日に至っています。
 後期アクションプランでは、常に進捗状況を評価検証し最適な手法の選択や施策の重点化を図るとされていますが、残すところ二十八年と二十九年の二カ年となり時々刻々と変化する時代の要請に的確に対応して不断の見直しを図り時代にふさわしい新たな施策に積極的に取り組んでいくことが総仕上げに向けて重要であると考えます。後期アクションプランではその重点項目として大規模地震への備え、内陸フロンティアを拓く取り組み、人口減少社会への挑戦、富士山を生かした地域の魅力づくり、健康寿命日本一の延伸、新成長産業の育成と雇用創造、エネルギーの地産地消、多彩な人材を生む学びの場づくりが掲げられていますがこれらの中でも富士山や健康寿命の関係は静岡県から全国に発信できる材料がそろい大きな成果となってあらわれつつありますし、防災対策やインフラ整備等につきましても進捗をしていると思われます。
 また、本県の景気動向は緩やかな回復傾向にあるなど明るい動きが見られています。しかしながら昨日に発表された一月の有効求人倍率は十四カ月連続して全国を下回っており、製造品出荷額等については六年ぶりに十六兆円まで回復したもののリーマンショック前の水準には回復していないなど産業の育成と雇用の創造が求められています。
 また、人口減少に目を向けてみますとことし一月に国が発表した人口移動報告では昨年一年間の本県の転出超過数は全国ワースト五位と非常に厳しい状況にあります。平成二十三年当時この議場において人口減少社会に警鐘を鳴らした発言が我が会派の議員からありましたが当時はまだまだ先のこととして危機感ある議論には発展しなかったと記憶しています。しかしながら今日では極めて重いテーマであることは論をまちません。社会経済情勢に左右されやすいことや多彩な人材を生む学びの場づくりなどのように成果に結びつくには多くの時間を要する事柄などがあり、それぞれに困難を伴いますがこれらの極めて重い課題、目標に向かっても静岡県は挑戦し続けてほしいと願っています。
 平成二十九年度を計画期間の最終年度とした後期アクションプランも総仕上げの時期に差しかかり、最後の評価検証を行いながら取り組みを加速しなければならない時期となりました。
 そこで、総合計画後期アクションプランについて今後知事はどのような認識で取り組んでいくのか伺います。
 次に、新東名浜松いなさ―豊田東間の開通を踏まえた観光振興について伺います。
 二月十三日に新東名高速道路浜松いなさジャンクションと豊田東ジャンクションの間の開通式があり、私も参加してまいりました。これまで県内のみの供用だったものがこのたびの開通により静岡県内、愛知県内の高速道路約二百キロメートルのダブルネットワークが完成したわけであります。これにより全国の高速道路でワースト一位と言われている東名の渋滞が大幅に緩和されることや移動時間の短縮、交通事故の減少などが予想されるとともに、何といっても人や物の交流が盛んになり観光振興にも大きな効果が期待できると思われます。式典の後、岡崎から長篠設楽原サービスエリアまでのパレードに加わりましたが奥三河地域にとっては名古屋などからの日帰りの観光客が四百万人増加するとの試算もあり開通を祝う熱気が伝わってきました。私静岡県民といたしましてはその先にはさらにさらに魅力あふれるところがあります。静岡県にもぜひおいでくださいとの思いでいっぱいでありました。
 愛知県は、本県の二倍の人口の約七百五十万人を抱える巨大な県であり岐阜、三重を加えた中京圏では千百万人に達しています。歴史的に見ても徳川家康公は岡崎で生まれ浜松で出世の階段を駆け上がり駿府で大御所政治を行うなど江戸を除けば静岡県と愛知県が活躍の舞台であったと言っても過言ではなく、人々も同じような風土や文化の中で暮らしながら交流も盛んであったと思われます。来年にはNHKの大河ドラマに女領主となった井伊直虎が取り上げられると聞いておりますが、浜松市発祥の井伊家の子孫は滋賀県彦根藩主となり徳川幕府の中枢で政権を支えたことなどもとより両市の関係も深いことから、かの地の人たちも浜松に対して一層大きな関心を持ってくれることと思われます。
 私たち遠州人は、冬にはよく北陸を訪れます。それは雪国に対する好奇心も一因と思われますが逆に向こうの人たちにとっては冬でも雪がない、しかも日本一の富士山が待っている静岡県は大きな憧れの対象ではないでしょうか。新東名浜松いなさ―豊田東間の開通を契機として一層の交流拡大、観光振興を図らなければならないと考えます。本県への交通アクセスの向上する愛知県を初めとする中京圏さらに近畿、北陸などに対して積極的に観光誘客を働きかける必要があると思いますが、今後県としてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、旅行業者における安全確保対策について伺います。
 去る一月十五日午前一時五十五分ころ、長野県北佐久郡軽井沢町の国道においてスキーツアーの貸し切りバスの転落事故が発生し乗客乗員四十一人のうち若い大学生を含む十五人が死亡するといった過去三十年で最悪のバス事故となりました。原因は現在も関係各機関が調査中でありますがその背景には二〇〇〇年の規制緩和によりバス事業者が急増し、また外国人観光客の増加などに伴ってバスの需要が高まり運転手の不足が恒常化している状況があると言われています。その影響で運転手の高齢化の進行、健康管理の不徹底や有給休暇の減少や賃金の減額など労働環境が悪化しておりこうした事情が事故につながったという指摘もあります。事故の責任はバス会社にあることは言うまでもありませんが低価格競争の激化する中でぎりぎりのところでバス会社に運行業務を発注し、その結果運転手を初めとした現場にしわ寄せが行っての事故であるとするならば、ツアーを企画し運行業務をバス会社に発注していた旅行会社にも責任の一端はあるのではないかと考えます。
 今回の事故を受けて、国土交通省静岡陸運支局では県内二カ所で道路運送法に基づき貸し切りバスの街頭検査を実施したり貸し切りバス事業者への一斉監査を行うなど指導監督を強化しています。また官公庁より各都道府県に対しては貸し切りバスによる企画旅行における安全確保の徹底についての通達があったと聞きました。事故のない安全な旅行が担保されることが観光振興の上で何よりも優先されることから国、県、関係団体挙げて安全確保に取り組まなければなりません。
 そこで、県が指導監督を行う国内旅行や隣接自治体旅行を商品とする第二種、第三種の旅行業者に対して今後どのように対応していくのか伺います。
 次に、農業振興についてのうち、地球温暖化に向けた対策について伺います。
 昨年秋には、三方原特産の大根が規格外に育ち過ぎたり温州ミカンの浮皮果が多発するなど極端な高温多雨による気象が農作物の品質や収量に大きな影響を及ぼしました。地球的規模で見れば気温は百年の間に〇・七度上昇し今後はますます加速される見通しとされていますが静岡市でもこの五十年で一度上昇したとのデータもあります。本県の年間平均気温は沿海部で十六・三度であり温暖な気候に恵まれ多種多様な農業が展開されていますが温暖化に伴う気温の上昇や異常気象の頻発によりこれまで適地とされてきた産地では品質の低下や生産そのものが難しくなると思われます。主力であるミカンやお茶、施設野菜や花卉類など農芸品と称される高品質な農作物を生産してきた産地の将来についても存続できるのか心配しております。
 国の予測では、果樹などの栽培適地は次第に北上するだろうとされリンゴは北海道、ミカンは関東から東北の一部が栽培適地になるとも言われており、現在各地で温暖化対策の技術開発が行われています。山形県では将来の気温上昇を見込みこれまで栽培が不可能であったかんきつ類の栽培試験を始めているといった報道が目にとまりました。四国愛媛県ではより温暖な地中海地方が栽培適地のかんきつ類を導入し成功しつつあるとも聞きます。本県においても特産と言われるような農産物が引き続き高品質を維持できるような技術の開発や新しい品種や作物の導入の研究を進めるなど温暖化が進んだ気象条件でも成り立つ農業を目指した取り組みを進めていくべきと考えます。
 そこで、静岡県における温暖化対策として今後どのような取り組みを行っていくのか伺います。
 県産品の輸出拡大について伺います。
 政府の成長戦略において、農林水産業を成長産業へ飛躍させるためにさらなる輸出促進が主要施策に掲げられ二〇二〇年に農林水産物、食品の輸出額を一兆円とすることが目標とされています。しかし海外で日本産ならば必ず売れるといったことは妄想であり、現地の競合品より高くても納得してもらえるのか、産地から店頭に並ぶまでの流通の仕組みが構築できるのかなど多くの課題を克服し冷静な戦略を練って当たらなければ進展はないと考えます。間違ってもTPPの締結によりますますふえることが予想される輸入農産物との帳尻合わせなどといったことではなくて、生産者や地域経済にとって好材料となるようなことでなくてはなりません。
 菊川市にある無農薬抹茶を生産販売している会社では、抹茶をイギリスでティラミスやアイスにかけて実演したところ好評を博し輸出につながり、その後タイにも販路を拡大しつつドイツやフランスも視野に入ってきていると聞きます。また浜松の食品卸売業の会社ではミカンなどを丸ごと溶かしペースト状にした製品を開発しましたが菓子類や飲料を初め石けん、香水、マッサージオイルなど百種類以上の製品の原料として国内で順調な販売を続けながら輸出にも目を向け、現在香港、マレーシアなどの企業からも引き合いがあり取引が行われていると聞きます。
 農産物を輸出するに当たり大切なことは、国内でも高い評価を受けつつ生産量も安定していることであり静岡県で言ったらお茶にミカン、温室メロンやワサビといったところでしょうか。また先ほど二つの事例を挙げましたが輸送にも有利で日持ちもする、消費の段階で多くの広がりがあり付加価値の高い加工品を開発し販売していくことが成功の鍵となると思われてなりません。販売の促進についてはこれまで物産展や商談会を開催しながら日系の店舗を中心に行ってきた傾向があると思いますが、今後本格的な販路の拡大を目指すのであれば現地の取引パートナーや商社との関係づくりが重要と思われます。昨年はアジアを中心に空前の訪日客があり食の都しずおかを楽しんでいただいた外国人は多いと思いますが、帰国後も引き続き静岡の食を楽しんでもらえるような仕組みづくりも必要ではないかと思います。
 そこで、県産品の輸出促進についてこれまでの取り組みの成果さらには今後の取り組みについて伺います。
 次に、浜名湖の水産資源の確保についてのうち、魚介類をふやす取り組みについて伺います。
 県西部に位置する浜名湖は、面積は全国十位の湖であり上流の河川からの真水と開口部の今切口から流れ込む海水がまざり合う汽水湖であり、そのため魚介類の餌となる植物プランクトンの発生も多く豊かな漁場となっています。アサリの漁獲量は三河湾が日本一ですが単位面積の漁獲量は一平方キロメートル当たりに換算すると十一トンに比べ浜名湖はその五倍の五十トンほどであり、エビやスズキなどの魚類も含め多彩な食材を供給し続けています。今後とも浜名湖の漁業が地域の食卓をにぎわす重要な産業であり続けるためには水産資源の安定的な確保が重要であります。漁獲量は一九八〇年代をピークに年々減少の傾向にあったため重要な漁獲対象種であるクルマエビとガザミ類の資源をふやすべく一九七八年から種苗放流が行われてきました。それ以降クルマエビは漁獲量の増加につながり栽培漁業の優等生と言われた時期もあり、幻のカニと言われたノコギリガザミも目にするようになりました。しかし近年クルマエビの漁獲量は浜名湖のみならず全国的にも低迷していると聞きます。
 大切な漁業資源であるクルマエビとガザミ類の種苗放流及び資源の現状と、県の今後の取り組みを伺います。
 また、アサリにつきましては漁獲量全体の九割を占める最も重要な対象でありますがこれまた一九八〇年代をピークに減少傾向にあり、二〇一三年には極端な不漁に見舞われ潮干狩りも中止に追い込まれたことは記憶に新しいところであります。漁業者みずからが規制を設けての乱獲防止や天敵の駆除、増殖に向けての取り組みなどが行われていると聞いていますがアサリ資源の安定的な確保に向け、県としてどのような支援を行っているのか伺います。
 ウナギ資源対策について伺います。
 浜松市といえばウナギを連想する人が全国レベルでも随分多いと思われます。浜名湖周辺の養鰻業とその関連産業は食の都を演出する重要な顔ぶれであり地域産業であることに今でも変わりはありません。生産量日本一の座は他産地に譲ったものの浜名湖ブランドの養鰻業の火を決して絶やしてはならないと考えます。養鰻業はその種苗を一〇〇%天然のシラスウナギに頼っていますが浜名湖には毎年数多く遡上し養鰻業を支えてきました。これからも存続、発展していくためには浜名湖に遡上するシラスウナギの安定的な確保が重要となります。しかしシラスウナギの遡上量は全国的に大きく減少しており浜名湖もその例外ではありません。さらに我が国に限らず中国や台湾でも同様の傾向でありニホンウナギの種の存続すら心配される事態となり、最近国際自然保護連合において絶滅危惧種として指定され今後ワシントン条約による国際取引の規制も危惧される事態となっております。
 二〇一〇年に独立行政法人水産総合研究センターでニホンウナギの完全養殖に試験段階で成功の朗報が入ってきましたが、まだまだ大量に育てるには遠く及ばず課題の解決に向けて県水産技術研究所浜名湖分場を初めとして各地で盛んに試験研究が行われている状況でありますが、当分の間は天然のシラスウナギに頼らなければならないことと思われます。
 そこで、浜名湖で漁獲される養殖種苗としてのシラスウナギの安定的な確保に向け、県としてどのような取り組みを行っていくのか伺います。
 次に、労働委員会の現状と今後の役割について伺います。
 人口減少社会を迎え、労働人口も減少する中で高い経済力を支える生産性を維持していくためには労働力の質の向上や若者の雇用の機会の確保、女性や高齢者の労働市場への積極的な参加の促進とあわせて個々の労働者が安全・安心に働くことができる労働条件の確保と職場環境が重要であります。賃金闘争や労働条件の向上、働きやすい職場環境づくりに向けては本来使用者側と労働組合での団体交渉で解決すべきこととなっていますが、それでもなお解決できない場合などには県が設置している労働委員会においてあっせん・調整ができることとなっております。またこれに加えて組合に参加していない労働者や個人的な理由でトラブルを抱える労使双方の問題に対して解決の道筋をつける個別的労使紛争のあっせんの制度もあり、各県民センターにおける面接や電話、メールなどの相談窓口や月一回の弁護士による相談会の開催と一体となって働く者や経営者にとっても頼りになる存在となっています。
 昨年の個別的労使紛争のあっせんのまとめによると、新規取り扱い案件の内容は解雇などの人事案件十四件、賃金関係が五件、職場の人間関係が二件、労働条件関係が一件の合わせて二十二件でありました。今後職場における個別的労使紛争への対応がますます重要になってくると考えますが、労働委員会はどのように捉えているのか伺います。
 また、近年では裁判所での労働審判や国の労働局が行う個別労働関係紛争のあっせん等、紛争解決にかかわる類似の制度が導入されるようになってもきました。
 そこで、労働委員会はそれらといかにしてすみ分け、その役割や本来の機能をどのように果たしていこうとしているのかあわせて伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 野澤議員にお答えいたします。
 総合計画後期アクションプランの今後の取り組みについてであります。
 後期アクションプランのこれまでの進捗状況でございますけれども、先月御公表申し上げました“ふじのくに”づくり白書にお示しいたしましたとおりおおむね順調に推移しているところでございます。この後期アクションプランは八つの重点取り組みから成っております。一つは危機管理、あとの三つは経済関係、三つが人の関係、そして締めが富士山でございます。危機管理を何よりも優先すると。経済関係といたしましては内陸のフロンティア。それから地産地消としてエネルギーを賄っていく。三つ目は新しい成長産業を育成するということでございます。そして人に関しましては少子化対策として人口減少対策、二つ目として人材の育成、三つ目は健康寿命を延ばすということでございます。そして世界の宝としての富士山。これを後世に、また世界に広く大事にしているということをお見せしていくということでございます。
 そうした中で、御指摘のございました新成長産業の育成と雇用の創造や人口減少対策、多彩な人材を生む学びの場づくりにつきましては必要な対策を来年度当初予算案に重点的に盛り込み積極果敢に挑んでまいります。もとより厳しい数字が出ておりますけれども平成二十一年、リーマンショックの直後でございますけれども有効求人倍率は何と〇・四でございました。それが一を上回りなるほど今回、昨年末の一・二五から一・二四に下がったとはいえ既に仕事がないところから人手が少ないと、人手がないというところにまで回復しているという面もございまして私どもはこうしたプラスの動きをさらに強めていきたいとこういうわけでございます。
 まず、新成長産業の育成と雇用の創造に向けましてはものづくり分野等へのIoTの導入の促進、ふじのくにCNF――セルロースナノファイバーのプロジェクトのメッカとなろうということでの推進、プロフェッショナル人材戦略拠点による県内企業と県外人材のマッチング支援などこの二月に策定いたしました産業成長戦略二〇一六に基づく取り組みを官民一体で強力に推進してまいります。
 人口減少社会の克服に向けましては、都内の移住相談センターの広報機能を強化いたします。また首都圏のプロモーションを拡充いたします。移住・定住の促進に向けた取り組みの充実を図ります。企業、市町と連携し結婚、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援に取り組みます。また多彩な人材を生みまた学ぶ場の形成に向けまして教職員及び高校生の国際化の推進、新しい実学の奨励、地域人材の活用等々社会総がかり、地域総ぐるみで取り組みを強化してまいります。
 さらに、世界に羽ばたくという観点からはラグビーワールドカップ二〇一九、二〇二〇年東京オリンピック自転車競技の本県開催など静岡県の魅力を世界にアピールする絶好の機会であると捉えましてこれを生かし、スポーツを通じた交流の拡大とスポーツ王国しずおかの復活、新しい地域外交の展開などに取り組みます。そして環太平洋連携協定いわゆるTPPの合意を踏まえまして農林水産業の競争力の強化を図ってまいります。世界に羽ばたくふじのくにというそういう姿勢でこれを実現してまいります。後期アクションプランが目指す県民幸福度の最大化の実現に向けまして私の政治姿勢でございます現場主義と前倒しを善は急げということをモットーにいたしまして、発想を柔軟にいたしましてスピード感を持ってふじのくにづくりの総仕上げに向けて全身全霊を捧げ邁進してまいりますので、県議会の皆様の御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
 次に、新東名浜松いなさ―豊田東間の開通を踏まえた観光振興についてであります。
 新東名は、我が国の最高水準の土木技術の結晶であります。国の経済や物流を支える大動脈であります。二月十三日の浜松いなさ―豊田東間の開通は本県と愛知県とのさらなる交流連携が期待されるとともに、伊勢湾岸自動車道、新名神高速道路と一連になりまして東海道新時代が大きく西へ視野を広げることになりまことにうれしく感じております。オープニングのセレモニーに議員も参加されたとのことでございますが四年前の四月十四日大嵐の中、本県百六十二キロの新東名の開通のオープニングセレモニーがありました。そのときと比べてこのたびの豊田東―いなさ間の開通は国交大臣が御出席なさり、かつ要人が来られて愛知県知事は自分はさまざまなオープニングの式典に参加したけれどもこれほどの大規模な式典は経験したことがないということでございました。さらに長篠のPAにおける開通式典もございましてそこには前国交大臣の太田大臣が御出席になりましてこれもにぎやかになりました。岡崎のSA、長篠のPAはものすごくにぎわったと。終日にぎわったとのことでございました。
 私は、この四年間の間に新東名に関する国民の見方が劇的に変わったと思っております。四年前はまだ東京都知事を務められた方がああいうものは無駄であるというようなそうした空気がございました。いわゆるコンクリートから人へというような流れが受けとめられていた時代があったわけです。しかしながら東日本大震災などを経験し新東名がなんと命の道としての重要性があると。またSA、PAも全く従来とは違う役割を果たすと。地域のそれぞれの個性がそれぞれのSA、PAに発揮されているということがわかったということもありましてこの新東名にかける人々の熱い思いがあの式典にあらわれていたということでございます。
 昨年、本県を訪れた宿泊客のうち中京圏は一二%、近畿圏は六%を占めておりまして首都圏に次ぐ誘客市場となっております。今回の開通は中京圏を初め近畿さらに県議御指摘のとおり北陸から本県への交通アクセスの大幅な向上をもたらします。遠州の方は北陸に冬訪れられるのが文化なのでしょうか。確かに福井の越前のカニですか。あるいは加賀の治部煮、富山湾でしかとれないホタルイカ。これらは食通の遠州人にとっては耐えられない魅力だと存じますけれども越前のほうに行くには新東名豊田東から名神に乗りかえて北陸道に乗ればいいと。また越中富山やあるいは加賀のほうに行くには東海北陸自動車道に帰る場合はおりてきてそして新東名に乗られればいいと。格段に便利になったと思います。一方向こうの方々にとって引佐の近くには――御地元でございますけれども――さんさんと日が降り注ぐ中、皇室に献上されるようなすばらしいネーブルのほか農芸品、かんきつ類がたくさんございます。まさに違う食文化が両方にあるということでこの魅力を互いに楽しみ合うという時代をこれから我々開いていきたいものだというふうに思っております。
 このため、県では県内エリアの高速道路が定額で乗り放題となるドライブプランをNEXCO中日本に働きかけまして、そして開通に合わせて実施していただきました。フリーペーパーを作成し周遊モデルコースや新東名沿線の魅力を紹介しております。偶々中日本高速道路株式会社のCSR委員会の委員を丸十年務めてまいりまして我々と新東名とのあるいは中日本との関係は非常にようございます。ちなみに今地域支援センターの理事長の矢野さんはそこのトップでございましたので人的つながりもございまして新東名の持つ魅力を一緒に高めていきたいと思っております。
 さらには、開通に先立ちまして昨年九月に名古屋市で、ことし二月には大阪市で旅行会社をターゲットにした商談会を開催いたしました。中京圏や近畿圏からの旅行商品の造成を働きかけているところであります。そして来年のNHK大河ドラマ「おんな城主直虎」の舞台は開通区間の東の端にある県西部地域です。全国から本県にお越しいただく絶好の機会としてガイドブックの作成や交通事業者との共同による情報発信など地元の自治体や関係機関と連携した誘客活動を展開してまいります。これらにより今回の新東名の開通がより大きな追い風となって本県への一層の誘客効果を発揮するものと期待しております。
 ちなみに、新東名のSA、PAは食材等々で有名ですが実際はちょっと尾籠な話でございますけれども日本で最も美しく快適なトイレというのが発表せられました。そのトップになったのはそこの新清水のPAのトイレでございます。帝国ホテルよりもすばらしいと。また快適であると。清潔であるということでございましてこれからの時代、不浄なところをきれいにするという精神もあわせて持っておりましてそうしたものが私は新東名からさらに静岡県下、それから観光客を迎えるときに例えば三保松原の掘っ立て小屋のような観光案内所がありますがその隣のトイレは昔のままです。こうしたことは本当に変えていかなくちゃならないということでございまして、やはり誰もが国籍関係なく来られますので快適なようにしていかなくてはならないということであります。
 今後とも、中京圏、近畿圏などからの誘客もさらに積極的にお迎えするために観光展やラジオ、雑誌等のメディアを活用して本県の世界レべルの多彩な観光資源や一層充実した交通ネットワークをPRするとともに、旅行会社などを招いた県内視察ツアーの実施によりまして旅行商品造成を働きかけてまいりました。全体として観光振興の取り組みを積極的に進めていこうという考えでおります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長のほうから御答弁を差し上げます。
○副議長(杉山盛雄君) 西田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 西田郁夫君登壇)
○文化・観光部長(西田郁夫君) 旅行業者における安全確保対策についてお答えいたします。
 県では、これまでツアーを催行する旅行業者に対し旅行者の安全を確保するため定期的な立入検査や安全対策をテーマとする研修会を実施してまいりました。このたびの軽井沢スキーバスの転落事故は極めて重大な事故だったことに鑑み事故直後の一月十八日に県内旅行業者に安全確保の徹底を求める通知を発出するとともに、旅行業団体が開催した緊急研修会に職員を派遣し安全対策の周知徹底を図ったところであります。さらに先月十六日から本県登録の旅行業者のうち貸し切りバスによる企画旅行を実施する旅行業者を抽出した抜き打ちによる立入検査を開始し、貸し切りバス事業者との契約における適正な運賃等の算定や交代運転手の配置等の安全対策の実態把握などを重点的に調査しているところであります。
 今後は、立入検査の結果や国の事故対策検討委員会での検討結果も踏まえ旅行業者に対する適切な指導監督を行うことを通じ旅行業界全体の安全意識の向上や安全対策の徹底を図り、県民や本県への旅行者が一層安全・安心に旅行を楽しめる環境づくりを進めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 篠原経済産業部長。
       (経済産業部長 篠原清志君登壇)
○経済産業部長(篠原清志君) 農業振興についてのうち、地球温暖化に向けた対策についてお答えいたします。
 近年、地球温暖化の影響により玄米が白く濁る白未熟粒による品質低下、温室栽培での生育障害、貯蔵ミカンの品質劣化などが生じております。このため米については食味がよく夏の高温でも品質が落ちない新品種の「にこまる」と「きぬむすめ」を新たな銘柄米として県内での普及を図るとともに、夏場の温室栽培では夜間の冷房効率を高める新しい断熱素材の研究や貯蔵ミカンの腐敗を抑制するためのLED光を利用した貯蔵技術の開発を進めております。一方温暖化の進行で新しい農作物の産地となる可能性も出てまいりました。既に伊豆農業研究センターは平成二十三年からパパイヤなどの熱帯果樹を温室で栽培し生育状況を調査しております。今後は市場の動向と地元生産者の意向を踏まえ本県の新たな特産品化を進めてまいります。
 県といたしましては、農作物への温暖化の影響を最小限に抑えるための技術開発を進めるとともに、温暖化を好機と捉え意欲ある生産者が新分野に挑んでいくために必要な支援にも取り組んでまいります。
 次に、県産品の輸出拡大についてであります。
 本県は、成長著しいアジア市場を重点対象に輸出のきっかけづくりから国内外のパートナーとの信頼関係の構築まで県内事業者の輸出展開を支援しております。香港やシンガポールではこれまでの取り組みが実り富士山静岡空港からの今シーズンのイチゴの輸出は平成二十五年の約四倍にも増加しております。また昨年九月に台湾のバイヤーを招聘したところうなぎいもや伊豆の乾燥シイタケの販路が新しく開拓できました。来年度はパートナーとの信頼関係をさらに強化しシンガポールにおけるレストランフェアの開催による飲食店の業務用需要の獲得を図るほか、中国寧波市政府の協力のもと保税区を活用した通販サイトへの県内事業者の出展を支援してまいります。またお茶については海外からの専門家の招聘などにより販路拡大を図ってまいります。
 県といたしましては、市場動向を見きわめて商品開発や販売戦略に生かすマーケティング力の向上と高品質な県産品の価値を一段と高め地域ブランドを確立する戦略を新たに策定し、輸出に向けた新たな販路の構築とこれに対応する生産の拡大に努めてまいます。
 次に、浜名湖の水産資源の確保についてのうち、魚介類をふやす取り組みについてであります。
 浜名湖のクルマエビは、種苗放流の効果により平成元年には過去最高の漁獲量を記録しましたが近年はその二十五分の一程度に低迷しております。このため種苗の放流効果を高める技術開発に取り組んでおり、浜名湖南部の環境の変化が種苗の生き残りを低下させている可能性があるため放流海域を北部に変更して改善効果を確認いたします。またガザミ類は従来から漁獲量が伸び悩んでおりますがノコギリガザミについては平成に入り徐々に増加しています。今後はガザミ類の種苗を安定して大量に生産する技術を確立し多くの種苗を放流することで浜名湖のガザミ資源の増加を図ってまいります。
 さらに、アサリについては漁業者が積極的に資源を管理していることから引き続き県はアサリの生育状況の情報提供に加え漁業者みずから行う網袋による稚貝保護への支援のほか浜名漁協とともに密漁監視に取り組んでまいります。
 県といたしましては、浜名湖は本県の重要な漁場であることから漁業者とともに資源管理に取り組み、漁業の振興を図ってまいります。
 次に、ウナギ資源対策についてであります。
 本県は、ウナギの資源管理に率先して取り組むため県漁業調整規則でシラスウナギの採捕を許可制とし、採捕期間を定め県内養殖業者の必要量に限って採捕を認めております。また昨年から新たに制定された内水面漁業振興法により養鰻業が許可制となっております。これを受け県は全ての養殖業者の池入れ状況を把握し国に指示された池入れ量に達すればシラスウナギの採捕を終わらせる体制を整えるとともに、密漁防止のためこれまで行ってきた巡視に加え今年度からは浜名湖での採捕漁具に許可番号の標識設置を義務化いたしました。
 一方、シラスウナギの安定的な確保のためには親ウナギの保護も必要であります。県は浜名湖で漁業者、流通業者などの方々が始めた親ウナギ保護を目的とした買い上げ放流事業を一昨年から支援しており賛同の輪が年々広がり放流量もふえ、今年度はこれまでで最多の六百九十六尾の親ウナギを放流したところであります。さらに県水産技術研究所はシラスウナギの大量人工生産の確立に向けた国との共同研究において良質な卵を安定的に確保する技術の開発を進めております。
 県といたしましては、引き続きウナギ関係者との連携はもとより県民の皆様にも御協力をいただき資源管理に万全を期してまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 芝田労働委員会事務局長。
       (労働委員会事務局長 芝田 篤君登壇)
○労働委員会事務局長(芝田 篤君) 労働委員会の現状と今後の役割についてお答えいたします。
 労働委員会は、労働組合と使用者との間に生じた集団的な労使紛争の解決支援を専門に行う行政委員会であり、平成十三年からは労働組合を介さない労働者個人と使用者の個別的な労使紛争にも取り組んでおります。個別的な労使紛争の多くは労働条件の不利益変更や職場の人間関係に関するものですが今後は雇用や勤務形態の多様化と働く環境への意識の高まりなどから特に労働組合がない職場での紛争の増加が予想され、より的確な対応が求められていると認識しております。現在この個別的な労使紛争の解決につきましては数回の審理で権利関係を確認し、金銭の支払い等を命じる裁判所の労働審判や法令違反が疑われる事案等を対象に国の労働局の紛争調整委員会が行うあっせんなど関係の機関が独自に制度を設けて対応を図っております。
 こうした中で、当委員会のあっせん制度は公益、労働者、使用者それぞれの立場の三名のあっせん員が助言や粘り強い説得で話し合いを促進し現実的な解決を目指すのが大きな特徴であります。
 今後、県民生活センターが行う労働相談との連携の強化とともに、制度の特徴をアピールする効果的な広報で一層の利用の拡大を図って将来に向けた安定的な労使関係の構築という労働委員会本来の機能を発揮してまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 野澤義雄君。
       (六十七番 野澤義雄君登壇)
○六十七番(野澤義雄君) ありがとうございました。
 それでは一点、旅行業者における安全確保対策について伺います。
 今回の事故を受けて、道路運送法等を初め関係法令を見直さなければというような声も聞かれますし、無論国それから関係団体、県を挙げて取り組んでいかなければ改善はなかなかできないなという感じがいたします。安全は何よりも優先されるべきことですから県として現行の中でもできるだけのことをやらなければならないというふうに考えております。いろいろな取り組みをされているということで御説明がありましたがホームページにも出ておりますけれども国の指示によりまして今度立入検査、重点検査を行うということで県がこの二月、三月に取り組むということで聞いております。その内容はどんなものでしょうか。十五社程度と言いますけれども県が所管しているのが二百団体ぐらいある。そのうちで直接県が干渉するというか監督しているところが六十五団体ありますけれども十五団体程度でそれが十分実効あるものになるかどうか伺いたいと思いますし、それから主な県の仕事として旅行業法遵守状況自己点検表というものを関係の旅行業者に提出を義務づけをしております。毎年のことでありますけれども。その中には八項目三十の事柄についていろいろ点検表があるわけですけれどもその点検表もおざなりのものであっては決してならないというふうに思っておりますし、しっかりとした点検を行うようなチェックとそれから今回の重点検査で安全についてどうだということがまたそういう点検の中に盛り込まれて今後いこうとしているのかどうなのか。その辺のところがありましたらぜひお答えをいただきたいと思います。以上で質問を終わります。
○副議長(杉山盛雄君) 西田文化・観光部長。
○文化・観光部長(西田郁夫君) 野澤議員の旅行業者における安全確保対策の再質問についてお答えいたします。
 まず、現在行っている立入検査の内容はどういうものかということでございますけれども例年この時期には新規に登録された事業者を中心に立入検査を行っているわけでございますけれども、今回の事故を受けまして特に旅行業者と貸し切りバス事業者との契約の文書化の実施の有無あるいは旅行業者と貸し切りバス事業者との間でやり取りされている運賃その他金銭に係る契約の実態等々を検査するということで、現在十五社を目途に今週末まで実施しているというところでございます。今回のまだ立入検査に当たってまとめはできていないわけでございますけれども、今後観光庁にまとめて報告いたしましてその結果いろんな指示が出てくると思いますので、それに基づきまして我々はまたさらに旅行業者に対して指導を徹底していきたいということであります。
 二点目の御指摘にございました、現在やっている通常の立入検査の項目がおざなりになってはならないということでございますけれども今回の緊急に行った立入検査において不備な点等があれば、そういう点について重点的に来年度以降調査するということでしっかりと安全を確保するための取り組みをやっていきたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。以上であります。

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